特許第6091791号(P6091791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091791
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】アクティブロールコントロール装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 7/00 20060101AFI20170227BHJP
   B60G 21/055 20060101ALI20170227BHJP
   B60G 17/015 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   B60G7/00
   B60G21/055
   B60G17/015 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-164782(P2012-164782)
(22)【出願日】2012年7月25日
(65)【公開番号】特開2013-121827(P2013-121827A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2015年7月1日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0132872
(32)【優先日】2011年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 成 培
(72)【発明者】
【氏名】鄭 弼 永
(72)【発明者】
【氏名】李 彦 求
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05186486(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−1998−0045430(KR,A)
【文献】 特開昭58−118410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 7/00
B60G 17/015
B60G 21/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションアーム及びスタビライザーバーを連絡するスタビライザーリンクと、前記サスペンションアームと、の連結点位置を車両の走行状況に応じて調整して車両に対するロール抵抗力を能動的に制御するアクティブロールコントロール装置において、
前記サスペンションアームは、ナックルとの連結点と、サブフレームの車幅方向外側との連結点と、前記サブフレームの車幅方向内側との連結点と、を有し、
前記サスペンションアームには、更にスライディングユニットが設けられ、
前記スライディングユニットは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に車幅方向に沿って設けられるレールプレートと、前記レールプレートに沿って移動自在に設けられたコネクタと、前記コネクタと連結されて前記コネクタを駆動する駆動源と、を備え、
前記コネクタは、前記スタビライザーリンクの下端と連結され、車両の走行状況に応じて車幅方向に案内され、前記サスペンションアーム及び前記ナックルとの連結点と、前記サスペンションアーム及び前記サブフレームの車幅方向外側との連結点と、を結ぶ仮想の直線の車幅方向内側において移動可能であることを特徴とするアクティブロールコントロール装置。
【請求項2】
前記サスペンションアームは、前記サブフレームと前記ナックルとの間に連結されるロアアームであることを特徴とする請求項1に記載のアクティブロールコントロール装置。
【請求項3】
前記ロアアームは、前記ナックルにボールジョイントを介して連結され、前記サブフレームにブッシュを介して連結されることを特徴とする請求項2に記載のアクティブロールコントロール装置。
【請求項4】
前記駆動源は、前記コネクタと連結される駆動軸と、前記駆動軸を回転させて前記コネクタを駆動するモータと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアクティブロールコントロール装置。
【請求項5】
前記駆動軸は、プッシュロッドと一緒に前記スライディングユニットのスライディング中心線の延長線上に配置されることを特徴とする請求項4に記載のアクティブロールコントロール装置。
【請求項6】
前記スタビライザーバー及び前記スタビライザーリンクは、前記スタビライザーリンクの下端が前記レールプレート上の作動ストロークの中央に位置するときに、前記スタビライザーバーと前記スタビライザーリンクとの連結角が直角をなすように連結されることを特徴とする請求項5に記載のアクティブロールコントロール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のアクティブロールコントロール装置に係り、より詳しくは、サスペンションアームにスタビライザーリンクを介して連結されるスタビライザーバーの能動的なロール制御を可能にするアクティブロールコントロール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の懸架装置は、車軸と車体とを連結し、走行中に車軸が路面から受ける振動や衝撃を、車体に直接的に伝達しないようにする。これにより、車体及び貨物の損傷を防止し、乗り心地を良くする。
【0003】
このような懸架装置は、路面からの衝撃を緩和させるシャシースプリングと、シャシースプリングの自由振動を減衰させて乗り心地をよくするショックアブソーバーと、車両のローリングを抑えるスタビライザーバーと、を備える。
【0004】
スタビライザーバーは、直線部及び両端を有する。直線部の両側は車体に設けられ、両端はスタビライザーリンクを介してロアアーム又はストラットバーに取り付けられる。
これにより、スタビライザーバーは、左右側ホイールが同じ方向に動く場合には作用せず、左右側ホイールが互いに反対方向に動く場合にはねじれながら、ねじれ弾性力により車体のロールを抑えるアンチロール機能を示す。
【0005】
すなわち、スタビライザーバーは、車両の旋回走行時に車体の旋回外側が遠心力により傾いたり、あるいは、走行中にバンプ又はリバウンドによって左右側ホイールが相対的に位相差を有するときにスタビライザーバーはねじれながら、そのねじれ弾性力を用いて車体の姿勢を安定化させる。
【0006】
しかしながら、スタビライザーバーはねじれ剛性値が一定であるため、自体のねじれ弾性力だけでは種々の走行状況下で旋回安定性を確保するには不十分であった。
近年、スタビライザーバーの一方の端に油圧シリンダー又はモータで構成されるアクチュエーターを連結して能動的に車両のローリングを制御するアクティブロールコントロールユニットが開発された。
【0007】
アクティブロールコントロールユニットは、サスペンションアームとスタビライザーバーの一方の端とを連結するスタビライザーリンクの連結部に油圧シリンダー又はモータからなるアクチュエーターを設置して連結点位置を移動させることにより、スタビライザーバーの一方の端とサスペンションアームとの間の連結位置を変動させてスタビライザーバーによるロール剛性度を増加させることができる。
【0008】
図1は、従来の技術によるアクティブロールコントロール装置が適用された車両用懸架装置の部分斜視図である。
図1に示すように、従来のアクティブロールコントロール装置は、車両の走行条件によってスタビライザーバー1による車両のロール剛性度を増加させて車両のアンチロール性能を能動的に改善する。
【0009】
図1に示すように、アクティブロールコントロール装置は、スタビライザーバー1と、スタビライザーリンク3と、サスペンションアームであるロアアーム7上に組み付けられるスライディングユニット5と、駆動源6と、を備える。
スタビライザーバー1は、両側が車体のサブフレーム11上のブラケット13にマウンティングブッシュ15を介して設けられる。
【0010】
スタビライザーリンク3は、一方の端がスタビライザーバー1の一方の端にボールジョイントBJを介して連結される。
スライディングユニット5は、ロアアーム7の側部にハウジング21を介して設けられ、ハウジング21の内部にはレールプレート23が設けられる。スタビライザーリンク3の他方の端と連結されるコネクタ25は、レールプレート23に移動自在に設けられる。そして、駆動源6の駆動によってコネクタ25が車幅方向に直線移動される。
【0011】
駆動源6は、リードスクリュー39(図2)及びリードスクリュー39を回転軸とするモータ27を備える。
ハウジング21は、上部が開口された四角のボックス状に形成され、ロアアーム7の側部に設けられる。
ハウジング21の一方の端に突起部33が形成され、ボールジョイントBJを介してナックル17の下部に連結される。
そして、レールプレート23は、ハウジング21の内部に車幅方向に設けられる。
【0012】
リードスクリュー39は、ハウジング21を貫通してレールプレート23に沿って配置される。
コネクタ25は、ハウジング21の内部において一対のレールプレート23の間に配置されてリードスクリュー39に噛合される。
コネクタ25はボールジョイントBJを介してスタビライザーリンク3の他方の端と連結される。
【0013】
カバー29には、コネクタ25の移動区間に対応するスロットが形成され、カバー29は、ハウジング21の上端の開口部を覆う。
アクティブロールコントロール装置は、車両の走行条件によってモータ27が駆動され、スタビライザーリンク3のロアアーム7上の連結位置が移動される。
これによって、スタビライザーリンク3の連結位置が変化され、スタビライザーバー1による車両のロール剛性度を増加させることができる。
【0014】
図2は、従来の技術によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの平面図である。
図2に示すように、上記の従来の技術によるアクティブロールコントロール装置は、ロアアーム7の連結位置であるP1点、P2点、P3点を結ぶ平面上においてオフセットOSされている状態で運動を実現する。
【0015】
これは、実際に車両のバンプ−リバウンドがおきると平面が移動するが、オフセットOSにより実際の挙動にコンプライアンス影響度(compliance effect)が発生してしまうという問題点がある。
【0016】
また、駆動源6であるモータ27はロアアーム7の外側からスタビライザーリンク3を動かさなければならないため、大なき駆動力が必要となる。また、ロアアーム7がバンプ又はリバウンドをすると、基本的に動きながら、スタビライザーリンク3の他方の端を車幅方向に移動させなければならないため、大きな負荷がかかるという問題点がある。
【0017】
特に、P1点が普通ホイールセンター近くの領域であるが、その領域外において駆動源6の作動が行われるため、横力特性(characteristic of lateral force)が良くないという短所がある。
また、モータ27の設置位置が振動及び飛石(Flyrocks)によるチッピング(chipping)の影響を多く受ける位置であるためモータの耐久性に影響を及ぼす可能性があるという短所もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−7803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、車両の挙動によるコンプライアンス影響度を最大限に抑制したアクティブロールコントロール装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両の振動及び飛石によるチッピングを防ぎ、モータの耐久性を改善することのできるアクティブロールコントロール装置を提供することにある。
【0020】
さらに、本発明の更に他の目的は、車両の挙動によるモータの動力伝達効率及びスタビライザーバーとスタビライザーリンクとの間の作動効率を高めたアクティブロールコントロール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するためになされた本発明のアクティブロールコントロール装置は、サスペンションアーム及びスタビライザーバーを連絡するスタビライザーリンクと、サスペンションアームと、の連結点の位置を車両の走行状況に応じて調整して車両に対するロール抵抗力を能動的に制御するアクティブロールコントロール装置において、
サスペンションアームは、ナックルとの連結点と、サブフレームの車幅方向外側との連結点と、サブフレームの車幅方向内側との連結点と、を有し、サスペンションアームには、更にスライディングユニットが設けられ、スライディングユニットは、ハウジングと、ハウジングの内部に車幅方向に沿って設けられるレールプレートと、レールプレートに沿って移動自在に設けられたコネクタと、コネクタと連結されてコネクタを駆動する駆動源と、を備え、コネクタは、スタビライザーリンクの下端と連結され、車両の走行状況に応じて車幅方向に案内され、サスペンションアーム及びナックルとの連結点と、サスペンションアーム及び車両のサブフレームの車幅方向外側との連結点と、を結ぶ仮想の直線の車幅方向内側において移動可能であることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、サスペンションアームが、車両のサブフレームとナックルとの間に連結されるロアアームであることを特徴とする。
また本発明は、ロアアームは、ナックルにボールジョイントを介して連結され、車両のサブフレームにブッシュを介して連結されることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、駆動源が、コネクタと連結される駆動軸と、駆動軸を回転させてコネクタを駆動するモータと、を備えることを特徴とする。
また本発明は、駆動軸が、プッシュロッドと一緒にスライディングユニットのスライディング中心線の延長線上に配置されることを特徴とする。
【0024】
また本発明のスタビライザーバー及びスタビライザーリンクは、スタビライザーリンクの下端がレールプレート上の作動ストロークの中央に位置するときに、スタビライザーバーとスタビライザーリンクとの連結角が直角をなすように連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、サスペンションアームの挙動領域の内側においてスタビライザーリンクを作動可能にして、実際の車両の挙動によるコンプライアンス影響度を極力抑えることができる。
また、スタビライザーリンクの連結位置を可変にしてスタビライザーバーのロール剛性度を増加させて車両の旋回安定性を向上させることができる。
【0026】
更に、モータの設置位置をサブフレームの内側に移動して車両の振動及び飛石によるチッピングの影響を極力抑えてモータの耐久性を改善することができる。
更に、車体の挙動によるサスペンションアームの挙動を考慮して、プッシュロッドを介して駆動力が伝達されるモータの動力伝達効率と、スタビライザーバーとスタビライザーリンクリンクとの間の作動効率を考慮して全体的な構成をコンパクトに設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来の技術によるアクティブロールコントロール装置が適用された車両用懸架装置の部分斜視図である。
図2】従来の技術によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの平面図である。
図3】本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用された車両用懸架装置の部分斜視図である。
図4】本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの平面図である。
図5】本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの側面図である。
図6】本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置の作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は類似の構成要素に対しては同じ符号を付して説明する。
図3は、本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用された車両用懸架装置の部分斜視図であり、図4は、本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの平面図である。
【0029】
図3及び図4に示すように、本発明のアクティブロールコントロール装置は、スタビライザーバー1と、スタビライザーリンク3と、サスペンションアーム上に組み付けられるスライディングユニット5と、駆動源6と、を備える。
【0030】
本発明の実施形態においては、サスペンションアームが車両のサブフレーム11とナックル17との間に連結されるロアアーム7である例を説明する。
ロアアーム7は、ボールジョイントBJを介してナックル17に連結され、ブッシュBを介してサブフレーム11に連結される。
【0031】
スタビライザーバー1は、直線部及び端部を有する。
スタビライザーバー1の直線部は、サブフレーム11上のブラケット13にマウンティングブッシュ15を介して連結される。
そして、スタビライザーバー1の端部の両端に、スタビライザーリンク3の一方の端部が、ボールジョイントBJを介して連結される。
【0032】
スライディングユニット5は、ハウジング21と、レールプレート23及びコネクタ25を備える。
ハウジング21は、ロアアーム7上に上部が開口された形状に形成される。
【0033】
図4に示すように、本実施例におけるサスペンションアームであるロアアーム7は、ナックル側連結点P1と、サブフレーム11との車幅方向外側の連結点P2と、サブフレーム11との車幅方向内側の連結点P3と、を有する。ここで、ロアアーム7のナックル側連結点P1とサブフレーム11の車幅方向外側の連結点P2を結ぶ直線L1上の車幅方向内側にスライディング中心線L2が位置するように形成される。
【0034】
ハウジング21の内部に車幅方向に沿ってレールプレート23が対をなして設けられ、一対のレールプレート23の間には空間部Sが形成される。
レールプレート23の間にコネクタ25が移動自在に設けられる。
コネクタ25は、スタビライザーリンク3の他方の端及びプッシュロッド35の一方の端に連結される。
【0035】
駆動源6はモータ27から構成され、サブフレーム11上に設けられる。
駆動源6は前後進駆動する駆動軸37を備え、駆動軸37はプッシュロッド35の一方の端と屈折可能に連結され、プッシュロッド35を介してコネクタ25を前後進させる。
図4に示すように、駆動軸37は、プッシュロッド35と一緒にスライディングユニット5のスライディング中心線L2の延長線L3上に配置される。
【0036】
図5は、本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置が適用されたロアアームの側面図である。
図5に示すように、スタビライザーリンク3の他方の端が、レールプレート23上の作動ストロークDSの中央P10に位置するとき、スタビライザーバー1とスタビライザーリンク3との角が直角90°になるように連結される。
【0037】
本発明のアクティブロールコントロール装置は、車両の走行条件によってモータ27が駆動され、スタビライザーリンク3のロアアーム7上の連結位置が調整される。
これによって、スタビライザーリンク3の連結位置が変化されてスタビライザーバー1による車両のロール剛性度を増加させることができる。
【0038】
図6は、本発明の実施形態によるアクティブロールコントロール装置の作動状態図である。図6を参照してアクティブロールコントロール装置の作動について詳細に説明する。
図6のS1に示すように、直線走行中にはスタビライザーリンク3のロアアーム7との連結位置を決めるコネクタ25は、初期位置「P11」に位置する。
【0039】
この状態で、車両が旋回走行を開始すると、加速度センサー(図示せず)及びステアリングセンサー(図示せず)から出力される信号に基づいて制御装置(図示せず)が駆動モータ27を作動させる。
【0040】
次いで、図6のS2に示すように、駆動軸37の初期位置「P11」と隣接位置「P11a」においてモータ27の駆動軸37及びプッシュロッド35が一直線L4上に配置されてモータ27の駆動力がプッシュロッド35を介してコネクタ25に100%伝達される。
【0041】
すなわち、車体のバンプによるロアアーム7の挙動角が駆動軸37とプッシュロッド35を一直線L4上に位置させてモータ27の動力伝達効率を良くする。ここで、初期位置「P11」及び隣設位置「P11a」は同じ位置であることが好ましい。
このようにモータ27の動力伝達効率を高めることによりモータの容量を大きくすることなく、最適な設計仕様によってモータ27を駆動させることができる。
【0042】
一方、モータ27が駆動されると、図6のS3に示すように、スタビライザーリンク3のロアアーム7側の連結位置を決めるコネクタ25が「P12点」に移動され、スタビライザーリンク3の連結位置が変化される。これによって、スタビライザーバー1による車両のロール剛性度を増加させることができる。すなわち、車両のロールに対する抵抗特性(resistance characteristic)が増加して旋回安定性が増加する。
【0043】
このように本発明のアクティブロールコントロール装置は、車両の走行条件によって駆動モータ27を駆動させることによりスタビライザーリンク3のロアアーム7上の連結位置を調整して車両のロール剛性を能動的に制御する。
すなわち、車両の旋回走行時にはスタビライザーリンク3のロアアーム7上の連結位置が変化されて更に大きなロール抑制力により車体のロールを能動的に制御する。
【0044】
本発明のアクティブロールコントロール装置において、スライディングユニット5は、ロアアーム7の連結点であるP1点、P2点、P3点を結ぶ平面上にオフセットOSされないように設けられる。
【0045】
これによって、実際に車両がバンプ−リバウンドされ、前記平面が移動されても、スライディングユニット5がスライディング中心線L2が移動する平面上に位置するので、実際の挙動に及ぼされるコンプライアンス影響度が僅かになる。すなわち、サスペンションアームであるロアアーム7の挙動領域内において、スライディングユニット5がスタビライザーリンク3を動かしてモータ27の駆動力が効率よく伝達される。
【0046】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 スタビライザーバー
3 スタビライザーリンク
5 スライディングユニット
6 駆動源
7 ロアアーム
11 サブフレーム
13 ブラケット
15 マウンティングブッシュ
17 ナックル
21 ハウジング
23 レールプレート
25 コネクタ
27 モータ
35 プッシュロッド
37 駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6