(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサが、前記接触の角度が前記組織に対して垂直である所定の角度範囲外にある前記入力を前記マップに含めることから拒否するよう構成される、請求項2に記載の装置。
前記接触品質が所定の接触判定基準を満たしていた間に前記コンプレックス細分化電位図が検出された、前記左心房中の部位を切除するために、前記プローブにエネルギーを適用するよう操作可能であるエネルギー発生機を含む、請求項8に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概論
左心房細動のための標準的治療は、現在、AFの残存駆動体を除去するために肺静脈(PVI)周辺及び他の部位におけるカテーテルアブレーションを含む。背景技術部分で上述したように、米国特許出願公開第2007/0197929号は、更なるアブレーションのための対象である高度に細分化した電位図の位置を示すCFAEマップを取得するための方法を記載している。
【0016】
しかしながら、CFAE現象は非常に変動する。CFAEを同定するための自動アルゴリズムは、信頼性が高く再現可能であるが、重要な細動基質(衝突、阻止、転心、遅伝導又は神経叢)を表わす真に活動的なCFAE部位を同定するのみでなく、観察された細分化が局所的細動活動よりはむしろファーフィールド現象の結果である
受動的CFAEポイントも同定する。
受動的CFAEポイントでは、細分化電位図は、隣接する構造からの信号の総和及び細分化を起こす心房の複雑な三次元組織学的構造から生じる可能性がある。更に、慢性AF患者では、心臓組織の構造的リモデリングは、双極性電位図信号の
受動的細分化を起こす、電位の非同期伝搬及び不連続的伝搬をしばしば起こす。細分化が局部的である活動的CFAE部位のアブレーションのみが、実際には患者に有益である。
【0017】
活動的CFAE及び
受動的CFAEの間の区別は、参照によって本明細書に援用される、「Classifying Fractionated Electrograms in Human Atrial Fibrillation Using Monophasic Action Potentials and Activation Mapping:Evidence for localized Drivers,Rate Acceleration and Non−Local Signal Etiologies」(Heart Rhythm(2010))と題されたNarayanらによる論文中で強調されている。筆者らは、単相性活動電位(MAP)及び活動的シーケンスを用いて分離され得る明確な機能型にヒトAF中のCFAEを分類している。MAPは、CFAEが局所的又は非局所的活動によって発生するかどうかを示す。筆者らは、CFAEの少数のみが局所的急速AF部位を表示することを見出した。CFAEの大部分は、通常は細動プロセスに重要でない、上述のCFAEポイントの「
受動」型に相当するファーフィールド信号、AF加速又は崩壊を反映することが判明した。
【0018】
受動的CFAE部位の切除は、不必要で時間を要するのみならず、心臓機能を危険にさらす合併症へと導く可能性がある。したがって、本発明の実施形態は、マッピング中の活動的CFAEポイント及び
受動的CFAEポイント間を区別するために用いられ得る方法を提供する。このようなマッピングは、後続するアブレーションを実際の治療的重要な場所に制限することにおいて有用である。この方法で作成されたマップは、外科医が、不必要なアブレーション、並びに結果的に生じる心房機能の障害、側枝損傷及び非定型フラッターを一方で回避しながら、CFAEの真の活動的部位でのアブレーションをより選択的に実施することを可能にする。
【0019】
CFAEの測定の品質は、記録時間、接触領域、単極対双極記録、並びに適当なフィルタリングなどの記録パラメータの適切な選択に依存する。本発明の実施形態は、測定プローブ(一般的には適切な電極を有するカテーテル)と心臓組織との間の接触品質が、活動的CFAEと
受動的CFAEとの間を区別する上での決定因子であるという特定の仮定に基づいている。特に、MAPと活動的CFAEとの間の相関性は、プローブと組織との間の適切な接触力及び接触角度(垂直に近い)の双方が、活動的CFAEの同定において重要であるという結論を導く。
【0020】
その開示を参照により本明細書に援用する、2009年12月8日に出願された米国特許明細書第12/633324号は、先端圧力センサを備えたカテーテルによってなされた測定に基づいた接触ゲート制御マッピングを記載している。電子生理学的マッピングデータの取得は、プローブと組織との間の適当な接触がある場合にのみデータ測定点が取得されるようにゲート制御されている。接触品質は、組織に対してプローブにより及ぼされた接触圧力を測定することによって検証される。マップのデータポイントは、接触品質が所望範囲内にある時のみ取得される。接触品質が範囲外の場合、操作者にカテーテルを再位置決めするよう促してもよい。
【0021】
本発明の実施形態は、以下に説明するように、細分化電位図のマッピングの品質を制御及び改善するために、このマッピング法の原則を更に一歩進めたものである。開示された実施形態では、マッピングプロセッサは、被験者の心臓の室内の対応する位置にてプローブによって測定された電気入力を受信する。位置のそれぞれにて、プロセッサは、通常はプローブ中の適切な接触センサを用いてプローブと心臓組織との間の接触品質を測定する。次にプロセッサは、電気入力及び測定された接触品質を用いて心臓の室内のコンプレックス細分化電位図のマップを作成する。マップポイントの処理での接触品質測定値の使用は、操縦者の専門的技術及びマッピングスタイルから独立した客観的な判定基準を導入する。
【0022】
一般的に、プロセッサは、活動的細分化と
受動的細分化との間を区別するために接触品質を用いる。この目的のために、プローブと組織との間の接触の角度若しくは接触の力のいずれかを、又は双方を測定するために、プロセッサはプローブ中のセンサを用いることができる。一実施形態では、接触の角度が組織に垂直の所定の範囲外にあれば、又は力が所定の力範囲外であれば、マップ入力は拒否される。
【0023】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、CFAEのマッピング及び治療のためのシステム20を概略的な絵図で示したものである。システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,California)製造のCARTO(商標)システムに基づき得る。システム20は、患者24の心臓22の電子生理学的マップの作成において、通常は心臓医である操縦者26によって使用されるカテーテルのようなプローブ28を含む。操作者26は、プローブ28の遠位端30が心臓の室に進入するように、患者24の脈管系を通してプローブ28を挿入する。操縦者は、プローブの遠位先端部が所望の位置にて心室内の心臓内組織と係合するように、体内でプローブを進め操作する。
【0024】
プローブ28は、マッピングプロセッサ34を含むコンソール32にその近位端にて連結されている。この実施形態でのプロセッサ34は、心臓22内側の遠位端30の位置座標を判定するための磁気位置検知を用いている。この目的のために、コンソール32は、患者24の体内で磁界を発生させるように磁界発生機36を駆動する。通常、磁界発生機36は、既知の位置にて患者の胴体の下に設置され、心臓22を含む所定の実行容積で磁場を発生させるコイルを含む。プローブ28の遠位端30内の磁界センサ(
図3A〜3Cに示す)が、これらの磁界に応じて電気信号を出力する。マッピングプロセッサ34は、これらの信号を処理して、典型的には位置座標及び配向座標の双方を含む、遠位端30の位置座標を決定する。上述した位置検知の方法は、上記のCARTO(商標)システムで実行される。あるいは、システム20は、超音波又はインピーダンス系の検知などの、当該技術分野において既知の位置検知の任意のその他の適切な方法を用いてもよい。
【0025】
マッピングプロセッサ34は、典型的には、プローブ28からの信号を受信し、システム20の他の構成要素を制御するための、適切なフロントエンド回路及びインターフェース回路を備えた、汎用コンピュータを含む。プロセッサ34は、本明細書で説明する機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされてもよい。ソフトウェアは、例えばネットワークを通じて電子的形態でコンソール32にダウンロードするか、又は、光学的、磁気的、若しくは電子的記録媒体などの有形媒体上に提供することができる。あるいは、プロセッサ34の機能の一部又はすべてが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0026】
プローブ28及びシステム20の他の構成要素から受信した信号に基づいて、プロセッサ34はディスプレイ40を駆動して、心臓の電子生理学的活動のマップ38を操縦者26に提示する。本発明の実施形態では、以下に詳述するように、プロセッサ34は遠位端30と心臓22内の組織との間の接触の品質を測定し、接触品質をマップ38に入るプローブからのデータの選択及び制御に使用する。特に、プロセッサは、マップに特定の接触品質判定基準に合致するようなポイントのみ含め、これらの判定基準外になったポイントを拒否すると同時に、CFAEをマップ表示してもよい。
【0027】
ディスプレイ40は、患者の体内の遠位端30の位置及び進行状況情報に関する視覚的フィードバック、並びに進行中の手順に関する指導を提供してもよい。例えば、ディスプレイ40は、接触力や接触角度などの、遠位端30と心臓内組織との間の接触品質に関して、操縦者26に視覚的フィードバックを提供してもよい。接触パラメータが規定範囲外であれば、プロセッサ34は操縦者26にプローブ28を再位置決めするよう促す。
【0028】
あるいは又はこれに加えて、システム20は、プローブ28を患者24の体内で操作し動かすための自動ロボット機構(図示せず)を備えていてもよい。そのような機構は、典型的には、プローブの長手方向の動き(前進/後退)、及びプローブの遠位端30の横方向の動き(偏向/操舵)の双方を制御することが可能である。このような実施形態では、プロセッサ34は、遠位端30の位置及び接触パラメータの位置の双方を表示する、プローブによって提供された信号に基づいて、プローブ28の動きを制御するための制御入力を発生させる。
【0029】
コンソール32はまた、心臓22内の病理部位を切除するためにプローブ28にエネルギーを提供する、エネルギー発生機42を含む。例えば、エネルギー発生機42は、高周波数(RF)アブレーションを実行するために、プローブ28の遠位先端部にてRFエネルギーを電極に提供してもよい(後続の図に表示)。アブレーションは、後で詳細に述べるように、マップ38によって活動的CFAEの部位に導かれてもよい。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による、プローブ28の操作を示す、心臓22の概略的断面図である。この図は、心臓22の左心房58中の典型的マッピング手順を図示しているが、この実施形態の原理は、心臓の他の室内で同様に実行され得る。
【0031】
左心房58をマップ表示するために、シース50が、下大静脈52を通って心臓の右心房54中に入るように、通常は脈管系を経て挿入され、次に心房中隔56を穿刺することによって左心房へと貫通する。プローブ28の遠位端30は、シース50を通して左心房58中に挿入される。カテーテルの遠位先端部における電極60は、左心房58中の複数の位置にて心臓内組織62と接触させられる。電極60は通常、プラチナ/イリジウム合金又はその他の適切な伝導体などの金属材料からできている。
【0032】
カテーテル28が組織62と接触している心房58中の各位置において、プロセッサ34は電極60から(場合によっては、遠位端30の長さに沿った他の電極[図示せず]から)の電気信号を受信する。プロセッサは、プローブ先端部と組織との間の接触の品質を表示する信号はもとより、位置を示す位置信号、及び所望により遠位端30の配向を示す信号も受信する。上述したように、位置信号は磁気位置検知の結果であってもよく、又は位置検知の任意の他の適切な方法の結果であってもよい。接触品質信号は、上述の特許出願で記載されたような、当該技術分野において既知の任意の適切な方法で誘導されることができ、典型的には、遠位端30と組織62との間の少なくとも接触の力並びに接触の角度を表示するものである。
【0033】
以下に更に説明するように、プロセッサ34は、左心房58中のCFAEのマップの作成において、電気信号、位置信号、及び接触品質信号を用いる。上術したように、マップは、特に活動的なCFAE部位、すなわち局所的CFAEの部位を表示する。操縦者26は次に、通常は肺静脈64の開孔周辺の切除に加えて活動的CFAE部位を切除するために、RFエネルギーを電極60に適用することによって左心房中の不整脈を治療することができる。
【0034】
図3A、3B及び3Cは、本発明の一実施形態による、プローブ28の遠位端30の概略側面図である。これらの図は、心臓の電気的活動のマップ作成に用いられる遠位端30の機能要素を示す。
図3Aでは、遠位端30が心臓内組織62に近づく様子が示されているが、プローブの遠位先端部における電極60は、組織とはまだ接触していない。
図3B及び3Cは、異なる接触形体を示している。
【0035】
遠位端30の位置センサ74はコンソール32に、遠位端30の位置座標を表示する信号を発生させる。磁気位置検知に関して、位置センサは、1つ又はそれ以上の小型コイルを備えてもよく、通常、異なる軸に沿った向きの複数のコイルを備える。あるいは、位置センサ74は、別の種類の磁気センサ、又は位置変換器として機能する電極、又は超音波位置センサなどの他の種類の位置変換器のいずれかを含んでもよい。
図3A〜3Cは、単一位置センサを備えたプローブを示しているが、他の実施形態では、複数の位置センサを備えたプローブを用いてもよい。更に、別の方法として又はこれに追加して、遠位端30は、プローブの位置を探すために体外の検知コイルによってその磁界が受信される、磁界発生機を含んでもよい。更に別の方法として、蛍光法又は当該技術分野において既知である撮像の他の方法によって、遠位端30の位置が探索されてもよい。
【0036】
遠位端30の変位センサ72は、プローブの遠位先端部と心臓内組織62との間の接触を検知する。センサ72は、遠位端30中の弾性部材70の変形を表す信号をプロセッサ34に発生させる。この変形の量及び方向は、組織に対してプローブの遠位先端部によって及ぼされた力及び接触の角度の双方を示している。この種のプローブ及び検知配列の更なる詳細は、上述した米国特許出願公開第2009/0093806号及び第2009/138007号に記載されている。あるいは、遠位端30は、他の適切な種類の接触センサを含んでもよい。
【0037】
図3Bでは、電極60と組織との間の良好な電気的接触を確実にするために、遠位端30は適切な接触力(通常は20〜30グラム)で、組織62と正面から係合する。組織接触の結果として、弾性部材70が圧縮され、センサ72からプロセッサ34へ送られる信号は、この正面圧縮を表示する。この組織接触形体では、電極60によって検知された電気信号は、一般的に局所的組織活動によって支配される。この形体でCFAEが検出されれば、電極によって接触された組織部位が活動的CFAE部位である可能性が高い。これとは対照的に、
図3Aに示される形体では、電極60によって検知されたいかなるCFAE活動も、局所的起源によるものよりむしろファーフィールドによって大きく影響される可能性が高い。
【0038】
図3Cでは、部材70が曲がった結果として、遠位端30は組織62に斜めに係合している。この接触形体では、プローブの遠位端と組織との間に十分な接触力がある場合でも、電極60によって検知された電気信号がファーフィールドの影響をより受けやすい可能性がある。したがって、もしこの形体でCFAEが検出されれば、問題の組織の位置は、活動的CFAE部位よりは
受動的CFAE部位である可能性が高い。プロセッサ34に送られるセンサ72による信号出力は、曲げ角度、並びに接触力を示し、したがってプロセッサは、組織の位置を活動的CFAE部位又は
受動的CFAE部位に分類する評価において、接触の角度を考慮に入れてもよい。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態による、CFAEのマッピング及び治療のための方法を概略的に示したフローチャートである。便宜上及び簡略化のために、上述したように、本方法は、プローブ28及びシステム20の他の構成要素を参照して以下に説明される。あるいは、この方法の原理は、適切な検知及び信号処理能力を備えた任意の適切な種類の電子生理学的マッピングシステムを用いて適用されてもよい。更に、以下に記載する方法は、プローブ28の操作において操縦者26の相互作用を伴うが、本方法の工程の少なくとも幾つかは、上述したように、ロボット制御下で自動的にシステム20によって代替的に実施されてもよい。
【0040】
本方法の第一工程として、解剖マッピング工程80にて、心臓の対象の室(本例では左心房58)の解剖マップを取得することが有用である。マップは、当該技術分野において既知の任意の適切な方法によって取得されることができる。例えば、プロセッサ34は、操縦者26がプローブを心房58内で移動させる際にプローブ28から位置座標を収集することができ、次にこの座標の収集を処理して心房の内壁に相当するその境界表面を見つけることができる。これに加えて又は代わりに、プロセッサ34は、心房58を表示するためにセグメント化された、前もって取得された超音波又はCT画像と共にプローブ28の場所を記録してもよい。更に別の方法として、解剖マップは、CFAEマッピングと同時に取得されてもよい。
【0041】
CFAEマップポイントの取得のために、信号取得工程82において、操縦者26は、電極60が組織62に係合するように遠位端30を配置させる。細分化を検出するために、プロセッサ34は電極60からの信号を受信及び解析し、このようにしてCFAEのポイントを同定する。上述した米国特許出願公開第2007/0197929号に記載された方法などの、信号解析の任意の適切な方法が、この目的のために用いられ得る。
【0042】
しかしながら、CFAEポイントをマップに追加する前に、プロセッサ34は、センサ72による信号出力に基づいて、接触品質をチェックする。通常は、プロセッサは、力点検工程84において、接触の力が許容範囲内であるかどうかをチェックする。例えば、プロセッサは、力が5〜40グラム、又はより厳密には20〜30グラムであることを確認することができる。これに加えて又は代わりに、プロセッサは、接触の角度が垂直であるか又はそれに近いかどうかをチェックし、すなわちプロセッサは、プローブ28の遠位端30が組織60に対して垂直の所定の角度範囲内にあるかを確認する。プローブと組織との間の接触の局所的角度を直接的に正確に測定することは困難であるため、プロセッサは、センサ72によって表示された曲げ角度から接触角度を推測してもよい。例えば、仮にセンサ72によって表示された曲げ角度が15°未満であれば、プロセッサは接触角度が垂直の許容範囲内にあると結論づけてもよい。
【0043】
もし上記の接触品質判定基準がCFAEのポイントで満たされていれば、プロセッサ34は、そのCFAEポイントを活動的CFAE部位として分類し、アクティブマッピング工程88にて、それをCFAEマップに加える。他の方法として、プロセッサはCFAEポイントを棄却してもよく、また所望により操縦者26に接触力及び/又は接触角度を修正するよう促し、次いでそのポイントを再取得するよう試みてもよい。あるいは、プロセッサは、対応する接触品質に基づいてCFAEポイントを印付けてもよく、更にCFAEマップ上のポイントを適切に着色したり若しくは他の方法で印付けてもよい。更にこれに加えて又は代わりに、プロセッサ34は、2つの別個の「ロー(raw)」マップ(1つはCFAEのマップ、他方は接触品質のマップ)を同時に作成してもよく、次いでローマップの交点として活動的CFAE部位のマップを作り出してもよい。
【0044】
操縦者26の制御下で、システム20は、マッピング完了工程90にて、十分密で完全なCFAEマップが作成されるまで、工程82〜88を繰り返し実行する。次に、アブレーション工程92にて、操縦者はマップに印付けられた活動的CFAE部位を切除するよう進むことができる。このアブレーションは、上述したように、PVIアブレーションと共に、通常は(必ずしもではないが)実行される。あるいは、活動的CFAEのマップは、マッピングの直後にアブレーションを実施することなく、診断及び追跡調査のために用いられてもよい。
【0045】
上記に述べた実施形態は、一例として引用したものであって、本発明は上記に具体的に図示及び述べたものに限定されないことが認識されるであろう。むしろ本発明の範囲は、上記に述べた様々な特徴の組み合わせ及び副組み合わせ、並びに当業者であれば上記の説明文を読むことで想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変更及び改変を含む。
【0046】
〔実施の態様〕
(1) マッピングのための方法であって、
被験者の心臓の室内の対応する位置にてプローブによって測定された電気入力を受信することと、
コンプレックス細分化電位図を同定するために前記電気入力を処理することと、
前記対応する位置それぞれにて、前記プローブと前記室内の組織との間のそれぞれの接触品質を測定することと、
前記電気入力及び前記測定された接触品質を用いて前記室内の前記コンプレックス細分化電位図のマップを作成することと
を含む、方法。
(2) 前記それぞれの接触品質を測定することが、前記プローブと前記組織との間の接触の角度を判定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記それぞれの接触品質を測定することが、前記プローブと前記組織との間の接触の力を測定することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記マップを作成することが、前記接触の角度が前記組織に垂直の所定の角度範囲外にある前記入力を拒否することを含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記接触の角度を判定することが、前記プローブの遠位端の曲げ角度を測定することを含む、実施態様2に記載の方法。
(6) 前記それぞれの接触品質を測定することが、前記プローブと前記組織との間の接触の力を測定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記マップを作成することが、前記接触の力が所定の範囲外にある前記入力を拒否することを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記室が前記心臓の左心房である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記接触品質が所定の接触判定基準を満たしていた間に前記コンプレックス細分化電位図が検出された、前記左心房中の部位を切除することを含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記所定の接触判定基準が、前記プローブと前記組織との間の接触の力及び接触の角度がそれぞれの所定の範囲内にあることを必要とする、実施態様9に記載の方法。
【0047】
(11) 前記マップを作成することが、前記測定された接触品質に対応して細分化電気活動の活動的部位を選択的にマッピングすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) マッピング装置であって、
被験者の心臓の室内の電気的活動を検知するよう構成されたプローブと、
コンプレックス細分化電位図を同定するために前記室内の複数の位置にて前記プローブからの電気入力を受信及び処理し、前記位置のそれぞれにて、前記プローブと前記室内の組織との間のそれぞれの接触品質を測定し、前記電気入力及び前記測定された接触品質を用いて前記室内の前記コンプレックス細分化電位図のマップを作成するよう構成されたプロセッサと
を含む、マッピング装置。
(13) 前記プロセッサが、前記プローブと前記組織との間の接触の角度を判定することによって、前記接触品質を測定するよう構成される、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記プロセッサによって測定された前記接触品質が、前記プローブと前記組織との間の接触の力の測定値に更に基づく、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記プロセッサが、前記接触の角度が前記組織に対して垂直である所定の角度範囲外にある前記入力を前記マップに含めることから拒否するよう構成される、実施態様13に記載の装置。
(16) 前記プロセッサが、前記プローブの遠位端の曲げ角度を測定することによって前記接触の角度を判定するよう構成される、実施態様13に記載の装置。
(17) 前記プロセッサが、前記プローブと前記組織との間の接触の力に基づいて、前記接触品質を測定するよう構成される、実施態様12に記載の装置。
(18) 前記プロセッサが、前記接触の力が所定の範囲外にある前記入力を拒否するよう構成される、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記室が前記心臓の左心房である、実施態様12に記載の装置。
(20) 前記接触品質が所定の接触判定基準を満たしていた間に前記コンプレックス細分化電位図が検出された、前記左心房中の部位を切除するために、前記プローブにエネルギーを適用するよう操作可能であるエネルギー発生機を含む、実施態様19に記載の装置。
【0048】
(21) 前記所定の接触判定基準が、前記プローブと前記組織との間の接触の力及び接触の角度がそれぞれの所定の範囲内にあることを必要とする、実施態様20に記載の装置。
(22) 前記マップが、前記測定された接触品質に対応して同定される細分化電気活動の活動的部位を選択的に含む、実施態様12に記載の装置。
(23) コンピュータソフトウェア製品であって、プログラム命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体を含み、プロセッサによって読み取られる時に、前記命令は、被験者の心臓の室内の複数の位置にて電気的活動に応答してプローブからの電気入力を受信するよう、コンプレックス細分化電位図を同定するために前記電気入力を処理するよう、前記位置のそれぞれにて、前記プローブと前記室内の組織との間のそれぞれの接触品質を測定するよう、並びに前記電気入力及び前記測定された接触品質を用いて前記室内の前記コンプレックス細分化電位図のマップを作成するよう、前記プロセッサに促す、コンピュータソフトウェア製品。