特許第6091438号(P6091438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091438
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】携帯型メディアプレーヤ用延長ソケット
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/21 20060101AFI20170227BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   H04M1/21 M
   H04M1/11 Z
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-558130(P2013-558130)
(86)(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公表番号】特表2014-513884(P2014-513884A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】US2012029015
(87)【国際公開番号】WO2012125690
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年1月19日
(31)【優先権主張番号】13/403,729
(32)【優先日】2012年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/453,375
(32)【優先日】2011年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513232392
【氏名又は名称】ポップソケッツ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デービッド ビー.バーネット
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス イー.カールソン
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05568549(US,A)
【文献】 特開平11−055378(JP,A)
【文献】 特開平06−145476(JP,A)
【文献】 米国特許第07644895(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24
13/00−13/98
B65D23/00−25/56
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型メディアプレーヤ(200)を収容するための携帯型メディアプレーヤケース(100、101)であって、
前記携帯型メディアプレーヤを収容するためのケース本体(4)と、
前記ケース本体に取り付けられた延長可能なソケット(24)と、
を備え、前記ソケットは、
錐体の形状を形成する蛇腹であって、前記ケース本体からほぼ前記錐体の軸に沿って外方向に延び、および、ほぼ前記錐体の軸に沿って畳み込まれることで前記ケース本体に向かって後退して戻ることができる蛇腹(2)と、
前記蛇腹の遠位端部に配設された足部と
を含み、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記錐体が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記錐体の軸に垂直に整列されるように構成(29)されている、
ことを特徴とするケース。
【請求項2】
携帯型メディアプレーヤ(200)を収容するための携帯型メディアプレーヤケース(100、101)であって、
前記携帯型メディアプレーヤを収容するためのケース本体(4)と、
前記ケース本体に取り付けられた延長可能なソケット(24)と、
を備え、前記ソケットは、
錐体の形状を形成する蛇腹であって、前記ケース本体からほぼ前記錐体の軸に沿って外方向に延び、および、ほぼ前記錐体の軸に沿って畳み込まれることで前記ケース本体に向かって後退して戻ることができる蛇腹(2)と
を含み、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記錐体が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記錐体の軸に垂直に整列されるように構成(29)されている、
ことを特徴とするケース。
【請求項3】
前記蛇腹は、ポリエステルベースの熱可塑性ポリウレタンエラストマから形成され、前記剛性壁は、厚さ約1mmから2mmおよび長さ2mmから4mmのものであり、前記屈曲式ヒンジは、厚さ約0.2mmから0.4mmおよび長さ1mmから2mmのものであることを特徴とする請求項1または2に記載のケース。
【請求項4】
前記ケース本体は、前記蛇腹が後退されたときに前記ソケットを収容するための空洞(15)を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のケース。
【請求項5】
前記足部に取り付けられたボタン(1)であって、剛性材料から形成され前記足部を超えて径方向に延びる、ボタンをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のケース。
【請求項6】
前記足部に取り付けられた吸盤をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のケース。
【請求項7】
前記足部は吸盤を備えることを特徴とする請求項1に記載のケース。
【請求項8】
携帯型メディアプレーヤ(200)または携帯型メディアプレーヤケース(100、101)に取り付けるためのソケット(24)であって、
前記ソケットを前記携帯型メディアプレーヤまたは前記携帯型メディアプレーヤケースの背面に取り付けるための固定要素(12、13、31、32、33、34、35)と、
錐体の形状を形成する、前記固定要素に連結された蛇腹(2)であって、前記携帯型メディアプレーヤからほぼ前記蛇腹の軸に沿って外方向に延び、および、ほぼ前記蛇腹の軸に沿って畳み込まれることで前記携帯型メディアプレーヤに向かって後退して戻ることができる、蛇腹と、
前記蛇腹の遠位端部に配設された足部と
を備え、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記蛇腹が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記蛇腹の軸に垂直に整列されるように構成(29)されている、
ことを特徴とするソケット。
【請求項9】
携帯型メディアプレーヤ(200)または携帯型メディアプレーヤケース(100、101)に取り付けるためのソケット(24)であって、
前記ソケットを前記携帯型メディアプレーヤまたは前記携帯型メディアプレーヤケースの背面に取り付けるための固定要素(12、13、31、32、33、34、35)と、
錐体の形状を形成する、前記固定要素に連結された蛇腹(2)であって、前記携帯型メディアプレーヤからほぼ前記蛇腹の軸に沿って外方向に延び、および、ほぼ前記蛇腹の軸に沿って畳み込まれることで前記携帯型メディアプレーヤに向かって後退して戻ることができる、蛇腹と
を備え、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記蛇腹が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記蛇腹の軸に垂直に整列されるように構成(29)されている、
ことを特徴とするソケット。
【請求項10】
前記蛇腹は、ポリエステルベースの熱可塑性ポリウレタンエラストマから形成され、前記剛性壁は、厚さ約1mmから2mmおよび長さ2mmから4mmのものであり、前記屈曲式ヒンジは、厚さ約0.2mmから0.4mmおよび長さ1mmから2mmのものであることを特徴とする請求項8または9に記載のソケット。
【請求項11】
前記足部に取り付けられたボタン(1)であって、剛性材料から形成され、前記足部を超えて径方向に延びる、ボタンをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のソケット。
【請求項12】
前記固定要素は、吸盤(31)を備えることを特徴とする請求項8または9に記載のソケット。
【請求項13】
前記固定要素は、吸盤テープ(33)を備えることを特徴とする請求項8または9に記載のソケット。
【請求項14】
屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた壁(8、10、11、12)を有する、錐体形状の蛇腹(2)を含むソケット(24)を携帯型メディアプレーヤケース(100、101)に取り付けるステップと、
前記蛇腹をほぼ前記蛇腹の軸に沿って広げることによって前記ソケットを選択的に延長するステップと、
前記蛇腹を前記壁が前記蛇腹の軸に垂直に整列される(29)ように前記蛇腹の軸に沿って折り畳むことによって、前記ソケットをほぼ前記蛇腹の軸に沿って選択的に後退させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記取り付けるステップは、2つのソケットを前記携帯型メディアプレーヤケースに取り付けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記延長するステップは、前記ソケットの両方を延長し、前記後退させるステップは、前記ソケットの両方を後退させ、前記ソケットを延長した後かつ前記ソケットを後退させる前にコード(27)を前記蛇腹の周りに巻き付けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記延長するステップは、前記ソケットの両方を延長し、前記ソケットを前記蛇腹の軸から外方に曲線を描くように曲げるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
携帯型メディアプレーヤに取り付けるための錐体の形状の延長ソケット(24)であって、
前記延長ソケットを前記携帯型メディアプレーヤ(100、101)の背面に取り付けるための手段(12、13、16、31、32、33、34、35)と、
前記延長ソケットを前記携帯型メディアプレーヤから前記錐体の軸に沿って外方向に延長し、前記延長ソケットをほぼ前記錐体の軸に沿って前記携帯型メディアプレーヤに向かって後退させて戻すための手段(29、29A)と、
該手段の遠位端部に配設された足部と
を備え、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記錐体が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記錐体の軸に垂直に整列されるように構成されている(29)、
ことを特徴とする延長ソケット。
【請求項19】
携帯型メディアプレーヤに取り付けるための錐体の形状の延長ソケット(24)であって、
前記延長ソケットを前記携帯型メディアプレーヤ(100、101)の背面に取り付けるための手段(12、13、16、31、32、33、34、35)と、
前記延長ソケットを前記携帯型メディアプレーヤから前記錐体の軸に沿って外方向に延長し、前記延長ソケットをほぼ前記錐体の軸に沿って前記携帯型メディアプレーヤに向かって後退させて戻すための手段(29、29A)と
を備え、
前記錐体は、屈曲式ヒンジ(9)が間に組み入れられた剛性壁(8、10、11、12)を備え、および、前記錐体が畳み込まれたときに、前記剛性壁が前記錐体の軸に垂直に整列されるように構成されている(29)、
ことを特徴とする延長ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型メディアプレーヤ用延長ソケットに関する。詳細には、1つまたは複数の本発明の実施形態は、1つまたは複数のソケット延長部を含む携帯型メディアケースに関する。
【背景技術】
【0002】
MP3プレーヤおよびスマートフォンなどの携帯型メディアプレーヤは、メディアプレーヤを傷付けることからまたは落下からの損傷から保護するために保護カバーまたはケース内に収容されることが多い。そのようなケースは、メディアプレーヤの有効サイズを増大させ、通常は保護以外の目的の働きをするものではない。
【0003】
一部の携帯型メディアプレーヤケースは、保護以外の単一のさらなる機能を可能にするために追加の特徴を含む。たとえば、あるケースは、ケースを横にして立てるために延びるアームを有し、あるケースはヘッドセットの取り扱いのために延びるアームを有し、あるケースはヘッドセットを格納するためのポケットを有し、あるケースはゲーム用グリップとして機能する2つの隆起部を有し、あるケースはゲーム用グリップとして使用される指孔が付いた2つの延長可能なフラップを有し、あるケースはプレーヤをベルト上に装着するためのクリップを有する。しかし、これらの機能のすべての働きをするケースは存在せず、プレーヤに対する著しい有効サイズの増加を有することなく装着機能の働きをするケースは存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第2,094,268号明細書
【特許文献2】米国特許第4,846,510号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野では、プレーヤの有効サイズを著しく増加させることなく、前述の機能などの複数の機能を実施する携帯型メディアプレーヤケースおよび延長ソケットが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つまたは複数の本発明の1つまたは複数の実施形態は、ヘッドホンコードを格納しコードが絡むことを防止すること、スタンド脚を形成すること、ゲーム用グリップを形成すること、ベルト、ウエストバンド、およびシャツポケットにクリップ留めすること、電話機であるプレーヤを肩と耳の間に挟むための脚を形成すること、およびユーザがプレーヤをしっかりと保持し片手で操作することを可能にするグリップを形成することのうちの1つまたは複数などの、プレーヤ自体を保護する以外の他の目的の働きをするための延長ソケットを含む携帯型メディアプレーヤケースを対象とする。そのようなケースは、ケースから外方向に延長可能なソケットを含む。ソケットは、通常「蛇腹」と呼ばれる延長要素を含み、この要素は、屈曲式ヒンジを備えた、足部を遠位端部に有する円筒状または円錐状の膜を備える。ソケットは、延長されたとき、ヘッドホンコードを蛇腹の周りに巻き付けることを可能にするような構造にされて、コードが絡むことを防止する。ケース内には空洞が設けられ、それにより、ソケットをケースと同一平面になるように畳み込むことができ、また、ヘッドホンコードがソケットの周りに巻かれた状態でソケットを部分的にまたは完全に後退させて空間を節約することができる。ソケットの遠位端部にボタンを取り付けることができ、ボタンは、少なくとも1つの実施形態では剛性のものであり、少なくとも1つの実施形態では、ソケットの遠位端部を超えて径方向に延びてコードなどを固定する。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、ソケットは、プレーヤを、視聴、データ入力、ビデオ会議などのためにさまざまな傾けられた位置または直立位置で支えるためのスタンド脚としてさらに働く。ソケットは、その伸張された状態では、ゲーム、データ入力およびインターネット検索のための快適なグリップとして働く。少なくとも1つの実施形態では、ソケットは、ベルト装着体として働き、2つのソケットをそれらの間のベルト上に畳み込むことができ、それによってベルトをソケットとケースの背面の間に固定する。伸張された状態のソケットは、ユーザがホーンプレーヤを耳と肩の間に快適に挟むことを可能にしながら、プレーヤ上でハンズフリーで話すことを容易にする。伸張された状態のソケットは、ユーザが親指でプレーヤの正面を操作する間、ソケットとケースの背面の間に同じ手の指を挟むことを可能にすることによってプレーヤの片手制御を容易にする。
【0008】
延長要素は、壁が組み入れられた屈曲式ヒンジを含む、蛇腹を備えることができる。蛇腹構造は、ボタンをケースから外方向に真っすぐに延びるだけでなく、その外方向軸からさまざまな斜めの角度で外方に曲線を描くことも可能にする。ボタンは、蛇腹の端部上にスナップ留めされても、接着されても、蛇腹と一体的に形成された足部でもよい。特に、少なくとも1つの実施形態では、蛇腹は、回転する「フリッパ」壁および固定式壁を有する錐体を形成し、これらの壁は一緒になって、互いに上に積み重なるのではなく、互いに隣に(壁が蛇腹の軸にほぼ平行になるように)折リ畳まれる壁をもたらす。
【0009】
ソケットは、ボタンを有さずにすべての機能を維持し、その足部は、プレーヤを平坦表面に一時的に取り付けるための吸盤をさらに形成することができる。ソケットは、ケースに取り付けられても、携帯型メディアプレーヤに直接的に取り付けられてもよい。ソケットは、たとえばスナップ嵌めまたは吸盤によって永久的にまたは一時的に取り付けられても、ケースと一体的に形成されてもよい。ボタンの目的は、それだけに限定されないが、装飾を含む。ボタンの表面にデザインを付加することができる。ボタンはまた、さまざまな形をとり、カメラとして機能するプレーヤ用の装着ジャック、または表面に取り付けるための吸盤などのさまざまな役割を果たすこともできる。
【0010】
1つの実施形態では、ケースは、プレーヤの背面の縁および一部を覆う、熱可塑性ウレタンなどの軟質の可撓性材料から形成された外側本体と、プレーヤの背面の内側領域を覆う、ポリカーボネートなどの硬質のプラスチックから形成され外側本体と一体的に形成された内側本体または「ソケットボード」と、可撓性材料、たとえばSkythane(登録商標)S190Aなどのポリエステルベースの熱可塑性ポリウレタンエラストマから形成された、ソケットボードにスナップ嵌めされた2つの蛇腹と、ポリカーボネートなどの硬質のプラスチックから形成された、蛇腹に接着された2つのボタンとを備える。ケースは、正面に携帯型メディアプレーヤスクリーン用の開口部、および背面に2つのソケット延長部を形成する。
【0011】
他の実施形態は、(i)部分材料、(ii)ソケット延長部の数、(iii)ソケット延長部の場所、(iv)蛇腹へのボタンの取り付け形態、(v)ケース本体または携帯型メディアプレーヤへの蛇腹の取り付け形態、(vi)ボタン、ケース本体、およびソケットボードの有無、(vii)ケース本体部品の数、ならびに(viii)ソケット延長部をプレーヤの電子構成要素に接続してスピーカなどの別の機能を可能にするための構成要素の有無において変形形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】ソケットが後退されまたは畳み込まれた、1つまたは複数の本発明の少なくとも1つの実施形態による携帯型メディアプレーヤケースの等角背面図である。
図1B】ソケットが開かれまたは延長された状態の図1Aの携帯型メディアプレーヤケースの等角背面図である。
図1C】ソケットが取り外された状態の図1Aの携帯型メディアプレーヤケースの等角背面図である。
図1D】スマートフォンがケース内に配設された状態の図1Aの携帯型メディアプレーヤケースの等角正面図である。
図1E】スマートフォンが取り外された状態の図1Aの携帯型メディアプレーヤケースの等角正面図である。
図2図1の携帯型メディアプレーヤケースの等角分解背面図である。
図3A図1のメディアケースの分解端面図である。
図3B】代替の折り畳みセクションの側面図である。
図4A図3Aで示された線A−Aに沿って分割された、図1の携帯型メディアプレーヤケースの断面の等角分解側面図である。
図4B図1の携帯型メディアプレーヤケースの断面の等角側面図である。
図5図3Aで示された線A−Aに沿って分割された、図1の携帯型メディアプレーヤケースの一部分の詳細な断面の等角側面図である。
図6】2つのソケットの下側をケースに対して斜めの角度で延長することによって直立して支えられた図1の携帯型メディアケースの側面図である。
図7】2つのソケットの上側を延長することによって傾けられた図1の携帯型メディアプレーヤケースの等角側面図である。
図8】2つのソケットを延長することによって横向きに配設され傾けられた、図1の携帯型メディアプレーヤケースの等角側面図である。
図9】両方のソケットが斜めの角度で部分的に延長され、ケースをボタンの面上に載置することによって浅い水平スタンドを、またはケースをそこから最も遠くに延長されたボタンの縁上に載置することによって急な水平スタンドを可能にする状態の、携帯型メディアプレーヤケースの側面図である。
図10A】ソケットが延長され、ヘッドホンコードが蛇腹の周りに巻かれた状態の、本発明の実施形態による携帯型メディアプレーヤケースの背面等角図である。
図10B】ソケットが部分的に後退され、ヘッドホンコードが蛇腹の周りに巻かれた状態の、本発明の実施形態による携帯型メディアプレーヤケースの背面等角図である。
図11A】ソケットが斜めの構成で延長され、ベルトがソケット間に挿入された状態の、本発明の実施形態による携帯型メディアプレーヤケースの背面等角図である。
図11B】ソケットがほとんど完全に後退され、ベルトがソケット間に挿入された状態の、本発明の実施形態による携帯型メディアプレーヤケースの背面等角図である。
図12A】本発明の実施形態による、蛇腹および吸盤を含むソケット、ならびに携帯型メディアプレーヤまたは携帯型メディアプレーヤケースの分解側面図であり、ソケットは、蛇腹の1つの端部にスナップ嵌めされた吸盤によって携帯型メディアプレーヤまたは携帯型メディアプレーヤケースに取り付けられている。
図12B】本発明の実施形態による、吸盤テーププラットホーム、吸盤テープを備えたソケット、および携帯型メディアプレーヤまたは携帯型メディアプレーヤケースの分解側面図であり、ソケットは、吸盤テープによって携帯型メディアプレーヤまたは携帯型メディアプレーヤケースに取り付けられ、吸盤テープの吸盤表面とは反対の表面は、蛇腹の1つの端部にスナップ嵌めする半剛性プラットホームに接着されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
後続の表は、本発明の例示された実施形態の要素およびその関連する参照番号を便宜のために挙げたものである。
【0014】
図1Aは、ソケット24の蛇腹2が後退されまたは畳み込まれた状態の、本発明による携帯型メディアプレーヤケース100の等角背面図である。図1Bは、蛇腹2が開かれまたは延長された状態の、携帯型メディアプレーヤケース100の等角背面図である。
【0015】
ケース100は、ソケットボード3を含む外側ケース本体4と、ソケット24とを備える。各ソケット24は、通常、空洞15内に潜り込むように畳み込まれるようにケース100に取り付けられた畳み込み可能な蛇腹2と、蛇腹2の遠位端部に取り付けられたボタン1とを備える。ボタン1は、別個の取り付けられた要素を備えることができ、または蛇腹2と一体型でもよい。
【0016】
図1Aは、畳み込まれた構成のケース100を示している。好ましい実施形態では、各ソケット24は、その空洞15(図1Bに示す)内に嵌合し、それにより、ボタン1の外側表面は、ケース本体の背面と本質的に同一平面となり、ボタン1の円周は、ボタン1とケース本体4の背面の間に僅かな隙間を残して空洞15を埋める。この実施形態の利点は、ケース100の背面が、他の物品にひっかからず、くず類を溜めないかなり平滑な表面を形成することである。したがって、ケースは、この構成において従来の携帯型メディアプレーヤケースに非常に類似している。ケース100は、単一体でも、図2〜5に示し以下で説明するように構築されてもよい。
【0017】
従来のケースのように、ケース100は通常、メディアプレーヤに適用可能なポートを形成する開口部、たとえばスピーカ穴20、ポート穴21、リンガー穴22、音量ボタン23およびヘッドホンジャック穴25を含む。
【0018】
図1Bは、ソケット24の蛇腹2が延長された状態のケース100を示している。ユーザは、ボタン1をケース本体4から引き出し、蛇腹2を広げ、外方向に延長する。好ましくは、蛇腹2は、その延長された位置で安定するため、これらは、ボタン1が押されソケット24が再度閉じるまで開いたままである。延長可能なソケット24の利点は、以下で詳細に説明され、ヘッドホンコードの格納を可能にすること、およびメディアプレーヤ用の調整可能なスタンドを形成することを含む。
【0019】
図1Cは、ソケット24が取り外された状態の携帯型メディアプレーヤケース100の等角背面図である。これは、ケース100の背面を遮られることなく見ることを可能にする。この実施形態では、ケース100の背面は、蛇腹2を取り付けるための雌型スナップ嵌め部分16を有するソケット空洞15を形成する、取り付けられたソケットボード3から形成される。図1Dは、(iPhone(商標)スマートフォンなどの)メディアプレーヤ200がケース内に配設された状態の、携帯型メディアケース100の等角正面図である。図1Eは、メディアプレーヤ200が取り外された状態の携帯型メディアケース100の等角正面図である。ケース100は、メディアプレーヤ200に嵌合するように寸法設定される。たとえば、メディアプレーヤ200がiPhone(商標)を備える場合、寸法は、高さ約118mm、幅62mm、厚さ16mmになることができる。ボタン1は、直径40mm辺り、厚さ4mmになることができ、蛇腹2は約22mm外方向に延びることができる。
【0020】
図2〜5は、ソケットを備えたケースの構造および動作の例を示している。図2、3、および4Aは、ケース100の分解図を示しており、図4Bおよび5は、図3Aに示す線A−Aに沿って分割された断面図を示して、ソケット24の動作を説明している。
【0021】
図2は、携帯型メディアケース100の1つの実施形態の等角分解背面図である。この実施形態では、外側ケース本体4の背表面はソケットボード3を備え、このソケットボード3は、外側ケース本体4上にオーバーモールドされるソケットボードフランジ14を含み、かつ雌型スナップ嵌め部分16を有するソケットボード空洞15を形成している。ソケット24は、蛇腹2およびボタン1を備える。各蛇腹2は、ソケットボードの雌型スナップ嵌め部16(図4および5により良好に示す)に取り付けるための雄型スナップ嵌め部分13を含む。好ましい実施形態では、各蛇腹は、伸張および収縮中の空気の移動を可能にするための蛇腹通気口7と、壁およびヒンジを備える(図4および5により良好に示す)折り畳みセクション29とを備えた構造にされる。代替策として、折り畳みセクション29は、図3Bに示すような曲げ可能なストローまたはSlinky(登録商標)PopToobの曲げ可能な部分と同じようにして形作ることができる(参照によって本明細書に組み込まれる、特許文献1および特許文献2を参照)。
【0022】
好ましい実施形態では、ケース本体4はTPUまたはTPEから形成される。ソケットボード3はPCまたはABSから形成され、ボタン1も同様である。蛇腹2は、Skythane(登録商標)S190Aまたは低密度ポリプロピレンから形成される。
【0023】
図3Aは、蛇腹2の好ましい実施形態の構造を詳細に示す分解端面図である。各蛇腹2は、蛇腹2が畳み込まれまたは伸張されたときに屈曲する、屈曲式(または「動く」)ヒンジ9が組み入れられた相対的に剛性の一揃えの壁10、11、12を備える折り畳みセクション29を含む。蛇腹2は、(ボタン1との連結用の)上部垂直壁8と、底部垂直壁12とをさらに備える。
【0024】
図3Bは、蛇腹2の代替の折り畳みセクション29Aを示している。これらの例では、折り畳みセクション29Aは、ヒンジを含む可撓性膜を備える。図3Aの実施形態では、蛇腹2は錐体を形成する。このため、壁8、10、11、12を、図3Bの実施形態の場合も同様に、互いに上に積み重ねるのではなく(図5で示すように)互いに隣に折り畳むことが可能になる。いずれの実施形態29および29Aも、さまざまな延長された構成において安定する。
【0025】
図4Aは、図3Aに示す線に沿って分割された、図1の携帯型メディアケースの等角分解側面図である。図4Bは、製作後の、図1の携帯型メディアケースの分割された等角側面図である。ソケット24は外方向に延長されている。例として、垂直ボタン壁5は、蛇腹上部垂直壁8に接着される。蛇腹の雄型スナップ嵌め部13は、ソケットボード雌型スナップ嵌め要素16と係合する。他の実施形態は、蛇腹2と一体的に形成された、またはこれにスナップ嵌めされたボタン1を有することができ、またはソケットボード3に永久的に固着された蛇腹2を有することができる。
【0026】
図5は、図3Aに示す線A−Aに沿って分割された、図1の携帯型メディアプレーヤケースの一部分の詳細な分割された等角側面図である。ソケット24は畳み込まれた位置にある。ヒンジ9の屈曲により、壁10および11を、互いに上に積み重ねるのではなく、互いに隣にほぼ平行な構成で折り畳むことが可能になることに留意されたい。壁10は、フリッパ壁として設計されるが、その理由は、これらは、蛇腹2が延長されたときに斜め上方向に向けられ、蛇腹2が閉じられたときに斜め下方向に向けられるためである。壁8、11、および12は、いずれの構成においても垂直に向けられたままであり、回転しない。壁5は剛性であり、回転しない。用語「上方向」および「下方向」は、図を説明する上で便宜上使用されているが、さまざまな他の配向の場合を含むことが明確に意図されることに留意されたい。
【0027】
1つの実施形態では、蛇腹2は、Skythane(登録商標)S190Aから形成された錐体である。壁8、10、11、12は、すべて厚さ約1mmから2mmおよび長さ2mmから5mmのものである。屈曲式ヒンジ9は、厚さ約0.2mmから0.4mmおよび長さ1mmから2mmのものである。フリッパ壁は、蛇腹2がその伸張された状態にあるときに約20〜40度の非垂直にある。このため壁8、10、11、12を、図5に示すようにほぼ平行な構成で互いに隣に折り畳むことが可能になり、畳み込まれた構成においてソケット24の外形が低減される。
【0028】
雄型スナップ嵌め部13をソケットボードの雌型スナップ嵌め部16と係合するように強制するために、ボタンリング6を蛇腹の雄型スナップ嵌め部13内に押し込む。
【0029】
図6は、2つのソケット24の下側を外側ケース本体4に対して斜めの角度で延長することによって直立して支えられた(ビデオ会議モードと呼ばれる)携帯型メディアケース100の側面図である。図7は、2つのソケットの上側を延長することによって僅かに傾けられた(テキストモードと呼ばれる)ケース100の等角側面図である。図8は、2つのソケット24を、より急な角度になるように真っすぐにまたはより浅い角度になるように斜めに延長することによって横向きに配設され傾けられた(劇場モードと呼ばれる)ケース100の等角側面図である。
【0030】
図9は、ソケット24が斜めに延長された状態の、図8に類似する劇場モードに形作られた携帯型メディアケースの側面図である。携帯型メディアケースは、この構成においてボタンの面上に載置するとき、インターネットを閲覧するのに良好に適した、サーフィンモードと呼ばれる状態にある。
【0031】
図10は、図10Aおよび10Bからなり、ヘッドセットコード27を絡めることなく保持するために使用されるケース100を示している。図10Aは、ソケットが延長された状態のケース100の背面等角図である。ユーザは、ヘッドセットジャック26をヘッドセットジャック穴25を介してメディアプレーヤ200内に挿入しており、ヘッドホンコード27を蛇腹2の周りに巻き付けている。図10B図10Aに類似するが、ソケット24がほとんど後退されていることが異なる。このため、コード27が保持され、ケース100の厚さが低減され、ボタン1が他の物体にひっかかる機会が減少する。ボタン1が、コード27(または図11に示すようなベルト28)を保持するための口部を形成するように、蛇腹2を超えて径方向に延びることが有用である。
【0032】
図11Aおよび11Bは、ケース100を保持するためのベルト28を把持するソケット24を示している。図11Aは、ベルト28をボタン1の下方かつ蛇腹2間に挿入できるようにソケットが延長された状態のケース100の背面等角図である。図11B図11Aに類似しているが、ソケット24が、ほとんど後退されて、ベルト28をよりきつく把持し、ケース100の外形を低減していることが異なる。
【0033】
図12Aおよび12Bは、携帯型メディアケース101または携帯型メディアプレーヤ200に取り付けるソケット24を示している。図12Aは、本発明の実施形態による、ソケット24、吸盤31、および携帯型メディアプレーヤ200または携帯型メディアプレーヤケース101の分解側面図であり、この場合、ソケットは、ソケット24の一方の端部にスナップ嵌めされた吸盤によって携帯型メディアプレーヤ200または携帯型メディアプレーヤケース101に取り付けられる。図12Bは、本発明の実施形態による、ソケット24、吸盤テーププラットホーム32、吸盤テープ33、および携帯型メディアプレーヤ200または携帯型メディアプレーヤケース101の分解側面図であり、この場合ソケット24は、吸盤テープ33によって携帯型メディアプレーヤ200または携帯型メディアプレーヤケース101に取り付けられ、吸盤テープ33の吸盤表面とは反対の表面は、ソケット24の一方の端部にスナップ嵌めされたプラットホーム32に接着されている。
【0034】
本発明の例示的な好ましい実施形態を詳細に本明細書で説明してきたが、当業者は、本発明のこの趣旨内に含まれる、具体的に述べられたもの以外のさまざまな変更、追加、および適用を理解するであろう。たとえば、メディアプレーヤ200は、タブレットもしくはMP3プレーヤでも、iPodTouch(商標)などの他の装置でもよい。そしてケース4は、それにしたがって寸法設定され、適切なポート穴が設けられる。加えて、より多くのまたはより少ないソケットを設けることもできる。ソケットおよびボタンは、さまざまな形状および寸法を有することができる。これらは、剛性ではなく弾性のものでよく、または吸盤を形成することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ボタン
2 蛇腹
3 ソケットボード
4 外側ケース本体
5 垂直ボタン壁
6 ボタンリング
7 蛇腹通気口
8 蛇腹上部垂直壁
9 蛇腹屈曲式ヒンジ
10 蛇腹フリッパ壁
11 蛇腹中央垂直壁
12 蛇腹底部垂直壁
13 蛇腹の雄型スナップ嵌め部
14 ソケットボードフランジ
15 ソケットボードのソケット空洞
16 ソケットボードの雌型スナップ嵌め部
17 ケース本体カメラ穴
18 ケース本体電源ボタン穴
19 ケース本体口部
20 ケース本体スピーカ穴
21 ケース本体ポート穴
22 ケースリンガー穴
23 ケース音量ボタン
24 (1および2を備える)ソケット
25 ヘッドホンジャック穴
26 ヘッドホンジャック(本発明の部分ではない)
27 ヘッドホンコード(本発明の部分ではない)
28 ベルト(本発明の部分ではない)
29 蛇腹の折り畳み部分
30 ソケットボードカメラおよびフラッシュ穴
31 吸盤
32 吸盤テーププラットホーム
33 吸盤テープ
34 吸盤の雌型スナップ嵌め部
35 吸盤テーププラットホームの雌型スナップ嵌め部
100 ソケットを取り付けるように構築された携帯型メディアプレーヤケース
101 ソケットを取り付けるように構築されていない携帯型メディアプレーヤケース(本発明の部分ではない)
200 メディアプレーヤ(本発明の部分ではない)
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B