【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の目的は、ポリメチルメタクリレート骨セメント(PMMA骨セメント)を混合するための、そして骨セメントの出発成分、特に骨セメントの出発成分としてのモノマー液およびセメント粉、を貯蔵するための装置であって、
1)骨セメントを混合するための内部空間を有するカートリッジであって、可動性の予製プランジャによって一側上に閉じる、カートリッジ、
2)モノマー液がモノマー容器から装置へと流れるようにモノマー容器が装置内に適切に開けられることができるような、モノマー液用のモノマー容器および/またはモノマー液用のモノマー容器の取付けのためのコネクタ、
3)モノマー液がそれを通ってカートリッジの内部空間へと導かれることができる連結導管、を備え、それにより、
4)連結導管に中空円筒が接続され、中空円筒は、モノマー容器またはモノマー容器用のコネクタと、カートリッジの内部空間との間に配置され、それにより、中空円筒内に軸方向に変位されることができるポンピングプランジャが中空円筒内に配置され、それにより、モノマー液は、開けられたモノマー容器から中空円筒へと流れることができて、連結導管は、中空円筒をカートリッジの内部空間に適切に接続して、そうすると、ポンピングプランジャを作動させることによって、ポンピングプランジャは、中空円筒から連結導管を通ってカートリッジの内部空間へとモノマー液を押すために用いることができる、装置によって対処される。
【0021】
モノマー液用のモノマー容器またはモノマー容器用のコネクタと、カートリッジとの間に配置されている中空円筒は、これらの間に中空円筒が幾何学的に配置されることを意味しない。むしろ、モノマー液が流れておよび/または、開けられたモノマー容器からカートリッジの方向に汲み出されるときに、それは、流体接続(すなわちモノマー液の流れ方向)に関して、モノマー容器またはモノマー容器用のコネクタと、カートリッジとの間に配置される。
【0022】
開けられたモノマー容器から中空円筒へと流れるモノマー液のために、開けられたモノマー容器は、この目的のために中空円筒に接続されて、好ましくは、合流点によって中空円筒に接続される。
【0023】
付加的な力の作用なしで流れることが可能なモノマー液のために、重力が所望の流れ方向を遂行するように、装置は、意図された目的にしたがって組み立てられなければならない。したがって、本発明の範囲において使われる、上部および底部、上および下、そして最上位および最下位の用語は、意図された目的にしたがう装置の組立てに関して常に理解される。
【0024】
カートリッジの内部空間は、幾何学的円筒を有することが好ましい。円筒形は、カートリッジの内部空間および中空円筒が実施することができる最も単純な形状である。円筒形の内部形状は、いかなるフットプリントを有する一般の(すなわちちょうど円形のフットプリントを有するシリンダでない)シリンダも意味するために、幾何学的に理解される。したがって、内部空間の内壁は、いかなるフットプリントも有するシリンダであることができる。そして、中空円筒のジャケットは、いかなるフットプリントも有する(すなわち、非円形または円形のフットプリントを含む)シリンダであることができる。しかしながら、回転対称のフットプリントを有する幾何学的円筒は、本発明によって好ましい。
【0025】
良好なポンピング効果を達成するために、そして、ポンピングプランジャからのモノマー液の漏出を防止するために、ポンピングプランジャは、中空円筒の内壁に関して流体密の方法で閉じる。この目的のために、中空円筒の内壁に関してポンピングプランジャを切り離す円周シールは、設けられることができる。
【0026】
本発明によれば、モノマー容器用のコネクタに取り付けられるモノマー容器を有すること、または、モノマー容器用のコネクタに挿入されるモノマー容器を有することは、好ましい。
【0027】
好ましくは、ポリメチルメタクリレート骨セメントは、少なくとも2つの成分から混合されておよび/または作り出されることができる。特に好ましくは、1つの成分は液体(モノマー液)であり、そして、他の成分は粉体である。
【0028】
本発明によれば、混合材料のための、特にPMMA骨セメントのための出発成分は、カートリッジおよびモノマー容器においてすでに存在する。
【0029】
本発明によれば、特に容器が装置に挿入されるときに、または、容器が装置の固定された一部であるときに、装置はまた、出発成分の貯蔵のために適していることが好ましい。
【0030】
本発明は、外側から作動されることのできる混合設備をカートリッジ内に配置して、それにより、混合設備は、予製プランジャのフィードスルーを通してカートリッジの内部へと導かれて、例えば可動性の支持面のように支持される混合ロッドによって、好ましくは作動されることができることを提案する。
【0031】
特に好ましくは、混合ロッドは、フィードスルーにおいて回転することができて、例えば長手方向において変位可能なように支持面のように支持される。混合設備によって、カートリッジの内部空間の中身は、混合ロッドによって都合よく混合されることができる。低粘性骨セメントの使用を参照すると、混合ロッドおよび混合設備の使用をなしで済ませることが可能である。それというのも、モノマー液は、セメント粉体粒子間の孔すきまの空気を移動させて、セメント粉が膨張する前にセメント粉体粒子を濡らすからである。
【0032】
本発明は、粉に対して不透過性である予製プランジャをそのうえ提供することができる。それにより、予製プランジャ内に配置される、ガスに対して透過性であり、かつ粉に対して不透過性である孔フィルタを有することは、好ましい。
【0033】
孔フィルタリングは、好ましくは孔ディスクとして設けられることができる。粉に対する不透過性は、セメント粉がカートリッジの内部から漏れるのを防止することができる。予製プランジャがガス透過性である場合、内部空間は、例えば、予製プランジャを通るガス(例えばエチレンオキシド)によって空にされることができて、殺菌されることができる。
【0034】
本発明はまた、カートリッジの内部空間に含まれるセメント粉を提案する。
【0035】
本発明は、モノマー容器に含まれるモノマー液をそのうえ提供することができる。その結果、装置は、アプリケーションの前にセメント粉で満たされる必要のない既製の完全包装済みの混合システムを形成する。セメント粉は、使用の前にモノマー液と別のカートリッジ内に貯蔵される。
【0036】
さらに、本発明は、連結導管とカートリッジの内部空間との間に配置される、セメント粉に対して不透過性であり、かつモノマー液に対して透過性であるフィルタを提供することができる。
【0037】
セメント粉は、この手段によって、連結導管に浸透することを、そして、モノマー液が供給されるときにこの空間において重合することを、そして、連結導管を不注意に詰まらせておよび/または凝集させることを、防止することができる。
【0038】
さらなる展開によれば、本発明は、連結導管の少なくとも一部がその中に配置されるベースを備え、それにより、カートリッジは、着脱可能な方法でベースに接続され、特にねじによって着脱可能にベースに接続されて、それにより、該当する場合、セメント粉不透過性で、かつモノマー液透過性のフィルタは、装置のベースに好ましくは配置され、特に好ましくはベースのカートリッジへの接続部に配置される、装置を提供することができる。
【0039】
その結果、装置は、容易に組み立てられることができて、作動されることができる。
【0040】
この文脈において、本発明は、ベースに接続していて、好ましくは解放不能な方法でベースに接続している、中空円筒およびモノマー容器、または、中空円筒およびモノマー容器の取付けのためのコネクタを提供することができる。
【0041】
これは、装置の特に単純なそして安価な設計を可能にする。
【0042】
本発明の好ましい実施形態は、中空円筒のジャケット表面上で中空円筒に終端して、好ましくはポンピングプランジャの真下で中空円筒に終端するために、モノマー液用のモノマー容器またはモノマー容器の取付けのためのコネクタを提供することができる。
【0043】
この手段によって、モノマー液の全てが中空円筒へと流れ込むことができて、そして中空円筒を満たすことができることが保証されることができる。さらに、空気は、この位置の中空円筒から特に容易に排出されることができる。
【0044】
さらに、本発明は、それによってモノマー容器が接続装置の内部で開けられることのできるモノマー容器を開けるための開口手段を備え、それにより、開けられたモノマー容器の断片または小片が保持されることのできる中空円筒への接続部に配置される篩またはフィルタを有することは、好ましい、装置を提供することができる。
【0045】
この文脈において、壊れやすいガラスアンプルであるモノマー容器を提供することは、好ましくあり得る。
【0046】
装置の一部である開口手段によって、装置は、そのうえ長期においてモノマーの貯蔵のために使用することができる。適切な開口手段は、例えば特許文献22から公知である。
【0047】
中空円筒へのモノマー液の流れを引き起こすために重力の利用を含む本発明の改良は、中空円筒への接続部より上に配置されるモノマー容器を提案する。
【0048】
その結果、モノマー容器が開かれた後、重力は、モノマー液をモノマー容器から中空円筒へと流れさせる。あるいは、モノマーは、そのうえ絞り出される方がよくて、したがって、中空円筒に流れ込む。
【0049】
好ましい装置は、連結導管が下側上で中空円筒に接続して、好ましくは中空円筒の最下位点で中空円筒に接続していて、それにより、中空円筒の反対側に配置されるポンピングプランジャを有することは、特に好ましいことをそのうえ特徴とすることができる。
【0050】
その結果、全てのモノマー液は、流出することができておよび/またはポンピングプランジャから圧搾されることができる。
【0051】
本発明はさらに、中空円筒がポンピングプランジャと反対側に、円錐形の、半球形の、または他の任意の下向きテーパーがついた床を備え、それにより、中空円筒の床に面するポンピングプランジャの表面は、好ましくは床のネガ像を形成することを提案する。
【0052】
その結果、全てのモノマー液は、流出することができておよび/またはポンピングプランジャから圧搾されることができる。これは、中空円筒の最下位点まで全てのモノマー液の流れがあり、「デッド」スペースがないことを意味する。そして、モノマー液は、ポンピングプランジャの作動の際に背後に留まる。中空円筒の内部形状に対するポンピングプランジャの形状の適応のせいで、中空円筒に残っているモノマー液のいかなる残余もなしにポンピングプランジャの動作に応じて、全てのモノマー液は、中空円筒から連結導管に向かう開口部の方向へポンピングプランジャによって押圧される。さらに、前記円錐または球面および/またはマッチする形状を有するポンピングプランジャの正面は、ポンピングプランジャが下におよび/またはベースの方向に移動するときに、中空円筒のモノマー液より上の空気が中空円筒のジャケット表面の開口を通して漏れることができること、そして、カートリッジの内部空間へのおよび/またはセメント粉へのモノマー液の移送の間、モノマー液より上に気泡が残らないことを確実にする。
【0053】
好ましい実施形態は、ポンピングプランジャが手で中空円筒内を軸方向に動かされることができて、好ましくは手で中空円筒内を軸方向に押圧されることができることを提供する。
【0054】
その結果、手で中空円筒からモノマー液を押圧して、それをカートリッジの内部空間へ移送することは、可能である。
【0055】
操作を単純化するために、そして本発明による装置のより多くの可変性を提供するために、本発明は、透明であり、中空円筒内の液体の充填レベルを示すマーキングを備える中空円筒をそのうえ提供することができる。
【0056】
この手段によって、マーキングで測定されるモノマー液の量は、中空円筒へと満たされることができておよび/またはカートリッジの内部空間へと中空円筒から押圧されることができる。これは、濃度がモノマーの量によって与えられる骨セメント生地を生産するために装置を使用するためにオプションを与える。あるいは、ポンピングプランジャの定義済みの前進を可能にするために、そしてしたがって、中空円筒からモノマー液の定義済みの量を押圧することが可能であるために、中空円筒は、そのうえ透明でありえず、そして、マーキングは、中空円筒から突出するポンピングプランジャの端部上に設けられることができる。したがって、このタイプのデザインについては、中空円筒からカートリッジの内部空間のセメント粉へとモノマー液の全ての量を押圧すること、ならびに中空円筒からセメント粉へとモノマー液のある部品量だけを移すことのいずれも可能である。この手段によって、粉の量に対するモノマー液の比は、調整されることができる。そしてそれは、特に制御される骨セメントの粘度と同様に、このように形成されるセメント生地が粘着しなくなるまでの期間を許容する。
【0057】
本発明は、中空円筒からカートリッジの内部空間へとモノマー液を押圧するために、ポンピングプランジャが中空円筒にねじ込まれることができるように、雌ねじを備える中空円筒、および螺合する雄ねじを備えるポンピングプランジャをそのうえ提供することができる。
【0058】
これによっても、定義済みの量のモノマー液が中空円筒からカートリッジの内部空間へと押圧されることができる。これは、モノマー液の量によってその濃度が決定される骨セメント生地を作成するために装置を使用するためのオプションを与える。
【0059】
あるいは、本発明は、張力をかけられた圧縮ばねおよびロック機構を備え、それにより、圧縮ばねおよび/またはポンピングプランジャは、解放可能な方法でロック機構によって係止され、それにより、ロック機構が解放されるときに、圧縮ばねは、ポンピングプランジャが中空円筒(62)へと押圧されるという趣旨で、ポンピングプランジャ上に圧力を働かせる、装置を提供することができる。
【0060】
類似して、中空円筒が雌ねじを備え、ポンピングプランジャが雄ねじを備える実施形態において、本発明は、ロック機構が解除された後、ポンピングプランジャを中空円筒にねじ込む張力をかけられた回転ばねを、提供することができる。
【0061】
これらの手段は、それらが装置の操作を単純化するという点で、有利である。さらに、ありうる誤った操作は、したがって防止されることができる。
【0062】
さらに、本発明は、予製プランジャがカートリッジの内部空間において軸方向に移動することができるように、解放可能なスナップ式の装置によってカートリッジに接続していて、それにより、スナップ式の装置は、特に軸方向の力の作用によって手動で解放されることができる、予製プランジャを提供することができる。
【0063】
この手段によって、例えば、カートリッジの内部空間の真空によって、生じる場合がある等の、予製プランジャの不注意な動作は、防止されることができる。
【0064】
カートリッジの内部空間が不注意にモノマー液で満たされるのを防止するために、本発明は、上向きのループを備えるために中空円筒とカートリッジの内部空間との間の連結導管であって、それにより、ループの最上位の位置は、モノマー容器の、または中空円筒へのモノマー容器用のコネクタの、接合部より上にある、連結導管を提供することができる。
【0065】
この手段によって、それが中空円筒にすでに満たされている間、モノマー液は、連結導管を通ってカートリッジの内部空間に到達するのを防止されることができる。連結導管の前記逆U型のループの効果は、ポンピングプランジャがカートリッジに向けて連結導管の方向に移動する前に、中空円筒内のモノマー液が頂点のレベルまで連結導管内のままであるということである。そして、それによって、セメント粉に向かうモノマー液の早まった進入は、防止される。特に高粘度セメントの場合、米国特許第8662736B2に記載されているように、セメント粉とのモノマー液のいかなる早期接触も、非常に少ない量でさえ、連結導管の、またはノズルの形で設けられる導管手段の、詰まりにつながることができる。連結導管は、ユーザが目でモノマーの移送を点検することができるように、透明または半透明でありえる。この目的のために、特に、最も高い頂点を有するループが見られ得る点検窓は、装置に設けられることができる。
【0066】
さらに、本発明は、モノマー容器内のモノマー液の量よりも少ないかまたは等しい中空円筒の容量を提供することができる。
【0067】
これは、ポンピングプランジャが作動するときに、空気がセメント粉に沿って押し込まれるのを防止する。
【0068】
さらに、本発明は、その下側に液透過性の方法で連結導管に接続されるカートリッジの内部空間を提供することができる。
【0069】
特許文献23によれば、連結導管は、内部空間の正面のノズルに出て行くことができる。前記ノズルは、接続手段へのセメント粉のいかなる進入も防止する。
【0070】
実施形態の別の異型において、カートリッジの内部空間は、液透過性の方法で連結導管に対して横方向のジャケット表面上に接続される。この手段によって、カートリッジの内部空間のセメント粉へと側部を介してモノマー液を移すことは、そのうえ可能である。
【0071】
好ましくは、中空円筒、カートリッジ、および連結導管、ならびに、存在する場合、ベース、混合設備、および混合ロッドは、プラスチック材料から成り、そして、プラスチック射出成形によって安価に製造されることができる。
【0072】
本発明の基礎をなす目的はまた、特に本発明による装置によって、骨セメントを混合するための方法であって、以下の経時的ステップ、
A)モノマー容器が開けられるステップ、
B)モノマー液がモノマー容器から中空円筒へと流れて、それにより、中空円筒がポンピングプランジャによって一側上に境を接するステップ、
C)ポンピングプランジャが中空円筒へと押し込まれて、したがって、モノマー液が中空円筒から、そして連結導管を通って、カートリッジの内部空間へと押圧されて、それにより、セメント粉がカートリッジの内部空間内に位置するステップ、および、
D)モノマー液およびセメント粉がカートリッジの内部空間において混合されるステップ、を含む、方法によって解決される。
【0073】
好ましくは、モノマー液は、重力の作用によって、中空円筒に流れ込む。
【0074】
この文脈において、本発明は、一旦ポンピングプランジャが中空円筒へと完全にまたはマーキングまで押し込まれたときだけ、カートリッジの内部空間において混合されて、それにより、マーキングは、カートリッジの内部空間に供給されるモノマー液のための計量器である、モノマー液およびセメント粉を提供することができる。
【0075】
その結果、このように生じる骨セメント生地は、モノマー液の所望の混合物によって所望の濃度に到達すると保証されることができる。
【0076】
本発明はまた、それが回転されることができて長手方向に変位されることができるようにカートリッジの内部空間に導かれる混合ロッドを動かすことによって混合設備を操作することにより、モノマー液およびセメント粉は、混合設備によって内部空間において混合されて、それにより、好ましくは、混合ロッドは、混合後にリミットストップまでカートリッジの内部空間から引き抜かれて、そして特に好ましくは、リミットストップまで引き抜かれた後、混合ロッドは、予め定められた破損部位で折られる、ことを提案する。
【0077】
その結果、方法は、手動操作によって容易に実行されることができる。
【0078】
さらに、本発明は、開口手段を作動させるかまたは起動させることによって開けられるモノマー容器であって、それにより、開口手段によって開くように壊されるモノマー容器を有することは好ましい、モノマー容器を提供することができる。
【0079】
その結果、全体の装置が外側に関して閉じられるように、モノマー容器は、装置の内部で開かれることができる。
【0080】
本発明はまた、ポンピングプランジャが張力をかけられた弾性ばね要素によって中空円筒へと押し込まれて、それにより、この目的のためにポンピングプランジャおよび/またはばね要素を係合しているロック機構を最初に解放することは好ましい、ことを提案する。
【0081】
これは、本発明による方法のさらなる最適化を達成し、加えて、ありうる誤った操作を防止する。
【0082】
そして、最後に、生セメント生地を有するカートリッジは、連結導管、中空円筒、およびモノマー容器から解放され、そして、カートリッジ内で軸方向に可動性であるように支持されて、そして一側上でカートリッジの内部空間と境を接する予製プランジャを前進させることによって、生セメント生地は、カートリッジの内部空間から予製される、ことを提供することができる。
【0083】
本発明は、骨セメントにおいて同時に形成するいかなる干渉する空気包含もなしに、ポンピングプランジャによって、モノマー液がカートリッジの内部空間に下から押し込まれることができるという、驚くべき発見に基づく。その結果、装置は、外部エネルギー源または内部エネルギー貯蔵なしで主に用いられることができる。特に、真空源および真空−タイプのコネクタおよび構成要素を使用する必要がない。そしてそれは、より開発されていない場所ならびに局所使用または野戦病院での使用を著しく単純化する。さらに、本発明による完全包装済みの混合システムは、真空漏れが起こりえないので、ありうる障害により影響されなくて、したがって非常に使用の準備ができていそうである。
【0084】
本発明による装置および/または本発明による方法は、モノマー容器が開かれた後、例えば、モノマー液が、重力の作用によって中空円筒に流れ込むために、そして、ポンピングプランジャの手動動作によって中空円筒からセメント粉を含んでいるカートリッジの内部空間に押し込まれるために、提供されることができる。これは、モノマー液の移送が真空の作用よりもむしろ圧力の作用によって進行することを意味する。そしてそれは、現在、混合システムと対照的に市場に出ている。手で遂行される圧力の作用による前記モノマー移送は、プラスチック射出成形によって作られことができる単純なプラスチック部品を用いて安価に実現されることができる。本発明による装置の特別な利点は、外部の援助(例えば、圧縮空気真空ポンプ)の不存在下で、そして外部エネルギー源(例えば、圧縮空気または電流)の不存在下で、装置が作動され得るということである。その結果、本発明による装置は、自律的に使用されることができて、最も単純な操作条件下でさえ使用されることができる。本発明による装置は、価格に敏感な市場用の閉じた完全包装済みの混合システムを提供する。
【0085】
圧力の作用を通してカートリッジの内部空間の下側からセメント粉へと供給されるモノマー液が均一な正面の底部から上部に移ることは、本発明の範囲において明らかである。この手段によって、セメント粉の粒子間のすきまに存在する空気は、位置がずれて、上部の方へ押し出される。その結果、空気包含は、防止される。本発明による装置および本発明による方法によって作られる骨セメント生地が主に空気包含がなくて、真空において作られるセメント生地のそれに等しい品質を有することは、驚くべきことに、本発明の範囲において明らかである。
【0086】
本発明のさらなる例示的実施形態は、本発明の範囲を制限しないけれども7つの概略図に基づいて以下に例示される。