(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁気回転手段の複数のマグネットは、互いに異なる極性が交互に設けられて前記回転軸を所定の角度で取り囲むように設けられ、前記磁気搬送手段の複数のマグネットは、互いに異なる極性が交互に設けられて前記磁気回転手段のマグネットと同じ角度で設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の基板搬送装置。
トラバースチャンバー内に設けられる前記搬送ガイドは、前記トレイの搬送時に前記トレイに近い第1位置に位置し、前記トレイの返送時に前記トレイから遠い第2位置に位置する
ことを特徴とする請求項11に記載の基板搬送装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気発光表示装置(Electroluminescence Display device:ELD)などのフラットパネル表示装置(Flat Panel Display device:FPD)は、基板の上に複数の工程を行って製造する。すなわち、基板の上に蒸着工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程が複数回繰り返し行われ、これらに加えて、洗浄、貼り合わせ、切断などの工程が行われてフラットパネル表示装置が製造される。
【0003】
この種のフラットパネル表示装置の製造工程は、最適な環境が造成された複数のチャンバーの内部において行われる。このために、基板をトレイに載置した後、トレイを垂直に又は斜めに立てて複数のチャンバーの内部を通るように搬送するインライン方法が考えられている。
【0004】
基板を搬送する搬送装置は、基板が載置されるトレイと、トレイの下部と接触されてモーターにより回転することによりトレイに推力を提供する駆動ローラーとを備える。すなわち、従来の搬送装置は、チャンバーの下側に設けられた駆動ローラーとトレイの下部とが接触され、駆動ローラーの回転力を用いてトレイを移動させる。この種の搬送装置の例が特許文献1に開示されている。
【0005】
ところが、駆動ローラーとトレイ下部との間の摩擦力が増え、その結果、粉塵(particle)が発生するという問題がある。粉塵は搬送される基板に付着されて表示装置の不良を発生させ、高仕様及び高性能デバイスの開発に伴い、デバイスの不良を発生させる原因となる。なお、チャンバーの内部を真空引きするための真空ポンプの内部に粉塵が流入し、これは、真空ポンプの故障の発生につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、トレイと接触されずに基板の搬送を行うことから、粉塵の発生を防ぐことのできる基板搬送装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、トレイを磁気浮上させて搬送することから、粉塵の発生を防ぐことのできる基板搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様による基板搬送装置は、基板が載置されるトレイと、前記トレイの下側に設けられ、前記トレイを磁気浮上させ、磁気力を用いて搬送する磁気搬送ユニットと、前記トレイと接触されずに前記トレイの搬送をガイドするガイドユニットとを備える。
【0010】
好ましくは、本発明の一態様による基板搬送装置は、前記トレイの下側に接触されて設けられた接触領域と、前記接触領域の両側面から下側に延びた延長領域と、を有する搬送基台をさらに備える。
【0011】
また、好ましくは、前記磁気搬送ユニットは、前記搬送基台の一領域に設けられて前記トレイを磁気浮上させる磁気浮上部と、前記磁気浮上部の下側に設けられて磁気力を用いて前記磁気浮上されたトレイを一方向に搬送する磁気搬送部とを備える。
【0012】
さらに、好ましくは、前記磁気浮上部は、前記搬送基台に接触され、少なくとも一つのマグネットを有する第1磁気浮上手段と、前記第1磁気浮上手段から離隔され、少なくとも一つのマグネットを有して前記第1磁気浮上手段と引力及び斥力の少なくともいずれか一方が働く第2磁気浮上手段とを備える。
【0013】
さらに、好ましくは、前記磁気搬送部は、回転軸と、前記回転軸を取り囲むように設けられた複数のマグネットとを有する磁気回転手段と、前記磁気回転手段から離隔され、複数のマグネットを有する磁気搬送手段とを備える。
【0014】
さらに、好ましくは、本発明の一態様による基板搬送装置は、前記磁気回転手段を内部に収容し、上側に第2磁気浮上手段が接触される収容手段をさらに備える。
【0015】
さらに、好ましくは、前記磁気搬送手段の複数のマグネットは、前記磁気回転手段に面する前記搬送基台の前記延長領域の少なくとも一領域に設けられる。
【0016】
さらに、好ましくは、前記磁気回転手段の複数のマグネットは、互いに異なる極性が交互に設けられて前記回転軸を所定の角度で取り囲むように設けられ、前記磁気搬送手段の複数のマグネットは、互いに異なる極性が交互に設けられて前記磁気回転手段のマグネットと同じ角度で設けられる。
【0017】
さらに、好ましくは、前記ガイドユニットは、前記トレイの上部に取り付けられる第1ガイドマグネットと、前記第1ガイドマグネットから所定の間隔を隔ててチャンバーの上側壁に設けられた第2ガイドマグネットとを備え、前記第1及び第2ガイドマグネットは、斥力及び引力の少なくともいずれか一方が働く。
【0018】
さらに、好ましくは、前記ガイドユニットは、前記トレイと前記チャンバーの内側壁との間に設けられる搬送ガイドをさらに備える。
【0019】
さらに、好ましくは、前記搬送ガイドは、前記延長領域と前記チャンバーの内側壁との間に設けられる。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明の一態様による基板搬送装置は、前記磁気搬送ユニットと前記ガイドユニットとの間の少なくとも一領域に設けられるスペーサ部材をさらに備える。
【0021】
さらに、好ましくは、前記スペーサ部材は、前記延長領域と前記磁気浮上部との間及び前記延長領域と前記搬送ガイドとの間のうちの少なくとも一方の領域に設けられる。
【0022】
さらに、好ましくは、前記搬送ガイドの少なくとも一部は、前記トレイに近付く方向及び前記トレイから遠ざかる方向に移動する。
【0023】
さらに、好ましくは、トラバースチャンバー内に設けられる前記搬送ガイドは、前記トレイの搬送時に前記トレイに近い第1位置に位置し、前記トレイの返送時に前記トレイから遠い第2位置に位置する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態による基板搬送装置は、基板が載置されるトレイの下側にトレイを磁気浮上させて搬送する磁気搬送ユニットが設けられ、トレイの上側及びトレイの側面にトレイの移動をガイドするガイドユニットが設けられる。このため、トレイと磁気搬送ユニットとの間に摩擦が生じないため粉塵が発生せず、これにより、粉塵による製品の不良が発生せず、真空ポンプなどの付属品の故障が発生しない。
【0025】
本発明の実施形態による基板搬送装置は、トレイの搬送をガイドする搬送ガイドの少なくとも一部がトレイに近付く方向及びトレイから遠ざかる方向に移動することができる。すなわち、トラバースチャンバーの搬送ガイドは、トレイの搬送時にはトレイと密接するように配置され、トレイの返送時にはトレイを位置移動し易くするためにトレイから遠くなるように配置される。このため、トラバースチャンバーにおけるトレイの位置移動時にトレイの移動マージンを増大させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態として実現され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を十分たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を十分に知らせるために提供されるものである。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による基板搬送装置の正面図であり、
図2は、本発明の一実施形態による基板搬送装置の側面図である。すなわち、基板が載置される方向からみて、
図1は正面図であり、
図2は側面図である。また、
図3は、本発明の第1実施形態による基板搬送装置の磁気搬送ユニットの側面図であり、
図4は、本発明の第1実施形態による基板搬送装置の磁気搬送部の概略を示す斜視図である。
【0029】
図1から
図4を参照すると、本発明の一実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられてトレイ100を磁気浮上させ、磁気力を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100の上部に設けられてトレイ100の搬送をガイドするガイドユニット300とを備える。
【0030】
トレイ100は、中空の枠状に設けられてそこに基板が取り付けられる。すなわち、トレイ100は、所定の長さを有する4本の棒が上下左右に所定の間隔を隔てて設けられ、棒の周縁が互いに接触されることにより中空の四角の枠状に製作される。また、トレイ100には基板が着脱可能なように基板をクランプするクランプが複数設けられる。このとき、基板は、周縁が所定の幅にトレイ100の四辺に接触され、クランプにより固定される。このようなトレイ100は、基板を取り付けて垂直又は斜めの状態で搬送される。すなわち、複数のチャンバーが一方向に連結され、基板の取り付けられたトレイ100が複数のチャンバーの内部を移動しながら基板の上に薄膜蒸着工程などの所定の工程が行われる。一方、トレイ100が移動する複数のチャンバーは、トレイ100に基板を載置する搬入チャンバーと、トレイ100に載置された基板に所定の薄膜を蒸着する複数の蒸着チャンバーと、トレイ100を持ち上げて位置を移動するトラバースチャンバーなどを備える。すなわち、トレイ100が搬入チャンバー内において基板を載置した後に複数の蒸着チャンバーを移動しながら基板の上に複数の薄膜が蒸着され、トラバースチャンバーにおいて位置が移動して搬入チャンバーに向かって移動する。ここで、搬入チャンバーと、複数の蒸着チャンバー及びトラバースチャンバーは、真空引き状態を維持する。また、基板は、液晶表示装置をはじめとするフラットパネル表示装置を製作するための種々の基板であるが、例えば、ガラス、プラスチック、フィルムなどをはじめとする材質により作製される。さらに、トレイ100の下部には、磁気搬送ユニット200の一部と接触される搬送基台110が設けられる。搬送基台110は、トレイ100の下部の全体の領域に亘って設けられる。すなわち、搬送基台110はトレイ100の下部と同じ長さに設けられ、トレイ100の下部と連結されて下側に所定の厚さを有する。このような搬送基台110は、トレイ100の幅と同じ幅を有する第1領域111と、第1領域111の下側に設けられてトレイ100の幅よりも狭く、例えば、トレイ100よりも半分の幅に設けられた第2領域112とを備える。ここで、第2領域112に磁気搬送ユニット200の一部が接触される。もちろん、搬送基台110は様々な形状に設けられる。
【0031】
磁気搬送ユニット200は、トレイ100を磁気浮上させてトレイ100と非接触状態を維持しながらトレイ100を搬送する。このような磁気搬送ユニット200は、トレイ100を磁気浮上させる磁気浮上部210と、磁気浮上部210と引力又は斥力が働くようにして磁気浮上部210により磁気浮上されたトレイ100を搬送する磁気搬送部220とを備える。
【0032】
磁気浮上部210は、搬送基台110と接触されて設けられる第1磁気浮上手段211と、第1磁気浮上手段211から離れて設けられる第2磁気浮上手段212とを備える。ここで、第2磁気浮上手段212は、トレイ100とトレイ100が搬送される複数のチャンバーの内壁との間に設けられる。このとき、第2磁気浮上手段212は、トレイ100が搬送される複数のチャンバーの内壁に固定され、チャンバーの底部から所定の高さに固定される。すなわち、基板が載置されたトレイ100は、直列に連結された複数のチャンバーにより搬送されるが、第1磁気浮上手段211はトレイ100の下部の搬送基台110の第2領域112の両側面に取り付けられ、第2磁気浮上手段212は第1磁気浮上手段211に面してトレイ100とチャンバーとの間に設けられてチャンバー内壁又は底面に取り付けられる。このような第1磁気浮上手段211は、
図3に示すように、搬送基台110の第2領域112の両側面に固定される第1固定部材211aと、第1固定部材211aの側面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第1マグネット211bと、第1固定部材211aの下面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第2マグネット211cとを備える。すなわち、第1及び第2マグネット211b,211cはそれぞれ一つずつ設けられてもよく、第1及び第2マグネット211b,211cのうちの少なくともいずれか一方が2以上設けられてもよい。例えば、第1マグネット211bが一つ設けられ、第2マグネット211cが2以上設けられてもよい。第1固定部材211aは、所定の高さ及び幅を有する略直方体状に設けられるが、搬送基台110の第2領域112に沿って第2領域112と同じ長さ、第2領域112の凹み深さ及び幅に設けられる。このため、第1磁気浮上手段211は、搬送基台110と同じ平面をなす。すなわち、第1固定部材211aとその間の第2領域112がなす幅が、搬送基台110の第1領域111又はトレイ100の幅と等しい。もちろん、第2領域112とその一方及び他方の第1磁気浮上手段211がなす幅が、搬送基台110又はトレイ100の幅よりも広くても狭くてもよい。また、第1及び第2マグネット211b,211cは、第1固定部材211aに所定の深さに埋め込まれる。すなわち、第1及び第2マグネット211b,211cの表面が第1固定部材211aの表面と同じ平面をなすように、第1及び第2マグネット211b,211cは第1固定部材211aに所定の深さに設けられる。一方、第1固定部材211aは、マグネットによる磁力に反応しない金属、セラミック、プラスチックなどの物質により作製されるが、例えば、タングステンにより作製される。第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211から所定の間隔を隔てて第1磁気浮上手段211に面するように設けられる。すなわち、第2磁気浮上手段212はチャンバーの内壁側に設けられ、第1磁気浮上手段211から離れて内面が第1磁気浮上手段211に面するように設けられる。このような第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211の第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて面する第2固定部材212aと、第1磁気浮上手段211の第1マグネット211b及び第2マグネット211cにそれぞれ面する第3及び第4マグネット212b,212cとを備える。ここで、第3及び第4マグネット212b,212cは、第1及び第2マグネット211b,211cの数に対応してそれぞれ一つずつ設けられてもよく、第1及び第2マグネット211b,211cのうちの少なくともいずれか一方が2以上設けられてもよい。例えば、第1マグネット211bが一つ設けられ、第2マグネット211cが2以上設けられる場合、第3マグネット212bが一つ設けられ、第4マグネット212cが2以上設けられてもよい。また、第2固定部材212aは、チャンバーの内壁又はチャンバーの底面と連結されて固定され、断面が矩形状を呈する第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて一方の側がL字状に設けられ、他方の側がL字の左右対称形状に設けられる。一方、第1マグネット211b及び第3マグネット212bは互いに異なる極性を有し、これにより、引力が働く。しかしながら、第2マグネット211c及び第4マグネット212cは互いに同じ極性を有し、これにより、斥力が働く。第2及び第4マグネット211c,212cの間に斥力が働くので、トレイ100を磁気浮上させることができ、第1及び第3マグネット211b,212bの間に引力が働くので、トレイ100の上下動を防ぐことができる。すなわち、第2及び第4マグネット211c,212cの間の斥力によりトレイ100が磁気浮上して上側に移動するが、第1及び第3マグネット211b,212bの間に引力が働くので、これを抑えることができる。一方、第2固定部材212aは、第1固定部材211aと同様に、マグネットによる磁力に反応しない金属、セラミック、プラスチックなどの物質により作製されるが、例えば、タングステンにより作製される。一方、第1磁気浮上手段211は、トレイ100の長手方向、すなわち、トレイ100の進行方向に搬送基台110の全体の領域に亘って設けられ、第2磁気浮上手段212は、トレイ100が移動する領域の全体に亘って設けられる。すなわち、トレイ100が複数のチャンバーの内部を通るため、第2磁気浮上手段212は第1磁気浮上手段211に面する領域の複数のチャンバー内壁に設けられる。しかしながら、第1及び第2磁気浮上手段211,212の少なくともいずれか一方は所定の間隔を隔てて複数設けられる。例えば、第2磁気浮上手段212が長手方向に全体の領域に亘って設けられ、第1磁気浮上手段211が所定の間隔を隔てて複数設けられる。また、第1磁気浮上手段211の第1及び第2マグネット211b,211cと、第2磁気浮上手段212の第3及び第4マグネット212b,212cは、長手方向に全体の領域に亘って設けられ、所定の間隔を隔てて複数設けられる。例えば、第1及び第2マグネット211b,211cが全体の領域に亘って設けられ、第3及び第4マグネット212b,212cが所定の間隔を隔てて設けられる。一方、第1磁気浮上手段211と第2磁気浮上手段212との間にこれらの間の間隔を維持するためのスペーサ部材213が設けられる。すなわち、互いに面する第1及び第3マグネット211b,212bは引力が働くので、トレイ100が磁気浮上により移動する間に第1及び第2磁気浮上手段211,212の間隔が狭くなったり、第1及び第3マグネット211b,212bがくっついたりすることがあるが、スペーサ部材213が設けられるので、第1及び第2磁気浮上手段211,212の間隔を維持することができる。このようなスペーサ部材213は、第1及び第3マグネット211b,212bの下側領域に設けられる。すなわち、スペーサ部材213は、第1磁気浮上手段211の外側面と第2磁気浮上手段212の内側面との間に設けられる。なお、スペーサ部材213は、第1及び第2磁気浮上手段211,212の間に長手方向に全体の領域に亘って所定の間隔を隔てて複数設けられる。
【0033】
磁気搬送部220は、搬送基台110の下側から所定の間隔を隔てて設けられる磁気回転手段221と、搬送基台110の下側に磁気回転手段221から所定の間隔を隔てて設けられる磁気搬送手段222とを備える。磁気回転手段221は、搬送基台110の下側から所定の間隔を隔てて設けられる。ここで、磁気回転手段221は、トレイ100の幅と等しく設けられてもよく、トレイ100の幅よりも広く又は狭くなるように設けられてもよい。このような磁気回転手段221は、
図3及び
図4に示すように、回転軸221aと、回転軸221aの表面に形成される複数の第5マグネット221bとを備える。回転軸221aは、略円形の棒状に設けられて回転モーター(図示せず)により一方向及び他方向に回転する。また、複数の第5マグネット221bは、回転軸221aの表面を所定の角度で取り囲む形状に設けられるが、例えば、ねじ山状に形成される。すなわち、複数の第5マグネット221bは、
図4に示すように、回転軸221aの上に、例えば、45°の角度で取り囲むように複数設けられる。このとき、複数の第5マグネット221bは、回転軸221aを例えば、45°の角度で取り囲みながらS極及びN極が交互に設けられる。磁気搬送手段222は、搬送基台110の下側に設けられる。すなわち、磁気搬送手段222は、磁気浮上部210の間の搬送基台110の第2領域112の下側に設けられる。このような磁気搬送手段222は、互いに異なる極性のマグネットが繰り返し設けられる。すなわち、磁気搬送手段222は、
図4に示すように、搬送基台110の第2領域112の下側に固定される第3固定部材222aと、第3固定部材222aの一方の面に設けられる複数の第6マグネット222bとを備え、複数の第6マグネット222bは、互いに異なる極性、すなわち、S極及びN極が交互に設けられる。このとき、磁気搬送手段222の複数の第6マグネット222bは、磁気回転手段221の複数の第5マグネット221bと同じ角度、例えば、45°の角度を有するように設けられる。このため、磁気回転手段221の回転による極性と磁気搬送手段222の極性が互いに異なるか、あるいは、互いに同じであり、これにより、引力又は斥力が働くので、磁気回転手段221の回転につれて磁気搬送手段222が一方向に移動する。すなわち、磁気回転手段221の回転運動が磁気搬送手段222により直線運動に変換されて磁気浮上されたトレイ100を移動させる。
【0034】
ガイドユニット300は、トレイ100の上部に取り付けられる第1ガイドマグネット310と、第1ガイドマグネット310から所定の間隔を隔ててチャンバーの上側壁に設けられる第2ガイドマグネット320とを備える。ここで、第1及び第2ガイドマグネット310,320は、互いに斥力が働くように同じ極性を有していてもよく、互いに引力が働くように互いに異なる極性を有していてもよい。また、第1及び第2ガイドマグネット310,320は、様々な形状に設けられる。例えば、第1及び第2ガイドマグネット310,320が互いに面する直線状に設けられる。また、第1ガイドマグネット310は円形の棒状に設けられ、第2ガイドマグネット320は、第1ガイドマグネット310を上側から取り囲むように、例えば、逆U字状に折れ曲がった断面を有する。すなわち、第2ガイドマグネット320は、第1ガイドマグネット310を所定の間隔を隔てて取り囲むように設けられる。このため、トレイ100の上端部は、第1ガイドマグネット310の両側面において第2ガイドマグネット320により第1ガイドマグネット310を押したり引っ張ったりする力が働くので、トレイ100が搬送されながら倒れないようにガイドされる。
【0035】
一方、本発明のマグネットは、コアとコイルが組み合わせられた電磁石を用いるか、永久磁石を用いるか、あるいは、電磁石と永久磁石を組み合わせて用いる。
【0036】
上述したように、本発明の一実施形態による基板搬送装置は、基板が載置されるトレイ100の下側にトレイ100を磁気浮上させて搬送する磁気搬送ユニット200が設けられ、トレイ100の上側にトレイ100をガイドするガイドユニット300が設けられる。また、磁気搬送ユニット200は、トレイ100を磁気浮上させる磁気浮上部210と、磁気力を用いて回転運動を直線運動に変換して磁気浮上されたトレイ100を移動させる磁気搬送部220とを備える。このため、本発明の一実施形態による基板搬送装置は、磁気浮上部210を用いてトレイ100を磁気浮上させた後、磁気搬送部220が一方向に回転して磁気浮上されたトレイ100を一方向に移動させる。このような本発明の一実施形態は、トレイ100と磁気搬送ユニット200との間に摩擦が生じないため粉塵が発生しない。このため、粉塵による製品の不良が発生せず、真空ポンプなどの付属品の故障が発生しない。
【0037】
一方、本発明による基板搬送装置は、トレイ100の下部からトレイ100を磁気浮上させ、磁気力を用いてトレイ100を搬送する種々の方式により実現可能である。すなわち、トレイ100の下部の構造が種々に変更可能である。このような本発明の他の例が、
図5及び
図6に示されている。
図5は、本発明の第2実施形態による基板搬送装置の磁気搬送ユニットの側面図であり、これを用いて本発明の第2実施形態を説明すれば、下記の通りである。
【0038】
図5を参照すると、本発明の第2実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられて磁気浮上を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100の上部に設けられてトレイ100の搬送をガイドするガイドユニット300とを備える。ここで、本発明の第1実施形態と同じ構成についての説明を省略するか、あるいは、簡略化する。
【0039】
トレイ100の下側に搬送基台110が設けられるが、搬送基台110は、トレイ100の幅と同じ第1領域111と、第1領域111の下側に設けられて第1領域111よりも狭い第2領域112と、第2領域112の下側に磁気回転手段221を取り囲むように設けられる第3領域113とを備える。第3領域113は、第2領域112から下側に延びる延長部と、延長部の下側に水平に設けられる水平部113aと、水平部113aの両側から下側に延びる垂直部113b,113cとを備える。ここで、水平部113aは、磁気回転手段221の幅よりも広く設けられ、垂直部113b,113cは、磁気回転手段221の高さよりも高く設けられる。このため、水平部113aと、その両側の垂直部113b,113cが磁気回転手段221の上部及び側部を取り囲むように設けられる。
【0040】
磁気搬送ユニット200は、トレイ100を磁気浮上させる磁気浮上部210と、磁気浮上部210と引力又は斥力が働くようにして磁気浮上部210により磁気浮上されたトレイ100を搬送する磁気搬送部220とを備える。磁気浮上部210は、搬送基台110の第2領域112に設けられる第1磁気浮上手段211と、第1磁気浮上手段211から離れて設けられる第2磁気浮上手段212と、第1及び第2磁気浮上手段211,212の間の間隔を維持するためのスペーサ部材213と、第2磁気浮上手段212を支持する支持手段214とを備える。第1磁気浮上手段211は、搬送基台110の第2領域112の側面及び下面に固定される第1固定部材211aと、第1固定部材211aの側面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第1マグネット211bと、第1固定部材211aの下面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第2マグネット211cとを備える。第1固定部材211aは、一方の側がL字状に設けられ、他方の側がL字の左右対称形状に設けられる。このとき、第1固定部材211aは、搬送基台110の第1領域111よりも突出して設けられる。すなわち、第1固定部材211aとその間の第2領域112がなす幅が、搬送基台110の第1領域111又はトレイ100の幅よりも広い。また、第1及び第2マグネット211b,211cはそれぞれ一つずつ設けられてもよく、第1及び第2マグネット211b,211cのうちの少なくともいずれか一方が2以上設けられてもよい。例えば、第1マグネット211bが一つ設けられ、第2マグネット211cが2以上設けられてもよい。第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211から所定の間隔を隔てて第1磁気浮上手段211に面するように設けられる。このような第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211の第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて面する第2固定部材212aと、第1磁気浮上手段211の第1マグネット211b及び第2マグネット211cにそれぞれ面する第3及び第4マグネット212b,212cとを備える。ここで、第3及び第4マグネット212b,212cは、第1及び第2マグネット211b,211cの数に対応してそれぞれ一つずつ設けられてもよく、第1及び第2マグネット211b,211cのうちの少なくともいずれか一方が2以上設けられてもよい。例えば、第1マグネット211bが一つ設けられ、第2マグネット211cが2以上設けられる場合、第3マグネット212bが一つ設けられ、第4マグネット212cが2以上設けられる。また、第2固定部材212aは、第1固定部材211aから所定の間隔を隔てるように一方の側がL字状に設けられ、他方の側がL字の左右対称形状に設けられる。支持手段214は、第2磁気浮上手段212の下側に設けられて第2磁気浮上手段212を支持する。すなわち、支持手段214は、第2磁気浮上手段212の水平部とチャンバーの底面との間に設けられて第2磁気浮上手段212の水平部を支持する。支持手段214が第2磁気浮上手段212の水平部を支持するので、第2磁気浮上手段212を一層安定的に支持することができる。すなわち、第2磁気浮上手段212の垂直部は、チャンバーの内壁から固定され、水平部が支持手段214に支持されるので、一層安定的に第2磁気浮上手段212が実現可能である。支持手段214の内側には搬送基台110の一部及び磁気搬送部220が設けられる。すなわち、支持手段214の内側に搬送基台110の第3領域113が設けられ、第3領域113の内側に磁気搬送部220が設けられる。
【0041】
磁気搬送部220は、磁気回転手段221と、磁気回転手段221から所定の間隔を隔てて設けられる磁気搬送手段222とを備えるが、磁気回転手段221は、搬送基台110の水平部113a及び垂直部113b,113cから所定の間隔を隔ててその内側に設けられ、磁気搬送手段222は、水平部113a及び垂直部113b,113cの少なくとも一領域に設けられる。磁気回転手段221は、本発明の一実施形態と同様に、回転軸221aと、回転軸221aの表面を所定の角度で取り囲むように設けられる複数の第5マグネット221bとを備える。磁気搬送手段222は、垂直部113b,113cに設けられる。すなわち、磁気搬送手段222は、磁気回転手段221の両側に設けられる。もちろん、磁気搬送手段222は、水平部113aに設けられてもよく、水平部113a及び垂直部113b,113cの両方に設けられてもよい。このような磁気搬送手段222は、所定の固定部材が設けられ、固定部材の上にS極及びN極の極性が交互に設けられる。このとき、磁気搬送手段222は、磁気回転手段221の第5マグネット221bと同じ角度、例えば、45°の角度を有するように設けられる。このため、磁気回転手段221の回転による極性と磁気搬送手段222の極性が同じ極性を有し、これにより、引力が働くので、磁気回転手段221の回転につれて磁気搬送手段222が一方向に移動する。すなわち、磁気回転手段221の回転運動が磁気搬送手段222により直線運動に変換されて磁気浮上されたトレイ100を移動させる。
【0042】
図6は、本発明の第3実施形態による基板搬送装置の磁気搬送ユニットの側面図である。
【0043】
図6を参照すると、本発明の第3実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられて磁気浮上を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100の上部に設けられてトレイ100の搬送をガイドするガイドユニット300とを備える。ここで、本発明の第3実施形態は、
図5を用いて説明した本発明の第2実施形態と磁気搬送ユニット200の磁気浮上部210の構造に相違点があり、これを中心として本発明の他の実施形態について説明すれば、下記の通りである。
【0044】
磁気搬送ユニット200の磁気浮上部210は、搬送基台110の第2領域112に設けられる第1磁気浮上手段211と、第1磁気浮上手段211から離れて設けられる第2磁気浮上手段212と、第1及び第2磁気浮上手段211,212の間の間隔を維持するためのスペーサ部材213と、第2磁気浮上手段212を支持する支持手段214とを備える。第1磁気浮上手段211は、搬送基台110の第2領域112の側面及び下面に固定され、一方の側がL字状に設けられ、他方の側がL字の左右対称形状に設けられる第1固定部材211aと、第1固定部材211aの上面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第1マグネット211bと、第1固定部材211aの下面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第2マグネット211cとを備える。すなわち、本発明の第1及び第2実施形態においては、第1マグネット211bが第1固定部材211aの側面に設けられていたが、本発明の第3実施形態においては、第1マグネット211bが第1固定部材211aの上面に設けられる。ここで、第1マグネット211bは、搬送基台110の第1領域111の側面から離れて第1固定部材211aの上面に設けられる。また、第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211から所定の間隔を隔てて第1磁気浮上手段211に面するように設けられる。このような第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211の第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて面する第2固定部材212aと、第1磁気浮上手段211の第1マグネット211b及び第2マグネット211cにそれぞれ面する第3及び第4マグネット212b,212cとを備える。ここで、第2固定部材212aは、第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて第1固定部材211aの上面と向かい合うように一方の側が「逆コ」字状に設けられ、他方の側が「コ」字状に設けられる。ところが、第2固定部材212aは上側が短くて下側が長い形状に設けられ、全領域に亘って第1固定部材211aと等間隔を隔てている。ここで、第1マグネット211b及び第3マグネット212bは互いに異なる極性を有し、これにより、引力が働き、第2マグネット211c及び第4マグネット212cは互いに同じ極性を有し、これにより、斥力が働く。なお、第1固定部材211aの側面及びこれに面する第2固定部材212aの側面にも互いに引力が働くマグネットがさらに設けられる。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態によるガイドユニット300の側面図である。
【0046】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるガイドユニット300は、トレイ100の上部に取り付けられる第1プレート311と、第1プレート311の上に設けられる第1ガイドマグネット310と、チャンバーの上側壁に固定される第2プレート321と、第1ガイドマグネット310から所定の間隔を隔てて第2プレート321の上に設けられる第2ガイドマグネット320と、第2プレート321の側面からその下側に延びる側面プレート330と、第1プレート311の側面に設けられる第3ガイドマグネット340と、第3ガイドマグネット340から所定の間隔を隔てて面し、側面プレート330に設けられる第4ガイドマグネット350と、側面プレート330の所定の領域に設けられて側面プレート330とガイドマグネット310,320,340,350との間の間隔を維持する第2スペーサ部材360とを備える。ここで、第3及び第4ガイドマグネット340,350は、第2ガイドマグネット320の上側の第2プレート321及びこれに面する側面プレート330の間に設けられてもよく、第1プレート311及びこれに面する側面プレート330の間と第2プレート321及びこれに面する側面プレート330の間の両領域に設けられてもよい。また、第1及び第2ガイドマグネット310,320は互いに斥力が働くように同じ極性を有していてもよく、互いに引力が働くように互いに異なる極性を有していてもよい。さらに、第3及び第4ガイドマグネット340,350は、互いに斥力が働くように同じ極性を有していてもよい。このため、トレイ100の上端部は、第1及び第2ガイドマグネット310,320の引力又は斥力及び第3及び第4ガイドマグネット340,350の斥力によりトレイ100が倒れないようにガイドされながら搬送される。すなわち、第3及び第4ガイドマグネット340,350により側面において斥力が働くので、第1及び第2ガイドマグネット310,320を用いる場合に比べてトレイ100の垂直搬送が一層円滑になる。なお、第2スペーサ部材360がさらに設けられるので、トレイ100の揺動幅を一定に維持することができ、これにより、トレイ100の垂直搬送が一層円滑になる。
【0047】
一方、トレイ100の下側にトレイ100の搬送をガイドする搬送ガイドがさらに設けられる。搬送ガイドは、トレイ100を間に挟んでトレイ100から所定の間隔を隔てて設けられる。搬送ガイドは、トレイ100とチャンバー内壁との間に設けられる。すなわち、搬送ガイドは、チャンバーの側面とトレイ100との間にトレイ100から所定の間隔を隔てて2つ設けられる。例えば、搬送ガイドは、
図3、
図5及び
図6の磁気浮上部210の外側に設けられる。すなわち、搬送ガイドは、磁気浮上部210の第2磁気浮上手段212とチャンバー内壁との間に設けられる。搬送ガイドが第2磁気浮上手段212とチャンバー内壁との間に設けられる場合、第2磁気浮上手段212はチャンバーの底面から固定される。このような搬送ガイドを備える基板搬送装置を
図8及び
図9を用いて説明すれば、下記の通りである。
【0048】
図8は、本発明の第4実施形態による基板搬送装置の磁気搬送ユニットの側面図である。
【0049】
図8を参照すると、本発明の第4実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられて磁気浮上を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100をガイドするためのガイドユニット300とを備える。ガイドユニット300は、トレイ100の上側及び下側に設けられるが、トレイ100の上側には、
図7に示す構成要素が設けられ、トレイ100の下側にはトレイ100の搬送をガイドする搬送ガイド370が設けられる。ここで、本発明の第4実施形態を説明するに当たって、前記第1から第3実施形態と同じ構成についてはその説明を簡略化するか、又は、省略する。
【0050】
トレイ100は、下側に搬送基台110が設けられるが、搬送基台110は、トレイ100の幅と同じ幅を有する第1領域111と、第1領域111の側面に設けられ、磁気回転手段221を取り囲むように設けられる延長領域114とを備える。すなわち、延長領域114は、第1領域111の側面から下側に延びて設けられる。ここで、延長領域114は、磁気回転手段221から所定の間隔を隔てて磁気回転手段221の幅よりも広く設けられる。このような延長領域114は、所定の幅及び長さを有するプレート状に設けられる。また、延長領域114の内側の所定の領域にはスペーサ部材213が設けられる。すなわち、
図6を用いて説明した本発明の第3実施形態は、スペーサ部材213が第1及び第2磁気浮上手段211,212の間の間隔を維持するためにこれらの間に設けられるが、本発明の第4実施形態においては、トレイ100に繋がる延長領域114と磁気搬送部220との間の間隔を維持するために、延長領域114と磁気搬送部220との間の延長領域114の内側にスペーサ部材213が設けられる。もちろん、スペーサ部材213は、磁気搬送部220の一領域に設けられてもよい。すなわち、スペーサ部材213は、延長領域114と磁気搬送部220との間に、且つ、延長領域114又は磁気搬送部220の所定の領域に固定される。一方、延長領域114の少なくとも一領域、すなわち、外側領域には少なくとも一つの第7マグネット115が設けられる。
【0051】
磁気搬送ユニット200は、トレイ100を磁気浮上させる磁気浮上部210と、磁気浮上部210と引力又は斥力が働くようにして磁気浮上部210により磁気浮上されたトレイ100を搬送する磁気搬送部220とを備える。磁気浮上部210は、搬送基台110の第1領域111に固定される第1磁気浮上手段211と、第1磁気浮上手段211から離れて設けられる第2磁気浮上手段212とを備える。第1磁気浮上手段211は、搬送基台110の第1領域111の下面に固定される第1固定部材211aと、第1固定部材211aの下面の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第1マグネット211bとを備える。第1固定部材211aは、上側が第1領域111の下側に結合され、底面が水平をなす。このとき、第1固定部材211aの幅は、第1領域111の幅よりも広く設けられる。第1固定部材211aが第1領域111の幅よりも広く設けられるため、第1固定部材211aの側面に接触されて下側に延びる延長領域114が第1領域111の幅よりも広く設けられる。また、第1固定部材211aの下側の第1マグネット211bは少なくとも一つ設けられるが、例えば、等間隔にて3つ設けられる。第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211から所定の間隔を隔てて第1磁気浮上手段211に面するように設けられる。このような第2磁気浮上手段212は、第1磁気浮上手段211の第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて面する第2固定部材212aと、第1磁気浮上手段211の少なくとも一つの第1マグネット211bに面する少なくとも一つの第3マグネット212bとを備える。さらに、第2固定部材212aは、第1固定部材211aから所定の間隔を隔てて第1固定部材211aと同じ形状に設けられる。例えば、第1及び第2固定部材211a,212aは、矩形の断面形状を有する。このとき、第2磁気浮上手段212の第2固定部材212aは、磁気搬送部220の一領域に固定される。
【0052】
磁気搬送部220は、磁気回転手段221と、磁気回転手段221から所定の間隔を隔てて設けられる磁気搬送手段222と、磁気回転手段221を内側に収容する収容手段223とを備える。収容手段223は、内部に磁気回転手段221を収容し、下側がチャンバーの底面に固定される。このとき、収容手段223は、中空状に設けられて磁気回転手段221が内部に収容されて回転自在となる。また、収容手段223は、側面において磁気搬送手段222の少なくとも一部が露出されるように設けられる。さらに、収容手段223の上部面には第2磁気浮上手段212が設けられる。すなわち、収容手段223の上部に第2磁気浮上手段212の第2固定部材212aが固定される。磁気搬送手段222は、少なくとも一つのマグネットを備え、磁気回転手段221に面する延長領域114に設けられる。すなわち、延長領域114が収容手段223から所定の間隔を隔てて収容手段223の外側に設けられ、延長領域114の内側には収容手段223内に収容される磁気回転手段221に面するように少なくとも一つのマグネットを有する磁気搬送手段222が設けられる。
【0053】
一方、磁気搬送ユニット200とチャンバーとの間には搬送ガイド370が設けられる。すなわち、ガイドユニット300が上側及び下側においてトレイ100の搬送をガイドするが、トレイ100の下側に磁気搬送ユニット200の側面において磁気搬送ユニット200の搬送をガイドする搬送ガイド370が設けられる。このような搬送ガイド370は、磁気搬送ユニット200とチャンバーの内側面との間に設けられ、所定の幅及び高さを有する。また、搬送ガイド370は、内側の所定の領域に少なくとも一つのマグネットが設けられる。すなわち、搬送ガイド370は、磁気搬送ユニット200とチャンバーとの間に高さ方向に設けられる垂直プレート371と、垂直プレート371の所定の領域に設けられる少なくとも一つの第8マグネット372とを備える。垂直プレート371は、例えば、第1磁気浮上手段211の高さに設けられる。すなわち、垂直プレート371は、搬送基台110の第1領域111と第1磁気浮上手段211の第1固定部材211aとの間の境界面までの高さに設けられる。また、垂直プレート371には少なくとも一つの第8マグネット372が設けられるが、第8マグネット372は、延長領域114に設けられる第7マグネット115に面するように設けられる。このとき、延長領域114の第7マグネット115及び垂直プレート371の第8マグネット372は、互いに異なる極性又は同じ極性を有していてもよく、これにより、引力又は斥力が働く。一方、蒸着チャンバー内の搬送ガイド370は固定され、トラバースチャンバー内の搬送ガイド370は、トレイ100から遠ざかる方向及びトレイ100に近付く方向に移動する。このとき、トラバースチャンバー内の搬送ガイドは、磁気浮上を用いて非接触式で移動する。すなわち、トラバースチャンバーの搬送ガイド370は、
図4を用いて説明した磁気搬送部と同じ原理を利用する。例えば、垂直プレート371の下側に垂直プレート371から離れて回転軸(図示せず)と、回転軸の表面に複数のマグネット(図示せず)が設けられる磁気回転手段が設けられ、磁気回転手段から離れて垂直プレート371の下面に互いに異なる極性のマグネットが所定の間隔を隔てて設けられる。このため、垂直プレート371の下側の磁気回転手段の回転による極性とその上側の磁気搬送手段の極性が互いに同一又は異なり、これにより、引力又は斥力が働くので、磁気回転手段の回転につれて磁気搬送手段が一方向又は他方向に移動する。すなわち、磁気回転手段の回転運動が磁気搬送手段により直線運動に変換されて磁気浮上された垂直プレート371を移動させる。
【0054】
図9は、本発明の第5実施形態による基板搬送装置の磁気搬送ユニットの側面図である。
【0055】
図9を参照すると、本発明の第5実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられて磁気浮上を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100をガイドするためのガイドユニット300とを備える。ガイドユニット300は、トレイ100の上側及び下側に設けられるが、トレイ100の上側には
図7に示す構成要素が設けられ、トレイ100の下側にはトレイ100の搬送をガイドする搬送ガイド370が設けられる。ここで、本発明の第5実施形態は、
図8を用いて説明した本発明の第4実施形態とはスペーサ部材213の形成位置に相違点がある。すなわち、本発明の第5実施形態による基板搬送装置は、本発明の第4実施形態による基板搬送装置と全ての構成が同じであり、スペーサ部材213が搬送ガイド370と延長領域114との間に設けられる点に相違点がある。スペーサ部材213は、搬送ガイド370と延長領域114との間の延長領域114又は搬送ガイド370の所定の領域に設けられる。例えば、延長領域114の第7マグネット115の下側に設けられる。このようにスペーサ部材213が磁気搬送ユニット200と搬送ガイド370との間に設けられるので、磁気搬送ユニット200が揺動する場合であっても、磁気搬送ユニット200が搬送ガイド370の内側において搬送可能である。もちろん、スペーサ部材213は、搬送ガイド370と延長領域114との間だけではなく、延長領域114と磁気搬送部220との間に設けられる。すなわち、スペーサ部材213は、少なくとも2以上の領域に少なくとも2以上設けられる。
【0056】
一方、搬送ガイド370は、少なくとも一部が一方向及びこれと向かい合う他の方向に移動する。例えば、蒸着チャンバー内の搬送ガイドは固定され、トラバースチャンバー内の搬送ガイドは可動である。すなわち、トラバースチャンバー内に設けられる搬送ガイドはトレイ100が蒸着チャンバーから移動する場合、トレイ100と第1間隔を維持してトレイ100の搬送をガイドし、トレイ100の搬送が終わって搬入チャンバーに向かって返送される場合、チャンバーの内壁に向かって移動してトレイ100とは第1間隔よりも広い第2間隔を維持する。トラバースチャンバー内において搬送ガイドが移動することにより、トレイ100の位置移動時にトレイ100の移動マージンが大きくなる。すなわち、トレイ100が磁力に影響されなくなって円滑なトラバース、すなわち、レーンが変更可能になる。このような搬送ガイド370が移動する基板搬送装置を
図10及び
図11を用いて説明すれば、下記の通りである。
【0057】
図10及び
図11を参照すると、本発明の第6実施形態による基板搬送装置は、基板を取り付けて搬送するトレイ100と、トレイ100の下部に設けられて磁気浮上を用いてトレイ100を搬送する磁気搬送ユニット200と、トレイ100の下側に設けられてトレイ100の搬送をガイドする搬送ガイド370を有するガイドユニット300とを備える。搬送ガイド370は、向かい合う一方向及び他方向に移動可能であるが、トレイ100に近付く方向及びトレイ100から遠ざかる方向に移動可能である。このような移動可能な搬送ガイド370は、少なくともトラバースチャンバー内に設けられる。
【0058】
搬送ガイド370は、垂直プレート371a及び水平プレート371bを備え、垂直プレート371aが水平プレート371bの上側に設けられる。すなわち、垂直プレート371aは、水平プレート371bの所定の領域から上方に垂直に設けられる。また、垂直プレート371aには、トレイ100の延長領域114に設けられる第7マグネット115に面するように少なくとも一つの第8マグネット372が設けられる。水平プレート371bは、垂直プレート371aの下側に水平に設けられる。ここで、水平プレート371bの下側には移動部395が設けられる。移動部395は、下側の少なくとも一部の領域がガイドレール390を取り囲むように設けられ、ガイドレール390に沿って向かい合う一方向及び他方向に移動可能である。移動部395が移動するにつれて、その上側に配設される搬送ガイド370が移動する。ガイドレール390の下側には、支持部380が設けられる。支持部380は、ガイドレール390とその上側の搬送ガイド370を支持する。また、支持部380の内部には、移動部395を駆動するための駆動手段(図示せず)が設けられる。駆動手段としては、シリンダー、モーターなどが挙げられ、移動部395を、
図10に示すように、トレイ100に近付く一方向に移動させ、且つ、
図11に示すように、トレイ100から遠ざかる他の方向に移動させる。ここで、搬送ガイド370は、蒸着チャンバーからトレイ100が搬送される場合、トレイ100に近付く第1位置に位置する。ところが、トレイ100を搬入チャンバーに向かって返送するためにレーンが変更される場合、すなわち、トラバースされる場合、駆動手段により移動部395が駆動されて搬送ガイド370がトレイ100から遠ざかる方向に移動して第2位置に位置する。搬送ガイド370が移動した後、トレイ100は持ち上げられた後にトラバースされて搬入チャンバーに向かって返送され、次いで、搬送ガイド370は再び第1位置に移動する。
【0059】
一方、本発明の技術的思想は前記実施形態により具体的に記述されたが、前記実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではない。なお、本発明の技術分野における当業者は、本発明の技術思想の範囲内において種々の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。