【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は独立請求項の主題によって達成でき、主題の展開は従属請求項に開示される。
【0005】
本発明によれば、エアフィルタハウジングに挿入するためのエアフィルタ要素が提供され、前記エアフィルタ要素は、吸入面と、排出面と、濾過材と、フィルタ要素保持具と、を備える。前記濾過材は、前記エアフィルタ要素の軸方向において前記吸入面と前記排出面との間に延在し、前記フィルタ要素保持具は、前記濾過材に接続される。前記フィルタ要素保持具は、前記濾過材から径方向に離れる方向に突出する保持部と、前記濾過材の周りを延びるシール線を有するシール部と、を有する。径方向に突出する前記保持部は、前記周状シール線と前記濾過材との間に位置する。
【0006】
このような構成によれば、とりわけシール線の外側にさらなる要素を配置する必要がなくなるので、エアフィルタ要素をコンパクトなデザインとすることができる。
【0007】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記シール部は、例えばエアフィルタハウジングとの協働を通した、清浄側(濾過された空気)からの未処理側(濾過されていない空気)の軸方向及び/又は径方向のシールに適している。
【0008】
また、もう一つの実施形態によれば、前記保持部は、径方向に突出する膨出部を有する。好ましくは、前記保持部は、径方向に突出する複数の膨出部を有する。
【0009】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記吸入面と前記排出面との間の前記濾過材は、第1濾過材側面と第2濾過材側面とが隣り合う少なくとも1つの角部を有する。前記フィルタ要素保持具は、前記角部に径方向膨出部を有し、前記シール部は、前記濾過材の周りを延びるシール線を有する。前記シール線は、前記径方向膨出部に沿って延びており、前記シール線の通路に沿った半径R2は、前記角部の半径R1よりも大きい。言い換えると、前記シール線は、前記径方向膨出部よりも外側を延びる。
【0010】
この場合、シール線はハウジングの内側縁部の半径に比べて大きな半径を有することができる。これにより、シール材の簡易な利用又はシール材での上記のフィルタ要素の受けが可能となる。前記径方向膨出部は、前記フィルタハウジングの側面のうち、実質的に1つのみの外側に延在することができる。又は、前記径方向膨出部は、前記フィルタハウジングの2つの隣り合う側面を、特に同程度超えて延在することもできる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記保持部は少なくとも1つの前記軸方向の凹部を有し、前記凹部はエアフィルタハウジング側の突起を受けるように構成される。ハウジング側の突起及びフィルタ要素側の凹部の代わりに、フィルタ要素側に突起の全て又は一部を設け、フィルタハウジング側に凹部の全て又は一部を設けてもよい。
【0012】
この場合、フィルタ要素を正確に位置決めすることが可能である。特に、前記凹部により、フィルタ要素のハウジングへの適切な挿入をコントロールすることが可能となる。もし、エアフィルタ要素の凹部がハウジングの突起と係合されるのであれば、設置位置は正しい。もしエアフィルタの凹部がハウジングの突起と係合されなければ、これはすぐにわかるので、未熟な人員であっても設置位置が正しくないことに気づく。前記凹部は、貫通孔又は止まり孔であってもよい。前記孔は、円形の断面、又は、卵型、楕円形、又は角のある断面を有してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記凹部の断面積は、前記軸方向において少なくとも部分的に減少する。具体的には、前記凹部は円錐状に先細(テーパ)となっている。この場合、エアフィルタ要素をハウジングの中心に置くことができる。さらに、円錐形状は、突起と凹部とが会合する際に高い目標精度を要しないので、設置が大幅に簡易になる。円錐状のテーパは、円錐、円錐台、角錐、又は角錐台の形状を有していてもよい。しかしながら、前記テーパは、真っすぐなテーパに限られず、湾曲したテーパであってもよく、例えば、頂部が切り取られた放物面や楕円面の形状を有していてもよい。
【0014】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記凹部の少なくとも1つはスロット状の孔である。この場合、一方向に関して公差に影響を受けた固定を実現できる。これにより、衝撃・振動補償又は温度補償が可能となる。さらに、スロット状の孔によって、フィルタハウジングのねじれをある程度補償することもできる。従来型の孔とスロット状の孔を組み合わせることにより、スロット状の孔の公差があるにもかかわらず、従来型の孔における位置的に正確な固定が可能となる。従来型の孔と、これを横断して延びる第1スロット孔及び第2スロット孔との組み合わせを設けることもできる。複数の孔は、エアフィルタ要素の様々な場所にわたって分散して配置することができる。
【0015】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記保持部は、前記軸方向の複数の凹部を備え、前記複数の凹部は少なくとも90°の角度にわたって分散するように前記フィルタ要素保持具の周縁に沿って配置される。この場合、軸方向の設置のために設けられる本発明に係るフィルタ要素が、不注意で径方向の設置のためのフィルタ要素と交換されないことを確実にすることができる。これによりエアフィルタの操作信頼性を向上させることができる。
【0016】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記保持部は前記軸方向の複数の凹部を有し、前記複数の凹部は、前記エアフィルタ要素の中心軸に関して、エアフィルタハウジングの中における前記エアフィルタ要素の明確な設置位置を規定する角度分布を有する。この場合、適切に選択されたフィルタ要素が、エアフィルタハウジングの中で不正確な位置に位置決めされないことを確実にすることができる。又は、凹部の配置及び/又は形態は、コーディングに用いることができる。すなわち、殆どの部分について構造的に同一であるが誤ったフィルタ要素の設置は、これにより防ぐことができる。
【0017】
本明細書において角度分布とは、中心軸周りにおいて2つの凹部によって規定される角度のことであると理解される。別々の凹部のペアの間の角度に差がある場合、適切な角度分布が選択されていれば、フィルタハウジングの中におけるエアフィルタ要素の回転による不正確な位置決めは不可能である。この位置の決定は、フィルタハウジングの中において対応する突起と係合しない別々の凹部を非対称に配置することによっても達成できる。ハウジングに突起を設け、フィルタ要素に凹部を設ける代わりに、全て又は一部の突起をフィルタ要素に設けてもよく、全て又は一部の凹部をフィルタハウジングに設けられてもよい。
【0018】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記フィルタ要素保持具は、前記濾過材の周りを延びるシール線を有するシール部と、を有し、前記凹部は、少なくとも部分的に、前記周状シール線と前記濾過材との間に位置する。この場合、凹部をシールのバリアの中に配置することができる。この場合、止まり孔の形状の凹部は、未処理空気側と清浄空気側との間に開口部を形成せずに、これらの領域を互いに隔離するので、好都合である。また、シール線の外側にさらに凹部を設けることは必要ないため、フィルタ要素の外形寸法を小さいままに維持することができる。
【0019】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記周状シール線と前記濾過材との間に配置される前記凹部は、閉じた凹部である。この場合、未処理空気側を清浄空気側から隔離することができる。
【0020】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記シール部は弾性シール材を含み、前記シール線は前記シール材の上にある。この場合、確実にシールでき、空隙を封止するのに適する。フィルタ要素がシールを備えることで、フィルタ要素を交換する度に損傷しやすいシールの部品をも交換することができ、常に新品のシールを用いることができる。このようにしないと、ハウジング側のシールに欠陥が発生した場合、代替のシールが常に必要となってしまう。
【0021】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記保持部は、前記エアフィルタ要素とエアフィルタハウジングとの間で保持力を伝えるように構成された保持面を備え、前記保持面は、前記周状シール線と前記濾過材との間に配置される。この場合、シール要素の軸方向の位置決めを確実に行うことができる。また、シールの径方向外側にさらに面を設ける必要がないので、シールの範囲内での位置決めにより、フィルタ要素の構造的なサイズがさらに限定的なものとなる。
【0022】
好ましくは、前記保持面は、フィルタ要素側のシール部によって形成され、特に、同一の方向を向くシール面に関して、軸方向にオフセットされて配置される。例えば、軸方向前方に変位した保持面は、シール部を保持具に対して成形した際にシール材が保持面に付着するのを軸方向のオフセットによって防ぐことができる、という利点を有する。また、対応する保持面とシール面とがフィルタハウジング側で同一レベルに配置される場合、製造技術の点において有利である。フィルタ要素側の保持面が、同一方向を向くシール面に関して軸方向後方に変位していれば、しっかりとした圧締を確実にすることができる。
【0023】
フィルタハウジングの中で特に操作上信頼性をもってエアフィルタ要素を保持することに特徴を有する本発明の1つの展開において、前記保持部は、互いに対向する側の各々に、前記シール線と前記濾過材との間に配置される保持面を有する。この結果、保持面は互いに反対側を向いており、フィルタハウジング側の保持面に載る構造となる。フィルタ要素は、操作上の信頼性をもって、位置的に正確に、両軸方向において保持されることが可能である。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記シール線のプロファイル(形状)は、部分的に、前記濾過材から径方向に離れる方向に曲がっている。部分的な離れる方向の湾曲は、フィルタ要素に向かう側から見ると、凹状のシール線を構成する。このような湾入は、補強リブ、ブレースやフィッティング等の追加の構造要素の位置決めを可能とする。
【0025】
特に同型のプロファイルによって特徴づけられる本発明の例示的な一実施形態では、前記シール線は、複数のセクションに沿って前記濾過材から径方向に離れる方向に曲がるように延びており、前記セクションは、内部を前記シール線が前記濾過材に向かって径方向に曲がるように延びる、離れる方向に湾曲したセクションの各々と関連する。エアフィルタ要素の周縁方向において相互に関連するセクションが直につながっている場合、構造的にコンパクトなフィルタ要素が得られる。
【0026】
好ましくは、前記シール線は、1以上のセクションにおいて少なくともほぼ一定の曲率半径で前記濾過材から径方向に離れる方向に曲がるように延びており、及び/又は、前記シール線は、1以上のセクションにおいて少なくともほぼ一定の曲率半径で前記濾過材に向かって径方向に曲がるように延びている。その結果、湾曲したセクションは円の一部の形状を有する。これにより、例えば、シール部の製造時における、湾曲したセクションに沿ったディスペンサロボットの動作経路のプログラミングが簡易化される。
【0027】
また、前記シール線は、楕円形の一部、放物線形の一部又は双曲線系の一部の形状を有する湾曲セクションを少なくとも1つ有していてもよい。曲率半径の変化が、少なくとも真っすぐなセクションと湾曲したセクションとの間での推移の時に連続関数に従って具現化されている場合、上記と同様に有利である。好ましくは、これは、シール線全体の少なくとも殆どに沿った曲率半径の変化に適用される。
【0028】
スペースを節約できる構造である点に特徴を有する本発明の1つの展開において、前記シール線は、1つのセクションに沿って前記濾過材から径方向に離れる方向に曲がり、1つのセクションに沿って直線的に延び、次に、1つのセクションに沿って前記濾過材から径方向に離れる方向に曲がり、前記3つのセクションは、前記エアフィルタ要素の前記周方向において、特に直接、相互につながっている。この場合、例えば、直線的なセクションのうち、ハウジング側の締結手段が配置される領域に一種の湾入が形成される。
【0029】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記保持部は、前記濾過材の少なくとも一部の外側を前記濾過材に沿って前記軸方向に延在し、前記一部は、前記軸方向に延在して、エアフィルタハウジングからのスペーサとして具現化される。この場合、保持部は、フィルタ要素をエアフィルタハウジングの中で側方に支持するためのスペーサとして同時に利用することができる。これによって、フィルタハウジングの中において、特に、軸方向に延びるフィルタ要素を安定化することができる。軸方向伸長部は、保持部に一体的に接続されてもよく、又は複数の部品から構成されてもよい。軸方向に延びる部分は、硬質又は軟質であってもよく、又は弾性を有していてもよい。フィルタ要素のフィルタハウジングへの挿入を容易にするため、軸方向伸長部は、濾過材の方向において保持面と反対側に、先細となっている端部を有していてもよい。
【0030】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記シール部は、前記エアフィルタ要素を軸方向に沿ってエアフィルタハウジングの中へ配置可能に構成される。この場合、フィルタハウジングには、周縁が閉じられ、フィルタ要素を軸方向に挿入するための軸方向の開口を有するハウジング本体が設けられてもよい。ハウジング本体は、対応する蓋でシールされていてもよい。周縁のシールによって、軸方向のシールについて良好なシール効果が期待できる。
【0031】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記径方向膨出部は、前記フィルタ要素保持具の外側縁部のうち実質的に一方のみの外側に延在する。この場合、フィルタ要素の外形寸法を一方向において小さくすることができる。とりわけ、膨出部は、隣の外側縁部を超えて突出しない。膨出部が1つの縁部の外側に突出する結果、膨出部が突出しない縁部に関してフィルタ要素の構造的なサイズを低減することができる。複数の膨出部がフィルタ要素に存在する場合、これらの膨出部は、フィルタ要素収容部の2つの向き合う側のみにおいて突出し、他の向き合う側では突出していなくてもよい。とりわけ、4つの膨出部を設けることができ、そのうち2つずつを2つの向き合う側にそれぞれ設けてもよく、特に、フィルタ要素の軸方向縁部の近傍に、又は、フィルタ要素の軸方向縁部に直接設けてもよい。
【0032】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記径方向膨出部は、第1側面及び第2側面の外側に、同程度突出している。この場合、膨出部の突出長さを低減することができる。1つの側面のみの外側に膨出部が設けられ、既定の最小半径がR2である場合、突出長さは少なくとも半径R2であるのに対し、90°の角度を挟む2つの隣り合う側面の外側に同型の膨出部を設け、最小半径が同様にR2である場合には、最小半径R2を減少させることなく、突出長さを0.3×R2まで減少させることができる。
【0033】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記シール部は、前記濾過材の周りを延びる弾性シール材を有し、前記弾性シール材は、前記膨出部の外側を延びる。この場合、塗布されるシール材を、設けられたシール線に沿って、簡単に、かつ迅速に塗布することができる。
【0034】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記濾過材は、4つの濾過材側面を有し、好ましくは、前記濾過材側面と、前記吸入面及び前記排出面とが互いに直交する。このような直方体状の濾過材は、製造が容易である。
【0035】
本発明の例示的な一実施形態によれば、上述のフィルタ要素を収容するように構成されたエアフィルタハウジングが提供される。前記エアフィルタハウジングは、吸入口と、排出口と、フィルタ要素収容部とを備え、前記フィルタ要素収容部は、前記吸入口と前記排出口との間に位置する。前記フィルタ要素収容部は、挿入されるフィルタ要素及び周状シール部から径方向に離れる方向に配向される膨出部を有し、前記シール部は周状シール線を有する。前記シール線は前記径方向膨出部の中を延び、前記シール線のプロファイルに沿う半径は、前記膨出部の上に位置する前記エアフィルタハウジングのハウジング内側縁部の半径よりも大きい。
【0036】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記フィルタ要素収容部は保持面を有し、前記保持面は、前記周状シール線と、挿入される前記フィルタ要素との間に位置する。この場合、追加の保持面をシール部の外側にさらに設ける必要がなく、このため、フィルタ要素の寸法を小さく維持することができる。
【0037】
好ましくは、同一の方向を向く前記フィルタ要素収容部の前記保持面と前記フィルタ要素収容部のシール面とは、少なくとも実質的に同一の軸方向レベルに配置される。このような対称性のため、これらの2つの面の間の製造公差を考慮する必要がない。
【0038】
本発明の例示的な一実施形態によれば、上述のエアフィルタ要素を収容するように構成され、吸入口と、排出口と、フィルタ要素収容部と、を備えるエアフィルタハウジングが提供される。前記フィルタ要素収容部は、前記吸入口と前記排出口との間に位置し、前記フィルタ要素収容部は、保持面と、前記エアフィルタハウジングの周りを延びるシール線を有するシール部と、を有し、前記保持面は前記周状シール線と挿入される前記フィルタ要素との間に配置される。この場合、とりわけ追加の要素をシール線の外側に配置する必要がなくなるので、エアフィルタハウジングをコンパクトにすることができる。
【0039】
本発明の例示的な一実施形態によれば、上述のエアフィルタ要素を収容するように構成され、吸入口と、排出口と、フィルタ要素収容部と、を備えるエアフィルタハウジングが提供される。前記フィルタ要素収容部は、前記吸入口と前記排出口との間に位置し、前記フィルタ要素収容部は、挿入されるフィルタ要素及び周状シール部から径方向に離れる方向を向く膨出部を有し、前記シール部は周状シール線を有する。
【0040】
前記シール線は前記径方向膨出部の中を延び、前記シール線のプロファイルに沿う半径R2は、前記膨出部の上に位置する前記エアフィルタハウジングのハウジング内側縁部の半径R1よりも大きい。この場合、シール線がハウジング内側縁部に比べて大きな半径を有する、コンパクトなエアフィルタハウジングとすることができ、製造にとって好都合である。特に、このようなエアフィルタハウジングは、類似のシール部を有する上述のフィルタ要素を適切に収容するのに適している。
【0041】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記エアフィルタハウジングは、周状シール線を有し、前記シール線のプロファイルは、部分的に、挿入される前記フィルタ要素から径方向に離れる方向に曲がっている。この場合、シール形状をフィルタハウジング上に設けることができ、このため、フィッティング、強化、又は他の要素等のために、離れる方向に曲がるシール線のセクションの対応する膨出部の中においてスペースを提供することができる。
【0042】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記フィルタ要素収容部は、前記フィルタ要素の前記軸方向において少なくとも1つの突起を有し、前記突起はフィルタ要素側の凹部に係合するように構成される。
【0043】
この場合、上述のフィルタ要素に対応するフィルタハウジングが提供される。特に、突起及び凹部は、互いに協調できるようになっている。
【0044】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記フィルタ要素収容部は、挿入されるフィルタ要素から径方向に離れる方向を向く膨出部を有し、前記シール線は前記膨出部の中を延び、前記シール線のプロファイルに沿う半径は、前記膨出部の上に位置する前記エアフィルタハウジングのハウジング内側縁部の半径よりも大きい。
【0045】
この場合、ハウジング内側縁部の半径に比べて大きな半径を有するシールのプロファイルが提供される。これにより、シール材の簡易な利用又はシール材での上記のフィルタ要素の受けが可能となる。径方向膨出部は、実質的に、フィルタハウジングの側面のうち1つのみの外側に延在してもよい。又は、径方向膨出部は、フィルタハウジングの2つの隣り合う側面の外側に、特に同程度、延びていてもよい。
【0046】
本発明の例示的な一実施形態によれば、上述のエアフィルタ要素と、上述のエアフィルタハウジングと、を備えるエアフィルタが提供され、前記エアフィルタ要素は、前記エアフィルタハウジングの前記フィルタ要素収容部の中に交換可能に配置される。この場合、エアフィルタ要素が交換可能であるので、フィルタ要素の交換によってエアフィルタのフィルタリング性能を確実なものとすることができる。
【0047】
上述及び後述のエアフィルタ要素及びエアフィルタは、特に自動車、建設機械又は農業機械の空気濾過に用いることができる。特に、これらのエアフィルタ要素及びエアフィルタは、燃焼機関の吸気の濾過又は自動車の内部コンパートメントの給気の濾過に用いることができる。しかし、これらのエアフィルタ要素及びエアフィルタは、特に、液体や液体混合物を含む他の流体に用いるために、変更を加えることができる。とりわけ、これらのエアフィルタ要素及びエアフィルタは、構造的に実質的に同等なデザインを有する、自動車用の燃料又はオイルのフィルタ要素、又は、自動車用の燃料又はオイルのフィルタとして具現化されてもよい。
【0048】
上述のそれぞれの特徴は相互に組み合わせてもよく、そうすることによって、有利な相乗効果が得られる場合があることは容易に理解される。
【0049】
本発明の上述の態様及び他の態様について、例示的な実施形態を参照して以下により詳しく説明する。