(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲート酸化膜の前記第1部分の前記厚さは、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の前記厚さよりも厚く、前記ゲート酸化膜の前記第2部分をエッチングするためにエッチバックプロセスを採用することを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されており、前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するPMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
前記浮遊ゲートへのキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果により、前記浮遊ゲートからのキャリアの放出はファウラー・ノルトハイム効果によることを特徴とする、請求項1に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
前記ゲート酸化膜の前記第1部分の前記厚さは、前記ゲート酸化膜の前記第2部分の前記厚さよりも厚く、前記ゲート酸化膜の前記第2部分をエッチングするためにエッチバックプロセスを採用することを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されており、前記消去ゲート領域または前記アシストゲート領域は、前記浮遊ゲートと、ドレインと、ソースとを有するNMOSトランジスタによって構成され、前記ドレインおよび前記ソースは互いに接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
前記浮遊ゲートへのキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果により、前記浮遊ゲートからのキャリアの放出はファウラー・ノルトハイム効果によることを特徴とする、請求項5に記載の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリ。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のプログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリは、浮遊ゲートトランジスタとも呼ばれる。
図1に図示するように、この不揮発性メモリは2つの積層され分離されたゲートを備える。上側ゲートは制御ゲート12であり、制御ラインCに接続されている。下側ゲートは浮遊ゲート14である。加えて、n型ドープソース領域およびn型ドープドレイン領域がP基板に構成されている。n型ドープソース領域はソースラインSに接続されている。n型ドープドレイン領域はドレインラインDに接続されている。
【0003】
不揮発性メモリがプログラムされた状態にある場合、高電圧(例、+16V)がドレインラインDから供給され、接地電圧がソースラインSから供給され、制御電圧(例、+25V)が制御ラインCから供給される。その結果、電子がソースラインSからnチャネル領域を通過してドレインラインDに送られる間に、ホットキャリア(例、ホットエレクトロン)が制御電圧によって制御ゲート12に引き寄せられて、浮遊ゲート14に注入される。この状況において、多数のキャリアが浮遊ゲート14に蓄積する。その結果、プログラムされた状態は第1蓄積状態(例、「0」)と考えてもよい。
【0004】
不揮発性メモリがプログラムされていない状態にある場合、キャリアは浮遊ゲート14に注入されないため、プログラムされていない状態は第2蓄積状態(例、「1」)と考えてもよい。
すなわち、第1蓄積状態のドレイン電流(id)およびゲート・ソース間電圧(Vgs)の特性曲線(つまり、id−Vgs特性曲線)と、第2蓄積状態のid−Vgs特性曲線とは区別される。その結果、浮遊ゲートトランジスタの蓄積状態は、id−Vgs特性曲線の変動に従って実現されてもよい。
【0005】
しかし、プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリの浮遊ゲート14および制御ゲート12は別々に製造するべきであるため、プログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリの製作プロセスにはより多くのステップが必要で、標準的なCMOS製造プロセスとの互換性はない。
下記特許文献1は、プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを開示している。
図2Aは、特許文献1で開示されている従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。
図2Bは
図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。
図2Cは、
図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式回路図である。
【0006】
図2A〜
図2Cを参照して、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。左の第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタの選択ゲート24は選択ゲート電圧V
SGに接続されている。p型ドープソース領域21はソースライン電圧V
SLに接続されている。さらに、p型ドープドレイン領域22は、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせと考えてもよい。
【0007】
浮遊ゲート26が第2PMOSトランジスタの上に配設されている。第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域23はビットライン電圧V
BLに接続されている。さらに、これらのPMOSトランジスタはNウェル領域(NW)に構成されている。Nウェル領域はNウェル電圧V
NWに接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0008】
選択ゲート電圧V
SG、ソースライン電圧V
SL、ビットライン電圧V
BL、およびNウェル電圧V
NWを適切に制御することにより、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリはプログラムされた状態または読み出された状態で動作させることができる。
従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの2つのPMOSトランジスタはそれぞれのゲート24および26を有するため、従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを製作するプロセスは、標準的なCMOS製造プロセスと互換性がある。
【0009】
図1および
図2A〜
図2Cに図示するように、不揮発性メモリはプログラム可能である。不揮発性メモリの電気特性は多数のホットキャリアを浮遊ゲートに注入するためにのみ利用される。しかし、電気特性は浮遊ゲートからキャリアを除去するためには利用されない。すなわち、データ消去機能を得るために、浮遊ゲートに蓄積されているキャリアは、例えば紫外線(UV)光を不揮発性メモリに露光することによって浮遊ゲートから除去される。これら不揮発性メモリはワンタイム・プログラミング(OTP)メモリと呼ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来のプログラマブルデュアルポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。
【
図2A】特許文献1で開示されている従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式断面図である。
【
図2B】
図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。
【
図2C】
図2Aの従来のプログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式回路図である。
【
図3A】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する平面図である。
【
図3B】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
【
図3C】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
【
図3D】本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
【
図4A】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する回路図である。
【
図4B】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する断面図である。
【
図4C】本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示する回路図である。
【
図5】ゲート酸化膜の厚さと消去ライン電圧(V
EL)との関係をプロットしたグラフである。
【
図6A】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する断面図である。
【
図6B】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する回路図である。
【
図6C】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する断面図である。
【
図6D】第1実施形態に図示する消去ゲート領域と置換可能な別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する回路図である。
【
図7A】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する平面図である。
【
図7B】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
【
図7C】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する断面図である。
【
図7D】本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
【
図8】第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加PMOSトランジスタの模式等価回路図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する回路図である。
【
図10】第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加NMOSトランジスタの模式等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図3A〜
図3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。
図3Aは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。
図3Bは、
図3Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第1方向(a1−a2)に沿って切断して図示する模式断面図である。
図3Cは、
図3Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第2方向(b1−b2)に沿って切断して図示する模式断面図である。
図3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの模式等価回路図である。また、本発明の不揮発性メモリは単一ポリプロセスを使用して製造されており、論理CMOS製作プロセスと互換性がある。
【0018】
図3Aおよび
図3Bに図示するように、第1実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。これら2つのPMOSトランジスタはNウェル領域(NW)に構成されている。Nウェル領域(NW)には3つのp型ドープ領域31,32および33が形成されている。加えて、3つのp型ドープ領域31,32および33の間のエリアには2つのポリシリコンゲート34および36が架け渡されており、2つのポリシリコンゲート34および36と半導体の上面との間にはゲート酸化膜342および362が形成されている。さらに、Nウェル領域(NW)上の2つのポリシリコンゲート34および36は、Pドープポリシリコンゲート34および36である。
【0019】
第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとも呼ばれる)は選択ゲート電圧V
SGに接続されている。p型ドープ領域31はp型ドープソース領域であり、ソースライン電圧V
SLに接続されている。p型ドープ領域32はp型ドープドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせと考えてもよい。ポリシリコンゲート36(浮遊ゲートとも呼ばれる)は、第2PMOSトランジスタの上に配設されている。p型ドープ領域33は第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域であり、ビットライン電圧V
BLに接続されている。さらに、Nウェル領域(NW)はNウェル電圧V
NWに接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0020】
図3Aおよび
図3Cに図示するように、第1実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、n型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ、すなわち浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362および消去ゲート領域35の組み合わせを備える。NMOSトランジスタはPウェル領域(PW)に構成されている。Pウェル領域(PW)にはn型ドープ領域38が形成されている。すなわち、消去ゲート領域35はPウェル領域(PW)とn型ドープ領域38とを含む。さらに、Pウェル領域(PW)上の浮遊ゲート36はNドープポリシリコンゲートである。また、Pウェル領域(PW)はPドープウェル領域とすることができ、Nウェル領域はNドープウェル領域とすることができる。
【0021】
図3Aに図示するように、浮遊ゲート36は消去ゲート領域35まで延びて隣接している。さらに、n型ドープ領域38は、NMOSトランジスタのn型ドープソース領域とn型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよく、浮遊ゲート36はNMOSトランジスタのゲートと考えてもよい。n型ドープ領域38は消去ライン電圧V
ELに接続されている。加えて、Pウェル領域(PW)はPウェル電圧V
PWに接続されている。
【0022】
図3Cに図示するように、ゲート酸化膜362が浮遊ゲート36の下に形成されて、ゲート酸化膜362は2つの部分362aおよび362bを含む。ゲート酸化膜362の第1部分362aは浮遊ゲートトランジスタ(第2PMOSトランジスタ)に形成されて、ゲート酸化膜362の第2部分362bはNMOSトランジスタ(または消去ゲート領域35の上)に形成されている。
【0023】
本発明の第1実施形態によると、ゲート酸化膜の第2部分362bをエッチングするためにエッチバックプロセスが採用される。したがって、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さは、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。また、Pウェル領域(PW)とNウェル領域(NW)との間には素子分離構造39が形成されている。例えば、素子分離構造39はシャロートレンチアイソレーション(STI)構造である。
【0024】
図3Dに図示するように、消去ゲート領域35は、蓄積キャリアが浮遊ゲート36からトンネリングコンデンサを通過して不揮発性メモリの外まで放出するためのトンネリングコンデンサと見ることもできる。
図4A〜
図4Cは、本発明の第1実施形態によるプログラム動作時、消去動作時および読み出し動作時の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリのバイアス電圧を模式的にそれぞれ図示している。
【0025】
図4Aを参照されたい。プログラム動作時では、ビットライン電圧V
BL、消去ライン電圧V
ELおよびPウェル電圧V
PWはそれぞれ接地電圧(0V)に等しい。これに対して、Nウェル電圧V
NWおよびソースライン電圧V
SLはそれぞれ第1正電圧V
ppに等しい。第1正電圧V
ppは+3.0Vから+8.0Vの範囲である。
ホットキャリア(例、エレクトロン)が浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られる場合、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンにトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。すなわち、ホットキャリアの注入はチャネルホットキャリア効果による。
【0026】
明らかに、本発明によると、ホットキャリアの浮遊ゲートへの注入を制御するための従来の不揮発性メモリで使用される制御ゲートは省略してもよい。加えて、プログラム動作時の本発明の不揮発性メモリの動作原理は、従来の不揮発性メモリのものと同様であり(上記特許文献1に開示されているものを参照)、本明細書では重複して説明しない。
図4Bを参照されたい。消去動作時では、ビットライン電圧V
BL、ソースライン電圧V
SL、Nウェル電圧V
NWおよびPウェル電圧V
PWはそれぞれ接地電圧(0V)に等しい。これに対して、消去ライン電圧V
ELは第2正電圧V
EEに等しい。
図4Bに書き込んだように、消去ライン電圧V
ELが第2正電圧V
EEに等しい場合、蓄積キャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36から除去される。すなわち、ゲート酸化膜362の第2部分362bは蓄積キャリアによりトンネリングされ、さらに浮遊ゲート36の蓄積キャリアはn型ドープ領域38を通過して不揮発性メモリから排出される。すなわち、蓄積キャリアの放出は、ファウラー・ノルトハイム(FN)効果を使用して達成できる。その結果、消去動作の後、浮遊ゲート36に蓄積されるキャリアはない。
【0027】
図4Cを参照されたい。読み出し動作時では、ビットライン電圧V
BLは接地電圧(0V)に等しく、ソースライン電圧V
SLは1.8Vに等しく、Nウェル電圧V
NWは1.8Vに等しく、消去ライン電圧V
ELは接地電圧(0V)に等しく、Pウェル電圧V
PWは接地電圧(0V)に等しい。
ホットキャリアが浮遊ゲート36に蓄積されているかどうかによって、異なる読み出し電流I
Rの大きさが得られる。つまり、読み出し動作時では、不揮発性メモリの蓄積状態は読み出し電流I
Rに従って実現される。例えば、第1蓄積状態(例、「0」状態)では、読み出し電流I
Rは5μAよりも高い。第2蓄積状態(例、「1」状態)では、読み出し電流I
Rは0.1μAよりも低い。また、前述のバイアス電圧はおそらく定電圧に制限する必要はないだろう。例えば、ビットライン電圧V
BLは0Vから0.5Vの範囲にすることができ、ソースライン電圧V
SLおよびNウェル電圧V
NWはV
DDからV
DD2の範囲にすることができ、消去ライン電圧V
ELは0VからV
DD2の範囲にすることができ、ここでV
DDは不揮発性メモリのコアデバイス電圧であり、V
DD2は不揮発性メモリのIOデバイス電圧である。
【0028】
図5は、ゲート酸化膜の厚さと消去ライン電圧(V
EL)との関係をプロットしたグラフである。標準的なCMOS製造プロセスでは、ゲート酸化膜362の当初の厚さは5Vテクノロジープロセスでは約13nmであり、消去ライン電圧(V
EL)はファウラー・ノルトハイム(FN)消去動作のために浮遊ゲート36から蓄積キャリアを除去するために約15V〜16Vである。しかし、これより高い消去ライン電圧(V
EL)は消去ゲート領域35の接合破壊を引き起こすことがある。本発明の実施形態によると、ゲート酸化膜362の一部(第2部分362b)を、他の部分(第1部分362a)よりも厚さが薄くなるようにさらにエッチングする。すなわち、ホットエレクトロンが浮遊ゲート36に注入されるための第1部分362aの厚さは、蓄積キャリアがゲート酸化物36から放出されるための第2部分362bの厚さよりも厚い。
【0029】
図6A〜
図6Dは、第1実施形態で図示される消去ゲート領域35と置換できる別の2つの消去ゲート領域を模式的に図示する。第1PMOSトランジスタ(選択トランジスタ)および第2PMOSトランジスタ(浮遊ゲートトランジスタ)の構造は
図3Bと同じであるため、ここでは重複して示していない。
図6Aおよび
図6Bに図示するように、
図3Cと比較して消去ゲート領域65のn型ドープ領域62とPウェル領域(PW)との間には二重拡散ドレイン(DDD)領域64が形成されている。より低い消去ライン電圧(V
EL)を達成するために、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さはゲート酸化物362の第1部分362aの厚さよりも薄い。
【0030】
図6Bは、第1PMOSトランジスタ、第2PMOSトランジスタおよび消去ゲート領域65を含む消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの等価回路図を示す。
図6Cおよび
図6Dに図示するように、第2Nウェル領域(NW2)には追加のPMOSトランジスタが構成されている。PMOSトランジスタは、浮遊ゲート36、およびゲート酸化膜362および消去ゲート領域68の組み合わせとして見ることもできる。すなわち、消去ゲート領域68は第2Nウェル領域(NW2)と、p型ドープ領域66とを含む。
図6Cに図示するように、p型ドープ領域66は第2Nウェル領域(NW2)に形成されている。また、
図6Cに図示するように、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、素子分離構造39およびP型領域(PW)によって互いに完全に分離している。加えて、P型領域(PW)はPW電圧V
PWに接続されている。また、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、完全な分離を達成するために、互いに離して、p基板に形成されている。より低い消去ライン電圧(V
EL)を達成するために、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さはゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。さらに、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)の上の浮遊ゲート36はPドープポリシリコンゲート36である。また、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、2つの別々のNドープウェル領域である。
【0031】
図6Dは、第1PMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタと、消去ゲート領域68とを含む消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの等価回路図を示す。
図7A〜
図7Dは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。
図7Aは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを図示する模式平面図である。
図7Bは、
図7Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第2方向(b1−b2)に沿って切断して図示する模式断面図である。
図7Cは、
図7Aの消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを、第5方向(a5−a6)に沿って切断して図示する模式断面図である。
図7Dは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの模式等価回路図である。本実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリの第1方向(a1−a2)に沿った断面図は、第1実施形態のものと同様であるため、重複して示していない。
【0032】
図7Aに図示するように、第2実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、2つの直列接続されているp型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタを備える。これら2つのPMOSトランジスタは第1Nウェル領域(NW1)に構成されている。第1Nウェル領域(NW1)には3つのp型ドープ領域31,32および33が形成されている。加えて、3つのp型ドープ領域31,32および33の間のエリアには2つのポリシリコンゲート34および36が架け渡されている。
【0033】
第1PMOSトランジスタは選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとも呼ばれる)は選択ゲート電圧V
SGに接続されている。p型ドープ領域31はp型ドープソース領域であり、ソースライン電圧V
SLに接続されている。p型ドープ領域32はp型ドープドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドープドレイン領域と第2PMOSトランジスタの第1p型ドープ領域との組み合わせとして考えてもよい。ポリシリコンゲート36(浮遊ゲートとも呼ばれる)が第2PMOSトランジスタの上に配設されている。p型ドープ領域33は第2PMOSトランジスタの第2p型ドープ領域であり、ビットライン電圧V
BLに接続されている。さらに、第1Nウェル領域(NW1)は第1Nウェル電圧V
NW1に接続されている。第2PMOSトランジスタは浮遊ゲートトランジスタとして使用される。
【0034】
図7A、
図7Bおよび
図7Cに図示するように、この第2実施形態の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、第2Nウェル領域(NW2)に構成されている追加PMOSトランジスタと、Pウェル領域(PW)に構成されているNMOSトランジスタとを備える。PMOSトランジスタは、浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362および消去ゲート領域75の組み合わせとして見ることもでき、NMOSトランジスタは浮遊ゲート36、ゲート酸化膜362およびアシストゲート領域76の組み合わせとして見ることもできる。すなわち、消去ゲート領域75は第2Nウェル領域(NW2)と、p型ドープ領域78と、n型ドープ領域49とを含み、アシストゲート領域76はn型ドープ領域73と、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)72と、Pウェル領域(PW)とを含む。
図7Cに図示するように、n型ドープ領域73およびn型低濃度ドープドレイン(NLDD)72はともに互いに隣接して、Pウェル領域(PW)に形成されている。さらに、
図7Bに図示するように、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、素子分離構造39およびPウェル領域(PW)によって互いに完全に分離されている。さらに、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)は、完全な分離を達成するために、互いに離して、p基板に形成されている。また、Pウェル領域(PW)はPドープウェル領域とすることができ、第1Nウェル領域(NW1)および第2Nウェル領域(NW2)はNドープウェル領域とすることができる。
【0035】
図7Aに図示するように、浮遊ゲート36は消去ゲート領域75およびアシストゲート領域76まで延びて隣接している。さらに、p型ドープ領域78は、PMOSトランジスタのp型ドープソース領域とp型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよい。p型ドープ領域78は消去ライン電圧V
ELに接続されている。加えて、n型ドープ領域79は、第2Nウェル領域(NW2)を第2Nウェル電圧V
NW2に接続するために、第2Nウェル電圧V
NW2に接続されている。
【0036】
図7Cに図示するように、NMOSトランジスタはPウェル領域(PW)と素子分離構造39との間に配置されている。加えて、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)領域72およびn型ドープ領域73はPウェル領域(PW)に形成されている。さらに、n型低濃度ドープドレイン(NLDD)領域72およびn型ドープ領域73は、n型ドープソース領域とn型ドープドレイン領域との組み合わせと考えてもよい。n型ドープ領域73はアシストゲート電圧V
AGに接続されている。加えて、Pウェル領域(PW)はPウェル電圧V
PWに接続されている。
【0037】
本発明の第2実施形態によると、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さは、ゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。プログラム動作時では、ホットキャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られ、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンによりトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。消去動作時では、ゲート酸化膜362の第2部分362bは浮遊ゲート36の蓄積キャリアによりトンネリングされて、さらに蓄積キャリアはn型ドープ領域38を通過して不揮発性メモリから排出される。すなわち、ホットエレクトロンが浮遊ゲート36に注入されるための第1部分362aの厚さは、蓄積キャリアがゲート酸化物36から放出されるための第2部分362bの厚さよりも厚い。
【0038】
さらに、不揮発性メモリがプログラム動作時、アシストゲート電圧(V
AG)に特定の電圧を印加することによって、プログラミング電圧および時間を効果的に短縮できる。また、特定の電圧は、浮遊ゲート36にPMOSチャネルホットキャリアメカニズムのためにより多くのホットキャリアを捕捉させることができる。この状況において、プログラム動作時の不揮発性メモリの効率は高まる。
【0039】
本発明の第2実施形態によると、消去ゲート領域75はPMOSトランジスタを使用することによって実施され、アシストゲート領域76はNMOSトランジスタを使用することによって実施される。実際には、消去ゲート領域75はNMOSトランジスタを使用することによって実施できる。また、アシストゲート領域76はPMOSトランジスタを使用することによって実施できる。
【0040】
さらに、ワードライントランジスタとして使用される追加PMOSは、第2実施形態の選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタに直列接続することができる。
図8は、第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加PMOSトランジスタの模式等価回路図を図示する。
図8に図示するように、ワードライントランジスタは浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている。ワードライントランジスタのゲートはワードライン電圧(V
WL)を受け取り、ワードライントランジスタの第1端子はビットライン電圧(V
BL)を受け取り、第2端子は浮遊ゲートトランジスタに接続されている。さらに、ワードライントランジスタ、浮遊ゲートトランジスタおよび選択トランジスタはすべてPウェル領域(PW1)に構成されている。
【0041】
同様に、消去ゲート領域82はPMOSトランジスタを使用することによって実施され、アシストゲート領域84はNMOSトランジスタを使用することによって実施される。実際には、消去ゲート領域はNMOSトランジスタを使用することによって実施できる。また、アシストゲート領域はPMOSトランジスタを使用することによって実施できる。
図9は、本発明の第3実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリを模式的に図示する。また、
図9は、等価回路図のみを示す。
【0042】
第2実施形態と比較して相違点は、直列接続されているNMOSトランジスタである。すなわち、選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタは、Pウェル領域(PW)に構成されているNMOSトランジスタから作られている。
また、消去ゲート領域92およびアシストゲート領域94は、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタを使用することによって実施される。
【0043】
本発明の第3実施形態によると、ゲート酸化膜362の第1部分362aの厚さはゲート酸化膜362の第2部分362bの厚さよりも厚い。プログラム動作時では、ホットキャリア(例、エレクトロン)は浮遊ゲート36に対応する浮遊ゲートトランジスタのチャネル領域を通過して送られ、ゲート酸化膜362の第1部分362aがホットエレクトロンによりトンネリングされて、さらにホットエレクトロンは浮遊ゲート36に注入される。消去動作時では、ゲート酸化膜362の第2部分362bは浮遊ゲート36の蓄積キャリアによりトンネリングされる。それから、蓄積キャリアは不揮発性メモリから排出される。
【0044】
さらに、不揮発性メモリがプログラム動作時、アシストゲート電圧(V
AG)に特定の電圧を印加することによって、プログラミング電圧および時間を効果的に短縮できる。また、特定の電圧は、浮遊ゲート36にチャネルホットキャリアメカニズムのためにより多くのホットキャリアを捕捉させることができる。この状況において、プログラム動作時の不揮発性メモリの効率は高まる。
【0045】
本発明の第3実施形態によると、ワードライントランジスタとして使用される追加NMOSは、選択トランジスタおよび浮遊ゲートトランジスタに直列接続することができる。
図10は、第2実施形態による消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリおよび追加NMOSトランジスタの模式等価回路図である。
図10に図示するように、ワードライントランジスタは浮遊ゲートトランジスタに直列接続されている。ワードライントランジスタのゲートはワードライン電圧(V
WL)を受け取り、ワードライントランジスタの第1端子はビットライン電圧(V
BL)を受け取り、第2端子は浮遊ゲートトランジスタに接続されている。さらに、ワードライントランジスタ、浮遊ゲートトランジスタおよび選択トランジスタはすべてPウェル領域(PW)に構成されている。
【0046】
上記の説明から、本発明の消去可能プログラマブル単一ポリ不揮発性メモリは、消去ライン電圧(V
EL)を低下させることができる。すなわち、より低い消去ライン電圧V
ELを供給することによって、本発明の不揮発性メモリの蓄積状態が可変となる。
現在もっとも実用的で好適な実施例と考えられるものの観点から本発明を説明してきたが、本発明が、開示される実施形態に制限される必要はないことは理解されるべきである。その反対に、添付の請求項の精神および範囲に含まれる様々な変更および同様な構成を包含することが意図されており、添付の請求項は、当該すべての変更および同様な構造を包含するようにもっとも広い解釈に従うべきである。