(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の婦人体温計ではいずれも、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かにかかわらず、一律に月経開始予定日を算出している。
【0007】
例えば特許文献1の婦人体温計では、被験者である婦人の月経周期日数(生理周期日数)が不安定であっても、将来のn周先の生理開始日を
(最新生理開始日+n×有効生理周期日数平均)
として一律に算出してしまう。
【0008】
また、特許文献2の婦人体温計では、被験者である婦人の高温相日数(高温相期間)が不安定であっても、計算処理を行っている当日が高温相であれば、
次回生理日 = 最近の排卵日+平均高温相期間−可能期間〜最近の排卵日+平均高温相期間+可能期間
なる演算式によって一律に月経開始予定日を算出してしまう。
【0009】
このため、上述の婦人体温計ではいずれも、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプによっては、月経開始予定日の精度が劣るという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプに応じて、月経開始予定日を精度良く算出できる月経開始予定日算出装置を提供することにある。
【0011】
また、この発明の課題は、婦人の月経開始予定日を算出する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプに応じて、月経開始予定日を精度良く算出できるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明の月経開始予定日算出装置は、
婦人の複数の月経周期にわたる月経周期日数および高温相日数を取得する日にち情報取得部と、
上記婦人の上記月経周期日数が予め定められた範囲に入るか否か、および上記婦人の上記高温相日数が予め定められた範囲に入るか否かに基づいて、月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定している特定タイプと、上記特定タイプ以外の1以上のタイプとに分類するタイプ分類部と、
上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出し、上記タイプ分類部が分類したタイプが上記特定タイプ以外のタイプであった場合には上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出する演算部と
を備える。
【0013】
本明細書で、「婦人」とは、月経がある女性を広く指し、20歳以上の女性や結婚した女性に限定されない。
【0014】
「月経周期」とは、或る月経開始日から次の月経開始日(または月経開始予定日)の前日までの期間を指す。
【0015】
「高温相日数」とは、基礎体温曲線が低温相と高温相との二相性を示す場合の高温相の日数を意味する。本明細書では、高温相期間(の初日)の前日を排卵日であるものとする(この意味で、排卵日は推定された日である。本明細書を通して同様。)。
【0016】
複数の月経周期にわたる「月経周期日数」、「高温相日数」とは、過去の複数の月経周期にわたって「月経周期日数」、「高温相日数」を平均して得られた値を指す。
【0017】
月経周期日数について「予め定められた範囲」とは、直近3〜5周期の月経周期日数の標準偏差が婦人科医師等による統計調査値以内である範囲を指す。
【0018】
高温相日数について「予め定められた範囲」とは、直近3〜5周期の高温相日数の標準偏差が婦人科医師等による統計調査値以内である範囲を指す。
【0019】
「月経開始日」、「月経周期日数」を「取得する」ためには、例えば操作部(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を介してユーザ(典型的には上記婦人を指すが、例えば医師や看護師などの医療関係者であってもよい。以下同様。)が「月経開始日」や「月経周期日数」を直接入力してもよい。または、体温計によって測定された婦人の日ごとの基礎体温データを取得し、その基礎体温データに基づいて月経開始日、月経周期日数を推定して求めてもよい。さらに、そのように基礎体温データに基づいて推定された月経開始日、月経周期日数を装置外部から受信してもよい。
【0020】
「排卵日」、「高温相日数」を「取得する」ためには、体温計によって測定された婦人の日ごとの基礎体温データを取得し、その基礎体温データに基づいて排卵日、高温相日数を推定して求めればよい。または、そのように基礎体温データに基づいて推定された排卵日、高温相日数を装置外部から受信してもよい。
【0021】
なお、基礎体温データの取得は、例えば体温計から通信部(近距離無線通信(Near Field Communication)など)を介して行うことができる。
【0022】
上記特定タイプ(月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定しているタイプ)以外のタイプとしては、月経周期日数と高温相日数がいずれも安定しているタイプ、月経周期日数が安定であり且つ高温相日数が不安定なタイプ、月経周期日数と高温相日数がいずれも不安定なタイプが挙げられる。
【0023】
この発明の月経開始予定日算出装置では、日にち情報取得部が、例えば操作部(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を介して、上記婦人の複数の月経周期にわたる月経周期日数および高温相日数を取得する。タイプ分類部は、上記婦人の上記月経周期日数が予め定められた範囲に入るか否か、および上記婦人の上記高温相日数が予め定められた範囲に入るか否かに基づいて、月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定している特定タイプと、上記特定タイプ以外の1以上のタイプとに分類する。演算部は、上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出する。ここで、上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には、上記婦人の高温相日数が安定しているので、月経開始予定日を精度良く算出できる。一方、演算部は、上記タイプ分類部が分類したタイプが上記特定タイプ以外のタイプであった場合には上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出する。ここで、例えば上記タイプ分類部の分類したタイプが月経周期日数と高温相日数がいずれも安定しているタイプ、または月経周期日数が安定であり且つ高温相日数が不安定なタイプであれば、上記婦人の月経周期日数が安定しているので、月経開始予定日を精度良く算出できる。なお、月経周期日数と高温相日数がいずれも不安定なタイプであれば、上記婦人の月経開始予定日を精度良く算出することは本質的に難しい。
【0024】
一実施形態の月経開始予定日算出装置では、上記演算部は、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出した後、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新することを特徴とする。
【0025】
この一実施形態の月経開始予定日算出装置では、上記演算部は、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出した後、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新する。したがって、上記婦人が上記特定タイプ、上記特定タイプ以外のタイプのいずれに属していても、ユーザは、上記最後の月経開始日に次回の月経開始予定日を知ることができる。
【0026】
さらに、上記演算部は、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新する。したがって、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、ユーザは、上記排卵日が検出された日に次回の月経開始予定日をより精度良く知ることができる。
【0027】
一実施形態の月経開始予定日算出装置では、上記婦人の月経開始予定日を、日付を表す文字またはカレンダ上のアイコンとして表示画面に表示する表示部を備えたことを特徴とする。
【0028】
この一実施形態の月経開始予定日算出装置では、表示部が、上記婦人の月経開始予定日を、日付を表す文字またはカレンダ上のアイコンとして表示画面に表示する。したがって、ユーザは、上記表示画面の表示を見ることによって、次回の月経開始予定日を容易に知ることができる。
【0029】
一実施形態の月経開始予定日算出装置では、上記表示部は、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて算出された上記婦人の月経開始予定日に比して、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて算出された上記婦人の月経開始予定日を強調して上記表示画面に表示することを特徴とする。
【0030】
この一実施形態の月経開始予定日算出装置では、上記表示部は、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて算出された上記婦人の月経開始予定日に比して、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて算出された上記婦人の月経開始予定日を強調して上記表示画面に表示する。したがって、ユーザは、上記表示画面の表示を見ることによって、月経開始予定日が更新されて精度が高められていることを認識できる。
【0031】
一実施形態の月経開始予定日算出装置では、
上記婦人の日ごとの基礎体温を取得する基礎体温取得部を備え、
上記日にち情報取得部は、上記基礎体温取得部によって取得された基礎体温に基づいて、上記婦人の過去の月経開始日または排卵日を推定して取得するとともに、その取得した過去の月経開始日または排卵日を用いて、上記婦人の複数の月経周期にわたる上記月経周期日数および上記高温相日数を算出して取得することを特徴とする。
【0032】
この一実施形態の月経開始予定日算出装置では、基礎体温取得部が、上記婦人の日ごとの基礎体温を取得する。さらに、上記日にち情報取得部は、上記基礎体温取得部によって取得された基礎体温に基づいて、上記婦人の過去の月経開始日または排卵日を推定して取得するとともに、その取得した過去の月経開始日または排卵日を用いて、上記婦人の複数の月経周期にわたる上記月経周期日数および上記高温相日数を算出して取得する。したがって、例えば操作部(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を介してユーザが「月経開始日」や「月経周期日数」などの日にち情報を入力する手間がかからない。
【0033】
別の局面では、この発明のプログラムは、
婦人の複数の月経周期にわたる月経周期日数および高温相日数を取得するステップと、
上記婦人の上記月経周期日数が予め定められた範囲に入るか否か、および上記婦人の上記高温相日数が予め定められた範囲に入るか否かに基づいて、月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定している特定タイプと、上記特定タイプ以外の1以上のタイプとに分類するステップと、
上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出し、上記タイプ分類部が分類したタイプが上記特定タイプ以外のタイプであった場合には上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出するステップとを、
コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0034】
この発明のプログラムによれば、次のようにして、コンピュータに婦人の月経開始予定日算出の処理を実行させることができる。
【0035】
すなわち、例えば操作部(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を介して、まず、コンピュータは、上記婦人の複数の月経周期にわたる月経周期日数および基礎体温の推移で推定された高温相日数を取得する。
【0036】
次に、コンピュータの例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)は、上記婦人の上記月経周期日数が予め定められた範囲に入るか否か、および上記婦人の上記高温相日数が予め定められた範囲に入るか否かに基づいて、月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定している特定タイプと、上記特定タイプ以外の1以上のタイプとに分類する。ここで、月経周期日数についての「予め定められた範囲」、高温相日数についての「予め定められた範囲」は、例えばメモリのような記憶部に記憶させておくものとする。
【0037】
次に、コンピュータの例えばCPUは、上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出する。ここで、上記タイプ分類部の分類したタイプが上記特定タイプの場合には、上記婦人の高温相日数が安定しているので、月経開始予定日を精度良く算出できる。一方、コンピュータの例えばCPUは、上記タイプ分類部が分類したタイプが上記特定タイプ以外のタイプであった場合には上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出する。ここで、例えば上記タイプ分類部の分類したタイプが月経周期日数と高温相日数がいずれも安定しているタイプ、または月経周期日数が安定であり且つ高温相日数が不安定なタイプであれば、上記婦人の月経周期日数が安定しているので、月経開始予定日を精度良く算出できる。なお、月経周期日数と高温相日数がいずれも不安定なタイプであれば、上記婦人の月経開始予定日を精度良く算出することは本質的に難しい。
【0038】
一実施形態のプログラムでは、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出した後、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新するステップを、コンピュータに実行させる。
【0039】
この一実施形態のプログラムによれば、上記コンピュータは、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の月経開始日と上記月経周期日数に基づいて月経開始予定日を算出した後、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新する。したがって、上記婦人が上記特定タイプ、上記特定タイプ以外のタイプのいずれに属していても、ユーザは、上記最後の月経開始日に次回の月経開始予定日を知ることができる。
【0040】
さらに、上記コンピュータは、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、上記婦人の最後の排卵日に上記高温相日数に基づいた日数を加えて月経開始予定日を算出して更新する。したがって、上記婦人が上記特定タイプに属していれば、ユーザは、上記排卵日が検出された日に次回の月経開始予定日をより精度良く知ることができる。
【発明の効果】
【0041】
以上より明らかなように、この発明の月経開始予定日算出装置およびプログラムによれば、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプに応じて、月経開始予定日を精度良く算出できる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図1は、この発明の月経開始予定日算出装置をネットワーク上の一実施形態のシステム(全体を符号100で示す。)として構成した例を示している。このシステム100は、スマートフォン200と、サーバ300と、体温計400とを含んでいる。スマートフォン200と体温計400とは、NFC(Near Field Communication;近距離無線通信)によって互いに通信可能になっている。スマートフォン200とサーバ300とは、ネットワーク900を介して互いに通信可能になっている。
【0045】
図2に示すように、スマートフォン200は、本体200Mと、この本体200Mに搭載された、制御部210と、メモリ220と、操作部230と、表示部240と、NFC通信部280と、ネットワーク通信部290とを含む。このスマートフォン200は、市販のスマートフォンに、後述の処理を行わせるようにアプリケーションソフトウェア(コンピュータプログラム)をインストールしたものである。
【0046】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)およびその補助回路を含み、スマートフォン200の各部を制御し、メモリ220に記憶されたプログラムおよびデータに従って後述の処理を実行する。すなわち、操作部230、および、通信部280,290から入力されたデータを処理し、処理したデータを、メモリ220に記憶させたり、表示部240で表示させたり、通信部280,290から出力させたりする。
【0047】
メモリ220は、制御部210でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部210で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、メモリ220の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
【0048】
操作部230は、この例では、表示部240上に設けられたタッチパネルからなっている。なお、キーボードその他のハードウェア操作デバイスを含んでいても良い。
【0049】
表示部240は、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electroluminescence)ディスプレイなど)を含む。表示部240は、制御部210によって制御されて、所定の映像を表示画面に表示させる。
【0050】
NFC通信部280は、このスマートフォン200に体温計400が接近したとき、体温計400と近距離無線通信を行って、体温計400から体温および計測日時を表すデータを受信する。なお、スマートフォン200と体温計400とを接近させる必要なくデータをリアルタイムに送信できるように、スマートフォン200と体温計400とにそれぞれBLE(Bluetooth Low Energy;低消費電力版Bluetooth)通信部を備えてもよい。
【0051】
ネットワーク通信部290は、制御部210からの情報をネットワーク900を介して他の装置(この例ではサーバ300)へ送信するとともに、他の装置からネットワーク900を介して送信されてきた情報を受信して制御部210に受け渡す。
【0052】
図3に示すように、サーバ300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、ネットワーク通信部390とを含む。このサーバ300は、汎用のコンピュータ装置に、後述の処理を行わせるようにプログラム(ソフトウェア)をインストールしたものである。
【0053】
制御部310は、CPU(Central Processing Unit)およびその補助回路を含み、サーバ300の各部を制御し、記憶部320に記憶されたプログラムおよびデータに従って所定の処理を実行し、操作部330、および、通信部390から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部320に記憶させたり、表示部340で表示させたり、通信部390から出力させたりする。
【0054】
記憶部320は、制御部310でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部310で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。記憶部320には、多くのユーザから送られてきた体温測定データを含むデータベース321が設けられている。また、記憶部320の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、磁気ディスク(HD(Hard Disk)、FD(Flexible Disk))、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc))、光磁気ディスク(MO(Magneto-Optical disk))、または、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
【0055】
操作部330は、この例では、キーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる操作を示す操作信号を制御部310に入力する。また、操作部330は、キーボードおよびマウスに替えて、または、加えて、タッチパネルなどの他の操作デバイスで構成されるようにしてもよい。
【0056】
表示部340は、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electroluminescence)ディスプレイなど)を含む。表示部340は、制御部310によって制御されて、所定の映像をディスプレイに表示させる。
【0057】
ネットワーク通信部390は、制御部310からの情報をネットワーク900を介して他の装置(この例ではスマートフォン200)へ送信するとともに、他の装置からネットワーク900を介して送信されてきた情報を受信して制御部310に受け渡す。
【0058】
図4に示すように、体温計400は、この例では市販の婦人用電子体温計(オムロン製MC−642L)であり、ケーシング400Mと、このケーシング400Mに搭載された、制御部410と、メモリ420と、センサ部430と、表示部440と、NFC通信部490とを含む。
【0059】
センサ部430は、温度センサを含み、婦人の体温を測定して取得する。
【0060】
メモリ420は、体温計400を制御するためのプログラムのデータ、体温計400の各種機能を設定するための設定データ、体温測定結果のデータなどを記憶する。この例では、メモリ420は、最大40日分の体温測定データとそれに対応する計測日時とを記憶することができる。また、メモリ420は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0061】
制御部410は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ420に記憶された体温計400を制御するためのプログラムに従って、センサ部430からの検知信号に基づいて、メモリ420、表示部440、および、
NFC通信部490を制御する。表示部440は、この例ではLCD(液晶表示素子)からなる表示画面を含み、この表示画面に制御部410から受けた信号に従って所定の情報を表示する。
【0062】
NFC通信部490は、この体温計400がスマートフォン200に接近したとき、スマートフォン200と近距離無線通信を行って、スマートフォン200へ体温および計測日時を表すデータを送信する。この例では、スマートフォン200からこの体温計400のための各種設定情報(アラーム(時刻・音量)、ブザー音の設定、バックライト強度の設定など)を受信することもできる。
【0063】
このシステム100は、次のように用いられる。
【0064】
i) ユーザである婦人が、体温計400を用いて、複数の月経周期について日ごとに基礎体温を測定する。この例では、測定された基礎体温のデータは、その基礎体温を測定したときの計測日時とともに、体温計400のメモリ420に、最大40日分記憶される。
【0065】
婦人が、体温計400をスマートフォン200に接近させると、その度に、
図11(入力処理)のステップS201に示すように、スマートフォン200のNFC通信部280と制御部210が基礎体温取得部として働いて、スマートフォン200は、体温計400から、婦人の複数の月経周期について日ごとの基礎体温と計測日時を表すデータを取得する。
【0066】
なお、婦人がNFC通信部を含まない体温計を用いて体温を測定した場合は、婦人は、スマートフォン200の操作部230を操作して、基礎体温と計測日時を表すデータを手入力することもできる。
【0067】
ii) また、
図11のステップS202に示すように、婦人は、スマートフォン200の操作部230を介して、複数の月経周期について月経開始日を日にち情報として入力する。婦人が自己申告として月経開始日を入力する場合、推定によらない実際の月経開始日を入力でき、後述の月経開始予定日算出の精度を高めることができる。
【0068】
iii) また、
図11のステップS203に示すように、婦人は、スマートフォン200の操作部230を用いて、その他の情報を入力する。「その他の情報」とは、例えば現在の日時を設定するための情報や、サーバ300に対する新規ユーザ登録のための情報や、体温計400の型番を表す情報などを指す。
【0069】
なお、
図11のステップS201〜S202の入力は、ユーザである婦人が毎日行っても良いし、この例では最大40日以内で婦人が気付いた都度行っても良い。また、
図11のS201〜S203の各ステップは、この順に限られず、いずれを先に行っても良い。
【0070】
v)
図11のステップS201〜S203によって入力処理を行った後、ユーザである婦人は、スマートフォン200の操作部230を操作して、入力された各種情報をネットワーク通信部290からネットワーク900を介してサーバ300へ送信させる。
【0071】
vi) サーバ300は、
図10のステップS101に示すように、ネットワーク900を介してスマートフォン200からのデータが送られてくるのを待っている。サーバ300は、ネットワーク900からネットワーク通信部390を介して、スマートフォン200からのデータを受信すると(ステップS101でYES)、受信したデータを記憶部320に記憶する(
図10のステップS102)。
【0072】
vii) 次に、サーバ300は、演算および画像データ作成を行う(
図10のステップS103)。すなわち、サーバ300の制御部310が記憶部320に記憶されたスマートフォン200からのデータを用いて、後述するような月経開始予定日算出を含む一連の処理を実行する。
【0073】
また、サーバ300は、月経開始予定日を算出する度に、スマートフォン200の表示部240に表示されるべき画像のデータを作成する。そして、作成した画像データをデータベース321に記憶するとともに、ネットワーク通信部390からネットワーク900を介して、スマートフォン200へ送信する(
図10のステップS104)。
【0074】
viii) スマートフォン200は、上記画像データをネットワーク900からネットワーク通信部290を介して受信して、メモリ220に記憶する。ここで、ユーザである婦人が、スマートフォン200の操作部230を操作して、月経開始日予測モードを選択するものとする。すると、スマートフォン200の制御部210が、表示部240に月経開始予定日を表示する動作を実行する。
【0075】
例えば
図8(A)に示すように、表示部240において縦軸を基礎体温(℃)とし、横軸を日にち(カレンダ)とした表示画面70上に、日ごとの婦人の基礎体温が折れ線グラフ75として表示されるとともに、月経開始予定日が縦方向に沿って延びる破線からなるカーソル線73として表示される。このカーソル線73には、月経開始予定日であることを示すアイコンとしての三日月マーク78が併せて表示される。なお、この例では、前回の月経周期で算出された排卵予定日を示す破線からなるカーソル線72も表示される。このカーソル線72には、排卵予定日であることを示すアイコンとしての卵マーク77が併せて表示される。したがって、ユーザは、表示画面70の表示を見ることによって、次回の月経開始予定日や排卵予定日を容易に知ることができる。
【0076】
図6は、サーバ300の制御部310が実行する一連の処理のフローを示している。
【0077】
図6のステップS1に示すように、サーバ300の制御部310が日にち情報取得部として働いて、婦人の複数の月経周期(この例では直近3〜5周期)にわたる平均の月経周期日数および高温相日数を算出して取得する。
【0078】
ここで、
図5(A)に模式的に示すように、月経周期日数は、月経開始日(或る月経周期の初日)から次の月経開始日(または月経開始予定日)の前日までの日数として定義される。高温相日数は、
図5(B)に示すように、基礎体温が高温レベルにある期間として定義される。
【0079】
月経周期日数算出の基礎となる婦人の過去の月経開始日としては、
図11のステップS202で入力された日を用いることができる。ただし、
図11のステップS201で入力された基礎体温に基づいて、公知の手法によって婦人の過去の月経開始日を推定して取得してもよい。例えば、月経開始日は、高温相から低温相への移行日に応じて推定できる。そのようにした場合、ユーザである婦人は、過去の月経開始日を、スマートフォン200の操作部230を介して入力する必要がなく、入力の手間が省ける。
【0080】
高温相日数算出の基礎となる婦人の過去の排卵日については、
図11のステップS201で入力された基礎体温に基づいて、公知の手法によって推定して取得する。例えば、排卵日は、
図5(B)から分かるように、低温相から高温相へ移行した日の前日であるものとして推定できる。
【0081】
なお、この例では、サーバ300(の制御部310)が月経周期日数および高温相日数を算出しているが、これに限られるものではない。婦人がスマートフォン200の操作部230を介して、自己申告として直近3〜5周期の平均の月経周期日数入力し、そして、その入力データをスマートフォン200からサーバ300が受信して取得してもよい。また、直近3〜5周期の平均の高温相日数のデータが存在しない場合には、平均の高温相日数として標準的な「14日」を用いてもよい。
【0082】
次に、
図6のステップS2に示すように、サーバ300の制御部310は、タイプ分類部として働いて、婦人の月経周期日数が予め定められた範囲に入るか否か、および婦人の高温相日数が予め定められた範囲に入るか否かに基づいて、タイプ分類を行う。
【0083】
ここで、婦人の月経周期日数が「予め定められた範囲」に入るか否かの基準としては、婦人の直近3〜5周期の月経周期日数の標準偏差(S
MMとする。)が例えば婦人科医師等による統計調査値(2.90日)以内であるか否か、つまりS
MM≦2.90であるか否かを基準として採用することができる。
【0084】
また、婦人の高温相日数が「予め定められた範囲」に入るか否かの基準としては、婦人の直近3〜5周期の高温相日数の標準偏差(S
OMとする。)が例えば婦人科医師等による統計調査値(1.60日)以内であるか否か、つまりS
OM≦1.60であるか否かを基準として採用することができる。
【0085】
また、分類されるタイプとしては、
図7に示すように、月経周期日数と高温相日数がいずれも安定している第1タイプG1と、月経周期日数が安定し且つ高温相日数が不安定である第2タイプG2と、月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定している第3タイプG3と、月経周期日数と高温相日数がいずれも不安定である第4タイプG4とが挙げられる。第3タイプG3が特定タイプに相当し、第1タイプG1、第2タイプG2および第4タイプG4が特定タイプ以外のタイプに相当する。
【0086】
次に、
図6のステップS3に示すように、サーバ300の制御部310は、現在の月経周期内で排卵日の検出があったか否かを判断する。
【0087】
具体的には、
図11のステップS201で入力された基礎体温データを探索して、婦人の基礎体温が低温相から高温相へ移行したか否かを検出する。未だ低温相から高温相へ移行していなければ(ステップS3でNO)、後述のステップS4へ進む。一方、既に低温相から高温相へ移行していれば(ステップS3でYES)、高温相へ移行した日の前日を排卵日として検出する。そして、後述のステップS5へ進む。
【0088】
この排卵日検出有無の判断は、データが受信されたタイミング(
図10のステップS101でYES)で行われる。
【0089】
図6のステップS4では、サーバ300の制御部310は、演算部として働いて、婦人がいずれのタイプG1〜G4に属していても、次の第1演算式Eq.1によって婦人の月経開始予定日を算出する。
(月経開始予定日)=(月経開始日)+(月経周期日数) …(Eq.1)
ここで、右辺の「月経開始日」は、
図11のステップS202で入力された最後の月経開始日である。また、右辺の「月経周期日数」は、
図6のステップS1で取得された直近3〜5周期の平均の月経周期日数である。
【0090】
この第1演算式Eq.1による算出は、現在の月経周期の初日に行われる。この月経周期の初日には未だ低温相から高温相へ移行していない(ステップS3でNO)からである。
【0091】
したがって、婦人がいずれのタイプG1〜G4に属していても、ユーザは、現在の月経周期の初日(つまり、最後の月経開始日)に次回の月経開始予定日を知ることができる。
【0092】
ここで、例えば婦人が第1タイプG1(月経周期日数と高温相日数がいずれも安定しているタイプ)、または第2タイプG2(月経周期日数が安定であり且つ高温相日数が不安定なタイプ)に属していれば、婦人の月経周期日数が安定しているので、第1演算式Eq.1によって月経開始予定日を精度良く算出できる。一方、婦人が第3タイプG3(月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定しているタイプ)に属していれば、婦人の月経周期日数が不安定であるため、この段階では月経開始予定日の精度は良くない。また、婦人が第4タイプG4(月経周期日数と高温相日数がいずれも不安定なタイプ)に属していれば、月経開始予定日を精度良く算出することは本質的に難しい。
【0093】
この例では、サーバ300の制御部310は、併せて、次式Eq.1′によって婦人の次回の月経周期における排卵予定日を算出する。
(排卵予定日)=(月経開始予定日)−(高温相日数)−1…(Eq.1′)
ここで、右辺の「月経開始予定日」は、
図6のステップS4のEq.1により算出される日付である。また、右辺の「高温相日数」は、
図6のステップS1で取得された直近3〜5周期の平均の高温相日数である。
【0094】
この結果、スマートフォン200の表示部240には、
図8(A)に示したような表示が行われる。
【0095】
図6のステップS5では、サーバ300の制御部310は、婦人が4つのタイプG1〜G4のうち特定タイプとしての第3タイプG3(月経周期日数が不安定であり且つ高温相日数が安定しているタイプ)に属しているか否かを判断する。
【0096】
ここで、婦人が第3タイプG3に属していれば(ステップS5でYES)、ステップS6に進んで、サーバ300の制御部310は、演算部として働いて、次の第2演算式Eq.2によって婦人の月経開始予定日を算出して更新する。
(月経開始予定日)=(排卵日)+(高温相日数)+1 …(Eq.2)
ここで、右辺の「排卵日」は、
図6のステップS1で取得された最後の排卵日である。また、右辺の「高温相日数」は、
図6のステップS1で取得された直近3〜5周期の平均の高温相日数である。
【0097】
この結果、スマートフォン200の表示部240によって、
図8(B)に示すような表示が行われる。すなわち、表示画面70上には、ステップS4で第1演算式Eq.1によって算出された月経開始予定日を示す破線からなるカーソル線73に代えて、ステップS6で第2演算式Eq.2によって算出された月経開始予定日を示す破線からなるカーソル線73Aが表示される。第1演算式Eq.1によって算出された月経開始予定日に対して第2演算式Eq.2によって算出された月経開始予定日がずれていれば、このカーソル線73Aは、カーソル線73に対して、例えば矢印bで示すようにずれたものとなる。
【0098】
ここで、婦人は第3タイプG3に属しているので、婦人の高温相日数が安定している。したがって、第2演算式Eq.2によって婦人の月経開始予定日を精度良く算出できる。この結果、ユーザは、排卵日が検出された日に次回の月経開始予定日をより精度良く知ることができる。
【0099】
この例では、このカーソル線73Aは、カーソル線73に対して、太く(および/または濃く)強調表示されている。したがって、ユーザは、表示画面70の表示を見ることによって、月経開始予定日が更新されて精度が高められていること認識できる。
【0100】
また、表示画面70上には、排卵予定日を示す破線からなるカーソル線72に代えて、ステップS3で検出された排卵日(現在の月経周期で検出されたもの)を示す実線からなるカーソル線72Aが表示される。上記排卵予定日に対してステップS3で検出された排卵日がずれていれば、このカーソル線72Aは、カーソル線72に対して、例えば矢印aで示すようにずれたものとなる。また、ユーザは、実線からなるカーソル線72Aを見ることによって、排卵日が検出されたことを認識できる。
【0101】
一方、
図6のステップS5で婦人がタイプG3に属しておらず、タイプG1、G2またはG4に属していれば(ステップS5でNO)、再びステップS4へ進んで、サーバ300の制御部310は、既述の第1演算式Eq.1によって再び婦人の月経開始予定日を算出する。
【0102】
この場合、スマートフォン200の表示画面70上では、ステップS4で第1演算式Eq.1によって算出された月経開始予定日を示す破線からなるカーソル線73の表示が維持される。
【0103】
また、表示画面70上には、排卵予定日を示す破線からなるカーソル線72に代えて、ステップS3で検出された排卵日(現在の月経周期で検出されたもの)を示す実線からなるカーソル線72Aが表示される。ユーザは、実線からなるカーソル線72Aを見ることによって、排卵日が検出されたことを認識できる。
【0104】
このように、この月経開始予定日算出装置によれば、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプG1〜G3に応じて、月経開始予定日を精度良く算出できる。なお、既述のように、婦人が第4タイプG4に属していれば、月経開始予定日を精度良く算出することは本質的に難しい。
【0105】
図9(A)は、第3タイプG3に属する複数の婦人を被験者として、第2演算式Eq.2により算出された月経開始予定日と実際の月経開始日との対応を検証するための散布図を示している。また、
図9(B)は、第3タイプG3に属する複数の婦人を被験者として、第1演算式Eq.1により算出された月経開始予定日と実際の月経開始日との対応を検証するための散布図を示している。
図9(A)、
図9(B)ともに、被験者数N=41である。また、これらの散布図において、1個のデータ(1つの月経開始予定日データと1つの月経開始日データとの対応点)は、最も小径の丸印で表されている。データが2個、3個、…と重なっている場合は、それぞれ2重丸、3重丸、…で表されている。
【0106】
図9(A)では、第2演算式Eq.2により算出された月経開始予定日と実際の月経開始日との相関係数は0.742であった。これに対して、
図9(B)では、第1演算式Eq.1により算出された月経開始予定日と実際の月経開始日との相関係数は0.33であった。これにより、婦人が第3タイプG3に属する場合に、算出された月経開始予定日と実際の月経開始日との対応が改善されることを検証できた。したがって、本発明によれば、被験者である婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプG1〜G3に応じて、月経開始予定日を精度良く算出できる、と言える。
【0107】
上述の実施形態では、表示画面70に、婦人の月経開始予定日や排卵日(または排卵予定日)を、カレンダ上のアイコン(マーク)やカーソル線として表示したが、これに限られるものではない。表示画面70上には、婦人の月経開始予定日を、例えば「次の月経開始予定日は4月1日です。」というように、日付を表す文字やメッセージとして表示してもよい。また、月経開始予定日が第2演算式Eq.2によって更新されたとき、その月経開始予定日(日付)を表す文字に対して、更新されたことを表すマーク(記号)を付して表示してもよい。
【0108】
また、この実施形態では、本発明の月経開始予定日算出装置を、スマートフォン200と、サーバ300と、体温計400とを含むネットワーク上のシステム100として構成したが、これに限られるものではない。
【0109】
例えば、本発明の月経開始予定日算出装置を、体温計400とスマートフォン200のみで構成しても良い。つまり、スマートフォン200の制御部210、メモリ220、操作部230、表示部240、ネットワーク通信部290が、それぞれそれらの機能に加えて、サーバ300の制御部310、記憶部320、操作部330、表示部340、ネットワーク通信部390の機能を果たすものとする。この場合、スマートフォン200のメモリ220には、制御部210に、婦人の月経開始予定日を算出する方法を実行させるプログラムをインストールする。これにより、本発明の月経開始予定日算出装置を小型かつコンパクトに構成することができる。
【0110】
そのプログラムによって、制御部210に、婦人の月経開始予定日を算出する方法を実行させれば、上記婦人の月経周期日数が安定しているか否か、高温相日数が安定しているか否かのタイプに応じて、月経開始予定日を精度良く算出できる。
【0111】
このプログラムは、アプリケーションソフトウェアとして、CD、DVD、フラッシュメモリなどの記録媒体に記録することができる。この記録媒体に記録されたアプリケーションソフトウェアを、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)などの実質的なコンピュータ装置にインストールすることによって、それらのコンピュータ装置に、婦人の月経開始予定日を算出する方法を実行させることができる。
【0112】
なお、このようなスマートフォン(サーバ300の機能を組み込んだもの)に、さらに体温計400のセンサ部430を組み込むことにより、本発明の月経開始予定日算出装置を、実質的にスマートフォンのみで構成しても良い。
【0113】
また、これらの各タイプのスマートフォン(サーバ300の機能を組み込んだもの、さらに体温計400のセンサ部430を組み込んだもの)に代えて、各タイプのスマートフォンと同じ構成要素と機能を有するノート型パーソナルコンピュータまたは携帯電話を用いて、本発明の月経開始予定日算出装置を構成しても良い。