特許第6091841号(P6091841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6091841パーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091841
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】パーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/22 20060101AFI20170227BHJP
   F16D 65/18 20060101ALI20170227BHJP
   F16D 121/24 20120101ALN20170227BHJP
   F16D 127/06 20120101ALN20170227BHJP
【FI】
   B60T17/22 C
   F16D65/18
   F16D121:24
   F16D127:06
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-235295(P2012-235295)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-84968(P2014-84968A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(72)【発明者】
【氏名】竿山 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】村松 誠
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−343200(JP,A)
【文献】 特開2009−085402(JP,A)
【文献】 特開平10−264792(JP,A)
【文献】 特開平08−296677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
B60T 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
この電動モータの出力に応じて車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、
この制動力負荷機構の制動力が弛むのを阻止するパーキングロック状態と前記制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え駆動するアクチュエータを含むロック機構と、
を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータであって、
この電動ブレーキアクチュエータが搭載される車両に設けられて、この車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段と、
前記アクチュエータにより前記ロック機構がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したか否かを、前記検出手段から出力される検出信号を用いて判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が閾値以下のとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したと判定することを特徴とするパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【請求項2】
電動モータと、
この電動モータの出力に応じて車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、
この制動力負荷機構の制動力が弛むのを阻止するパーキングロック状態と前記制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え駆動するアクチュエータを含むロック機構と、
を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータであって、
この電動ブレーキアクチュエータが搭載される車両に設けられて、この車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段と、
前記アクチュエータにより前記ロック機構がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したか否かを、前記検出手段から出力される検出信号を用いて判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記電動モータの出力を増加させる制動力増加手段を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータにおいて、前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記制動力増加手段は、前記制動力負荷機構が負荷する制動力が最大となるように前記電動モータの出力を増加させるパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータにおいて、前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記ロック機構に異常が発生した旨の異常発生情報を、前記車両に設けられた出力装置に出力する異常報告手段を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータにおいて、前記閾値は、前記車両を定められた傾斜角度に停止させた状態で、前記車両が動き出す際の検出信号に基づいて定められているパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータにおいて、前記検出手段は、前記車輪の回転を検出するセンサ、他の物体との近接を検出するセンサ、および全地球測位システムセンサの少なくともいずれか一つを含むパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーキング用のロック機構を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動ブレーキ装置において、いわゆるパーキング用の駐車ブレーキロック機構を備えたものが種々提案されている(特許文献1)。図8に示すように、駐車ブレーキロック機構は、モータロータ100の外周面に設けられたつめ車101と、このつめ車101に係脱可能な係合つめ102を先端に有する揺動アーム103と、係合つめ102をつめ車101から係合離脱する方向へ付勢するねじりばね104と、係合つめ102をつめ車101に係合する方向へ移動させるソレノイド105とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−183809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電動ブレーキ装置では、例えば、駐車ブレーキロック機構の機械的摩耗や摺動特性の劣化、係合不良などにより動作不良が生じ、パーキングロックの作動を完了させることができないおそれがある。
そこで、本件出願人は、パーキングロック機構の駆動源であるソレノイドの変位を検出することで、パーキングロックの作動完了を判定する技術を提案している(特願2012−098521)。しかし、パーキング作動の完了後に、例えば、車両が急勾配で不所望に動き出す場合がある。パーキングロックの作動完了を判定するセンサ等を電動ブレーキ装置に新たに付加する場合、部品点数が増加するうえ、製造コストが高くなる。
【0005】
この発明の目的は、より確実にパーキングロック状態を維持することができると共に、コスト低減を図ることができるパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前提構成のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータは、
電動モータ2と、
この電動モータ2の出力に応じて車輪52に対して制動力を負荷する制動力負荷機構4と、
この制動力負荷機構4の制動力が弛むのを阻止するパーキングロック状態と前記制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え駆動するアクチュエータ30を含むロック機構5と、
を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータであって、
この電動ブレーキアクチュエータが搭載される車両に設けられて、この車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段35と、
前記アクチュエータ30により前記ロック機構5がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、前記ロック機構5がパーキングロック状態に移行したか否かを、前記検出手段35から出力される検出信号を用いて判定する判定手段39とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によると、車両の走行時は、ロック機構5をアンロック状態としておき、電動モータ2を駆動することで、制動力負荷機構4は車輪52に対して制動力を負荷する。駐停車時には、制動力負荷機構4が車輪52に対して制動力を負荷した状態で、ロック機構5をパーキングロック状態に切換えることで、車両が不所望に移動することを禁止する。ロック機構5をパーキングロック状態にすることで、電動モータ2を停止させても、制動力が維持される。
【0008】
判定手段39は、ロック機構5を前記のように切換え駆動したとき、前記ロック機構5がパーキングロック状態に完全に移行したか否かを、車両に設けられた検出手段35から出力される検出信号を用いて判定する。判定手段39は、アクチュエータ自体の変位を検出するのではなく、車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段35を用いて、ロック機構5がパーキングロック状態に移行したか否かを判定している。このため、ロック機構5を前記のように切換え駆動したにもかかわらず、判定手段39によりロック機構5がパーキングロック状態に移行していないと判定されると、例えば、電動モータ2の出力を増加させる等の対策を講じることが可能となる。また前記検出手段35は、車両に既存のものであるため、パーキングロック状態を判定するためのセンサ等を、この電動ブレーキアクチュエータに新たに追加することなく、判定を行うことができる。よって、コスト低減を図ることが可能となる。
【0009】
この発明における第1の発明のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータは、前記前提構成を備え、前記判定手段39は、前記検出手段35から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が閾値以下のとき、前記ロック機構5がパーキングロック状態に移行したと判定する。例えば、車両を定められた傾斜角度の斜面に停車させ、アクチュエータ30により前記ロック機構5がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したときに、車両が動き出すときの検出信号を閾値として、実験、シミュレーション等により定める。
【0010】
前記判定手段39は、前記検出手段35から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記ロック機構5に異常が発生した旨の異常発生情報を、前記車両に設けられた出力装置49に出力する異常報告手段47を備えたものとしても良い。運転者は、パーキングロック状態の後、出力装置49に異常発生情報が出力されていないことを確認したうえで、車両から離れることができる。
【0011】
この発明における第2の発明のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータは、前記前提構成を備え、前記判定手段39は、前記検出手段35から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記電動モータ2の出力を増加させる制動力増加手段46を備えている
判定手段39は、検出手段35からの検出信号が閾値より大きいとき、ロック機構5がパーキングロック状態に移行していないと判定する。このまま放置すると車両が不所望に動き出す場合があるため、検出信号が閾値より大きい条件を満たす場合に、制動力増加手段46が電動モータ2の出力を増加させることで、車両に対する制動力を増加させることができる。よって、車両が不所望に動き出すことを防止することが可能となる
前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記制動力増加手段は、前記制動力負荷機構が負荷する制動力が最大となるように前記電動モータの出力を増加させるものとしても良い。
前記閾値は、前記車両を定められた傾斜角度に停止させた状態で、前記車両が動き出す際の検出信号に基づいて定められていても良い。
【0012】
前記検出手段35は、前記車輪52,53の回転を検出するセンサ、他の物体との近接を検出するセンサ、および全地球測位システムセンサ(GPSセンサ)の少なくともいずれか一つを含むものとしても良い。判定手段39は、このような車両に既存のセンサを用いてパーキングロック状態を判定することができる。例えば、車輪52,53の回転を検出するセンサを用いる場合、アクチュエータ30によりロック機構5がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動した場合に、判定手段39が、前記センサからの検出信号により車輪52,53の回転を検出すると、車両が動き出した、つまりパーキングロック状態に移行していないと判定する。
【0013】
前記車両は電動機54を駆動源とするものとしても良い。
前記車両は、前記検出手段35として、前記電動機54の回転角を検出する回転角センサを有するものとしても良い。
前記検出手段35は、前記電動機54の逆起電圧または逆起電力を検出することで、前記車両が停止状態から移動したことを検出するものとしても良い。
【0014】
この発明の自動車は、前記いずれかに記載のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータを備えたことを特徴とする。この自動車は、より確実にパーキングロック状態を維持することができると共に、車両全体のコスト低減を図れる。
【発明の効果】
【0015】
この発明における第1の発明のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータは、電動モータと、この電動モータの出力に応じて車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力が弛むのを阻止するパーキングロック状態と前記制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え駆動するアクチュエータを含むロック機構とを備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータであって、この電動ブレーキアクチュエータが搭載される車両に設けられて、この車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段と、前記アクチュエータにより前記ロック機構がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したか否かを、前記検出手段から出力される検出信号を用いて判定する判定手段とを備え。前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が閾値以下のとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したと判定する。このため、より確実にパーキングロック状態を維持することができると共に、コスト低減を図ることができる
この発明における第2の発明のパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータは、電動モータと、この電動モータの出力に応じて車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力が弛むのを阻止するパーキングロック状態と前記制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え駆動するアクチュエータを含むロック機構と、を備えたパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータであって、この電動ブレーキアクチュエータが搭載される車両に設けられて、この車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段と、前記アクチュエータにより前記ロック機構がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、前記ロック機構がパーキングロック状態に移行したか否かを、前記検出手段から出力される検出信号を用いて判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記検出手段から出力されて前記車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値より大きいと判定したとき、前記電動モータの出力を増加させる制動力増加手段を備えた。このため、より確実にパーキングロック状態を維持することができると共に、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の第1の実施形態に係るパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータの断面図である。
図2】同電動ブレーキアクチュエータの減速機構の拡大断面図である。
図3】同電動ブレーキアクチュエータのロック機構の拡大断面図である。
図4】(A)は、パーキングロック状態にしたロック機構を概略示す図、(B)は、アンロック状態にしたロック機構を概略示す図である。
図5】同電動ブレーキアクチュエータの制御系のブロック図である。
図6】同電動ブレーキアクチュエータの制御方法を示すフローチャートである。
図7】この発明のいずれかの実施形態に係る電動ブレーキアクチュエータを搭載した自動車を概略示す図である。
図8】従来例の駐車ブレーキロック機構の作動状態を概略示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の第1の実施形態に係るパーキング機能付き電動ブレーキアクチュエータを図1ないし図6と共に説明する。この実施形態に係る電動ブレーキアクチュエータは、自動車である車両の主に運転時に使用されるサービスブレーキと、車両の停車時に使用されるパーキングブレーキとを兼ねている。後述するロック機構がパーキングロック状態に移行していないとき、この電動ブレーキアクチュエータをサービスブレーキとして使用し得る。
【0018】
この電動ブレーキアクチュエータは、図1に示すように、ハウジング1と、電動モータ2と、この電動モータ2の回転を減速する減速機構3と、制動力負荷機構4と、ロック機構5とを有する。ハウジング1の開口端に、径方向外方に延びるベースプレート8が設けられ、このベースプレート8に電動モータ2が支持されている。ハウジング1内には、電動モータ2の出力により車輪、この例ではブレーキディスク9に対して制動力を負荷する制動力負荷機構4が組込まれている。ハウジング1の開口端およびベースプレート8の外側面は、カバー10によって覆われている。
【0019】
制動力負荷機構4について説明する。
制動力負荷機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換して車輪に対して制動力を負荷するいわゆる直動機構である。この制動力負荷機構4は、スライド部材11と、軸受部材12と、環状のスラスト板13と、スラスト軸受14と、転がり軸受15,15と、回転軸16と、キャリア17と、第1および第2のすべり軸受18,19とを有する。ハウジング1の内周面に、円筒状のスライド部材11が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。スライド部材11の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起11aが設けられている。この螺旋突起11aに、後述する複数の遊星ローラが噛合している。
【0020】
ハウジング1内におけるスライド部材11の軸方向一端側に、軸受部材12が設けられている。この軸受部材12は、径方向外方に延びるフランジ部と、ボス部とを有する。ボス部内に転がり軸受15,15が嵌合され、これら各軸受15,15の内輪内径面に回転軸16が嵌合されている。よって回転軸16は、軸受部材12に軸受15,15を介して回転自在に支持される。
【0021】
スライド部材11の内周には、前記回転軸16を中心に回転可能なキャリア17が設けられている。キャリア17は、軸方向に互いに対向して配置される第1のディスク17a,および第2のディスク17bを有する。軸受部材12に近い第2のディスク17bをインナ側ディスク17bといい、軸受部材12から遠い第1のディスク17aをアウタ側ディスク17aという場合がある。第1のディスク17aの2つの主面のうち、第2のディスク17bに臨む主面には、この主面における外周縁部から軸方向に突出する間隔調整部材17cが設けられる。この間隔調整部材17cは、複数の遊星ローラ20の間隔を調整するため、円周方向に間隔を空けて複数配設されている。これら間隔調整部材17cにより、第1および第2のディスク17a,17bが一体に設けられる。
【0022】
第2のディスク17bは、回転軸16との間に嵌合された第1のすべり軸受18により、回転自在に、且つ、軸方向に移動自在に支持されている。第1のディスク17aには、中心部に軸挿入孔が形成され、この軸挿入孔に第2のすべり軸受19が嵌合されている。第1のディスク17aは、第2のすべり軸受19により回転軸16に回転自在に支持される。回転軸16の端部には、スラスト荷重を受けるワッシャが嵌合され、このワッシャの抜け止め用の止め輪が設けられる。
【0023】
キャリア17には、複数のローラ軸21が周方向に間隔を空けて設けられている。各ローラ軸21の両端部が、それぞれ、第1および第2のディスク17a,17bによって支持されている。すなわち第1および第2のディスク17a,17bには、それぞれ長孔から成る軸挿入孔が複数形成され、第1および第2のディスク17a,17bの軸挿入孔の各対に各ローラ軸21の両端部が挿入されてこれらローラ軸21が径方向に移動自在に支持される。複数のローラ軸21には、これらローラ軸21を径方向内方に付勢する弾性リング22が掛け渡されている。
【0024】
各ローラ軸21に、遊星ローラ20が回転自在に支持され、各遊星ローラ20は、回転軸16の外周面と、スライド部材11の内周面との間に介在される。複数のローラ軸21に渡って掛け渡された弾性リング22の付勢力により、各遊星ローラ20が回転軸16の外周面に押し付けられる。回転軸16が回転することで、この回転軸16の外周面に接触する各遊星ローラ20が接触摩擦により回転する。遊星ローラ20の外周面には、前記スライド部材11の螺旋突起11aに噛合する螺旋溝が形成されている。
キャリア17の第2のディスク17bと、遊星ローラ20の軸方向一端部との間には、ワッシャーおよびスラスト軸受(いずれも図示せず)が介在されている。ハウジング1内において、第2のディスク17bと軸受部材12との間には、環状のスラスト板13およびスラスト軸受14が設けられている。
【0025】
減速機構3について説明する。
図2に示すように減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸16に固定された出力ギヤ23に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列を含む。この例では、減速機構3は、電動モータ2のロータ軸2aに取り付けられた入力ギヤ24の回転を、第1,第2および第3のギヤ列25,26,27により順次減速して、回転軸16の端部に固定された出力ギヤ23に伝達可能としている。
【0026】
ロック機構5について説明する。
図3に示すように、ロック機構5は、制動力負荷機構4(図2)の制動力が弛む(制動力が低下する)のを阻止するパーキングロック状態と、制動力が弛むのを許容するアンロック状態とに切換え可能に構成されている。図3の丸枠A内において、ロック機構5のパーキングロック状態を二点鎖線で表し、アンロック状態を実線で表す。前記減速機構3に、ロック機構5が設けられている。ロック機構5は、図4(A)に示すように、ケーシング40と、ロックピン29と、駆動装置300とを有する。駆動装置300は、ロックピン29をアンロック状態に付勢する付勢手段41と、リニアソレノイド30からなるアクチュエータとを含む。ケーシング40は、前記ベースプレート8(図3)に支持され、このベースプレート8には、ロックピン29の進退を許すピン孔が形成されている。
【0027】
ケーシング40内に、コイルボビン42と、このコイルボビン42に巻かれたコイル43とを含むリニアソレノイド30とが設けられている。コイルボビン42の孔に、鉄芯からなるロックピン29の一部が摺動自在に設けられる。ケーシング40内において、ロックピン29の長手方向中間部にフランジ状のばね受け部材44が固定されている。同ケーシング40には、ロックピン29の進退を許す貫通孔が形成される基端部40aが設けられている。ケーシング40内において、基端部40aと、ばね受け部材44との間に、圧縮コイルばねからなる付勢手段41が介在されている。
【0028】
ロックピン29は、図4(A)に示すパーキングロック状態(パーキングロック位置)と、図4(B)に示すアンロック状態(アンロック位置)とに切換え可能になっている。すなわち、図3に示すように、第2のギヤ列26の出力側の中間ギヤ28には、複数の係止孔28aが円周方向一定間隔おきに形成されている。これら係止孔28aのピッチ円上の一点に対し、ロックピン29がピン駆動用のアクチュエータであるリニアソレノイド30により進退可能に設けられている。ロックピン29が図4(B)に示すアンロック状態のとき、リニアソレノイド30へ通電されると、図4(A)に示すように、リニアソレノイド30は、付勢手段41による付勢力に抗して、ロックピン29をパーキングロック状態に切換え駆動する。すなわち、ロックピン29は、リニアソレノイド30によってパーキングロック位置に移動される。
【0029】
リニアソレノイド30がロックピン29を駆動することによりロックピン29が進出して係止孔28aに係合し、中間ギヤ28の回転を禁止することで、ロック機構5をパーキングロック状態にする。リニアソレノイド30への通電を停止すると、付勢手段41による付勢力により、ばね受け部材44が、ケーシング40内の底面側に押し下げられる。これによりロックピン29を、ケーシング40内に退入させて係止孔28aから離脱させ、中間ギヤ28の回転を許すことで、ロック機構5をアンロック状態にし得る。ただし、電動モータ2の電源がオフにされた場合は、制動力の押圧反力により、制動力負荷機構4および減速機構3は制動力が低下する方向に回されるため、ロックピン29と係止孔28aにおける内径面との間に摩擦力が発生し、ロック機構5はアンロック状態に切り換えられない。パーキングブレーキ解除操作等により、電動モータ2が一旦制動力を負荷することで、前記摩擦力は解除されロック機構5はアンロック状態に切り換えられる。
【0030】
図5は、この電動ブレーキアクチュエータの制御系のブロック図である。
同図に示すように、車両には、車両全般を制御する電気制御ユニットであるECU31、およびこの車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段35(後述する)がそれぞれ設けられている。ECU31は、主に、走行制御部31aと、各種制御部31bとを有する。走行制御部31aは、アクセルペダル37の踏み込み量に応じてアクセル踏込量センサ38から出力される加速指令と、ブレーキペダル32の動作量に応じてブレーキ動作量センサ33から出力される減速指令とから、加速・減速指令を生成する。
【0031】
ECU31にインバータ装置36が接続され、このインバータ装置36は、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部36aと、このパワー回路部36aを制御するモータコントロール部36bとを有する。モータコントロール部36bは、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成される。このモータコントロール部36bは、走行制御部31aから与えられる加速・減速指令に従い、電流指令に変換して、パワー回路部36aのPWMドライバに電流指令を与える。
【0032】
ロック機構操作部34は、パーキングブレーキの運転者による操作の入力部に相当する。運転者がパーキングブレーキを作動するように操作すると、ロック機構操作部34は、ロック機構5をパーキングロック状態にする操作指令を出力する。一方、運転者がパーキングブレーキを解除するように操作すると、ロック機構操作部34は、ロック機構5をアンロック状態にする操作指令を出力する。
【0033】
前記検出手段35は、例えば、回転角センサ、角速度センサ、磁気センサ、レゾルバ、ホールIC、エンコーダ、ABSセンサ、GPSセンサ、衝突防止センサ、障害物センサの少なくともいずれか一つを含む。回転角センサは、主に、車輪や車軸の回転を検出し、角速度センサは、車体の一部における単位時間あたりの角度移動量つまり角速度を検出する。磁気センサは、磁気を利用し主に回転センサに用いられ、車両を駆動する電動機の回転検出に利用される。レゾルバ、ホールIC、およびエンコーダは、それぞれ車両を駆動する電動機の部品であるロータシャフトの回転角度を検出する。ABSセンサは、車輪の回転を検出し、全地球測位システムセンサ(略称;GPS)は、車両の位置が移動したことを緯度経度の座標の変位により検出する。衝突防止センサは、車両が動き出した際の他の車両等との接近を検出し、障害物センサは、車両が動き出した際の障害物との接近を検出する。
【0034】
各種制御部31bは、判定手段39と、メモリ45と、制動力増加手段46と、異常報告手段47とを有する。判定手段39は、リニアソレノイド30によりロック機構5がアンロック状態からパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、ロック機構5がパーキングロック状態に移行したか否かを、検出手段35から出力される検出信号を用いて判定する。検出手段35として例えば回転角センサが適用される場合、リニアソレノイド30によりロック機構5がパーキングロック状態になるように切換え駆動したとき、判定手段39は、回転角センサから出力される車輪等の回転を検出すると、パーキングロック状態に未だ移行しておらず車両が不所望に動き出したと判定する。
【0035】
メモリ45は、例えば、ROM等からなり、このメモリ45に、検出手段35から出力されて車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号と比較する閾値が書換え可能に記憶されている。この閾値は判定手段39による判定時にメモリ45から読み出されて用いられる。判定手段39は、回転角センサから出力される車輪等の回転数が前記閾値よりも大きいとき、ロック機構5がパーキングロック状態に移行していないと判定する。逆に、回転数が前記閾値以下のとき、判定手段39は、ロック機構5がパーキングロック状態に移行したと判定する。実験やシミュレーション等により、車両を定められた傾斜角度に停車させた状態で、前記車両が動き出す際の検出信号(この例では回転数)を、閾値として適宜に求める。
【0036】
判定手段39は、検出手段35から出力されて車両の移動速度または移動距離に応じて変動する検出信号が、閾値よりも大きいと判定したとき、制動力増加手段46は電動モータ2の出力を増加させる。つまり判定手段39は、検出手段35からの検出信号が閾値より大きいとき、ロック機構5がパーキングロック状態に移行していないと判定する。このまま放置すると車両が不所望に動き出す場合があるため、検出信号が閾値より大きい条件を満たす場合に、制動力増加手段46が電動モータ2の出力を増加させることで、車両に対する制動力を増加させて車両が不所望に動き出すことを防止し得る。
【0037】
また判定手段39により、前記検出手段35から出力される検出信号が閾値より大きいと判定したとき、異常報告手段47は、ロック機構5に異常が発生した旨の異常発生情報(パーキング異常警告)を、駆動回路48を介して、車両に設けられた出力装置49に出力する。出力装置49は、例えば、車両の運転者が異常発生情報を視認可能なディスプレイ等の表示装置、警告灯、または警報音等の音声を出力する音声出力装置であっても良い。
【0038】
図6は、電動ブレーキアクチュエータの制御方法の概要を示すフローチャートである。実行手順を図5と共に説明する。例えば、車両が停止している状態で本処理が開始する。本処理開始後、ECU31は、パーキングブレーキの作動要求があったか否かを判定する(ステップS1)。パーキングブレーキを作動しないとき(ステップS1;No)、サービスブレーキを使用するサービスブレーキモードに移行する(ステップS2)。この場合、ブレーキペダル32の動作量に応じてブレーキ動作量センサ33から出力される減速指令に追従した電流が電動モータ2に印加される。
【0039】
運転者等がパーキングブレーキを操作したとき、ECU31は、パーキングブレーキの作動要求があったと判定し(ステップS1;Yes)、電動モータ2の電源をオンにしてこの電動モータ2に電流を印加する(ステップS3)。次に、ECU31の判定手段39は、制動力負荷機構4のブレーキディスクに対する制動力(押圧力)が目標値よりも大か否かを判定する(ステップS4)。押圧力が目標値以下であるとの判定で(ステップS4;No)、ステップS3に戻る。押圧力が目標値よりも大との判定で(ステップS4;Yes)、ステップS5に移行する。
【0040】
ステップS5において、ECU31は、駆動回路50を介してリニアソレノイド30をオンにする。これによりリニアソレノイド30は、ロックピン29をパーキングロック状態に切換え駆動する。次に、ECU31は、電動モータ2の電源をオフにし(ステップS6)、その後、リニアソレノイド30をオフにすると共に、このリニアソレノイド30をオフした時から定められた時間(例えば、数msec)経過後にロック判定を行うためにタイマをスタートさせる(ステップS7)。ステップS6で電動モータ2の電源を一旦オフにすることで、制動力の押圧反力により、制動力負荷機構4および減速機構3(図1)は制動力が低下する方向に回されるため、ロックピン29の外周面と係止孔28a(図3)における内径面との間に摩擦力が発生する。そのため、ステップS7でリニアソレノイド30をオフにしても、ロック機構5はパーキングロック状態を維持し得る。
【0041】
ステップS7でタイマによる定められた時間経過後、判定手段39は、検出手段35から出力される検出信号が閾値以下か否かを判定する(ロック判定1:ステップS8)。検出信号が閾値以下のとき(ステップS8;Yes)、判定手段39は、検出信号が閾値以下の状態の経過時間(例えば、数msec〜数min)を確認するためにタイマをスタートさせる(ステップS9)。検出信号が閾値以下の状態で定められた時間経過したとの判定で(ステップS9;Yes)、判定手段39は、ロック機構5がパーキングロック状態への移行を完了したと判定し本処理を終了する。検出信号が閾値以下の状態で定められた時間経過していないとの判定で(ステップS9;No)、ステップS8に戻る。
【0042】
ステップS8において、検出信号が閾値以下ではないとの判定で(ステップS8;No)、異常報告手段47は異常発生情報を出力装置49に出力する(ステップS10)。次に、ECU31は電動モータ2の電源をオンにし、制動力増加手段46は電動モータ2の出力を増加させる(ステップS11)。次に、制動力負荷機構4の最大押し圧に達していなければ(ステップS12;No)、ステップS11に戻り、制動力負荷機構4の最大押し圧に達していれば(ステップS12;Yes)、ステップS5に戻る。
【0043】
作用効果について説明する。
車両の走行時は、ロック機構5をアンロック状態としておき、電動モータ2を駆動することで、制動力負荷機構4は車輪に対して制動力を負荷する。駐停車時には、制動力負荷機構4が車輪に対して制動力を負荷した状態で、ロック機構5をパーキングロック状態に切換えることで、車両が不所望に移動することを禁止する。ロック機構5をパーキングロック状態にすることで、電動モータ2の電源をオフにしても、制動力が維持される。
【0044】
判定手段39は、ロック機構5を前記のように切換え駆動したとき、このロック機構5がパーキングロック状態に完全に移行したか否かを、車両に設けられた検出手段35から出力される検出信号を用いて判定する。判定手段39は、リニアソレノイド自体の変位を検出するのではなく、車両が停止状態から移動したことを検出可能な検出手段35を用いて、ロック機構5がパーキングロック状態に移行したか否かを判定している。このため、ロック機構5を前記のように切換え駆動したにもかかわらず、判定手段39によりロック機構5がパーキングロック状態に移行していないと判定されると、電動モータ2の電源をオンにしてモータ出力を増加させる対策を講じることが可能となる。
【0045】
例えば、車両が急勾配でパーキング作動した場合、このまま放置すると車両が不所望に動き出す場合があるため、検出手段35からの検出信号が閾値より大きい条件を満たす場合に、電動モータ2の電源をオンにしてモータ出力を増加させることで、車両に対する制動力を増加させることができる。また、判定手段39は検出信号が閾値以下の状態の経過時間(例えば、数msec〜数min)を確認しているため、運転者が車両から離れた状態でも車両に対する制動力を増加させることができる。よって車両が不所望に移動することを暫定的に禁止し得る。
【0046】
また前記検出手段35は、車両に既存のものであるため、パーキングロック状態を判定するためのセンサ等を、この電動ブレーキアクチュエータに新たに追加することなく、判定を行うことができる。よって、コスト低減を図ることが可能となる。
車両の出力装置49に異常発生情報を出力する異常報告手段47を設けたため、運転者は、パーキングロック状態の後、出力装置49に異常発生情報が出力されていないことを確認したうえで、車両から離れることができる。
【0047】
前記車両は電動機を駆動源とするものとしても良い。
前記車両は、前記検出手段35として、前記電動機の回転角を検出する回転角センサを有するものとしても良い。
検出手段35は、前記電動機の逆起電圧または逆起電力を検出することで、前記車両が停止状態から移動したことを検出するものとしても良い。
【0048】
図7は、いずれかの電動ブレーキアクチュエータを搭載した自動車を概略示す図である。この図7に示す自動車は、電動機を駆動源とした電気自動車であり、車体51の左右の後輪となる車輪52が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪53が従動輪とされた4輪の自動車である。前輪となる車輪53は操舵輪とされている。駆動輪となる左右の車輪52,52は、それぞれ独立の走行用の駆動源54(モータ54)により駆動される。モータ54の回転は、減速機55および車輪用軸受56を介して車輪52に伝達される。これらモータ54、減速機55、および車輪用軸受56は、互いに一つの組立部品であるインホイールモータ駆動装置57を構成している。インホイールモータ駆動装置57は、モータ54が車輪52に近接して設置され、一部または全体が車輪52内に配置される。各車輪52,53には、図示外のブレーキが設けられている。
いずれかの電動ブレーキアクチュエータを搭載した自動車によれば、より確実にパーキングロック状態を維持することができると共に、車両全体のコスト低減を図れる。
【0049】
その他、左右一対の前輪をエンジンによって駆動される主駆動輪とし、左右一対の後輪を車両用モータ駆動装置で駆動される補助駆動輪としたハイブリッド自動車に、いずれかの電動ブレーキアクチュエータを搭載しても良い。
車両用モータ駆動装置により、モータの回転をギヤを介してアクスルに伝達することで、車輪が回転駆動される、いわゆる1モータ型の電気自動車に、いずれかの電動ブレーキアクチュエータを搭載しても良い。
エンジンのみによって駆動される自動車に、いずれかの電動ブレーキアクチュエータを搭載しても良い。
いずれかの電動ブレーキアクチュエータが搭載される車輪は前輪、後輪、または4輪でもよい。
【符号の説明】
【0050】
2…電動モータ
4…制動力負荷機構
5…ロック機構
30…リニアソレノイド(アクチュエータ)
35…検出手段
39…判定手段
46…制動力増加手段
47…異常報告手段
52…車輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8