【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、セカンダリ・セルにランダムにアクセスするために使用される方法がUEにおいて提供され、UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、プライマリ・セルおよびセカンダリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属している。この方法は、
a.第1のセルからランダム・アクセス・コマンドを受信するステップであって、そのコマンドが、セカンダリ・セルにアクセスするようUEに指示するために使用される、ステップと、
b.ランダム・アクセス・コマンドに従ってランダム・アクセス・プリアンブルをセカンダリ・セルへ送信するステップと、を含む。
【0009】
この態様は、マルチTAシナリオにおいてSCellにアクセスするUEのための技術的なソリューションを提供し、これは、既存の技術における空白を埋めるものである。
【0010】
この態様の一実施形態によれば、ステップaにおいて、受信されるランダム・アクセス・コマンドは、
− セカンダリ・セルにアクセスすることを指示する命令情報を含む、ランダム・アクセスを指示するダウンリンク制御情報1A、
− セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するための専用とされているダウンリンク制御情報、のうちのいずれか1つである。
【0011】
この実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCIを使用するというソリューションを提供する。ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用する場合は、より良好な下位互換性を有する。
【0012】
さらなる好ましい一実施形態によれば、ランダム・アクセス・コマンドが、ランダム・アクセスを指示するダウンリンク制御情報1Aである場合には、命令情報は、セカンダリ・セルにランダムにアクセスすることを指示するために使用される特定の値として構成されている下記のフィールド、すなわち、
− キャリア・インジケータ、
− 専用の情報要素、
− 変調および符号化方式の情報要素、
− HARQ手順番号の情報要素、のうちのいずれかを含む。
【0013】
このさらなる好ましい実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用する場合に、SCellにランダムにアクセスすることを指示するために使用されることが可能である利用可能なフィールドを提供する。現在のキャリア・インジケータ、変調および符号化方式の情報要素、ならびにHARQ手順番号の情報要素等などのフィールドを使用する場合は、より良好な下位互換性を有する。
【0014】
この態様の一実施形態によれば、セカンダリ・セルは、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されており、ランダム・アクセス・コマンドは、セカンダリ・セルを示す指示情報をさらに含み、
ステップaにおいて、セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセルが第1のセルであり、ランダム・アクセス・コマンドは、その別のセルによって送信される。
【0015】
この実施形態においては、クロスキャリア・スケジューリングが可能にされ、SCellにランダムにアクセスすることは、PCell、またはそのPCellの別のTAグループの別のSCellによって開始されることが可能であり、これは、ランダム・アクセス制御に関する高い柔軟性を提供する。特に、ランダム・アクセス・コマンドとしてDCI 1Aを使用するケースにおいては、SCellを示す指示情報が、DCI 1Aにおけるキャリア・インジケータによって実装されることが可能であり、そのキャリア・インジケータは、SCellのサービング・セル・インデックスを示す。
【0016】
この態様の別の実施形態によれば、セカンダリ・セルは、基地局によってクロスキャリア・スケジューリングを用いて構成されてはおらず、ステップaにおいて、セカンダリ・セルは、ランダム・アクセス・コマンドを送信するための第1のセルとみなされ、ランダム・アクセス・コマンドは、セカンダリ・セルによって送信される。
【0017】
この実施形態においては、SCellにランダムにアクセスすることは、そのSCellによって送信されたランダム・アクセス・コマンドによってトリガされ、そのランダム・アクセス・コマンドは、ランダム・アクセスを良好に直接制御することができる。
【0018】
この態様の一実施形態によれば、ステップaは、コマンドから物理ランダム・アクセス・チャネルのプリアンブル情報およびマスク情報を入手し、
ステップbは、物理ランダム・アクセス・チャネルの構成に従って、ランダム・アクセスを要求するためにプリアンブルをセカンダリ・セルへ送信する。
【0019】
この実施形態は、ランダム・アクセスを要求するさらに特定の実施態様を提供する。
【0020】
この態様の一実施形態によれば、ステップbの前に、この方法は、
− ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認するステップと、
そのコマンドの有効性が確認された場合にステップbを実施するステップと、をさらに含む。
【0021】
ランダム・アクセス・コマンドは、誤って送信される場合があり、または第1のセルが、誤ったスケジューリングを実施して、誤ったランダム・アクセス・コマンドを生成するため、UEによって受信されたランダム・アクセス・コマンドは無効である場合があり、これは、SCellにランダムにアクセスすることに影響を与える。したがって、ランダム・アクセス要求を実施する前に、UEは、好ましくは、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを最初に確認し、それによって、SCellにランダムにアクセスする本発明による方法は、強固な堅牢性を備える。
【0022】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、
− プライマリ・セル、およびセカンダリ・セルのうちのそれぞれがそれぞれ属するタイミング・アドバンス・グループを判定するステップをさらに含み、
ランダム・アクセス・コマンドが有効であるということを確認するステップは、
− セカンダリ・セルが属するタイミング・アドバンス・グループが、プライマリ・セルのタイミング・アドバンス・グループとは異なるということを判定するステップと、
− セカンダリ・セルがアクティブ化されているということを判定するステップと、
− プリアンブルが、専用のランダム・アクセス・プリアンブルであり、物理ランダム・アクセス・チャネルが有効であるということを判定するステップと、を含む。
【0023】
この実施形態は、ランダム・アクセス・コマンドが有効であるかどうかを確認するさらに具体的な方法を提供する。
【0024】
上述の第1の態様およびそれぞれの実施形態によれば、本発明の好ましい実施ソリューションとして、
サービングeNBが、SCellにランダムにアクセスすることをトリガするためにDCI 1Aを使用することができ、SCellインデックスを示すためにキャリア・インジケータIEが使用される。
【0025】
UEは、DCI 1Aを受信した後に、命令を確認し、指定されているSCellにおいてランダム・アクセスを実施することができるかどうかを確認する。下記の条件がすべて満たされている場合にのみ、UEは、ランダム・アクセスを正常に実施することができる:
1.SCellが、PSellとは異なるsTAGに属している;
2.SCellが、アクティブ化されている;
3.DCI 1Aが、非競合ベースのランダム・アクセス手順をトリガするための有効なプリアンブルを含んでいる。
【0026】
セルにおける本発明の上述の第1の態様に対応する第2の態様によれば、第1のセルが属する基地局において、セカンダリ・セルにランダムにアクセスするようUEに指示するために使用される方法が提供される。UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、プライマリ・セルおよびセカンダリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、この方法は、
c.ランダム・アクセス・コマンドをUEへ送信するステップであって、そのコマンドが、セカンダリ・セルにアクセスするようUEに指示するために使用される、ステップを含む。
【0027】
好ましくは、ステップcは、セカンダリ・セルを示す指示情報を、送信するためのランダム・アクセス・コマンド内に置き、および/または
第1のセルは、
セカンダリ・セル、
プライマリ・セル、
セカンダリ・セルをクロスキャリア・スケジューリングする別のセル、
のうちのいずれかのセルを含む。
【0028】
この好ましい実施形態は、クロスキャリア・スケジューリングおよび非クロスキャリア・スケジューリングのケースでのセルにおける本発明の実施態様を提供する。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、UEにおいてデータを受信する方法が提供される。UEは、プライマリ・セルにアクセスしており、セカンダリ・セルにランダムにアクセスしており、セカンダリ・セルおよびプライマリ・セルは、別々のタイミング・アドバンス・グループに属しており、この方法は、
i.特定のサブフレームにおいてセカンダリ・セルからランダム・アクセス応答を受信するステップと、
ii.サブフレームにおいてその他のセルによって送信された物理ダウンリンク・チャネルを受信して復号することを継続するステップと、を含む。
【0030】
この態様においては、SCellのランダム・アクセス応答を受信するケースにおいて、UEは、別のセルによって送信された物理ダウンリンク・チャネルを受信して復号することを継続し、これは、現在の標準において存在しているデータ喪失問題を解決する。
【0031】
好ましくは、その他のセルは、
プライマリ・セル、および/または
プライマリ・セルと同じタイミング・アドバンス・グループに属するその他のセカンダリ・セル、および/または
セカンダリ・セルとは異なるタイミング・アドバンス・グループに属するその他のセルを含む。
【0032】
好ましくは、ステップiにおいて、ランダム・アクセス応答は、ランダム・アクセスRNTIによってスクランブルされ、
ステップiiにおいて、
UEは、UEのC−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をPDCCHにおいて復号すること、および/または
UEの半永続スケジューリングRNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をプライマリ・セルのPDCCHにおいて復号すること、および/または
UEの半永続スケジューリングRNTIによってスクランブルされたデータ情報をプライマリ・セルのPDSCHにおいて復号することを必要とする。
【0033】
上述の第3の態様およびそれぞれの実施形態によれば、本発明の好ましい一実施態様として、
UEは、特定のサブフレームにおいてSCellに関連付けられているMSG2(ランダム・アクセス応答)を受信した場合には、別のセルのPDCCHにおいてC−RNTI/SPS C−RNTIによってアドレス指定された(スクランブルされた)ダウンリンク制御情報をさらに復号し、その別のセルは、pTAGに属するPCellもしくはSCell、またはsTAGに属する別のSCellであることが可能である。
【0034】
加えて、UEは、リンク障害などの理由でPCellへのランダム・アクセスを実行している最中には、PCellにおいてPDCCHを監視するだけである。UEは、特定のサブフレームにおいてPCellに関連付けられているMSG2を受信した場合には、PCell(別のセルを含む)のPDCCHにおいて、C−RNTI/SPS C−RNTIによってスクランブルされたダウンリンク制御情報をもはや復号しない。
【0035】
下記の図面を参照しながら具体的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、本発明のその他の特徴、目的、および利点が、より明らかになるであろう。