特許第6091594号(P6091594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許6091594セカンダリ・セルへランダムにアクセスしてデータを受信する方法
<>
  • 特許6091594-セカンダリ・セルへランダムにアクセスしてデータを受信する方法 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091594
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】セカンダリ・セルへランダムにアクセスしてデータを受信する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20170227BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170227BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W72/04 111
   H04W72/04 136
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-500997(P2015-500997)
(86)(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公表番号】特表2015-516726(P2015-516726A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】IB2013000597
(87)【国際公開番号】WO2013140240
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】201210074087.8
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】デン,ユン
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/063244(WO,A2)
【文献】 特表2011−515958(JP,A)
【文献】 特表2013−511916(JP,A)
【文献】 InterDigital Communications,MSG1 Transmission for RACH Procedure for SCells,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #77 R2-120631,[online],2012年 1月31日,p1-p2,[検索日 2015.11.13],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77/Docs/R2-120631.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セカンダリ・セルにランダムにアクセスするために使用されるUEにおける方法であって、前記UEが、プライマリ・セルにアクセスしており、前記プライマリ・セルおよび前記セカンダリ・セルが、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、
a.メディア・アクセス制御制御要素(MAC CE)を通じて前記セカンダリ・セルがアクティブ化された後に第1のセルからランダム・アクセス・コマンドを受信するステップであり、前記コマンドが、前記セカンダリ・セルにアクセスするよう前記UEに指示するために使用される、受信するステップと、
b.前記ランダム・アクセス・コマンドに従ってランダム・アクセス・プリアンブルを前記セカンダリ・セルへ送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ステップaにおいて、前記受信されるランダム・アクセス・コマンドが、
セカンダリ・セルにアクセスすることを指示する命令情報を含む、ランダム・アクセスを指示するダウンリンク制御情報1A、
セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するための専用のものとされているダウンリンク制御情報、
のうちのいずれか1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランダム・アクセス・コマンドが、ランダム・アクセスを指示する前記ダウンリンク制御情報1Aである場合には、前記命令情報が、セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するために使用される特定の値を伴って構成されている下記のフィールド、すなわち、
キャリア・インジケータ、
専用の情報要素、
変調および符号化方式の情報要素、
HARQ手順番号の情報要素、
のうちのいずれかを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記セカンダリ・セルが、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されており、前記ランダム・アクセス・コマンドが、前記セカンダリ・セルを示す指示情報をさらに含み、
前記ステップaにおいて、前記セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセルが第1のセルであり、前記ランダム・アクセス・コマンドが、前記別のセルによって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セカンダリ・セルが、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されてはおらず、
前記ステップaにおいて、前記セカンダリ・セルが、前記ランダム・アクセス・コマンドを送信するための前記第1のセルとみなされ、前記ランダム・アクセス・コマンドが、前記セカンダリ・セルによって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップaが、前記コマンドから物理ランダム・アクセス・チャネルのプリアンブル情報およびマスク情報を入手し、
前記ステップbが、前記物理ランダム・アクセス・チャネルの構成に従って、ランダム・アクセスを要求するために前記プリアンブルを前記セカンダリ・セルへ送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップbの前に、
前記ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認するステップと、
前記コマンドの有効性が確認された場合に前記ステップbを実施するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プライマリ・セル、およびセカンダリ・セルのうちのそれぞれが、それぞれ属する前記タイミング・アドバンス・グループを判定するステップをさらに含み、
前記ランダム・アクセス・コマンドが有効であるということを確認するステップが、
前記セカンダリ・セルが属する前記タイミング・アドバンス・グループが、前記プライマリ・セルの前記タイミング・アドバンス・グループとは異なる、ということを判定するステップと、
前記セカンダリ・セルがアクティブ化されているということを判定するステップと、
前記プリアンブルが、専用のランダム・アクセス・プリアンブルであり、前記物理ランダム・アクセス・チャネルが有効であるということを判定するステップと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1のセルが属する基地局において、セカンダリ・セルにランダムにアクセスするようUEに指示するために使用される方法であって、前記UEが、プライマリ・セルにアクセスしており、前記プライマリ・セルおよび前記セカンダリ・セルが、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、
c.メディア・アクセス制御制御要素(MAC CE)を通じて前記セカンダリ・セルをアクティブ化した後にランダム・アクセス・コマンドを前記UEへ送信するステップであり、前記コマンドが、前記セカンダリ・セルにアクセスするよう前記UEに指示するために使用される、送信するステップを含む、方法。
【請求項10】
前記ステップcが、前記セカンダリ・セルを示す指示情報を、送信するための前記ランダム・アクセス・コマンド内に置き、および/または、
前記第1のセルが、
前記セカンダリ・セル、
前記プライマリ・セル、
前記セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセル、
のうちのいずれかのセルを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信分野のランダム・アクセスに関し、特に、複数のセルのキャリア・アグリゲーションのケースにおけるランダム・アクセスに関する。
【背景技術】
【0002】
高いデータ・レートをサポートするために、LTE−Aリリース10(R10)において、キャリア・アグリゲーションが導入されている。キャリア・アグリゲーションにおいては、2つ以上(2つを含む)のコンポーネント・キャリアが、1つのUEへ集められることが可能である。R10においては、これらのコンポーネント・キャリアが同じタイミング・アドバンス(TA)を有する、というコンポーネント・キャリアに対する制約がある。タイミング・アドバンスは、別々のUEによってeNBへ送信されたアップリンク・データを、そのeNBへの着信時に確実に同期させることができるようにするために使用される。リリース11(R11)においては、オペレータのためにさらにフレキシブルな展開をサポートする目的で、業界は、この制約をなくすことを提言している。したがって、R11においては、マルチTAがサポートされることが可能である(UEが、対応する機能を有している場合)。同じTAおよび同じタイミング基準が適用されるアップリンクを有するサービング・セル同士(典型的には、それらのサービング・セルは、同じ送信機によって管理される)は、同じTAグループ(略してTAG)にグループ化される。それぞれのTAグループは、構成されているアップリンクを伴う少なくとも1つのサービング・セルを含み、それぞれのサービング・セルと、そのサービング・セルが属するTAグループとの対応関係は、RRCシグナリングを用いてサービングeNBによってUE向けに構成される。UEは、プライマリ・セル(またはPCellと呼ばれる)にアクセスするはずである。セカンダリ・セル(SCellと呼ばれる)とTAグループとの間における対応関係は、RRCシグナリングを用いて再構成されることが可能である。マルチTAをサポートするUEは、少なくとも2つのTAグループ、すなわち、PCellを含むTAグループ(pTAG)(そのIDは0である)、およびPCellを含まないTAグループ(sTAG)をサポートする必要がある。
【0003】
sTAGに対応するタイミング・アドバンスを得るためには、eNBによって開始されるランダム・アクセス手順が使用されるべきであり、eNBは、PDCCH(または物理ダウンリンク制御チャネルと呼ばれる)を介して移送されるダウンリンク制御情報(DCI)を介してのみ、アクティブ化されたSCellに関する非競合ベースのランダム・アクセス手順を開始する。現在のTS36.212標準によれば、非競合ベースのランダム・アクセス手順をトリガするためにDCI 1Aが使用される場合には、DCI 1Aにおける対応する情報要素(略してIE)は、下記の要件を満たすべきである:
− ローカル型/分散VRB(仮想リソース・ブロック)割り当てフラグ − 1ビット、0に設定されている;
− リソース・ブロック割り当て − 数ビット、すべてのビットが1に設定されている;
− プリアンブル・インデックス − 6ビット;
− PRACH(物理ランダム・アクセス・チャネル)マスク・インデックス − 4ビット,
− 単一のPDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)コードワードのコンパクトなスケジューリング割り当てのために使用されるフォーマット1Aの残りのすべてのビットがゼロに設定されている。
【0004】
DCI 1Aは、SCellにおけるランダム・アクセス手順をトリガするための情報を含んでおらず、したがって、SCellにおけるランダム・アクセス手順をサポートすることはできないということに我々は気づくことができる。
【0005】
加えて、ランダム・アクセス手順においては、UEは、SCellにおけるランダム・アクセス手順を実行すると、ランダム・アクセスのランダム・アクセス応答(略してRAR、またはMSG2と呼ばれる)を監視するはずである。MSG2は、ランダム・アクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)によってアドレス指定されることが可能である。現在のTS36.213標準においては、UEは、MSG2を監視しているときにpTAGおよびその他のsTAGからデータを受信することができない。これは、RA−RNTIによってスクランブルされたDCIが特定のサブフレームにおいて割り当てられる場合には、C−RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)またはSPS C−RNTI(半永続スケジューリングC−RNTI)によってスクランブルされたDCIも、そのサブフレームにおいて割り当てられ、UEは、RA−RNTIによってスクランブルされたDCIを検知した後に、pTAGまたはその他のsTAGに属するセルによって送信された、C−RNTIまたはSPS−RNTIによってスクランブルされたDCIをもはや復号せず、したがってUEは、PDSCHにおいて移送されてこれらのDCIによって示されるデータを受信および復号しないためである。これは、通信パフォーマンスの低下につながる。
【0006】
現在の標準およびソリューションは、キャリア・アグリゲーションにおける同じタイミング・アドバンスのケースに焦点を合わせている。したがって、現在のソリューションは、マルチTAキャリア・アグリゲーションのもとでのSCellランダム・アクセスの問題およびランダム・アクセス手順におけるデータ受信問題をサポートすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マルチTAキャリア・アグリゲーション・シナリオにおけるSCellに関するランダム・アクセス・ソリューションを提供すること、およびマルチTAキャリア・アグリゲーション・シナリオにおけるSCellのランダム・アクセス手順中の別のセルに関するデータ受信問題を解決する技術的なソリューションを提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、セカンダリ・セルにランダムにアクセスするために使用される方法がUEにおいて提供され、UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、プライマリ・セルおよびセカンダリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属している。この方法は、
a.第1のセルからランダム・アクセス・コマンドを受信するステップであって、そのコマンドが、セカンダリ・セルにアクセスするようUEに指示するために使用される、ステップと、
b.ランダム・アクセス・コマンドに従ってランダム・アクセス・プリアンブルをセカンダリ・セルへ送信するステップと、を含む。
【0009】
この態様は、マルチTAシナリオにおいてSCellにアクセスするUEのための技術的なソリューションを提供し、これは、既存の技術における空白を埋めるものである。
【0010】
この態様の一実施形態によれば、ステップaにおいて、受信されるランダム・アクセス・コマンドは、
− セカンダリ・セルにアクセスすることを指示する命令情報を含む、ランダム・アクセスを指示するダウンリンク制御情報1A、
− セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するための専用とされているダウンリンク制御情報、のうちのいずれか1つである。
【0011】
この実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCIを使用するというソリューションを提供する。ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用する場合は、より良好な下位互換性を有する。
【0012】
さらなる好ましい一実施形態によれば、ランダム・アクセス・コマンドが、ランダム・アクセスを指示するダウンリンク制御情報1Aである場合には、命令情報は、セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するために使用される特定の値として構成されている下記のフィールド、すなわち、
− キャリア・インジケータ、
− 専用の情報要素、
− 変調および符号化方式の情報要素、
− HARQ手順番号の情報要素、のうちのいずれかを含む。
【0013】
このさらなる好ましい実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用する場合に、SCellにランダムにアクセスすることを指示するために使用されることが可能である利用可能なフィールドを提供する。現在のキャリア・インジケータ、変調および符号化方式の情報要素、ならびにHARQ手順番号の情報要素等などのフィールドを使用する場合は、より良好な下位互換性を有する。
【0014】
この態様の一実施形態によれば、セカンダリ・セルは、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されており、ランダム・アクセス・コマンドは、セカンダリ・セルを示す指示情報をさらに含み、
ステップaにおいて、セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセルが第1のセルであり、ランダム・アクセス・コマンドは、その別のセルによって送信される。
【0015】
この実施形態においては、クロスキャリア・スケジューリングが可能にされ、SCellにランダムにアクセスすることは、PCell、またはそのPCellの別のTAグループの別のSCellによって開始されることが可能であり、これは、ランダム・アクセス制御に関する高い柔軟性を提供する。特に、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用するケースにおいては、SCellを示す指示情報が、DCI 1Aにおけるキャリア・インジケータによって実装されることが可能であり、そのキャリア・インジケータは、SCellのサービング・セル・インデックスを示す。
【0016】
この態様の別の実施形態によれば、セカンダリ・セルは、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されてはおらず、ステップaにおいて、セカンダリ・セルは、ランダム・アクセス・コマンドを送信するための第1のセルとみなされ、ランダム・アクセス・コマンドは、セカンダリ・セルによって送信される。
【0017】
この実施形態においては、SCellにランダムにアクセスすることは、そのSCellによって送信されたランダム・アクセス・コマンドによってトリガされ、そのランダム・アクセス・コマンドは、ランダム・アクセスを良好に直接制御することができる。
【0018】
この態様の一実施形態によれば、ステップaは、コマンドから物理ランダム・アクセス・チャネルのプリアンブル情報およびマスク情報を入手し、
ステップbは、物理ランダム・アクセス・チャネルの構成に従って、ランダム・アクセスを要求するためにプリアンブルをセカンダリ・セルへ送信する。
【0019】
この実施形態は、ランダム・アクセスを要求するさらに特定の実施態様を提供する。
【0020】
この態様の一実施形態によれば、ステップbの前に、この方法は、
− ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認するステップと、
そのコマンドの有効性が確認された場合にステップbを実施するステップと、をさらに含む。
【0021】
ランダム・アクセス・コマンドは、誤って送信される場合があり、または第1のセルが、誤ったスケジューリングを実施して、誤ったランダム・アクセス・コマンドを生成するため、UEによって受信されたランダム・アクセス・コマンドは無効である場合があり、これは、SCellにランダムにアクセスすることに影響を与える。したがって、ランダム・アクセス要求を実施する前に、UEは、好ましくは、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを最初に確認し、それによって、SCellにランダムにアクセスする本発明による方法は、強固な堅牢性を備える。
【0022】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、
− プライマリ・セル、およびセカンダリ・セルのうちのそれぞれがそれぞれ属するタイミング・アドバンス・グループを判定するステップをさらに含み、
ランダム・アクセス・コマンドが有効であるということを確認するステップは、
− セカンダリ・セルが属するタイミング・アドバンス・グループが、プライマリ・セルのタイミング・アドバンス・グループとは異なるということを判定するステップと、
− セカンダリ・セルがアクティブ化されているということを判定するステップと、
− プリアンブルが、専用のランダム・アクセス・プリアンブルであり、物理ランダム・アクセス・チャネルが有効であるということを判定するステップと、を含む。
【0023】
この実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認するさらに具体的な方法を提供する。
【0024】
上述の第1の態様およびそれぞれの実施形態によれば、本発明の好ましい実施ソリューションとして、
サービングeNBが、SCellにランダムにアクセスすることをトリガするためにDCI 1Aを使用することができ、SCellインデックスを示すためにキャリア・インジケータIEが使用される。
【0025】
UEは、DCI 1Aを受信した後に、命令を確認し、指定されているSCellにおいてランダム・アクセスを実施することができるかどうかを確認する。下記の条件がすべて満たされている場合にのみ、UEは、ランダム・アクセスを正常に実施することができる:
1.SCellが、PSellとは異なるsTAGに属している;
2.SCellが、アクティブ化されている;
3.DCI 1Aが、非競合ベースのランダム・アクセス手順をトリガするための有効なプリアンブルを含んでいる。
【0026】
セルにおける本発明の上述の第1の態様に対応する第2の態様によれば、第1のセルが属する基地局において、セカンダリ・セルにランダムにアクセスするようUEに指示するために使用される方法が提供される。UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、プライマリ・セルおよびセカンダリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、この方法は、
c.ランダム・アクセス・コマンドをUEへ送信するステップであって、そのコマンドが、セカンダリ・セルにアクセスするようUEに指示するために使用される、ステップを含む。
【0027】
好ましくは、ステップcは、セカンダリ・セルを示す指示情報を、送信するためのランダム・アクセス・コマンド内に置き、および/または
第1のセルは、
セカンダリ・セル、
プライマリ・セル、
セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセル、
のうちのいずれかのセルを含む。
【0028】
この好ましい実施形態は、クロスキャリア・スケジューリングおよび非クロスキャリア・スケジューリングのケースでのセルにおける本発明の実施態様を提供する。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、UEにおいてデータを受信する方法が提供される。UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、セカンダリ・セルにランダムにアクセスしており、セカンダリ・セルおよびプライマリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、この方法は、
i.特定のサブフレームにおいてセカンダリ・セルからランダム・アクセス応答を受信するステップと、
ii.サブフレームにおいてその他のセルによって送信された物理ダウンリンク・チャネルを受信して復号することを継続するステップと、を含む。
【0030】
この態様においては、SCellのランダム・アクセス応答を受信するケースにおいて、UEは、別のセルによって送信された物理ダウンリンク・チャネルを受信して復号することを継続し、これは、現在の標準において存在しているデータ喪失問題を解決する。
【0031】
好ましくは、その他のセルは、
プライマリ・セル、および/または
プライマリ・セルと同じタイミング・アドバンス・グループに属するその他のセカンダリ・セル、および/または
セカンダリ・セルとは異なるタイミング・アドバンス・グループに属するその他のセルを含む。
【0032】
好ましくは、ステップiにおいて、ランダム・アクセス応答は、ランダム・アクセスRNTIによってスクランブルされ、
ステップiiにおいて、
UEは、UEのC−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をPDCCHにおいて復号すること、および/または
UEの半永続スケジューリングRNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をプライマリ・セルのPDCCHにおいて復号すること、および/または
UEの半永続スケジューリングRNTIによってスクランブルされたデータ情報をプライマリ・セルのPDSCHにおいて復号することを必要とする。
【0033】
上述の第3の態様およびそれぞれの実施形態によれば、本発明の好ましい一実施態様として、
UEは、特定のサブフレームにおいてSCellに関連付けられているMSG2(ランダム・アクセス応答)を受信した場合には、別のセルのPDCCHにおいてC−RNTI/SPS C−RNTIによってアドレス指定された(スクランブルされた)ダウンリンク制御情報をさらに復号し、その別のセルは、pTAGに属するPCellもしくはSCell、またはsTAGに属する別のSCellであることが可能である。
【0034】
加えて、UEは、リンク障害などの理由でPCellへのランダム・アクセスを実行している最中には、PCellにおいてPDCCHを監視するだけである。UEは、特定のサブフレームにおいてPCellに関連付けられているMSG2を受信した場合には、PCell(別のセルを含む)のPDCCHにおいて、C−RNTI/SPS C−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をもはや復号しない。
【0035】
下記の図面を参照しながら具体的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、本発明のその他の特徴、目的、および利点が、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態による概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以降では、いくつかの実施形態を説明することを通じて本発明を詳細に解明する。対立のないケースにおいては、いくつかの実施形態およびそれらの特徴は、その他の実施形態およびそれらの特徴と結合されて、新たな実施形態を生み出すことが可能であるということを理解されたい。
【0038】
[実施形態1]
あるUEが、PCe11にアクセスして、サービングeNBとのRRC(無線リソース制御)接続をセットアップしている。サービングeNBは、そのUE向けのC−RNTI(任意選択で、SPS C−RNTIをさらに含む)を構成する。サービス要件(たとえばスループットの増大)に起因して、サービングeNBは、SCellと呼ばれる別のサービング・セル(ダウンリンクおよびアップリンクを含む)をそのUE向けに構成する必要がある。SCell(セル・インデックスは1である)はsTAGに属し、sTAGのタイミング・アドバンスは、PCellが属するpTAGによって使用されるタイミング・アドバンスとは異なる。eNBは、RRCシグナリングを通じて、SCellがsTAGに属すると設定する。
【0039】
UEは、SCellがsTAGに属することに気づいた後には、アップリンク・タイミング・アドバンスを得るために、SCell上でランダム・アクセスを実行する必要がある、ということを知る。
【0040】
サービングeNBは、SCellにランダムにアクセスするようにUEを制御する前に、SCellをアクティブ化するべきである。eNBは、MAC CE(メディア・アクセス制御制御要素)を通じてSCellをアクティブ化するようUEに伝える。
【0041】
この実施形態においては、SCellは、eNBによってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成され、したがって、SCellにランダムにアクセスすることは、そのセルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセルによって開始されることが可能である。別のセルは、たとえば:
PCell;
そのPCellと同じpTAGに属するSCell;
そのSCellとは異なるsTAGに属するSCell;
である。
【0042】
この実施形態においては、発明のこの実施形態を説明するために、ランダム・アクセス・コマンドがPCellによってトリガされる一例をとり上げる。
【0043】
一実施形態においては、PCellは、SCellをクロスキャリア・スケジューリングする。SCellにランダムにアクセスするようUEをトリガする際には、PCellは、PDCCHにおいてUEへランダム・アクセス・コマンドを送信し、これは図1において矢印Aとして示されている。この場合、PCellによって占められる帯域(アップリンクおよびダウンリンクを含む)は、F1である(説明する必要があることとして、TDDに関しては、アップリンクとダウンリンクの中心周波数は、F1である。FDDに関しては、アップリンクとダウンリンクの中心周波数は異なり、たとえばアップリンクはF1−であり、ダウンリンクはF1+であり、ここでは、アップリンクとダウンリンクを示すためにF1が用いられている。本出願において周波数を示すその他の場所には、すべてこの説明が当てはまる)。UEは、PDCCHにおいてPCellによって送信されたダウンリンク制御情報を検知し、ランダム・アクセス・コマンドを受信する。
【0044】
詳細な一実施形態においては、ランダム・アクセス・コマンドは、ダウンリンク制御情報1A(DCI 1A)である。DCI 1Aのキャリア・インジケータが0である場合には、そのDCI 1Aは、PCellそのものにランダムにアクセスすることを指示するために使用され、その一方で、DCI 1Aのキャリア・インジケータが1である場合には、そのDCI 1Aは、SCellにランダムにアクセスすることを指示するために使用されることが可能である。PCellは、1という値であるキャリア・インジケータを伴うDCI 1AをUEに送信し、そのDCI 1Aは依然として、ランダム・アクセスを実行するために使用されるプリアンブル・インデックスと、PRACHマスク・インデックスとを含む。そのPRACHマスク・インデックスは、許可されているPRACH(物理ランダム・アクセス・チャネル)を示すために使用される。
【0045】
DCI 1AはPDCCHにおいて送信されるため、いくらかのエラーの可能性がある場合があり、またはPCellは、誤ってスケジューリングすること、たとえば、パブリック・プリアンブルとして割り振られているプリアンブルを、ランダム・アクセスにおいて使用されるものとして割り振ることがあり、これらのエラーは、ランダム・アクセスにおいてエラーが生じることにつながる。したがって、DCI 1Aを受信した後に、およびランダム・アクセスを実行する前に、好ましくは、UEは、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認する。詳細には、UEは、SCellが属しているタイミング・アドバンス・グループはpTAGではないということを判定し、SCellがアクティブ化されているということを判定し、プリアンブルが有効であるということ、たとえば、パブリック・プリアンブルによって占められていないということも判定し(UEは、システム・メッセージを通じてパブリック・プリアンブルを得ることができ、次いで、DCI 1Aにおいて示されているプリアンブルがパブリック・プリアンブルであるかどうかを判定することができ、パブリック・プリアンブルでない場合には、有効であると判定する)、PRACHマスクが有効であるということも判定する。ランダム・アクセス・コマンドが有効であるケースにおいては、UEは、ランダム・アクセスを実行する。確認ステップは、DCI送信エラーまたはPCellスケジューリング・エラーに対する誤り耐性(Fault Tolerance)処理を実行し、それらは、本発明を実施する上で必要なステップではないということを理解することができる。
【0046】
ランダムにアクセスする際には、PRACH構成によれば、UEは、ランダム・アクセス要求を実行するためにプリアンブルをSCellへ送信し(アップリンクにおいて送信し)、すなわち、SCellのサービングeNBへの送信を行い、これは図1において矢印Cとして示されている。この場合、SCellによって占められる帯域(アップリンクおよびダウンリンクを含む)は、F2である。図1におけるPCellとSCellの違いは、それらは論理的には別々のセルである一方で、物理的には、同じサービングeNBにおいて別々の送信機によってそれぞれ制御されることが可能であると説明しうる、ということを理解できるであろう。
【0047】
ランダム・アクセス・プリアンブルを送信するための時間周波数ロケーションに従って、UEは、ランダム・アクセス・プロセスのためのRA−RNTIを得るために計算を行う。
【0048】
その後、UEは、SCellを管理しているサービングeNBによって送信される、RA−RNTIによってスクランブルされたランダム・アクセス応答MSG2を継続的に監視する。この持続時間において、UEは、PCell PDCCHにおいて送信される、C−RNTIおよび/またはSPS C−RNTIによってスクランブルされたDCIも監視する。特定のサブフレームにおいて、UEが、RA−RNTIによってスクランブルされたランダム・アクセス応答MSG2を受信した場合には、このサブフレームにおいて、UEは、UE C−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をPCell PDCCHにおいて復号し続け(pTAGにおけるその他のSCell、もしくはその他のsTAGに属しているその他のSCellがある場合には、UEは、UE C−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をこれらのSCell PDCCHにおいて復号する必要がある)、および/または
UE SPS C−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をPCell PDCCHにおいて復号し、および/または
UE SPS C−RNTIによってスクランブルされたデータ情報をPCell PDSCHにおいて復号する。
【0049】
[実施形態2]
UEが、サービングeNBとのRRC接続をセットアップしている。その接続は、1つのpTAGおよび2つのsTAG(sTAG1およびsTAG2)を伴って構成されている。そしてUEは、pTAGにおいてPCellに、およびsTAG1においてSCell’にアクセスしており、pTAGおよびsTAG1のそれぞれのアップリンク・タイミング・アドバンスを得ている。
【0050】
サービングeNBは、sTAG2に属しているSCellをアクティブ化し、UEがそのSCellにアクセスすることを必要とする。
【0051】
クロスキャリア・スケジューリングが存在するケースにおいては、PCellがSCellをクロスキャリア・スケジューリングするように構成されている場合には、PCellは、SCellにアクセスするランダム・アクセス・コマンドをUEへ送信することができ、これは実施形態1と同様であり、図1において矢印Aとして示されており、この場合、PCellによって占められる帯域(アップリンクおよびダウンリンクを含む)は、F1である。SCell’がSCellをクロスキャリア・スケジューリングするように構成されている場合には、sTAG1におけるSCell’は、ランダム・アクセス・コマンドをUEへ送信することができ、これは図1において矢印A’として示されており、この場合、SCell’によって占められる帯域(アップリンクおよびダウンリンクを含む)は、F3である。ランダム・アクセス・コマンドのフォーマットは、前の実施形態におけるフォーマットと同様であることが可能であり、たとえば、ランダム・アクセス・コマンドはDCI 1Aであり、これは、SCellのセル・インデックス1を示すためのキャリア・インジケータを含む。
【0052】
この実施形態においては、SCellは、eNBによってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されてはいないが、SCellは、ランダム・アクセス・コマンドをUEへ(FDDに関しては、SCellのダウンリンク・キャリアにおいて、TDDに関しては、SCellのダウンリンク・サブフレームにおいて)送信し、そのコマンドは、SCellにランダムにアクセスすることを指示することができ、これは図1において矢印Bとして示されている。そしてUEは、クロスキャリア・スケジューリングがないということを知り、次いでUEは、ランダム・アクセス・コマンドを送信するSCellを判定して、そのSCellをランダム・アクセスのターゲットSCellとみなすことができる。
【0053】
その後、UEは、ランダム・アクセス・コマンドの有効性を確認すること、およびそのコマンドが有効である場合には、ランダムにアクセスすることを継続することが可能であり、これは前の実施形態と同様である。
【0054】
ランダムにアクセスする際には、PRACH構成によれば、UEは、ランダム・アクセス要求を実行するためにプリアンブルをSCellへ送信し(FDDに関しては、SCellのアップリンク・キャリアにおいて送信し、TDDに関しては、SCellのアップリンク・サブフレームにおいて送信し)、すなわち、SCellを管理しているサービングeNBへの送信を行い、これは図1において矢印Cとして示されており、この場合、SCellによって占められる帯域(アップリンクおよびダウンリンクを含む)は、F2である。
【0055】
そして、ランダム・アクセス・プリアンブルを送信するための時間周波数ロケーションに従って、UEは、ランダム・アクセス・プロセスのためのRA−RNTIを得るために計算を行う。
【0056】
その後、UEは、SCellを管理しているサービングeNBによって送信される、RA−RNTIによってスクランブルされたランダム・アクセス応答MSG2を継続的に監視する。この持続時間において、UEは、PCell PDCCHにおいて送信される、C−RNTIおよび/またはSPS C−RNTIによってスクランブルされたDCI、ならびに、sTAG1においてSCellのPDCCHにおいて送信される、C−RNTIによってスクランブルされたDCIも監視する。特定のサブフレームにおいて、UEが、RA−RNTIによってスクランブルされたランダム・アクセス応答MSG2を受信した場合には、このサブフレームにおいて、UEは依然として、PCell PDCCHにおいて送信される、C−RNTIおよび/またはSPS C−RNTI(任意選択)によってスクランブルされたDCIを監視して復号し、このサブフレームにおいて、UEは依然として、sTAG1においてSCellのPDCCHにおいて送信される、C−RNTIによってスクランブルされたDCIを監視して復号し、DCI情報に従って対応するPDSCHを受信して復号することによってダウンリンク・データを得る。
【0057】
UEは、リンク障害などの理由でPCellへのランダム・アクセスを実行する場合には、PCellにおいてPDCCHを監視するだけである。UEは、特定のサブフレームにおいてPCellに関連付けられているMSG2を受信した場合には、C−RNTI/SPS C−RNTIによってスクランブルされたDCIをもはや復号しない。
【0058】
この実施形態にはその他の実施態様があり、UEがSCellにおいてランダム・アクセスを開始した後に、SCellにおいて監視されるランダム・アクセス応答は、C−RNTIによってスクランブルされている。この場合には、UEは、PCell PDCCHにおいて送信される、C−RNTIおよび/またはSPS C−RNTIによってスクランブルされたDCI、ならびにsTAG1においてSCellのPDCCHにおいて送信される、C−RNTIによってスクランブルされたDCIを監視する必要がある。
【0059】
[実施形態3]
前の2つの実施形態においては、ランダム・アクセスSCellのランダム・アクセス・コマンドの詳細な実施形態を例示するために、DCI 1Aと、SCellのセル・インデックスを示すキャリア・インジケータと、を使用している。変更された一実施形態においては、ランダム・アクセスSCellのセル・インデックスを示す上でキャリア・インジケータが使用されないことが可能であり、その一方で、新たに設計された専用の情報要素が、ランダム・アクセスSCellを示すために、たとえば、そのセル・インデックスを示すために使用される。
【0060】
別の変更された実施形態においては、ランダムにアクセスされるSCellのインデックスを示す必要はなく、SCellにランダムにアクセスするようUEに知らせることが必要なだけであり、アクセスされる具体的なSCellは、UE自身によって判定される。たとえばキャリア・インジケータは、SCellにランダムにアクセスすることを指示するためにDCI 1Aが使用されているということを表す目的で、1(1ビット)または111(3ビット)など、0以外のその他の特定の値に設定される。または、SCellにランダムにアクセスすることを指示するために、DCI 1Aにおけるその他の情報要素、たとえば変調および符号化方式が11111に設定され、またはHARQ手順番号が111に設定される。
【0061】
UEは、どのSCellにランダムにアクセスするかを判定する場合には、下記の方法を適用することができる。
【0062】
クロスキャリア・スケジューリングが存在しているケースにおいては、クロスキャリア・スケジューリングの対応関係は、UE向けに構成されており、UEは、ランダム・アクセス・コマンドを送信するセルに対応する、クロスキャリア・スケジューリングされたセルを、クロスキャリア・スケジューリングの関係に従って、SCellとして直接見つけ出す。
【0063】
クロスキャリア・スケジューリングがないケースにおいては、受信されたコマンドが属するSCellは、ランダム・アクセスが実行されることが必要とされるSCellであるということが、UEにおいてデフォルト設定されている。
【0064】
ある代替実施形態においては、サービング・セルは、一度に1つのSCellに関してランダム・アクセスを実行するようUEをトリガするだけである。UEは、トリガされたばかりのSCellを、アクセスされることになるSCellと判定する。
【0065】
ある代替実施形態においては、サービングeNBは、現在のDCI 1Aを、SCellにおいてランダム・アクセスを実行するようUEをトリガするためには使用せず、現在のDCI 1Aは、PCellにおいてランダム・アクセスを実行するようUEをトリガするための専用のものとされる。SCellにおいてランダム・アクセスを実行するようUEをトリガするために、新たなDCIが導入される。その新たなDCIは、ランダム・アクセス・プリアンブル・インデックスを含む必要があり、PRACHマスク・インデックスは、任意選択で、SCellのセル・インデックスを依然として含むことができる。
【0066】
UEは、SCellを判定した後に、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認し、たとえばUEは、SCellが属しているタイミング・アドバンス・グループはpTAGではないということを判定し、SCellがアクティブ化されているということを判定し、プリアンブルが有効であるということ、たとえば、パブリック・プリアンブルによって占められていないということも判定し、PRACHマスクが有効であるということも判定する。UEは、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるということを確認した後に、ランダム・アクセスを実行する。
【0067】
間違いなく、本発明にはその他の複数の実施形態がある。当業者なら、本発明の趣旨および本質から逸脱することなく、すべての種類の対応する変更および修正を本発明に従って行うことができ、その一方で、それらの対応する変更および修正は、本発明に添付されている特許請求の範囲の保護範囲に属するものである。
【0068】
上述の方法におけるすべてのステップまたは一部のステップは、関連したハードウェアに命令するプログラムを通じて実施されることが可能であり、それらのプログラムは、コンピュータの読み取り可能なストレージ・メディア、たとえば、読み取り専用メモリ、ディスク、またはCD−ROMなどに格納されることが可能であるということを当業者なら理解することができる。任意選択で、上述の実施形態におけるすべてのステップまたは一部のステップは、実装する上で1つまたは複数の集積回路を使用することができる。それに対応して、上述の実施形態におけるそれぞれのモジュール/ユニットは、実装する上でハードウェアの形態を、または実装する上でソフトウェア機能モジュールの形態をとることができる。本発明は、ハードウェアとソフトウェアの組合せのいかなる特定の形態にも限定されない。
図1