特許第6092384号(P6092384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6092384自然災害イベントに関する空域リスクに係るリスク共有のための自己充足的リソースプールシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092384
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】自然災害イベントに関する空域リスクに係るリスク共有のための自己充足的リソースプールシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20170227BHJP
【FI】
   G06Q40/08
【請求項の数】14
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-520976(P2015-520976)
(86)(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公表番号】特表2015-527654(P2015-527654A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013064584
(87)【国際公開番号】WO2014009415
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年4月23日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2012/063482
(32)【優先日】2012年7月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505095992
【氏名又は名称】スイス リインシュランス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ドルゴッシュ,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】マール,クリストファー,マクシミリアン
【審査官】 木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−524124(JP,A)
【文献】 特開2009−015479(JP,A)
【文献】 特開2006−107234(JP,A)
【文献】 特開2002−373259(JP,A)
【文献】 特開2002−358424(JP,A)
【文献】 特開2004−280444(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0106727(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0236676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空域リスクに関する自動化され自己充足的なリソースプールシステムであり、リスクにさらされる航空機団のリソースをプールすること、および、前記リスクにさらされる航空機団のために前記リソースプールシステムを用いてプールされたリソースに基づいて、自己充足的なリスク保護を提供することによって、前記リスクにさらされる航空機団の可変的な数量をリスク共有するシステムであって、
リスクとリソースをプールするために前記リスクにさらされる航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リスクにさらされる航空機団は、前記システムに接続されており、前記航空機に関するリスクエクスポージャの自動化された移転が前記リソースプールシステムによって提供され、
前記システムは、
プールされた前記リスクにさらされる航空機団に係る送信された飛行計画パラメータを受信するためのキャプチャ手段であり、
対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団によって飛来される空港を示している空港識別子を検出するために、フィルタモジュールを使用して、前記送信された飛行計画パラメータがフィルタされ、かつ、
前記フィルタされた空港識別子を用いて検出された空港は、前記対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団の航空機団識別子に割り当てられた選択可能なトリガーテーブルのテーブルエレメントに保管される、キャプチャ手段と
前記トリガーテーブルに保管された空港識別子に基づいて、前記飛来される空港に配置された基地局の空港データフロー経路上を動的にトリガーしているトリガーモジュールであり、
前記基地局は、通信ネットワークを介してコアエンジンにリンクされており、
前記トリガーモジュールは、前記通信ネットワークを介して空港データフロー経路上を動的にトリガーしており、かつ、
前記選択可能なトリガーテーブルの中に含まれる前記空港のうち一つの空港閉鎖の発生に係るトリガーの場合、前記空港閉鎖に係る時間間隔パラメータを少なくとも含んでいる前記トリガーされた空港の動作パラメータがキャプチャされ、対応するテーブルエレメントに保管され割り当てられる、トリガーモジュールと、
を含み、
前記選択可能なトリガーテーブルのテーブルエレメントに割り当てられた前記空港のうち一つの空港閉鎖に係るトリガーされた発生に対して、空港閉鎖に係る前記キャプチャされた動作パラメータが自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントデータと適合され、前記コアエンジンを使用して前記空港閉鎖が自然災害イベントの前記検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントの発生と関連付けられ、
前記リソースプールシステムは、さらに、自然災害イベントの発生を動的に検出し、かつ、対応するリスクのテーブルエレメントにおいて適切な指標フラグを設定する、ための手段を含んでおり、それと供に、関連する自然災害イベントデータを保管し、及び/又は、前記自然災害イベントの少なくとも発生時間及び/又は影響される領域を示すパラメータを測定し、かつ、
前記システムは、自然災害イベントの発生を検出するために、適切なセンサまたは測定デバイスに直接的に接続されており、
前記コアエンジンによって適合関係が確立される場合、前記コアエンジンを使用して、前記空港識別子に係るリスクにさらされる割り当てられた航空機団に対して、対応するトリガーフラグが設定され、かつ、前記対応するトリガーフラグに対して支払いのパラメトリックな移転を割り当て、
対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、空港閉鎖に割り当てられた空港識別子の定義可能な最小数量を送信が含んでおり、従って前記飛行計画パラメータに係る閉鎖された空港の黙示の地理的な拡がりを創造している場合にだけ、動作化され、かつ、
トリガーされた空港閉鎖に関連する損失が、前記システムによって明確にカバーされ、それぞれの前記トリガーフラグに基づき、かつ、前記システムの障害展開デバイスの生成された出力信号によってオペレーション又は操縦される自動化され動作化された損失カバーリングシステムを用いて、前記システムから対応するリスクにさらされる航空機団への支払いのパラメトリックな移転によって、プールされたリスクにさらされる航空機団から受け取り、かつ、保管された支払パラメータに基づくものである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルは、前記リソースプールシステムに移転された既定のリスクそれぞれに対するテーブルエレメントを含んでおり、
リスクそれぞれは、前記自然災害イベントを定義しているテーブルエレメントのパラメータに関連しており、かつ、
前記リソースプールシステムは、さらに、自然災害イベントの発生を動的に検出し、かつ、対応するリスクのテーブルエレメントにおいて適切な指標フラグを設定する、ための手段を含んでおり、それと供に、関連する自然災害イベントデータを保管し、及び/又は、前記自然災害イベントの少なくとも発生時間及び/又は影響される領域を示すパラメータを測定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コアエンジンに係る追加のフィルタモジュールが、選択可能なトリガーテーブルに基づいて、送信された時間間隔パラメータを用いて時間ベースのスタックを動的に増加し、かつ、増加されたスタック値にトリガーされて、閾値に達した場合、前記フィルタモジュールを使用して、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の割り当てを動作化する、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記閾値は、増加された前記スタック値にトリガーされて、5日間以上かつ10日間以下に設定される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、定義可能な保障上限を伴い、前記航空機団に係る動的に大きさを変更できる損失カバーリングのために、前記システムを使用して自動的に起動され、かつ、
前記支払いは、所定の航空機団の前記リスクエクスポージャの可能性に基づいて、自動的に調整される、
請求項1乃至4いずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
リスクプールシステムは、リスク関連の航空機団データを処理し、かつ、前記リスク関連の航空機団データに基づいて、プールされた航空機団にリスクエクスポージャの可能性を提供する、アセンブリモジュールを含み、
前記航空機団は、リスクのプールのための航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リソースプールシステムに接続されており、
前記支払いは、所定の航空機団の前記リスクエクスポージャの前記可能性に基づいて、自動的に調整される、
請求項1乃至5いずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コアエンジンの前記フィルタモジュールは、前記トリガーモジュールからの前記送信が適用可能な第三者によって引き起こされた場合にトリガーする追加のトリガーデバイスを含み、
前記パラメータの前記送信は、空港閉鎖の時間間隔パラメータと空港識別子を含み、かつ、
前記空港閉鎖が第三者に引き起こされた場合は、前記送信された時間間隔パラメータを用いてスタックを動的に増加することができ、そうでなければ、前記スタックを増加できない、
請求項1乃至6いずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
空域リスクに関する自動化され自己充足的なリソースプールシステムを用いてリスクにさらされる航空機団のリソースをプールすること、および、自然災害イベントに続く切迫した着陸またはダメージを防止するシステムを用いて前記リスクにさらされる航空機団に対して自己充足的なリスク保護を提供することによって、リスクにさらされる航空機団の可変的な数量をリスク共有する方法であって、
リスクにさらされる航空機団は、複数の支払受取りモジュールを用いて前記システムに接続されており、かつ、
前記リスクにさらされる航空機団のリスクとリソースをプールするための前記複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リスクにさらされる航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管し、
前記航空機に関するリスクエクスポージャの自動化された移転を前記リソースプールシステムによって提供し、
前記方法では、
プールされた前記リスクにさらされる航空機団に係る送信された飛行計画パラメータがキャプチャ手段を用いて受信され、
対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団によって飛来される空港を示している空港識別子を検出するために、フィルタモジュールを使用して、前記送信された飛行計画パラメータがフィルタされ、かつ、
前記フィルタされた空港識別子を用いて検出された空港は、前記対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団の航空機団識別子に割り当てられた選択可能なトリガーテーブルのテーブルエレメントに保管され、
トリガーモジュールは、前記トリガーテーブルに保管された空港識別子に基づいて、前記飛来される空港に配置された基地局の空港データフロー経路上を動的にトリガーし、
前記基地局は、通信ネットワークを介してコアエンジンにリンクされており、
前記トリガーモジュールは、前記通信ネットワークを介して空港データフロー経路上を動的にトリガーしており、かつ、
前記選択可能なトリガーテーブルの中に含まれる前記空港のうち一つの空港閉鎖の発生に係るトリガーの場合に、前記空港閉鎖に係る時間間隔パラメータを少なくとも含んでいる前記トリガーされた空港の動作パラメータが、トリガーされた空港識別子に基づいて、前記選択可能なトリガーテーブルの対応するテーブルエレメントに保管され割り当てられ、
前記選択可能なトリガーテーブルの前記空港のうち一つの空港閉鎖に係るトリガーされたそれぞれの発生において、空港閉鎖に係る前記動作パラメータが自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントデータと適合され、前記コアエンジンを使用して前記空港閉鎖の自然災害イベントと前記検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントの発生との可能な関連を判断し、
前記リソースプールシステムは、さらに、自然災害イベントの発生を動的に検出し、かつ、対応するリスクのテーブルエレメントにおいて適切な指標フラグを設定する、ための手段を含んでおり、それと供に、関連する自然災害イベントデータを保管し、及び/又は、前記自然災害イベントの少なくとも発生時間及び/又は影響される領域を示すパラメータを測定し、かつ、
前記システムは、自然災害イベントの発生を検出するために、適切なセンサまたは測定デバイスに直接的に接続されており、
前記コアエンジンによって前記関連が確立される場合、前記コアエンジンを使用して、前記トリガーされた空港閉鎖の前記空港識別子に係るリスクにさらされる割り当てられた航空機団に対して、対応するトリガーフラグが設定され、かつ、前記対応するトリガーフラグに対して支払いのパラメトリックな移転を割り当て、
対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、空港閉鎖に割り当てられた空港識別子の定義可能な最小数量を送信が含んでおり、従って前記飛行計画パラメータに係る閉鎖された空港の黙示の地理的な拡がりを創造している場合にだけ、動作化され、かつ、
トリガーされた空港閉鎖に関連する損失が、前記システムによって明確にカバーされ、それぞれの前記トリガーフラグに基づき、かつ、前記システムの障害展開デバイスの生成された出力信号によってオペレーション又は操縦される自動化され動作化された損失カバーリングシステムを用いて、前記システムから対応するリスクにさらされる航空機団への支払いのパラメトリックな移転によって、プールされたリスクにさらされる航空機団から受け取り、かつ、保管された、支払パラメータに基づくものである、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記コアエンジンに係る追加のフィルタモジュールが、選択可能なトリガーテーブルに基づいて、送信された時間間隔パラメータを用いて時間ベースのスタックを動的に増加し、かつ、増加されたスタック値にトリガーされて、閾値に達した場合、前記フィルタモジュールを使用して、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の割り当てを動作化する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値は、増加された前記スタック値にトリガーされて、5日間以上かつ10日間以下に設定される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、空港閉鎖に割り当てられた空港識別子の定義可能な最小数量を送信が含んでおり、従って前記飛行計画パラメータに係る閉鎖された空港の黙示の地理的な拡がりを創造している場合にだけ、動作化される、
請求項8乃至10いずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、定義可能な保障上限を伴い、前記航空機団に係る動的に大きさを変更できる損失カバーリングのために、前記システムを使用して自動的に起動され、かつ、
前記支払いは、所定の航空機団の前記リスクエクスポージャの可能性に基づいて、自動的に調整される、
請求項8乃至11いずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
リスクプールシステムは、リスク関連の航空機団データを処理し、かつ、前記リスク関連の航空機団データに基づいて、プールされた航空機団にリスクエクスポージャの可能性を提供する、アセンブリモジュールを含み、
前記航空機団は、リスクのプールのための航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リソースプールシステムに接続されており、
前記支払いは、所定の航空機団の前記リスクエクスポージャの前記可能性に基づいて、自動的に調整される、
請求項8乃至11いずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記コアエンジンの前記フィルタモジュールは、前記トリガーモジュールからの前記送信が適用可能な第三者によって引き起こされた場合にトリガーする追加のトリガーデバイスを含み、
前記パラメータの前記送信は、空港閉鎖の時間間隔パラメータと空港識別子を含み、かつ、
前記空港閉鎖が第三者に引き起こされた場合は、前記送信された時間間隔パラメータを用いてスタックを動的に増加させ、そうでなければ、前記スタックを変化しないままにする、
請求項8乃至12いずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空域リスクについて航空機団(aircraft fleets)がさらされる可変的な数量のリスクに係るリスク共有のための自己充足的リソースプールシステムに関する。特定的には、本発明は、システム、および、自動化され自己充足的なリソースプールシステムに係る好適な信号生成に関する。リソースプールシステムを用いて、可変的な数量の航空機団及び/又は航空機運航者に対するフライト中断リスクが共有できる。航空機団及び/又は航空機運航者がリスクにさらされることに対する自己充足的なリスク防止を提供することによるものである。
【背景技術】
【0002】
20世紀初期から始まって、航空輸送の重要性は動的に増大してきている。20世紀後期におけるマーケットのグローバル化に動機付けされて、航空機によって輸送される物資と人の量が、さらに世界中で莫大に増加した。しかしながら、安さへのプレッシャーも増え、結果として価格のダンピングを生じ、ついには、21世紀の始まりには、主要な航空会社と航空機運航者の破綻が生じている。最近では、航空輸送の価格マージンが極端に低く、航空機運航者にタイトな構成を強いており、ビジネス中断の場合のわずかな財政的バッファしか有していない。一般的に、実施されたオペレーションによるプールされた収益という意味において収入を生じることなく10日間が過ぎると、ほとんどの主要な航空会社は、オペレーションを停止するように強いられるか、または、むしろビジネスを止めるように強いられる深刻なリスクに直面するであろう。このように、オペレーション中断のリスクを受けるといったことへの保障を取得することに対する偽りのない関心が存在する。経済的には、ビジネス中断のより長い期間に耐えられることは、また、代理店または関係のある第三者の格付けに対してより大きなセキュリティを提供する利点を有している。
【0003】
この要求に対する例示が、最新の航空機変遷によって明らかにされる。2010年のアイスランドにおける火山活動及びそれに続く空域閉鎖は、航空業界にとって17億(1.7billion)米ドルの損失見積りに導いた。4月15日から4月21日の期間中に、ヨーロッパ全体の空域のほとんどが閉鎖され、ヨーロッパ発着の全てのフライトのキャンセルを結果として生じた。その後、航空会社は、保険技術または国家補償の手段によるリスク移転、または、そうした予測不能なイベントをカバーして、航空機団のオペレーションを保証する他の手段よるリスク移転を探している。最先端においても、利用可能なダメージ無し保障(coverage)システムは存在しない。特には、(i)臨界的な火山灰の集中に対する基準が無いこと、および(ii)単に火山灰に限定されるのではなく、より広いリスク移転と保障に対する欲求、のためである。関連する技術は、また、1)ストライキ、暴動、等、2)戦争、ハイジャック、テロ(例えば、AVN48)、3)パンデミックに基づくリスク、のようなリスクイベントをカバーできるようにすべきである。技術は、条件を提供すべきである。つまり、空港と同様に航空機業界における航空機団のオペレーションが技術的に安定化される条件である。空港と航空機業界は、キャンセルされたフライトのせいで近年にわたり大変に努力してきており、従って、この時期に収入源を何も備えることができない。フライトがキャンセルされた場合、可変コストを節約できるという事実にもかかわらず、航空機/乗務員に対する固定コストと追加コスト、および、再スケジュールのオペレーションが、まだ残っている。加えて、ヨーロッパ発着のオペレーションをしている航空会社は、旅行がキャンセルされた乗客を補償しなければならない。こうしたキャンセルの原因は、天候または航空会社/空港と航空交通管制(Air Trafic Conrl:ATC)のいずれかによって影響される。最先端のシステムにおいては、フライトがキャンセルされた場合に物理的なダメージなく救済を提供する自動化システム、または、損害及びオペレーションの保障は存在しない。この事実によって、空港運営者と同様に航空機団運航者は、キャンセルされたフライトに対するある種のダメージカバーリングシステムを要求している。
【0004】
さらなる従来技術として、米国特許出願公開第2010/036545号明細書は、航空機内で生じる動作不良を自動的に除去するための地上局に基づく航空電子システムを開示している。航空電子システムと航空機はインターフェイスを介して接続されている。航空機のセンサから航空電子システムに転送されたパラメータによって、航空機の不調が検出された場合、航空電子システムによって専用の故障デバイスがトリガーされて動作し、自動的に不調を取り除く。国際公開第2000/07126号明細書は、航空機と供に使用される航空電子データシステムを開示しており、それぞれの航空機は航空機の中に配置された通信ユニットを有している。国際公開第2002/08057号明細書は、航空機の状態に関して、モニタリングとデータフィードバックを航空機に対して提供するシステムを示している。航空機および設備の状態に関して、航空機に配置されたセンサによって情報が提供される。システムは、モニタリングの最中に、受け取った情報に基づいて、航空機に対してフィードバック情報を提供する。さらに、欧州特許出願公開第1426870号明細書は、航空機のコンピュータが複数の航空機システムと通信する、無線航空機データシステムを示している。地上コンピュータシステムは、無線航空機データシステムを介した航空機システムへの無線リモートリアルタイムアクセスを提供する。 最後に、ドイツ国特許出願公開第19856231号明細書は、双方向性の送信データを使用して衛星を介したデータアクセスを提供する別の航空電子システムを開示している。衛星の経路と構成は、空輸航空機と地上オペレーションセンターとの間で双方向的なチャンネルが提供されるように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/036545号明細書
【特許文献2】国際公開第2000/07126号明細書
【特許文献3】国際公開第2002/08057号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1426870号明細書
【特許文献5】ドイツ国特許出願公開第19856231号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、自然災害またはテロ活動に続く、航空機団の切迫した着陸またはダメージを回避する緊急インターセプションのための、自己充足的にオペレーションできるシステム及び技術的手段と方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、リソースプールシステム、および、航空機団に関して受けるリスクの体系的で自動化された管理、または、半ば体系的で自動化された管理のための好適に実施される方法を提供することである。システムは、システムのオペレーションをひそかに傷付けている脅威と同様に、システムの生き残りに対する脅威について、安定したオペレーションを提供し、及び/又は、設定された目的を満たす能力を制限する。システムは、好適で効果的なリスク管理機能を実施することができ、必要な技術的アプローチを広く採用している。さらに、本発明の目的は、また、改善されたオペレーションと増加した維持能力によって、安定したオペレーションリスク管理構成を通じて、システムの信頼性を拡大してリスクを低減するシステムを提供することであり、システムを低いリスクでオペレーションすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、これらの目的は、特に独立請求項に係る機能を通じて達成される。加えて、さらに有利な実施例が、従属請求項とその説明から生じる。
【0008】
本発明に従って、上記の目的は、特に、空域リスクに関する自己充足的なリソースプールシステムであり、リスクにさらされる航空機団のリソースをプールすること、および、前記リスクにさらされる航空機団のために前記リソースプールシステムを用いてプールされたリソースに基づいて、自己充足的なリスク保護を提供することによって、前記リスクにさらされる航空機団の可変的な数量をリスク共有するシステムによって達成される。リスクとリソースをプールするために前記リスクにさらされる航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リスクにさらされる航空機団は、前記システムに接続されている。プールされた前記リスクにさらされる航空機団に係る送信された飛行計画パラメータを受信するためのキャプチャ手段により、対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団によって飛来される空港を示している空港識別子を検出するために、フィルタモジュールを使用して、前記送信された飛行計画パラメータがフィルタされ、かつ、前記フィルタされた空港識別子を用いて検出された空港は、前記対応するプールされた前記リスクにさらされる航空機団の航空機団識別子に割り当てられた選択可能なトリガーテーブルのテーブルエレメントに保管される。前記トリガーテーブルに保管された空港識別子に基づいて、前記飛来される空港に配置された基地局の空港データフロー経路上を動的にトリガーしているトリガーモジュールにより、前記選択可能なトリガーテーブルの中に含まれる前記空港のうち一つの空港閉鎖の発生に係るトリガーの場合、前記空港閉鎖に係る時間間隔パラメータを少なくとも含んでいる前記トリガーされた空港の動作パラメータがキャプチャされ、対応するテーブルエレメントに保管され割り当てられる。前記選択可能なトリガーテーブルのテーブルエレメントに割り当てられた前記空港のうち一つの空港閉鎖に係るトリガーされた発生に対して、空港閉鎖に係る前記キャプチャされた動作パラメータが自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントデータと適合され、コアエンジンを使用して前記空港閉鎖が自然災害イベントの前記検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントの発生と関連付けられる。前記コアエンジンによって適合関係が確立される場合、前記コアエンジンを使用して、前記空港識別子に係るリスクにさらされる割り当てられた航空機団に対して、対応するトリガーフラグが設定され、かつ、前記対応するトリガーフラグに対して支払いのパラメトリックな移転を割り当て、それぞれの前記トリガーフラグ、および、前記システムから対応するリスクにさらされる航空機団への支払いのパラメトリックな移転によって、プールされたリスクにさらされる航空機団から受け取り、かつ、保管された支払パラメータに基づいて、トリガーされた空港閉鎖に関連する損失が、前記システムによって明確にカバーされる。本発明は、特に、リスクにさらされる航空機団の可変的な数量をリスク共有するための自己充足的なリスク保護を提供することにおいて有利であり、リスクは、例えば火山噴火といった自然災害またはテロ活動の発生に関する。システムは、さらに、リスクのプール、および、技術的にはキャプチャすることが難しい、イベントの損失カバーに対する技術的手段を提供することで有利である。例えば、危機的な火山灰の集中または良好な測定システムでさえ、基準が存在しない。システムは、火山灰の発生に係る測定とトリガーに限定されるものでなく、より広いリスクの範囲をプールできることでも、有利である。さらに、一般的には10日後に、航空会社は、収益を得ることなくビジネスできない深刻なリスクに直面するであろう。本システムの一つの利点は、これに対する保障を提供し、ビジネス中断のより長い期間を持ちこたえる能力を改善することである。本システムは、全ての種類のリスクをキャプチャすることができる。例えば、雰囲気条件に基づくリスク(例えば、火山灰)、及び/又は、気象条件(例えば、洪水、地震、嵐、風、雨)、及び/又は、地震条件(例えば、地震)である、しかしながら、暴動、ストライキ、戦争、パンデミック、および、装置/設備の故障(例えば、GPSの故障)といった稀なイベントをキャプチャすることもでき、システムのオペレーションは適合されない。本システムは、また、トランスペアレント(transparent)でパラメトリックなリスク保証ができる技術的手段を提供する。例えば、保証は、キャンセルされたフライトの終了に比例して提供される。例えば、可能性のある数式は、キャンセルされたフライトの数量/空域閉鎖の期間に対して計画されていたフライトの数量、掛ける、限界値である。これにより、容易に発生損害を効果的に測定できる。検索可能なテーブルに保管されたあらゆる可能性のあるイベントに対してリンクすることによって、第三者の当局による空域閉鎖またはオペレータによる空港閉鎖を安全にトリガーすることができる。あらゆる一つのイベントまたはあらゆる他の条件にリックされた年間総計5−10日間に関してである。これにより、従来技術に係るあらゆるシステムによっては提供されていない、フレキシブルなシステムアーキテクチャが可能となる。典型的に、リスクにさらされるコンポーネントのリスク移転のためのそうしたリソースプールシステムは、地理的または領域的な特殊性に対しする特別に適合された手段を必要とする。本システムは、あらゆるそうした限定または適合の必要性を示さないことに利点がある。しかし、本システムは、リスクと損失を直接的に件都合するのでワールドワイドに動作され得るものである。
【0009】
さらなる実施例の変形においては、前記コアエンジンに係る追加のフィルタモジュールが、選択可能なトリガーテーブルに基づいて、送信された時間間隔パラメータを用いて時間ベースのスタックを動的に増加し、かつ、増加されたスタック値にトリガーされて、閾値に達した場合、前記フィルタモジュールを使用して、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の割り当てを動作化する。前記閾値は、増加された前記スタック値にトリガーされて、5日間以上かつ10日間以下に設定される。前記基地局は、通信ネットワークを介して前記コアエンジンにリンクされており、かつ、前記トリガーモジュールは、前記通信ネットワークを介して空港データフロー経路上を動的にトリガーしている。対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、例えば、空港閉鎖に割り当てられた空港識別子の定義可能な最小数量を送信が含んでおり、従って前記飛行計画に係る閉鎖された空港の黙示の地理的な拡がりを創造している場合にだけ、動作化される。さらなる変形として、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の前記割り当ては、定義可能な保障上限を伴い、前記航空機団に係る動的に大きさを変更できる損失カバーリングのために、前記システムを使用して自動的に起動される。他の実施例の変形において、前記保障上限は、例えば、1億米ドル以下に設定される。以下も可能である。リスクプールシステムは、リスク関連の航空機団データを処理し、かつ、前記リスク関連の航空機団データに基づいて、プールされた航空機団に前記リスクエクスポージャの可能性を提供する、アセンブリモジュールを含み、前記航空機団は、リスクのプールのための航空機団からの支払いを受け取り、かつ、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、前記リソースプールシステムに接続されており、前記支払いは、所定の航空機団のリスクエクスポージャの前記可能性に基づいて、自動的に調整されるものである。これらの実施例の変形は、特に、第1の変形と同一の利点を有する。
【0010】
さらなる実施例の変形においては、前記コアエンジンの前記フィルタモジュールは、例えば、前記検出デバイスからの前記送信が適用可能な第三者によって引き起こされた場合にトリガーする追加のトリガーデバイスを含み、一方、前記パラメータの前記送信は、空港閉鎖の時間間隔パラメータと空港識別子を含み、かつ、 前記空港閉鎖が第三者に引き起こされた場合は、前記送信された時間間隔パラメータを用いて前記スタックを動的に増加することができ、そうでなければ、前記スタックを増加できない。別の言葉で言えば、追加のトリガーデバイスの信号が、空港閉鎖は、例えば、第三者または適用可能な第三者などの第三者オーダーに基づいて生じたものであることを確認した場合だけに、空港閉鎖の時間期間によるスタックの増加(すなわち、スタック値の増加)が行われる。第三者に引き起こされた、つまり、適用可能な第三者によって引き起こされたとは、国の一機関の介入に基づいて空港が閉鎖されることを意味する。例えば、公式航空当局、警察、または、軍隊による介入である。一般的に、追加のトリガーデバイスは、また、例えば、空港閉鎖が自ら招いたものではなく、外部効果(例えば、空域の完全閉鎖)、当局、等によってそれぞれに引き起こされた場合にもトリガーすることができる。それらは、空港運営者の管理の下に無いものである。適用可能とは、トリガーデバイスを用いてトリガーされる第三者が、システム変数としてか既定のパラメータとしてのいずれか、または、パラメータとして定義可能であることを意味する。パラメータは、システムによって、例えば、リクエストまたは定期的にネットワークを通じて適切なデータサーバーからアクセスされ得るものである。この実施例の変形は、特に、空港運営者による可能性のある詐欺行為または恣意的行為に対してシステムが安定になることで有利である。この実施例の変形は、特に、空港運営者による可能性のある詐欺行為または恣意的行為に対してシステムが安定になることで有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
取り込まれて、明細書の一部を形成している添付の図面は、本発明のいくつかの態様を説明している。そして、記載と供に、実施例として、本発明の主旨を詳細に説明するのに役立っている。
図1図1は、本発明に従って、システムのリスク移転のための根本的な技術的構造に係る典型的な構成を模式的に示したブロックダイヤグラムである。参照番号1は本発明に従ったシステムであり、参照番号2はコアエンジン(core engine)であり、参照番号3は受信器または電子受信器モジュールであり、参照番号4はトリガーモジュールであり、参照番号5は好適に具現されたフィルタモジュールであり、参照番号6は技術的出力又は動作化信号を生成する障害展開デバイスであり、参照番号7はシステム1またはシステム1のコアエンジンによってオペレーション又は操縦される自動化された動作可能な損失カバーリングシステムを示している。
図2図2は、米国西海岸空域の可能性のある閉鎖に係る統合エクスポージャ(aggregate exposure)の例を模式的に示したダイヤグラムである。米国西海岸空域および7つの主要空港の7日間の閉鎖は、選択された航空会社に対して計画されたフライトの19.2%に影響する。
図3図3は、北西ヨーロッパ空域の可能性のある閉鎖に係る統合エクスポージャの例を模式的に示したダイヤグラムである。北西ヨーロッパ空域および7つの主要空港の7日間の閉鎖は、選択された航空会社に対して計画されたフライトの17.9%に影響する。
図4図4は、一連のステップを模式的に示したダイヤグラムである。図4は、10日間の典型的な待機期間を示している。つまり、システムは、例えば、空港の最初の閉鎖後の10日間の時間間隔をトリガーする。ダメージカバーリング出力信号は、例えば、(期間中にキャンセルされたフライトの数)/(7/10日間に計画されていたフライトの数)に基づいて、生成され得るものであり、例えば、自動化された支払いを開始する。これは、システム1、または、むしろフィルタモジュール5のトリガーが、障害(failure)展開デバイス6の出力信号61を用いて、自動化されたダメージカバーリングシステム7を作動させるということである。
図5図5は、一連のステップを模式的に示したダイヤグラムである。図5は、典型的なシステムを示しており、例えば、(閉鎖期間におけるトリガーより大きいキャンセルされたフライトの数)/(期間中に計画されていたフライトの数)に基づいて、空港閉鎖がトリガー閾値より大きい場合に、自動化された支払が開始される。
図6図6は、(保険に入った航空会社の)計画されたフライトの19.2%がキャンセルされた場合のイベントの時系列を模式的示したダイヤグラムである。キャンセルされたフライトの数は、出力信号61を導くことができ、関連するシステム1に係る絶対的カバーリング閾値の1億米ドルの制限から、19.2ミリオンドルの自動化された支払の保障を開始する。図6は、壊滅的な噴火イベントの進行によってトリガーされる閾値を示している。
図7図7は、根本的な可能性見積りの典型を模式的に示したダイヤグラムである。図7は、10日より長い、つまり、10日間以上の空域閉鎖に係るイベントに対する見積りを示している。図7に係る例は、6日間の火山灰雲による2010年のEU全域の閉鎖に基づいている。
図8図8は、根本的な可能性見積りの典型を模式的に示したダイヤグラムである。図8は、2日より長い、つまり、2日間以上の空域閉鎖に係るイベントに対する見積りを示している。図8は、16日間の空港閉鎖をもたらした2005年にニューオリンズ(New Orleans)を襲ったハリケーン及び5日間の空港閉鎖をもたらした2005年にフォートローダレール(Ft.Lauderdale)を襲ったハリケーンの例に基づいている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これから、本発明の実施例について詳細に参照される。実施例は、添付の図面に説明されている。
【0013】
図1において、参照番号1は本発明に従った自己充足的なリソースプールシステムであり、参照番号2はコアエンジンであり、参照番号3は受信器モジュールであり、参照番号4はトリガーモジュールであり、参照番号5は好適に具現されたフィルタモジュールであり、参照番号6は技術的出力又は動作化信号を生成する障害展開デバイスであり、参照番号7は出力信号によってオペレーション又は操縦される自動化された、または自動的に動作可能なダメージカバーリングシステムを示している。システム1は、自然災害、パンデミック、または、テロ活動の結果としての航空機団81−84の切迫した着陸またはダメージを技術的に回避する。プールされたリソースとリスクに基づいて、航空機団81−84の損失保障を提供することによるものである。空港を閉鎖に導き得る自然災害は、全ての可能な壊滅的イベントを含んでいる。それらは、例えば、大気条件(例:火山灰)、気象条件(例:洪水、地震、嵐、風、雨)、及び/又は、地震性条件(例:地震)に基づいて測定可能なものである。しかしながら、特定な実施例の変形において、システム1は、また、暴動、ストライキ、戦争、パンデミックイベント、および、機器/装置の障害(例えば、GPS動作不能状態)にも、割り当てることができる。図2は、米国西海岸空域の可能性のある閉鎖に係る統合エクスポージャの例を模式的に示したダイヤグラムである。米国西海岸空域および7つの主要空港の7日間の閉鎖は、選択された航空会社に対して計画されたフライトの19.2%に影響する。以下の表1は、影響を受ける空港と閉鎖を示している。
【表1】
【0014】
さらに、図3は、北西ヨーロッパ空域の可能性のある閉鎖に係る統合エクスポージャの例を模式的に示したダイヤグラムである。北西ヨーロッパ空域および7つの主要空港の7日間の閉鎖は、選択された航空会社に対して計画されたフライトの17.9%に影響する。以下の表2は、影響を受ける空港と閉鎖を示している。
【表2】
【0015】
システム1は、プールされたリスクにさらされる航空機団81、・・・、84に係る送信された飛行計画パラメータ102、202を受信するためのキャプチャ手段を含んでいる。飛行計画パラメータ102、202は、空港(91、・・・、94)の識別子とパラメータを少なくとも含むべきであり、所定の航空機団81、・・・、84の航空機に係るアプローチ及び/又は着陸及び/又は離陸の頻度を判断することができる。しかしながら、飛行計画パラメータは、一般的に、一式の測定可能なファクタであり、所定の航空機団81、・・・、84のオペレーションを判断することができ、その航空機の計画された行為を決定する。上述のように、空港に係るアプローチ及び/又は着陸及び/又は離陸の指標といったものである。飛行計画パラメータは、また、おそらく以下のフライトパラメータも含んでいる。分解能(GSD)、長手方向のオーバーラップ度合(xp)、側の長手方向のオーバーラップ度合(q)、所定の領域に対する上空侵犯(overflight)パラメータ、4次元(時間関連)の航空機軌道の予測または計画のための関連するパラメータを含む航空交通管制(ATC)決定サポートツールに係るパラメータ、リンクされた航空機の状態データ、予測される天候状態データ及び/又はあらゆるフライトインテントデータ(intent data)及び/又はアプローチと着陸システムまたは地上管制システムに関するパラメータ、である。
【0016】
フィルタモジュールを使用して、送信された飛行計画パラメータ102、202は、空港識別子に対してフィルタされる。識別子は、対応するプールされたリスクにさらされる航空機団81、・・・、84に係る飛来される空港91、・・・、94を示している。さらに、フィルタされ検出された空港91、・・・、94は、選択可能なトリガーテーブル103、203のテーブルエレメント101、102に保管される。トリガーテーブルは、フィルタされた空港識別子1012、2012を使用して、航空機団がさらされるプールされたリスクに対応する航空機団識別子に割り当てられたものである。さらに、また、頻度または上空侵犯パラメータは、適切にフィルタされ、対応するテーブルエレメント101、102に保管され得る。変形において、システム1は、プールされた航空機団81、・・・、84それぞれに対する選択可能なトリガーテーブル103/203を含み得る。航空機団81、・・・、84の飛行計画102、202に対して割り当てられたものである。選択可能なハッシュテーブル103/203は、テーブルエレメント101/201を含んでいる。それぞれのテーブルエレメント101/201は、空港91、・・・、94の運行可能なパラメータを含んでいる。テーブルエレメント101/201によってカバーされる空港91、・・・、94は、航空機団81、・・・、84の飛行計画102/202に従って、航空機団81、・・・、84の航空機によって飛来される空港91、・・・、94である。
【0017】
本発明のシステム1について、飛行計画102/202に係る空港91、・・・、94への飛来のそれぞれにおいて、少なくとも一つの基地局911、・・・、914が位置している。基地局911、・・・、914は、通信ネットワーク50/51を介して、システム1のコアエンジン2にリンクされている。基地局911、・・・、914は、例えば、航空機団81、・・・、84のオペレータの技術的システムに係る航空システム部分の一部であってよい。オペレータは、航空会社、または、航空貨物/航空輸送会社といったものであり、しかし、アエバス社またはボーイング社等といった、航空機製造会社、もしくは、空港91、・・・、94のフライトシステムのフライトモニタリングサービス、であってもよい。航空機団81、・・・、84の航空機は、例えば、航空輸送及び/又は乗客輸送のための航空機、及び/又は、ツェッペリンといった、飛行船、または、シャトル、もしくは、宇宙旅行のための他の飛行手段であってよい。航空機団81、・・・、84は、モータ駆動の飛行手段および非モータ駆動の飛行手段を含んでよい。特にはグライダー、パワーグライダー、ハングライダー等である。
【0018】
システム1は、トリガーモジュール4を含んでおり、保管されたトリガーテーブル103、203の空港識別子に基づいて、飛来される空港91、・・・、94における基地局911、・・・、914の空港データフロー経路上で動的にトリガーする。選択されたトリガーテーブル103、203の中に含まれる空港91、・・・、94のうち一つの空港閉鎖の発生に係るトリガーの場合、空港閉鎖に係る時間間隔パラメータ1011、2011を少なくとも含んでいるトリガーされた空港91、・・・、94の動作パラメータは、関連する空港識別子1012、2012の対応するテーブルエレメント101、201に保管され割り当てられる。空港91、・・・、94は、例えば、通信ネットワーク50、51を介してコアエンジン2にリンクされてよく、トリガーモジュール4は、通信ネットワーク50、51を介して基地局911、・・・、914の空港データフロー経路上を動的にトリガーしている。選択されたトリガーテーブル103、203のテーブルエレメント101、201に割り当てられた空港91、・・・、94のうち一つの空港閉鎖係るそれぞれのトリガーされた発生に対して、空港閉鎖に係る割り当てられた動作パラメータが、自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントデータと適合される。コアエンジン2を使用して、空港閉鎖を、自然災害イベントの検索可能なテーブルの中に含まれる自然災害イベントの発生と関連付けるためである。
【0019】
自然災害イベントの既定の検索可能なテーブルは、リソースプールシステム1に移転された既定のリスクのそれぞれに対するテーブルエレメントを含んでいる。特に、これらのリスクは、例えば、火山噴火または地震、等の自然災害イベントを定めており、発生リスクがリソースプールシステム1に移転されている。リソースプールシステム1は、さらに、そうした自然災害イベントの発生を動的に検出し、かつ、対応するリスクのテーブルエレメントにおいて適切な指標フラグを設定するための手段を含んでいる。関連する自然災害イベントデータを保管すること、及び/又は、少なくとも発生時間及び/又は自然災害イベントに影響される領域を示すパラメータを測定すること、を伴うものである。そうした自然災害イベントの発生を動的に検出するための手段は、例えば、適切な早期警告システム及び/又は空域測定と観察システムにアクセスするためのインターフェイスを含み得る。または、システム1が、適切なセンサまたは測定デバイスに直接的に接続されてもよく、そうした自然災害イベントの発生を検出できる。
【0020】
そうして、空港閉鎖と検知された自然災害イベントの発生との間の関係がコアエンジン2によって確立され得る場合、トリガーされた空港閉鎖の空港識別子1012、2012に係るリスクにさらされる割り当てられた航空機団81、・・・、84に対して、コアエンジン2を使用して、対応するトリガーフラグが設定される。トリガーフラグに基づいて、リソースプールシステムは、この対応するトリガーフラグに対して支払いのパラメトリックな移転を割り当てる。ここでは、トリガーされた空港閉鎖に関連する損失が、イベントシステム1によって明確にカバーされる。それぞれのトリガーフラグ、および、リソースプールシステム1から対応するリスクにさらされる航空機団81、・・・、84へのパラメトリックな移転による、プールされたリスクにさらされる航空機団81、・・・、84から受け取り、かつ、保管された支払パラメータ、に基づくものである。
【0021】
実施例の変形として、コアエンジン2の受信器3またはレシーバユニット3は、通信ネットワークインターフェイス31を介して、検出デバイス4からの送信を受け取る。送信は、少なくとも、空港閉鎖の時間間隔パラメータ1011/2011と空港識別子1012/2012に関するパラメータを少なくとも含んでいる。時間間隔パラメータ1011/2011は、空港識別子1012/2012に基づいて、好適なテーブルエレメント101/201に係る動作パラメータに対して保管される。”好適な”
テーブルエレメント101/201はテーブルエレメントであり、空港識別子1012/2012によって参照される、この空港91、・・・、94の保管されたパラメータを含んでいる。送信は、また、さらなるパラメータを含んでよい。例えば、パラメータは、また、所定の空港91、・・・、94に置かれている時間における航空機のログ(log)パラメータ、例えば、フライト計測システム(FMS)、及び/又は、慣性航法システム(INS)、及び/又は、航空機のフライバイワイヤ(fly−by−wire)センサ及び/又は飛行モニタリング装置に係るパラメータの測定された値であり、それによって、自動的に空港閉鎖を検出、または、検証している。送信は、単方向または双方向のエンドツーエンドデータ、及び/又は、マルチメディアストリームベースの送信を含んでよい。例えば、例としてIPネットワークのようなパケット交換通信ネットワークを介して、または、好適なプロトコルを使用する回線交換通信ネットワークを介したものである。受信器3の通信ネットワークインターフェイス31は、一つまたはそれ以上の異なる物理的ネットワークインターフェイスまたは層によって実現され得るものであり、いくつかの異なるネットワーク規格をサポートし得る。例として、受信器3の通信ネットワークインターフェイス31のこの物理層は、以下のための非接触インターフェイスを含んでよい。すなわち、WLAN(Wireless Local Area Network)、ブルートゥース(登録商標)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communication)、GPRS(Generalized Packet Radio Service)、USSD(Unstructured Supplementary Service Data)、EDGE(Enhanced Data Rataes for GSM Evoluation)、または、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等、である。これらは、また、イーサネット(登録商標)、ト−クンリング、または、別の無線LAN(Local Area Network)のための物理的インターフェイスであってよい。参照シンボル50/51は、従って、種々の通信ネットワークを含んでよい。例えば、無線LAN(IEEE802.1×に基づくもの)、ブルーツゥースネットワーク、有線LAN(イーサネットまたはトークンリング)または、モバイルラジオネットワーク(GSM、UMTS、等)、または、PSTNネットワーク、である。上述のように、通信ネットワークインターフェイス31の物理ネットワーク層は、ネットワークプロトコルによって直接的に使用されるような、パケット交換インターフェイスだけでなく、回線交換インターフェイスであってもよい。データ通信のための、PPP(Point とPoint Protocol)、SLIP(Serial Line Internal Protocol)またはGPRS(Generalized Packet Radio Service)といった、プロトコルを用いて使用され得るものである。
【0022】
加えて、受信器3または通信ネットワークインターフェイス31は、識別モジュールを含み得る。地上局911、・・・、914、または、航空機団81、・・・、84、または航空機団オペレータの中央処理装置も同様であり、レシーバ装置3も通信ネットワークインターフェイス31を介してコアエンジン2に接続されている。受信器3に関して、この識別モジュールは、ハードウェアにおいて、または、少なくとも部分的にソフトウェアにおいて実施されてよく、接触ベースまたは非接触の通信ネットワークインターフェイス31を用いて受信器3に接続されるか、または、受信器3の中に統合され得る。他に言及された通信ネットワークインターフェイスに対しても同様で真実である。ネットワーク通信インターフェイスは、関連するシステム間、または、航空機団81、・・・、84の処理装置間、または、航空機団オペレーション間を接続しているからである。特に、識別モジュールは、GSM規格から知られているように、SIMカードの形式であってよい。この識別モジュールは、特に、認証データを含むことができる。ネットワーク50/51における関連するデバイスを認証するために適切なデータである。こうした認証データは、特には、以下のものを含んでよい。IMSI(International Mobile Subscriber Indentifier)及び/又はTMSI(Temporary Mobile Subscriber Indentifier)及び/又はLAI(Location Area Identity)等であり、GSM規格に基づくものである。そうした識別モジュールの追加的な実施と共に、システム1は、障害展開デバイス6を用いて出力信号61を生成して送信すること、および、自動化された損失カバーリングシステム7を用いたカバーリングを含んで、完全に自動化することができる。
【0023】
リソースプールシステム1は、例えば、コアエンジン2に係る追加のフィルタモジュール5を含んでよく、選択可能なトリガーテーブル103、203に基づいて、送信された時間間隔パラメータ1011、2011を用いて時間ベースのスタックを動的に増加する。増加されたスタック値にトリガーされて、閾値に達した場合、フィルタモジュール5を使用して、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の割り当てを動作化する。
【0024】
さらなる実施例の変形として、例えば、対応するトリガーフラグに対する支払いのパラメトリックな移転の割り当ては、空港閉鎖に割り当てられた空港識別子の定義可能な最小数量を送信が含んでおり、従って飛行計画に係る閉鎖された空港の黙示の地理的な拡がりを創造している場合にだけ、動作化されてよい。増加されたスタック値にトリガーされて、閾値は、例えば、5日間以上かつ10日間以下に設定され得る。
【0025】
望ましくは、リスクプールシステム1は、さらに、アセンブリモジュールを含むように具現化され、リスク関連の航空機団データを処理し、かつ、リスク関連の航空機団データに基づいて、プールされた航空機団41、・・・、44にリスクエクスポージャ(exposure)の可能性を提供することができる。この変形において、航空機団41、・・・、44は、リスクのプールのためにプールされた航空機団41、・・・、44から支払いを受け取り、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、リソースプールシステムに接続され得る。そこでは、所定の航空機団41、・・・、44のリスクエクスポージャの可能性に基づいて、支払いが自動的に調整される。最終的に、コアエンジン2のフィルタモジュール5は、また、トリガーモジュール4からの送信が適用可能な第三者によって引き起こされた場合にトリガーする追加のトリガーデバイスを含んでよい。ここで、パラメータの送信は、空港閉鎖の時間間隔パラメータ1011、2011および空港識別子1012、2012を含む。空港閉鎖が第三者に引き起こされた場合は、送信された時間間隔パラメータ1011、2011を用いてスタックを動的に増加させ、一方、そうでなければ、スタックを増加することはできない。つまり、スタックは変化のないままである。
【0026】
表3から表6は、リソースプールシステムによって開始される、そうした支払いのパラメトリックな移転に係る一つの実施例を示している。プールされたリソースおよびリスクに基づくものである。。表3から表6は、システム1の一つのセットアップ上でカバーされるものとして読み取られることを要する。
【表3】


【表4】

【表5】

【表6】
【0027】
上述の実施例の変形において、一方向性または双方向性のユニキャストもしくはマルチキャパシタウェイクとのエンドツーエンドデータに対する関連の識別モジュールと共に通信ネットワークインターフェイスを登録するために、リソースプールシステム1は、例えば、接触ベースまたは非接触の通信ネットワークインターフェイス31を介してコアエンジン2から一つまたはそれ以上の通信ネットワークインターフェイスに対してデータリンクを要求するリクエストを使用して、登録ユニットを伴うネットワークノードを登録することを含み得る。原則として、ポイントツーポイント接続(ユニキャスト)は、ポイントツーポイントから2つのネットワークインターフェイス間での全ての直接的な接続を意味することを意図している。これは、ポイントツーポイント接続とエンドツーエンド接続の両方をカバーするものである。システム1の実施例において、ポイントツーポイント接続は、また、実際のスイッチング中間ユニットなしでも動作し得る。インターフェイスは、より低いネットワーク層(OSIモデルの1から3)における通信をカバーし得る。エンドツーエンド接続は、また、より高いネットワーク層(OSIモデルの4から7)上の全ての接続もカバーし得る。エンドツーエンド通信の場合、本発明に従った送信のために、中間ステーションも、また、使用され得る。マルチキャストベースの送信に係る実施例の変形において、マルチキャストは、グループでのデータ送信(マルチポイント接続)を示している。従って、システム1においては、受信器3の通信ネットワークインターフェイス31とプールされた航空機団81、・・・、84に係る関連する航空システムとの間の専用送信ために、好適なマルチキャストセッティングを使用することができる。
【0028】
接続された通信ネットワークインターフェイスまたはプールされた航空機団81、・・・、84、それぞれに、受信器3が、IMSIを保管するために、例えばSIMカードとして、識別モジュールを含んでいる実施例の変形において、インターフェイスまたはプールされた航空機団81、・・・、84は、また、例えばシステム1の登録モジュールに対して、リクエストによってIMSIを送信するための手段を含んでいる。そうして、IMSIは、登録モジュールの好適なユーザデータベースに保管され得る。識別を認証するために、登録モジュールは、例えば、拡張可能認証プロトコルを使用することができる。ロケーションレジスタを使用しているGSMベースの認証の場合、システム1は、また、ロジカルIPデータチャンネルを補足するための好適な信号ゲートウェイモジュールを含み得る。そうしたロケーションレジスタに対して、信号とGSMネットワークにおけるデータチャンネルを形成するためである。必要なSS7/MAP機能を生成するために、MAPゲートウェイモジュールが使用され得る。インターフェイス、または、むしろ、対応する識別モジュールに保管されている送信された識別を認証するためである。登録モジュールは、例えばロケーションーレジスタの、ユーザデータベース、および、SIMカードのIMSIに基づいた信号ゲートウェイモジュールを使用している、少なくとも一つの通信ネットワークインターフェイスを認証する。成功した認証が登録モジュールのユーザデータベースの中に保管されると、好適なエントリーが保管され、及び/又は、一つまたはそれ以上の通信ネットワークインターフェイスに対するデータリンクが、例えば受信器3及び/又はコアエンジン2を用いて、設定され得る。
【0029】
コアエンジン2のフィルタモジュール5は、ハッシュテーブル103/203に基づいて、送信された時間間隔パラメータ1011/2011を用いて、スタックを動的に増加させる。つまり、ハッシュテーブル103/203に係る保管されたパラメータからパラメータを取得することによるものである。増加されたスタック値にトリガーされて、閾値に達した場合は、フィルタモジュール5が、障害展開デバイス6を動作化する。増加されたスタック値にトリガーされて、閾値は、5日間以上で10日間以下に望ましくは設定され得る。しかしながら、閾値は、また、黙示的に生じた値に係る航空機団41、・・・、44の測定値に基づいて、動的に適合され得るものでもある。実施例の変形において、イベントの開始点は、それはまた新たなスタックを増やすための開始点でもあるが、第1の当局(authority)が発する一つの所定のイベントに対する空域閉鎖のインストラクションに基づいても、トリガーされ得る。大きなイベントにおいては、異なるロケーションを拠点とする当局が、同一のイベントに基づいて同様なインストラクションを発する可能性が大いにある。イベントの終了点は、それはまたイベントに関する所定のスタックの増加も終了するが、例えば、自身の空域を再開した最後の当局によってトリガーされ得る。中間期、このイベントについてあらゆるロケーションにおいて空域が閉鎖されていないもの、は測定されない。
【0030】
システム1は、さらなる境界条件に対して容易に適合可能である。自然災害に対して、そうした条件は追加的なトリガー閾値を含み得る。例えば、空港の真下または近くで起きるマグニチュード7を超える地震の場合である。火山噴火に関しては、噴火のパラメータ測定に対してトリガーが設定される場合は、風の状況も考慮する必要がある。例えば、ヨーロッパで最も活動が盛んなアイスランドの火山について、風は、その時点のたった6%の雲をヨーロッパに向かって吹きつける。さらに、実施例の変形において、システム1は、例えば、長期の空港閉鎖の場合のような、特殊な場合もカバーする。空域閉鎖に代わる空港91、・・・、94の長期閉鎖は、乗り換え便または代替分を結果として生じる(例えば、ミュンヘン空港が6か月閉鎖され、インスブルックとザルツブルグ空港が「代替」空港として使用される)。そして、日割り計算を含まなくても、含んでもよい。システム1の好適な動作パラメータを設定することによるものである。空域閉鎖は、現地の当局が、空域を閉鎖するようにインストラクションを発するものとして定義され得る。地震または大洪水の場合、空域の代わりに、当局は一つまたはそれ以上の空港91、・・・、94をおそらく閉鎖する。システム1によって同様に扱うことができると考えられる保障に対するものである。小さい空域は、所定のサイズより小さいもの、例えば、非常に小さい空港/空域によるカバーのトリガーを回避するために、定義から排除されてもよい。システム1のコアエンジン2、受信器3または電子受信器モジュール、トリガーモジュール4、フィルタモジュール5、出力又は動作化信号を生成する障害展開デバイス6、及び/又は、自動化され又は自動的に動作可能なダメージカバーリングシステム7、を操縦し、かつ、コントロールするためのコンピュータプログラム製品として保管されているシステム1のあらゆるコンピュータプログラムコードは、例えばJava(登録商標、Javaはサンマイクロシステムズの登録商標)といった、あらゆるプログラム言語でプログラムされたソフトウェアモジュールとして具現化され、かつ、マイクロソフトのExcelといった従来のスプレッドシートアプリケーションに対する一つまたはそれ以上のスクリプトモジュールを含んでもよい。以降の段落においては、また、処理装置2がコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品によってコントロール又は操縦される場合にシステム1によって実行されるソフトウェアベースの種々の機能を、当業者が部分的または全体として理解できるように図1に関して説明される。しかしながら、当業者であれば、また、これら全ての機能は、ハードウェアベースのみでも実現することができ、速度、安定性、等といった関連する技術的な利点を達成することを理解する。
【0031】
障害展開デバイス6を用いた実施例の変形において、フィルタモジュール5によって障害展開デバイス6が開始された場合、障害展開デバイス6は、例えば、出力信号61を生成することができ、空港閉鎖に係る時間間隔の少なくとも一部について空港91、・・・、94の中断保障を提供する。自動化されたダメージカバーリングシステム7によるものである。生成された出力信号61は、通信ネットワーク50/51を介して障害展開デバイス6からダメージカバーリングシステム7へ、または、信号接続によって直接的に、送信され得る。自動化されたダメージカバーリングシステム7が、マネタリーベースである場合、自動化されたダメージカバーリングシステム7の容量は、あらゆる定義可能な値に設定され得る。例えば、10億(1billion)米ドルは、全体で12か月の期間を保障する。システムの範囲は、主要な航空会社に対する1億米ドルの10個のポリシまで含み得る。しかしながら、他の範囲もまた想定可能である。ここにおけるポリシは、技術的観点からは、ダメージカバーリングシステム7等により、好適な通信接続、データベースエントリ、信号条件、および、カバー、を作成することによって、対応する航空機団81、・・・、84がシステム1に割り当てられることを意味する。しかしながら、自動化されたダメージカバーリングシステム7は、必ずしもマネタリーベースでなくてもよく、例えば物理的な警告手段、のようなカバーリングのための他の手段を含んでよく、または、壊滅的なイベントにより起こり得るダメージに対して航空機団81、・・・、84をリカバーするための他の手段を含んでもよい。システムは、既定のルールを使用した動的または自動化された保険料設定(pricing)を含んでよい。例えば、10日間の待機期間を伴うWAP、7日間の延長を伴うMFP3%RoLとして、オンラインで3%料率を使用するようにである。選択された航空機団81、・・・、84は、所定の領域に制限され得る。つまり、領域的に、米国(US)、ヨーロッパ、アジアまで拡がるか、または、航空機団81、・・・、84に係る起こり得るワールドワイドなアサイメントの領域まで無制限である。一つの実施例の変形においては、例えば、定義可能な最小数量の空港閉鎖している空港の識別子を送信が含んでいる場合にだけ、出力信号が生成されてよい。そうした定義可能な最小数量は、飛行計画に係る閉鎖された空港の地形的な拡がりにおける最小サイズにより作成され得る。そのため、所定の航空機団41、・・・、44の飛行計画102/202に影響を受ける最少の空港91、・・・、94に対する最小閾値として機能し得る。この最小閾値は、また、所定の航空機団41、・・・、44とは独立に設定され得る。所定の自然災害イベント、テロ活動、及び/又は、他の壊滅的なイベントによりクロースされる航空機団41、・・・、44の数を単純にトリガーするものである。出力信号は、定義可能な保障の上限を伴う、航空機団41、・・・、44の動的に大きさを変更できるダメージカバーリングのためのシステム1を用いて自動的に生成され得る。保障の上限は、例えば、1億米ドル以下に設定され得る。障害展開デバイス6を用いて生成された出力信号61は、キャンセルされたフライトの数量に比例して計算され生成される。または、例えば、キャンセルされたフライトの数量/空域が閉鎖された期間に対してスケジュールされたフライトの数量、掛ける、上限、によって生成され得る。しかしながら、当業者であれば、これらは単なる実施例であり、システム1は、他のオペレーションの必要性に対して容易に適合され得ることを理解している。
【0032】
所定の実施例の変形において、自動的な障害除去のための障害展開デバイスは、また、空港閉鎖が例えばセンサによって検出された場合に、グループステーション911、・・・、914のスイッチングデバイスを用いて直接的に起動され得る。自動化されたダメージカバーリングシステム7及び/又は障害展開デバイス6は、所定のいくつかの場合において、例えば、自動化された緊急および警告信号デバイスを含んでよい。デバイスは、マネタリーベースの送信モジュールを伴っても伴わなくてもよい。例えば、空港閉鎖を検出するための少なくともいくつかの場合においては、専用のセンサまたは測定デバイスが、空港91、・・・、94及び/又は地上局911、・・・、914及び/又は滑走路に係る空港システムの中に統合され得る。障害展開デバイス6は、例えば、影響を受ける航空機団81、・・・、84における直接の介入(intervention)のためのデバイスまたはシステムをチェックし、または、警告する。または、対応する障害の検出によって影響を受ける航空機団81、・・・、84の運航者に対してである。もちろん、複数の航空機団81、・・・、84は、航空システム1によって同時に影響され、または、保障され得る。
【0033】
さらに、実施例の変形の一つとして、自動化されたダメージまたは損失カバーリングシステム7は、システム1に統合されたリソースプール(resource−pooling)システムを用いて具現化され得る。リソースプールシステムを使用して、航空機団41、・・・、44及び/又は航空機運航者の可変的な数量に対するフライト中断リスクを共有することができる。一方、システム1は、リソースプールシステムを使用して、航空機団41、・・・、44及び/又は航空機運航者のリスクエクスポージャ(exposure)に対する自己充足的なリスク保護を提供する。リスクプールシステムは、例えば、リスク関連の航空機団データを処理し、かつ、リスク関連の航空機団データに基づいて、プールされた航空機団41、・・・、44にリスクエクスポージャの可能性を提供するためのアセンブリモジュールを少なくとも一つ有することによって技術的に具現化され得る。この実施例の変形において、プールされた航空機団41、・・・、44は、リスクのプールのための航空機団41、・・・、44からの支払いを受け取り、保管するように構成されている複数の支払受取りモジュールを用いて、リソースプールシステムに接続され得る。そこでは、所定の航空機団41、・・・、44のリスクエクスポージャの可能性に基づいて、支払いが自動的に調整される。
【0034】
一つの実施例の変形において、プールされた航空機団81、・・・、84の可変的な数量は、システム1によって、ある範囲に自己適合可能である。範囲は、システム1によって保証される共変でない(not−covariant)発生リスクが、所与の時間において航空機団81、・・・、84に係る全体的にプールされたリスクエクスポージャの比較的に小さな割合にだけ影響するところである。変形において、システム1は、例えば、さらに、システム1にリンクされた金融商品に対する第三者である投資家からの元本の支払いを受け取り、保管するように構成されている支払受取りモジュール、および、第三者の投資家に対するボーナス支払いと、損失発生頻度が低いおかげでプールされた航空機団81、・・・、84のプールされたリソースが既定の閾値を超える場合の投資家に対する利子支払いの戻しとを決定するように構成されている支払いモジュールを含んでいる。
【0035】
フィルタモジュール5は、統合されたオシレータを含んでよい。オシレータを使用して、参照周波数を有する電気的クロック信号が生成され得る。フィルタモジュール5は、クロック信号に基づいて、選択可能なハッシュテーブル103/203に係るテーブルエレメント101/201を定期的にフィルタすることができる。そして、空港91、・・・、94の検出された閉鎖に基づいてフィルタモジュール5を用いて動的に、または、部分的に動的に、スタック(stack)が決定され得る。
【0036】
発明的なシステム1は、組織的なリスクまたはモラルハザード(moral hazard)に対して耐性があるように容易に具現化され得る、ことに留意すべきである。例えば、航空機団81、・・・、84及び/又は所定の領域内の空港の大部分が、本発明に従ってシステム1にプールされた場合、総合的なシステム障害は損失を統合し得るもので、システム1の自己充足的なオペレーションを削減することができる。航空会社による航空機団81、・・・、84のオペレーションは、スケジューリング、航空機の配置、人事およびリソースの密集したウェブ(web)であり、航空機団81、・・・、84のそれぞれに、フライトがキャンセルされたり、または、様々な理由によって航空機が地上に留まる必要がある場合に、航空会社は、いつも所定の財政的なインパクトを受ける。従って、航空機団にとって最悪のインパクトは、数時間または数日の機能停止後のネットワーク全体の崩壊である。航空機は再配置され、長時間勤務または間違ったロケーションのせいで乗務員は交換され、毎週のメインテナンスは再スケジュールされなければならない。利用されるフライトが少ない(負荷率が低い)場合でさえも、経済的な理由からフライトをキャンセルすることは道理にかなったものであろうが、ネットワークにおいて結果として生じる崩壊は、様々なコストを少し節約するゲインより、ずっと大きいものである。これらの多くの理由のうち、モラルハザードの可能性は、つまり航空機団が自身のひどいビジネスを補償するためにシステムの保障を悪用することを意味しているが、非常に低い。さらに、システム1のオペレーションに対する組織的なリスクは、例えば、以下の脅威であり得る。(i)航空機の墜落:システムは実体を欠くイベントだけを保障するように具現化され得るにもかかわらず、単独の航空機の墜落は典型的には多くのフライトのキャンセルを結果として生じるものではない。(ii)航空機の故障:機械的な原因による航空機の故障は頻繁に発生する。しかしながら、これらの場合に対して、航空機団81、・・・、84のそれぞれに、航空会社は、典型的におびただしい経営問題と風評問題に直面するが、金銭的に解決され得るものである。従って、航空機団運航者は、フライトのオペレーションよりも損害を保障するために割り当てられたシステム1を誤用することに、通常は高い関心を持っている。(iii)核リスク(nuclear risk):核リスクは、システム1を適切に設定することで排除し得る。加えて、航空機団81、・・・、84は、航空輸送にインパクトが非常に限定されているので、短期間だけ影響のある領域におけるフライトをキャンセルするだろう。(iv)低い需要:所定のルートに対して需要が低いことは、システム1の誤用の可能性になり得る。しかしながら、航空機団運航者には戻り航程の航空機が必要であるため、一般的に航空機団運航者は、需要が低いせいで単独のフライトをキャンセルしないであろう。ルートが他のルートによって代替された場合、スケジュールされたフライトの全体数量は変化しない。(v)着陸:現地の当局は、航空機団81、・・・、84に係る固有の設計ミスまたは不完全なメインテナンスのせいで、航空機団81、・・・、84全体を強制的に着陸させることができる。このことは、航空機団運航者によって影響され、かつ、キャンセルされるフライトの数量に大きな影響を有し得るので、システムは、例えば、そうしたイベントを保障から除外するようにデザインすることができる。(vi)天候:天候によるキャンセルは、キャンセルに係る最も一般的な理由であり、最も大きなインパクトを伴うものである。航空機団運航者または空港運営者は、これらのインパクトに影響することはできない。従って、システム1のオペレーションは、例えば、自然災害の頻度及び/又は重大度に対して適切に条件パラメータを設定することによって保障され得る。(vii)ストライキ:航空機団運航者または空港の従業員によるストライキは、2番目に高いリスクであり、フライトスケジュールに強力なインパクトを伴うものである。しかしながら、経営および風評問題のせいで、あらゆるストライキを回避する要求は典型的に大きい。システム1による保障を用いて、間違って救済を請求することによってシステム1を誤用するインセンティブより大きいものである。(viii)ATC:管理者が、残りのフライトを安全に調整するために、短い期間の最中にフライトの引用を引き起こした場合に、ATCによるキャンセルが発生する。このことは、また、航空機団運航者または空港運営者の管理外にあるが、一般的に、キャンセルの総数量と、従って、システム1のオペレーションに対するインパクトは小さいものである。(ix)債務超過および戦争/テロ:債務超過は、航空機団運航者にとって最大の脅威であるが、完全に管理の下にある。従って、リソースプールシステム1の具現化にとって、適切な境界条件パラメータを設定することによる免責が不可欠であり得る。戦争とテロは、もう一つの脅威である。こちらも、適切な境界条件パラメータを設定することにより免責され得る。
【0037】
追加的な詐欺行為防止が達成され得る。コアエンジン2のフィルタモジュール5が、検出デバイス4からの送信が適用可能な第三者によって引き起こされた場合にトリガーする追加のトリガーデバイスを含むことによるものである。一方、空港閉鎖が第三者に引き起こされた場合は、送信された時間間隔パラメータ1011、2011を用いてスタックを動的に増加させる。そうでなければ、スタックは変化しないままである。つまり、スタックの増加は不要である。第三者に引き起こされた、つまり、適用可能な第三者によって引き起こされたとは、国の一機関の介入に基づいて空港が閉鎖されることを意味する。例えば、公式航空当局、警察、または、軍隊による介入である。一般的に、追加のトリガーデバイスは、また、例えば、空港閉鎖が自ら招いたものではなく、外部効果(例えば、空域の完全閉鎖)、当局、等によってそれぞれに引き起こされた場合にもトリガーすることができる。それらは、空港運営者の管理の下に無いものである。適用可能とは、トリガーデバイスを用いてトリガーされる第三者が、システム変数としてか既定のパラメータとしてのいずれか、または、パラメータとして定義可能であることを意味する。パラメータは、システムによって、例えば、リクエストまたは定期的にネットワークを通じて適切なデータサーバーからアクセスされ得るものである。この実施例の変形は、特に、空港運営者による可能性のある詐欺行為または恣意的行為に対してシステムが安定になることで有利である。
【符号の説明】
【0038】
1 自己充足的なリソースプールシステム
101、102 テーブルエレメント
1011、2011 空港閉鎖の時間間隔パラメータ
1012.2012 空港識別子
102、202 飛行計画パラメータ
103、203 選択可能なトリガーテーブル
2 コアエンジン
3 受信器
31 通信ネットワークインターフェイス
4 トリガーモジュール
5 フィルタモジュール
6 障害展開デバイス
61 出力信号
7 自動化されたダメージカバーリングシステム
50、51 通信ネットワーク
81、・・・、84 航空機団
91、・・・、94 空港
911、・・・、914 地上局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8