【実施例】
【0091】
本発明をより充分に説明するために以下に実施例を示す。
【0092】
実施例1
デヒドロイソアンドロステロン−3−ホルマート(ギ酸DHEA)の合成
80〜99%ギ酸500mLにデヒドロエピソアンドロステロン(DHEA)100g(0.346モル)を溶かした溶液を20〜25℃で4時間保持し、HPLC(DHEAの面積%)で反応の終点をモニタリングした。次に、溶液を50℃で減圧(40mbar)濃縮した。濃縮物にCH
2Cl
2500mLを添加し、その溶液に飽和NaHCO
3400mLを添加した。混合液を20〜25℃で30分間撹拌した。その後、2相分離を行った。有機層を水100mLで洗浄した。有機層を脱水し、トリフラート化段階でそのまま使用した。DHEAからの収率は100%と推定された。
【0093】
実施例2
3β−ホルミルオキシ−アンドロスタ−5,16−ジエン−17−イル−トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート化合物)の合成
CH
2Cl
21Lにギ酸DHEA100g(0.316モル)を溶かした溶液に、CH
2Cl
2500mLに無水トリフルオロメタンスルホン酸98g(1.1当量)を溶かした溶液とCH
2Cl
2500mLに2,6−ルチジン34g(1当量)を溶かした溶液とを温度20±2℃で約1時間かけて同時に添加した。無水トリフルオロメタンスルホン酸溶液の約15%を添加してしまってからルチジンを投入した。混合液を20±2℃で1時間撹拌した。混合液を10〜15℃に冷却し、水1LにNaHCO
353g(2当量)を溶かした溶液を混合液に10〜15℃で15〜30分かけて添加した。混合液を20〜25℃で1時間以上撹拌した。その後、相分離を行い、有機層を水0.2Lで洗浄した。有機層を35℃で減圧(40mbar)濃縮して、未精製のトリフラート化合物142gを得たが、それには純粋なトリフラート化合物が(HPLC分析によれば)100g(0.22モル)、未反応ギ酸DHEAが約15g(0.047モル)含まれていた。(HPLC分析によれば)DHEAからの純粋な生成物の収率は約70%であった。
【0094】
1H−NMR(CDCl
3):8.0ppm(1H,s,20[−HCO−]);5.6ppm(1H,dd,10[−CH−]);5.4ppm(1H,dd,15[−CH−]);4.7ppm(1H,m,1[−O−CH(CH
2−)
2−]);1.0ppm(3H,s,19[−CH
3]);1.1ppm(3H,s,18[−CH
3]).
13C(CDCl
3):112−124ppm 第四級C,q,22[−CF
3].
【0095】
実施例3
アビラテロンの合成
THF1Lに(HPLC分析によれば)純粋なトリフラート化合物と推定されるもの100g(0.22モル)を溶かした溶液に、ジエチル(3−ピリジル)ボラン36g(1.1当量)を添加した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド3g(2モル%)を添加した。純水0.4LにNa
2CO
394g(4当量)を溶かした溶液を混合液に添加し、それを30分〜1時間の間、(2相混合物を)効果的に撹拌しながら加熱還流(65〜67℃)した(IPC HPLC)。混合液を15〜20℃に冷却し、その混合液にトルエン1L、続いて水1Lを添加し、それを10〜15分間撹拌した。混合液をClarcel(R)ベッドを通して濾過してPd触媒を除去し、2相分離を行った。水層をトルエン0.2Lで洗浄した。その後、有機層を水0.1Lで洗浄した。35〜40℃で有機層を減圧(20mbar)濃縮して、未精製のギ酸アビラテロンを得、それをメタノール380mL中で10%NaOH水溶液160gにより加水分解した。懸濁液を70〜75℃まで1時間半〜2時間加熱した(IPC 反応の終点:HPLC)。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、0〜5℃で30分間保持した。懸濁液を濾過し、ケーキを水60mLで2回洗浄した後、0〜5℃に冷却したアセトン200mLで洗浄した。湿った未精製段階3であるアビラテロンを40〜45℃で5時間減圧乾燥した。
【0096】
精製
未精製段階3 100gにCH
2Cl
2400mL及びメタノール300mLを添加した。混合液を40〜45℃に加熱(還流)して溶液を得た。その後、大気圧下でCH
2Cl
2を留去した。混合液を0〜5℃に冷却した後、0〜5℃で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃に冷却したメタノール100mLでケーキを2回洗浄した。湿った段階3であるアビラテロンを40〜45℃で5時間減圧乾燥して、純粋な生成物63gを得た。この工程でのDHEAからの全収率は約50%であった。
【0097】
3β−ホルミルオキシ−17−(3−ピリジル)アンドロスタ−5,16−ジエン
1H−NMR(CDCl
3):8.6ppm(1H,s,24[−CH−(pyr)]);8.4ppm(1H,dd,25[−CH−(pyr)]);8.0ppm(1H,s,20[−HCO−]);7.6ppm(1H,dd,27[−CH−(pyr)]);7.2ppm(1H,t,26[−CH−(pyr)]);6.0ppm(1H,s,10[−CH−]);5.4ppm(1H,dd,15[−CH−]);4.7ppm(1H,m,1[−O−CH(CH
2−)
2−]);1.1ppm(3H,s,19[−CH
3]);0.9ppm(3H,s,18[−CH
3]).
【0098】
実施例4
酢酸アビラテロンの合成
アビラテロン100g(0.286モル)にTHF1Lを添加した。このスラリーにトリエチルアミン44g(1.5当量)、4−ジメチルアミノピリジン1.75g(2モル%)及び無水酢酸35g(1.2当量)を添加した。スラリーを20〜25℃で24時間撹拌した(HPLCによりモニタリングした反応の終点で混合液は溶解した)。混合液にトルエン0.7L及び水0.4Lを添加し、それを20〜25℃で1時間撹拌した。Clarcel(R)ケーキにより混合液を清澄化した。2相分離を行い、有機層を水0.1Lで洗浄した。有機層を減圧下、40℃で濃縮乾固した。その後、エタノール100mL及びn−ヘキサン900mLを添加し、混合液を55〜60℃に加熱して溶解させた(溶液は依然として濁っていた)。混合液に2S活性炭5重量%及びClarcel(R)5重量%を添加し、それを55〜60℃で30分間保持した。その後、55〜60℃でClarcel(R)及び
活性炭を濾別し、エタノール0.1Lで2回洗浄した。その後、減圧下、40±5℃でエタノールを一部留去した。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、この温度で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃のn−ヘキサン0.1Lでケーキを2回洗浄した。湿った酢酸アビラテロンを50℃で減圧乾燥して、アビラテロンからの収率90%で(HPLCによれば最大99.0%の)純粋な酢酸アビラテロン90g(0.23モル)を得た。DHEAからの全収率は約43〜45%であった。
【0099】
未反応DHEAの回収
(上記アビラテロン工程後の)未反応DHEAを含む母液を濃縮乾固した。その後、実施例1と同様にして残留物をギ酸と反応させ、ヘキサン中で結晶化した後、純粋なギ酸DHEAを得たが、この際、トリフラート化工程で使用したギ酸DHEAからの収率は10%であった。このギ酸DHEAの純度は、トリフラート化工程で使用できるほど充分に高かった。未反応ギ酸DHEAの回収率も含めて、DHEAからの酢酸アビラテロンの全収率は約45重量%であった。
【0100】
実施例5
デヒドロイソアンドロステロン−3−ホルマート(ギ酸DHEA)の合成
80〜99%ギ酸500mLにデヒドロエピソアンドロステロン(DHEA)100g(0.346モル)を溶かした溶液を20〜25℃で4時間保持し、HPLC(DHEAの面積%)で反応の終点をモニタリングした。次に、溶液を50℃で減圧(40mbar)濃縮した。濃縮物にCH
2Cl
2500mLを添加し、その溶液に飽和NaHCO
3400mLを添加した。混合液を20〜25℃で30分間撹拌した。その後、2相分離を行った。有機層を水100mLで洗浄した。有機層を脱水し、トリフラート化段階でそのまま使用した。DHEAからの収率は100%と推定された。
【0101】
実施例6
3β−ホルミルオキシ−アンドロスタ−5,16−ジエン−17−イル−トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート化合物)の合成
CH
2Cl
21Lに無水トリフルオロメタンスルホン酸98g(0.346モル)を溶かした溶液に、CH
2Cl
21Lにギ酸DHEA100g(0.316モル)及び2,6−ルチジン34g(0.316モル)を添加した混合液を温度20±2℃で約1時間かけて添加した。混合液を20±2℃で1時間撹拌した。混合液を10〜15℃に冷却し、水1LにNaHCO
353g(2当量)を溶かした溶液を混合液に10〜15℃で15〜30分かけて添加した。混合液を20〜25℃で2時間以上撹拌した。その後、相分離を行い、有機層を水0.2Lで洗浄した。有機層を35℃で減圧(40mbar)濃縮して、未精製のトリフラート化合物142gを得たが、それにはHPLC分析によれば純粋なトリフラート化合物が107g(0.239モル)、未反応ギ酸DHEAが約15g(0.047モル)含まれていた。(HPLC分析によれば)純粋な生成物の収率は約75%であった。
【0102】
実施例7
アビラテロンの合成
THF1Lに(HPLC分析によれば)純粋なトリフラート化合物と推定されるもの100g(0.22モル)を溶かした溶液に、ジエチル(3−ピリジル)ボラン36g(1.1当量)を添加した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド3g(2モル%)を添加した。純水0.4LにNa
2CO
394g(4当量)を溶かした溶液を混合液に添加し、それを30分〜1時間の間、(2相混合物を)効果的に撹拌しながら加熱還流(65〜67℃)した(IPC HPLC)。混合液を15〜20℃に冷却し、その混合液にトルエン1L、続いて水1Lを添加し、それを10〜15分間撹拌した。混合液をClarcel(R)ベッドを通して濾過してPd触媒を除去し、2相分離を行った。水層をトルエン0.2Lで洗浄した。その後、有機層を水0.1Lで洗浄した。35〜40℃で有機層を減圧(20mbar)濃縮して、未精製のギ酸アビラテロンを得、それをメタノール380mL中で10%NaOH水溶液160gにより加水分解した。懸濁液を70〜75℃まで1時間半〜2時間加熱した(IPC 反応の終点:HPLC)。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、0〜5℃で30分間保持した。懸濁液を濾過し、ケーキを水60mLで2回洗浄した後、0〜5℃に冷却したアセトン200mLで洗浄した。湿った未精製段階3であるアビラテロンを40〜45℃で5時間かけて減圧乾燥した。
【0103】
精製
未精製段階3 100gにCH
2Cl
2400mL及びメタノール300mLを添加した。混合液を40〜45℃に加熱(還流)して溶液を得た。その後、大気圧下でCH
2Cl
2を留去した。混合液を0〜5℃に冷却した後、0〜5℃で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃に冷却したメタノール100mLでケーキを2回洗浄した。湿った段階3であるアビラテロンを40〜45℃で5時間減圧乾燥して、純粋な生成物63gを得た。純粋なトリフラート化合物と推定されるものからの収率は約70%であった。この工程でのDHEAからの全収率は約50重量%であった。
【0104】
実施例8
酢酸アビラテロンの合成
アビラテロン100g(0.286モル)にTHF1Lを添加した。このスラリーにトリエチルアミン44g(1.5当量)、4−ジメチルアミノピリジン1.75g(2モル%)及び無水酢酸35g(1.2当量)を添加した。スラリーを20〜25℃で24時間撹拌した(HPLCによりモニタリングした反応の終点で混合液は溶解した)。混合液にトルエン0.7L及び水0.4Lを添加し、それを20〜25℃で1時間撹拌した。Clarcel(R)により混合液を清澄化した。2相分離を行い、有機層を水0.1Lで洗浄した。有機層を減圧下、40℃で濃縮乾固した。その後、エタノール100mL及びn−ヘキサン900mLを添加し、混合液を55〜60℃に加熱して溶解させた(溶液は依然として濁っていた)。混合液に2S活性炭5重量%及びClarcel(R)5重量%を添加し、それを55〜60℃で30分間保持した。その後、55〜60℃でClarcel(R)及び
活性炭を濾別し、エタノール0.1Lで2回洗浄した。その後、減圧下、40±5℃でエタノールを一部留去した。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、この温度で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃のn−ヘキサン0.1Lでケーキを2回洗浄した。湿った酢酸アビラテロンを50℃で減圧乾燥して、(HPLCによれば最大99.0%の)純粋な酢酸アビラテロン90g(0.229モル)を得た。アビラテロンからの収率は約90%であった。DHEAからの全収率は約43重量%であった。
【0105】
未反応DHEAの回収
(上記アビラテロン工程後の)未反応DHEAを含む母液を濃縮乾固した。その後、実施例4と同様にして残留物をギ酸と反応させ、ヘキサン中で結晶化した後、純粋なギ酸DHEAを得たが、この際、トリフラート化工程で使用したギ酸DHEAからの収率は10%であった。このギ酸DHEAの純度は、トリフラート化工程で使用できるほど充分に高かった。未反応ギ酸DHEAの回収率も含めて、DHEAからの酢酸アビラテロンの全収率は約47重量%であった。
【0106】
実施例9
デヒドロイソアンドロステロン−3−ホルマート(ギ酸DHEA)の合成
99%ギ酸125mL(5L/kg)にデヒドロイソアンドロステロン25g(86.7mmol)を溶かした溶液を20〜25℃で4時間保持した。HPLC(DHEAの面積%)で反応の終点をモニタリングした。次に、溶液を50℃で減圧(40mbar)濃縮した。濃縮物にCH
2Cl
2125mL(5L/kg)を添加し、その溶液に飽和NaHCO
3100mL(4L/kg)を添加した。混合液を20〜25℃で30分間撹拌した。その後、2相分離を行った。有機層を水25mL(1L/kg)で洗浄した。有機層を濃縮して、ギ酸DHEA27.4g(収率100%)を得た。
【0107】
実施例10
3β−ホルミルオキシ−アンドロスタ−5,16−ジエン−17−イル−トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート化合物)の合成
CH
2Cl
2150mLに無水トリフルオロメタンスルホン酸14.7g(52.1mmol、1.1当量)を溶かした溶液に、CH
2Cl
2150mLにギ酸DHEA15g(47.4mmol)及び2,6−ルチジン5.1g(47.4mmol、1当量)を溶かした溶液を温度20±2℃で約1時間かけて添加した。混合液を20±2℃で1時間撹拌した。混合液を10〜15℃に冷却し、水150mLにNaHCO
38g(94.8mmol、2当量)を溶かした溶液を混合液に10〜15℃で15〜30分かけて添加した。混合液を20〜25℃で1時間以上撹拌した。その後、相分離を行い、水60mL及び99%ギ酸1.1g(23.7mmol)からなる溶液で有機層を2回洗浄した後、水30mLで2回洗浄した。有機層を濃縮して、未精製のトリフラート化合物21.6g(収率100%)を得た。HPLC分析を用いて計算すると、DHEAからの未精製生成物のモル収率は71.3%であった。
【0108】
実施例11
アビラテロンの合成
THF138mLにトリフラート化合物13.8g(30.7mmol)(未精製生成物19.7g)を溶かした溶液に、ジエチル(3−ピリジル)ボラン4.9g(33.8mmol、1.1当量)を添加した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド0.43g(0.6mmol、2モル%)を添加した。純水55.2mLにNa
2CO
313g(123mmol、4当量)を溶かした溶液を混合液に添加し、それを30分〜1時間かけて(2相混合物を)効果的に撹拌しながら加熱還流(65〜67℃)した(反応の終点をHPLC面積%によりモニタリングした)。混合液を15〜20℃に冷却し、その混合液にトルエン138mL及び水138mLを添加し、それを10〜15分かけて撹拌した。減圧濃縮によりTHFを留去した。混合液をClarcel(R)ベッドを通して濾過し、2相分離を行った。水層をトルエン27.6mLで洗浄した。その後、有機層を水13.8mLで洗浄した。40〜45℃で有機層を減圧濃縮し、その未精製生成物にメタノール58mL及び10重量%NaOH24.7g(61.8mmol、2.01当量)を添加した。混合液を70℃まで30分〜1時間かけて加熱した後、5〜10℃に冷却し、この温度で30分〜1時間保持した。その後、懸濁液を濾過し、ケーキをまずメタノールで洗浄し、次に水で洗浄し、最後にアセトンで洗浄した。湿った固体を40〜45℃で5時間減圧乾燥して、未精製段階3(アビラテロン)9.2g(収率85.5%)を得た。
【0109】
精製
未精製段階3(アビラテロン)8.7g(24.9mmol)にCH
2Cl
234.8mL及びメタノール26.1mLを添加した。混合液を40〜45℃に加熱(還流)して溶液を得た。その後、大気圧下でCH
2Cl
2を留去した。混合液を0〜5℃に冷却した後、0〜5℃で1時間保持した。懸濁液を濾過(急速濾過)し、0〜5℃に冷却したメタノール4.4mLでケーキを2回洗浄した。湿った固体を40〜45℃で5時間減圧乾燥して、純粋な段階3(アビラテロン)7.2g(精製収率82.8%)を得た。DHEAからの全収率は約50%であった。
【0110】
実施例12
酢酸アビラテロンの合成
段階3の物質7g(20mmol)にTHF70mLを添加した。このスラリーにトリエチルアミン3g(30mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(5モル%)0.12g(1mmol)及び無水酢酸2.45g(24mmol)を添加した。スラリーを20〜25℃で24時間撹拌した(反応の終点で混合液は溶解した+IPC HPLC)。混合液にトルエン49mL及び水28mLを添加し、それを20〜25℃で1時間撹拌した。Clarcel(R)ケーキにより混合液を清澄化した。2相分離を行い、有機層を水3.5mLで洗浄した。有機層を40℃で減圧濃縮した。濃縮物にエタノール8mL及びn−ヘプタン70mLを添加した。混合液を55〜60℃に加熱して溶解させた(溶液は依然として濁っていた)。混合液に2S活性炭0.4g及びClarcel(R)0.4gを添加し、それを55〜60℃で30分間保持した後、55〜60℃で濾過した。フィルター上のClarcel(R)ケーキをエタノール7mLで2回洗浄した。その後、減圧下、40±5℃でエタノールを留去したが、n−ヘプタンが飛沫同伴した。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、この温度で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃のn−ヘプタン8mLでケーキを2回洗浄した。湿った固体を50℃で減圧乾燥して、酢酸アビラテロン6.7g(収率85.4%)を得た。DHEAからの全収率は約43%であった。
【0111】
実施例13
デヒドロイソアンドロステロン−3−ホルマート(ギ酸DHEA)の合成
80%ギ酸225mL(5L/kg)にデヒドロイソアンドロステロン45g(156mmol)を溶かした溶液を20〜25℃で7時間保持した。HPLC(DHEAの面積%)で反応の終点をモニタリングした。混合液をジクロロメタン90mLで抽出した。その後、水層をジクロロメタン45mLで2回洗浄した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液180mLで洗浄した後、水45mLで洗浄した。有機層を濃縮して、ギ酸DHEA49g(収率99.2%)を得た。
【0112】
実施例14
3β−ホルミルオキシ−アンドロスタ−5,16−ジエン−17−イル−トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート化合物)の合成
CH
2Cl
2430mLに無水トリフルオロメタンスルホン酸46.6g(165mmol、1.1当量)を溶かした溶液に、CH
2Cl
2215mLにギ酸DHEA47.5g(150mmol)及び2,6−ルチジン16.1g(150mmol、1当量)を溶かした溶液を温度20±2℃で約1時間かけて添加した。混合液を20±2℃で1時間撹拌した。混合液を10〜15℃に冷却し、水237.5mLにNaHCO
316.4g(195mmol、1.3当量)を溶かした溶液を混合液に10〜15℃で15〜30分かけて添加した。混合液を20〜25℃で1時間以上撹拌した。その後、相分離を行い、水190mL及び99%ギ酸3.5g(75mmol)からなる溶液で有機層を2回洗浄した後、水47.5mLで2回洗浄した。有機層を減圧濃縮して、未精製のトリフラート化合物を得た。HPLC分析を用いて計算すると、DHEAからの未精製生成物のモル収率は65%であった。
【0113】
実施例15
アビラテロンの合成
THF287mLに100%トリフラート化合物41g(91.4mmol)を溶かした溶液に、ジエチル(3−ピリジル)ボラン14.8g(100.5mmol、1.1当量)を添加した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド1.3g(1.83mmol、2モル%)を添加した。純水164mLにNa
2CO
338.7g(365.6mmol、4当量)を溶かした溶液を混合液に添加し、それを30分〜1時間かけて(2相混合物を)効果的に撹拌しながら加熱還流(65〜67℃)した(反応の終点をHPLC面積%によりモニタリングした)。混合液を15〜20℃に冷却し、その混合液にトルエン328mL及び水328mLを添加し、それを10〜15分かけて撹拌した。減圧濃縮によりTHFを留去した。混合液をClarcel(R)ベッドを通して濾過し、2相分離を行った。水層をトルエン82mLで洗浄した。その後、有機層を水41mLで洗浄した。40〜45℃で有機層を減圧濃縮し、メタノール172.5mLと、水69mLにNa
2CO
319.5g(184mmol、2.01当量)を溶かした溶液とをその未精製生成物に添加した。混合液を70℃まで30分〜1時間かけて加熱した後、20℃に冷却した。その後、混合液にCH
2Cl
2207mLを添加し、それを5〜10分間撹拌し、清澄化した。その後、2相分離を行った。水層をCH
2Cl
234.5mLで洗浄し、合せた有機層を水34.5mLで洗浄した。有機層にメタノール34.5mLを添加し、大気圧下でCH
2Cl
2を留去した。混合液を0〜5℃に冷却した後、0〜5℃で1時間保持した。懸濁液を濾過(急速濾過)し、0〜5℃に冷却したメタノール20mLでケーキを2回洗浄した。湿った固体を40〜45℃で減圧乾燥して、純粋な段階3(アビラテロン)27g(収率85%)を得た。DHEAからの全収率は約54.7%であった。
【0114】
実施例16
酢酸アビラテロンの合成
段階3の物質28g(80.1mmol)にTHF280を添加した。このスラリーにトリエチルアミン12.2g(120.1mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(5モル%)0.49g(4mmol)及び無水酢酸9.8g(96.1mmol)を添加した。スラリーを20〜25℃で24時間撹拌した(反応の終点で混合液は溶解した+IPC HPLC)。混合液にトルエン196mL及び水112mLを添加し、それを20〜25℃で1時間撹拌した。Clarcel(R)ケーキにより混合液を清澄化した。2相分離を行い、有機層を水14mLで洗浄した。有機層を40℃で減圧濃縮した。濃縮物にエタノール28mL及びn−ヘプタン252mLを添加した。混合液を55〜60℃に加熱して溶解させた(溶液は依然として濁っていた)。混合液に2S活性炭1.4g及びClarcel(R)1.4gを添加し、それを55〜60℃で30分間保持した後、55〜60℃で濾過した。フィルター上のClarcel(R)ケーキをエタノール28mLで2回洗浄した。その後、減圧下、40±5℃でエタノールを留去したが、n−ヘプタンが飛沫同伴した。混合液を20℃に冷却してから0〜5℃に冷却し、この温度で1時間保持した。懸濁液を濾過し、0〜5℃のn−ヘプタン28mLでケーキを2回洗浄した。湿った固体を50℃で減圧乾燥して、酢酸アビラテロン26.7g(収率85%)を得た。DHEAからの全収率は約46.5重量%であった。
【0115】
例17
比較試験1
さらに比較試験を行って本発明の主な改善点を示した。本発明の実施例5〜8によれば、アビラテロンは、デヒドロイソアンドロステロン−3−ホルマート(ギ酸DHEA)を出発材料として、トリフラート化工程変換率、収率及びトリエン分解率をモニタリングすることにより製造した。そこで、同じ反応条件(工程:a〜d)を対応するデヒドロイソアンドロステロン−3−アセタート(酢酸DHEA)誘導体に適用した。下記表に比較結果を報告する。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
表1の結果から明らかなように、新規中間体である式(V)のギ酸DHEAを出発材料として、本発明における実験研究に記載された手順に従って製造すると、先行技術の公知方法と比較して高収率かつ高純度でアビラテロンが得られた。
【0119】
上述した通り、上記結果はアビラテロンを直接結晶化することで得られ、クロマトグラフィーによる精製や更なる塩の単離を行う必要がなかったことは注目に値する。
【0120】
また、表1対表2の結果から、新規の式(V)の3−ホルミル誘導体を使用した場合、最も一般的な3−アセチル誘導体と比較して、本発明に従って改善された同じ反応条件下で、いかに明らかに高い部分収率及び全収率で純粋なアビラテロンを取得することができるかがわかる。特に、トリエン不純物を非常に少ない量に保つことで、トリフラート化工程a)が高変換率で進行した。このような未精製の式(VI)のトリフラート化合物の純度は、アルコー
ルから直接結晶化することにより高純度のアビラテロンを単離するのに適している。繰り返すが、中間体の塩の単離を行う必要はなかった。
【0121】
例18
比較試験2
さらに、特定のトリフラート化工程a)での3−ホルミル保護残基の役割を調べるために試験を準備した。当該分野で報告されている反応条件に従って、CH
2Cl
220L/Kgに式(V)のギ酸DHEAと1.4当量の2,6−ジ−tert−ブチル−メチルピリジンとを溶かした溶液に1.1当量の無水トリフルオロメタンスルホン酸を10〜15分かけて添加した。その後、混合液を20℃で3時間保持した後、飽和NaHCO
3によりクエンチして未精製の式(VI)の化合物を得た。そして、対応するデヒドロイソアンドロステロン−3−アセタート(酢酸DHEA)に同じ条件を適用した。
【0122】
下記表に比較結果を報告する。
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
表3対表4の結果から、新規の式(V)の3−ホルミル誘導体がいかに不純物量を劇的に低減できるかがわかる。とりわけ、望ましくないトリエン副産物を抑えることでトリフラート化工程a)が高収率かつ高変換率で進行した。工程a)は、本発明における特定のステロイド活性化において最適な選択肢として、先行技術で特定されていない塩基を使用して入念に考え抜かれて実施された。国際公開第2006/021777号の11頁の表2には、最も一般的なトリフラート化条件下、大量の不純物、とりわけ17%のトリエン副産物が生じることが報告されている。故に、上記データから、不純物特性の改善におけるホルマート保護残基の役割が確かめられる。