特許第6091823号(P6091823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091823
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】保持装置及び保持システム
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/02 20060101AFI20170227BHJP
   B60P 7/06 20060101ALI20170227BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   B65D6/02
   B60P7/06 Z
   B60P3/00 G
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-208518(P2012-208518)
(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公開番号】特開2014-61917(P2014-61917A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】島田 洋一
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−158864(JP,A)
【文献】 特開平05−116880(JP,A)
【文献】 特公平05−058096(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3139921(JP,U)
【文献】 特開平08−282500(JP,A)
【文献】 実開平03−061277(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/02
B60P 3/00
B60P 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに立てかけられたパネル資材を保持する保持装置であって、
保持装置を前記ラックに固定するための固定機構と、
パネル資材の側縁を上下方向にスライド自在に保持する保持機構と、を有し、 前記保持機構は、前記パネル資材の側縁の上下方向に延在する延在部をはめ込むはめ込み部を有し、
前記パネル資材のL字状の延在部に対し、前記はめ込み部は、L字状の延在部の内側を覆う第1の覆い部と、L字状の延在部の外側を覆う第2の覆い部により形成され、
前記第1の覆い部は、前記第2の覆い部よりも軟質に形成されている、保持装置。
【請求項2】
前記はめ込み部は、前記パネル資材の延在部よりも強度が低い材質により形成されている、請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
前記第1の覆い部の先端側の角部は、湾曲している、請求項1又は2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記第1の覆い部を有する第1の板状部と、前記第2の覆い部を有する第2の板状部と、前記第1の板状部と前記第2の板状部の間に介在される第3の板状部と、を有し、
前記第1の板状部、前記第2の板状部及び前記第3の板状部は、互いに着脱自在である、請求項1〜3のいずれかに記載の保持装置。
【請求項5】
前記固定機構は、保持装置を前記ラックに固定するためのベルトを通す穴を有し、
前記第3の板状部は、前記第1の板状部及び前記第2の板状部より所定方向に長く、当該第1の板状部及び前記第2の板状部の所定方向の両側に突出しており、
前記穴は、第3の板状部の所定方向の両側の突出部分に形成されている、請求項4に記載の保持装置。
【請求項6】
前記固定機構は、保持装置を前記ラックに固定するためのベルトを通す穴を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の保持装置。
【請求項7】
パネル資材を立てかけるラックと、
前記ラックに立てかけられたパネル資材を保持する保持装置を有し、
前記保持装置は、当該保持装置を前記ラックに固定するための固定機構と、パネル資材の側縁を上下方向にスライド自在に保持する保持機構と、を有し、
前記保持機構は、前記パネル資材の側縁の上下方向に延在する延在部をはめ込むはめ込み部を有し、
前記パネル資材のL字状の延在部に対し、前記はめ込み部は、L字状の延在部の内側を覆う第1の覆い部と、L字状の延在部の外側を覆う第2の覆い部により形成され、
前記第1の覆い部は、前記第2の覆い部よりも軟質に形成されている、保持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに立てかけられたパネル資材を保持する保持装置及び保持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
窓サッシを保持する開口パネルなどの建築用のパネル資材は、近年長尺化、広巾化が進んでいる。このため、パネル資材の製造工場から建築現場への運搬時に、トラックやトレ−ラなどの貨物自動車の荷台上にパネル資材を平らに置いて積み重ねることができなくなってきている。そこで、貨物自動車の荷台上にラックを設置し、複数枚のパネル資材をラックに立てかけて運搬する方法が採られている(特許文献1参照)。そして、建築現場に到着すると、ラックのパネル資材をクレーンにより吊り上げて建物躯体に搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59-143729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の場合、クレーンによりパネル資材を吊り上げる際に、風などの影響を受けてパネル資材が揺れて、他のパネル資材に接触し、パネル資材が損傷することがある。また、この種の接触を防止すべく、パネル資材を吊り上げる際に当該パネル資材の両側を手で支えてパネル資材の姿勢を保持する必要があり、吊り上げ作業に複数人が必要であった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ラックのパネル資材を損傷することなく吊り上げることができ、また吊り上げ作業をより少ない人数で行うことができる保持装置及び保持システムを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、ラックに立てかけられたパネル資材を保持する保持装置であって、保持装置を前記ラックに固定するための固定機構と、パネル資材の側縁を上下方向にスライド自在に保持する保持機構と、を有し、前記保持機構は、前記パネル資材の側縁の上下方向に延在する延在部をはめ込むはめ込み部を有し、前記パネル資材のL字状の延在部に対し、前記はめ込み部は、L字状の延在部の内側を覆う第1の覆い部と、L字状の延在部の外側を覆う第2の覆い部により形成され、前記第1の覆い部は、前記第2の覆い部よりも軟質に形成されている、保持装置である。
【0007】
本発明によれば、ラックに立てかけられたパネル資材を保持しながら上下方向にスライドできるので、吊り上げ作業時にパネル資材が他のパネル資材等に衝突することを防止しパネル資材の損傷を防止できる。また、吊り上げ作業時にパネル資材を複数人で押さえている必要がないので、より少ない人数で吊り上げ作業を行うことができる。また、第1の覆い部に柔軟性があるので、パネル資材の延在部をはめ込み部にはめ込む際に、第1の覆い部が曲がってパネル資材の延在部をはめ込みやすくなる。
【0008】
また、吊り上げ作業時のパネル資材の揺れをより確実に防止できる。また、パネル資材に対する保持装置の着脱も簡単かつ適切に行うことができる。
【0009】
前記はめ込み部は、前記パネル資材の延在部よりも強度が低い材質により形成されていてもよい。かかる場合、パネル資材と保持装置が接触しても、パネル資材の損傷を防止できる。
【0011】
前記第1の覆い部の先端側の角部は、湾曲していてもよい。かかる場合、パネル資材の延在部をはめ込み部にはめ込みやすくなる。
【0012】
前記第1の覆い部を有する第1の板状部と、前記第2の覆い部を有する第2の板状部と、前記第1の板状部と前記第2の板状部の間に介在される第3の板状部とを有し、前記第1の板状部、前記第2の板状部及び前記第3の板状部は、互いに着脱自在であってもよい。かかる場合、各板状部の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0013】
前記固定機構は、保持装置を前記ラックに固定するためのベルトを通す穴を有し、前記第3の板状部は、前記第1の板状部及び前記第2の板状部より所定方向に長く、当該第1の板状部及び前記第2の板状部の所定方向の両側に突出しており、前記穴は、第3の板状部の所定方向の両側の突出部分に形成されていてもよい。かかる場合、ベルトによって保持装置をラックに適切に固定できる。
【0014】
前記固定機構は、保持装置を前記ラックに固定するためのベルトを通す穴を有するものであってもよい。
【0015】
別の観点による本発明は、パネル資材を立てかけるラックと、前記ラックに立てかけられたパネル資材を保持する保持装置を有し、前記保持装置は、当該保持装置を前記ラックに固定するための固定機構と、パネル資材の側縁を上下方向にスライド自在に保持する保持機構と、を有し、前記保持機構は、前記パネル資材の側縁の上下方向に延在する延在部をはめ込むはめ込み部を有し、前記パネル資材のL字状の延在部に対し、前記はめ込み部は、L字状の延在部の内側を覆う第1の覆い部と、L字状の延在部の外側を覆う第2の覆い部により形成され、前記第1の覆い部は、前記第2の覆い部よりも軟質に形成されている、保持システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吊り上げ作業時のパネル資材の損傷を防止できる。また、より少ない人数でもパネル資材の吊り上げ作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】保持システムを搭載した貨物自動車の側面図である。
図2】保持システムを搭載した貨物自動車の背面図である。
図3】保持装置の斜視図である。
図4】保持装置の正面図である。
図5】保持装置の上面図である。
図6】ラックの横フレームにおいてパネル資材を保持した状態の保持装置の正面図である。
図7】ラックの横フレームにおいてパネル資材を保持した状態の保持装置の上面図である。
図8】ベルトによってラックの横フレームに固定された保持装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1及び図2は、本実施の形態に係る保持システム1を搭載した貨物自動車2を示している。
【0019】
貨物自動車2の荷台3上には、保持システム1が設けられている。保持システム1は、パネル資材Aが立てかけられるラック10と、ラック10に立てかけられたパネル資材Aを保持する保持装置11を有している。本実施の形態では、保持システム1は、両側縁に上下方向に沿って延在するL字状の延在部A1を有するパネル資材Aを保持する。パネル資材Aは、金属製の方形フレームBの中央に上下に渡って一対のサブフレームCを有し、当該サブフレームCの中央部に窓サッシ装置Dを備えている。また、当該方形フレームBの左右の縦フレームB1には、L字状の延在部A1が上端縁から下端縁に亘って設けられている。
【0020】
ラック10は、図1に示すように上下に延在する2本の支柱20と、支柱20同士を接続する横フレーム21を有している。ラック20は、2本の支柱20が荷台3の前後に配置され、横フレーム21が荷台3の前後に向くように配置されている。ラック10は、パネル資材Aを横に立てかけて支持できる。ラック10は、図2に示すように荷台3の幅方向に複数並べて配置されている。ラック10同士は、水平の接続フレーム22により接続されている。
【0021】
保持装置11は、ラック10の横フレーム21に取り付け可能である。保持装置11は、図3に示すように当該保持装置11をラック10に固定するための固定機構30と、パネル資材Aの側縁を上下方向にスライド自在に保持する保持機構31を有している。
【0022】
保持装置11は、図3図5に示すように三層の板状部40、41、42を有している。最上層の第1の板状部40は、方形に形成され、最下層の第2の板状部41よりも軟質のポリカルボナートなどの樹脂により形成されている。
【0023】
第2の板状部41は、一方の側部が立ち上がったL字状に形成され、平板部41aと、立上り部41bを有している。第2の板状部41は、鋼板又はステンレス等により形成されている。なお、上記の通り、少なくとも第1の板状部40はパネル資材Aの方形フレームBよりも強度の低い材質により形成されている。
【0024】
第1の板状部40の横方向(図3図5の左右方向)の幅は、第2の板状部41の平板部41aの幅よりも小さく形成されている。第1の板状部40と第2の板状部41の立上り部41bと反対側の側面が揃えられており、第1の板状部40の立上り部41b側の側面と、立上り部41bとの間には、隙間ができている。また、第1の板状部40と第2の板状部41は、第3の板状部42を間に介在しており、第1の板状部40と第2の板状部41の対向面側の間にも隙間ができている。これらの隙間がパネル資材AのL字状の延在部A1をはめ込むはめ込み部50となっている。つまり、図5に示すように第1の板状部40は、パネル資材AのL字状の延在部A1の内面側を覆う第1の覆い部60を有し、第2の板状部41は、延在部A1の外側面を覆う第2の覆い部61を有し、第1の覆い部60と第2の覆い部61により、L字状の延在部A1の形状に合うはめ込み部50が形成されている。これが上記保持機構31になっている。
【0025】
第2の覆い部61に対向する第1の覆い部60の先端の角部62は、面取りされ湾曲している。
【0026】
図3及び図4に示すように中層の第3の板状部42は、横幅が第1の板状部40よりも小さく、縦寸法が第1の板状部40よりも長い方形に形成されている。第3の板状部42は、第1の板状部40と第2の板状部41の縦方向の両側から突出しており、その両側の突出部分42aには、ベルトを通すための穴70がそれぞれ形成されている。これが上記固定機構30になっている。第3の板状部42は、鋼板又はステンレス等により形成されている。
【0027】
第1の板状部40、第2の板状部41及び第3の板状部42は、厚み方向に貫通するボルト80により互いに固定されている。ボルト80は、2箇所に設けられている。このボルト80によって、第1の板状部40、第2の板状部41及び第3の板状部42は、互いに着脱自在になっている。
【0028】
次に、以上のように構成された保持システム1を用いたパネル資材Aの搬送方法について説明する。
【0029】
製造工場から建築現場までパネル資材Aを運搬する際には、貨物自動車2の荷台3に設置された各ラック10にパネル資材Aが立てかけられ支持される。この際、パネル資材Aは、図示しないベルトなどの他の手段によりラックに拘束されてもよい。
【0030】
貨物自動車2が建築現場に到着し、荷台3上のパネル資材Aを建物躯体に搬送する際には、図6図8に示すようにパネル資材Aの一方の縦フレームB1が保持装置11により保持された状態でラック10に支持される。具体的には、先ず、図6及び図7に示すように保持装置11のはめ込み部50にパネル資材AのL字状の延在部A1をはめ込む。次に、当該保持装置11を延在部A1に沿ってスライドさせてラック10の横フレーム21の高さまで移動させる。そして、図8に示すように、保持装置11の穴70にベルト100を通し、ベルト100を横フレーム21の周りにまわしてしばりつけ、保持装置11を横フレーム21に固定する。こうすることによって、保持装置11により、パネル資材Aがラック10に上下方向にスライド自在に保持される。
【0031】
次に、クレーンのフックをパネル資材Aの吊り上げ紐に取り付け、パネル資材Aのラック10への拘束を解き、クレーンによりパネル資材Aを上方に引っ張り上げる(図1の二点鎖線参照)。このとき、パネル資材Aは、延在部A1が保持装置11のはめ込み部50にはめ込まれた状態で、上方にスライド移動する。これにより、パネル資材Aは、揺れることなく、ラック10に支持された状態での姿勢を保ったまま、まっすぐにラック10に沿って上方に吊り上げられる。パネル資材Aは、クレーンによりラック10上に引き抜かれた後、建物躯体に搬送される。
【0032】
以上の実施の形態によれば、ラック10に立てかけられたパネル資材Aを保持した状態で上下方向にスライドできるので、吊り上げ作業時にパネル資材Aが他のパネル資材等に衝突することがなく、パネル資材Aの損傷を防止できる。また、吊り上げ作業時にパネル資材Aを複数人で押さえる必要がないので、少ない人数でも吊り上げ作業を行うことができる。
【0033】
保持機構31は、パネル資材Aの側縁の上下方向に延在する延在部A1をはめ込むはめ込み部50を有しているので、吊り上げ作業時のパネル資材Aの揺れをより確実に防止できる。また、パネル資材Aに対する保持装置11の着脱も簡単かつ適切に行うことができる。
【0034】
はめ込み部50は、パネル資材Aの延在部A1よりも強度が低い材質により形成されているので、パネル資材Aと保持装置11が接触しても、パネル資材Aの損傷を防止できる。
【0035】
はめ込み部50は、L字状の延在部A1の内側を覆う第1の覆い部60と、L字状の延在部の外側を覆う第2の覆い部61により形成され、第1の覆い部60は、第2の覆い部61よりも軟質に形成されている。このため、パネル資材Aの延在部A1をはめ込み部50にはめ込む際に、第1の覆い部60が曲がってパネル資材Aの延在部A1をはめ込みやすくなる。
【0036】
第1の覆い部60の先端側の角部62は、湾曲しているので、パネル資材Aの延在部A1をはめ込み部50にはめ込みやすくなる。
【0037】
保持装置11は、第1の覆い部60を有する第1の板状部40と、第2の覆い部61を有する第2の板状部41と、第1の板状部40と第2の板状部41の間に介在される第3の板状部42とを有し、第1の板状部40、第2の板状部41及び第3の板状部42は、互いに着脱自在である。これにより、各板状部40、41、42の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0038】
固定機構30は、保持装置11をラック10に固定するためのベルト100を通す穴70を有し、穴70は、第3の板状部42の両側の突出部分42aに形成されているので、ベルト100によって保持装置11をラック10に適切に固定できる。また、このようにベルト100でラック10に固定する構成を有しているので、上述の如くパネル資材Aの延在部A1に先に保持装置11のはめ込み部50をはめ込ませておき、その後、当該保持装置11を延在部A1に沿って移動させ、所望の位置で固定することができる。これにより、保持装置11とパネル資材Aとの係合状態を容易に形成することができるのみならず、当該係合状態を適宜のタイミングで行うことができ、保持装置11の設置が極めて容易となる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0040】
以上の実施の形態におけるラック10や保持装置11の構成は他の構成であってもよい。保持装置11の固定機構30及び保持機構31も他の構成のものであってもよい。具体的には、角部62を湾曲させず、直角状の角部62とした構成を採用することができ、これにより、延在部A1の角部62への引っ掛かりが向上することとなり、より安定した姿勢でパネル資材Aを吊り上げることができるものとなる。
【0041】
パネル資材Aは、窓サッシ付きの開口パネルに限られず、サッシ、窓、玄関、外壁、カーテンウォールなどの他のパネル資材であってもよい。
【0042】
以上の実施の形態では、保持システム1が貨物自動車2の荷台3上に設置されていたが、他の場所に設置されているものにも本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ラックに立てかけられたパネル資材を損傷することなく吊り上げる際に有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 保持システム
2 貨物自動車
3 荷台
10 ラック
11 保持装置
30 固定機構
31 保持機構
70 穴
100 ベルト
A パネル資材
A1 延在部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8