特許第6091505号(P6091505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6091505-スタビライザー用静止足部 図000002
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  • 特許6091505-スタビライザー用静止足部 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091505
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】スタビライザー用静止足部
(51)【国際特許分類】
   B60S 9/22 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   B60S9/22
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-522189(P2014-522189)
(86)(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公表番号】特表2014-523835(P2014-523835A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】IB2012053757
(87)【国際公開番号】WO2013014608
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年7月13日
(31)【優先権主張番号】GE2011A000082
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514020518
【氏名又は名称】シルトレス・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】トレス,アンドレア
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3044881(JP,U)
【文献】 特開2009−173376(JP,A)
【文献】 米国特許第06742750(US,B2)
【文献】 実開昭62−016550(JP,U)
【文献】 特開2001−271989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック若しくはポリマー材料製で、より大径の基部を有する、実質的に円錐台形の支持部材を備えるスタビライザー用支持足部であって、前記足部は、油圧若しくは機械的ジャッキのロッド端部に前記足部を着脱可能に連結する手段を備え、該連結する手段は、前記足部内に形成された球状ハウジングを含み、該ハウジング内には金属製ボールが一体化され、該金属製ボールは、前記油圧若しくは機械的ジャッキのロッド端部に固定された取付部材が嵌合する溝穴を有することを特徴とする、スタビライザー用支持足部。
【請求項2】
前記足部の前記プラスチック若しくはポリマー材料がポリアミドである、請求項1に記載の支持足部。
【請求項3】
前記ポリアミドがポリアミド6である、請求項2に記載の支持足部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐荷重が最大数トンに及ぶ自走式クレーン、トラッククレーン、はしご、巻き上げ機、足場、鉄骨構造体、その他の片持ち式に操作する装置のためのスタビライザーに関する。このような機器の安定性を高めるためには、釣り合いおもりだけでなく、機械的支持(持ち上げジャッキ、ラック、油圧ジャッキ)も使用し、これらは車両のサスペンションにかかる応力も削減する。
【背景技術】
【0002】
現在、使用されている地面支持足部は、油圧ジャッキ等の機械的支持のシャンクのヘッドを載置する堅固なプレート(「パッド」と呼ばれる)(これらには、地面の凹凸に必ずしも十分に適合できないという大きな欠点があるが)、若しくはプラスチック若しくはポリマー材料製の足部を有する支持部材であり、後者の方が地面の凹凸により充分に適合可能である。
【0003】
特に効果的であることが知られている、プラスチック若しくはポリマー材料製の足部を有するタイプの既知の支持部材を、添付図面の図1に示す。
【0004】
この図面を参照して、符号1は、プラスチック若しくはポリマー材料製の足部を示す。このタイプの足部は一般に、PA6(ポリアミド6)等のプラスチック若しくはポリマー材料製の基部2を有する円錐台形等の形状のブロックからなる。足部1には球状空洞3が形成されており、油圧ジャッキ(図示せず)のロッド5に固定されている球状ヘッド4がこの空洞内に係合している。ヘッド4は、ボール4の外郭構造と一致するように球状に加工された開口部を規定する、二つ割りの金属若しくはプラスチック材料6製フランジによって、ブロック1に締結されており、フランジ6は、ボルト7によって足部1に安定的に固定されている。明らかに、このタイプの据え付けは複雑で、足部1をジャッキ5に対して取り付け、取外しする作業には、時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、従来技術の装置における欠点を克服した、油圧ジャッキ等の機械的支持装置のロッドを支持足部に連結するためのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載される装置によって達成される。
【0007】
他の目的及び利点は、添付図面を参照する以下の説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、いくつかの部品を視野に入れた、従来技術の支持足部の直径方向断面図である。
図2図2は、いくつかの部品を視野に入れた、本発明の支持足部の第一実施態様を示す、図1と同様の直径方向断面図である。
図3図3は、いくつかの部品を視野に入れた、本発明の支持足部の第二実施態様を示す、図1及び図2と同様の直径方向断面図である。
図4図4は、本発明の支持足部の第三実施態様の側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、同一若しくは対応する部品は同じ符号で示す。
【0010】
また以下の説明において、油圧ジャッキという場合には、ジャッキ、ラック、若しくは適切な機械的支持を提供することができる同様の装置と置き換えることができるものとする。
【0011】
図2を参照して、符号1は、例えばポリアミド6である、脂肪族ポリアミド等のプラスチック若しくはポリマー材料製の支持足部を示す。この足部は、基部2上に静置した円錐台形等の形状のブロックの形態としてワンピースで作製される。足部1には球状空洞3が形成され、球の中線を越えて延在して、油圧ジャッキ(図示せず)のロッド5に固定されたボール4の直径dよりも小さい直径d’の口部203を有し、口部203と球状ヘッド4との間の干渉度合いは約0.1%〜3%である。よって球状ヘッド4は、ボールの直径及び口部203とボール4との干渉度合いに合った圧力をかけることによって、口部203を通して球状空洞3内へスナップ嵌合させることができ、ヘッドに適切な牽引力をかけることによって、抜き出すことができる。
【0012】
従って、安定化させようとする機器の油圧ジャッキ(若しくは同様の支持手段)のロッドは、例えば図1に示す足部1に対して取り付け・取り外しするために必要な工具を使用することなく、迅速で簡単な方法で足部1に対して係合及び/又は脱係合する。
【0013】
図3に示す実施態様では、ボール104は、共成型(co-moulding)によって足部1に一体化され、足部1の上方部分から突出して平坦領域204を有し、その中心から溝穴304が延びて、その中に、油圧ジャッキのロッド5端部に固定された取付部材105が嵌合する。ジャッキのロッド5を足部1に締結するために、取付部材105は、ボール−バネ手段404等の弾性保持手段を使って、溝穴304と相互作用する。明らかに、弾性保持は省略することもでき、また、連結構造を、図示するようにジャッキのロッド5端部を雄型とし、ボール104側を雌型とする代わりに、ボール104側を雄型とし、ジャッキのロッド5端部を雌型として、連結のなめらかさを保証することもできる。
【0014】
この場合にも、支持足部及び一体化された金属製ボールの寸法及び重量に合った程度の力若しくは牽引力を用いて、足部1はロッド5に対して迅速且つ簡単に締結・取外しされる。
【0015】
図4は、本発明の別の変更例を示す。
【0016】
この実施態様では、足部1は、足部1の材料でワンピースで作製された球状ドーム101を頂部に備え、このドームはジャッキのロッド5に担持される金属製球状ベアリング205を支承する大きなベアリング面を有する。
【0017】
ベアリング205は、リンク8によって安定的に足部1に連結され、ジャッキのロッドとベアリング205とは着脱可能である。明らかに、ベアリング205をジャッキのロッドに安定的に接続したままとすることもできる。
【0018】
本発明によれば多くの利点が得られる。他の利点として、ここに記載した解決手段は、故障、早期損耗、及び負荷下での予期し得ぬ破損につながる、水、泥、若しくは砂利が球状ヘッドと球状ソケットとの間に入り込むのを防止することができる。
【0019】
明らかに、本発明は、図示及び/又は記載された実施態様に限定されるものではなく、請求の範囲に実質的に記載された、上記の目的のためのより広い発明の概念の範囲に入る全ての変更例及び改変例を含むものである。
図1
図2
図3
図4