特許第6091292号(P6091292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6091292電力インバーター用のシステムオンチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091292
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】電力インバーター用のシステムオンチップ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20170227BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H02M7/48 E
   H02M1/08 A
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-74371(P2013-74371)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-223419(P2013-223419A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2013年6月17日
【審判番号】不服2015-8476(P2015-8476/J1)
【審判請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】13/794,124
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/624,556
(32)【優先日】2012年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597161115
【氏名又は名称】インターナショナル レクティフィアー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ギアンダリア
(72)【発明者】
【氏名】トシオ タカハシ
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ グラッソ
【合議体】
【審判長】 新川 圭二
【審判官】 和田 志郎
【審判官】 山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−228860(JP,A)
【文献】 特開2001−327171(JP,A)
【文献】 再公表特許第2005/074110(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)上に一体となって形成された論理回路であって、電力インバーターの電源スイッチを制御するための変調信号を発生するように構成され、少なくとも一つの入力値に基づいた前記変調信号を発生する論理回路と、
前記IC上に一体となって形成された電圧レベルシフターであって、前記変調信号を、前記電力インバーターの前記電源スイッチを駆動するための最適な電圧レベルに変えるように構成された前記電圧レベルシフターと、
前記電源スイッチの少なくとも1つから受けた前記の少なくとも1つの入力値を、前記論理回路に提供するように構成されたアナログデジタル変換器と
前記IC上に一体となって形成されたセンス回路とを備え、該センス回路が前記入力値を発生するように構成され、
前記ICが、入力電圧を受けるための単一入力ピンを有するミックスシグナルICであることを特徴とする集積回路。
【請求項2】
前記論理回路がデジタル論理回路を有する、請求項1に記載のIC。
【請求項3】
前記入力値がデジタル入力値を有する、請求項1に記載のIC。
【請求項4】
前記入力値が前記電力インバーターの前記電源スイッチの検出値を含む、請求項1に記載のIC。
【請求項5】
前記IC上に一体となって形成された電源を備え、該電源が前記論理回路及び前記電圧レベルシフターに電力を供給するように構成される、請求項1に記載のIC。
【請求項6】
前記電源インバーターが三相電源インバーターである、請求項1に記載のIC。
【請求項7】
前記ICはアナログ形式で前記入力値を受けるように構成される、請求項1に記載のIC。
【請求項8】
前記入力値が、前記電力インバーターの前記電源スイッチの、電圧、電流、インピーダンス、及び温度の値の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のIC。
【請求項9】
前記ICは、前記電力インバーターの前記電源スイッチとともにマルチチップモジュール中にある、請求項1に記載のIC。
【請求項10】
集積回路(IC)上に一体となって形成されたデジタル論理回路であって、電力インバーターの電源スイッチを制御するための変調信号を発生するように構成され、少なくとも一つのデジタル入力値に基づいた前記変調信号を発生するデジタル論理回路と、
前記IC上に一体となって形成された電圧レベルシフターであって、前記変調信号を、前記電力インバーターの前記電源スイッチを駆動するための最適な電圧レベルに変えるように構成された前記電圧レベルシフターと、
前記電源スイッチの少なくとも1つから受けた入力値を、前記少なくとも一つのデジタル入力値に変換し、前記少なくとも一つのデジタル入力値を前記デジタル論理回路に提供するように構成されたアナログデジタル変換器と
前記IC上に一体となって形成されたセンス回路とを備え、該センス回路が前記デジタル入力値を発生するように構成され、
前記ICが、入力電圧を受けるための単一入力ピンを有するミックスシグナルICであることを特徴とする集積回路。
【請求項11】
前記IC上に一体となって形成された電源を備え、該電源が前記デジタル論理回路及び前記電圧レベルシフターに電力を供給するように構成される、請求項10に記載のIC。
【請求項12】
前記デジタル入力値が前記電力インバーターの前記電源スイッチの検出値を含む、請求項10に記載のIC。
【請求項13】
前記電源インバーターが三相電源インバーターである、請求項10に記載のIC。
【請求項14】
前記ICがアナログ形式で前記デジタル入力値を受けるように構成される、請求項10に記載のIC。
【請求項15】
前記デジタル入力値が、前記電力インバーターの前記電源スイッチの、電圧、電流、インピーダンス、及び温度の値の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のIC。
【請求項16】
前記ICは、前記電力インバーターの前記電源スイッチとともにマルチチップモジュール中にある、請求項10に記載のIC。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年4月16日に出願された「高電圧インバータードライブ用のシステムオンチップ」と題する係属中の米国仮特許出願シリアル番号第61/624,556号に基づく優先権の利益を主張する。これによって、その係属中の仮出願における開示は、引用によって、本出願中に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電力インバーターは、モーター、スピーカー、ランプ又は、スイッチモード電源(SMPS)のような電気機器(load)に電力を供給するために利用される。適当な変調でもって電気機器に電力を供給するために、電力インバーターは、論理回路によって発生される変調信号に基づいて切り替えられる。論理回路は、電力インバーターの電圧、電流、又はインピーダンスの値のような入力値に基づいて、変調信号を発生する。電力インバーターを駆動するために、変調信号は、電圧レベルシフターによって、電力インバーターに対して適した電圧レベルに変えられる。論理回路と電圧レベルシフターは、別の集積回路(ICs)の中にあり、各々の別のICsは、各々の変調信号を調節するための専用のピンを組み込んでいる。
【発明の概要】
【0003】
電力インバーター用システムオンチップは、実質的には、図の少なくとも一つに関連して示され、及び/又は、記述され、そして、より完全には特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態に関連して、代表的なマルチチップモジュール(MCM)の平面図を示す。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態に関連して、代表的な電力インバーターを示す。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態に関連して、代表的な集積回路(IC)の図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の記載は、本開示における実施形態に関連した具体的な情報を含む。本出願における図面及びそれに付随する詳細な説明は、単に代表的な実施形態を対象としたものである。
別段の言及がなければ、図中の同様の又は対応する構成要素は、同様の又は対応する参照数字によって示される。さらに、本出願における図面やさし絵は、一般に、一定の縮尺ではなく、実際の相対的寸法に対応させることを意図していない。
【0006】
図1は、マルチチップモジュール(MCM)100の平面図を示す。MCM100は、例えば、約12ミリメートル四方の寸法で示されるか、又は、他の適当な寸法となりうる。MCM100は、集積回路(IC)102、電源スイッチ104a、104b、104c、104d、104e及び104f(又は、まとめて「電源スイッチ104」と言う。)、リードフレーム106及びボンドワイヤ108を含んでいる。
【0007】
IC102は、例えば、その上に、アナログとデジタル両方の回路が一体となって形成されたミックスシグナルICであり得る。電源スイッチ104は、例えば、パワー電界効果トランジスター(FETs)のようなパワートランジスターであり得る。示された実施形態において、IC102はと電源スイッチ104は、各々銅のリードフレームであり得るリードフレーム106の上に位置を定められます。また、IC102と電源スイッチ104は、リードフレーム106とボンドワイヤを利用して、電気的に各々結合される。ボンドワイヤのうち、ボンドワイヤ108a、108b、108c及び108dは、図1にあるように各々表示される。本開示の態様を不明瞭にしないように、図1からいくらかの詳細は省略される。例えば、リードフレーム106は、種々の部分を含み、互いに電気的に絶縁される。他の実施形態においては、IC102と電源スイッチ104は、別の方法を使用して、互いに電気的に結合できることが知られている。さらに、IC102と電源スイッチ104は、本開示の全ての実施形態において、1つのMCM又は同じMCMの中で、電気的に必ずしも結合される必要はない。
【0008】
図1に示される実施形態では、MCM100は、システムインパッケージ(SiP)である。IC102と電源スイッチ104は、電力インバーター、とりわけ、高電圧電力インバーターにおいて、電気的に結合される。本実施形態においては、電力インバーターは、3相電力インバーターであるが、違う型の電力インバーターでもあり得る。三相電力インバーターは、3つのレグを含み、各々は、電源スイッチ104から形成されるハーフブリッジを含んでいる。三相電力インバーターの第一番目のレグは、電源スイッチ104cと104dを含んでいる。三相電力インバーターの二番目のレグは、電源スイッチ104bと104eを含んでいる。三相電力インバーターの三番目のレグは、電源スイッチ104aと104fを含んでいる。示された実施形態は、三相電力インバーターであるが、別の実施形態では、MCM100は示されたものと比べて異なる数の相を含むことが出来る。例えば、電力インバーターは、2相電力インバーターであってもよい。
【0009】
ここで、図2を参照すると、図2は電力インバーター260を示す。いくつかの実施形態において、図1におけるMCM100は、図2における電力インバーター260を形成するように、利用される。電力インバーター260は、図1におけるIC102に対応するIC202を含んでいる。電力インバーター260は、また、図1における電源スイッチ104a、104b、104c、104d、104e及び104fにそれぞれ対応する、電源スイッチ204a、204b、204c、204d、204e及び204f(まとめて「電源スイッチ204」とも言う。)をも含んでいる。電源スイッチ204a、204b及び204cは、制御スイッチであり得、電源スイッチ204d、204e及び204fは、同期スイッチである。
【0010】
IC202は、電気機器212に電力を供給するため、電圧入力V1を受け取って電力スイッチ204を駆動する。特定の実施例として、電力入力V1は、およそ15ボルトであり得る。電圧入力V1は低電圧電源250から提供され、その電源は、コンデンサC4、EMIフィルター252、ダイオードブリッジ254及び、バス電圧VBUSを利用してAC線から電力入力V1を発生させる。
【0011】
限定されない電気機器212の実施例は、ファンモーターのような電気モーター、スピーカー(ここで、電力インバーター260がクラスDの増幅器である)、ランプ及びスイッチモード電源装置を含んでいる。図2は、IC202が、個別の高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3を、電力スイッチ204a、204b及び204cのゲートに提供されるように構成された3つの制御スイッチドライブ出力を有することを示している。図2は、また、IC202が、個別の低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3を、電力スイッチ204d、204e及び204fのゲートに供給されるように構成された3つの同期スイッチドライブ出力を有することを示している。
【0012】
電気機器212は、電源スイッチ204aと204f、電源スイッチ204bと204e、電源スイッチ204cと204d、及び、電源スイッチ204cと204dの、間のそれぞれの出力を受け取る。さらに、IC202は、各ブートストラップ電圧VB1、VB2及びVB3に対する出力に接続された3つのブートストラップ端子を含んでいる。3つのブートストラップ端子は、各コンデンサC1、C2及びC3を通じて、各電源電圧VS1、VS2及びVS3を備える3つの供給端子の各々に結び付けられている。供給電圧VSは、高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3、並びに、低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3を発生させるように、IC202における回路に結び付けられている。IC202は、色々な付加的機能を選択的に含むことが出来、少なくとも、ホスト240のような他の1つのデバイスに結び付けられている。
【0013】
IC202は、少なくとも1つの論理演算及び計算を使用するように構成され、電源スイッチ204が適切にオンオフを連続して変えられるように、高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3、並びに、低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3を発生させる。高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3、並びに、低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3は、電源スイッチ204のゲートに対し、適当な電圧レベルを提供するようなレベルアップ変更された電圧である。
【0014】
図3を参照すると、図3はIC302のダイアグラムを示している。図3でのIC302は、図2のIC202に対応している。IC302は、論理回路302、電圧レベルアップ部322及び支援回路324を備えている。
【0015】
電圧レベルアップ部322は、センス回路338と、電圧シフター334a、334b及び334cを含む電圧レベルシフター334とを含む。支援回路324は、選択的な電源336とアナログ−デジタル変換器(ADC)342a及び342bを含む。
【0016】
論理回路320と電圧レベルシフター334は、IC302上に一体となって形成される。論理回路320は、電力インバーターの電源スイッチを制御するため、高サイド変調信号330a、330b及び330c、並びに、低サイド変調信号332a、332b及び332cを発生するように構成される。電源スイッチは、図2における電力インバーター260の電源スイッチ204に対応する。低サイド変調信号332a、332b及び332cは、また、ここでは「変調信号332」として言及され、高サイド変調信号330は、ここではまた「変調信号330」として言及される。論理回路320は、少なくとも1つの論理演算と計算を使用するように構成され、変調信号330と332を発生する。
【0017】
電圧レベルシフター334は、変調信号330及び332を電力インバーターの電源スイッチを駆動するのに適した電圧レベルに変えるように構成されている。例えば、図2における電源スイッチ204を駆動するための適した電圧である。図3に示すように、電圧レベルシフター334は、電圧レベルアップ部322の中にあり、高サイド変調信号330a及び低サイド変調信号332aを、高サイドドライブ信号HO1及び低ドライブ信号LO1にレベルアップ変更するための電圧レベルアップシフター334aを含んでいる。電圧レベルシフター334は、また、高サイド変調信号330b及び低サイド変調信号332bを、高サイドドライブ信号HO2及び低ドライブ信号LO2にレベルアップ変更するための電圧レベルアップシフター334bを含んでいる。電圧レベルシフター334は、さらに、高サイド変調信号330c及び低サイド変調信号332cを、高サイドドライブ信号HO3及び低サイドドライブ信号LO3にレベルアップ変更するための電圧レベルアップシフター334cを含んでいる。電圧レベルシフター334a、334b及び334cは、電圧レベルシフター334として、選択的に言及され得る。電圧レベルシフター334は、応用される要求(例えば、電力インバーター260におけるハーフブリッジの数)に依存して、より多い又はより少ない電圧レベルアップシフターを含み得る。
【0018】
このように、図3における、高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3は、図2における、高サイドドライブ信号HO1、HO2及びHO3に対応している。同様に、図3における、低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3は、図2における、低サイドドライブ信号LO1、LO2及びLO3に対応している。電源スイッチ204を駆動するために適した電圧レベルは、論理回路320における電圧よりも著しく高く、例えば、およそ260ボルトからおよそ600ボルトである。このように、電圧レベルシフター334は、論理回路320よりも、より高電圧のIC302の領域である、電圧レベルアップ部322にある。
【0019】
IC302において、論理回路320及び電圧レベルシフター334は、各々IC302上に、一体となって形成される。それで、IC302は、変調信号330及び332の各々を受け入れる専用のピンを必要としない。そうすることで、電力インバーター260は、例えば、パッケージの配置や駆動信号の対称性及や接続の抵抗に関わるような重大な問題を避けることが出来る。このようにして、例えば、図1のIC102(IC302に対応する)は、電源スイッチ104とともに、MCM100の中に設けられる。さらに、上記のように、MCM100は、およそ12ミリメートル角のような小さな寸法を有している。
【0020】
変調信号330及び332を発生するため、論理回路320によって使用される少なくとも1つの論理演算及び計算は、少なくとも1つの入力値に基づく。図3に示された代表的な入力値は、入力値idx1、idx2及びidx3を含む。例えば、入力値のidx1、idx2及びidx3のような、少なくとも1つの入力値は、デジタル入力値とアナログ入力値のいかなる組合せも含むことが可能である。本実施形態においては、入力値idx1、idx2及びidx3は、デジタル入力値であり、論理回路320は、デジタル論理回路(例えば、ミックスシグナルICのデジタルコア)である。
【0021】
入力値idx3は、IC302によってデジタル形式で受け取られ、論理回路320へ提供される入力値の例である。入力値idx1は、IC302がアナログ形式で(入力値idx1として)受け取り、論理回路320へデジタル形式で提供される入力値の例である。入力値idx2は、例えば、電圧レベルアップ部にあるセンス回路338のような、IC302内のセンス回路から、アナログ形式(アナログ入力値idx2として)で受け取り、論理回路320へデジタル形式で提供される入力値の例である。
【0022】
示された実施形態において、サポート回路324は、論理回路320とインターフェースで接続するため、及び、入力値idx1及びidx2のようなデジタル入力値を論理回路320へ提供するように構成された、ADCs342a及びADCs342bを備えるため、アナログ信号調整器を任意に含んでいる。図3に示されたように、IC302は、入力値idxa1を入力値idx1に変換するように構成されたADC342aを任意に含んでいる。また、IC302は、アナログ入力値idxa2をデジタル入力値idx2に変換するように構成されたADC342bを任意に含んでいる。いくつかの実施形態においては、入力値idx1、idx2及びidx3のいずれもが、例えば、論理回路320がアナログ入力を受け入れるように、アナログ形式で論理回路320へ提供することが出来ることが知られている。このようにして、例えば、入力値idxa1及びidxa2は、いくつかの実施形態において、ADCs342a及び342b無しで、論理回路320へ提供され得るのである。
【0023】
このように、入力値idx1及びidx3(及び/又は、特に示されていない入力値)は、外部のソースからIC302へ提供される。実施例として、入力値idx1及びidx3は、図2でのホスト240から受け取ることが出来る。ある実施形態において、図2では、入力値idx1又はidx3は、モーターである電気機器212の望ましいスピードである、スピード設定値電圧VSPであり得る。入力値idx1又はidx3は、また、モーターである電気機器212からの望ましい方向である、ホスト240からの方向制御入力DIRに対応し得る。いくつかの実施形態においては、入力値idx1及び/又idx3は、ホスト240からの汎用非同期送受信(UART)インターフェースによって提供される。例えば、入力値idx1及び/又idx3は、受信号RXによってIC202に提供され得る。さらに、入力値idx1及び/又idx3は、SDA入力を通じて、電気的消去可能 プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)262から提供することが出来る。
【0024】
入力値idx1及び/又idx3は、ホスト240のような外部素子以外の他のソースからのものでもよい。例えば、入力値idx1及び/又idx3は、図2におけるPAR1及びPAR2に対応することができる。論理回路320は、電気機器212に対する違った型の電気機器(例えば、モーターの違った型)に適応させるために、変調信号330及び332を発生するためのアルゴリズムを調整するよう、PAR1及びPAR2を利用することができる。図2に示されるように、PAR1及びPAR2は、コンデンサC5、抵抗R1、R2,R3及びR4並びに電圧VRを用いて提供される。電圧VRは、一実施例として、約3.3ボルトであり得る。
【0025】
入力値idx1及び/又idx3は、また、図2に特に示されていない外部センサー及び/又他の外部の出所からのものでもよい。一実施形態において、入力値idx1は、図2での電源スイッチ204の検出電流ISENSEを含んでいる。例えば、IC302は、分路抵抗器Rsのような分路抵抗器を介して、電源スイッチ204のいかなる組合せのソース端末と結びつけられる。検出電流ISENSEは、エナジースター(Energy Star)に準拠した電力管理のように、電力管理を電力インバーター260に提供するため、IC302によって使用される。その他の実施例として、入力値idx1及びidx3のいずれかは、電気機器212に含まれたホール効果センサー由来のものでもよい。
【0026】
入力値idx1及びidx3は、IC302の外部のソース由来であるため、入力値idx1及びidx3が電力インバーター260の中で適応され、それが電力インバーター260の性能を下げ、設計を複雑にする。例えば、IC302は、入力値idx1及びidx3を受け取るため、一つ又はそれ以上の入力ピンを必要とするかも知れず、それによって、IC302上の貴重な専有面積を消費することになる。さらに、電力インバーター260は、IC302の入力ピンに入力値idx1及びidx3を提供するため、図1のMCM100の中に、経路設定を必要とするかも知れない。経路が長く複雑となる結果、寄生(parasitics)が増加し、設計を複雑にする。そこで、入力値idx1及びidx3のような外部の入力値の使用を低減するか又は除外することが望まれる。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態に従うと、入力値idx2(及び/又特に示されない他の入力値)は、混合シグナルIC302の内部信号である。そこで、入力値idx1及びidx3のような外部の入力値の使用を減らすか排除することが出来る。入力値idx2は、例えば、センス回路338からの(例えば、電源スイッチ204の)検出値であり得る。センス回路338は、電圧レベルアップ部322に設置されるが、IC302の他の場所に設置されることが出来ることは特筆される。しかし、IC302の電圧レベルアップ部322(例えば、高電圧区域)から入力値idx2(及び/又特に示されない他の入力値)を受け取ることが望ましいであろう。
【0028】
入力値idx1、idx2及びidx3は、例えば、電圧値、電流値、インピーダンス値、温度値、磁気指数、及び/又は、図2の電力インバーター260の電源スイッチ204の他の指数や値の、任意の組合せであり得る。そして、センス回路338が、これらの値の少なくとも1つを検出するよう構成されることは、理解されるであろう。センス回路338は、IC302上に一体となって形成され、そして、入力値idx2を発生するように構成されているので、IC302は、入力値idx1及びidx3に関連する、上記のような外部入力値に関連した問題を避けたり、減らすことが出来る。
【0029】
いくつかの実施形態においては、IC302は、IC302上に一体となって形成された電源336を備える。電源336は、論理回路320及び電圧レベルシフター334に電力を供給するように構成される。そのため、数ある長所の中でも、IC302は、入力電圧V1に対する単一ピンを必要とするだけである。
【0030】
従って、図1、2及び3に関して上述したように、論理回路及び電圧レベルシフターは、IC上に一体となって形成される。さらに、電源及び/又センス回路は、また、IC上に一体となって形成され得る。様々な実施形態において、ICは、有利なことに、接続される外部信号に関連する問題を回避するか又は低減することが出来る。そのように、ICは、電源スイッチに関連して、単一フレームベースのパッケージ(例えば、MCM100)のような、単一パッケージに収めることが出来る。
【0031】
様々な技術が、本願書の中で記述された構想を、それら構想の範囲から離れることなく実施するために、用いられ得ることは、上記記載から明白である。さらに、ある実施形態に特に言及して記述されてきた構想であるが、当該技術の分野における通常の技能を有する者なら、それら構想の範囲から離れることなく、形態や細部において変更出来ることを認識できる。そのように、上述の実施形態は、すべての点において、例示でありそれに限定されるものでないと考えられるものである。本願書は、また、上述された特定の実施形態に限定されるべきものではなく、本開示の範囲から離れることなく、多くの再編、修正及び置換が可能であることは、理解されるべきである。
図1
図2
図3