特許第6092316号(P6092316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092316
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】回転式掃除及び吸塵装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20170227BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   A47L9/04 A
   A47L9/28 E
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-132652(P2015-132652)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2017-12489(P2017-12489A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】506276860
【氏名又は名称】楊雅▲青▼
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】林白庸
(72)【発明者】
【氏名】楊雅▲青▼
(72)【発明者】
【氏名】潘毅鈞
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−073192(JP,A)
【文献】 特開2006−314677(JP,A)
【文献】 特開2002−028113(JP,A)
【文献】 特開2009−119025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動清掃機の底部には少なくとも1つのローラーが設置されると共に、前記ローラーの前方及び後方の位置であって、前記自動清掃機の底部の周縁の4箇所の位置にそれぞれ取り外し可能に装設される回転式掃除及び吸塵装置であって、
前記自動清掃機の底部に枢接され、前記自動清掃機により駆動されて回転し、且つ相互に等間隔で配列される複数の干渉部からなるピン継手ユニットと、
前記ピン継手ユニットの底部に装設され、その中心は前記ピン継手ユニットの中心と同軸になり、前記ピン継手ユニットの回転に従って回転し、且つ相互に等間隔で配列される複数の位置決め部材をさらに含み、前記複数の位置決め部材は前記複数の干渉部に嵌入し、それを前記ピン継手ユニットに定位させる基板と、
一側面が前記基板の底部に固設され、他側面には結合部が設けられる結合部材と、
第一表面及び第二表面で構成され、前記第一表面は前記結合部材の結合部に結合され、前記第二表面は前記基板が回転することで該第二表面の全面が異物に対して拭き取り掃除を行う除塵部材とを備え、
前記ピン継手ユニットは複数の干渉部と、複数の嵌合台と、複数のブラシとを備え、
前記複数の干渉部は内に向けて縮退し、前記基板の複数の位置決め部材は前記基板の上表面からそれぞれ突出されて前記縮退する干渉部に嵌入し、
前記ピン継手ユニットは複数の嵌合台をさらに備え、各嵌合台には1束のブラシが植設され、
前記除塵部材の上方に位置するブラシが異物に接触して掃き掃除を行えるように、前記1束のブラシが前記除塵部材の周縁を超過する長さを有することを特徴とする、
回転式掃除及び吸塵装置。
【請求項2】
前記基板は複数の位置限定部をさらに備え、各位置限定部は前記二束のブラシの間に位置され、且つ前記位置決め部材に等間隔で対応されると共に前記基板の周縁に近接され、前記ブラシの横向きの移動を制限させ、前記ブラシの擺動が大きくなり過ぎて変形してしまわないように保護させることを特徴とする、請求項に記載の回転式掃除及び吸塵装置。
【請求項3】
各位置限定部は長形状を有し、前記基板の上表面から突出され、且つ隣接するブラシの厚さに等しいかそれよりも高い高さを有することを特徴とする、請求項に記載の回転式掃除及び吸塵装置。
【請求項4】
前記基板の面積は前記除塵部材の面積に等しいかそれよりも小さく、前記基板の周縁が前記除塵部材の周縁を超過しないようにし、前記除塵部材の清掃作業に影響を与えないようにすることを特徴とする、請求項1に記載の回転式掃除及び吸塵装置。
【請求項5】
前記結合部材の結合部は粘着構造を有し、前記除塵部材の第一表面には対応する粘着構造を有し、前記結合部に粘着するのに使用され、前記第二表面は不織布或いは除塵材料により製造されることを特徴とする、請求項1に記載の回転式掃除及び吸塵装置。
【請求項6】
前記除塵部材は、掃除の効果を向上させるための連続的に湾曲する折り曲げ周縁を有することを特徴とする、請求項1に記載の回転式掃除及び吸塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転して掃除及び吸塵を行う清掃効果を備える回転式掃除及び吸塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸塵機能を有する自動清掃機が開発されている。これは、機械式で移動し、機器の底部から塵を吸入するか、或いはブラシ工具が配置されて、ブラシにより清掃作業を行う。
従来の掃除機の動作方式は、主に内設されるモーターにより回転盤が連動されて回転し、前記回転盤の周縁からは若干の束状になるブラシが延伸される。前記ブラシは多くがナイロン材料で製造され、回転盤が回転を開始すると、これら前記束状のブラシが地面に接触して清掃及び磨きの清掃作業を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、その効果は決して優れず、且つ容易に床面の材質を傷付けてしまった。このため、前記回転盤には複数の布を具備するように改良が加えられ、これにより回転盤が回転することで布を連動させて清掃効果を高めている。
但し、前述の複数の布は回転盤に固定されるため、洗濯する場合は、回転盤全体を一緒に取り外して洗濯せねばならない上、洗濯時には回転盤に触れられないため、掃除用布の洗濯が非常に困難であった。また、掃除用布は回転時に脱落しやすく、清掃が難しくなり、一定期間使用した後にも掃除用布を単独で交換できず、回転盤全体を一緒に交換せねばならないため、コストが相当に高い。さらには、掃除用布は拭き掃除の効果には優れるが、良好な掃除効果は提供できない。このほか、従来の自動清掃機の移動は底部の左右二側に設置されるローラーにより達成され、回転盤はローラーの前方に設置される。
【0004】
また、掃除機の進行方向が一定ではなく前に行ったり後に行ったりし、ローラーが進行中に汚れが付着して床面にも粘着することがあり、ローラーの前方に設置される回転盤だけではローラーが進行中に付ける汚れの痕を有効的に清掃できない。
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、掃除機の清掃部材の洗濯及び交換が容易であり、掃除及び吸塵機能を兼ね備え、且つ構造が安定的で簡単な清掃装置の提案に至った。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の課題を解決する為になされたものである。本発明の目的は、回転式掃除及び吸塵装置を提供することである。即ち、自動清掃機に取り外し可能に装設され、同時に掃除及び吸塵の清掃効果を提供し、清掃作業の効率を高める。
【0006】
本発明の他の目的は、除塵部材を高速且つ簡単に分離及び装設可能であり、低コストで高効率の清掃作業を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するための本発明に係る回転式掃除及び吸塵装置は、自動清掃機に取り外し可能に装設され、前記自動清掃機の底部に枢接され、前記自動清掃機により駆動されて回転し、且つ相互に等間隔で配列される複数の干渉部からなるピン継手ユニットと、前記ピン継手ユニットの底部に装設され、その中心は前記ピン継手ユニットの中心と同軸になり、前記ピン継手ユニットの回転に従って回転し、且つ相互に等間隔で配列される複数の位置決め部材をさらに含み、前記複数の位置決め部材は前記複数の干渉部に嵌入し、それを前記ピン継手ユニットに定位させる基板と、一側面が前記基板の底部に固設され、他側面には結合部が設けられる結合部材と、第一表面及び第二表面で構成され、前記第一表面は前記結合部材の結合部に結合され、前記第二表面は前記基板が回転することで異物に対して拭き取り掃除を行う除塵部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、前記ピン継手ユニットは複数の嵌合台をさらに備え、各嵌合台には1束のブラシが植設され、前記1束のブラシの長さは前記除塵部材の周縁を超過し、前記異物に接触して掃き掃除を行うのに使用される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、前記基板は複数の位置限定部をさらに備え、各位置限定部は前記二束のブラシの間に位置され、且つ前記位置決め部材に等間隔で対応されると共に前記基板の周縁に近接され、前記ブラシの横向きの移動を制限させ、前記ブラシの擺動が大きくなり過ぎて変形してしまわないように保護させる。
【0010】
本発明の他の実施態様によれば、前記基板の面積は前記除塵部材の面積に等しいかそれよりも小さく、前記基板の周縁が前記除塵部材の周縁を超過しないようにし、前記除塵部材の清掃作業に影響を与えないようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の回転式掃除及び吸塵装置は複数の掃除用ブラシ及び除塵部材の組み合わせと回転とを利用して、自動清掃機の進行中に、まずブラシが回転して汚れを掃除し、汚れが自動清掃機の内部に吸入される。続いて、回転する除塵部材により地面及び除塵部材に吸着するよごれを拭き、二重の清掃除塵効果を達成させる。また、基板の複数の位置限定部によりブラシが回転して擺動すると変形してしまう問題を防止させる。さらには、除塵部材が簡単且つ高速に分離及び装設可能になり、低コストで高効率の清掃作業の効果を達成させる。
従来の吸塵器の、掃除効果が優れず、且つ清掃部材の交換が難しいという欠点を有効的に解決させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る回転式掃除及び吸塵装置を示す展開図である。
図2図1に示す一実施形態の構成図である。
図3】本発明の回転式掃除及び吸塵装置が自動清掃機に装着される展開図である。
図4図3に示す構成図である。
図5図2に示す上面図である。
図6図2に示す側面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る回転式掃除及び吸塵装置を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0014】
以下、本発明の第一実施形態を図1〜6に基づいて説明する。本発明の回転式掃除及び吸塵装置1は自動清掃機6に取り外し可能に装設され、自動清掃機6は吸塵機能を有すると共に自動走行を行うためのローラーセットを有し、手動での操作が不要である。
【0015】
また、本発明の回転式掃除及び吸塵装置1は、ピン継手ユニット2と、基板3と、結合部材4と、除塵部材5とを備える。ピン継手ユニット2は自動清掃機6の底部に枢接され、回転軸(図示せず)により連結され、自動清掃機6により駆動されて回転する。この好ましい実施では、ピン継手ユニット2は円形体であり、複数の干渉部21及び複数の嵌合台22を備え、複数の干渉部21はピン継手ユニット2の底部を包囲するように設置され、且つ相互に等間隔で配列される。各干渉部21の左右二側には嵌合台22がそれぞれ鄰接される、換言すれば、何れか2つの隣接する嵌合台22の間に干渉部21が形成される。干渉部21はピン継手ユニット2内に向けて縮退すると共に弧状斜面が形成される。複数の嵌合台22は同様にピン継手ユニット2を包囲して等間隔で設置され、且つ各嵌合台22には1束のブラシ23が植設され、若干の撓性を有する繊維で構成されるが、但し清掃効果を有する他の材料に交換してもよい。特に、各束のブラシ23はやや下に向けて傾斜し、異物の表面(即ち、地面)に接触される。
【0016】
基板3は円形板体状であり、その上表面の面積はピン継手ユニット2の底部より大きく、且つ螺合、粘着或いは他の固定可能な構造によりピン継手ユニット2の底部に装設される。基板3の中心はピン継手ユニット2の中心と同軸になり、且つ前記ピン継手ユニット2の回転に従って回転する。
基板3は相互に等間隔で配列される複数の位置決め部材31を備え、基板3の上表面からそれぞれ突出されると共に傾斜状の案内面311が形成され、前記縮退する干渉部21に対応されて嵌入される。換言すれば、各位置決め部材31は干渉部21に嵌入された後、2つの隣接する嵌合台22の間に位置される(図2参照)。このほか、基板3は複数の位置限定部32をさらに備え、何れか2束のブラシ23の間にそれぞれに位置されると共に位置決め部材31に等間隔で対応し、位置決め部材31よりも基板3の周縁に近接する。
各位置限定部32は長形状を有し、基板3の上表面から突出されると共に隣接するブラシ23の厚さに等しいかそれよりも高い高さを有する。ブラシ23の長さは長く、複数の位置限定部32が設置されることでブラシ23の横向きの移動が制限され、ブラシ23が擺動が大き過ぎて変形しないように保護させる。
【0017】
なお、結合部材4の一側面は粘着方式で基板3の底部全面に固設され、他側面には粘着構造を有するベルクロ(velcro)(登録商標)である、結合部41が設けられる。除塵部材5は第一表面51及び第二表面52を備え、第一表面51は結合部41に粘着されるための粘着構造を有する。第二表面52は不織布或いは除塵可能な材料で製造され、前記第二表面52は基板3が回転することで異物に対して拭き取り掃除を行う。また、除塵部材5は連続的に湾曲する折り曲げ周縁53をさらに有し、その内縮する箇所は回転時に集塵作用を発生させ、回転により塵を自動清掃機6内部に掃き入れて吸入することで、掃除の効果を高める。
【0018】
ちなみに、各束のブラシ23の長さは除塵部材5の周縁を超過し(図5及び図6参照)、前記異物に接触されて掃き掃除を行うのに使用される。このほか、基板3の面積は除塵部材5の面積に等しいかそれよりも小さく、基板3の周縁が除塵部材5の周縁を超過せず、除塵部材5の清掃作業に影響が出るのを回避させる。この好ましい具体的な実施において、本発明に係る回転式掃除及び吸塵装置1は前記自動清掃機6の底部の周囲に装設されて等間隔で配列され(図4参照)、自動清掃機6の進行中に周囲の清掃作業を行う。この好ましい実施では、回転式掃除及び吸塵装置1の数量は4つであり、自動清掃機6の底部のローラーセットの前方及び後方にそれぞれ設置される。即ち、円形掃除機6の周縁の4つの端部に位置され、最大最高の清掃効果を達成させる。各回転式掃除及び吸塵装置1は掃除機6の進行中に、ローラーセットが地面に付着させる汚れの痕を有効に掃除する。
【0019】
本発明に係る回転式掃除及び吸塵装置1は使用に際し、自動清掃機6が起動してピン継手ユニット2が回転すると、複数のブラシ23、基板3及び除塵部材5が同調して回転し、自動清掃機6の進行過程で、除塵部材5の不織布の第二表面52が回転して異物を拭き取り(即ち、地面)、静電気の作用により塵や粒子を吸着させる。複数のブラシ23がピン継手ユニット2を軸心として回転することで、進行中に先に除塵部材5の外囲の塵や粒子を掃き、複数のブラシ23により掃除された塵や粒子が自動清掃機6の底部から吸入されて掃除機6の内部に収集される。さらには、ブラシ23及び除塵部材5の組み合わせにより、自動清掃機6の除塵及び吸塵の効果を大幅に向上させる。また、除塵部材5を交換する場合、粘着構造を利用して簡単且つ高速に取り外しを行って新品に交換できるため、装設が容易であり、コストも低く、高効率の清掃効果を提供する。
【0020】
図7は本発明の他の実施形態に係る回転式掃除及び吸塵装置を示す外観斜視図である。この実施において、除塵部材5は袋状の不織布であり、除塵部材5及び基板3の装設は被装方式での連結に改変され、これにより高速で簡単な装設を達成させる。また、ブラシ23の回転に影響せず、或いは袋状の除塵部材5の内表面も同様に結合部材4に粘着され、袋形状により更なる固定効果を提供する。
【0021】
上述の通り、本発明に係る回転式掃除及び吸塵装置1は複数のブラシ23及び除塵部材5の組み合わせと回転とにより、自動清掃機6の進行中に、先にブラシ23が回転して塵を掃除して、塵が自動清掃機6の内部に吸入され、次に回転する除塵部材5により地面及び除塵部材5に吸着する汚れを拭き取り、二重の清掃除塵効果を達成させる。
また、基板3の複数の位置限定部32によりブラシ23が回転する際の擺動により変形してしまう問題を防止させる。除塵部材5が簡単且つ高速に分離及び装設可能になり、低コストで高効果の清掃作業を提供し、効率化を達成させる。従来の吸塵器では掃除の効果が優れず、且つ清掃部材の交換が難しいといった欠点を有効的に解決させる。
【0022】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0023】
1 回転式掃除及び吸塵装置
2 ピン継手ユニット
21 干渉部
22 嵌合台
23 ブラシ
3 基板
31 位置決め部材
311 案内面
32 位置限定部
4 結合部材
41 結合部
5 除塵部材
51 第一表面
52 第二表面
53 折り曲げ周縁
6 自動清掃機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7