特許第6092095号(P6092095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6092095スクリュー圧縮機用のオイルレベルインジケータ
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  • 特許6092095-スクリュー圧縮機用のオイルレベルインジケータ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092095
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】スクリュー圧縮機用のオイルレベルインジケータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/292 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   G01F23/292 C
【請求項の数】9
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-504252(P2013-504252)
(86)(22)【出願日】2011年4月13日
(65)【公表番号】特表2013-525757(P2013-525757A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2011055766
(87)【国際公開番号】WO2011128356
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年4月10日
(31)【優先権主張番号】102010015150.5
(32)【優先日】2010年4月16日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルベルト ケック
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−516045(JP,A)
【文献】 特開平1−224486(JP,A)
【文献】 特表2004−527681(JP,A)
【文献】 特開平9−228817(JP,A)
【文献】 実開昭61−178014(JP,U)
【文献】 特開昭58−190724(JP,A)
【文献】 実開平1−112424(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第0753722(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/28 −23/296
F01M11/10 −11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のスクリュー圧縮機の種々異なる運転状態において変動する、スクリュー圧縮機のオイルパンにおけるオイルレベルを監視及び/又は表示する装置であって、
前記装置は光学的な装置(4)であり、
前記光学的な装置(4)は、電子的な評価装置(6)に接続されており、
前記光学的な装置(4)は、オイルによって又はオイルがないことによって変化する光信号を送信しかつ検知するセンサであり、該センサは連続的に変化する信号を形成し、
前記電子的な評価装置(6)は、車両のエンジン制御部に接続されていて、前記車両の運転状態に関する信号を得て、該信号を前記スクリュー圧縮機の運転状態及び前記光学的な装置(4)の信号と共に、前記オイルレベルの特定時に、前記車両及び前記スクリュー圧縮機の運転状態に関連して評価するように構成されており、このとき前記車両の前記運転状態は、加速及び/又は制動を含むことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記光学的な装置(4)は機械的に作用する部分を用いずに設計されているスイッチであることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記評価装置(6)は、前記光学的な装置(4)と組み合わされて構成ユニットを構成し、かつ/又は前記光学的な装置(4)に対して分離して配置されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記光学的な装置(4)は、前記スクリュー圧縮機に結合可能な組付け装置(3)内に組み付けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
前記組付け装置(3)は保護チューブ(7)に結合可能であることを特徴とする、請求項記載の装置。
【請求項6】
前記評価装置(6)は前記組付け装置(3)内に統合されていることを特徴とする、請求項又は記載の装置。
【請求項7】
前記組付け装置(3)は、前記スクリュー圧縮機の圧力容器(1)に設けられている螺入開口(2)に、前記光学的な装置(4)が、前記オイルパンに配向されているように取り付けられていることを特徴とする、請求項からまでのいずれか一項記載の装置。
【請求項8】
前記取付け装置(3)は、ねじ山を有しており、該ねじ山によって、前記取付け装置(3)は、前記スクリュー圧縮機の圧力容器(1)に設けられている螺入開口(2)にねじ込まれていることを特徴とする、請求項からまでのいずれか一項記載の装置。
【請求項9】
前記螺入開口(2)は、前記オイルレベルの最低液位の高さに配置されていることを特徴とする、請求項又は記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー圧縮機のオイルパンにおける、スクリュー圧縮機の種々異なる運転状態時に変動するオイルレベルの監視及び/又は表示するための装置に関する。
【0002】
上記装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4118896号明細書において公知になっている。この明細書に記載された装置は、リザーブタンクにおけるオイルの液位レベルを特定する信号を形成し、例えば処理装置に送信する、充填レベル測定器として形成されている。
【0003】
上記公知の充填レベル測定器は、オイルパンにおける液位レベルに応じて位置決めされている浮子を有する、ということが一般的に公知である。この構成において、浮子は操作ロッドを介して、種々異なる抵抗値を調節する抵抗コイルと協働する。この抵抗値は、適切に評価される。このような機械的に作用する充填レベル測定器においては、この充填レベル測定器の繊細な、壊れやすい充填レベル測定器の信頼性が問題となる。このような充填レベル測定器において、引っかかりが生じ、操作ロッドが撓むか若しくは完全に折れ、及び/又は漏れに基づき浮子内にオイルが浸入してきて、その結果、浮子がオイル液位に対して少なくとも規定された位置において運動しない、ということが再三にわたって観察されてきた。浮子への漏れ込み、変形又は構造変化は、極めて数多く起こる圧力脈動並びに高い運転温度を伴う使用、及び種々のオイルの使用時に、著しく助長される。
【0004】
本発明の目的は、先行技術と比べて改善された信頼性を有し、誤った測定が排除されている、スクリュー圧縮機のオイルレベルの監視及び表示のための装置を提供することである。
【0005】
上記目的は、装置が光学的な装置であることにより達成される。この光学的な装置は、装置のよくある粗雑な使用時に損壊することがある、機械的に運動する部材を有していない。この構成における本発明の改良形においては、光学的な装置が、光学的なセンサであるか、又は機械的に作用する部分を用いずに設計されているスイッチでもある。1つのスイッチで、通常2つの切換え位置(場合によってはより多くの切換え位置)が形成される一方で、センサは、通常、センサでもって連続的に変化する信号を形成するように設計されている。機械的に運動する部材が存在していないことにより、機械的に運動する部材の故障は排除されていて、本発明に係る装置の信頼性は、先行技術に比べて高められており、誤った測定は回避されている。このことは特に極めて数多く起こる圧力脈動及び高い運転温度を伴う使用、並びに種々のオイルの使用時に、特に著しく有利である。
【0006】
本発明のさらに別の構成において、光学的な装置は電子的な評価装置に接続されている。この評価装置は、スクリュー圧縮機、及び(エンジン制御部と結合している場合には)スクリュー圧縮機が組み込まれている機械又は車両の運転状態を考慮しかつ査定する。運転状態に応じて、オイルパンにおけるオイルレベルは少なからず変動することがある。
【0007】
このように条件付けられた変動は、本発明に係る構成により正しくかつ確実に査定することができる。他方では、例えば漏れ又は消費によりオイルレベルが低下することがあり、このことは著しいオイル不足における極端な事例においては、スクリュー圧縮機の故障に繋がることがある。このようなオイル不足は、本発明に係る評価部により認識され、例えば通常簡単に接近できない組込み状況のために容易に行われ得ないオイルレベルの目視による検査が不要になる。
【0008】
本発明に係るさらに別の構成において、評価装置は光学的な装置と組み合わされて構成ユニットを形成し、かつ/又は光学的な装置に対して分離して配置されている。特に評価ユニットと光学的な装置との組合せは、今日提供されているマイクロエレクトロニクスにおいて提供され、唯一の、さらに小型の構成部材だけを提供し、スクリュー圧縮機に取り付けるだけでよい、という利点を提供する。さらにこのような構成ユニットにより、個々の構成要素相互の最適な調整が可能でることが保証されている。また、当然に、評価装置をセンサに対して分離して配置することも本発明の枠内において可能である。この構成においては、スクリュー圧縮機及び/又は車両若しくは機械において評価装置を他の電気的な又は電子的な構成部材と一つにまとめることが本発明の枠内において可能であってもよい。この構成において、適切な組合せの構成が可能でもある。
【0009】
本発明の改良形において光学的な装置は、スクリュー圧縮機に結合可能な組付け装置に組み込まれている。組付け装置に光学的な装置が備え付けられ、組付け装置はスクリュー圧縮機のオイルパン内に延びている螺入開口に螺入される。この構成において、種々異なる組付け装置を設けることが可能であり、これらの組付け装置内に統一的に構成された光学的な装置が挿入可能である。この構成は、上記組付け装置でもって種々異なる態様が構成できるという利点を提供する。この構成においてはまた、光学的な装置は常に同じ光学的な装置である。
【0010】
本発明のさらに別の構成において、組付け装置は保護チューブに結合可能である。このような構成は、特に評価装置が光学的な装置と組み合わされておらず、他の個所に配置されているか、又は組み付けられていて、電気的な及び/又は光学的な信号を伝達する信号線路が存在している場合に用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【0012】
本発明のさらに有利な実施の形態は、唯一の図に記載した本発明の実施の形態を詳細に示した図面の記載から明らかになる。
【0013】
スクリュー圧縮機は圧力容器1を有している。この圧力容器1内においてオイルパンが形成されてオイルは収集される。このようなスクリュー圧縮機は、とりわけ圧縮空気ブレーキ装置の供給に必要とされる圧縮空気の形成のために、例えば車両に提供される。オイルは、特に運動する構成部材の潤滑及び冷却のために、上記スクリュー圧縮機により持続的に圧送される。運転条件に応じて、オイル槽1におけるオイルレベルは著しく変化することがある。したがって、オイルレベルはアイドリング運転若しくは静止状態においては、最低液位レベルよりも比較的に高い値に到達する一方で、負荷運転への後続の切換え時に、オイルレベルは、スクリュー圧縮機によるその際に入力された圧送により最低液位レベルに下がることがあるか、又は最低液位レベルを下回ることがある(これは回避されるべきである)。特に最低液位レベルを下回るまでのこのような変動は、漏れ又は自然の消費により促進される。つまり、機械又は車両の使用は、例えば傾き状態での運転、又は加速/制動(波立ち)時に、組み込まれているスクリュー圧縮機のオイルレベルに作用する。
【0014】
スクリュー圧縮機の圧力容器1は、螺入開口若しくはねじ込み開口2を有し、この開口2に組付け装置3が螺入可能若しくはねじ込み可能である。螺入開口2は、例えばオイルレベルの最低液位の高さに配置されている。螺入開口2及び組付け装置3は、協働する頑丈な螺合部材を有する。この実施の形態において、螺入開口2と組付け装置3との間にシール部材9が嵌め込まれている。組付け装置3には光学的な装置4が、この実施の形態においては光学的なセンサが、挿入されていて、光学機器がオイルパンに配向されている。この実施の形態においてセンサは、例えば組付け装置3内に適切な形式で密に接着されている。
【0015】
センサに接続されている信号線路5は、適宜に組付け装置から導出されていて、評価装置6に接続されている。この評価装置6は、この実施の形態において、スクリュー圧縮機の適切な個所に配置されている。信号線路5を保護するために、信号線路5を取り囲む保護チューブ7が設けられている。この保護チューブ7はまた適切に組付け装置3と、評価装置6のハウジングとに結合されている。このために組付け装置3及び/又は評価装置6は、フランジを有していてよい。このフランジにおいて保護チューブ7が被される。
【0016】
光学的なセンサは、オイル(又は例えば損壊が発生した場合に検知されないオイル)により変化する光信号を発信しかつ検知する。この信号は、評価装置6に供給されて評価される。
【0017】
本発明の枠内において、例えば適切なマイクロエレクトロニクスの使用により、組付け装置3内に統合されていてもよい評価装置6は、線路8を介して車両のエンジン制御部に接続されていてよく、対応する車両の運転状態に関する信号を受信し、かつスクリュー圧縮機の運転状態についての情報と共に評価することができる。オイルレベルは、上述したように運転状態に著しく左右されるので、上記実施の形態により、評価の信頼性は相当に高まる。
【符号の説明】
【0018】
1 圧力容器
2 螺入開口
3 組付け装置
4 光学的な装置
5 信号線路
6 評価装置
7 保護チューブ
8 管路
9 シール部材
図1