(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力伝送装置1の構成例を示すブロック図である。
電力伝送装置1は、電気信号を含む電力を無線で伝送するものである。この電力伝送装置1は、
図1に示すように、送信電源11、送受信部12及び整流回路13を備えている。また、送受信部12は、
図2(b)等に示すように、送信アンテナ14及び受信アンテナ15を有している。
【0010】
送信電源11は、入力された直流電力又は交流電力を送信アンテナ14へ供給するものである。なお、送信電源11として高周波用の電源を用いた場合には、送信電源11は、入力された直流電力又は交流電力を高周波電力に変換した上で、送信アンテナ14へ供給する。
送信アンテナ14は、送信電源11から供給された電力を無線で伝送するものである。
【0011】
受信アンテナ15は、送信アンテナ14から無線で伝送された電力を受信するものである。
整流回路13は、受信アンテナ15により受信された電力を直流電力に変換するものである。この整流回路13により変換された直流電力は負荷機器等(不図示)に出力される。
なお、送受信部12は、磁界共鳴、電界共鳴又は電磁誘導により電力伝送を行う。
【0012】
次に、送信アンテナ14及び受信アンテナ15の構成例について、
図2を参照しながら説明する。なお
図2(a),(b)では、送信アンテナ14と受信アンテナ15が軸心方向に対向配置された場合を示している。
この
図2(a),(b)に示すように、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、電流が一方向に流れる箇所に対して反対方向に流れる箇所を沿わせた形状のコイルから構成されている。また
図2(a),(b)では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のループ面が円弧上に構成され、金属部材である軸51に間接的に巻き付けられている。すなわち、
図2(a),(b)に示す送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、
図2(c)に示す従来のアンテナ101の上部分を下方に凹ました形状に構成されている。
【0013】
なお図では、軸51を機構的な回転体とし、送信アンテナ14と受信アンテナ15が独立して回転可能な場合を示しているが、軸51は非回転体であってもよい。また、図では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15を1ターンのみ示しているが、通常はスパイラル状又はヘリカル状に複数ターン巻かれている。また、送信アンテナ14と受信アンテナ15の給電端子への引出し部142,152は、図に示す箇所に限らず、任意の箇所に設けることができる。
【0014】
送信アンテナ14及び受信アンテナ15を
図2(a),(b)に示すようなアンテナ形状とすることで、ループ面の外側に軸51が位置することになるため、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間の磁束の鎖交が阻止されない。
また、このアンテナ形状では、
図3に示すように、近くに配置された2本の線路に流れる電流の向き(
図3(a)に示す矢印)が180°異なる。そのため、ループ面の内側の狭い領域では磁束方向が一様となって密となり、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、ループ面の外側では磁束が打ち消し合うため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(軸51)へ到達する。よって、この軸51による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、軸51が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。
【0015】
なお、
図2(a),(b)に示すループ面の両端部間の隙間141,151は、任意に設定可能である。また、送信アンテナ14と受信アンテナ15とが対向する割合が大きくなるほど、電力伝送効率は高くなる。
また、軸51が回転体であり、この回転体を経由して電源ラインを負荷機器等へ接続する場合には、送信アンテナ14と受信アンテナ15が独立に回転する。そのため、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、どのような回転状態であっても少なくとも一部が対向する隙間141,151に設定される。
【0016】
なお
図2(a),(b)では、送信アンテナ14と受信アンテナ15を軸心方向に対向配置した場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図4に示すように、送信アンテナ14と受信アンテナ15を同一平面上で嵌合配置してもよい。
また
図4では、送信アンテナ14の内側に受信アンテナ15を配置した場合を示したが、逆に、受信アンテナ15の内側に送信アンテナ14を配置してもよい。
【0017】
次に、実施の形態1に係る電力伝送装置1の適用例について示す。
図5は、シャフト611付近に送受信部12を設けたものである。
自動車(移動体)61のシャフト611は、構造物としての強度を確保するため、金属部材から構成されている。そのため、従来の電力伝送装置では、このシャフト611を経由した電力伝送に適用することは困難であった。それに対して、本発明の電力伝送装置1では、金属部材による影響を受け難くすることができるため、例えば、本体部612に送信アンテナ14を取付け、シャフト611に受信アンテナ15を取付けることが可能である(
図5に示すアンテナ配置箇所615)。これにより、タイヤ613に設けられたセンサ(空気圧センサ、車速センサ)614等への非接触給電が可能となる。
なお
図5では自動車61を例に示したが、これに限るものではなく、その他の移動体にも同様に適用可能である。
【0018】
また
図6は、ロボットアーム62の回転部621付近に本発明の送受信部12を設けたものである。
ロボットアーム62の回転部621についても、上記と同様に、構造物としての強度を確保するために、金属部材から構成されている。そのため、従来の電力伝送装置では、この回転部621を経由した電力伝送に適用することは困難であった。それに対して、本発明の電力伝送装置1では、金属部材による影響を受け難くすることができるため、
図6に示すアンテナ配置箇所622に送受信部12を設けることが可能である。
【0019】
また
図7は、監視カメラ63の回転部付近に本発明の送受信部12を設けたものである。
360°全方位を監視するような監視カメラ63では、カメラ本体部631を回動するための回転部を有している。そこで、この回転部付近(アンテナ配置箇所632)に本発明の送受信部12を設けることができる。
【0020】
また
図8は、自動車(移動体)64への給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
図8では、自動車64が走行している際又は停止した際に当該自動車64と対向する固定面(道路65)の下に本発明の送信アンテナ14を埋め込み、自動車64のタイヤ641のホイールキャップ642に本発明の受信アンテナ15を内蔵している。これにより、自動車64の金属製のシャフト(不図示)の軸心を中心(略中心の意味を含む)にして受信アンテナ15を配置しても、自動車64が道路65を走行することで又は自動車64が道路65上で停止することで、道路65に設けられた送信アンテナ14から自動車64に設けられた受信アンテナ15へ非接触給電を行うことができる。
【0021】
なお、受信アンテナ15を内蔵したホイールキャップ642を用いることで、既存の自動車に受信アンテナ15を後付けで取付けることが可能となる。また
図8(b)に示すように、送信アンテナ14をヘリカル状とすることで、道路65の幅方向に長い磁界を発生することができるため、自動車64の位置が走行位置又は停止位置から多少ずれても電力伝送が可能となる。
また実際には、送信アンテナ14と受信アンテナ15は、各々、樹脂部材により固められた上で、自動車64と道路65に設けられるものと想定される。そのため、この樹脂部材の厚みを調節することで、道路65に水溜まりがある場合にも電力伝送を十分に行うことが可能となる。
【0022】
また
図8では、ホイールキャップ642に受信アンテナ15を内蔵した場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えばホイール643に受信アンテナ15を内蔵してもよい。
また
図8では自動車64への給電を示した。しかしながら、これに限るものではなく、その他の移動体(電車、無人搬送車(AGV)等)にも同様に適用可能である。
【0023】
また
図9は、インホイールモータ661への給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
近年、タイヤ662毎に電動モータ(インホイールモータ661)を内蔵し、このインホイールモータ661によって駆動を行う自動車(移動体)66が開発されている。そこで、シャフト663に本発明の送信アンテナ14を取付け、インホイールモータ661に本発明の受信アンテナ15を取付けることで、回転するインホイールモータ661に対してシャフト663側から非接触給電が可能となる。
【0024】
なお、インホイールモータ661の内部にはインバータが設けられており、このインバータを電子制御することで自動車66のスピードを調整することができる。よって、電力伝送装置1は単一周波数の電力を伝送すればよい。
また
図9では自動車66を例に示したが、これに限るものではなく、その他の移動体(ミニカー等)にも同様に適用可能である。
【0025】
また
図10は、レーダ装置67の回転部付近に本発明の送受信部12を設けたものである。
360°全方位を監視するようなレーダ装置67では、レーダ本体部671を回動するための回転部を有している。そこで、この回転部付近(アンテナ配置箇所672)に本発明の送受信部12を設けることができる。
【0026】
また
図11は、灯台68の遮光壁681付近に本発明の送受信部12を設けたものである。
灯台68には、ライト(不図示)と、ライトからの光を外部に投光するための開口を有し、回転する遮光壁681とが設けられている。そこで、この遮光壁681付近(アンテナ配置箇所682)に本発明の送受信部12を設けることができる。
【0027】
また
図12は、扇風機69の回転部付近に本発明の送受信部12を設けたものである。
扇風機69では、羽根691を回転するための回転部を有している。そこで、この回転部付近(アンテナ配置箇所692)に本発明の送受信部12を設けることができる。これにより、羽根691の角度を変えたり、回転部より先端側に取付けられたライトを光らせたりする場合等に非接触給電を行うことができる。
なお
図12では扇風機69を例に示したが、これに限るものではなく、その他の羽根691を有する装置(風力発電機、ヘリコプター、プロペラ機、ボートのスクリュー等)にも同様に適用可能である。
【0028】
また
図13は、自動車70のハンドル701のステアリングへの給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
図13では、ステアリングシャフト702の根元部分の回転側に受信アンテナ15を取付け、固定側に送信アンテナ14を取付けている。これにより、ステアリングへの非接触給電が可能となる。
なお
図13では自動車70を例に示したが、これに限るものではなく、その他のハンドル701を有する装置(バイク又は電動自転車等の移動体、ゲーム機等)にも同様に適用可能である。
【0029】
また
図14は、電動自転車71への給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
図14では、電動自転車71の駐輪場に設置された駐輪スタンド72に本発明の送信アンテナ14を取付け、電動自転車71のスポーク711に本発明の受信アンテナ15を取付けている。なお
図14(a)では、図を見やすくするため、送信アンテナ14の図示を省略している。これにより、電動自転車71が駐輪場に駐輪されることで、駐輪スタンド72に設けられた送信アンテナ14から電動自転車71に設けられた受信アンテナ15へ非接触給電を行うことができ、電動自転車71のバッテリー(不図示)へ給電することができる。またこの際、電動自転車71の金属製のシャフト712に対向して、本発明の送信アンテナ14及び受信アンテナ15を配置することができる。
なお
図14では電動自転車71への給電を示したが、これに限るものではなく、電動車いす又はバイク等にも同様に適用可能である。
【0030】
以上のように、この実施の形態1によれば、送信アンテナ14、及び送信アンテナ14との間で無線電力伝送を行う受信アンテナ15を有する送受信部12を備え、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、電流が一方向に流れる箇所に対して反対方向に流れる箇所を沿わせた形状のコイルから成るように構成されたので、周囲に金属部材(軸51)が存在する場合であっても、電力伝送が可能となる。また、従来構成に対して、金属部材と送受信部12との間の空間を狭めることができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0031】
実施の形態2.
実施の形態1では、金属部材である軸51に送受信部12を設けた場合を示した。それに対して、実施の形態2では、金属部材を含む筐体52の内部に送受信部12を配置した場合を示す。なお、電力伝送装置1の全体構成は
図1に示す構成と同様であり、その説明を省略する。
【0032】
図15(a)では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に、送受信部12を配置した場合を示している。なお、送信アンテナ14及び受信アンテナ15の形状は、
図2に示す形状と同一としている。
この場合、実施の形態1と同様に、本発明のアンテナ形状では、近くに配置された2本の線路に流れる電流の向きが180°異なる。そのため、ループ面の内側の狭い領域では磁束方向が一様となって密となり、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、ループ面の外側では磁束が打ち消し合うため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(筐体52)へ到達する。よって、この筐体52による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、筐体52が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。
【0033】
なお
図15(a)では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のループ面の形状を、
図2と同様に円弧状としている。しかしながら、送受信部12を軸51等に巻き付けない場合には、円弧状とする必要はなく、その他の形状(四角状又は棒状等)としてもよい。
【0034】
また
図15(b)では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に、金属製の軸51に間接的に巻き付けられた送受信部12を配置した場合を示している。
この場合にも、実施の形態1と同様に、ループ面の外側に軸51が位置することになるため、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間の磁束の鎖交が阻止されない。
また、本発明のアンテナ形状では、近くに配置された2本の線路に流れる電流の向きが180°異なる。そのため、ループ面の内側の狭い領域では磁束方向が一様となって密となり、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、ループ面の外側では磁束が打ち消し合うため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(軸51及び筐体52)へ到達する。よって、この軸51及び筐体52による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、軸51及び筐体52が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。なお
図15(b)の場合には、送受信部12を、金属部材(軸51及び筐体52)に対して、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のうちの最小のアンテナの内径の10分の1以上離して配置する必要がある。
【0035】
なお
図15では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に送受信部12が配置された場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、全面が金属部材で覆われた筐体52の内部に送受信部12を配置した場合、一部分に金属部材が含まれる筐体52の内部に送受信部12を配置した場合についても、上記と同様である。
また
図15では、金属製の筐体52の内部に送受信部12が配置された場合を示したが、送受信部12の周囲に金属製の他の周辺部材が存在する場合にも上記と同様である。
【0036】
また
図15では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のループ面を、軸心方向に垂直な方向に向けた場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図16に示すように、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のループ面を、軸心方向に向けてもよい。これにより、軸心方向に垂直な面に存在する金属部材による影響をより抑えることができる。
なお
図16では、送信アンテナ14の内側に受信アンテナ15を配置した場合を示したが、逆に、受信アンテナ15の内側に送信アンテナ14を配置してもよい。また
図16では、送信アンテナ14と受信アンテナ15を嵌合配置した場合を示しているが、軸心方向に沿って対向配置してもよい。
【0037】
次に、実施の形態2に係る電力伝送装置1の適用例について示す。
図17は、自動車(移動体)73のエンジンルーム731の内部に本発明の送受信部12を配置したものである。
自動車73のエンジンルーム731は金属部材から成り、また、エンジンルーム731の内部には金属部材から成る多くの機器732が設けられている。そのため、従来の電力伝送装置では、このエンジンルーム731の内部に配置することは困難であった。それに対して、本発明の電力伝送装置1では、金属部材による影響を受け難くすることができるため、エンジンルーム731の内部(アンテナ配置箇所734)に送受信部12を配置することが可能である。これにより、例えば、エンジンルーム731の内部に設けられたセンサ733等への非接触給電が可能となる。
なお
図17では自動車73を例に示したが、これに限るものではなく、その他の移動体にも同様に適用可能である。
【0038】
また
図18は、自動車(移動体)74への給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
図18では、自動車74が走行している際又は停止した際に当該自動車74と対向する固定面(道路75)の下に本発明の送信アンテナ14を埋め込み、自動車74のタイヤ741のトレッド面等に本発明の受信アンテナ15を内蔵している。これにより、自動車74が道路75を走行することで又は自動車74が道路75上で停止することで、道路75に設けられた送信アンテナ14から自動車74に設けられた受信アンテナ15へ非接触給電を行うことができる。
【0039】
なお実際には、送信アンテナ14と受信アンテナ15は、各々、樹脂部材により固められた上で、自動車74と道路75に設けられるものと想定される。そのため、この樹脂部材の厚みを調節することで、道路75に水溜まりがある場合にも電力伝送を十分に行うことが可能となる。
また
図18では自動車74への給電を示した。しかしながら、これに限るものではなく、その他の移動体(無人搬送車(AGV)等)にも同様に適用可能である。
【0040】
また
図19は、リニアモーターカー(移動体)76への給電に本発明の電力伝送装置1を適用したものである。
図19では、リニアモーターカー76が走行している際又は停止した際に当該リニアモーターカー76と対向する固定面(路面77)に本発明の送信アンテナ14を設け、リニアモーターカー76の底面に本発明の受信アンテナ15を設けている。なお、送信アンテナ14は路面77に対して垂直に配置され、受信アンテナ15はリニアモーターカー76の底面に対して垂直に配置されている。これにより、リニアモーターカー76が路面77を走行することで又はリニアモーターカー76が路面77上で停止することで、路面77に設けられた送信アンテナ14からリニアモーターカー76に設けられた受信アンテナ15へ非接触給電を行うことができる。
【0041】
なお
図19では、路面77に送信アンテナ14を設け、リニアモーターカー76の底面に受信アンテナ15を設けた場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、リニアモーターカー76が走行している際又は停止した際に当該リニアモーターカー76と対向する固定面である側壁に送信アンテナ14を設け、リニアモーターカー76の側面に受信アンテナ15を設けてもよい。
また
図18ではリニアモーターカー76への給電を示したが、これに限るものではなく、その他の浮上物体(ホバークラフト等)にも同様に適用可能である。
【0042】
以上のように、この実施の形態2によれば、送信アンテナ14、及び送信アンテナ14との間で無線電力伝送を行う受信アンテナ15を有する送受信部12を備え、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、電流が一方向に流れる箇所に対して反対方向に流れる箇所を沿わせた形状のコイルから成るように構成されたので、周囲に金属部材(筐体52及び他の周辺部材)が存在する場合であっても、電力伝送が可能となる。また、従来構成に対して、金属部材と送受信部12との間の空間を狭めることができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0043】
実施の形態3.
実施の形態2では、金属部材を含む筐体52の内部に送受信部12を配置した場合を示した。それに対して、実施の形態3では、送受信部12と金属部材との間にシールド部材53を配置した場合を示す。
【0044】
シールド部材53は、
図20に示すように、送受信部12と金属部材との間に配置されるものである。なお
図20では金属部材の図示を省略している。シールド部材53としては、磁性シート又は金属ループを用いることができる。磁性シートは、フェライト又はアモルファス等のように透磁率の実部が高く虚部が低い磁性体をシート状に構成したものである。このシールド部材53は、周囲の金属部材の全てに対向配置してもよいし、一部分にのみ対向配置してもよい。なお、
図20(a)は前面を除く全ての面をシールド部材53で囲った場合を示し、
図20(b)は上下面のみにシールド部材53を配置した場合を示し、
図20(c)は左右面のみにシールド部材53を配置した場合を示している。
このように、シールド部材53を用いることで、送受信部12からの磁界が周囲の金属部材に漏洩することを更に低減することができ、電力伝送効率を更に高めることができる。
【0045】
また、送受信部12からは磁界だけではなく電界も放射される。そこで、この電界が金属部材側に漏れることを防ぐため、例えば
図21に示すように、シールド部材53を、2枚の磁性シート531と、自由電子を有し、2枚の磁性シート531の間に配置された導体532とから構成してもよい。なお、導体532としては、例えば、銅又はアルミ等の金属部材、炭素繊維、導電性プラスチック等が挙げられる。また、導体532は、例えば、シート状、メッシュ状又はループ状等の形状に構成される。
なお
図21では導体532の両面に磁性シート531を設けた場合を示したが、片面のみに磁性シート531を設けるようにしてもよい。
【0046】
以上のように、この実施の形態3によれば、送受信部12と金属部材との間に配置されたシールド部材53を備えたので、実施の形態2に対して、送受信部12からの磁界が金属部材に漏洩することを更に低減することができ、電力伝送効率を更に高めることができる。
【0047】
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、送受信部12を1系統設けた場合を示した。それに対して、実施の形態4では、送受信部12を複数系統設けた場合を示す。なお図では、送受信部12を3系統設けた場合を示し、各機能部の符号に接尾記号a〜cを付している。
【0048】
図22は、同一平面上の軸心周りに複数系統の送信アンテナ14を設けて、同一平面上の軸心周りに複数系統の受信アンテナ15を設けて、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を軸心方向に沿って対向配置したものである。なお
図22では、給電端子への引出し部142,152の図示を省略している。
ここで、軸51が非回転体の場合には、
図22に示すように、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を1対1で対向させることで、各系統で独立した電力伝送が可能となる。
【0049】
一方、軸51が回転体であり、当該回転体を経由した多重電力伝送を行う場合には、送信アンテナ14と受信アンテナ15がそれぞれ独立して回転することになる。例えば、
図22に示すように、送信アンテナ14aから受信アンテナ15aへ電力伝送を行っている状態から、送信側又は受信側が120°回転すると、送信アンテナ14aは別の系統の受信アンテナ(15b又は15c)と対向することになる。そこで、送信側又は受信側に、上記回転に伴って送信アンテナ14と受信アンテナ15の系の切替えを行う制御部を設ける。これにより、回転体を経由した多重電力伝送であっても、各系統で独立した電力伝送が可能となる。
なお、
図22に示す状態から送信側又は受信側が例えば60°回転すると、1つの送信アンテナ14に対して2つの受信アンテナ15が同じだけ対向することになり、系の切替えを行うことができない。そこで、例えば、このような状態となる前後10°の範囲では全系統の電力伝送をオフとする制御を行うようにしてもよい。
また、各系統で独立した電力伝送を行う必要がない場合には、上記のような系の切替えは不要である。
【0050】
また
図23は、同一平面上の軸心周りに複数系統の送信アンテナ14を設けて、当該同一平面上の軸心周りに複数系統の受信アンテナ15を設けて、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を嵌合配置したものである。なお
図23では、給電端子への引出し部142,152の図示を省略している。このようなアンテナ配置であっても、
図22に示す構成の場合と同様に、多重電力伝送が可能となる。
なお
図23では、送信アンテナ14の内側に受信アンテナ15を配置した場合を示したが、逆に、受信アンテナ15の内側に送信アンテナ14を配置してもよい。
【0051】
また
図24は、送信アンテナ14と受信アンテナ15を軸心方向に沿って対向配置し、各系統の送受信部12を軸心方向に沿って対向配置したものである。このようなアンテナ配置であっても、
図22に示す構成の場合と同様に、多重電力伝送が可能となる。
なお
図24に示すアンテナ配置であっても、隣接する系統間(例えば送信アンテナ14bと受信アンテナ15aとの間等)での電力の漏洩はない。すなわち、本発明では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15の形状を、従来のアンテナ形状を凹ませたような形状としており、ループ面(電力が伝送される領域)を狭めている。そのため、各系統の送受信部12を近くに配置しても系統間での電力の漏洩を回避することができる。よって、従来構成の場合のように系統間にシールド部材を設ける必要はない。
【0052】
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1〜4とは異なるアンテナ形状の送信アンテナ14及び受信アンテナ15を用いて、周囲に存在する金属部材による影響を低減する構成を示す。なお、電力伝送装置1の全体構成は
図1に示す構成と同様であり、その説明を省略する。
【0053】
送信アンテナ14及び受信アンテナ15の構成例について、
図25を参照しながら説明する。なお
図25(a),(b)では、送信アンテナ14と受信アンテナ15が軸心方向に対向配置された場合を示している。
この
図25(a),(b)に示すように、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、自身の外径よりも小さく同一平面上にループ面が向いたスパイラル状の複数のコイル143,153がカスケード接続されて構成されている。また
図25(a),(b)では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15の軸心に金属部材である軸51が配置された場合を示している。
【0054】
なお図では、軸51を機構的な回転体とし、送信アンテナ14と受信アンテナ15が独立して回転可能な場合を示しているが、軸51は非回転体であってもよい。また、図では、コイル143,153をスパイラル状とした場合を示しているが、ヘリカル状としてもよい。また、コイル143,153の形状及び巻き数は図に示す形状及び巻き数に限らない。
【0055】
送信アンテナ14及び受信アンテナ15を
図25(a),(b)に示すようなアンテナ形状とすることで、スパイラル状又はヘリカル状に巻かれた小型のコイル143,153で磁束密度の高い磁界が発生し、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、コイル143,153は送信アンテナ14及び受信アンテナ15のサイズに対して十分小さいため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(軸51)へ到達する。よって、この軸51による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、軸51が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。なお、送受信部12を、金属部材(軸51)に対して、コイル143,153のうちの最小のコイルの半径以上離すことで、最も電力伝送効率が高くなる。
【0056】
また、軸51が回転体であり、この回転体を経由して電源ラインを負荷機器等へ接続する場合には、送信アンテナ14と受信アンテナ15が独立に回転する。そこで、コイル143,153の数を多く設けることで、コイル143とコイル153との対向期間を長い期間確保することができ、より電力伝送効率が高くなる。
【0057】
なお
図25(a),(b)では、送信アンテナ14と受信アンテナ15を軸心方向に対向配置した場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図26に示すように、送信アンテナ14と受信アンテナ15を同一平面上で嵌合配置してもよい。
なお
図26では、送信アンテナ14の内側に受信アンテナ15を配置した場合を示したが、逆に、受信アンテナ15の内側に送信アンテナ14を配置してもよい。またこの場合、送信アンテナ14のコイル143と受信アンテナ15のコイル153を、コイル143,153のうちの最小のコイルの半径より短い距離に近づけることで、電力伝送効率を高めることができる。
【0058】
また、
図25,26では、送信アンテナ14のコイル143と受信アンテナ15のコイル153を同数とした場合を示したが、異なる数としてもよい。例えば
図27に示すように、送信アンテナ14のコイル143の数を、受信アンテナ15のコイル153の数に対して多くすることで、より滑らかな電力伝送が可能となる。
【0059】
また、実施の形態5に係る電力伝送装置1は、例えば
図5〜14に示す構成に適用可能である。
【0060】
以上のように、この実施の形態5によれば、送信アンテナ14、及び送信アンテナ14との間で無線電力伝送を行う受信アンテナ15を有する送受信部12を備え、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、自身の外径よりも径が小さく同一平面上にループ面が向いたスパイラル状又はヘリカル状の複数のコイル143,153がカスケード接続されて成るように構成されたので、周囲に金属部材(軸51)が存在する場合であっても、電力伝送が可能となる。また、従来構成に対して、金属部材と送受信部12との間の空間を狭めることができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0061】
実施の形態6.
実施の形態5では、金属部材である軸51に送受信部12を設けた場合を示した。それに対して、実施の形態6では、金属部材を含む筐体52の内部に送受信部12を配置した場合を示す。なお、電力伝送装置1の全体構成は
図1に示す構成と同様であり、その説明を省略する。
【0062】
図28(a)では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に、送受信部12を配置した場合を示している。なお、送信アンテナ14及び受信アンテナ15の形状は、
図25(b)に示す形状と同一としている。
この場合、実施の形態5と同様に、本発明のアンテナ形状では、スパイラル状又はヘリカル状に巻かれた小型のコイル143,153で磁束密度の高い磁界が発生し、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、コイル143,153は送信アンテナ14及び受信アンテナ15のサイズに対して十分小さいため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(筐体52)へ到達する。よって、この筐体52による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、筐体52が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。なお、送受信部12を、金属部材(筐体52)に対して、コイル143,153のうちの最小のコイルの半径以上離すことで、最も電力伝送効率が高くなる。
【0063】
また
図28(b)では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に、金属製の軸51を軸心に有する送受信部12を配置した場合を示している。
この場合にも、実施の形態5と同様に、本発明のアンテナ形状では、スパイラル状又はヘリカル状に巻かれた小型のコイル143,153で磁束密度の高い磁界が発生し、この磁束密度の高い磁界を利用して、送信アンテナ14から受信アンテナ15への電力伝送を行う。一方、コイル143,153は送信アンテナ14及び受信アンテナ15のサイズに対して十分小さいため、アンテナ周囲には磁束密度が高い磁界は広がらず、磁束密度の低い磁界のみがアンテナ周囲に存在する金属部材(軸51及び筐体52)へ到達する。よって、この軸51及び筐体52による影響(渦電流損等)を低減することができ、エネルギー効率の高い電力伝送を行うことが可能である。
以上から、軸51及び筐体52が金属部材であっても、送信アンテナ14と受信アンテナ15との間で電力伝送が可能となる。なお
図28(b)の場合には、送受信部12を、金属部材(軸51及び筐体52)に対して、送信アンテナ14及び受信アンテナ15のうちの最小のアンテナの内径の10分の1以上離して配置する必要がある。
【0064】
なお
図28では、前面が開放された金属製の筐体52の内部に送受信部12が配置された場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、全面が金属部材で覆われた筐体52の内部に送受信部12を配置した場合、一部分に金属部材が含まれる筐体52の内部に送受信部12を配置した場合についても、上記と同様である。
また
図28では、金属製の筐体52の内部に送受信部12が配置された場合を示したが、送受信部12の周囲に金属製の他の周辺部材が存在する場合にも上記と同様である。
【0065】
また、実施の形態3と同様に、送受信部12と金属部材との間にシールド部材53を配置してもよい。このように、シールド部材53を用いることで、送受信部12からの磁界が金属部材に漏洩することを更に低減することができ、電力伝送効率を更に高めることができる。
また、実施の形態3の
図21と同様に、シールド部材53を、2枚の磁性シート531と、自由電子を有し、その2枚の磁性シート531の間に配置された導体532とから構成してもよい。これにより、送受信部12からの電界が金属部材に漏洩することを防ぐことができる。また
図21では、導体532の両面に磁性シート531を設けた場合を示しているが、片面のみとしてもよい。
【0066】
また、実施の形態6に係る電力伝送装置1は、例えば
図17,18に示す構成に適用可能である。
【0067】
以上のように、この実施の形態6によれば、送信アンテナ14、及び送信アンテナ14との間で無線電力伝送を行う受信アンテナ15を有する送受信部12を備え、送信アンテナ14及び受信アンテナ15は、各々、自身の外径よりも径が小さく同一平面上にループ面が向いたスパイラル状又はヘリカル状の複数のコイル143,153がカスケード接続されて成るように構成されたので、周囲に金属部材(筐体52又は他の周辺部材)が存在する場合であっても、電力伝送が可能となる。また、従来構成に対して、金属部材と送受信部12との間の空間を狭めることができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0068】
実施の形態7.
実施の形態5,6では、送受信部12を1系統設けた場合を示した。それに対して、実施の形態7では、送受信部12を複数系統設けた場合を示す。なお図では、送受信部12を3系統設けた場合を示し、各機能部の符号に接尾記号a〜cを付している。
【0069】
図29は、同一平面上の軸心周りに複数系統の送信アンテナ14を設けて、同一平面上の軸心周りに複数系統の受信アンテナ15を設けて、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を軸心方向に沿って対向配置したものである。
ここで、軸51が非回転体の場合には、
図29に示すように、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を1対1で対向させることで、各系統で独立した電力伝送が可能となる。
【0070】
一方、軸51が回転体であり、当該回転体を経由した多重電力伝送を行う場合には、送信アンテナ14と受信アンテナ15がそれぞれ独立して回転することになる。例えば、
図29に示すように、送信アンテナ14aから受信アンテナ15aへ電力伝送を行っている状態から、送信側又は受信側が120°回転すると、送信アンテナ14aは別の系統の受信アンテナ(15b又は15c)と対向することになる。そこで、送信側又は受信側に、上記回転に伴って送信アンテナ14と受信アンテナ15の系の切替えを行う制御部を設ける。これにより、回転体を経由した多重電力伝送であっても、各系統で独立した電力伝送が可能となる。
なお、
図29に示す状態から送信側又は受信側が例えば60°回転すると、1つの送信アンテナ14に対して2つの受信アンテナ15が同じだけ対向することになり、系の切替えを行うことができない。そこで、例えば、このような状態となる前後10°の範囲では全系統の電力伝送をオフとする制御を行うようにしてもよい。
なお、各系統で独立した電力伝送を行う必要がない場合には、上記のような系の切替えは不要である。
【0071】
また
図30は、
図29の構成に対してアンテナ形状を変更したものである。すなわち、
図30に示すアンテナでは、アンテナループの一部分(軸51に対向する部分)にのみコイル143,153が設けられている。このようなアンテナ形状であっても、上記と同様に、電力伝送が可能となる。すなわち、スパイラル状又はヘリカル状に複数巻かれたコイル143,153に磁束密度の高い磁界が発生し、アンテナループの直線部144,154には磁束密度の高い磁界は発生しないためである。
【0072】
また
図31は、同一平面上の軸心周りに複数系統の送信アンテナ14を設けて、当該同一平面上の軸心周りに複数系統の受信アンテナ15を設けて、各系統の送信アンテナ14と受信アンテナ15を嵌合配置したものである。このようなアンテナ配置であっても、
図29に示す構成の場合と同様に、多重電力伝送が可能となる。
なお
図31では、送信アンテナ14の内側に受信アンテナ15を配置した場合を示したが、逆に、受信アンテナ15の内側に送信アンテナ14を配置してもよい。
【0073】
実施の形態8.
実施の形態1〜7では、アンテナ形状を工夫することで金属部材の近くに配置可能とする構成を示した。この構成に加え、
図32に示すように、送受信部12の磁界位相を系統間で変えることで、系統間の相互干渉を低減することができる。
図32の例では、
図24に示す3系統の送受信部12のうち、外側の2つの送受信部12a,12cの磁界位相を実線で示し、真ん中の送受信部12bの磁界位相を破線で示し、それぞれ180度ずらした場合を示している。
【0074】
なお、実施の形態1〜8では、送信アンテナ14及び受信アンテナ15を各々単一のコイルから構成する場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、各コイルを、各々例えば給電用コイル及び共鳴用コイルから構成してもよく、2個以上のコイルで構成するようにしてもよい。
【0075】
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
送信アンテナ(14)、及び送信アンテナ(14)との間で無線電力伝送を行う受信アンテナ(15)を有する送受信部(12)を備え、送信アンテナ(14)及び受信アンテナ(15)は、各々、電流が一方向に流れる箇所に対して反対方向に流れる箇所を沿わせた形状のコイルから成る。