【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題に対応する本発明は、人感センサと加速度センサを用いて住居における居住者の生活状況を見守るための居住者見守り装置であって、居住者の住居に設置された人感センサの検出した検出時が特定された人感センサデータと、居住者が装着する加速度センサの検出した検出時が特定された加速度センサデータとを受信する受信手段と、前記受信手段の受信した検出時が特定された人感センサデータから、ある時間における居住者の居場所を推定する第1の推定手段と、前記受信手段の受信した検出時が特定された加速度センサデータから、発生時が特定された居住者の動作を推定する第2の推定手段と、前記第1の推定手段が推定した居住者がある居場所にいる時間において、前記居住者について発生した前記第2の推定手段の推定した動作(動作が推定できない場合も含む)から、前記居住者の行動
若しくは状態、
又は前記居住者の住居において発生したイベントの少なくとも一つが生じていると判断する判断手段と、を備えることを特徴とする居住者見守り装置である。
【0010】
本発明では、見守り対象となる居住者の住居に設置した人感センサ、居住者が装着する加速度センサの双方から検出したデータを受信し、これらのセンサからそれぞれ推定される情報を組み合わせて居住者の行動等を判断することによって、人感センサ、加速度センサそれぞれ一方のみのデータからは判断することが困難な、居住者に関するより具体的な生活状態に関する情報を収集することが可能になっている。
【0011】
尚、本発明の対象となる住居には、戸建ての住宅、マンション等の集合住宅の他に、介護施設や病院のように、見守り対象となる居住者が実質的に居住している施設が含まれる。居住者が装着する加速度センサは、加速度センサのみの専用装置に限られるものではなく、他の機能も備えた装置に設けられるものであってもよい。本発明において判断される居住者の「行動」には、例えば、居住者が料理をしている、食事をしているといった行動が、居住者の「状態」には、例えば、居住者が浴室で転倒した、具体的な場所はわからないが居住者が住居にいるといった状態が、「居住者の住居において発生したイベント」には、例えば、住居に居住者以外の者が侵入したといったイベントが該当する。
【0012】
また、本発明は、見守り対象となる居住者に関する情報を通知するアドレスを記憶する記憶手段と、前記判断手段が生じていると判断した前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントが、所定のルールに該当する場合は、前記居住者に関する情報を通知するアドレスを前記記憶手段から読み出して、前記アドレスを宛先とした通知を送信する送信手段と、を備えることを特徴とすることもできる。
【0013】
このように構成すると、居住者が転倒した、住居に居住者以外の者が侵入したといった緊急時において、留守家族や介護ケアセンターの担当者等への速やかな通報が可能になる。また、居住者が食事をしている、入浴をしているといった日々の生活状況に関する情報を通知することによって、留守家族等に安心を与えることも可能になる。
【0014】
また、本発明は、前記判断手段が生じていると判断した前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントを、前記居住者の生活状況に関する情報として格納する格納手段と、前記居住者の生活状況に関する情報の閲覧権限を有する情報閲覧者が操作する端末からのアクセスを受け付けると、前記格納手段に格納された前記居住者の生活状況に関する情報を読み出して、前記端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とすることもできる。
【0015】
このように構成すると、留守家族や介護ケアセンターの担当者等に閲覧権限を設定することによって、これらの者が、過去も含めた居住者の生活状況に関する情報を確認することが可能になる。
【0016】
さらに、本発明は、前記判断手段は、前記第1の推定手段が、人感センサデータが検出されていないことから、居住者が住居にいないと推定した時間帯に、前記第2の推定手段が、前記時間帯に検出されている加速度センサデータから前記居住者の住居における何らかの動作を推定すれば、前記居住者は住居にいると判断すること特徴としてもよい。
【0017】
このように構成すると、居住者が住居にいるのに人感センサの死角に入ってしまったとしても、加速度センサからのデータを検出できている場合には、居住者は住居にいると判断することが可能になる。
【0018】
さらに、本発明は、前記判断手段は、前記第1の推定手段が、居住者が住居にいると推定した場合であっても、前記第2の推定手段が、前記第1の推定手段によって居住者がいると推定された時間に加速度センサデータが検出されておらず、前記居住者の住居における動作を推定できない場合は、前記居住者以外の侵入者が住居に侵入したと判断すること特徴としてもよい。
【0019】
このように構成すると、人感センサによって人が住居にいることが確認されても、加速度センサからのデータを検出できない場合には、居住者は住居にいないはずなので、住居にいるのが居住者以外の者であると判断することが可能になる。
【0020】
本発明は、本発明にかかる居住者見守り装置に備えられる、居住者見守りプログラムとして特定することもできる。
【0021】
本発明にかかる居住者見守りプログラムは、人感センサと加速度センサを用いて住居における居住者の生活状況を見守るための居住者見守りプログラムであって、コンピュータに、居住者の住居に設置された人感センサの検出した検出時が特定された人感センサデータと、居住者が装着する加速度センサの検出した検出時が特定された加速度センサデータとを受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信され検出時が特定された人感センサデータから、ある時間における居住者の居場所を推定する第1の推定ステップと、前記受信ステップで受信された検出時が特定された加速度センサデータから、発生時が特定された居住者の動作を推定する第2の推定ステップと、前記第1の推定ステップで推定した居住者がある居場所にいる時間において、前記居住者について発生した前記第2の推定ステップで推定した動作(動作が推定できない場合を含む)から、前記居住者の行動
若しくは状態、
又は前記居住者の住居において発生したイベントの少なくとも一つが生じていると判断する判断ステップと、を実行させることを特徴とする居住者見守りプログラムである。
【0022】
また、本発明にかかる居住者見守りプログラムは、コンピュータに、前記判断ステップにおいて生じていると判断された前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントが、所定のルールに該当する場合は、前記居住者に関する情報を通知するアドレスを見守り対象となる居住者に関する情報を通知するアドレスを記憶する記憶手段から読み出して、前記アドレスを宛先とした通知を送信する送信ステップを実行させることを特徴とすることもできる。
【0023】
また、本発明にかかる居住者見守りプログラムは、コンピュータに、前記判断ステップにおいて生じていると判断された前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントを、前記居住者の生活状況に関する情報として格納する格納手段に格納するステップと、前記居住者の生活状況に関する情報の閲覧権限を有する情報閲覧者が操作する端末からのアクセスを受け付けると、前記格納手段に格納された前記居住者の生活状況に関する情報を読み出して、前記端末に送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とすることもできる。
【0024】
さらに、本発明にかかる居住者見守りプログラムは、前記判断ステップでは、前記第1の推定ステップにおいて、人感センサデータが検出されていないことから、居住者が住居にいないと推定した時間帯に、前記第2の推定ステップにおいて、前記時間帯に検出されている加速度センサデータから前記居住者の住居における何らかの動作を推定すれば、前記居住者は住居にいると判断すること特徴としてもよい。
【0025】
さらに、本発明にかかる居住者見守りプログラムは、前記判断ステップでは、前記第1の推定ステップにおいて、居住者が住居にいると推定した場合であっても、前記第2の推定ステップにおいて、前記第1の推定ステップで居住者がいると推定された時間に加速度センサデータが検出されておらず、前記居住者の住居における動作を推定できない場合は、前記居住者以外の侵入者が住居に侵入したと判断すること特徴としてもよい。
【0026】
本発明は、本発明にかかる居住者見守り装置によって実行される、居住者の見守り方法として特定することもできる。
【0027】
本発明にかかる居住者の見守り方法は、人感センサと加速度センサを用いて住居における居住者の生活状況を見守るための居住者見守り方法であって、コンピュータが、居住者の住居に設置された人感センサの検出した検出時が特定された人感センサデータと、居住者が装着する加速度センサの検出した検出時が特定された加速度センサデータとを受信する受信ステップと、前記コンピュータが、前記受信ステップで受信され検出時が特定された人感センサデータから、ある時間における居住者の居場所を推定する第1の推定ステップと、前記コンピュータが、前記受信ステップで受信された検出時が特定された加速度センサデータから、発生時が特定された居住者の動作を推定する第2の推定ステップと、前記コンピュータが、前記第1の推定ステップで推定した居住者がある居場所にいる時間において、前記居住者について発生した前記第2の推定ステップで推定した動作(動作が推定できない場合を含む)から、前記居住者の行動
若しくは状態、
又は前記居住者の住居において発生したイベントの少なくとも一つが生じていると判断する判断ステップと、を有することを特徴とする居住者の見守り方法である。
【0028】
また、本発明にかかる居住者の見守り方法は、前記コンピュータが、前記判断ステップにおいて生じていると判断された前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントが、所定のルールに該当する場合は、前記居住者に関する情報を通知するアドレスを見守り対象となる居住者に関する情報を通知するアドレスを記憶する記憶手段から読み出して、前記アドレスを宛先とした通知を送信する送信ステップを有することを特徴とすることもできる。
【0029】
また、本発明にかかる居住者の見守り方法は、前記コンピュータが、前記判断ステップにおいて生じていると判断された前記居住者の行動又は状態、ないしは前記居住者の住居において発生したイベントを、前記居住者の生活状況に関する情報として格納する格納手段に格納するステップと、前記コンピュータが、前記居住者の生活状況に関する情報の閲覧権限を有する情報閲覧者が操作する端末からのアクセスを受け付けると、前記格納手段に格納された前記居住者の生活状況に関する情報を読み出して、前記端末に送信する送信ステップと、を有することを特徴とすることもできる。
【0030】
さらに、本発明にかかる居住者の見守り方法は、前記判断ステップでは、前記コンピュータが、前記第1の推定ステップにおいて、人感センサデータが検出されていないことから、居住者が住居にいないと推定した時間帯に、前記第2の推定ステップにおいて、前記時間帯に検出されている加速度センサデータから前記居住者の住居における何らかの動作を推定すれば、前記居住者は住居にいると判断すること特徴としてもよい。
【0031】
さらに、本発明にかかる居住者の見守り方法は、前記判断ステップでは、前記コンピュータが、前記第1の推定ステップにおいて、居住者が住居にいると推定した場合であっても、前記第2の推定ステップにおいて、前記第1の推定ステップで居住者がいると推定された時間に加速度センサデータが検出されておらず、前記居住者の住居における動作を推定できない場合は、前記居住者以外の侵入者が住居に侵入したと判断すること特徴としてもよい。