(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記LED発光部のそれぞれは、第1LED光を発光する第1LEDと、前記第1LEDから1mm以内の範囲において、前記第1LED光よりも波長が長い第2LED光を発光する第2LEDと、を有し、
単一の前記LED発光部から発光された前記第1LED光と前記第2LED光とは、単一の前記レンズを互いに平行に通過する、
請求項1に記載のLED表示ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記の問題を解決せんとするもので、複数のLEDから発光されたLED光の方向を容易に調整できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明のLED表示ユニットは、基板上に配置された複数のLED発光部と、基板と平行なレンズ板上において複数のLED発光部のそれぞれに対応する位置に配置された複数のレンズと、基板に平行な方向において基板とレンズ板とを相対的に位置決めする位置決め部とを備える。具体的に、位置決め部は、互いに対応するLED発光部とレンズとの組のそれぞれにおける相対位置関係が同一となるように、基板とレンズ板とを位置決めする。さらに、位置決め部は、複数のLED発光部のそれぞれにて発光されたLED光がレンズの外部へと射出される射出方向が、レンズ内におけるLED光の光軸を通過する基準直線よりもLED発光部の視認位置側に向くように、基板とレンズ板とを位置決めする。
【0007】
LED発光部とレンズとの相対位置関係を調整することにより、LED発光部から発光されたLED光がレンズの表面(入射表面・射出表面)に入射する入射角を変化させることができる。従って、LED発光部とレンズとの相対位置関係を調整することにより、LED光がレンズから射出される射出方向を調整できる。ここで、位置決め部は、互いに対応するLED発光部とレンズとの組のそれぞれにおける相対位置関係が同一となるように、基板とレンズ板とを位置決めする。例えば、ある組においてLED発光部の発光軸とレンズの頂点とが1mmずれていたとすると、他のすべての組においてもLED発光部の発光軸とレンズの頂点とが1mmずれるように、基板とレンズ板とが位置決めされる。従って、LED発光部とレンズの各組において、レンズから射出される射出方向を一致させた状態、すなわち各レンズから射出されたLED光が平行光となる状態を保ちつつ、LED光の射出方向を一括して調整できる。なお、相対位置関係が同一であることには、製造誤差の範囲内において相対位置関係にずれがあることも含まれる。
【0008】
また、位置決め部は、LED光がレンズの外部へと射出される射出方向が、レンズ内におけるLED光の光軸を通過する基準直線よりもLED発光部の視認位置側に向くように、基板とレンズ板とを位置決めする。
図1Aは、LED光がレンズの外部へと射出される様子を示す図である。レンズの射出表面におけるLED光の入射角をαと表記し、当該射出表面におけるLED光の屈折角をβと表記する。入射角αと屈折角βとは、LED光が射出される位置におけるレンズの射出表面の法線方向を基準とした角度である。また、基準直線はレンズ内におけるLED光の光軸を通過する直線であるため、入射角αは基準直線とレンズの射出表面の法線方向とがなす角度である。入射角αと屈折角βとの間には、スネルの法則に基づく下記の(1)式が成り立つ。
n
L・sinα=n
O・sinβ ・・(1)
【0009】
なお、n
Lはレンズの屈折率であり、n
Oは空気の屈折率である。空気の屈折率n
Oはほぼ1であり、通常、レンズの屈折率n
Lは1よりも大きい。全反射が生じない入射角αと屈折角βの範囲ではsinα,sinβが単調増加となるため、前記の(1)式を満足する場合に屈折角βは入射角αよりも大きくなる。屈折角βは入射角αよりも大きいため、屈折角βは、基準直線を境界に入射角αの対頂角成分と残りの成分である指向角度γ(>0)とに分解できる。すなわち、基準直線から入射角αだけ回転した方向が射出表面の法線方向となり、基準直線から法線方向の反対側に指向角度γだけ回転した方向がLED光の射出方向となる。従って、LED光がレンズの外部へと射出される位置におけるレンズの射出表面の法線方向が、基準直線を挟んで視認位置の反対側となるように、基板とレンズ板とを位置決めすることにより、LED光の射出方向が基準直線よりもLED発光部の視認位置側に向くようにすることができる。
【0010】
図1Aの場合、基準直線よりも視認位置が下側にあるため、レンズの射出表面の法線方向が基準直線よりも上側を向くようにすればよい。これにより、基準直線を基準として、視認位置が存在する方向と、LED光がレンズから射出される方向とを一致させることができる。すなわち、視認位置へ向けてLED光を射出することができ、視認位置におけるLED表示ユニットの視認性を向上させることができる。
【0011】
さらに、複数のLED発光部のそれぞれは、第1LED光を発光する第1LEDと、基板に平行な方向において第1LEDから1mm以内の範囲において、第1LED光よりも波長が長い第2LED光を発光する第2LEDと、を有するように構成されてもよい。すなわち、LED発光部は、複数色のLED光が発光できるように構成されてもよい。そして、単一のLED発光部から発光された第1LED光と第2LED光とが、単一のレンズを互いに平行に通過するように構成されてもよい。このように、第1LED光と第2LED光とを単一のレンズを通過させることにより、第1LED光と第2LED光とのそれぞれに対応してレンズを設けなくても済み、コストを抑制できる。さらに、第1LED光と第2LED光とのそれぞれに対してレンズの位置を調整しなくても済む。このように、LED発光部が複数のLEDを備える場合、すべてのLEDから発光されたLED光がレンズの外部へと射出される射出方向が、基準直線よりもLED発光部の視認位置側に向くように、基板とレンズ板とを位置決めすればよい。ただし、第1LEDと第2LEDとが異なる位置に設けられれば、第1LED光と第2LED光とがレンズから射出される射出表面の法線方向が互いに異なり、射出方向が互いに異なることとなる。第1LED光と第2LED光とがレンズから射出される射出方向の差が大きい場合、第1LED光と第2LED光との混色性が低下することとなる。
【0012】
これに対して、第1LEDと第2LEDとを互いに1mm以内の範囲に設けることにより、レンズ内における第1LEDの光軸と第2LEDの光軸とを互いに近づけることができ、第1LED光と第2LED光とがレンズから射出される射出表面の法線方向の差を抑制できる。すなわち、第1LED光と第2LED光とがレンズから射出される射出方向の差を抑制でき、第1LED光と第2LED光との混色性の低下を抑制できる。なお、LED発光部を第1LEDと第2LEDとが単一のパッケージに実装されたSMD(Surface Mount Device)とすることにより、第1LEDと第2LEDとを1mm以内の範囲に容易に配置できる。また、レンズの射出表面のうち、光軸方向における射出表面の傾きの変化量が所定基準よりも小さい領域において、第1LED光と第2LED光とが射出されるように、基板とレンズ板とを位置決めしてもよい。これにより、第1LED光と第2LED光とがレンズから射出される射出表面の法線方向の差を抑制できる。
【0013】
さらに、位置決め部は、第1LED光がレンズの外部に射出される位置におけるレンズの射出表面に対する第1LED光の入射角よりも、第2LED光がレンズの外部に射出される位置におけるレンズの射出表面に対する第2LED光の入射角が大きくなるように、基板とレンズ板とを位置決めしてもよい。これにより、第1LED光と第2LED光との混色性が低下することを抑制できる。以下、その理由について説明する。
【0014】
上述のようにβ=α+γであるため、前記の(1)式は、下記の(2)式のように表現できる。
n
L・sinα=n
O・sin(α+γ) ・・(2)
上述のように、全反射が生じない入射角αと屈折角βとの範囲ではsinα,sinβが単調増加となるため、前記の(2)式は、入射角αが大きくなるほど、指向角度γも大きくなることを意味する。また、前記の(2)式は、レンズの屈折率n
Lが大きくなるほど、指向角度γが大きくなることを意味する。
【0015】
ここで、物体における可視光の屈折率は、当該可視光の波長が大きいほど小さくなる性質(正常分散)を有する。従って、レンズにおける第1LED光(波長が短い)の屈折率である第1屈折率n
L1は、レンズにおける第2LED光(波長が長い)の屈折率である第2屈折率n
L2よりも大きくなる。従って、入射角αが同一である場合、第1LED光の指向角度γは、第2LED光の指向角度γよりも大きくなる。
【0016】
次に、
図1B,
図1Cに示すように、第1LED光がレンズの射出表面上において入射角αが異なる2点Q,Wのうちの一方から射出され、第2LED光が当該2点Q,Wのうちの他方から射出される場合について考える。レンズの射出表面が曲面であり、第1LEDと第2LEDとがずれた位置に備えられる場合に、第1LED光と第2LED光とは入射角αが互いに異なる点Q,Wから射出されることとなる。前記2点Q,Wに入射する際の入射角αをそれぞれα
W,α
Q(α
W>α
Q)とする。例えば、第1LEDと第2LEDとが実装されたパッケージを基板に対して180°反転して取り付けることができる場合に、
図1B,1Cのように入射角αが異なる2点Q,Wのどちらから第1LED光と第2LED光とを射出させるかを選択できる。
【0017】
ここで、
図1Bに示すように波長が短い第1LED光が入射角α
Qとなる点Qから射出される場合の指向角度γ
Q1は、
図1Cに示すように波長が長い第2LED光が入射角α
Qとなる点Qから射出される場合の指向角度γ
Q2よりも大きくなる。入射角α
Qが同一である場合、レンズの屈折率n
Lが大きいほど指向角度γが大きくなるからである。同様に、
図1Cに示すように波長が短い第1LED光が入射角α
Wとなる点Wから射出される場合の指向角度γ
W1は、
図1Bに示すように波長が長い第2LED光が入射角α
Wとなる点Wから射出される場合の指向角度γ
W2よりも大きくなる。以上により、下記の(3),(4)式が成り立つ。
γ
Q1>γ
Q2 ・・(3)
γ
W1>γ
W2 ・・(4)
【0018】
ここで、
図1Cに示すように第1LED光が大きい入射角α
Wで点Wから射出される場合の指向角度γ
W1は、
図1Bに示すように第1LED光が小さい入射角α
Qで点Qから射出される場合の指向角度γ
Q1よりも大きくなる。入射角αが大きいほど指向角度γが大きくなるからである。同様に、
図1Bに示すように第2LED光が大きい入射角α
Wで点Wから射出される場合の指向角度γ
W2は、
図1Cに示すように第2LED光が小さい入射角α
Qで点Qから射出される場合の指向角度γ
Q2よりも大きくなる。
以上により、下記の(5),(6)式が成り立つ。
γ
W1>γ
Q1 ・・(5)
γ
W2>γ
Q2 ・・(6)
【0019】
前記の(4),(6)式により、下記の(7)式が導出できる。
γ
W1>γ
W2>γ
Q2 ・・(7)
さらに、前記の(3),(5)式により、下記の(8)式が導出できる。
γ
W1>γ
Q1>γ
Q2 ・・(8)
【0020】
前記(7),(8)が示すように、指向角度γ
Q1,γ
Q2,γ
W1,γ
W2のうち、波長が短い第1LED光が大きい入射角α
Wで点Wから射出される場合の指向角度γ
W1が最大となり、波長が長い第2LED光が小さい入射角α
Qで点Qから射出される場合の指向角度γ
Q2が最小となる。従って、波長が短い第1LED光が大きい入射角α
Wで点Wに入射し、波長が長い第2LED光が小さい入射角α
Qで点Qに入射するように基板とレンズ板とを位置決めした場合、レンズから射出される第1LED光と第2LED光の指向角度γ
W1,γ
Q2の差が最大となり、第1LED光と第2LED光との混色性が低下することとなる。これに対して、波長が短い第1LED光が小さい入射角α
Qで点Qに入射し、波長が長い第2LED光が大きい入射角α
Wで点Wに入射するように基板とレンズ板とを位置決めした場合、レンズから射出される第1LED光と第2LED光の指向角度γ
Q1,γ
W2の差が最大とならないため、第1LED光と第2LED光との混色性を確保できる。
【0021】
また、位置決め部は、基板に平行な方向において基板とレンズ板とを複数の相対位置にて位置決めしてもよい。これにより、視認位置に応じて基板とレンズ板との相対位置を変化させることができ、LED表示ユニットを備える情報表示装置の設置位置に柔軟性を持たせることができる。例えば、情報表示装置の視認者が存在する地面の勾配や、視認位置の地面からの高さ等に応じて、LED基板とレンズ板との相対位置を変化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)情報表示装置の構成:
(2)基板とレンズ板の構成:
(3)シフト距離とLEDの配置について:
(4)他の実施形態:
【0024】
(1)情報表示装置の構成:
図2A,
図2Bは、本実施形態にかかるLED表示ユニットを含む情報表示装置の概略構成を示す正面図および側面図である。情報表示装置1は、表示部Dと支柱13と保護筐体14と制御ユニット15とを備えている。表示部Dと制御ユニット15とは、保護筐体14に収容されている。保護筐体14は、道路の路肩等に立設された支柱13によって道路の路面から所定の高さHに支持されている。なお、保護筐体14は必ずしも支柱13によって支持されなくてもよく、例えば壁面や建物等に取り付けられてもよい。
【0025】
表示部Dの正面は平面状に形成されており、複数(例えば、12×12個)のLED表示ユニット10によって構成されている。保護筐体14のうち表示部Dの正面に対向する部位は透明となっている。これにより、道路上を走行する車両から表示部Dにて表示された各種道路情報を視認できる。LED表示ユニット10は、鉛直方向の平面を構成する。複数のLED表示ユニット10は、表示部Dの鉛直面を構成するように、鉛直方向の同一面上に配列されている。高さHは、表示部Dの高さ方向の中点の路面からの高さであることとする。
図2Bに示すように、道路が水平であり、表示部Dから水平方向前方にVだけ離れた路面上の視認位置Pから表示部Dが見やすくなるように情報表示装置1が構成されていることとする。視認位置Pの路面からの高さhは、例えば路面を走行する車両の運転者や、路面上を歩行する歩行者等の平均的な目の高さとされている。表示部Dが見やすくなる際の仰角を指向角度γと表記すると、指向角度γはtanγ=(H−h)/Vを満足する角度となる。
【0026】
制御ユニット15は、例えば表示部Dの裏側に備えられている。制御ユニット15は、外部の商用電源と接続された電源部を備え、当該電源部は制御ユニット15の各種回路および表示部Dに供給する電源を生成する。制御ユニット15は、外部のサーバ等と無線、インターネット回線、専用回線などの通信回線を介して通信を行い表示部Dに表示させる道路情報等の各種情報を示す表示データを受信する受信部を備える。さらに、制御ユニット15は、表示データに基づいて各種信号処理を行うことにより、各LED表示ユニット10を点灯制御するための回路を備える。
【0027】
(2)基板とレンズ板の構成:
図3Aは、基板11の正面図である。
基板11は、回路が印刷された平面状の板であり、基板11上において複数(16×16個)のLED発光部Mがマトリックス状に配列されている。
図2Bに示すように、基板11は、鉛直方向の平面となるように情報表示装置1に備えられている。LED発光部Mは、基板11において、鉛直方向において一定間隔J(10.0mm)で直線状に配列されているとともに、水平方向においても一定間隔Jで直線状に配列されている。
【0028】
図3Bは、レンズ板12の正面図である。レンズ板12は、平面状の板であり、レンズ板12上において複数のレンズLがマトリックス状に配列されている。
図2Bに示すように、レンズ板12は、鉛直方向の平面となるように情報表示装置1に備えられている。従って、基板11とレンズ板12とは互いに平行となっている。レンズLは、レンズ板12上において、鉛直方向において一定間隔Jで直線状に配列されているとともに、水平方向においても一定間隔Jで直線状に配列されている。また、LED発光部Mの個数とレンズLの個数とは同一である。すなわち、複数のレンズLは、基板11と平行なレンズ板12上において複数のLED発光部Mのそれぞれに対応する位置に配置されている。
【0029】
図4Aは、LED発光部MとレンズLとの相対位置関係を説明する側面図である。本実施形態において、LED発光部Mは、単一のパッケージに赤色LEDrと緑色LEDgと青色LEDbとが実装されたSMD(Surface Mount Device)である。LED発光部Mにおいて、赤色LEDrと緑色LEDgと青色LEDbとは、一定の素子間隔I(0.5mm)を空けて鉛直方向の直線上において上から順に配列されている。鉛直方向における緑色LEDgの中心位置をLED発光部Mの基準位置Fと表記する。赤色LEDrは波長が0.63nmの赤色LED光Rを発光し、緑色LEDgは波長が0.53nmの緑色LED光Gを発光し、青色LEDbは波長が0.47nmの青色LED光Bを発光する。赤色LED光Rの光軸と緑色LED光Gの光軸と青色LED光Bの光軸とがそれぞれ基板11に対して垂直となるように、赤色LEDrと緑色LEDgと青色LEDbとが実装されている。従って、赤色LED光Rの光軸と緑色LED光Gの光軸と青色LED光Bの光軸とはそれぞれ水平方向の光軸となる。
【0030】
レンズLは、基板11と平行な平面状の入射表面L
1を基板11側に有するとともに、基板11の反対側に凸状の射出表面L
2を有する平凸レンズである。本実施形態において、レンズLの射出表面L
2は曲率半径Cが3.8mmの半球面状となっている。レンズLの射出表面L
2は、レンズ板12からの高さ(距離)が最も大きくなる頂点Tを有している。本実施形態において、レンズLは透明なポリカーボネートで形成されている。鉛直方向における頂点Tの位置をレンズLの基準位置Kと表記する。LED発光部Mの基準位置FとレンズLの基準位置Kとの鉛直方向における距離をシフト距離Zと表記する。なお、シフト距離Zは、鉛直方向におけるLED発光部Mの基準位置FからレンズLの基準位置Kを減算することにより得られ、LED発光部Mの基準位置FよりもレンズLの基準位置Kが下方に存在する場合に正の値となる。なお、
図4Aは、頂点Tを通過し、かつ、基板11に直交する鉛直断面を示す。図示しないが、水平方向において、レンズLの頂点Tの位置と、赤色LEDrと緑色LEDgと青色LEDbの位置とが一致する。
【0031】
(3)シフト距離について:
以下、シフト距離Zの設定手法を説明する。シフト距離Zは、緑色LEDgが発光したと仮定し、当該緑色LEDgから発光された緑色LED光Gが水平方向から指向角度γだけ視認位置P側に傾いた方向に射出されるように設定される。すなわち、視認位置Pにて指向角度γの仰角で見た場合に緑色LED光Gが視認しやすくなるように、シフト距離Zが設定される。なお、緑色LEDgは、鉛直方向における赤色LEDrと青色LEDbとの中間の位置に配置されているため、緑色LED光Gの光軸は、赤色LED光Rと青色LED光Bの平均の光軸を意味する。
【0032】
水平方向に発光された赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光Bとは、レンズLの入射表面L
1に対して垂直に入射する。レンズLの入射表面L
1に対して垂直に入射した赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光Bとは、そのままレンズL内を直進する。すなわち、単一のLED発光部Mから発光された赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光Bとは、単一のレンズLを互いに平行に通過する。レンズL内における緑色LED光Gの光軸を通過する直線を基準直線Sと表記する。本実施形態において、基準直線Sは水平方向の直線となる。
【0033】
視認位置Pは基準直線Sよりも下方に存在する。従って、基準直線Sよりも視認位置P側に緑色LED光Gが射出されるように、緑色LED光Gが射出される位置におけるレンズLの射出表面L
2の法線方向が基準直線Sよりも上方に向くようにすればよい。すなわち、緑色LED光Gが射出表面L
2の頂点Tよりも上方の位置を通過するようにすればよい。つまり、LED発光部Mの基準位置FよりもレンズLの基準位置Kが下方となるようにすればよく、シフト距離Zを正の値に設定すればよい。
【0034】
上述のように、入射角αと指向角度γとの間には前記の(2)式が成り立つ。前記の(2)式において、レンズLにおける緑色LED光Gの屈折率n
L(1.5881)と、空気における緑色LED光Gの屈折率n
O(波長に拘わらず1とする)と、指向角度γとを代入することにより、入射角αを算出できる。指向角度γが20°である場合、前記の(2)式を入射角αに関して解くと、入射角αは27.81°となった。なお、レンズLにおける可視光の屈折率は、当該可視光の波長が大きいほど小さくなる性質(正常分散)を有する。波長ごとの屈折率を示すグラフ(例えば、特開2010−250925号公報、
図4)をレンズLの材料(ポリカーボネート)について用意し、緑色LED光Gの波長に対応する屈折率を読み取ることにより、レンズLにおける緑色LED光Gの屈折率n
Lを得ることができる。
【0035】
また、入射角αとシフト距離Zとの関係は射出表面L
2の形状に基づいて特定できる。本実施形態において、射出表面L
2は半球面であるため、下記の(9)式によって、緑色LED光Gの入射角αを27.81°とするためのシフト距離Zを算出できる。
Z=C・sinα ・・(9)
本実施形態において、射出表面L
2の曲率半径Cは3.8mmであり、シフト距離Zは1.75mmとなる。
【0036】
なお、前記の(2),(9)式において、指向角度γとして15°を代入すると、入射角αは22.58°と算出でき、シフト距離Zは1.46mmと算出できる。同様に、指向角度γが10°を代入すると、入射角αは16.06°と算出でき、シフト距離Zは1.05mmと算出できる。
【0037】
本実施形態では、基板11に平行な方向において基板11とレンズ板12とを複数の相対位置にて位置決めすることができるように、複数の位置決め穴Uが基板11とレンズ板12とに形成されている。複数の相対位置とは、シフト距離Zが1.05mm,1.46mm,1.75mmとなる基板11とレンズ板12との相対位置を意味し、指向角度γが10°,15°,20°となる基板11とレンズ板12との相対位置を意味する。
【0038】
図3A,3Bに示すように、位置決め穴U
10,U
15,U
20は、基板11とレンズ板12のそれぞれにおいて、基板11とレンズ板12とを水平方向に二等分する二等分線上(一点鎖線)に6個ずつ設けられている。また、位置決め穴U
10,U
15,U
20は、基板11を鉛直方向に二等分する二等分線の上方と下方に1個ずつ設けられており、レンズ板12を鉛直方向に二等分する二等分線の上方と下方に1個ずつ設けられている。
図4B,
図4C,
図4Dは、位置決め穴U
10,U
15,U
20にて位置決めが行われる様子を示す図である。
【0039】
図4Bに示すように、基板11の位置決め穴U
10とレンズ板12の位置決め穴U
10とが重なった状態で、当該位置決め穴U
10を貫通するようにネジ止めすることにより、指向角度γが10°となるシフト距離Z(1.05mm)で基板11とレンズ板12とを位置決めできる。なお、基板11とレンズ板12とにおいて上方に設けられた位置決め穴U
10同士が重なった状態において、下方に設けられた位置決め穴U
10同士も重なる。従って、鉛直方向の位置が異なる2点にて基板11とレンズ板12とを固定でき、基板11に平行な面内において、レンズ板12が基板11に対して回転することを防止できる。
【0040】
図4Cに示すように、基板11の位置決め穴U
15とレンズ板12の位置決め穴U
15とが重なった状態で、当該位置決め穴U
15を貫通するようにネジ止めすることにより、指向角度γが15°となるシフト距離Z(1.46mm)で基板11とレンズ板12とを位置決めできる。さらに、
図4Dに示すように、基板11の位置決め穴U
20とレンズ板12の位置決め穴U
20とが重なった状態で、当該位置決め穴U
20を貫通するようにネジ止めすることにより、指向角度γが20°となるシフト距離Z(1.75mm)で基板11とレンズ板12とを位置決めできる。位置決め穴U
10,U
15,U
20の穴径は、すべてネジの軸部の直径と同等となっている。
【0041】
基板11を水平方向に二等分する二等分線上に設けられた位置決め穴U
10,U
15,U
20の位置は、レンズ板12を水平方向に二等分する二等分線上に設けられた位置決め穴U
10,U
15,U
20の位置と一致する。従って、基板11とレンズ板12とは、水平方向に二等分する二等分線の位置を一致させた状態を保って相対位置が位置決めされる。つまり、基板11とレンズ板12とは、ネジ止めを行う位置決め穴U
10,U
15,U
20を変えることにより、水平方向には相対移動することなく、鉛直方向においてのみ相対移動することとなる。
【0042】
図3A,3Bに示すように、基板11とレンズ板12のそれぞれにおいて固定穴Xが7個ずつ設けられている。基板11とレンズ板12のそれぞれにおいて、固定穴Xは重心と、四隅付近と、左右の辺の中点付近とに形成されている。
図4Eは、固定穴Xにてネジ止めが行われる様子を示す図である。基板11の位置決め穴U
10とレンズ板12の位置決め穴U
10とが重なった状態、基板11の位置決め穴U
15とレンズ板12の位置決め穴U
15とが重なった状態、および、基板11の位置決め穴U
20とレンズ板12の位置決め穴U
20とが重なった状態のいずれにおいても、基板11の固定穴Xとレンズ板12の固定穴Xとが重なるように、レンズ板12の固定穴Xが鉛直方向の長穴となっている。レンズ板12の固定穴Xの鉛直方向の長さは、最大のシフト距離Z(1.75mm)から最小のシフト距離Z(1.05mm)を減算した長さ(0.70mm)にネジの直径を加えた長さ以上となっている。レンズ板12の固定穴Xの水平方向の長さは、ネジの頭部の直径よりも短い長さとなっている。一方、基板11の固定穴Xの穴径は、すべてネジの直径と同等となっている。また、固定穴Xから所定距離以内の位置において、基板11とレンズ板12との距離を一定に保つためのスペーサAが一定の高さで設けられている。
【0043】
以上のように、位置決め穴U
10,U
15,U
20と固定穴Xとを設けることにより、平行な状態を保ったまま、基板11とレンズ板12とを鉛直方向に相対移動させることができる。基板11上におけるLED発光部M同士の相対位置関係は不変であり、レンズ板12上におけるレンズL同士の相対位置関係は不変であるため、ある1個のLED発光部Mに対するレンズLのシフト距離Zを例えば1.75mmとすることは、すべてのLED発光部Mに対するレンズLのシフト距離Zを1.75mmとすることを意味する。すなわち、互いに対応するLED発光部MとレンズLとの組のそれぞれにおける相対位置関係(シフト距離Z)が同一となるように、基板11とレンズ板12とを位置決めできる。なお、位置決め穴U
10,U
15,U
20と固定穴XとネジとスペーサAとは、本発明の位置決め部に相当する。また、すべてのLED表示ユニット10において同一のシフト距離Zとなるように基板11とレンズ板12とが位置決めされている。
【0044】
以上においては、緑色LEDgが緑色LED光Gを発光する場合に、当該緑色LED光Gが水平方向から指向角度γ(10°,15°,20°)だけ視認位置P側に傾いた方向に射出できることを説明した。以下、赤色LED光Rと青色LED光Bとが射出される方向について、指向角度γが20°である場合を例にして考察する。
【0045】
図5Aは、赤色LED光Rと青色LED光Bの光軸を示す図である。指向角度γが20°である場合、緑色LEDgに対するレンズLの頂点Tの鉛直方向の距離であるシフト距離Zは1.75mmであるため、青色LEDbに対するレンズLの頂点Tの距離は1.25mm(Z−I)となり、赤色LEDrに対するレンズLの頂点Tの距離は2.25mm(Z+I)となる。赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光BのレンズL内の光軸の方向はすべて水平方向であるため、前記の(9)式のシフト距離Zに2.25mm,1.25mmを代入することにより、レンズLの射出表面L
2に対する赤色LED光Rの入射角α
W(36.5°)と、青色LED光Bの入射角α
Q(20.2°)とを算出できる。射出表面L
2にて赤色LED光Rが射出される点をWと表記し、射出表面L
2にて青色LED光Bが射出される点をQと表記する。また、ポリカーボネート製のレンズLにおける赤色LED光Rの屈折率n
LRは1.5780であり、青色LED光Bの屈折率n
LBは1.5972である。
【0046】
レンズLの射出表面L
2に対する入射角αの臨界角α
Cは、下記の(10)式によって算出できる。
α
C=arcsin(n
O/n
L) ・・(10)
前記の(10)式にレンズLにおける赤色LED光Rの屈折率n
LRと青色LED光Bの屈折率n
LBとを代入することにより、赤色LED光Rの臨界角α
C(39.3°)と、青色LED光Bの臨界角α
C(38.8°)とが得られる。赤色LED光Rの入射角α
W(36.5°)と、青色LED光Bの入射角α
W(20.2°)は、いずれも臨界角α
C(39.3°,38.8°)より小さいため、赤色LED光Rと青色LED光Bとを全反射させることなくレンズLから射出することができる。
【0047】
前記の(2)式に赤色LED光Rの入射角α
Wを代入することにより、点Wにて射出される赤色LED光Rの指向角度γ
WR(33.3°)を算出できる。同様に、前記の(2)式に青色LED光Bの入射角α
Qを代入することにより、点Qにて射出される青色LED光Bの指向角度γ
QB(13.3°)を算出できる。従って、赤色LED光Rの指向角度γ
WRと青色LED光Bの指向角度γ
QBとの差dγは20°となる。
【0048】
ここで、
図5Bに示すように、赤色LEDrと青色LEDbとが緑色LEDgを中心に
図5Aの状態から180°反転して配置された場合について考える。この場合、点Wにおける青色LED光Bの入射角α
Wが36.5°となり、点Qにおける赤色LED光Rの入射角α
Qが20.2°となる。これらを前記の(2)式に代入するより、点Wにて射出される青色LED光Bの指向角度γ
WB(35.3°)を算出できる。同様に、前記の(2)式に赤色LED光Rの入射角α
Qを代入することにより、点Qにて射出される赤色LED光Rの指向角度γ
QR(12.8°)を算出できる。従って、赤色LED光Rの指向角度γ
QRと青色LED光Bの指向角度γ
WBとの差dγは22.5°となる。
【0049】
図6は、赤色LED光Rの屈折率n
LRと緑色LED光Gの屈折率n
Lと青色LED光Bの屈折率n
LBとを適用した場合に、前記の(2)式を満足する入射角αと指向角度γとの関係を示すグラフである。同図の横軸が入射角αを示し、縦軸が指向角度γを示す。また、緑色LED光Gの指向角度γが20°(緑色LED光Gの入射角αが27.81°)に設定されていることとする。
図6に示すように、赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光Bのいずれにおいても、入射角αの増加に応じて指向角度γが単調増加する。また、波長が短い順に指向角度γが大きくなる。従って、
図5Bのように入射角αが36.5°となる点Wから波長が最も短い青色LED光Bが射出される場合の指向角度γ
WBが最大となる。また、
図5Bのように入射角αが20.2°となる点Qから波長が最も長い赤色LED光Rが射出される場合の指向角度γ
QRが最小となる。すなわち、
図5Bのように、LED発光部Mを設置した場合、青色LED光Bの指向角度γ
WBと赤色LED光Rの指向角度γ
QBとが最大と最小の組み合わせになり、指向角度γ
WBと指向角度γ
QRの差dγが最大となる。これに対して、
図5Aに示すように、波長が短い青色LED光Bの射出表面L
2に対する入射角α
Qよりも、波長が長い赤色LED光Rの射出表面L
2に対する入射角α
Wが大きくなるように、基板11とレンズ板12とを相対的に位置決めすることにより、指向角度γの差dγを抑制できる。指向角度γの差dγを抑制することにより、視認位置Pにおける赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光Bとの混色性を向上させることができる。
【0050】
さらに、前記の(10)式によれば、屈折率nが大きいLED光ほど、すなわち波長の短いLED光ほど臨界角α
Cが小さくなる。従って、
図5Aのように、臨界角α
Cが最も小さくなる青色LED光Bの入射角αが最も小さくなるように、青色LEDgを最も下方の位置(頂点Tに近い位置)に配置することにより、青色LED光Bが全反射することを防止できる。すなわち、各色LED光R,G,Bの全反射を防止しつつ、シフト距離Zを大きくすることができ、指向角度γを大きくすることができる。
【0051】
以上説明した本実施形態の構成において、シフト距離Zを調整することにより、基板11に備えられたすべてのLED発光部Mにて発光されたLED光R,G,Bが視認位置Pに向かうように一括して調整できる。すなわち、LED発光部MごとにレンズLの位置を調整しなくてもよいし、さらにLED発光部Mが備える赤色LEDr,緑色LEDg,青色LEDbごとにレンズLの位置を調整しなくてもよい。また、厳密には、赤色LED光Rと緑色LED光Gと青色LED光BとがレンズLから射出される指向角度γ
QB,γ,γ
WRが互いに異なるが、波長が最も長い赤色LED光RのレンズLの射出表面L
2に対する入射角α
Wを、波長が最も短い青色LED光BのレンズLの射出表面L
2に対する入射角α
Qよりも大きくすることにより、指向角度γ
QB,γ,γ
WRの差を抑制できる。
【0052】
(4)他の実施形態:
図7Aは、他の実施形態における視認位置Pとシフト距離Zとの関係を示す模式図である。同図は、鉛直方向に設置された表示部Dを正面側から見た図である。表示部Dから所定距離だけ手前において、表示部Dの下方の位置に視認位置P
1が存在する場合、LED発光部Mに対してレンズLが下方にずれるようにシフト距離Z
1を設定すればよい。また、表示部Dの上方の位置に視認位置P
2が存在する場合、LED発光部Mに対してレンズLが上方にずれるようにシフト距離Z
2を設定すればよい。さらに、表示部Dの右側の位置に視認位置P
3が存在する場合、LED発光部Mに対してレンズLが右側にずれるようにシフト距離Z
3を設定すればよい。一方、表示部Dの左側の位置に視認位置P
4が存在する場合、LED発光部Mに対してレンズLが左側にずれるようにシフト距離Z
4を設定すればよい。なお、図示した視認位置P以外にも、例えば表示部Dの斜め左下に視認位置Pが存在する場合、LED発光部Mに対してレンズLが斜め左下にずれるようにシフト距離Zを設定すればよい。
【0053】
以上のように、基板11に平行な方向において、視認位置Pの方向にレンズ板12をずらすことにより、視認位置Pから視認しやすいようにLED表示ユニット10を構成できる。なお、基板11とレンズ板12とは、必ずしも複数の相対位置にて位置決め可能とされなくてもよく、単一の視認位置Pのみを想定して単一の相対位置にて位置決め可能であってもよい。例えば、基板11とレンズ板12とを接着材によって接着することにより、単一の相対位置にて位置決めしてもよい。さらに、基板11とレンズ板12とを複数の相対位置にて位置決めする場合、必ずしもネジ止めによって位置決めしなくてもよい。例えば、係止爪やピンによって位置決めしてもよいし、フックによってレンズ板12を基板11から吊り下げることにより位置決めしてもよい。さらに、基板11とレンズ板12との相対移動が容易となるように、基板11とレンズ板12とがスライドレールを介して接続されてもよい。なお、表示部Dが単一のLED表示ユニット10で構成されてもよいし、複数の基板11を跨るようにレンズ板12が設けられてもよい。さらに、レンズ板12は、例えば一体成形された部材であってもよいし、レンズLを備えた複数の部材を互いに相対移動ができないように組み合わせることにより形成されてもよい。
【0054】
なお、LED発光部Mは、少なくとも1色のLED光が発光できるように1個のLEDが実装されていればよい。さらに、前記実施形態では、平均的な位置に形成される緑色LED光Gの光路に基づいてシフト距離Zを設定したが、赤色LED光Rと青色LED光Bの光路に基づいてシフト距離Zを設定してもよい。例えば、赤色LED光Rの指向角度γと、青色LED光Bの指向角度γとの平均値が狙いの指向角度γとなるようにシフト距離Zを設定してもよい。
【0055】
図7Bは、シフト距離Zと各色LED光R,G,Bの指向角度γとの関係を示すグラフである。同図の横軸は緑色LEDgの位置を表すシフト距離Zを示し、縦軸は各色LED光R,G,Bの指向角度γを示す。赤色LED光Rは、緑色LED光Gよりも0.5mmだけ上方の点Wから射出されるため、緑色LED光Gよりも大きい入射角α
Wとなる。従って、赤色LED光Rの指向角度γ
WRは、緑色LED光Gの指向角度γよりも常に大きくなる。一方、青色LED光Bは、緑色LED光Gよりも0.5mmだけ下方の点Wから射出されるため、緑色LED光Gよりも小さい入射角α
Qとなる。従って、青色LED光Bの指向角度γ
QBは、緑色LED光Gの指向角度γよりも常に小さくなる。また、鉛直方向におけるレンズLの頂点Tからの距離が大きくなるほど、単位距離あたりの入射角αの増加量が大きくなり、単位距離あたりの指向角度γの増加量が大きくなる。従って、シフト距離Zが大きくなるほど、赤色LED光Rの指向角度γ
WRと青色LED光Bの指向角度γ
QBとの差dγが大きくなる。
【0056】
LED光R,B間の入射角αの差が大きくなるほど指向角度γの差dγが大きくなるため、シフト距離Zを小さく設定することが望ましい。すなわち、LED光R,B間の入射角αの差が小さくなるように、射出表面L
2における光軸方向の傾きが小さい領域からLED光R,Bが射出されるように、シフト距離Zを抑制するのが望ましい。例えば、視認位置Pが基準直線Sに近くなるようにLED表示ユニット10自体を鉛直方向から傾斜させることにより、指向角度γ(シフト距離Z)を小さくし、LED光R,B間の指向角度γ
QB,γ
WRの差dγを抑制してもよい。例えば、LED表示ユニット10自体を傾斜させることにより、緑色LED光Gの指向角度γを10°に抑制すれば、LED光R,B間の指向角度γ
QB,γ
WRの差dγを10.5°まで抑制できる。さらに、レンズLの屈折率n
Lを大きくすることにより、所望の指向角度γを実現するためのシフト距離Zを抑制してもよい。例えば、レンズLの材料は、ポリカーボネート以外のシリコン樹脂等の合成樹脂であってもよいし、ガラスであってもよく、これらの材料の屈折率nに応じてシフト距離Zを設定すればよい。また、レンズLの射出表面L
2の曲率半径Cを大きくすることにより、入射角αの差を抑制してもよい。むろん、赤色LEDrと緑色LEDgと青色LEDbの素子間隔Iを小さくすることにより、LED光R,B間の入射角αの差を抑制してもよい。
【0057】
また、レンズLは球面レンズでなくてもよく、非球面レンズであってもよい。例えば、LED光R,G,Bが射出される領域における光軸方向の傾きが小さくなるように射出表面L
2の形状が設定されてもよい。また、LED光R,G,Bが射出される位置における射出表面L
2の法線方向が基準直線Sよりも視認位置Pの反対側となっていればよく、レンズLは凹レンズであってもよい。