(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記誘電体材料積層工程は、前記パッシベーション層の上に前記誘電体材料をスピンコーティングすること及び前記誘電体材料を硬化させて前記誘電体材料を固めることを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記誘電体層及び前記金属導体上にバリア材を堆積してバリア層を形成する工程;及び前記バリア層の上にシード材を堆積してシード層を形成する工程;をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
前記シード層の上にレジスト材を堆積してレジスト層を形成する工程;及び前記レジスト材の一部を選択的に除去して前記シード層を露出させる空隙を前記レジスト材に形成する工程;をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態では、より低コストでより信頼性が高い集積回路パッケージアセンブリのための技術及び構成を説明する。下記の説明では、例示の実施形態の様々な態様の作用の実態を他の当業者に伝えるために、当業者によって広く使用されている用語を使ってそれらの様々な態様を説明する。しかしながら、当業者であれば、説明する態様の一部のみで本開示の実施形態が実施され得ることが分かる。例示の実施形態が完全に理解されるようにするために、特定の数、材料及び構成を説明目的で記載している。しかしながら、当業者であれば本開示の実施形態は特定の詳細事項なしに実施され得ることが分かる。他の場合では、例示の実施形態が不明確にならないようにするために公知の特徴が省略されているか又は簡略化されている。
【0010】
下記の詳細な説明では、本願の一部を構成する添付の図面を参照する。添付の図面では、全体を通して同様の参照符号が同様の部分を示す。本開示の主題が実行され得る実施形態を例示する。なお、他の実施形態が使用され得る場合があり、本開示の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的な変更が加えられ得る。従って、下記の詳細な説明を限定的に解釈すべきでなく、実施形態の範囲は添付の請求項及びそれらの同等物によって定義される。
【0011】
本開示のために、「A及び/又はB」という表現は(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示のために、「A、B及び/又はC」という表現は(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。
【0012】
下記の詳細な説明では、上面/底面、内/外、上/下等の視点に基づく(perspective-based)説明を使用し得る。係る説明は解説を容易にするために用いているに過ぎず、本明細書に記載の実施形態の適用を特定の向きに限定することを意図していない。
【0013】
下記の説明では「一実施形態では」又は「実施形態では」という表現を使用し得るが、これらの表現はそれぞれ同じ又は別の実施形態の1つ以上を意味し得る。さらに、本開示の実施形態との関連で使用している「構成する(comprising)」、「含む」、「有する」等の表現は同義語である。
【0014】
「
結合された(coupled with)」という用語及びその派生語が本明細書で用いられ得る。「
結合」とは次のうちの1つ以上を意味する。「
結合」とは、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを意味し得る。しかしながら、「
結合」は2つ以上の要素の接触が非直接であるものの、互いに協働又は相互作用することも意味し、互いに
結合しているとされる要素の間に1つ以上の他の要素が結合されているか又は接続されていることを意味し得る。「直接
結合された」という用語は、2つ以上の要素が直接接触していることを意味し得る。
【0015】
様々な実施形態では、「第2の特徴の上に形成されたか、堆積されたか又はさもなければ配置された第1の特徴」という表現は、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されているか、堆積されているか又は配置されており、第1の特徴の少なくとも一部が第2の特徴の少なくとも一部と直接接触しているか(例えば、直接の物理的及び/又は電気的接触)又は非直接的に接触している(例えば、第1の特徴と第2の特徴との間に1つ以上の他の特徴がある)ことを意味し得る。
【0016】
本明細書で使用の「モジュール」という用語は次に挙げるものを意味し得るか、次に挙げるものの一部であり得るか又は次に挙げるものを含み得る:1つ以上のソフトウエアプログラム又はファームウエアプログラムを実行する特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、システムオンチップ(SoC)、プロセッサ(共有、専用又はグループ)及び/又はメモリ(共有、専用又はグループ)、組み合わせ論理回路及び/又は上記の機能を提供する他の好適な構成要素。
【0017】
図1は、本開示の実施形態に係る例示の集積回路(IC)アセンブリの側断面図を概略的に図示する。例示のICアセンブリは、回路基板104に電気的且つ物理的に
結合されたICパッケージ102を含む。本開示の実施形態では、ICパッケージ102は、少なくとも部分的に封入材料に封入され得る1つ以上のチップ(dies)であり得るか又は係るチップを含み得る。
【0018】
本開示の実施形態では、ICパッケージ102はファンインウエハレベルパッケージ(fan-in wafer level package)であるか又はファンアウトウエハレベルパッケージ(fan-out wafer level package)であり得る。ICパッケージ102がファンアウトウエハレベルパッケージである実施形態では、1つ以上のチップが、それらを取り囲むファンアウト領域を形成する成形材料内に封入され得る。そのようなファンアウトウエハレベルパッケージは、1つ以上のチップの表面を担体に
結合することによって製造され得る。成形材料は、1つ以上のチップの露出面(担体に
結合されていない面)の上に配置され得る。そして、成形材料を硬化させて成形材料を固める。成形材料を硬化させた後、1つ以上のチップ及び硬化した成形材料によって形成されたファンアウト面から担体が分離され得る。硬化した成形材料のファンアウト面は、担体に
結合していた1つ以上のチップの面に隣接し、係る面の周辺を形成し得る。
【0019】
他の実施形態では、ICパッケージ102は埋め込みチップパッケージ(embedded die package)であり得る。そのような実施形態では、1つ以上のチップが、それらを取り囲むファンアウト領域を形成するラミネート層内に封入され得る。そのような埋め込みチップパッケージは1つ以上のチップの表面を担体に
結合することによって製造され得る。ラミネート層は、1つ以上のチップの露出面(担体に
結合されていない面)の上に配置され得る。そして、ラミネート層を押し付け、ラミネート層を硬化して固める。硬化の後、ラミネート層
が、チップ
を埋め込
み、担体に
結合されていた1つ以上のチップの面に隣接し、係る面の周辺を形成し得る。
【0020】
一部の実施形態では、ICパッケージ102は再配線層(RDL)、例えば差し込み
図110内のRDL120を有し得る。再配線層120は、1つ以上の金属パッド112を1つ以上の相互接続構造体(例えば半田ボール106)に電気的に
結合するように構成され得る。相互接続構造体は、ICパッケージ102をパッケージ基板又は回路基板(例えば回路基板104)に電気的且つ物理的に
結合するように構成され得る。ICパッケージ102は、フリップ構成を含む様々な好適な構成に従って回路基板104に取り付けられ得る。ここでは相互接続構造体を半田ボール106として図示しているが、相互接続構造体は、ICパッケージ102を回路基板104に電気的に
結合し得る半田ボール106に代えて又は半田ボール106に加えて、ピラー又は他の好適な構造体を含み得る。ICパッケージ102は半導体材料からなる個別のチップ又はダイを表し、一部の実施形態ではプロセッサ、メモリ又はASICに含まれるか又はその一部を構成し得る。
【0021】
様々な実施形態に従って、ICパッケージ102の一部を差し込み
図110により詳細に示す。差し込み
図110は、ICアセンブリ100に描かれた楕円が示す、ICアセンブリ100の一部の拡大図である。差し込み
図110から分かるように、一部の実施形態ではICパッケージ102は誘電体層116、パッシベーション層114及び半田停止層(solder stop layer)118を含み得る。パッシベーション層114は、例えば窒化ケイ素(SiN)又は酸化ケイ素(SiO)の層であり得る。ICパッケージ102は、RDL120が配置された金属パッド112も含み得る。一部の実施形態では、金属パッド112は銅又は銅合金であり得る。一部の実施形態では、RDL120に代えてアンダーバンプメタライゼーションが用いられ得る。図から分かるように、RDL120は誘電体層116に形成されたビア内に配置され得る。再配線層120はパッシベーション層114に形成された空隙内にも配置され得る。本開示の実施形態では、パッシベーション層114における空隙は、誘電体層116をマスクとして利用して形成され得る。そのため、図示するように、パッシベーション層114の空隙は誘電体層116に形成されたビアと完全に整合し得る。一部の実施形態では、ICパッケージ102は、
図2を参照して以下で説明する、
図3に図示の製造方法により製造され得る。
【0022】
回路基板104は、エポキシ基板等の電気絶縁材料で構成されるプリント基板(PCB)であり得る。例えば、回路基板104は、例えばポリテトラフルオロエチレン;難燃剤4(FR−4)、FR−1、コットン紙等のフェノールコットン紙;CEM−1又はCEM−3等のエポキシ材料又はエポキシ樹脂プリプレグ材を用いて共に積層されたガラス織物等の材料で構成される電気絶縁層を含み得る。ビア等の構造物(図示せず)は、回路基板104を介してICパッケージ102に電気信号を送るために又は回路基板104を介してICパッケージ102から電気信号を送るために電気絶縁層を介して形成され得る。他の実施形態では、回路基板104は他の好適な材料で構成され得る。一部の実施形態では、回路基板104はマザーボード(例えば
図5のマザーボード502)であり得る。
【0023】
図2は、
図1のICパッケージ102等のICパッケージを製造するための製造方法200の例示のフローチャートである。
図3は、例示の実施形態に従って、ICパッケージ製造方法200の段階を説明する特定の工程の断面図を示す。そのため、
図2及び
図3を併用して説明する。この説明に役立つように、
図2で行われる工程は、
図3における工程から工程に移動する矢印を参照する。それに加えて、描写を過度に複雑化させないようにするために、
図3の各工程には全ての参照符号を示していない。
【0024】
方法200は工程202から始まり得る。工程202ではウエハ(例えば
図3のウエハ302)が提供され得る。本開示の実施形態では、ウエハ302は埋め込まれた複数の金属導体(例えば
図3の金属導体304)を有し得る。金属導体304には金属導体304の面と直接接触した硬質のパッシベーション層(例えばパッシベーション層306)が配置され得る。金属導体304は銅、銅合金、他の導電性金属又はその合金であり得る。パッシベーション層306は、例えば窒化ケイ素(SiN)又は酸化ケイ素(SiO)の層であり得る。一部の実施形態では、金属導体304が半導体材料308(例えばケイ素)内に埋め込まれ得る。そのような実施形態では、パッシベーション層306は半導体材料308の表面上に加えて金属導体304の表面上に配置され得る。パッシベーション層306は非パターン化(unpatterned)パッシベーション層であり得る。本明細書で用いる非パターン化パッシベーション層とは、空隙又は開口部が形成されていないパッシベーション層を意味し得る。
【0025】
工程204では、誘電体層(例えば
図3の誘電体層310)がパッシベーション層306の表面上に配置され得る。誘電体層310は当該技術分野で周知な任意の組成を有し、任意の従来の方法でパッシベーション層の上に適用され得る。例えば、一部の実施形態では、誘電体層は、パッケージの信頼性要件を満たす好適な機械特性を提供するためにシリカ充填剤を有し得るポリマー(例えば、エポキシベースの樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、等)を含み得る。誘電体層310は、パッシベーション層306の上に誘電体層310をスピンコーティングして硬化することにより又は誘電体層310を
ラミネートすることによりパッシベーション層306の表面上に配置され得る。
【0026】
工程206では、ビア(例えば
図3のビア312)が誘電体層に形成され得る。ビア312は、金属導体304上に配置されたパッシベーション層306の一部がビア312を介して露出され得るように形成され得る。ビアは、例えばフォトリソグラフィ処理又はレーザードリル処理等の任意の従来の方法で形成され得る。
【0027】
工程208では、金属導体304の少なくとも一部を露出させる空隙がパッシベーション層306に形成され得る。一部の実施形態では、パッシベーション層306におけるこの空隙はプラズマエッチング処理により形成され得る。この工程では、誘電体層310に形成されたビア312によって定義されるパッシベーション層306の空隙を形成するために誘電体層310がマスクとして利用され得る。その結果、
図3の314が示すように、パッシベーション層306の端部がビアの端部と整合し得るか又はビアの端部によって定義され得る。そのような実施形態では、ビアとパッシベーション層の空隙とが継ぎ目なく一致して整合し得る。
【0028】
工程210では、例えば酸化銅等の酸化が金属導体304の表面に形成されていれば、それがパッシベーション層306に形成された空隙によって露出された金属導体304の表面から除去され得る。これは、例えばウエットエッチング処理によって実現され得る。一部の実施形態では、そのようなウエットエッチング処理はリン酸(H
3PO
4)及び過酸化水素(H
2O
2)を塗布して酸化を除去することを含み得る。一部の実施形態では、そのようなウエットエッチング処理によって、円316で強調する領域内に示すようにパッシベーション層306の一部の下に広がり得るアンダーエッチング領域が得られる。一部の実施形態では、ウエットエッチング処理が必要になるほどの量の酸化物が金属導体304の表面上に存在しないことがあるため、ウエットエッチング処理を行う必要がない場合がある。そのような実施形態では、工程210が省略され得る。
【0029】
工程212では、誘電体層310の表面上及び金属導体304の露出表面上にバリア材を配置してバリア層(例えば
図3のバリア層318)が形成され得る。そのようなバリア層318は、クロム、チタン、チタン−タングステン又は他の好適な材料等のバリア材を含み得る。円316内に示すように、
金属導体304の側壁でアンダーエッチングが生じている場合、バリア層318は開口しているか又は連続していない場合が
ある。金属導体304の表面から酸化物を除去するのにウエットエッチング処理を必要としない実施形態では、そのようなアンダーエッチングが生じず、バリア層318は閉塞しているか又は連続している。バリア層318は、ある材料が周囲の材料内に拡散するのを防止するよう作用し得る。例えば、バリア層318を利用して、銅が誘電体層310内に拡散するのが防止され得る。バリア層318は、例えばスパッタ法により形成され得る。
【0030】
工程214では、バリア層318の表面上にシード材を配置してシード層(例えば
図3のシード層320)を形成し得る。そのようなシード材は銅、金、パラジウム又は他の好適な材料を含み得る。円316内に示すように、シード層320はバリア層318と同様に開口しているか又は連続していない場合がある。バリア層318の場合と同様に、金属導体304の表面から酸化物を除去するのにウエットエッチング処理を必要としない実施形態では、アンダーエッチングが生じず、シード層320は閉塞しているか又は連続している。バリア層318は、金属導体304及び誘電体材料310の上に後で適用されるメタライゼーションのための付着促進剤としての役割も果たし得る。シード層320は、材料の付着を促進させるように選択され得る。また、シード層320は、シード層320の表面上に適用され得る材料に基づいて選択され得る。シード層320は、例えばスパッタ法により形成され得る。
【0031】
工程216では、シード層320の表面上にレジスト材を配置し構造化してレジスト層(例えばレジスト層322)が形成され得る。レジスト層322は、例えば電気めっき法で用いる金属がシード層の一部に付着するのを防止するよう作用し得る。工程218では、再配線層(RDL)、例えば
図1のRDL120又はアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層324がシード層320の表面上に配置され得る。一部の実施形態では、RDL又はUBM層324は、ICパッケージを基板又は回路基板に
結合するための半田を適用するのに信頼性のある表面を提供し得る。他の実施形態では、RDL又はUBM層の上に追加の誘電体層及び金属層を配置して、さらなる信号ブレイクアウト(signal breakout)を提供する。本開示の実施形態では、RDL又はUBM層324を電気めっきした後でさらなる工程が行われ得る(明確性のために図示せず)。例えば、本開示の実施形態では、RDLを電気めっきした後で露出されるレジスト層322の
部分が除去され得る。レジスト層322の係る
部分を除去した後、RDLをマスクとして用いてシード材にエッチングを施し、その後RDLをマスクとして用いてバリア材にエッチングが施され得る。これらの工程が完了すると、さらなる信号ブレイクアウトのために追加の誘電体層及び金属層が任意の露出面の上に配置され得るか又は半田停止層(例えば
図1の半田停止層124)がその上に配置され得る。
【0032】
図4は、本開示の実施形態に係るICパッケージを用いる組立方法400の例示のフローチャートである。そのようなICパッケージは、
図2を参照して上で説明した、
図3に図示の例示の方法により製造され得る。
【0033】
組立方法400は工程402から始まり得る。工程402では、所定の基板接続点において露出
された表面仕上げ
を有するパッケージ基板を受け取り得る。そのため、例示の実施形態では、
ICパッケージをパッケージ基板に結合する前には、パッケージ基板の表面上には半田レジストが存在せず
、半田が表面仕上げの上に配置されない。
【0034】
作業404では、半田バンプがパッケージ接続点に配置された状態のICパッケージを受け取り得る。本開示の実施形態では、ICパッケージは、
図3に図示する上記のICパッケージによって表され得る。工程406では、ICパッケージの接続点を基板の接続点と合わせる。そして工程408でICパッケージの半田を合金化して、ICパッケージを基板の接続点に取り付けて、パッケージング410が完了し得る。
【0035】
本開示の実施形態を、任意の好適なハードウエア及び/又はソフトウエアを用いてシステムに組み入れて任意に構成してもよい。
図5は、本明細書で説明したICパッケージ、例えば
図1〜
図3に図示のICパッケージを含むコンピュータ装置を概略的に図示する。コンピュータ装置500はマザーボード502等の基板を収容し得る。マザーボード502は、限定されないがプロセッサ504及び少なくとも1つの通信チップ506を含む多数の構成要素を含み得る。プロセッサ504は物理的且つ電気的にマザーボード502に
結合され得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの通信チップ506も物理的且つ電気的にマザーボード502に
結合され得る。さらなる実施形態では、通信チップ506はプロセッサ504の一部であり得る。
【0036】
コンピュータ装置500はその用途に応じて、マザーボード502に物理的且つ電気的に
結合されているか又は
結合されていない他の構成要素を含み得る。これらの他の構成要素としては、限定されないが揮発性メモリ(例えばDRAM)、非揮発性メモリ(例えばROM)、フラッシュメモリ、グラフィックプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、クリプトプロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)装置、コンパス、ガイガーカウンター、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、カメラ及び大容量記憶装置(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、DVD等)が挙げられる。
【0037】
通信チップ506は、コンピュータ装置500への/からのデータ伝送のための無線通信を可能にし得る。「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体による変調電磁放射を用いてデータの通信を行い得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネル等を表すのに使用され得る。係る用語は、関連する装置がワイヤを全く含んでいないことを含意しないが、一部の実施形態ではワイヤを含まない場合もあり得る。通信チップ506は、多数の無線規格又はプロトコルの任意のものを実行し得る。多数の無線規格又はプロトコルとしては、限定されないが米国電気電子学会(IEEE)の規格が挙げられ、それらの規格としてはWi−Fi(IEEE802.11ファミリー)、IEEE802.16規格(例えばIEEE802.16−2005修正規格)、ロングタームエボリューション(LTE)プロジェクトとその修正規格、更新及び/又は改正版(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(「3GPP2」とも呼ばれる)等)。IEEE802.16に準拠したBWAネットワークは一般にWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Accessの頭字語)ネットワークと呼ばれ、IEEE802.16規格の適合及び相互運用テストに合格した製品のための認証マークである。通信チップ506はGSM(Global System for Mobile Communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、HSPA(High Speed Packet Access)、E−HSPA(Evolved HSPA)又はLTEネットワークに従って動作し得る。通信チップ506は、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)又はE−UTRAN(Evolved UTRAN)に従って動作し得る。通信チップ506は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、EV−DO(Evolution-Data Optimized)、その派生物に加えて、3G、4G、5G及びそれ以降として規定された他の任意の無線プロトコルに従って動作し得る。通信チップ506は他の実施形態における他の無線プロトコルに従って動作し得る。
【0038】
コンピュータ装置500は複数の通信チップ506を含み得る。例えば、第1の通信チップ506は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)等の短距離無線通信専用であり、第2の通信チップ506は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DO等の長距離無線通信専用であり得る。
【0039】
コンピュータ装置500のプロセッサ504は、ICアセンブリに組み込まれたICパッケージ(例えば
図1のICパッケージ102)であり得る。例えば、
図1の回路基板130はマザーボード502であり、プロセッサ504は本明細書で説明したICパッケージ102であり得る。プロセッサ504とマザーボード504とは、パッケージレベルの相互接続を用いて互いに
結合され得る。「プロセッサ」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換する任意の装置又は装置の一部を意味し得る。
【0040】
通信チップ506は、ICアセンブリに組み込まれたICパッケージ(例えばICパッケージ102)であり得る。さらなる実施形態では、コンピュータ装置500内に収容された他の構成要素(例えばメモリ装置又は他の集積回路装置)がICアセンブリに組み込まれたICパッケージ(例えばICパッケージ102)であり得る。
【0041】
様々な実施形態では、コンピュータ装置500は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバー、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメント制御ユニット、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー又はデジタルビデオレコーダーであり得る。さらなる実施形態では、コンピュータ装置500はデータを処理する他の任意の電子装置であり得る。
【0042】
様々な実施形態によれば、本開示は多数の例を記載する。例1は、集積回路パッケージの組み立て方法であって、当該方法は:非パターン化パッシベーション層を有するウエハを提供して、該ウエハに埋め込まれた金属導体の腐食を防ぐウエハ提供工程;前記パッシベーション層の上に誘電体材料を積層して誘電体層を形成する誘電体材料積層工程;前記誘電体材料を選択的に除去して、前記金属導体の上に配置された前記パッシベーション層の一部を露出させる空隙を前記誘電体層に形成する誘電体材料選択的除去工程;及び前記パッシベーション層の前記一部を除去して前記金属導体を露出させるパッシベーション層一部除去工程;を含む。
【0043】
例2は例1の主題を含み得るものであって、前記金属導体は銅を含み、ウエットエッチング処理を前記金属導体に施して、前記金属導体上に形成された酸化銅を除去する工程をさらに含む。
【0044】
例3は例2の主題を含み得るものであって、前記ウエットエッチング処理はリン酸及び過酸化水素を塗布することを含む。
【0045】
例4は例1〜3のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記誘電体材料積層工程は、前記パッシベーション層の上に前記誘電体材料をスピンコーティングすること及び前記誘電体材料を硬化させて前記誘電体材料を固めることを含む。
【0046】
例5は例1〜3のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記誘電体材料選択的除去工程はフォトリソグラフィ処理又はレーザードリル処理のいずれかを含む。
【0047】
例6は例1〜3のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記パッシベーション層一部除去工程は、前記パッシベーション層の前記一部にプラズマ処理を施して前記金属導体を露出させる開口部を前記パッシベーション層に形成することをさらに含み、前記パッシベーション層の前記開口部は前記誘電体層の前記空隙によって定義される。
【0048】
例7は例1〜3のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記誘電体層及び前記金属導体上にバリア材を堆積してバリア層を形成する工程;及び前記バリア層の上にシード材を堆積してシード層を形成する工程;をさらに含む。
【0049】
例8は例7の主題を含み得るものであって、前記シード層の上にレジスト材を堆積してレジスト層を形成する工程;及び前記レジスト材の一部を選択的に除去して前記シード層を露出させる空隙を前記レジスト材に形成する工程;をさらに含む。
【0050】
例9は例1〜3のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記レジスト材の前記空隙内に再配線層(RDL)又はアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層を堆積することをさらに含む。
【0051】
例10は例9の主題を含み得るものであって、前記再配線層又は前記アンダーバンプメタライゼーション層に半田を堆積して半田ボールを形成する工程をさらに含む。
【0052】
例11は集積回路(IC)パッケージであって、当該ICパッケージは:埋め込まれた複数の金属パッドを有し、該金属パッドに直接接触するパッシベーション層を有するウエハ;及び前記パッシベーション層の表面上に配置され、複数のビアを有する誘電体層であって、該複数のビアは前記パッシベーション層に形成された対応する複数の空隙を通して前記金属パッドの表面を露出させるために形成されている、誘電体層;を含み、前記誘電体層に形成された前記複数のビアの端部が、前記パッシベーション層に形成された対応する前記複数の空隙の端部をそれぞれ定義する。
【0053】
例12は例11の主題を含み得るものであって、前記金属パッドは銅を含む。
【0054】
例13は例12の主題を含み得るものであって、前記金属パッドは、前記パッシベーション層の下で半径方向に広がり且つ前記パッシベーション層と前記金属バッドの表面との間に空隙を形成するアンダーエッチングされた側壁を有する。
【0055】
例14は例11〜13のいずれか1つの主題を含み得るものであって、前記誘電体層の表面上に配置され、前記誘電体層の表面上にバリア層を形成するバリア材をさらに含む。
【0056】
例15は例14の主題を含み得るものであって、前記バリア層はクロム又はチタンの1つ以上を含む。
【0057】
例16は例14の主題を含み得るものであって、前記バリア層の表面上に配置され、前記誘電体層の表面上にシード層を形成するシード材をさらに含む。
【0058】
例17は例16の主題を含み得るものであって、前記シード層は銅、金又はパラジウムの1つ以上を含む。
【0059】
例18は例17の主題を含み得るものであって、前記ICパッケージはファンインウエハレベルパッケージ又はファンアウトウエハレベルパッケージである。
【0060】
例19はパッケージアセンブリであって、当該パッケージアセンブリは:埋め込まれた複数の金属パッドを有し、該金属パッドに直接接触するパッシベーション層を有するウエハと、前記パッシベーション層の表面上に配置され、複数のビアを有する誘電体層であって、前記複数のビアは前記パッシベーション層に形成された対応する複数の空隙を通して前記金属パッドの表面を露出させるために形成され、前記誘電体層に形成された前記複数のビアの端部が、前記パッシベーション層に形成された対応する前記複数の空隙の端部をそれぞれ定義する、誘電体層と、前記金属パッドに電気的に
結合された複数の入出力(I/O)相互接続構造体とを含む集積回路(IC)パッケージ;及び1つ以上のランドが配置された第1の側と、該第1の側の反対側に配置され、前記金属パッドに電気的に
結合された1つ以上の電気ルーティング機構を有する第2の側とを含むパッケージ基板;を含む。
【0061】
例20は例19の主題を含み得るものであって、前記ICパッケージはプロセッサである。
【0062】
例21は例20の主題を含み得るものであって、前記パッケージ基板に
結合されたアンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)装置、コンパス、ガイガーカウンター、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー又はカメラのうちの1つ以上をさらに含み、前記パッケージアセンブリは、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバー、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメント制御ユニット、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー又はデジタルビデオレコーダーの一部である。
【0063】
様々な実施形態は、連結的形態(conjunctive form)(及び)で上述した実施形態の代替的(又は)実施形態を含む上述の実施形態の任意の好適な組み合わせを含み得る(例えば、「及び」は「及び/又は」であり得る)。さらに、一部の実施形態は、実行された場合に上述した実施形態の何れかの動作をもたらす命令が記憶された1つ以上の製造物(例えば非一時的なコンピュータ可読媒体)を含み得る。さらに、一部の実施形態は、上述の実施形態の様々な動作を行うのに適した任意の手段を有する装置又はシステムを含み得る。
【0064】
要約書に記載の内容を含む例示の実施形態の上述した説明は完全であること又は開示した正確な形態に本開示の実施形態を限定することを意図していない。特定の実施形態及び実施例を例示目的で本明細書で説明したが、当業者であれば認識するように本開示の範囲内で様々な同等の変更を加えることが可能である。
【0065】
それらの変更は、上述した詳細な説明に照らして本開示の実施形態に加えられ得る。下記の請求項で使用している用語を、本開示の様々な実施形態を本明細書及び請求項に開示の特定の実施形態に限定するものであると解釈すべきでない。むしろ、本開示の範囲は、確立された請求項の解釈の原則に従って解釈される下記の請求項によって全体的に決定される。