特許第6091966号(P6091966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091966
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】コンソールドア用操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-76739(P2013-76739)
(22)【出願日】2013年4月2日
(65)【公開番号】特開2014-201107(P2014-201107A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】平位 拓也
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−043624(JP,A)
【文献】 特開2005−188242(JP,A)
【文献】 特開2009−067105(JP,A)
【文献】 特開2008−174214(JP,A)
【文献】 特開平05−170255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンソール本体に開閉可能に組付けられたコンソールドアを、該コンソール本体側に対して閉じた状態でロックするロックピンと、このロックピンによるロックを解除するドアレバーとを備えたコンソールドア用操作装置であって、
ロックピンは、コンソールドアに対してロックおよびロック解除のための作動ができるように組付けられているとともにコンソールドアに対して直線往復運動するように組付けられており、ドアレバーは、その中立位置から上下両方向へ回転操作できるようにコンソールドアに支持されており、
ロックピンとドアレバーのいずれか一方がカム部を備え、他方がカム部に対する接触子を備え、
カム部は、上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びる第1カム面および第2カム面を備え、
接触子は、ドアレバーが中立位置にあるときはカム部の中間点に位置し、ドアレバーを上下いずれかの方向へ回転操作することにより、カム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って相対的に移動し、ロックピンをロック解除状態に作動させるように構成されており、
接触子がカム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って移動する際、カム部と接触子のうちロックピンに設けられている側は直線運動するコンソールドア用操作装置。
【請求項2】
コンソールドアに組付けられるドアレバーと、ドアレバーの位置規制を行う規制バーとにより構成されるコンソールドア用操作装置であって、
ドアレバーは、その中立位置から上下両方向へ回転操作できるようにコンソールドアに支持されており、規制バーは、コンソールドアに対して往復移動するように組付けられ、かつスプリングによって一方向へ引き戻されるように付勢力を受けており、
スプリングは、規制バーと、規制バーを往復移動可能に支持する規制バーリテーナーと、に規制バーの移動方向と平行に取り付けられており、
規制バーとドアレバーのいずれか一方が規制カム部を備え、他方が規制カム部に対する規制接触子を備え、
規制カム部は、上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びる第1カム面および第2カム面を備え、
規制接触子は、ドアレバーが中立位置にあるときには規制カム部の中間点に位置し、ドアレバーを上下いずれかの方向へ回転操作することにより、規制カム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って相対的に移動して規制バーを移動させるように構成され、
回転操作されたドアレバーを解放すると、規制バーがスプリングの付勢力で引き戻されて、規制接触子が規制カム部の中間点に戻るように構成されているコンソールドア用操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンソールドア用操作装置に関する。詳しくは、コンソールボックス本体(以下、コンソール本体と記す)の収納部の上面開放口を開閉するコンソールドアをコンソール本体に対してロックするための操作装置、および、該コンソールドアのドアレバーを位置規制するための操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコンソールドア用操作装置が特許文献1に開示されている。このコンソールドア用操作装置は、コンソール本体に対してコンソールドアをロックすることのできるロックピンをコンソールドアの側部に備えている。そして、このロックピンによるロックは、コンソールドアの前端に設けられたドアレバーを上方に引き上げることにより、解除されるように設定されている。
【0003】
このコンソールドア用操作装置において、ドアレバーは、その後方に配置されたカムブロックと当接している。カムブロックの前部は、下方に向かって斜めに傾斜した傾斜面とされているため、ドアレバーが上方へ回転操作されることによって生じるドアレバーの操作力は、即座にカムブロックを後退させる力へと変換される。そして、このカムブロックの後退に伴い、ロックピンのロックが解除される。
【0004】
また、上述したカムブロックは、付勢手段により常に前方へ付勢されている。そのため、回転操作されたドアレバーが開放されると、カムブロック前部の傾斜面がドアレバーを戻り方向に回転させて、該ドアレバーを操作前の初期位置に戻すように作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−67105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のコンソールドア用操作装置において、そのロックピンによるロックを解除するためのドアレバーの操作方向は、上方のみに限定されている。そのため、コンソールボックスの使用者が、ドアレバーを上方に引き上げることが難しい状況にある場合、該使用者は、ロックピンによるロックを解除して、コンソールドアを開けることを困難とされる。
また、この操作装置では、ドアレバーが回転操作から開放されたときに、該ドアレバーを初期位置の方向に付勢するカムブロックの傾斜面の傾斜方向が、下向きの一方向のみとされている。そのため、該操作装置によるドアレバーの位置規制は、ドアレバーの一方向への回転操作に対応したものに限定されている。なお、戻り方向に付勢されたドアレバーは、該操作装置におけるストッパーと接触することによって、その戻り位置が決められる。そして、このドアレバーとストッパーの接触が、該操作装置における異音発生の原因となっている。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、その目的は、ドアレバーを上下のいずれの方向へ回転操作させても、ロックピンによるロック状態を解除することができるコンソールドア用操作装置を提供することである。
また、ドアレバーを上下のいずれの方向へ回転操作させた場合であっても、該ドアレバーを常に中立位置に戻すことができ、尚且つ、ドアレバーを位置決めするストッパーを無くして異音の発生を防止されたコンソールドア用操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
コンソール本体に開閉可能に組付けられたコンソールドアを、該コンソール本体側に対して閉じた状態でロックするロックピンと、このロックピンによるロックを解除するドアレバーとを備えたコンソールドア用操作装置であって、ロックピンは、コンソールドアに対してロックおよびロック解除のための作動ができるように組付けられているとともにコンソールドアに対して直線往復運動するように組付けられており、ドアレバーは、その中立位置から上下両方向へ回転操作できるようにコンソールドアに支持されており、ロックピンとドアレバーのいずれか一方がカム部を備え、他方がカム部に対する接触子を備えている。カム部は、上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びる第1カム面および第2カム面を備え、接触子は、ドアレバーが中立位置にあるときはカム部の中間点に位置し、ドアレバーを上下いずれかの方向へ回転操作することにより、カム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って相対的に移動し、ロックピンをロック解除状態に作動させるように構成されており、接触子がカム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って移動する際、カム部と接触子のうちロックピンに設けられている側は直線運動する
この構成によれば、ドアレバーを上下のいずれの方向へ回転操作させても、ロックピンによるロックを解除することができる。
【0009】
また、コンソールドアに組付けられるドアレバーと、ドアレバーの位置規制を行う規制バーとにより構成されるコンソールドア用操作装置であって、ドアレバーは、その中立位置から上下両方向へ回転操作できるようにコンソールドアに支持されており、規制バーは、コンソールドアに対して往復移動するように組付けられ、かつスプリングによって一方向へ引き戻されるように付勢力を受けており、スプリングは、規制バーと、規制バーを往復移動可能に支持する規制バーリテーナーと、に規制バーの移動方向と平行に取り付けられており、規制バーとドアレバーのいずれか一方が規制カム部を備え、他方が規制カム部に対する規制接触子を備えている。規制カム部は、上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びる第1カム面および第2カム面を備え、規制接触子は、ドアレバーが中立状態にあるときには規制カム部の中間点に位置し、ドアレバーを上下いずれかの方向へ回転操作することにより、規制カム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って相対的に移動して規制バーを移動させるように構成され、回転操作されたドアレバーを解放すると、規制バーがスプリングの付勢力で引き戻されて、規制接触子が規制カム部の中間点に戻るように構成されている。
この構成によれば、ドアレバーを上下のいずれの方向へ回転操作させた場合であっても、操作力を解放することで該ドアレバーを常に所定の中立位置に戻すことができる。

【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】センターコンソールの外観斜視図である。
図2】コンソールドアの外観斜視図である。
図3】コンソールドア用操作装置を構成する各部品の斜視図である。
図4】コンソールドア用操作装置を構成する各部品の組付け状態を表した上面図。
図5図2のV−V矢視方向の断面図である。
図6図2のVI−VI矢視方向の断面図である。
図7】コンソールドア用操作装置の作動を、図2のVI−VI矢視方向の断面図によって表している。
図8】コンソールドア用操作装置の作動を、図2のVIII−VIII矢視方向の断面図によって表している。
図9】他の実施形態に係るコンソールドア用操作装置の作動を、図2のVI−VI矢視方向の断面図によって表している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1に示すように、コンソールドア10は、車両(主として自動車)のセンターコンソール1におけるコンソール本体2の上部ボックス3に対し、該上部ボックス3の開放上面を開閉するように設置されている。
【0012】
図2に示すように、コンソールドア10は、箱形のドアインナ12を骨格としている。コンソールドア10は、ドアインナ12の上面をドアアウタ14によって被い、さらに、このドアアウタ14の上面にドアパッド16を備え付けることにより構成されている。
【0013】
ドアインナ12の両側後部には、ドア回転軸12aが設けられている。図1に示す組付け状態において、コンソールドア10は、このドア回転軸12aを介して上部ボックス3に対して組付けられている。上部ボックス3に組付けられたコンソールドア10は、ドア回転軸12aを軸心として上部ボックス3に対して回転可能に支持されている。
【0014】
ドアインナ12の両側前部には、該ドアインナ12の側壁を厚み方向に貫通した嵌入孔12b(図4参照)が設けられている。この嵌入孔12bを通じて、後述するロックピン24のロック部24aがドアインナ12の外方に突き出している。このロック部24aの外方への突き出しにより、コンソールドア10を上部ボックス3に対してロックすることができる。
【0015】
図2に示すように、ドアインナ12とドアアウタ14の前端は、その左右方向の中央部分が切り欠かれている。そして、この切り欠いた部分に、後述するドアレバー20の把持部20aが配置されている。
【0016】
コンソールドア10の内部には、図3に示すドアレバー20、レバーシャフト22、ロックピン24、ロックピンリテーナー26、規制バー28、規制バーリテーナー30、スプリングS1,S2、が備えられている。これらの各部材は、図4に示すようにして、ドアインナ12内で互いに組付けられている。この組付けによって、コンソールドア10用操作装置が構成されている。
【0017】
図4に示すように、ドアインナ12の前端部における左右方向の中央には、ドアレバー20が配置されている。ドアレバー20は、後述する回転支持部20cを介してドアインナの係止部に組付けられている。ドアレバー20は、ドアインナ12により、回転支持部20cを軸心として上下に回転可能に支持されている。
【0018】
ドアレバー20の前端部分は、左右に延びる把持部20aとなっている(図3参照)。この把持部20aの後方側には、左右に分かれた一対の伝達ブロック20bが形成されている。前述した回転支持部20cは、この両伝達ブロック20bの外側側面に設けられている。
【0019】
ドアレバー20の両伝達ブロック20bにおいて、回転支持部20cの後方側には、後述するレバーシャフト22を左右方向に挿通するための貫通孔20dが設けられている(図3参照)。また、両伝達ブロック20bの後端には、後方へ延びる円筒状の接触子20eが設けられている(図3参照)。両接触子20eは、後述するロックピン24のカム部25内に挿入されることによって、ロックピン24にドアレバー20の操作力を伝達するように設定されている。
【0020】
図4に示すように、ドアインナ12の内部において、ドアレバー20の両伝達ブロック20bの左右には、個々にロックピン24が設けられている。両ロックピン24は、ドアインナ12の側壁に沿って前後に延び、その後端側がドアインナ12の中央に向けて屈曲している。両ロックピン24は、ドアインナ12の左右方向に対して移動できるようになっている。
【0021】
両ロックピン24のうち、ドアインナ12の前後方向に延びた部分には、ドアインナ12の外方に向けて突き出した円筒状のロック部24aが形成されている。ロック部24aは、ドアインナ12の側壁に設けられた嵌入孔12bに対して進退自在に嵌入できるように構成されている。
【0022】
両ロックピン24のうち、ドアインナ12の中央に向かう部分の先端には、カム部25が形成されている(図3参照)。カム部25の前面側の中央部分は、凹んでいる。この凹み部分を形成する壁のうち、ドアインナの中央寄りの部分は、カム部25における上下方向の中間点25cから上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれドアインナ12の外方へ延びる第1カム面25aおよび第2カム面25bによって構成されている。
【0023】
図4に示す組付け状態において、両ロックピン24のカム部25は、夫々、ドアレバー20の両伝達ブロック20b後方に位置している。そして、両カム部25の凹み部分にドアレバー20の接触子20eが挿入されて、該カム部25と該接触子20eとが連結した状態となっている(図5参照)。
【0024】
ロックピン24のカム部25とドアレバー20の接触子20eは、次ぎのような設定の下、互いに組付いた状態にある。すなわち、ドアレバー20の把持部20aが図5に示す中立位置にあるときには、ドアレバー20の接触子20eが、カム部25の中間点25cに位置するように設定されている(図6参照)。また、ドアレバー20の把持部20aを上下方向へ回転操作するのに伴って、ドアレバー20の接触子20eが上下方向へ動く時には、該接触子20eがロックピン24におけるカム部25の第1カム面25aもしくは第2カム面25bに接触した状態で動くように設定されている。
【0025】
ロックピン24において、そのカム部25の後側には突起部24bが設けられている(図3参照)。図4に示すように、この突起部24bは、該突起部24bの外方側の位置でドアインナ12に対して固定されているロックピンリテーナー26(図3参照)とスプリングS1によって連結されている。これにより、後述するようにしてロックピン24がドアインナ12の内方へ移動した場合には、該ロックピン24が常に外方へ付勢されて所定位置に戻るようになっている。
【0026】
図4に示すように、ドアインナ12の内部において、ドアレバー20の後方には、ドアインナ12の左右方向の中央を前後に延びる規制バー28が配置されている。規制バー28は、ドアインナ12の前後方向に対して移動できるようになっている。
【0027】
規制バー28は、その前端に規制カム部29を備えている(図3参照)。この規制カム部29の内側は、左右方向に貫通されている。この貫通された部分の前端部分は、規制バー28における上下方向の中間点29cから上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ後方へ延びる第1カム面29aおよび第2カム面29bによって構成されている。
【0028】
図4に示す組付け状態で、規制バー28の規制カム部29は、ドアレバー20の両伝達ブロック20bの間に配置されている。そして、この規制カム部29の貫通部分および両伝達ブロック20bの貫通孔20dに対して、レバーシャフト22が左右方向に挿通されている。レバーシャフト22は、両伝達ブロック20bの外側で抜け留めされている。これにより、規制バー28は、レバーシャフト22を介してドアレバー20と連結している。
なお、レバーシャフト22は、ドアレバー20の両伝達ブロック20bと一緒に回転支持部20cを支点とした円弧運動が可能である。そして、このレバーシャフト22が本発明の「規制接触子」に相当する。
【0029】
規制バー28の規制カム部29とレバーシャフト22は、次ぎのような設定の下、互いに組付けられている。すなわち、後で図8によって詳述するように、ドアレバー20の把持部20aが中立位置にあるときには、レバーシャフト22が、規制カム部29の中間点29cに位置するように設定されている。また、ドアレバー20の把持部20aを上下方向へ回転操作するのに伴って、レバーシャフト22が規制バー28における規制カム部29の第1カム面29aもしくは第2カム面29bに接触した状態で動くように設定されている。
【0030】
規制バー28において、規制カム部29の後方には突起部28aが設けられている(図3参照)。図4に示すように、この突起部28aは、該突起部28aの後方の位置でドアインナ12に対して固定されている規制バーリテーナー30(図3参照)とスプリングS2によって連結されている。これにより、後述するようにして規制バー28が前方へ移動した場合には、該規制バー28が常に後方へ付勢されて所定位置に戻るようになっている。
【0031】
つづいて、コンソールドア10用操作装置によるコンソールドア10のロックとロック解除の様子を、主として図7によって説明する。なお、図7の(A)はドアレバー20の把持部20aが中立位置にある状態を、(B)はドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作させた状態を、(C)はドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作させた状態を表している。ロックピン24およびドアレバー20の構成および作動は、コンソールドア10の左右で対称であるため、ここでは左側部分のみを示している。
【0032】
図7の(A)に示すように、ドアレバー20の把持部20aが中立位置にあるとき、ドアレバー20の両接触子20eは、カム部25の中間点25cに位置している。このとき、ロックピン24のロック部24aは、コンソールドア10の外方に飛び出して、該コンソールドア10を上部ボックス3に対してロックする状態にある。
【0033】
ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から下方へ回転操作すると、該ドアレバー20の接触子20eがカム部25の第1カム面25aに沿って上方へ相対的に動き、図7の(B)に示すように、ロックピン24が内方へ案内された状態となる。このとき、ロックピン24のロック部24aがコンソールドア10の内方に後退し、上部ボックス3に対するコンソールドア10のロック解除状態が実現されている。
【0034】
また、ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から上方へ回転操作すると、該ドアレバー20の接触子20eがカム部25の第2カム面25bに沿って下方へ相対的に動き、図7の(C)に示すように、ロックピン24が内方へ案内された状態となる。このとき、ロックピン24のロック部24aがコンソールドア10の内方に後退し、上部ボックス3に対するコンソールドア10のロック解除状態を実現されている。
【0035】
下方もしくは上方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放すると、ロックピン24は、該ロックピン24とロックピンリテーナー26とを連結するスプリングS1によって、コンソールドア10の側部に向けて付勢され、図7の(A)に示す所定位置に戻る。
このとき、ドアレバー20の接触子20eは、カム部25の中間点25cに戻る。そして、ドアレバー20の把持部20aは、中立位置に戻る。
【0036】
なお、下方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放した場合、ドアレバー20の接触子20eはカム部25の第1カム面25aに沿って下方へ相対的に動いて、カム部25の中間点25cに戻る。また、上方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放した場合、ドアレバー20の接触子20eはカム部25の第2カム面25bに沿って上方へ相対的に動いてカム部25の中間点25cに戻る。
【0037】
本実施形態においては、ドアレバー20の把持部20aを上下いずれかの方向へ回転操作させると、該ドアレバー20の接触子20eが第1カム面25aあるいは第2カム面25bに沿って相対的に移動し、ロックピン24をロック解除状態に作動させるように構成されている。そのため、ドアレバー20の把持部20aを上下のいずれの方向へ回転操作させても、ロックピン24によるロックを解除することができる。
【0038】
つづいて、コンソールドア10用操作装置によるドアレバー20の位置規制の様子を、主として図8によって説明する。なお、図8の(A)はドアレバー20の把持部20aが中立位置にある状態を、(B)はドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作させた状態を、(C)はドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作させた状態を表している。
【0039】
図8の(A)に示すように、ドアレバー20の把持部20aが中立位置にあるとき、レバーシャフト22は、規制カム部29の中間点29cに位置している。
【0040】
ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から下方へ回転操作すると、レバーシャフト22が規制カム部29の第1カム面29aに沿って上方へ相対的に動く。この結果、図8の(B)に示すように、規制バー28が前方に案内された状態となる。
【0041】
また、ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から上方へ回転操作すると、レバーシャフト22が規制カム部29の第2カム面29bに沿って下方へ相対的に動く。この結果、図8の(C)に示すように、規制バー28が前方に案内された状態となる。
【0042】
下方もしくは上方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放すると、レバーシャフト22は、該レバーシャフト22と規制バーリテーナー30とを連結するスプリングS2によってコンソールドア10の中央に付勢され、図8の(A)に示す所定位置に戻る。これに伴って、レバーシャフト22は規制カム部29の中間点29cに戻る。そして、ドアレバー20の把持部20aは中立位置に戻る。
【0043】
なお、下方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放した場合、レバーシャフト22は規制カム部29の第1カム面29aに沿って下方へ相対的に動いて、規制カム部29の中間点29cに戻る。また、上方へ回転操作されたドアレバー20を自由状態に開放した場合、レバーシャフト22は規制カム部29の第2カム面29bに沿って上方へ相対的に動いて、規制カム部29の中間点29cに戻る。
【0044】
規制バー28を用いたドアレバー20の位置規制は、本実施形態のコンソールドア10用操作装置によってコンソールドア10のロックおよびロック解除の操作を行う場合のみならず、他の一般的なリンク機構によりロック部とドアレバーが連結されている操作装置によってコンソールドア10のロックおよびロック解除の操作を行う場合においても利用可能である。
【0045】
規制バー28を用いたドアレバー20の位置規制は、ドアレバー20の把持部20aの操作方向が上方もしくは下方のみとされる場合であっても、利用可能である。
【0046】
本実施形態において、規制バー28は、スプリングS2を介してドアインナ12に対して組付けられており、回転操作されたドアレバー20を自由状態に解放すると、規制バー28がスプリングS2によって所定位置に引き戻されて、ドアレバー20に組付けられたレバーシャフト22が規制カム部29の中間点29cに戻るように構成されている。そのため、ドアレバー20を上下のいずれの方向へ回転操作させた場合であっても、ドアレバーの操作力を開放することで、該ドアレバー20を常に所定の中立位置に戻すことができる。
【0047】
また、本実施形態においては、下方もしくは上方へ回転操作されたドアレバー20が自由状態に開放されたときに、レバーシャフト22が規制カム部29の第1カム面29aもしくは第2カム面29bに沿って動いて該規制カム部29の中間点29cまで戻る事で、ドアレバー20の把持部20aが所定の中立位置に戻るように構成されている。そのため、ドアレバー20の把持部20aが所定の中立位置に戻るときに、接触音が生じることが無い。
これに対し、コンソールドアの内部にストッパーを設け、ドアレバーが回転操作から開放されて戻り方向に動いたときに、該ドアレバーがストッパーと当接することによって、その戻り位置を決定される操作装置の場合、ドアレバーがストッパーに当接することにより生じる接触音を妨げることができない。そして、この接触音の発生を防止するためには、ストッパーにクッション部材を取り付ける必要があり、この場合、構成部材点数の増加を妨げられない。
【0048】
以上では、本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図8に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
【0049】
上述した実施形態におけるコンソールドア10用操作装置では、ドアレバー20が回転支持部20cの後方に接触子20eを備え、ロックピン24が上下方向へ傾斜して延びる第1カム面25aおよび第2カム面25bを有したカム部25を備えている。
この形態に代えて、ドアレバー20が、その回転支持部20cの後方に、上下方向へ傾斜して延びる第1カム面21aおよび第2カム面21bを有したカム部21を備え、ロックピン24が、このカム部21に対して組付け可能に構成された棒状の接触子24cを備える構成とすることも可能である。
【0050】
この変更した構成よりなるコンソールドア10用操作装置のロックおよびロック解除の様子が図9に示されている。なお、図9の(A)はドアレバー20の把持部20aが中立位置にある状態を、(B)はドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作させた状態を、(C)はドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作させた状態を表している。ドアレバー20およびロックピン24の構成および作動はコンソールドア10の左右で対称であるため、ここでは左側部分のみを示している。
【0051】
図9に示すように、この形態において、ドアレバー20におけるカム部21の第1カム面21aおよび第2カム面21bは、該カム部21の上下方向の中間点21cから上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれドアインナ12の内方へ延びる構成とされている。
そして、ドアレバー20の把持部20aの中立状態においては、図9の(A)に示すように、ロックピン24の接触子24cが、ドアレバー20におけるカム部21の中間点21cに位置するように設定されている。また、ドアレバー20の把持部20aが上下方向に回転操作されるのに伴い、ドアレバー20のカム部21が上下に動くと、ロックピン24の接触子24cが、ドアレバー20におけるカム部21の第1カム面21aもしくは第2カム面21bに沿って相対的に動くように設定されている。
【0052】
この構成によれば、ドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作すると、該ドアレバー20のカム部21が上方へ動き、それに伴ってロックピン24の接触子24cがカム部21の第2カム面21bに沿って内方へ案内される。そして、図9の(B)に示すように、ロックピン24がコンソールドア10の内方へ後退した状態となる。
【0053】
また、ドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作すると、該ドアレバー20のカム部21が下方へ動き、それに伴ってロックピン24の接触子24cがカム部21の第1カム面21aに沿って内方へ案内される。そして、図9の(C)に示すように、ロックピン24がコンソールドア10の内方へ後退した状態となる。
【0054】
図1乃至図8に関連して示したコンソールドア10用操作装置について、次のような構成の変更も可能である。すなわち、図1乃至図8に関連して示したコンソールドア10用操作装置では、ドアレバー20が回転支持部20cの後方にレバーシャフト22(規制接触子)を備え、規制バー28が上下方向へ傾斜して延びる第1カム面29aおよび第2カム面29bを有した規制カム部29を備えている。
この形態に代えて、ドアレバー20が、その回転支持部20cの後方に、上下方向へ傾斜して延びる第1カム面および第2カム面を有した規制カム部を備え、規制バー28が、この規制カム部の第1カム面あるいは第2カム面に沿って相対的に移動する規制接触子を備える構成とすることもできる。
なお、このドアレバー20における規制カム部の第1カム面および第2カム面は、該規制カム部の上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ前方へ延びる構成とされる。そして、ドアレバー20の把持部20aの中立状態においては、規制バーの規制接触子が、ドアレバー20における規制カム部の中間点に位置するように設定されている。
この構成によれば、図1乃至図8に関連して示したドアレバー20の位置規制と同様にして、ドアレバー20を位置規制することができる。
【0055】
本発明におけるコンソールドア10用操作装置は、その用途をコンソールドア10のみに限定されるものではない。例えば、グラブボックスといった、ドアレバーおよびロック部を備えるコンソールドア10以外の物品に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
2 コンソール本体
10 コンソールドア
20 ドアレバー
20e 接触子
24 ロックピン
24a ロック部
25 カム部
25a 第1カム面
25b 第2カム面
25c 中間点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9