(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092094
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
A47C 4/02 20060101AFI20170227BHJP
A47C 5/10 20060101ALI20170227BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
A47C4/02 A
A47C5/10 C
A47C7/02 Z
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-503196(P2013-503196)
(86)(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公表番号】特表2013-531998(P2013-531998A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】IB2011051260
(87)【国際公開番号】WO2011124999
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月24日
【審判番号】不服2016-3807(P2016-3807/J1)
【審判請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】PD2010A000116
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508238255
【氏名又は名称】アルパー エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ゴルザ,ロベルト
【合議体】
【審判長】
吉村 尚
【審判官】
黒瀬 雅一
【審判官】
植田 高盛
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭51−2013(JP,Y1)
【文献】
実開昭61−79010(JP,U)
【文献】
実公昭38−12544(JP,Y1)
【文献】
実公昭41−8693(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/02
A47C 5/10
A47C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面(18)を有するシート部(12)と、
前記シート部(12)を支持することが可能で、脚部のような少なくとも一つの支持手段(16)を備えたフレーム(8)を有し、
前記シート部(12)と前記フレーム(8)とが互いに個別に作られていて、少なくとも一つの第一のカップリング手段(24)を介在させることにより互いに取外し自在に接続されるように構成されているシート(4)において、
前記第一のカップリング手段(24)が、互いにスナップカップリングを達成することの可能な少なくとも一つの弾性フック(28)と突起(32)とを含み、
前記弾性フック(28)が、前記座面(18)に対して略直交する上下組立方向(Y−Y)で前記突起(32)を捕捉するように配置され、
更に、前記弾性フック(28)が、カップリング端部(36)と、前記上下組立方向(Y−Y)で前記突起(32)のアンダーカット(44)にスナップフックされるように前記カップリング端部(36)との関係で可撓性を有するフック端部(40)を有し、
前記フレーム(8)と前記シート部(12)との間に配置されて前記第一のカップリング手段(24)と離間位置した少なくとも一つの第二のカップリング手段(68)を更に有し、該第二のカップリング手段(68)が、ブラケット(72)と、形状カップリングによってそれ自体前記ブラケット(72)に固定可能な折り曲げ部(76)を有していることを特徴とする、シート(4)。
【請求項2】
前記突起(32)が前記フレーム(8)に固定され、前記弾性フック(28)が前記フレーム(8)に直接面している前記シート部(12)の下部(48)に固定されている、請求項1に記載のシート(4)。
【請求項3】
前記弾性フック(28)が、前記突起(32)とのスナップカップリングを促進させるために、前記突起(32)に直接的に面した斜め上方に延びた片部(52)を有している、請求項1又は2に記載のシート(4)。
【請求項4】
前記突起(32)が、前記シート(4)の組立状態において、前記シート部(12)の支持体を構成するように、前記弾性フック(28)と反対側で、前記シート部(12)の下部(48)と相補的な形状に形成されている、請求項2又は3に記載のシート(4)。
【請求項5】
複数の前記第一のカップリング手段(24)が、前記シート(4)のバックレスト(20)寄りの前記シート(4)の後部(56)に沿って整列配置されている、請求項1〜4の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項6】
前記第一のカップリング手段(24)が、前記シート(4)の離間した少なくとも二つの部分に沿って配置されている、請求項1〜5の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項7】
前記弾性フック(28)が前記シート部(12)に取り付けられ、前記突起(32)が前記フレーム(8)に取り付けられている、請求項1〜6の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項8】
前記弾性フック(28)が、外部から見えないように前記シート部(12)に形成された窪み部(60)内に少なくとも部分的に収容され、前記窪み部(60)が前記フレーム(8)に向かって開口している、請求項1〜7の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項9】
前記突起(32)が、前記フレーム(8)に接続され、前記シート部(12)に面するように前記フレーム(8)から突出している、請求項1〜8の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項10】
前記第二のカップリング手段(68)が、前記シート部(12)の離れた部分(56,57,58,59)に配置されて、上下組立て方向(Y−Y)に直交する横方向回転軸線(X−X)に対して回転するタイプの形状カップリングを構成し、それ故、第二のカップリング手段(68)の相対的カップリングに追従して、横方向回転軸線(X−X)を中心として前記フレーム(8)と前記シート部(12)とを互いに回転させることにより、前記第一のカップリング手段(24)のスナップカップリングを実現させることが可能な、請求項1に記載のシート(4)。
【請求項11】
前記第一のカップリング手段(24)と前記第二のカップリング手段(68)が、前記シート部(12)の互いに対向する部分(56,57,58,59)に配置され、前記シートの組立状態において、前記シート部(12)の前記部分(56,57,58,59)と前記横方向回転軸線(X−X)に対して直交する長さ方向(Z−Z)での両側軸拘束構造を構成している、請求項10に記載のシート(4)。
【請求項12】
前記第一のカップリング手段(24)と前記第二のカップリング手段(68)とが、夫々、前記シート部(12)の後部(56)と前部(57)、又は、夫々、前記シート部(12)の前部(57)と後部(56)とに配置されている、請求項1、10又は11の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項13】
前記横方向回転軸線(X−X)に対して平行な方向での前記シート部(12)と前記フレーム(8)との並進を阻止することのできるブロッキング手段(88)を有している、請求項10ないし12の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項14】
前記ブロッキング手段(88)が、前記横方向回転軸線(X−X)の方向での前記シート部(12)の前記フレーム(8)に対する固定を達成するように、対応の穴(91)に嵌合されるペグ(90)を含んでいる、請求項13に記載のシート(4)。
【請求項15】
前記ペグ(90)が前記シート部(12)の下部(48)に形成され、前記穴(91)が、前記シート部(12)を支持するための、前記フレーム(8)の支持プレート(93)に形成されている、請求項14に記載のシート(4)。
【請求項16】
前記折り曲げ部(76)が前記シート部(12)に取り付けられて、前記ブラケット(72)を収容及び覆うことの可能な座部(92)を同定することができるように前記フレーム(8)に向かって折り曲げられている、請求項1、10〜15の何れか1項に記載のシート(4)。
【請求項17】
前記ブラケット(72)が前記フレーム(8)に接続されて、前記シート部(12)に面するように前記フレーム(8)から突出している、請求項1、10〜16の何れか1項に記載のシート(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに別個に作られていて、その後に一体に組み立てられるフレームとシート部とを有する、例えば、チェアー,スツール等のシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート部とフレームとを好ましくは異なった材料から個別に作成して、その後にシート部とフレームとを一体に組み立てることが当業界において知られている。シート部とフレームとの相互連結は、通常、フレームに形成された関連の孔に嵌め合わせるようにシート部に貫通させたリベット,ボルト又はネジによって実施される。
【0003】
然しながら、そのような構造は、組立のために、リベッティングマシーンを用いること、又は、組立作業を行うのに及び上述したカップリング装置を用いて部品を接続するのに熟練したスタッフが、必要となるという不都合があった。
【0004】
そのため、従来技術のシートは、最終製品が、既に組立てられて、使用できる状態にある、例えば、チェアー又はスツールとなるように、製造段階中に通常組立てられる。然しながら、そのプリアセンブルされた構造は、保管と搬送の双方において、取り扱いにくく、不便であるという欠点がある。
【0005】
フレームとシート部との相補的な形状部分間の形状カップリングによって互いに連結させることの可能な二つの個別のフレームとシート部とから成るシート構造についても、同様に当業界において知られている。
【0006】
然しながら、そのような形状カップリングは、経時的に安定且つ安全なカップリングを担保するものではなく、換言すると、摩耗と、不可避的な製造上の公差のために、シート部とフレームとの間に望ましくない不都合な遊びが屡々発生する。
【0007】
更に、公知技術のカップリング手段は、シートの組立中に破損し易く、組立作業中及び/又は後に行われる分解作業中に、屡々、摩耗によってシートを利用価値のないものにさせてしまう。
【0008】
シートの下部、従って、非常に目につかない部分でのシートの品質低下であっても、シートが例えば高価な材料の覆いが付けられている場合には許容することができない。更に、覆いが付けられたシートの場合には、カバーの摩擦や破損がカップリング装置を機能不全にさせてしまう。
【0009】
本発明の目的は、従来技術に関連して上述したような不都合を解消するシートを提供することにある。そのような不都合及び制約は、請求項1に記載のシートによって解消される。
【0010】
本発明によるシートのその他の実施形態については、従属項に記載されている。
【0011】
本発明の更なる特徴及び利点については、本発明を何ら限定するものではない本発明の好ましい実施形態に関して添付図面を用いて行った下記記載を参照することにより更に容易に理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、組み立てられた状態の、本発明の一実施形態に係るシートを示した斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したシートの組立手順の一段階を示した一部断面側面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したシートの組立手順の別の段階を示した一部断面側面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示したシートの組立手順の更に別の段階を示した一部断面側面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示したシートの組立手順の更に別の段階を示した一部断面側面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示したシートの組立手順の更に別の段階を示した一部断面側面図である。
【
図7】
図7は、
図3中のVIIで示した部分の拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図4中のVIIIで示した部分の拡大断面図である。
【
図9】
図9は、
図4中のIXで示した部分の拡大断面図である。
【
図12】
図12は、組立段階における、
図1のシートの一姿勢を示した斜視図である。
【
図13】
図13は、組立段階における、
図1のシートの別の姿勢を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の後述する複数の実施形態に共通の要素又は要素の部品については、添付図面において、同じ参照符号で示されている。
【0014】
添付図面を参照すると、参照符号4は、シートを示し、このシートは、例えば、チェアー,スツール,アームチェアー又はタブチェアー(tub chair)の如き如何なるタイプのものであってもよい。
【0015】
従って、添付図面に図示されたチェアーの一例は、本発明を具体化させた一実施形態に過ぎないものであって、本発明を何ら限定するものではないと看做すべきである。
【0016】
シート4は、関連のシート部12を支えることが可能で且つ脚部の如き少なくとも一つの支持手段16を備えたフレーム8を有している。
【0017】
フレーム8は、好ましくは、金属から作られていて、チューブ状に形成されている。支持手段16は、例えば、複数の脚部、キャスターを有する又は有していない複数のアームを備えた中央支柱、C字状に折り曲げられたチューブ状構造等の如何なるタイプのものであってもよい。
【0018】
シート部12は、様々な形状及び寸法に形成し、様々な材料から作れていてもよい。シート部12は、着座者のための座面18を有し、座面18に対して略垂直になったバックレスト20を備えていても備えていなくてもよい。
【0019】
フレーム8とシート部12は、互いに個別に作られていて、少なくとも一つの第一のカップリング手段24を介在させることにより、互いに取外し自在に連結されている。
【0020】
有益なことに、第一のカップリング手段24は、互いにスナップカップリングを構成することのできる、少なくとも一つの弾性フック28と突起32とを有している。弾性フック28は、座面18に略直交する上下組立方向Y−Yで突起32を捕捉するように配置されている。
【0021】
弾性フック28は、カップリング端部36と、上下組立方向Y−Yにおいて突起32のアンダーカット44にスナップフックされるようにカップリング端部36との関係で可撓性を有するフック端部40を有している。
【0022】
カップリング端部36は、例えば、ネジ、クランプ又はスロットの付いた形状カップリングを介在させることにより適所に固定することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、突起32はフレーム8に固定され、弾性フック28は、組立状態においてフレーム8に直接面するシート部12の下部48側においてシート部12に固定されている。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、弾性フック28は、突起32に直接面しているフック端部40に、突起32とのスナップカップリングを促進させるための斜め上方へ延びた片部52を備えている。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、フック端部40はV字状に形成されていてもよく、その場合には、そのV字状の両側の一方が、突起32とのスナップカップリングを促進させるための斜め上方へ延びた片部52を構成している。
【0026】
好ましくは、弾性フック28はシート部12に取り付けられ、突起32はフレーム8に取り付けられている。
【0027】
突起32はフレーム8に接続されて、シート部12に面するようにフレーム8から突き出ている。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、突起32は、シート4の組立状態において、シート部12の支持体を構成するように、弾性フック28と反対側でシート部12の下部48に対して少なくとも部分的に相補的な形状に形成されている。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、シート4の同じ側又は部分に沿って好ましくは整列した、少なくとも二つの弾性フック28と二つの突起32とを有している。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、複数の第一のカップリング手段24は、シート4のバックレスト20の所の、シート4の後部56に沿って整列配置されている。
【0031】
第一のカップリング手段24は、シート4の後部56と反対側のシート4の前部57、又は、シート4の前部57及び後部56に略直交する側部58,59に配置することもできる。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、複数の第一のカップリング手段24は、シート4の少なくとも二つの離間した部分56,57、58,59に沿って配置されている。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、弾性フック28は、外部から見えないように、シート部12の下部48に形成された窪み部60内に少なくとも部分的に収容されている。この窪み部60は、フレーム8に向かって開口している。
【0034】
シート4は、第一のカップリング手段24から離間し且つフレーム8とシート部12との間に配置された少なくとも一つの第二のカップリング手段68を有している。
【0035】
有益なことに、第二のカップリング手段68は、ブラケット72と、形状カップリングによってそれ自体ブラケット72に固定されることの可能な折り曲げ部76を有している。
【0036】
好ましくは、複数の第二のカップリング手段68は、複数の第一のカップリング手段24が配置されている側から離間配置され、好ましくは、第一のカップリング手段24が配置されているシート部12の部分56,57,58,59の反対側に配置されている。
【0037】
第二のカップリング手段68は、上下組立方向Y−Yと直交する横方向の回転軸線X−Xに対して回転するタイプの形状カップリングを構成しているので、第二のカップリング手段68の相対的なカップリングに追従して、フレーム8とシート部12とを横方向の回転軸線X−Xを中心として相互に回転させることにより、第一のカップリング手段24のスナップカップリングを実現することができる。
【0038】
好ましくは、第一のカップリング手段24と第二のカップリング手段68は、互いに対向するシート部12の前部57側と後部56側に配置されて、組立状態において、シート部12の前部57と後部56及び横方向回転軸線X−Xに対して直交する長さ方向Z−Zにおける両側軸拘束構造(bilateral axial constraint)を構成している。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、シート4は、横方向回転軸線X−Xに平行な方向でのシート部12とフレーム8との並進を防止することの可能なブロッキング手段88を有している。
【0040】
例えば、このブロッキング手段88は、横方向回転軸線X−Xに沿ったフレーム8とシート部12との並進を阻止するためのストッパ又はラベット(rabbet)を含んでいる。本発明の一実施形態によれば、ブロッキング手段88は、横方向回転軸線X−Xの方向でのシート部12のフレーム8に対する相対的なブロックを達成するように対応の穴91内に嵌め合わされるペグ90を含んでいる。例えば、ペグ90はシート部12の下部48に形成され、穴91はフレーム8の、シート部12用の支持プレート93に形成されている。ブロッキング手段88は、シート部12に対するフレーム8のセンタリング機能をも発揮する。
【0041】
好ましくは、折り曲げ部76はシート部12に接続され、ブラケット72を収容し且つ覆うことのできる座部92が同定されるようにフレーム8の方向に向かって曲げられている。
【0042】
ブラケット72は、フレーム8に接合されて、シート部12に面するようにフレーム8から突き出している。
【0043】
ここで、本発明によるシートの組立方法について説明する。
【0044】
具体的に説明すると、第一の工程は、シート部12の折り曲げ部76によって区画された座部92内にブラケット72を挿入させるようにシート部12を傾けながら、第二のカップリング手段68を接続することである(
図3,4,7,8及び12参照)。
【0045】
次に、シート部12をフレーム8に近づけるように回転させる。回転中のシート部12に対するフレーム8のカップリングを担保する、折り曲げ部76とブラケット72との回転カップリング(rotary coupling)のために、シート部12をフレーム8に近づける回転が実施される。
【0046】
次に、弾性フック28を突起32に接触させる(
図5及び
図10参照)。斜め上方に延びた片部52が存在するために、突起32のアンダーカット44と係合するフック28の弾発スナッピングが促進される(
図6,11及び13参照)。
【0047】
組立てに追従して、長さ方向Z−Zの方向に沿った二つの方向での動きが、ブラケット72に接続された折り曲げ部76の存在によってシート部12の前部57において、及び、突起32のバックレスト20方向へのスライドをそのカップリング端部36で阻止している弾性フック28の存在によってシート部12の後部56において、阻止されるという点において、フレーム8とシート部12との間で両側軸拘束構造が形成される。
【0048】
シート4を分解するには、弾性フック28を突起32から外すように、例えばスクリュードライバーの先端でフック28を弾発変形させて、シート部12を上方へ回転させ、最終的に折り曲げ部76をブラケット72から取り外せば十分である。
【0049】
上記した記述内容から理解することができるように、本発明によるシートは、従来技術に存在する上述した欠点を克服することを可能にさせる。
【0050】
具体的には、本発明によるシートは、特に実用的であり、容易に組立て及び分解をすることができる。
【0051】
カップリング/解放要素は、シート部及び存在する場合にはシートカバーに摩耗を生じさせることがない。
【0052】
カップリング要素は、頑丈で、組立及び分解が繰り返し実施されたとしても壊れることがない。
【0053】
カップリング要素は、寸法が小さく、シートの通常の使用状態においては目につかない。
【0054】
カップリング要素の製造組立コストは非常に限定され、シートの全体的なコストに実質的な影響を及ぼすことはない。
【0055】
本発明によれば、シートを実践的且つ便利な態様で保存し且つ搬送することを可能にさせる。
【0056】
最終的に、シートを製造するのに用いられるマシーンの数と費やされる労力を減らすことができる。
【0057】
特別な及び付随的な要請に応えるべく、本願の特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、当業者は、本発明に係る上述したシートに対して様々な修正及び変更を加えることができる。