特許第6091467号(P6091467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091467
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】桟橋の梁部の構築方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/06 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   E02B3/06
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-134096(P2014-134096)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-11535(P2016-11535A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230010
【氏名又は名称】ジオスター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000211237
【氏名又は名称】ランデス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000104191
【氏名又は名称】カナツ技建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【弁理士】
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】高松 芳徳
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−014083(JP,A)
【文献】 特開2013−112994(JP,A)
【文献】 実開昭51−096218(JP,U)
【文献】 特開2006−183285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04−3/14
E04B 1/38−1/61
E01D 15/24
E02D 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床版を支持する桟橋の梁部の構築方法であって、
既設の鋼管杭の杭頭部を下方から受入可能に構成された第一のプレキャストブロックと、
隣り合う前記鋼管杭間にあって前記梁部の中央部となる第二のプレキャストブロックと、
仮設治具とを用意し、
前記杭頭部を前記第一のプレキャストブロック内に受入させてこの第一のプレキャストブロックを前記鋼管杭の上部に固定させ、
次いで、前記鋼管杭に固定された前記第一のプレキャストブロックの上面にボルト止めされた形鋼と、前記第二のプレキャストブロックの上面にボルト止めされた形鋼とにそれぞれ、前記仮設治具をボルト止めして隣り合う前記鋼管杭間に前記第二のプレキャストブロックを支持し、
次いで、前記第一のプレキャストブロックと前記第二のプレキャストブロックとの間に現場打ちコンクリートよりなる前記梁部の前記中央部以外の残余部を形成することを特徴とする、桟橋の梁部の構築方法。
【請求項2】
用意される前記第一のプレキャストブロックと前記第二のプレキャストブロックとをそれぞれ、その側面から水平方向に一部を突き出す連結用棒状体を備えたものとすることを特徴とする、請求項1に記載の桟橋の梁部の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、桟橋を構成する床版(スラブ)を支持する梁部を、既設の鋼管杭の杭頭部を利用して容易且つ迅速に形成できるようにする構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水底ないしは水辺の地盤に打ち込まれた鋼管杭を利用して構成される桟橋がある。かかる桟橋にあっては、これを構成する床版は、前記鋼管杭の杭頭部を利用して現場打ちコンクリートによって形成される梁部(枕コンクリートなどとも称される。)により支持される。
【0003】
特許文献1に示されるプレキャストブロックは、既設の鋼管杭の杭頭部に設置され、隣り合うプレキャストブロック間に現場打ちコンクリートによって前記梁部を形成させるものであり、現場でのコンクリートの打ち込みを必要最小限にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−217090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、鋼管杭を利用して構成される桟橋の梁部を、現場での作業工程を可及的に低減させて、より容易且つ迅速に築造できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、桟橋の梁部の構築方法を、床版を支持する桟橋の梁部の構築方法であって、
既設の鋼管杭の杭頭部を下方から受入可能に構成された第一のプレキャストブロックと、
隣り合う前記鋼管杭間にあって前記梁部の中央部となる第二のプレキャストブロックと、
仮設治具とを用意し、
前記杭頭部を前記第一のプレキャストブロック内に受入させてこの第一のプレキャストブロックを前記鋼管杭の上部に固定させ、
次いで、前記鋼管杭に固定された前記第一のプレキャストブロックの上面にボルト止めされた形鋼と、前記第二のプレキャストブロックの上面にボルト止めされた形鋼とにそれぞれ、前記仮設治具をボルト止めして隣り合う前記鋼管杭間に前記第二のプレキャストブロックを支持し、
次いで、前記第一のプレキャストブロックと前記第二のプレキャストブロックとの間に現場打ちコンクリートよりなる前記梁部の前記中央部以外の残余部を形成することを特徴とする、ものとした。
【0007】
かかる構成によれば、隣り合う鋼管杭間に、仮設治具を介して、第二のプレキャストブロックを支保工を用いることなく支持することが可能となる。また、前記仮設治具を利用して、前記第一のプレキャストブロックと第二のプレキャストブロックとの間に前記残余部を形成するための型枠を支持することが可能となる。したがって、この残余部を形成するにあたっても支保工は不要となる。
【0008】
前記用意される前記第一のプレキャストブロックと前記第二のプレキャストブロックとをそれぞれ、その側面から水平方向に一部を突き出す連結用棒状体を備えたものとしておけば、かかる連結用棒状体を前記残余部の重ね継ぎ手として機能させることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、鋼管杭を利用して構成される桟橋の梁部を、現場での作業工程を可及的に低減させて、特に現場でのコンクリートの打ち込みを必要最小限にすると共に支保工を不要として、容易且つ迅速に築造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施の形態にかかるプレキャストブロックを既設の鋼管杭の杭頭部上に設置した状態を示した平面構成図である。
図2図2図1におけるA−A線位置での断面構成図である。
図3図3図1の状態から隣り合う鋼管杭間に第二のプレキャストブロックを支持させる直前の状態を示した側面構成図である。
図4図4は隣り合う鋼管杭間に第二のプレキャストブロックを支持させた状態を示した側面構成図である。
図5図5図4の状態を示した平面構成図であり、仮設治具の記載を省略して示している。
図6図6図4の状態から梁部の残余部を形成している状態を示した側面構成図である。
図7図7は梁部の構築完了状態を示した平面構成図である。
図8図8図7の状態から梁部上に床版主体部を敷設した状態を示した平面構成図である。
図9図9図8の状態から床版の残余部分を形成させた状態を示した要部破断側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる桟橋1の梁部3の構築方法は、桟橋1を構成する床版2(スラブ)を支持する梁部3を、既設の鋼管杭4の杭頭部4aに固定されるプレキャスト鉄筋コンクリート製品(PCa)としての第一のプレキャストブロック5と、仮設治具7を用いて隣り合う前記鋼管杭4、4間に支持される前記PCaとしての第二のプレキャストブロック6とを用いて、容易且つ迅速に形成できるようにするものである。特に、かかる構築方法によれば、前記梁部3を形成するにあたり、現場打ちコンクリートの打ち込みを必要最小限にすると共に、支保工を必要としない特長を有している。
【0012】
図示の例では、前記梁部3は、二列をなすように図示しない水底ないしは水辺の地盤に打ち込まれた複数の既設の鋼管杭4、4…を利用して、構築されるものとなっている。
【0013】
前記第一のプレキャストブロック5は、前記鋼管杭4の杭頭部4aを下方から受入可能に構成されている。図示の例では、前記第一のプレキャストブロック5は、鋼管杭4の杭頭部4aの受入部5aを二箇所に備えており、桟橋1の幅方向x(図1参照)において隣り合う鋼管杭4の杭頭部4aを同時に受入して桟橋1の幅方向xに沿うように設置される構成となっている。すなわち、図示の例では、かかる第一のプレキャストブロック5における二箇所の受入部5a、5a間に位置される箇所が、前記桟橋1の幅方向xに沿った梁部3となる。図示の例では、かかる第一のプレキャストブロック5は、前記桟橋1の幅方向xに亘る長さを持つと共に、前記桟橋1の長さ方向y(図1参照)に沿った断面を各位置において実質的に四角形とした構成となっている。
【0014】
図示の例では、かかる第一のプレキャストブロック5における受入部5aの形成箇所は、その余の箇所よりもやや太くなっている。また、図示の例では、前記受入部5aを、第一のプレキャストブロック5に内蔵された鋼管5bによって、形成させている。図示の例では、前記鋼管5bは、上端及び下端を共に開放させると共に、円筒状をなす前記鋼管杭4の外径よりも内径を大きくした円筒状を呈している。鋼管5bの上端は第一のプレキャストブロック5の上面と同面上に位置している。
【0015】
かかる鋼管5bの上端側の内側に、鋼管5bの中心軸に向けて突き出すスペーサー体5cが備えられている。図示の例では、かかるスペーサー体5cは、一方の側辺部5dを鋼管5bの内面に固着させた板状をなし、前記中心軸を周回する方向において90度間隔で四カ所に設けられている(図2)。各スペーサー体5cはそれぞれ、その上側の水平方向の幅寸法を、その下側の水平方向の幅寸法よりも大きくした形状となっており、両者の間に前記中心軸に直交する向きの段差縁5eを備えている。そして、この実施の形態にあっては、鋼管5b内に鋼管杭4は、その杭頭部4aの上端が各スペーサー体5cの前記段差縁5eにそれぞれ突き当たる位置まで受け入れられるようになっている。かかるスペーサー体5cにより、鋼管杭4を受入した第一のプレキャストブロック5はその上面5fを水平に位置させて鋼管杭4上に配置されるようになっている(図2)。
【0016】
一方、前記第二のプレキャストブロック6は、隣り合う前記鋼管杭4、4間、すなわち、隣り合う前記第一のプレキャストブロック5間にあって前記梁部3の中央部3aとなるものとなっている。図示の例では、第二のプレキャストブロック6は、長さを有すると共に、その幅方向に沿った断面を各位置において実質的に四角形とした構成となっている。図示の例では、第二のプレキャストブロック6の長さは、前記桟橋1の長さ方向yにおいて隣り合う前記鋼管杭4、4間の距離よりも小さくなっている。
【0017】
前記仮設治具7は、図示の例では、形鋼により構成されている。
【0018】
そして、この実施の形態にかかる構築方法は、以下の三つのステップを有するものとなっている。
(第一ステップ)
前記杭頭部4aを前記第一のプレキャストブロック5内に受入させてこの第一のプレキャストブロック5を前記鋼管杭4の上部に固定させる(図1図2)。
(第二ステップ)
前記鋼管杭4に固定された前記第一のプレキャストブロック5の上面にボルト止めされた形鋼8と、前記第二のプレキャストブロック6の上面にボルト止めされた形鋼8とにそれぞれ、前記仮設治具7をボルト止めして隣り合う前記鋼管杭4、4間に前記第二のプレキャストブロック6を支持する(図3図5)。
(第三ステップ)
前記第一のプレキャストブロック5と前記第二のプレキャストブロック6との間に現場打ちコンクリートよりなる前記梁部3の前記中央部3a以外の残余部3bを形成する(図6図7)。
【0019】
前記第一ステップにおいては、第一のプレキャストブロック5をクレーンを用いて運び、既設の鋼管杭4の杭頭部4aの上端が、前記スペーサー体5cに突き当たる位置まで、第一のプレキャストブロック5の受入部5aに下方よりかかる杭頭部4aを受入させる。図示の例では、このように受入部5aに杭頭部4aを受入させた後、受入部5aの下側の入り口、つまり、前記鋼管5bの下端を漏れ止め治具9で塞ぎ、受入部5a内にモルタル又はコンクリートを打ち込むことで、杭頭部4aに第一のプレキャストブロック5を固定する(図2)。なお、図2において符号4bで示すのは既設の鋼管杭4に対する中詰めコンクリートである。
【0020】
前記第二ステップにおいては、第一のプレキャストブロック5の上面5fに形鋼8をボルト止めする。図示の例では、第一のプレキャストブロック5における受入部5a側方の上面に、H形鋼8aの長さ方向が桟橋1の幅方向xに沿う向きでH形鋼8aをボルト止めしている。具体的には、第一のプレキャストブロック5に内蔵させたインサート(図示は省略する。)に前記H形鋼8aの下側のフランジをボルト止めする(図4)。
【0021】
また、前記第二ステップにおいては、第二のプレキャストブロック6の上面に形鋼8をボルト止めする。図示の例では、第二のプレキャストブロック6の図4において左側に位置される端部の上面及び図4において右側に位置される端部の上面にそれぞれ、H形鋼8aの長さ方向が桟橋1の幅方向xに沿う向きでH形鋼8aをボルト止めしている。具体的には、第二のプレキャストブロック6に内蔵させたインサート(図示は省略する。)に前記H形鋼8aの下側のフランジをボルト止めする。
【0022】
また、図示の例では、前記第二ステップにおいては、第二のプレキャストブロック6の両側にそれぞれ、仮設治具7をボルト止めする。図示の例では、仮設治具7としてのH型鋼を二つ用意し、図4において左側に位置される仮設治具7の右端を第二のプレキャストブロック6の左側に位置される端部に固定されたH形鋼8aにボルト止めすると共に、図4において右側に位置される仮設治具7の左端を第二のプレキャストブロック6の右側に位置される端部に固定されたH形鋼8aにボルト止めする。これらのボルト止めは、仮設治具7としてのH形鋼8aの下側のフランジと第二のプレキャストブロック6側に固定されたH形鋼8aの上側のフランジとにおいてなす。このように一つの第二のプレキャストブロック6に二つの仮設治具7、7を組み合わせた状態で、第二のプレキャストブロック6をクレーンを用いて運び、隣り合う鋼管杭4の一方の上部に設置された第一のプレキャストブロック5のH形鋼8a上に左側の仮設治具7の左端を載置し、かつ、隣り合う鋼管杭4の他方の上部に設置された第一のプレキャストブロック5のH形鋼8a上に右側の仮設治具7の右端を載置し、それぞれボルト止めして固定する。これにより、隣り合う鋼管杭4間に、仮設治具7を介して、第二のプレキャストブロック6を支保工を用いることなく支持することが可能となる(図4図5)。
【0023】
前記第三ステップにおいては、前記仮設治具7を利用して、前記第一のプレキャストブロック5と第二のプレキャストブロック6との間に前記残余部3bを形成するための型枠10を支持することが可能となる。したがって、この残余部3bを形成するにあたっても支保工は不要となる。図示の例では、鋼管杭4における第一のプレキャストブロック5の下面よりも下方に位置される箇所に前記型枠10を組む作業をなすための仮設足場12を設けるようにしている。図中符号11は型枠10を構成するコンパネを仮設治具7に支持させるためのセパレーターである。
【0024】
この実施の形態にあっては、前記第一のプレキャストブロック5と前記第二のプレキャストブロック6とはそれぞれ、その側面から水平方向に一部を突き出す連結用棒状体5gを備えている。かかる連結用棒状体5gは、この第一のプレキャストブロック5及び第二のプレキャストブロック6に一端側を埋設させた鋼棒などにより、あるいは、この第一のプレキャストブロック5及び第二のプレキャストブロック6を構成する鉄筋の一部により、構成させることができる。
【0025】
図示の例では、第一のプレキャストブロック5の側面から突き出す連結用棒状体5gと、第二のプレキャストブロック6の端面から突き出す連結用棒状体5gとにより、前記型枠内において重ね継ぎ手を構成させるようにしている。
【0026】
図示の例では、桟橋1の長さ方向yにおいて隣り合う鋼管杭4の間にそれぞれ、前記のように第二のプレキャストブロック6を支持させると共に、第一のプレキャストブロック5と第二のプレキャストブロック6との間に前記のように残余部3bを形成させることで、桟橋1の梁部3が構築される。前記残余部3bの養生後、前記型枠10、仮設治具7、型鋼8が撤去され、梁部3上に床版2が敷設されて桟橋1が構築される。
【0027】
なお、この実施の形態にあっては、前記桟橋1の外郭は、前記鋼管杭4の杭頭部4a間に直接的に亘るように形成される梁部3よりもやや細い梁部3’によって構成されているが、この外郭を構成する梁部3’も第二のプレキャストブロック5からなる中央部3aと現場打ちコンクリートからなる残余部3bとから構成され、前記仮設治具7を用い、支保工を用いることなく形成される。
【0028】
また、この実施の形態にあっては、前記床版2は、前記PCaとしての床版主体部2aと、現場打ちコンクリートにより構成される残余部分2bとから構成されている。床版主体部2aは四角形の盤状をなす。各床版主体部2aは、前記桟橋1の幅方向xの梁部3(第一のプレキャストブロック5から構成)と前記桟橋1の長さ方向yの梁部3(中央部3aと残余部3bから構成)との間に形成された空間sよりもやや大きい外郭形状を有しており、床版主体部2aの縁部2a’を第一のプレキャストブロック5の上面5fの縁部及び梁部3、3’の上面の縁部にオーバラップさせた状態で、前記梁部3上に敷設され前記空間sを塞ぐ(図8)。この実施の形態にあっては、このように前記梁部3上に床版主体部2aを敷設させた後、隣り合う床版主体部2a、2aの間及び前記やや細い梁部3’の上面上に前記残余部分2bを形成させている(図9)。床版主体部2aに前記残余部分2bの形成空間内に突き出す図示しない鉄筋を備えさせ、かつ、第一のプレキャストブロック5及び第二のプレキャストブロック6に前記形成空間内に突き出す図示しない鉄筋を備えさせ、これらの鉄筋が前記残余部分2b内の重ね継ぎ手を構成するようにして前記残余部分2bを形成する。これにより、梁部3と床版2との一体性が高められると共に、この残余部分2bの形成にあたっても支保工は不要とされる。
【0029】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0030】
3 梁部
3a 中央部
3b 残余部
4 鋼管杭
4a 杭頭部
5 第一のプレキャストブロック
5f 上面
6 第二のプレキャストブロック
7 仮設治具
8 形鋼
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9