【実施例】
【0145】
以下、本発明の特定の実施態様を詳細に参照する。本発明をこれら実施態様との関連で説明するが、それらは本発明をその実施態様に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明に含められうる代替物、変形例、及び均等物をカバーすることが意図される。
【0146】
次の実施例で使用される試薬は、Dakoの組織診FISHアクセサリーキット(K5599)及び細胞診FISHアクセサリーキット(K5499)(Dako Denmark A/S, Glostrup Denmark)からのものである。キットは、ホルマリン固定、パラフィン包埋組織片献体に対するFISH手順を完了させるのに必要なプローブを除く全ての重要な試薬を含んでいる。全ての試料は製造者の記述に従って調製した。Dakoハイブリダイザー(S2450, Dako)を消化、変性、及び及びハイブリダイゼーション工程に使用した。
【0147】
FISHスライドの評価は、DAPI、FITC、テキサスレッド単一フィルター及びFITC/テキサスレッド二重フィルターを備えたLeica DM6000B蛍光顕微鏡を使用して、10x、20x、40x、及び100xオイル対物下で、ハイブリダイゼーションから一週間以内に実施した。
CISHスライドの評価は、オリンパスBX51光学顕微鏡を使用して、4x、10x、20x、40x、及び60xの対物下で実施した。
【0148】
以下の実施例において、「デキストラン硫酸」は分子量M
w>500000のデキストラン硫酸のナトリウム塩(D8906,Sigma)を意味する。極性非プロトン溶媒の全ての濃度はv/vパーセントとして与えられる。ホスフェートバッファーは、NaH
2PO
4,2H
2O(リン酸ナトリウム二塩基二水和物)及びNa
2HPO
4,H
2O(リン酸ナトリウム一塩基一水和物)を含むリン酸緩衝溶液を意味する。シトレートバッファーは、クエン酸ナトリウム(Na
3C
6H
5O
7,2H
2O;1.06448,Merck)及びクエン酸一水和物(C
6H
8O
7,H
2O;1.00244,Merck)を含むクエン酸緩衝溶液を意味する。
【0149】
実施例1−20の一般的組織診断FISH/CISH手順
ヒト(扁桃腺、乳癌、腎臓及び結腸)由来の切断されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)複数組織アレイ片を有するスライドを、60℃で30−60分べークし、キシレン浴で脱パラフィンし、エタノール浴で再水和させ、ついで、洗浄バッファーに移した。ついで、試料を前処理溶液中で最小95℃で10分間前処理し、2×3分洗浄した。ついで、試料を37℃でペプシンRTUを用いて3分間、消化させ、2×3分洗浄し、一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。ついで、試料を、個々の実験で記載されたようにして10μLのFISHプローブと共にインキュベートした。ついで、試料を65℃で10分ストリンジェントな洗浄によって洗浄した後、2×3分洗浄し、ついで一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。最後に、スライドを15μLのアンチフェードマウント培地にマウントした。染色が完了したところで、染色スライドのシグナル強度、形態、及びバックグラウンドを評価するために訓練を受けた観察者がスコア付けを実施した。
【0150】
実施例21−22の一般的な細胞診FISH手順
分裂中期調製物のスライドを、3.7%のホルムアルデヒドに2分間固定し、2×5分洗浄し、一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。ついで、試料を、個々の実験で記載されたようにして10μLのFISHプローブと共にインキュベートした。ついで、試料を65℃で10分ストリンジェントな洗浄によって洗浄した後、2×3分洗浄し、ついで一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。最後に、スライドを15μLのアンチフェードマウント培地にマウントした。染色が完了したところで、染色スライドのシグナル強度及びバックグラウンドを評価するために訓練を受けた観察者が、組織片のスコア付けガイドラインに記載されたようにしてスコア付けを実施した。
【0151】
実施例23−30の一般的な組織診断FISH1/CISH手順
ヒト(扁桃腺、乳癌、腎臓及び結腸)由来の切断されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)複数組織アレイ片を有するスライドを、60℃で30−60分べークし、キシレン浴で脱パラフィンし、エタノール浴で再水和させ、ついで、洗浄バッファーに移した。ついで、試料を前処理溶液中で最小95℃で10分間前処理し、2×3分洗浄した。ついで、試料を37℃でペプシンRTUを用いて3分間、消化させ、2×3分洗浄し、一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。ついで、試料を、個々の実験で記載されたようにして、10μLのFISHプローブで共変性させるか、又はFISHプローブ及び試料を最初に別々に変性させ、ついで一緒にインキュベートした。ついで、試料をストリンジェントな洗浄バッファー中で65℃で10分洗浄した後、2×3分洗浄バッファー中で洗浄し、ついで一連のエタノール蒸発で脱水し、空気乾燥させた。最後に、スライドを15μLのアンチフェードマウント培地にマウントした。染色が完了したところで、染色スライドのシグナル強度、形態、及びバックグランドを評価するために訓練を受けた観察者がスコア付けを実施した。
【0152】
組織切片のスコア付けガイドライン
シグナル強度は0−3のスケールで評価され、0はシグナルなし、3は強いシグナルとした。細胞/組織構造は0−3スケールで評価し、0は構造なしで核境界なしを意味し、3はインタクトな構造と明確な核境界とした。0と3の間には、観察者がシグナル強度、組織構造、及びバックグラウンドを評価できる0.5離れた更なるグレードがある。
【0153】
シグナル強度を等級システムに従って0−3スケールでスコア付けする。
0 シグナルは見られない。
1 シグナル強度は弱い。
2 シグナル強度は中程度である。
3 シグナル強度は強い。
スコア付けシステムは1/2グレードの使用を許容する。
【0154】
組織及び核構造を等級システムに従って0−3スケールでスコア付けする。
0 組織構造及び核境界は完全に破壊されている。
1 組織構造及び/又は核境界は乏しい。このグレードは、幾つかの領域が空の核である状況を含む。
2 組織構造及び/又は核境界が見られるが、核境界は不明瞭である。このグレードは数個の核が空である状況を含む。
3 組織構造及び核境界は無傷で明瞭である。
スコア付けシステムは1/2グレードの使用を許容する。
【0155】
バックグラウンドを等級システムに従って0−3スケールでスコア付けする。
0 見られるバックグラウンドは少しないしはない。
1 幾つかのバックグラウンド。
2 中程度のバックグラウンド。
3 高いバックグラウンド。
スコア付けシステムは1/2グレードの使用を許容する。
【0156】
実施例1
この実施例は、本発明の組成物又は伝統的なハイブリダイゼーション溶液で処理した試料からのシグナル強度及び細胞形態を変性温度の関数として比較する。
FISHプローブ組成物I:10%デキストラン硫酸、300mMのNaCl、5mMのリン酸バッファー、40%のホルムアミド(15515−026,Invitrogen),5μMのブロッキングPNAs(Kirsten Vang Nielsen等, PNA Suppression Method Combined with Fluorescence In Situ Hybridisation (FISH) Technique inPRINS and PNA Technologies in Chromosomal Investigation, Chapter 10 (Franck Pellestor ed.) (Nova Science Publishers, Inc. 2006)を参照)、10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ(RP11−1143E20,サイズ192kb)。
FISHプローブ組成物II:10%デキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート(03519,Fluka),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ(RP11−1143E20,サイズ192kb)。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを示したように5分間変性し、45℃で60分間ハイブリダイズした。
【0157】
実施例2
この実施例は、本発明の組成物又は伝統的なハイブリダイゼーション溶液で処理した試料からのシグナル強度及びバックグラウンド染色をハイブリダイゼーション時間の関数として比較する。
FISHプローブ組成物I:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のホルムアミド,5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物II:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート,5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で14時間、4時間、2時間、60分、30分、15分、0分、インキュベートした。
【0158】
実施例3
この実施例は、異なった極性非プロトン溶媒を有する本発明の組成物又は伝統的なハイブリダイゼーション溶液で処理した試料からのシグナル強度を比較する。
FISHプローブ組成物I:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のホルムアミド,5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物II:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート(EC),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物III:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のプロピレンカーボネート(PC)(540013,Aldrich),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物IV:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のスルホラン(SL)(T22209,Aldrich),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物V:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のアセトニトリル(AN)(C02CIIX,Lab−Scan),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物VI:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のγ−ブチロラクトン(GBL)(B103608,Aldrich),5μMのブロッキングPNAs,7.5ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。
【0159】
実施例4
この実施例は、異なった濃度の極性非プロトン溶媒を有する本発明の組成物で処理した試料からのシグナル強度を比較する。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,10−60%のエチレンカーボネート(標示通り),5μMのブロッキングPNAs,7.5ng/μLのテキサスレッド標識IGK−定常DNA遺伝子プローブ((CTD−3050E15,RP11−1083E8;サイズ227kb)及び7.5ng/μLのFITC標識IGK−可変遺伝子DNAプローブ(CTD−2575M21,RP11−122B6,RP11−316G9;サイズ350及び429kb)。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。
【0160】
実施例5
この実施例は、PNAブロッキングを伴う及び伴わない組成物で処理した試料からのシグナル強度及びバックグラウンド強度を比較する。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート,7.5ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。
【0161】
実施例6
この実施例は本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度をプローブ濃度及びハイブリダイゼーション時間の関数として比較する。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート,及び10、7.5、5又は2.5ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ(標記の通り)。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で3時間、2時間及び1時間、インキュベートした。
【0162】
実施例7
この実施例は、本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度を、塩、ホスフェート、及びバッファー濃度の関数として比較する。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,([NaCl],[リン酸バッファー],[TRISバッファー]結果に示した通り),40%のエチレンカーボネート,7.5ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。
【0163】
実施例8
この実施例は、本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度をデキストラン硫酸濃度の関数として比較する。
FISHプローブ組成物:0、1、2、5、又は10%のデキストラン硫酸(標記の通り),300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート,5ng/μLのテキサスレッド標識SIL−TAL1遺伝子DNAプローブ(RP1−278O13;サイズ67kb)及び6ng/μLのFITC SIL−TAL1(ICRFc112−112C1794,RP11−184J23,RP11−8J9,CTD−2007B18,133B9;サイズ560kb)。
存在する場合、異なった粘度の相を使用前に混合した。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。ブロッキングなし。
【0164】
実施例9
この実施例は、本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度を、デキストラン硫酸、塩、ホスフェート、及び極性非プロトン溶媒濃度の関数として比較する。
FISHプローブ組成物Ia:34%のデキストラン硫酸,0mMのNaCl,0mMのリン酸バッファー,0%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物Ib:34%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,0%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物Ic:34%のデキストラン硫酸,600mMのNaCl,10mMのリン酸バッファー,0%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IIa:32%のデキストラン硫酸,0mMのNaCl,0mMのリン酸バッファー,5%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IIb:32%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,5%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ.
FISHプローブ組成物IIc:32%のデキストラン硫酸,600mMのNaCl,10mMのリン酸バッファー,5%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ.
FISHプローブ組成物IIIa:30%のデキストラン硫酸,0mMのNaCl,0mMのリン酸バッファー,10%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IIIb:30%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,10%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IIIc:30%のデキストラン硫酸,600mMのNaCl,10mMのリン酸バッファー,10%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ.
FISHプローブ組成物IVa:28%デキストラン硫酸,0mMのNaCl,0mMのリン酸バッファー,15%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IVb:28%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,15%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ組成物IVc:28%のデキストラン硫酸,600mMのNaCl,10mMのリン酸バッファー,15%のエチレンカーボネート,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ(サイズ218kb)及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。
FISHプローブ参照V:ブロッキングPNAを含むHER2 PharmDxプローブミックス(K5331,Dako)の標準販売バイアル。20時間の一晩のハイブリダイゼーション。
全組成物は単一相として存在していた。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、ブロッキングなしでインキュベートしたが、FISHプローブ参照Vは、PNAブロッキングし、20時間ハイブリダイズした。
【0165】
実施例10
この実施例は、本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度を、高塩(4×正常)条件下で極性非プロトン溶媒及びデキストラン硫酸濃度の関数として比較する。
FISHプローブ組成物I:0%のエチレンカーボネート,29%のデキストラン硫酸,1200mMのNaCl,20mMのリン酸バッファー,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。組成物は単一相であった。
FISHプローブ組成物II:5%のエチレンカーボネート,27%のデキストラン硫酸,1200mMのNaCl,20mMのリン酸バッファー,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。組成物は単一相であった。
FISHプローブ組成物III:10%のエチレンカーボネート,25%のデキストラン硫酸,1200mMのNaCl,20mMのリン酸バッファー,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。組成物は単一相であった。
FISHプローブ組成物IV(試験せず):20%のエチレンカーボネート,21%のデキストラン硫酸,1200mMのNaCl,20mMのリン酸バッファー,10ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ及び50nMのFITC標識CEN−7 PNAプローブ。組成物は二つの相を有していた。
【0166】
実施例11
この実施例は、本発明の組成物の異なった相で処理した試料からのシグナル強度及びバックグラウンドを比較する。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレンカーボネート,8ng/μLのテキサスレッド標識HER2遺伝子DNAプローブ及び600nMのFITC標識CEN−17 PNAプローブ。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。ブロッキングなし。
【0167】
実施例12
この実施例は前の実施例と同様であるが、異なったDNAプローブ及びECの代わりにGBLを使用している。
FISHプローブ組成物:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のGBL,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ及び600nMのFITC標識CEN−17 PNAプローブ。
FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分間、インキュベートした。ブロッキングなし。
【0168】
実施例13
この実施例は、本発明の組成物中の相の数を、極性非プロトン溶媒及びデキストラン硫酸濃度の関数として調べる。
FISHプローブ組成物:10又は20%のデキストラン硫酸;300mMのNaCl;5mMのリン酸バッファー;0、5、10、15、20、25、30%のEC;10ng/μLのプローブ.
【0169】
実施例14
この実施例は、本発明の異なった組成物で処理した試料からのシグナル強度及びバックグラウンドをプローブ濃度及びハイブリダイゼーション時間の関数として比較する。
FISHプローブ組成物I:10ng/μLのHER2 TxRed標識DNAプローブ(標準濃度)及び標準濃度のCEN7 FITC標識PNAプローブ(50nM);15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのリン酸バッファー。
FISHプローブ組成物II:5ng/μLのHER2 TxRed標識DNAプローブ(標準濃度の1/2)及び標準濃度(50nM)のFITC標識CEN7 PNAプローブ;15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのリン酸バッファー。
FISHプローブ組成物III:2.5ng/μLのHER2 TxRed標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び1/2の標準濃度(25nM)のCEN7 PNAプローブ;15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのリン酸バッファー。
組成物I−IIIは単一相として存在していた。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で3時間、2時間及び1時間、インキュベートした。
【0170】
実施例15
この実施例は、本発明の組成物で処理された試料からのシグナル強度及びバックグラウンドを、ブロッキング剤の関数として比較する。
FISHプローブ組成物:15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのリン酸バッファー;2.5ng/μLのHER2 TxRed標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び標準濃度の1/2の(300nM)FITC標識CEN17 PNAプローブ。試料は、本発明の組成物を使用するハイブリダイゼーション前に、(a)なし;(b)0.1μg/μLのCOT1(15279−011,Invitrogen);(c)0.3μg/μLのCOT1;又は(d)0.1μg/μLの全ヒトDNAでブロックした。
全ての試料は単一相として存在していた。FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分、インキュベートした。
【0171】
実施例16
この実験は、本発明の組成物を使用してバックグラウンド染色を除去する異なった方法を比較する。
全ての組成物は、15%のEC、20%のデキストラン硫酸、600mMのNaCl、10mMのリン酸バッファー、2.5ng/μLのHER2 DNAプローブ(標準濃度の1/4)、300nMのCEN17 PNAプローブ(標準濃度の1/2)、及び次のバックグラウンド低減剤の一つを含んでいた:
A)5mMのブロッキング−PNA(Kisrsten Vang Nielsen等, PNA Suppression Method Combined with Fluorescence In Situ Hybridisation (FISH) Technique inPRINS and PNA Technologies in Chromosomal Investigation, Chapter 10 (Franck Pellestor編) (Nova Science Publishers, Inc. 2006)を参照)
B)0.1μg/μLのCOT−1 DNA
C)0.1μg/μLの全ヒトDNA(THD)(超音波処理未標識THD)
D)0.1μg/μLの剪断サケ精液 DNA(AM9680,Ambion)
E)0.1μg/μLのウシ胸腺 DNA(D8661,Sigma)
F)0.1μg/μLのニシン精液DNA(D7290,Sigma)
G)0.5%のホルムアミド
H)2%のホルムアミド
I)1%のエチレングリコール(1.09621,Merck)
J)1%のグリセロール(1.04095,Merck)
K)1%の1,3−プロパンジオール(533734,Aldrich)
L)1%のH
2O(コントロール)
全ての試料は単一相として存在していた。プローブを82℃で5分間、ついでFFPE組織片上で45℃で60分及び120分、インキュベートした。
【0172】
実施例17
この実験は、二つの異なった極性非プロトン溶媒を使用する上相及び下相からのシグナル強度を比較する。
FISHプローブ組成物I:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のエチレントリチオカーボネート(ET)(E27750,Aldrich),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブ組成物II:10%のデキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,40%のグリコールサルファイト(GS)(G7208,Aldrich),5μMのブロッキングPNAs,10ng/μLのテキサスレッド標識CCND1遺伝子DNAプローブ。
FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分、インキュベートした。
【0173】
実施例18
この実験は一相系を形成する様々な極性非プロトン溶媒の能力を調べる。
全ての組成物は、20%のデキストラン硫酸、600mMのNaCl、10mMのリン酸バッファー、及び10、15、20、又は25%の次の極性非プロトン溶媒の一つを含んでいた:
スルホラン
γ−ブチロラクトン
エチレントリチオカーボネート
グリコールサルファイト
プロピレンカーボネート
結果: 調べた全ての濃度で極性非プロトン溶媒の全てが使用された組成物において少なくとも2相系をつくり出した。しかしながら、これは、これらの化合物が他の組成物条件下で一相系をつくることができることを排除しない。
【0174】
実施例19
この実験は、複数のFFPE組織切片に対する発色性インサイツハイブリダイゼーション(CISH)解析における本発明の組成物の使用を調べる。
FISHプローブ組成物I:4.5ng/μLのTCRAD FITC標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度の1/4)(RP11−654A2,RP11−246A2,CTP−2355L21,RP11−158G6,RP11−780M2,RP11−481C14;サイズ1018kb);15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
FISHプローブ組成物II:4.5ng/μLのTCRAD FITC標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度の1/4)(サイズ1018kb);15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0;0.1ug/uLの剪断サケDNA精子。
FISHプローブ組成物III:300nMの各個々のFITC標識PNA CEN17プローブ(標準濃度の1/2);15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
全ての試料は、Dako DuoCISHプロトコル(SK108)及びスプリットプローブの組成物を使用して分析したが、但し、ストリンジェントな洗浄を10分の代わりに20分間実施され、DuoCISHレッド色素原工程は使用しなかった。
【0175】
実施例20
この実施例は、二つのDNAプローブを持つ本発明の組成物で処理されたFFPE組織切片からのシグナル強度及びバックグラウンドを比較する。
FISHプローブ組成物I:9ng/μLのIGH FITC標識遺伝子DNAプローブ(RP11−151B17,RP11−112H5,RP11−101G24,RP11−12F16,RP11−47P23,CTP−3087C18;サイズ612kb);6.4ng/μLのMYC TxRed標識DNAプローブ(CTD−2106F24,CTD−2151C21,CTD−2267H22;サイズ418kb);15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
FISHプローブ組成物II:9ng/μLのIGH FITC標識遺伝子DNAプローブ;6.4ngのMYC TxRed標識DNAプローブ;15%のEC、20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0;0.1ug/uLの剪断サケ精液DNA。
【0176】
実施例21
この実験は細胞試料での本発明の組成物の使用を調べる。
FISHプローブ組成物:15%のEC;20%のデキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのリン酸バッファー;5ng/μLのHER2 TxRed標識DNAプローブ(標準濃度の1/2)及び1/2の標準濃度のCEN7(25nM)。
FISHプローブを、全てブロッキングなしで、分裂中期染色体スプレッド上で82℃で5分間、ついで45℃で30分間、インキュベートした。
典型的にはRバンド形成を示す伝統的なISH溶液と比較して、本発明の組成物では、染色体バンド形成(Rバンド形成パターン)は観察されなかった。静止期核及び分裂中期の低い均質な赤いバックグラウンド染色が観察された。
【0177】
実施例22
この実施例は、細胞診試料、分裂中期スプレッド上での、ブロッキングを伴い、またブロッキングなしでの、DNAプローブからのシグナル強度及びバックグラウンドを比較する。
FISHプローブ組成物I:6ng/μLのTCRADテキサスレッド標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度)(CTP−31666K20,CTP−2373N7;サイズ301kb)及び4.5ng/μLのFITC標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度の1/4); 15%EC、20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
FISHプローブ組成物II:6ng/μL TCRAD テキサスレッド標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度)(サイズ301kb)及び4.5 ng/μL FITC標識遺伝子DNAプローブ(標準濃度の1/4);15%EC、20%デキストラン硫酸; 600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0;0.1ug/uLの剪断サケ精液DNA。
FISHプローブを82℃で5分間、ついで45℃で60分、インキュベートした。
再び、染色体バンド(R−バンドパターン)は本発明の組成物では観察されなかった。加えて、静止期核又は分裂中期染色体のバックグラウンド染色は観察されなかった。
【0178】
実施例23
この実施例はハイブリダイゼーション前のプローブ及び試料の共変性を含む実験と、ハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の別々の変性を含む実験に対して、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物:2.5ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
検体変性組成物:15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
変性は表に示した通りに5分実施した。ハイブリダイゼーションは45℃で60分実施した。参照試料では、FISHプローブ及び組織を一緒に変性させた。
これらの結果は、バックグランド染色は変性が検体及びプローブにおいて別々に実施された場合に、より低いことを示している。バックグランド染色はまた変性が試料及びプローブにおいて別々に実施された場合に、より一層均質であることを示している(データ示さず)。
【0179】
実施例24
この実施例はハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の共変性を含む実験と、ハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の別々の変性を含む実験に対して、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
検体変性組成物I:15%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
検体変性組成物II:20%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
検体変性組成物III:25%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
検体変性組成物IV:30%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
検体変性組成物V:40%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
検体変性組成物VI:40%EC
検体変性組成物VII:15%EC,20%デキストラン硫酸,600mMのNaCl,10mMのクエン酸バッファー,pH6.0
上記の6つ全てのバッファー組成物は室温で一相である。
FISHプローブ組成物:2.5ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び1/2の濃度(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
プローブバッファーは82℃で5分間変性させた。組織試料は異なる試料変性組成物により82℃で5分間変性させた。
スライドを、最初の脱水工程まで上記のように前処理した。試料がペプシンにより消化された後、スライドを2×3分洗浄し、検体変性組成物の一つを200μL加えた。ついで、スライドをカバーガラスで覆い、ハイブリダイザー(Dako)で82℃5分インキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを、2×SSCで洗浄した検体変性組成物I*のスライドを除いて、洗浄バッファーで2×3分間洗浄した。ついでスライドを96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブはヒートブロック上にて1.5mL遠心チューブ中で82℃で5分間変性させ、氷上に配した。10μLの変性FISHプローブを、変性した脱水検体に添加し、スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で60分間ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理した。
参照試料中、FISHプローブ及び組織は一緒に変性させた。
【0180】
結果:
これらの結果は、試料及びプローブの別々の変性はプローブ及び検体の共変性に比しバックグランドを著しく減少させることを示している。バックグランド染色はまたプローブ及び検体を共変性させた時よりもより均質である(データ示さず)。
【0181】
実施例25
この実施例はハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の共変性を含む実験と、ハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の別々の変性を含む実験のシグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物:2.5ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
検体変性組成物:15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
スライドを、最初の脱水工程まで上記のように前処理した。試料がペプシンにより消化された後、スライドを2×3分間洗浄し、検体変性組成物を200μL加えた。ついで、スライドをカバーガラスで覆い、ハイブリダイザー(Dako)で72℃10分間インキュベートした。ついでカバーガラスを外し、洗浄バッファーで2×3分間洗浄した。ついでスライドを96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブ(11μL分量)を、表に示した通りにヒートブロック上にて1.5mL遠心チューブ中で変性させ、ついて氷上に置いた。10μLの変性FISHプローブを変性した脱水検体に添加し、スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で60分間ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理した。
【0182】
結果:
これらの結果は、シグナル強度又はバックグランドに負の影響を与えること無しに、FISHプローブの変性温度を、例えば62℃で1分間に下げることが可能であることを示している。
【0183】
実施例26
この実施例はハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の共変性を含む実験と、ハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の別々の変性を含む実験のシグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物I:2.5ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/4)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物II:15%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物III: 15%EC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.0。
スライドを変性工程まで上記のように前処理した。試料を脱水した後、200μLの検体変性組成物を添加した。スライドをカバーガラスで覆い、ついで67℃で10分間、ハイブリダイザー(Dako)でインキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを2×3分間洗浄し、96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブをヒートブロック上にて1.5mL遠心チューブ中で67℃で3分間変性させた後、直ちに使用した。10μLの変性FISHプローブを、変性された脱水検体に添加した。スライドをカバーガラスで覆い密封し、45℃で60分間ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体は上記のように処理した。
比較試料では、FISHプローブ及び組織を67℃で10分間一緒に変性させ、45℃で60分間ハイブリダイズさせた。
【0184】
結果:
これらの結果は試料及びプローブの別々の変性はプローブ及び検体の共変性に比しバックグランドを著しく減少させることを示している。バックグランド染色はまたプローブ及び検体を共変性させた時よりもより均質である。バックグランド染色は変性バッファーがデキストラン硫酸又はNaClを含まないときよりもわずかに低い。
【0185】
実施例27
この実施例はハイブリダイゼーション前のプローブ及び検体の共変性を含む実験と、プローブ及び検体を、ハイブリダイゼーション前の各々異なる変性剤による別々の変性を含む実験に対して、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物I:40%ホルムアミド,10%デキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,5μMのブロッキングPNA,10ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNA遺伝子プローブ標準濃度(600mM)のCEN17 PNAプローブ。
検体変性組成物II:40%ホルムアミド,10%デキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,5μMのブロッキングPNA。
検体変性組成物III:15%EC,10mMクエン酸バッファー、pH6.2。
スライドを変性工程まで上記のように前処理した。試料を脱水した後、100μLの検体変性組成物を添加した。スライドをカバーガラスで覆いハイブリダイザー(Dako)で示した通りにインキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを2×3分間洗浄し、96%エタノール中で2×3分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブはヒートブロック上にて1.5mL遠心チューブ中で82℃で5分間変性させた後、直ちに使用した。10μLの変性FISHプローブを、変性した脱水検体に添加した。スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で一晩(約20時間)ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理された。
比較試料では、FISHプローブ及び組織を、示した通りに一緒に変性させ、45℃で一晩(約20時間)ハイブリダイズさせた。
【0186】
結果:
これらの結果は、ホルムアミドによるプローブ及び検体の共変性と比較したとき、ECによる試料の別々の変性は等価な染色バックグランド及びシグナル強度を提供することを示している。DNAシグナルは、しかし、より低い変性温度ではホルムアミド(II)よりもEC(III)の方が僅かに強い。バックグランド染色は検体組成物II(ホルミアミド)よりも検体組成物III(EC)による方が低い。別々の及び共変性の双方において67℃/10分間での変性に対して最良の結果が、参照と同等の結果を生み出した組成物III(EC)を使用する別々の変性において得られた。
【0187】
実施例28
この実施例はハイブリダイゼーション前にプローブ及び検体を別々に変性させることを含む実験において、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物I:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC(E26258,Aldrich−Sigma),20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
FISHプローブ組成物II:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%SL,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
FISHプローブ組成物III:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%PC,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
FISHプローブ組成物IV:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%GBL,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
FISHプローブ組成物V:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%ホルムアミド,20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物VI:15%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物VII:15%SL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物VIII:15%PC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物IX:15%GBL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物X:15%ホルムアミド,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
スライドを変性工程まで上記のように前処理した。試料を脱水した後、200μLの検体変性組成物を添加した。スライドをカバーガラスで覆い、ハイブリダイザー(Dako)で67℃で10分間インキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを2×3分間洗浄し、96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブはヒートブロック上にて1.5mL遠心チューブ中で67℃で5分間変性させた後、直ちに使用した。10μLの変性FISHプローブを、変性した脱水検体に添加した。スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で60分間ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理した。
【0188】
これらの結果は、EC、SL、PC及びGBLによる変性は、短いハイブリダイゼーションインキュベーション時間(60分)を使用するときに、ホルムアミドによる別々の変性と比較して、DNAプローブのより強いシグナル強度を与えることを示している。
【0189】
実施例29
この実施例はハイブリダイゼーション前にプローブ及び検体を別々に変性させることを含む実験において、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物I:3.3ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNAプローブ(標準濃度の1/3)及び標準濃度の1/2(300nM)のCEN17 PNAプローブ;15%EC(E26258,Aldrich−Sigma),20%デキストラン硫酸;600mMのNaCl;10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物II:15%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物III:15%SL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物IV:15%PC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物V:15%GBL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物VI:15%ホルムアミド,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
スライドを変性工程まで上記のように前処理した。試料を脱水した後、200μLの検体変性組成物を添加した。スライドをカバーガラスで覆い、ハイブリダイザー(Dako)で67℃で10分間インキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを2×3分間洗浄し、96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブはヒートブロック上にてチューブ中で67℃で5分間変性させ、直ちに使用した。10μLの変性FISHプローブを、変性した脱水検体に添加した。スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で60分間ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理した。
【0190】
これらの結果は、EC(II)、SL(III)、PC(IV)、GBL(V)及びホルムアミド(VI)による別々の組織変性は、極性非プロトンベースのプローブバッファー(I)及び短いハイブリダイゼーションインキュベーション時間(60分)を使用するときに、等価な染色バックグランド及びシグナル強度を与えることを示している。
【0191】
実施例30
この実施例はハイブリダイゼーション前にプローブ及び検体を別々に変性させることを含む実験において、シグナル強度及びバックグランドを比較する。
FISHプローブ組成物I(K5331,Dako):40%ホルムアミド,10%デキストラン硫酸,300mMのNaCl,5mMのリン酸バッファー,5μMのブロッキングPNA,10ng/μLのHER2テキサスレッド標識DNA遺伝子プローブ標準濃度(600mM)のCEN17 PNAプローブ。
検体変性組成物II:15%EC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物III:15%SL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物IV:15%PC,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物V:15%GBL,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
検体変性組成物VI:15%ホルムアミド,10mMのクエン酸バッファー,pH6.2。
スライドを変性工程まで上記のように前処理した。試料を脱水した後、200μLの検体変性組成物を添加した。スライドをカバーガラスで覆いハイブリダイザー(Dako)で67℃で10分間インキュベートした。ついでカバーガラスを外し、スライドを2×3分間洗浄し、96%エタノール中で2分間脱水し、空気乾燥した。
FISHプローブはヒートブロック上にてチューブ中で82℃で5分間変性させ、直ちに使用した。10μLの変性FISHプローブを、変性した脱水検体に添加した。スライドをカバーガラスで覆い密封し、ついで45℃で一晩ハイブダイズした。ハイブリダイゼーションの後、検体を上記のように処理した。
【0192】
これらの結果は、EC(II)、SL(III)、PC(IV)及びGBL(V)による別々の組織変性は、ホルムアミド(VI)による別々の組織変性と比較して、等価又はより良いシグナル強度を与えることを示している。このことは、予め変性させた伝統的なホルミアミドを基にしたプローブ(I)及び長いハイブリダイゼーションインキュベーション時間(約20時間)を使用するときにも当てはまった。バックグランド染色も同等であった。
【0193】
更なる実施態様
実施態様1. 核酸配列をハイブリダイズさせる方法において、
− 第一の核酸配列を、二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を含有する第一の水性組成物と組み合わせ、
− 第二の核酸配列を、二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも変性剤を含有する第二の水性組成物と組み合わせ、
− 第一及び第二の核酸配列を第一及び第二の核酸配列をハイブリダイズさせるのに少なくとも十分な時間の間組み合わせる
ことを含み、ここで極性非プロトン溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)では無い方法。
実施態様2. 核酸配列をハイブリダイズさせる方法において、
− 第一の核酸配列を、二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を含有する第一の水性組成物と組み合わせ、
− 上記第一の核酸配列を、第二の核酸配列と二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに効果的な量の少なくとも一種の変性剤を含有する第二の水性組成物と、第一及び第二の核酸配列をハイブリダイズさせるのに少なくとも十分な時間の間、組み合わせる
ことを含み、ここで極性非プロトン溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)では無い方法。
実施態様3. 核酸配列をハイブリダイズさせる方法において、
− 第一の核酸配列を、二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量で少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を含有する第一の水性組成物と組み合わせ、
− 上記第一の核酸配列を、第一及び第二核酸配列をハイブリダイズさせるのに少なくとも十分な時間の間、第二の核酸配列と組み合わせる
ことを含み、ここで極性非プロトン溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)では無い方法。
実施態様4. 第二の水性組成物中の変性剤が極性非プロトン溶媒である実施態様1又は2に記載の方法。
実施態様5. 第一の核酸配列が生物学的試料中にある実施態様1から4のいずれか一つに記載の方法。
実施態様6. 生物学的試料は細胞学又は組織学の試料である実施態様5に記載の方法。
実施態様7. 第一の核酸配列が一本鎖配列であり及び第二の核酸配列が二本鎖配列である実施態様1−6のいずれかに記載の方法。
実施態様8. 第一の核酸配列が二本鎖配列であり及び第二の核酸配列が一本鎖配列である実施態様1−6のいずれかに記載の方法。
実施態様9. 第一及び第二の核酸配列が二本鎖配列である実施態様1−6のいずれかに記載の方法。
実施態様10. 第一及び第二の核酸配列が一本鎖配列である実施態様1−6のいずれかに記載の方法。
実施態様11. 第一及び第二の核酸配列を変性させるのに十分な量のエネルギーが提供される実施態様1−10のいずれかに記載の方法。
実施態様12. 第一の核酸配列を変性させるのに十分な量のエネルギーが提供される実施態様1−11のいずれかに記載の方法。
実施態様13. 第二の核酸配列を変性させるのに十分な量のエネルギーが提供される実施態様1−12のいずれかに記載の方法。
実施態様14. エネルギーが組成物を加熱することで提供される実施態様11−13に記載の方法。
実施態様15. 加熱工程が、マイクロ波、温浴、熱板、熱線、ペルチェ素子、誘導加熱又は加熱ランプの使用によって実施される実施態様14に記載の方法。
実施態様16. 第一の核酸を変性させる温度が70℃から85℃である実施態様12−15のいずれか一項に記載の方法。
実施態様17. 第二の核酸を変性させる温度が70℃から85℃である実施態様12−16のいずれか一項に記載の方法。
実施態様18. 第一の核酸を変性させる温度が60℃から75℃である実施態様12−15のいずれか一項に記載の方法。
実施態様19. 第二の核酸を変性させる温度が60℃から75℃である実施態様12−15又は18のいずれか一項に記載の方法。
実施態様20. 第一の核酸を変性させる温度が62℃、67℃、72℃又は82℃である実施態様12−15のいずれか一項に記載の方法。
実施態様21. 第二の核酸を変性させる温度が62℃、67℃、72℃又は82℃である実施態様12−15又は20のいずれか一項に記載の方法。
実施態様22. 第一の核酸を変性させるのに十分な時間が提供される実施態様1−21のいずれか一項に記載の方法。
実施態様23. 第二の核酸を変性させるのに十分な時間が提供される実施態様1−22のいずれか一項に記載の方法。
実施態様24. 時間は1分、2分、3分、4分、5分、10分、15分、又は30分である実施態様22又は23に記載の方法。
実施態様25. ハイブリダイジング工程が組成物を加熱し冷却する工程を含む実施態様1−24のいずれか一項に記載の方法。
実施態様26. ハイブリダイゼーション工程が8時間未満を要する実施態様1−25のいずれか一項に記載の方法。
実施態様27. ハイブリダイゼーション工程が1時間未満を要する実施態様26に記載の方法。
実施態様28. ハイブリダイゼーション工程が30分未満を要する実施態様27に記載の方法。
実施態様29. ハイブリダイゼーション工程が15分未満を要する実施態様28に記載の方法。
実施態様30. ハイブリダイゼーション工程が5分未満を要する実施態様29に記載の方法。
実施態様31. ブロッキング工程を更に含む実施態様1−30のいずれか一項に記載の方法。
実施態様32. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒の濃度が約1%から95%(vv)である実施態様1−31の何れか一に記載の方法。
実施態様33. 極性非プロトン溶媒の濃度が5%から10%(vv)である実施態様32に記載の方法。
実施態様34. 極性非プロトン溶媒の濃度が10%から20%(vv)である実施態様32に記載の方法。
実施態様35. 極性非プロトン溶媒の濃度が20%から30%(vv)である実施態様32に記載の方法。
実施態様36. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が無毒性である実施態様1−35の何れか一に記載の方法。
実施態様37. 但し、水性組成物中の極性非プロトン溶媒はホルムアミドを含有しない実施態様1−36の何れか一に記載の方法。
実施態様38. 但し、水性組成物中の極性非プロトン溶媒は10%未満のホルムアミドを含有する実施態様1−36の何れか一に記載の方法。
実施態様39. 但し、水性組成物は2%未満のホルムアミドを含有する実施態様38に記載の方法。
実施態様40. 但し、水性組成物は1%未満のホルムアミドを含有する実施態様39に記載の方法。
実施態様41. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒は、ラクトン、スルホン、ニトリル、サルファイト、及び/又はカーボネートの官能性を有する実施態様1−40の何れか一に記載の方法。
実施態様42. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、17.7から22.0MPa
1/2の範囲の分散溶解度パラメータ、13から23MPa
1/2の範囲の極性溶解度パラメータ、及び3から13MPa
1/2の範囲の水素結合溶解度パラメータを有する実施態様1−41の何れか一に記載の方法。
実施態様43. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が環状塩基構造を有する実施態様1−42の何れか一に記載の方法。
実施態様44. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が
(ここで、XがOであり、R1がアルキルジイルである)、及び
(ここで、Xは任意であり、存在する場合は、O又はSから選択され、
Zは任意であり、存在する場合は、O又はSから選択され、
A及びBは独立してO又はN又はS又はアルキルジイルの一部又は第1級アミンであり、
Rはアルキルジイルであり、
YはO又はS又はCである)
からなる群から選択される実施態様1−43の何れか一に記載の方法。
実施態様45. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、アセトアニリド、アセトニトリル、N−アセチルピロリドン、4−アミノピリジン、ベンズアミド、ベンズイミダゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、ブタジエンジオキシド、2,3−ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、カプロラクトン(イプシロン)、クロロ無水マレイン酸、2−クロロシクロヘキサノン、クロロエチレンカーボネート、クロロニトロメタン、無水シトラコン酸、クロトンラクトン、5−シアノ−2−チオウラシル、シクロプロピルニトリル、硫酸ジメチル、ジメチルスルホン、1,3−ジメチル−5−テトラゾール、1,5−ジメチルテトラゾール、1,2−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン、ジフェイニルスルホン、1,2−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン、ジフェイニルスルホン、イプシロン−カプロラクタム、エタンスルホニルクロリド、エチルエチルホスフィネート、N−エチルテトラゾール、エチレンカーボネート、エチレントリチオカーボネート、エチレングリコールサルフェート、グリコールサルファイト、フルフラール、2−フロニトリル、2−イミダゾール、イサチン、イソキサゾール、マロノニトリル、4−メトキシベンゾニトリル、1−メトキシ−2−ニトロベンゼン、メチルαブロモテトロネート、1−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、3−メチルイソキサゾール、N−メチルモルホリン−N−オキシド、メチルフェニルスルホン、N−メチルピロリジノン、メチルスルホラン、メチル−4−トルエンスルホネート、3−ニトロアニリン、ニトロベンズイミダゾール、2−ニトロフラン、1−ニトロソ−2−ピロリジノン、2−ニトロチオフェン、2−オキサゾリジノン、9,10−フェナントレンキノン、N−フェニルシドノン、無水フタル酸、ピコリノニトリル(2−シアノピリジン)、1,3−プロパンスルトン、β−プロピオラクトン、プロピレンカーボネート、4H−ピラン−4−チオン、4H−ピラン−4−オン(γ−ピロン)、ピリダジン、2−ピロリドン、サッカリン、スクシノニトリル、スルファニルアミド、スルホラン、2,2,6,6−テトラクロロシクロヘキサノン、テトラヒドロチアピランオキシド、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、チアゾール、2−チオウラシル、3,3,3−トリクロロプロペン、1,1,2−トリクロロプロペン、1,2,3−トリクロロプロペン、トリメチレンスルフィド−ジオキシド、及びトリメチレンサルファイトからなる群から選択される実施態様1−44の何れか一に記載の方法。
実施態様46. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、
からなる群から選択される実施態様1−44の何れか一に記載の方法。
実施態様47. 水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、
である実施態様1−44の何れか一に記載の方法。
実施態様48. 水性組成物が、緩衝剤、塩、促進剤、キレート剤、洗浄剤、及びブロッキング剤からなる群から選択される少なくとも一種の更なる成分を更に含む実施態様1−47に記載の方法。
実施態様49. 促進剤がデキストラン硫酸であり、塩がNaCl及び/又はホスフェートバッファーである実施態様48に記載の方法。
実施態様50. デキストラン硫酸が5%から40%の濃度で存在し、NaClが0mMから1200mMの濃度で存在し、及び/又はホスフェートバッファーが0mMから50mMの濃度で存在する実施態様49に記載の方法。
実施態様51. デキストラン硫酸が10%から30%の濃度で存在し、NaClが300mMから600mMの濃度で存在し、及び/又はホスフェートバッファーが5mMから20mMの濃度で存在する実施態様50に記載の方法。
実施態様52. 促進剤が、ホルムアミド、DMSO、グリセロール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリコール、及び1,3プロパンジオールからなる群から選択され、緩衝剤がクエン酸バッファーである実施態様48に記載の方法。
実施態様53. ホルムアミドが0.1−5%の濃度で存在し、DMSOが0.01%〜10%の濃度で存在し、グリセロール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリコール、及び1,3プロパンジオールが0.1%から10%の濃度で存在し、クエン酸バッファーが1mMから50mMの濃度で存在する実施態様52に記載の方法。
実施態様54. ブロッキング剤が、全ヒトDNA、ニシン精液DNA、サケ精液DNA、及びウシ胸腺DNAからなる群から選択される実施態様48に記載の方法。
実施態様55. 全ヒトDNA、ニシン精液DNA、サケ精液DNA、及びウシ胸腺DNAが0.01から10μg/μLの濃度で存在する実施態様54に記載の方法。
実施態様56. 水性組成物が40%の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒、10%のデキストラン硫酸、300mMのNaCl、及び/又は5mMのホスフェートバッファーを含有する実施態様48に記載の方法。
実施態様57. 水性組成物が15%の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒、20%のデキストラン硫酸、600mMのNaCl、及び/又は10mMのホスフェートバッファー含有する実施態様48に記載の方法。
実施態様58. 水性組成物が15%の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒、20%のデキストラン硫酸、600mMのNaCl、及び10mMのクエン酸バッファーpH6.2を含有する実施態様48に記載の方法。
実施態様59. 水性組成物が室温で一相を含む実施態様1−58の何れか一に記載の方法。
実施態様60. 水性組成物が室温で複数相を含む実施態様1−58の何れか一に記載の方法。
実施態様61. 水性組成物が室温で二相を含む実施態様60に記載の方法。
実施態様62. 水性組成物の相が混合される実施態様60又は61に記載の方法。
実施態様63. ハイブリダイゼーション用途における標的の別々の変性を実施するための水性組成物において、2本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を含有し、該極性非プロトン溶媒がジメチルスルホキサイド(DMSO)ではない組成物。
実施態様64. 極性非プロトン溶媒の濃度が実施態様32から35の何れか一に記載の通りに定義される実施態様63の水性組成物。
実施態様65. 極性非プロトン溶媒が実施態様36、又は41から47の何れか一に記載の通りに定義される実施態様63又は64の水性組成物。
実施態様66. 水性組成物が実施態様37から40又は48から62の何れか一に記載の通りに定義される実施態様61から65の何れか一の水性組成物。
実施態様67. ハイブリダイゼーション用途における標的の別々の変性を実施するための、少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を1%から95%(v/v)含有する組成物の使用。
実施態様68. 極性非プロトン溶媒の濃度が実施態様32から35の何れか一に記載の通りに定義される実施態様67に記載の組成物の使用。
実施態様69. 極性非プロトン溶媒が実施態様36又は41から47の何れか一に記載の通りに定義される実施態様67又は68に記載の組成物の使用。
実施態様70. 水性組成物が実施態様37から40又は48から62の何れか一に記載の通りに定義される実施態様67から69の何れか一に記載の組成物の使用。
実施態様71. ハイブリダイゼーションアッセイを実施するためのキットにおいて、
− 実施態様63−66の何れか一に記載の第一の水性組成物と、
− 少なくとも一の核酸配列を含んでなる第二の水性組成物
を含むキット。
実施態様72. 第二の水性組成物が、二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも一種の変性剤を更に含有する実施態様71に記載のキット。
実施態様73. 第二の水性組成物中の変性剤が極性非プロトン溶媒である実施態様72のキット。
実施態様74. 第二の水性組成物中の極性非プロトン溶媒の濃度が実施態様32から35の何れか一に記載の通りに定義される実施態様73のキット。
実施態様75. 第二の水性組成物中の極性非プロトン溶媒が実施態様36又は41から47の何れか一に記載の通りに定義される実施態様73又は74のキット。
実施態様76. 第二の水性組成物が実施態様37から40又は48から62の何れか一に記載の通りに定義される実施態様71から75の何れか一のキット。
実施態様2−1.
核酸配列をハイブリダイズさせるインサイツの方法において、
− 二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を含有する第一の水性組成物中で第一の核酸配列を含む第一の二本鎖核酸配列を変性させ、
− 二本鎖ヌクレオチド配列を変性させるのに有効な量の少なくとも変性剤を含有する第二の水性組成物中で第二の核酸配列を含む第二の二本鎖核酸配列を変性させ、
− 第一及び第二の核酸配列を、第一及び第二の核酸配列をハイブリダイズさせるために8時間未満少なくとも一の極性非プロトン溶媒を含有する水性組成物中で組み合わせる
ことを含み、
ここで極性非プロトン溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)では無いインサイツの方法。
実施態様2−2.
第二の水性組成物中の変性剤が極性非プロトン溶媒である実施態様2−1に記載の方法。
実施態様2−3.
例えば前記第一及び/又は前記第二の核酸を変性させる時間が1分、2分、3分、4分、5分、10分、15分、又は30分である実施態様2−1及び実施態様2−2の何れか一に記載の方法。
実施態様2−4.
ハイブリダイジングの工程が、組成物を加熱及び/又は冷却する工程を含み、例えばハイブリダイゼーションの工程が1時間未満、例えば30分未満、例えば15分未満、例えば5分未満を要する実施態様1−2から2−3の何れか一に記載の方法。
実施態様2−5.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒の濃度が約1%から95%(v/v)、例えば5%から10%(v/v)、例えば10%から20%(v/v)、例えば20%から30%(v/v)である実施態様2−1から2−4の何れか一に記載の方法。
実施態様2−6.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒が無毒性である実施態様2−1から2−5の何れか一に記載の方法。
実施態様2−7.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、ラクトン、スルホン、ニトリル、サルファイト、及び/又はカーボネートの官能性を有する実施態様2−1から2−6の何れか一に記載の方法。
実施態様2−8.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、17.7から22.0MPa1/2の範囲の分散溶解度パラメータ、13から23MPa1/2の範囲の極性溶解度パラメータ、及び3から13MPa1/2の範囲の水素結合溶解度パラメータを有する実施態様2−1から2−7の何れか一に記載の方法。
実施態様2−9.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒が
(ここで、XがOであり、R1がアルキルジイルである)、及び
(ここで、Xは任意であり、存在する場合は、O又はSから選択され、
Zは任意であり、存在する場合は、O又はSから選択され、
A及びBは独立してO又はN又はS又はアルキルジイルの一部又は第1級アミンであり、
Rはアルキルジイルであり、
YはO又はS又はCである)
からなる群から選択される実施態様2−1から2−8の何れか一に記載の方法。
実施態様2−10.
水性組成物中の極性非プロトン溶媒が、
からなる群から選択される実施態様2−1から2−9の何れか一に記載の方法。
実施態様2−11.
水性組成物が、緩衝剤、塩、促進剤、キレート剤、洗浄剤、及びブロッキング剤からなる群から選択される少なくとも一種の更なる成分を更に含む実施態様2−1から2−10の何れか一に記載の方法。
実施態様2−12.
促進剤がデキストラン硫酸であり、塩がNaCl及び/又はホスフェートバッファーである実施態様2−11に記載の方法。
実施態様2−13.
デキストラン硫酸が5%から40%の濃度で存在し、NaClが0mMから1200mMの濃度で存在し、及び/又はホスフェートバッファーが0mMから50mMの濃度で存在し、例えば、デキストラン硫酸が10%から30%の濃度で存在し、NaClが300mMから600mMの濃度で存在し、及び/又はホスフェートバッファーが5mMから20mMの濃度で存在する実施態様2−12に記載の方法。
実施態様2−14.
促進剤が、ホルムアミド、DMSO、グリセロール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリコール、及び1,3プロパンジオールからなる群から選択され、緩衝剤がクエン酸バッファーである実施態様2−11に記載の方法。
実施態様2−15.
ホルムアミドが0.1−5%の濃度で存在し、DMSOが0.01%から10%の濃度で存在し、グリセロール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリコール、及び1,3プロパンジオールが0.1%から10%の濃度で存在し、クエン酸バッファーが1mMから50mMの濃度で存在する実施態様2−14に記載の方法。
実施態様2−16.
水性組成物が40%の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒、10%のデキストラン硫酸、300mMのNaCl、及び/又は5mMのホスフェートバッファーを含有する実施態様2−11に記載の方法。
実施態様2−17.
水性組成物が15%の少なくとも一種の極性非プロトン溶媒、20%のデキストラン硫酸、600mMのNaCl、及び10mMのクエン酸バッファーpH6.2を含有する実施態様2−11に記載の方法。
実施態様2−18.
インサイツハイブリダイゼーション用途における標的の別々の変性を実施するための、少なくとも一種の極性非プロトン溶媒を1%から95%(v/v)含有する組成物の使用。
実施態様2−19.
極性非プロトン溶媒の濃度が実施態様2−5又は2−6又は2−7から2−10に記載される、実施態様2−18に記載の組成物の使用。