特許第6091557号(P6091557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーメモリー テクノロジー インコーポレイテッドの特許一覧

特許6091557消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091557
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20170227BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20170227BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20170227BHJP
   H01L 27/115 20170101ALI20170227BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/10 434
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-141332(P2015-141332)
(22)【出願日】2015年7月15日
(62)【分割の表示】特願2012-210972(P2012-210972)の分割
【原出願日】2012年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-216395(P2015-216395A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】61/608,119
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512149787
【氏名又は名称】イーメモリー テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149766
【弁理士】
【氏名又は名称】京村 順二
(74)【代理人】
【識別番号】100110799
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 温道
(72)【発明者】
【氏名】テ−スン スウ
(72)【発明者】
【氏名】シン−ミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チン−スン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン−ハオ チン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ−レン チェン
【審査官】 加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−070203(JP,A)
【文献】 特開平04−208573(JP,A)
【文献】 特開2004−200553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊ゲート、前記浮遊ゲートの下のゲート酸化膜およびチャネル領域を備える浮遊ゲートトランジスタと、前記浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている選択トランジスタと、消去ゲート領域と、前記浮遊ゲートトランジスタと前記消去ゲート領域との間に位置するアシストゲート領域とを備え、前記浮遊ゲートが前記消去ゲート領域および前記アシストゲート領域まで延びて隣接する、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記ゲート酸化膜は、前記浮遊ゲートトランジスタの前記チャネル領域の上の第1部分と、前記消去ゲート領域の上の第2部分とを備えており、前記ゲート酸化膜の前記第1部分の厚さが、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の厚さとは異なり、
前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは第1ウェル領域に構成され、前記消去ゲート領域は第2ウェル領域に構成され、前記アシストゲート領域は第3ウェル領域に構成され、前記第3ウェル領域は、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域との間に位置し、前記消去ゲート領域はトンネリングコンデンサであり、前記トンネリングコンデンサは前記第2ウェル領域に構成されていることを特徴とする、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項2】
前記ゲート酸化膜の前記第1部分の前記厚さは、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の前記厚さよりも厚く、前記ゲート酸化膜の前記第2部分をエッチングするためにエッチバックプロセスを採用することを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項3】
前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されており、前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するPMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項4】
前記浮遊ゲートへのキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果により、前記浮遊ゲートからのキャリアの放出はファウラー・ノルトハイム効果によることを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項5】
ワードライントランジスタと、浮遊ゲート、前記浮遊ゲートの下のゲート酸化膜およびチャネル領域を備える浮遊ゲートトランジスタと、選択トランジスタとを備え、前記ワードライントランジスタ、前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは直列接続されており、
消去ゲート領域と、前記浮遊ゲートトランジスタと前記消去ゲート領域との間に位置するアシストゲート領域とを備え、前記浮遊ゲートが前記消去ゲート領域および前記アシストゲート領域まで延びて隣接している、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記ゲート酸化膜は、前記浮遊ゲートトランジスタの前記チャネル領域の上の第1部分と、前記消去ゲート領域の上の第2部分とを備えており、前記ゲート酸化膜の前記第1部分の厚さは、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の厚さとは異なっており、
前記ワードライントランジスタ、前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは第1ウェル領域に構成され、前記消去ゲート領域は第2ウェル領域に構成され、前記アシストゲート領域は第3ウェル領域に構成され、前記第3ウェル領域は、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域との間に位置し、
前記消去ゲート領域はトンネリングコンデンサであり、前記トンネリングコンデンサは前記第2ウェル領域に構成されていることを特徴とする、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項6】
前記ゲート酸化膜の前記第1部分の前記厚さは、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の前記厚さよりも厚く、前記ゲート酸化膜の前記第2部分をエッチングするためにエッチバックプロセスを採用することを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項7】
前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されており、前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項8】
前記浮遊ゲートへのキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果により、前記浮遊ゲートからのキャリアの放出はファウラー・ノルトハイム効果によることを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不揮発性メモリに関し、より具体的には消去可能でプログラマブルな単一ポリ不揮発性メモリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のプログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリは、浮遊ゲートトランジスタとも呼ばれる。図1に図示するように、この不揮発性メモリは2つの積層され分離されたゲートを備える。上側ゲートは制御ゲート12であり、制御ラインCに接続されている。下側ゲートは浮遊ゲート14である。加えて、n型ドープソース領域およびn型ドープドレイン領域がP基板に構成されている。n型ドープソース領域はソースラインSに接続されている。n型ドープドレイン領域はドレインラインDに接続されている。
【0003】
不揮発性メモリがプログラムされた状態にある場合、高電圧(例、+16V)がドレインラインDから供給され、接地電圧がソースラインSから供給され、制御電圧(例、+25V)が制御ラインCから供給される。その結果、電子がソースラインSからnチャネル領域を通過してドレインラインDに送られる間に、ホットキャリア(例、ホットエレクトロン)が制御電圧によって制御ゲート12に引き寄せられて、浮遊ゲート14に注入される。この状況において、多数のキャリアが浮遊ゲート14に蓄積する。その結果、プログラムされた状態は第1蓄積状態(例、「0」)と考えてもよい。
【0004】
不揮発性メモリがプログラムされていない状態にある場合、キャリアは浮遊ゲート14に注入されないため、プログラムされていない状態は第2蓄積状態(例、「1」)と考えてもよい。
すなわち、第1蓄積状態のドレイン電流(id)およびゲート・ソース間電圧(Vgs)の特性曲線(つまり、id−Vgs特性曲線)と、第2蓄積状態のid−Vgs特性曲線とは区別される。その結果、浮遊ゲートトランジスタの蓄積状態は、id−Vgs特性曲線の変動に従って実現されてもよい。
【0005】
しかし、プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリの浮遊ゲート14および制御ゲート12は別々に製造するべきであるため、プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリの製作プロセスにはより多くのステップが必要で、標準的なCMOS製造プロセスとの互換性はない。
下記特許文献1は、プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを開示している。図2Aは、特許文献1で開示されている従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。図2B図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。図2Cは、図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式回路図である。
【0006】
図2A図2Cを参照して、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。左の第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタの選択ゲート24は選択ゲート電圧VSGに接続されている。p型ドープソース領域21はソースライン電圧VSLに接続されている。さらに、p型ドープドレイン領域22は、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせと考えてもよい。
【0007】
浮遊ゲート26が第2PMOSトランジスタの上に配設されている。第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域23はビットライン電圧VBLに接続されている。さらに、これらのPMOSトランジスタはNウェル領域(NW)に構成されている。Nウェル領域はNウェル電圧VNWに接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0008】
選択ゲート電圧VSG、ソースライン電圧VSL、ビットライン電圧VBL、およびNウェル電圧VNWを適切に制御することにより、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリはプログラムされた状態または読み出された状態で動作させることができる。
従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの2つのPMOSトランジスタはそれぞれのゲート24および26を有するため、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを製作するプロセスは、標準的なCMOS製造プロセスと互換性がある。
【0009】
図1および図2A図2Cに図示するように、不揮発性メモリはプログラム可能である。不揮発性メモリの電気特性は多数のホットキャリアを浮遊ゲートに注入するためにのみ利用される。しかし、電気特性は浮遊ゲートからキャリアを除去するためには利用されない。すなわち、データ消去機能を得るために、浮遊ゲートに蓄積されているキャリアは、例えば紫外線(UV)光を不揮発性メモリに露光することによって浮遊ゲートから除去される。これら不揮発性メモリはワンタイム・プログラミング(OTP)メモリと呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6678190号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため、複数回プログラミング(MTP)メモリ設計のためには、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを提供することが求められている。
本発明の目的は、先行技術において直面する欠点をなくすために、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、浮遊ゲート、前記浮遊ゲート下のゲート酸化膜およびチャネル領域を備える浮遊ゲートトランジスタと、消去ゲート領域とを備えており、前記浮遊ゲートが前記消去ゲート領域まで延びて隣接している消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリであって、前記ゲート酸化膜は前記浮遊ゲートトランジスタの前記チャネル領域の上の第1部分と、前記消去ゲート領域の上の第2部分とを備えており、前記ゲート酸化膜の前記第1部分の厚さは前記ゲート酸化膜の前記第2部分の厚さとは異なる、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを提供する。
【0013】
本発明は、浮遊ゲート、前記浮遊ゲート下のゲート酸化膜およびチャネル領域を備える浮遊ゲートトランジスタと、前記浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている選択トランジスタと、消去ゲート領域と、前記浮遊ゲートトランジスタと前記消去ゲート領域との間に位置するアシストゲート領域とを備えており、前記浮遊ゲートは前記消去ゲート領域および前記アシストゲート領域まで延びて隣接している消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリであって、前記ゲート酸化膜は、前記浮遊ゲートトランジスタの前記チャネル領域の上の第1部分と、前記消去ゲート領域の上の第2部分とを備えており、前記ゲート酸化膜の前記第1部分は前記ゲート酸化膜の前記第2部分の厚さとは異なり、前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは第1ウェル領域に構成され、前記消去ゲート領域は第2ウェル領域に構成され、前記アシストゲート領域は第3ウェル領域に構成され、前記第3ウェル領域は、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域との間に位置し、前記消去ゲート領域はトンネリングコンデンサであり、前記トンネリングコンデンサは前記第2ウェル領域に構成されている、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを提供する。
【0014】
本発明は、ワードライントランジスタと、浮遊ゲート、前記浮遊ゲートの下のゲート酸化膜およびチャネル領域を備える浮遊ゲートトランジスタと、選択トランジスタとを備え、前記ワードライントランジスタ、前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは直列接続されており、消去ゲート領域と、前記浮遊ゲートトランジスタと前記消去ゲート領域との間に位置するアシストゲート領域とを備え、前記浮遊ゲートが前記消去ゲート領域および前記アシストゲート領域まで延びて隣接している、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリであって、前記ゲート酸化膜は、前記浮遊ゲートトランジスタの前記チャネル領域の上の第1領域と、前記消去ゲート領域の上の第2領域とを備えており、前記ゲート酸化膜の前記第1部分の厚さは前記ゲート酸化膜の前記第2部分の厚さとは異なり、前記ワードライントランジスタ、前記浮遊ゲートトランジスタおよび前記選択トランジスタは第1ウェル領域に構成され、前記消去ゲート領域は第2ウェル領域に構成され、前記アシストゲート領域は第3ウェル領域に構成され、前記第3ウェル領域は、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域との間に位置し、前記消去ゲート領域はトンネリングコンデンサであり、前記トンネリングコンデンサは前記第2ウェル領域に構成されている、消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを提供する。
【0015】
本発明の多数の目的、特徴および利点は、添付の図面と合わせて考慮して、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより容易に明らかになるであろう。しかし、本明細書で採用する図面は説明のためのものであり、制限と見なしてはならない。
本発明の上述の目的および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を精査した後に、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のプログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。
図2A】特許文献1で開示されている従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。
図2B図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。
図2C図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式回路図である。
図3A】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する平面図である。
図3B】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
図3C】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
図3D】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
図4A】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する回路図である。
図4B】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する断面図である。
図4C】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する回路図である。
図5】ゲート酸化膜の厚さと消去ライン電圧(VEL)との関係をプロットしたグラフである。
図6A】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する断面図である。
図6B】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する回路図である。
図6C】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する断面図である。
図6D】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する回路図である。
図7A】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する平面図である。
図7B】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
図7C】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
図7D】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
図8】第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加PMOSトランジスタの模式等価回路図である。
図9】本発明の第3実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
図10】第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加NMOSトランジスタの模式等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図3A図3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。図3Aは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。図3Bは、図3Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第1方向(a1−a2)に沿って切断して図示する模式断面図である。図3Cは、図3Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第2方向(b1−b2)に沿って切断して図示する模式断面図である。図3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの模式等価回路図である。また、本発明の不揮発性メモリは単一ポリプロセスを使用して製造されており、論理CMOS製作プロセスと互換性がある。
【0018】
図3Aおよび図3Bに図示するように、第1実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。これら2つのPMOSトランジスタはNウェル領域(NW)に構成されている。Nウェル領域(NW)には3つのp型ドープ領域31,32および33が形成されている。加えて、3つのp型ドープ領域31,32および33の間のエリアには2つのポリシリコンゲート34および36が架け渡されており、2つのポリシリコンゲート34および36と半導体の上面との間にはゲート酸化膜342および362が形成されている。さらに、Nウェル領域(NW)上の2つのポリシリコンゲート34および36は、Pドープポリシリコンゲート34および36である。
【0019】
第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとも呼ばれる)は選択ゲート電圧VSGに接続されている。p型ドープ領域31はp型ドープソース領域であり、ソースライン電圧VSLに接続されている。p型ドープ領域32はp型ドープドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせと考えてもよい。ポリシリコンゲート36(浮遊ゲートとも呼ばれる)は、第2PMOSトランジスタの上に配設されている。p型ドープ領域33は第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域であり、ビットライン電圧VBLに接続されている。さらに、Nウェル領域(NW)はNウェル電圧VNWに接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0020】
図3Aおよび図3Cに図示するように、第1実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、n型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ、すなわち浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362および消去ゲート領域35の組み合わせを備える。NMOSトランジスタはPウェル領域(PW)に構成されている。Pウェル領域(PW)にはn型ドープ領域38が形成されている。すなわち、消去ゲート領域35はPウェル領域(PW)とn型ドープ領域38とを含む。さらに、Pウェル領域(PW)上の浮遊ゲート36はNドープポリシリコンゲートである。また、Pウェル領域(PW)はPドープウェル領域とすることができ、Nウェル領域はNドープウェル領域とすることができる。
【0021】
図3Aに図示するように、浮遊ゲート36は消去ゲート領域35まで延びて隣接している。さらに、n型ドープ領域38は、NMOSトランジスタのn型ドープソース領域とn型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよく、浮遊ゲート36はNMOSトランジスタのゲートと考えてもよい。n型ドープ領域38は消去ライン電圧VELに接続されている。加えて、Pウェル領域(PW)はPウェル電圧VPWに接続されている。
【0022】
図3Cに図示するように、ゲート酸化膜362が浮遊ゲート36の下に形成されて、ゲート酸化膜362は2つの部分362aおよび362bを含む。ゲート酸化膜362の第1部分362aは浮遊ゲートトランジスタ(第2PMOSトランジスタ)に形成されて、ゲート酸化膜362の第2部分362bはNMOSトランジスタ(または消去ゲート領域35の上)に形成されている。
【0023】
本発明の第1実施形態によると、ゲート酸化膜の第2部分362bをエッチングするためにエッチバックプロセスが採用される。したがって、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さは、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。また、Pウェル領域(PW)とNウェル領域(NW)との間には素子分離構造39が形成されている。例えば、素子分離構造39はシャロートレンチアイソレーション(STI)構造である。
【0024】
図3Dに図示するように、消去ゲート領域35は、蓄積キャリアが浮遊ゲート36からトンネリングコンデンサを通過して不揮発性メモリの外まで放出するためのトンネリングコンデンサと見ることもできる。
図4A図4Cは、本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示している。
【0025】
図4Aを参照されたい。プログラム動作時では、ビットライン電圧VBL、消去ライン電圧VELおよびPウェル電圧VPWはそれぞれ接地電圧(0V)に等しい。これに対して、Nウェル電圧VNWおよびソースライン電圧VSLはそれぞれ第1正電圧Vppに等しい。第1正電圧Vppは+3.0Vから+8.0Vの範囲である。
ホットキャリア(例、エレクトロン)が浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られる場合、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンにトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。すなわち、ホットキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果による。
【0026】
明らかに、本発明によると、ホットキャリアの浮遊ゲートへの注入を制御するための従来の不揮発性メモリで使用される制御ゲートは省略してもよい。加えて、プログラム動作時の本発明の不揮発性メモリの動作原理は、従来の不揮発性メモリのものと同様であり(上記特許文献1に開示されているものを参照)、本明細書では重複して説明しない。
図4Bを参照されたい。消去動作時では、ビットライン電圧VBL、ソースライン電圧VSL、Nウェル電圧VNWおよびPウェル電圧VPWはそれぞれ接地電圧(0V)に等しい。これに対して、消去ライン電圧VELは第2正電圧VEEに等しい。図4Bに書き込んだように、消去ライン電圧VELが第2正電圧VEEに等しい場合、蓄積キャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36から除去される。すなわち、ゲート酸化膜362の第2部分362bは蓄積キャリアによりトンネリングされ、さらに浮遊ゲート36の蓄積キャリアはn型ドープ領域38を通過して不揮発性メモリから排出される。すなわち、蓄積キャリアの放出は、ファウラー・ノルトハイム(FN)効果を使用して達成できる。その結果、消去動作の後、浮遊ゲート36に蓄積されるキャリアはない。
【0027】
図4Cを参照されたい。読み出し動作時では、ビットライン電圧VBLは接地電圧(0V)に等しく、ソースライン電圧VSLは1.8Vに等しく、Nウェル電圧VNWは1.8Vに等しく、消去ライン電圧VELは接地電圧(0V)に等しく、Pウェル電圧VPWは接地電圧(0V)に等しい。
ホットキャリアが浮遊ゲート36に蓄積されているかどうかによって、異なる読み出し電流Iの大きさが得られる。つまり、読み出し動作時では、不揮発性メモリの蓄積状態は読み出し電流Iに従って実現される。例えば、第1蓄積状態(例、「0」状態)では、読み出し電流Iは5μAよりも高い。第2蓄積状態(例、「1」状態)では、読み出し電流Iは0.1μAよりも低い。また、前述のバイアス電圧はおそらく定電圧に制限する必要はないだろう。例えば、ビットライン電圧VBLは0Vから0.5Vの範囲にすることができ、ソースライン電圧VSLおよびNウェル電圧VNWはVDDからVDD2の範囲にすることができ、消去ライン電圧VELは0VからVDD2の範囲にすることができ、ここでVDDは不揮発性メモリのコアデバイス電圧であり、VDD2は不揮発性メモリのIOデバイス電圧である。
【0028】
図5は、ゲート酸化膜の厚さと消去ライン電圧(VEL)との関係をプロットしたグラフである。標準的なCMOS製造プロセスでは、ゲート酸化膜362の当初の厚さは5Vテクノロジープロセスでは約13nmであり、消去ライン電圧(VEL)はファウラー・ノルトハイム(FN)消去動作のために浮遊ゲート36から蓄積キャリアを除去するために約15V〜16Vである。しかし、これより高い消去ライン電圧(VEL)は消去ゲート領域35の接合破壊を引き起こすことがある。本発明の実施形態によると、ゲート酸化膜362の一部(第2部分362b)を、他の部分(第1部分362a)よりも厚さが薄くなるようにさらにエッチングする。すなわち、ホットエレクトロンが浮遊ゲート36に注入されるための第1部分362aの厚さは、蓄積キャリアがゲート酸化物36から放出されるための第2部分362bの厚さよりも厚い。
【0029】
図6A図6Dは、第1実施形態で図示される消去ゲート領域35と置換できる別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する。第1PMOSトランジスタ(選択トランジスタ)および第2PMOSトランジスタ(浮遊ゲートトランジスタ)の構造は図3Bと同じであるため、ここでは重複して示していない。
図6Aおよび図6Bに図示するように、図3Cと比較して消去ゲート領域65のn型ドープ領域62とPウェル領域(PW)との間には二重拡散ドレイン(DDD)領域64が形成されている。より低い消去ライン電圧(VEL)を達成するために、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さはゲート酸化物362の第1部分362aの厚さよりも薄い。
【0030】
図6Bは、第1PMOSトランジスタ、第2PMOSトランジスタおよび消去ゲート領域65を含む消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの等価回路図を示す。
図6Cおよび図6Dに図示するように、第2Nウェル領域(NW2)には追加のPMOSトランジスタが構成されている。PMOSトランジスタは、浮遊ゲート36、およびゲート酸化膜362および消去ゲート領域68の組み合わせとして見ることもできる。すなわち、消去ゲート領域68は第2Nウェル領域(NW2)と、p型ドープ領域66とを含む。図6Cに図示するように、p型ドープ領域66は第2Nウェル領域(NW2)に形成されている。また、図6Cに図示するように、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、素子分離構造39およびP型領域(PW)によって互いに完全に分離している。加えて、P型領域(PW)はPW電圧VPWに接続されている。また、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、完全な分離を達成するために、互いに離して、p基板に形成されている。より低い消去ライン電圧(VEL)を達成するために、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さはゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。さらに、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)の上の浮遊ゲート36はPドープポリシリコンゲート36である。また、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、2つの別々のNドープウェル領域である。
【0031】
図6Dは、第1PMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタと、消去ゲート領域68とを含む消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの等価回路図を示す。
図7A図7Dは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。図7Aは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。図7Bは、図7Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第2方向(b1−b2)に沿って切断して図示する模式断面図である。図7Cは、図7Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第5方向(a5−a6)に沿って切断して図示する模式断面図である。図7Dは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの模式等価回路図である。本実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの第1方向(a1−a2)に沿った断面図は、第1実施形態のものと同様であるため、重複して示していない。
【0032】
図7Aに図示するように、第2実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。これら2つのPMOSトランジスタは第1Nウェル領域(NW1)に構成されている。第1Nウェル領域(NW1)には3つのp型ドープ領域31,32および33が形成されている。加えて、3つのp型ドープ領域31,32および33の間のエリアには2つのポリシリコンゲート34および36が架け渡されている。
【0033】
第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとも呼ばれる)は選択ゲート電圧VSGに接続されている。p型ドープ領域31はp型ドープソース領域であり、ソースライン電圧VSLに接続されている。p型ドープ領域32はp型ドープドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせとして考えてもよい。ポリシリコンゲート36(浮遊ゲートとも呼ばれる)が第2PMOSトランジスタの上に配設されている。p型ドープ領域33は第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域であり、ビットライン電圧VBLに接続されている。さらに、第1Nウェル領域(NW1)は第1Nウェル電圧VNW1に接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0034】
図7A図7Bおよび図7Cに図示するように、この第2実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、第2Nウェル領域(NW2)に構成されている追加PMOSトランジスタと、Pウェル領域(PW)に構成されているNMOSトランジスタとを備える。PMOSトランジスタは、浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362および消去ゲート領域75の組み合わせとして見ることもでき、NMOSトランジスタは浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362およびアシストゲート領域76の組み合わせとして見ることもできる。すなわち、消去ゲート領域75は第2Nウェル領域(NW2)と、p型ドープ領域78と、n型ドープ領域49とを含み、アシストゲート領域76はn型ドープ領域73と、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)72と、Pウェル領域(PW)とを含む。図7Cに図示するように、n型ドープ領域73およびn型低濃度ドープドレイン(NLDD)72はともに互いに隣接して、Pウェル領域(PW)に形成されている。さらに、図7Bに図示するように、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、素子分離構造39およびPウェル領域(PW)によって互いに完全に分離されている。さらに、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、完全な分離を達成するために、互いに離して、p基板に形成されている。また、Pウェル領域(PW)はPドープウェル領域とすることができ、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)はNドープウェル領域とすることができる。
【0035】
図7Aに図示するように、浮遊ゲート36は消去ゲート領域75およびアシストゲート領域76まで延びて隣接している。さらに、p型ドープ領域78は、PMOSトランジスタのp型ドープソース領域とp型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよい。p型ドープ領域78は消去ライン電圧VELに接続されている。加えて、n型ドープ領域79は、第2Nウェル領域(NW2)を第2Nウェル電圧VNW2に接続するために、第2Nウェル電圧VNW2に接続されている。
【0036】
図7Cに図示するように、NMOSトランジスタはPウェル領域(PW)と素子分離構造39との間に配置されている。加えて、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)領域72およびn型ドープ領域73はPウェル領域(PW)に形成されている。さらに、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)領域72およびn型ドープ領域73は、n型ドープソース領域とn型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよい。n型ドープ領域73はアシストゲート電圧VAGに接続されている。加えて、Pウェル領域(PW)はPウェル電圧VPWに接続されている。
【0037】
本発明の第2実施形態によると、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さは、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。プログラム動作時では、ホットキャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られ、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンによりトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。消去動作時では、ゲート酸化膜362の第2部分362bは浮遊ゲート36の蓄積キャリアによりトンネリングされて、さらに蓄積キャリアはn型ドープ領域38を通過して不揮発性メモリから排出される。すなわち、ホットエレクトロンが浮遊ゲート36に注入されるための第1部分362aの厚さは、蓄積キャリアがゲート酸化物36から放出されるための第2部分362bの厚さよりも厚い。
【0038】
さらに、不揮発性メモリがプログラム動作時、アシストゲート電圧(VAG)に特定の電圧を印加することによって、プログラミング電圧および時間を効果的に短縮できる。また、特定の電圧は、浮遊ゲート36にPMOSチャネルホットキャリアメカニズムのためにより多くのホットキャリアを捕捉させることができる。この状況において、プログラム動作時の不揮発性メモリの効率は高まる。
【0039】
本発明の第2実施形態によると、消去ゲート領域75はPMOSトランジスタを使用することによって実施され、アシストゲート領域76はNMOSトランジスタを使用することによって実施される。実際には、消去ゲート領域75はNMOSトランジスタを使用することによって実施できる。また、アシストゲート領域76はPMOSトランジスタを使用することによって実施できる。
【0040】
さらに、ワードライントランジスタとして使用される追加PMOSは、第2実施形態の選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタに直列接続することができる。
図8は、第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加PMOSトランジスタの模式等価回路図を図示する。図8に図示するように、ワードライントランジスタは浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている。ワードライントランジスタのゲートはワードライン電圧(VWL)を受け取り、ワードライントランジスタの第1端子はビットライン電圧(VBL)を受け取り、第2端子は浮遊ゲートトランジスタに接続されている。さらに、ワードライントランジスタ、浮遊ゲートトランジスタおよび選択トランジスタはすべてPウェル領域(PW1)に構成されている。
【0041】
同様に、消去ゲート領域82はPMOSトランジスタを使用することによって実施され、アシストゲート領域84はNMOSトランジスタを使用することによって実施される。実際には、消去ゲート領域はNMOSトランジスタを使用することによって実施できる。また、アシストゲート領域はPMOSトランジスタを使用することによって実施できる。
図9は、本発明の第3実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。また、図9は、等価回路図のみを示す。
【0042】
第2実施形態と比較して相違点は、直列接続されているNMOSトランジスタである。すなわち、選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタは、Pウェル領域(PW)に構成されているNMOSトランジスタから作られている。
また、消去ゲート領域92およびアシストゲート領域94は、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタを使用することによって実施される。
【0043】
本発明の第3実施形態によると、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さはゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。プログラム動作時では、ホットキャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られ、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンによりトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。消去動作時では、ゲート酸化膜362の第2部分362bは浮遊ゲート36の蓄積キャリアによりトンネリングされる。それから、蓄積キャリアは不揮発性メモリから排出される。
【0044】
さらに、不揮発性メモリがプログラム動作時、アシストゲート電圧(VAG)に特定の電圧を印加することによって、プログラミング電圧および時間を効果的に短縮できる。また、特定の電圧は、浮遊ゲート36にチャネルホットキャリアメカニズムのためにより多くのホットキャリアを捕捉させることができる。この状況において、プログラム動作時の不揮発性メモリの効率は高まる。
【0045】
本発明の第3実施形態によると、ワードライントランジスタとして使用される追加NMOSは、選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタに直列接続することができる。
図10は、第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加NMOSトランジスタの模式等価回路図である。
図10に図示するように、ワードライントランジスタは浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている。ワードライントランジスタのゲートはワードライン電圧(VWL)を受け取り、ワードライントランジスタの第1端子はビットライン電圧(VBL)を受け取り、第2端子は浮遊ゲートトランジスタに接続されている。さらに、ワードライントランジスタ、浮遊ゲートトランジスタおよび選択トランジスタはすべてPウェル領域(PW)に構成されている。
【0046】
上記の説明から、本発明の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、消去ライン電圧(VEL)を低下させることができる。すなわち、より低い消去ライン電圧VELを供給することによって、本発明の不揮発性メモリの蓄積状態が可変となる。
現在もっとも実用的で好適な実施例と考えられるものの観点から本発明を説明してきたが、本発明が、開示される実施形態に制限される必要はないことは理解されるべきである。その反対に、添付の請求項の精神および範囲に含まれる様々な変更および同様な構成を包含することが意図されており、添付の請求項は、当該すべての変更および同様な構造を包含するようにもっとも広い解釈に従うべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10