特許第6092430号(P6092430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092430
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】深さ調節が可能なカップホルダー
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   B60N3/10 A
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-558337(P2015-558337)
(86)(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公表番号】特表2016-508918(P2016-508918A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】CN2014071730
(87)【国際公開番号】WO2014127700
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2015年8月21日
(31)【優先権主張番号】201310055931.7
(32)【優先日】2013年2月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515228999
【氏名又は名称】シャンハイ ヤンフェン ジョンソン コントロールズ シーティング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI YANFENG JOHNSON CONTROLS SEATING CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シェン, リュイ
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−147139(JP,U)
【文献】 特開平08−103341(JP,A)
【文献】 特開平05−238300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの収納孔を備えるカップホルダーベースと、
前記カップホルダーベースの収納孔に固定された固定カップホルダーと、
前記固定カップホルダーを移動可能に覆い、前記固定カップホルダーの周りを回転して昇降可能な可動カップホルダーを有し、
前記可動カップホルダーが昇降することで、前記可動カップホルダーの内部空洞および前記固定カップホルダーの内部空洞が協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔を形成し、
前記固定カップホルダーおよび前記可動カップホルダーはいずれもカップ壁を備え、前記可動カップホルダーのカップ壁は、前記収納孔のカップ壁と前記固定カップホルダーのカップ壁の間に挿入され、
前記固定カップホルダーのカップ壁の外面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、
前記可動カップホルダーのカップ壁の内面には、前記昇降螺旋突条を垂直に挟持し、前記昇降螺旋突条と協働して前記可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、
前記可動カップホルダーが前記固定カップホルダーの周りを回転するとき、前記一対のガイドブロックが前記昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドし、前記可動カップホルダーを昇降駆動させ、
前記一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備えることを特徴とする深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項2】
前記上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックは、水平投影面および垂直投影面において相互にずらして配設されており、前記昇降螺旋突条は、前記上部ガイドブロックと下部ガイドブロックの間を通過することを特徴とする請求項に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項3】
前記昇降螺旋突条の上端部は、前記固定カップホルダーの開口部で終結し、前記昇降螺旋突条の下端部は、前記固定カップホルダーの底部で終結することを特徴とする請求項に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項4】
前記固定カップホルダーの開口部の周縁には、前記固定カップホルダーの外径よりも大きな直径を有する第1カップ縁が設置され、
前記昇降螺旋突条の上端部は、前記第1カップ縁に平行な第1直線突条部であり、
前記第1直線突条部と前記昇降螺旋突条の螺旋部の間には、円滑移行接続部が備えられ、
前記第1直線突条部の幅寸法は、前記昇降螺旋突条の螺旋部の幅寸法および前記垂直投影面における前記上部および下部ガイドブロック間の垂直方向の間隔よりも小さく、
前記第1直線突条部と前記第1カップ縁の間に上部止めブロックが配設され、
前記第1カップ縁と、前記第1直線突条部のうち前記上部止めブロックから前記第1直線突条部と前記昇降螺旋突条の螺旋部の間の前記移行接続部までの部分との間には、前記上部ガイドブロックを挿入するための自動係止溝が形成され、
前記可動カップホルダーが最高位置まで上昇したときに、前記上部ガイドブロックが前記自動係止溝に挿入されることで、前記可動カップホルダーが自動係止されることを特徴とする請求項に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項5】
前記第1直線突条部と前記昇降螺旋突条の螺旋部の間の前記移行接続部における前記固定カップホルダーのカップ壁には突起が設置され、前記可動カップホルダーが最高位置まで上昇した際に、前記上部ガイドブロックが前記突起を乗り越えて前記自動係止溝に入り込むことで、前記可動カップホルダーが自動係止されることを特徴とする請求項に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項6】
前記昇降螺旋突条の下端部は、前記固定カップホルダーのカップ底と垂直な前記第2直線突条部であり、前記第2直線突条部の高さ寸法は、前記下部ガイドブロックの幅寸法よりもわずかに大きいことを特徴とする請求項に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項7】
前記可動カップホルダーの開口部には第2カップ縁が配設され、前記第2カップ縁の外面には摩擦条片が配設されることを特徴とする請求項1に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項8】
前記可動カップホルダーの開口部には第2カップ縁が配設され、前記第2カップ縁の外面には指を載置するための凹みが配設されることを特徴とする請求項1に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項9】
前記固定カップホルダーのカップ底には少なくとも1つのフックが配設され、前記カップホルダーベースの収納孔の底部の各フックに対応する位置には切欠きが配設され、前記フックと前記切欠きが係合することで、前記固定カップホルダーが前記カップホルダーベースの収納孔に固定されることを特徴とする請求項1に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項10】
前記カップホルダーベースの上面の周縁には上方突出保護フランジが配設され、前記可動カップホルダーが最低位置まで下降すると、前記可動カップホルダーの上面は前記保護フランジの最上面と同じ高さあるいはそれよりも低くなることを特徴とする請求項1に記載の深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項11】
少なくとも1つの収納孔を備えるカップホルダーベースと、
前記カップホルダーベースの収納孔に固定された固定カップホルダーと、
前記固定カップホルダーを移動可能に覆い、前記固定カップホルダーの周りを回転して昇降可能な可動カップホルダーを有し、
前記可動カップホルダーが昇降することで、前記可動カップホルダーの内部空洞および前記固定カップホルダーの内部空洞が協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔を形成し、
前記固定カップホルダーおよび前記可動カップホルダーはいずれもカップ壁を備え、
前記可動カップホルダーのカップ壁の内面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、
前記固定カップホルダーのカップ壁の外面には、前記昇降螺旋突条を垂直に挟持し、前記昇降螺旋突条と協働して前記可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、
前記可動カップホルダーが前記固定カップホルダーの周りを回転するとき、前記一対のガイドブロックは前記昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドし、前記可動カップホルダーを上昇および下降するように昇降駆動し、
前記一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備えることを特徴とする深さ調節が可能なカップホルダー。
【請求項12】
少なくとも1つの収納孔を備えるカップホルダーベースと、
前記カップホルダーベースの収納孔に固定された固定カップホルダーと、
前記固定カップホルダーを移動可能に覆い、前記固定カップホルダーの周りを回転して昇降可能な可動カップホルダーを有し、
前記カップホルダーベースの収納孔と前記固定カップホルダーは一体となり、前記収納孔の孔壁は、前記固定カップホルダーのカップ壁の内面として機能し、前記可動カップホルダーは、前記収納孔に直接収納され、前記収納孔の中央の周りを回転しながら、上昇および下降し、前記可動カップホルダーの内部空洞および前記収納孔の内部空洞は協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔を形成し、
前記収納孔の孔壁の内面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、
前記可動カップホルダーのカップ壁の面には、前記昇降螺旋突条を垂直に挟持し、前記昇降螺旋突条と協働して前記可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、
前記可動カップホルダーが前記収納孔の中央の周りを回転するとき、前記一対のガイドブロックは前記昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドし、前記可動カップホルダーを上昇および下降するように昇降駆動し、
前記一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備えることを特徴とする深さ調節が可能なカップホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のカップホルダー、特に、深さ調節が可能なカップホルダーに関する。
【0002】
現在、自動車においてカップホルダー装置は不可欠な要素となっている。最近では、多種多様な自動車用カップホルダーが存在し、また、それらは様々な条件を満足するように設計されている。しかしながら、自動車の内装スペースには限界があり、あらゆる高さのカップやボトルを載置できるわけではない。カップホルダーの深さが、飲料缶やこれと同程度の高さを有するカップを載置するために設計されていると仮定すると、ミネラルウォーターのボトルやこれと同程度の高さを有する容器を上記カップホルダーに載置する場合、ミネラルウォーターのボトルは重心が高いため、安定して保持できない。そのため、自動車が加速したり、急ブレーキをかけたり、凹突路面を走行する場合、ミネラルウォーターのボトルは容易にカップホルダーから落下する。一方、カップホルダーをミネラルウォーターのボトルの高さに合わせて設計すると、背の低い容器の収納および取り出しが困難になり、また、そのような高さのカップホルダーを設置するための内装スペースを確保できない場合が多い。
【0003】
中国特許第202557374号には、カップホルダーハウジングと、カップホルダーハウジングに設けられた載置孔と、載置孔の内部に備えられたカップホルダーとを有する調節可能な自動車用カップホルダー装置が開示されている。上記装置において、カップホルダーは可動構造を有し、カップの下方には載置孔の深さ調節機構が設けられ、カップホルダーハウジングは位置固定機構を備える。載置孔深さ調節機構によりカップホルダーの位置高さを調節し、位置固定機構によりカップホルダーの位置を固定することで、載置孔の深さを調節することができる。上記特許発明は、高さの異なる容器を収納するという課題を解決することはできるが、カップホルダーハウジングが背の高い容器の高さに合わせて設計されているため、設置には十分な内装スペースを必要とする。例えば、上記特許発明に係る調節可能カップホルダー装置は、後部座席のアームレストには設置することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決する技術的課題は、従来の自動車用カップホルダーが抱える上述の課題を解決するとともに、折り畳まれた後に占有するスペースが小さく、後部座席のアームレストなどの薄狭な内装部品にも設置することができる深さ調節が可能なカップホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は、下記の技術的特徴により解決される。
【0006】
本発明に係る深さ調節が可能なカップホルダーは、少なくとも1つの収納孔を備えるカップホルダーベースと、カップホルダーベースの収納孔に固定された固定カップホルダーと、固定カップホルダーを移動可能に覆い、固定カップホルダーの周りを回転して昇降可能な可動カップホルダーを有し、可動カップホルダーが昇降することで、可動カップホルダーの内部空洞および固定カップホルダーの内部空洞が協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔を形成することを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい実施形態において、固定カップホルダーおよび可動カップホルダーはいずれもカップ壁を備え、可動カップホルダーのカップ壁は、収納孔のカップ壁と固定カップホルダーのカップ壁の間に挿入され、固定カップホルダーのカップ壁の外面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、可動カップホルダーのカップ壁の内面には、昇降螺旋突条を垂直に挟持し、昇降螺旋突条と協働して可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、可動カップホルダーが固定カップホルダーの周りを回転するとき、一対のガイドブロックは昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドして可動カップホルダーを昇降駆動し、一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備える。
【0008】
本発明の好ましい実施形態において、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックは、水平投影面および垂直投影面において相互にずらして配設されており、昇降螺旋突条は、上部ガイドブロックと下部ガイドブロックの間を通過する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、昇降螺旋突条の上端部は、固定カップホルダーの開口部で終結し、昇降螺旋突条の下端部は、固定カップホルダーの底部で終結する。
【0010】
本発明の好ましい実施形態において、固定カップホルダーの開口部の周縁には、固定カップホルダーの外径よりも大きな直径を有する第1カップ縁が設置され、昇降螺旋突条の上端部は、第1カップ縁に平行な第1直線突条部であり、第1直線突条部と昇降螺旋突条の螺旋部の間には、円滑移行接続部が備えられ、第1直線突条部の幅寸法は、昇降螺旋突条の螺旋部の幅寸法および垂直投影面における上部および下部ガイドブロック間の垂直方向の間隔よりも小さく、第1直線突条部と第1カップ縁の間に上部止めブロックが配設され、第1カップ縁と、第1直線突条部のうち、上部止めブロックから第1直線突条部と昇降螺旋突条の螺旋部の間の移行接続部までの部分との間には、上部ガイドブロックを挿入するための自動係止溝が形成され、可動カップホルダーが最高位置まで上昇すると、上部ガイドブロックが自動係止溝に挿入され、可動カップホルダーが自動係止される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、第1直線突条部と昇降螺旋突条の螺旋部の間の移行接続部における固定カップホルダーのカップ壁には突起が設置され、可動カップホルダーが最高位置まで上昇した際に、上部ガイドブロックが突起を乗り越えて自動係止溝に入り込むことで、可動カップホルダーが自動係止される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、昇降螺旋突条の下端部は、固定カップホルダーのカップ底と垂直な第2直線突条部であり、第2直線突条部の高さ寸法は、下部ガイドブロックの幅寸法よりもわずかに大きい。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、可動カップホルダーの開口部には第2カップ縁が配設され、第2カップ縁の外面には摩擦条片が配設される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、可動カップホルダーの開口部には第2カップ縁が配設され、第2カップ縁の外面には指を載置するための凹みが配設される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、固定カップホルダーのカップ底には少なくとも1つのフックが配設され、カップホルダーベースの収納孔の底部の各フックに対応する位置には切欠きが配設され、フックと切欠きが係合することで、固定カップホルダーがカップホルダーベースの収納孔に固定される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、カップホルダーベースの上面の周縁には上方突出保護フランジが配設され、可動カップホルダーが最低位置まで下降すると、可動カップホルダーの上面は保護フランジの最上面と同じ高さあるいはそれよりも低くなる。
【0017】
本発明は、以下の技術的解決策を採用してもよい。
【0018】
第1の技術的解決策において、固定カップホルダーおよび可動カップホルダーはいずれもカップ壁を備え、可動カップホルダーのカップ壁の内面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、固定カップホルダーのカップ壁の外面には、昇降螺旋突条を垂直に挟持し、昇降螺旋突条と協働して可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、可動カップホルダーが固定カップホルダーの周りを回転するとき、一対のガイドブロックは昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドして可動カップホルダーを昇降駆動し、一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備える。
【0019】
第2の技術的解決策において、カップホルダーベースの収納孔と固定カップホルダーは一体となり、収納孔の孔壁は、固定カップホルダーのカップ壁の内面として機能し、可動カップホルダーは、収納孔に直接収納され、収納孔の中央の周りを回転しながら上昇および下降し、可動カップホルダーの内部空洞および収納孔の内部空洞は協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔を形成する。
【0020】
収納孔の孔壁の内面には、少なくとも1つの昇降螺旋突条が設置され、可動カップホルダーのカップ壁の面には、昇降螺旋突条を垂直に挟持し、昇降螺旋突条と協働して可動カップホルダーを昇降駆動する少なくとも一対のガイドブロックが設置され、可動カップホルダーが収納孔の中央の周りを回転するとき、一対のガイドブロックは昇降螺旋突条によって形成された軌道に沿ってスライドして可動カップホルダーを昇降駆動し、一対のガイドブロックは、上部ガイドブロックおよび下部ガイドブロックを備える。
【0021】
上述の技術的解決策により、本発明の可動カップホルダーが固定カップホルダーの周りを回転する際、固定カップホルダーの昇降螺旋突条により昇降することで、可動カップホルダーの内部空洞および固定カップホルダーの内部空洞により協働して形成される容器載置孔の深さを調節することができる。そのため、高さの異なる容器をカップホルダーに載置すると、自動車が加速したり、急ブレーキをかけたり、凹突路面を走行する場合に容器が容易に落下するという問題を解決することができる。また、可動カップホルダーを最低位置まで下降させると、可動カップホルダーと固定カップホルダーを完全に重畳させることができる。したがって、カップホルダー全体の高さを低くすることができるため、自動車の後部座席のアームレストなどの薄狭内装部品への設置が可能となり、自動車の内装スペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る深さ調節が可能なカップホルダーの、可動カップホルダーが上昇する前の状態を示した概略図である。
図2図2は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの一部の部品の概略分解図である。
図3図3は、クロムめっき装飾リングを除去した状態における、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの一部の概略分解図である。
図4図4は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの平面図である。
図5図5は、図4のA−A断面図である。
図6図6は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、可動カップホルダーが上昇する前の状態を示した組立透視図である。
図7図7は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、可動カップホルダーが上昇する前の状態を示した部分組立断面図である。
図8図8は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの可動カップホルダーの概略構造図である。
図9図9は、図8の平面図である。
図10図10は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの固定カップホルダーの概略構造図である。
図11図11は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、2つの可動カップホルダーが最高位置に上昇した後の状態を示した3次元概略図である。
図12図12は、図11の平面図である。
図13図13は、図12のB−B断面図である。
図14図14は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、最高位置に上昇した可動カップホルダーと固定カップホルダーの位置関係を示した概略図である。
図15図15は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、最高位置に上昇した可動カップホルダーと固定カップホルダーの位置関係を示した断面図である。
図16図16は、図1に示す深さ調節が可能なカップホルダーの、カップホルダーベースの平面図である。
図17図17は、本発明の一実施形態に係る深さ調節が可能なカップホルダーのカップホルダーベースの、可動カップホルダーが上昇する前の状態を示した概略図である。
図18図18は、図17に示す深さ調節が可能なカップホルダーの一部の部品の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、添付の図面および以下の実施形態によりさらに詳細に説明される。
【0024】
図1図16は、本発明に係る深さ調節が可能なカップホルダーの1つの実施形態を示す。本発明に係る深さ調節が可能なカップホルダーは、対称的に配置された2つの収納孔110を備えるカップホルダーベース100を有する。なお、収納孔110は1つのみであってもよい。
【0025】
各収納孔110には、固定カップホルダー200と可動カップホルダー300が配置される。固定カップホルダー200は、カップホルダーベース100の収納孔110に固定され、可動カップホルダー300は、固定カップホルダー200を覆い、固定カップホルダー200の周りを回転して上昇および下降することができる。可動カップホルダー300が上昇および下降することで、可動カップホルダー300の内部空洞310および固定カップホルダー200の内部空洞210が協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔400を形成する。
【0026】
固定カップホルダー200の開口部には、装飾的効果を付与するため、図2に示すように、クロムめっき装飾リング500が配置されてもよい。なお、図3に示すように、固定カップホルダー200の開口部には、クロムめっき装飾リングが配置されなくてもよい。
【0027】
さらに図1図16を参照すると、固定カップホルダー200は、円筒状のカップ壁220とカップ底230を備え、可動カップホルダー300は、円筒状のカップ壁320を備える。
【0028】
固定カップホルダー200をカップホルダーベース100の収納孔110に固定することを容易にするために、固定カップホルダー200のカップ底230の底面には、3つのフック240が均等に配設されている。なお、フック240は、1つ、2つ、あるいは、4つ以上配設されていてもよい。カップホルダーベース100の収納孔110の底部には、各フック240に対応した切欠き120が配設され、3つのフック240には3つのフック240が対応する。固定カップホルダー200を可動カップホルダー300で覆い、収納孔110に設置した後、3つのフック240を対応する切欠き120に挿通し、カップホルダーベース100の底面と係合することで、固定カップホルダー200が収納孔110に固定される。なお、固定カップホルダー200は他の周知の方法により固定されてもよい。
【0029】
固定カップホルダー200が固定された後、可動カップホルダー300のカップ壁は、収納孔110の孔壁と固定カップホルダー200のカップ壁220の間に介挿される。可動カップホルダー300が固定カップホルダー200の周りを回転しながら上昇および下降できるようにするために、1つの実施形態では、固定カップホルダー200のカップ壁220の外面に、3つの昇降螺旋突条250が均等に配設されている。なお、昇降螺旋突条250は、1つ、2つ、あるいは、必要に応じて4つ以上配設されていてもよい。また、各昇降螺旋突条250に対応して、昇降螺旋突条250を垂直方向に挟持し、昇降螺旋突条250と協働して可動カップホルダー300を駆動して昇降させる1対の上部および下部ガイドブロック330、340が、可動カップホルダー300のカップ壁320の内面に配設されている。本実施形態では、3つの昇降螺旋突条250が固定カップホルダー200のカップ壁220の外面に均等に配設されているため、3対の上部および下部ガイドブロック330、340が可動カップホルダー300のカップ壁320の内面に均等に配設されている。
【0030】
上部および下部ガイドブロック330、340は、水平投影面および垂直投影面において相互にずらして配設されており、昇降螺旋突条250は、上部および下部ガイドブロック330、340の間を通過する。可動カップホルダー300が固定カップホルダー200の周りを回転するとき、一対の上部および下部ガイドブロック330、340が昇降螺旋突条250によって形成された軌道に沿ってスライドし、可動カップホルダー300を昇降駆動する。
【0031】
可動カップホルダー300の回転角度および2つの昇降端位置を制限するために、昇降螺旋突条250の上端部は、固定カップホルダー200の開口部で終結し、昇降螺旋突条250の下端部は、固定カップホルダー200の底部で終結する。
【0032】
可動カップホルダー300の回転角度および2つの昇降端位置を制限するための好ましい実施形態では、固定カップホルダー200の開口部の周縁に、固定カップホルダー200の外径よりも大きな直径を有するカップ縁260が設置され、昇降螺旋突条250の上端部は、カップ縁260に平行な直線突条部251であり、直線突条部251と昇降螺旋突条250の螺旋部252の間には、円滑移行接続部が備えられ、直線突条部251の幅寸法は、昇降螺旋突条250の螺旋部252の幅寸法および垂直投影面における上部および下部ガイドブロック330、340間の垂直方向の間隔よりも小さい(図8および図10を参照)。
【0033】
直線突条部251とカップ縁260の間に上部止めブロック270が配設され、カップ縁260と、直線突条部251のうち上部止めブロック270から直線突条部251と昇降螺旋突条250の螺旋部252の間の前記移行接続部までの部分との間には、上部ガイドブロック330を挿入するための自動係止溝280が形成される。直線突条部251の長さは、自動係止溝280の長さ寸法eよりも大きく(図10を参照)、自動係止溝280の長さ寸法eは、上部ガイドブロック330の長さ寸法よりも大きく、自動係止溝280の幅寸法fは、上部ガイドブロック330の幅寸法cよりも大きい。また、直線突条部251と昇降螺旋突条250の螺旋部252の間の移行接続部におけるカップ壁220には突起290が設置され、可動カップホルダー300が最高位置まで上昇した際に、上部ガイドブロック330が突起290を乗り越えて自動係止溝280に入り込むことで、可動カップホルダー300が自動係止される。可動カップホルダー300を下降させる場合は、可動カップホルダー300を逆方向に回転し、上部ガイドブロック330が突起290を乗り越えることで係止が解除される。
【0034】
さらに、昇降螺旋突条250の下端部は、固定カップホルダー200のカップ底230と垂直な直線突条部253であり、直線突条部253の高さ寸法は、下部ガイドブロック340の幅寸法よりもわずかに大きく、直線突条部253の幅寸法は、垂直投影面における上部および下部ガイドブロック330、340間の水平方向の間隔bよりも小さい(図8を参照)。これにより、可動カップホルダー300が最低位置まで回転すると、下部ガイドブロック340が直線突条部253により制止され、さらなる回転および下降が制限される。
【0035】
可動カップホルダー300を指で回転させるのを容易にするために、可動カップホルダー300の開口部には、カップ縁350が配設され、カップ縁350の外面には、指を載置するための複数の凹み351が均等に配設されるか、あるいは摩擦条片が配設される。
【0036】
上述の実施形態に係る深さ調節が可能なカップホルダーに対し、さらに以下の改良を施してもよい。すなわち、図17および図18を参照すると、カップホルダーベース100の上面の周縁には上方突出保護フランジ130が配設され、可動カップホルダー300が最低位置まで下降すると、可動カップホルダー300の上面は保護フランジ130の最上面と同じ高さ、あるいはそれよりも低くなる。
【0037】
上述の実施形態に係る深さ調節が可能なカップホルダーの動作モードは、次のとおりである。可動カップホルダー300が回転し、可動カップホルダー300の上部および下部ガイドブロック330、340が固定カップホルダー200の昇降螺旋突条250の軌道に沿って移動することで、可動カップホルダー300は回転しながら上昇する。可動カップホルダー300が最高位置に到達すると、上部ガイドブロック330が突起290を乗り越えて自動係止溝280に入り込むことで、可動カップホルダー300が係止される。このとき、可動カップホルダー300は最高位置にあるため、容器収納孔400は深さが最大となる。可動カップホルダー300が上昇するとき、固定カップホルダー200の昇降螺旋突条250の軌道が常に可動カップホルダー200の上部および下部ガイドブロック330、340の間にあることで、位置制限効果がもたらされる。
【0038】
以上のように、本発明は、高さの異なる容器を載置するのに適し、自動車の走行中に容器をより安定して保持することができる深さ調節が可能な自動車用カップホルダーを提供する。本発明に係るカップホルダーは、後部座席のアームレストが薄く形成されているなど、十分なスペースがない場合でも設置が可能であり、また、カップホルダーの高さを調節することで必要な把持深さを満足することができるため、容器をカップホルダー内に安定して保持できる。したがって、高さの異なる容器をカップホルダーに載置すると、自動車が加速したり、急ブレーキをかけたり、凹突路面を走行する際に容器が容易に落下するという問題を効果的に解決することができる。
【0039】
本発明に係る深さ調節が可能なカップホルダーは、以下の2つの技術的解決策を採用してもよい。
【0040】
1. 可動カップホルダー300のカップ壁320の内面に昇降螺旋突条250が設置され、固定カップホルダー200のカップ壁220の外面に位置高さを調節可能な上部および下部ガイドブロック330、340が設置され、可動カップホルダー300が固定カップホルダー200の周りを回転するとき、一対の上部および下部ガイドブロック330、340は昇降螺旋突条250によって形成された軌道に沿ってスライドし、可動カップホルダー300を昇降駆動させる。
【0041】
2.カップホルダーベース100の収納孔110と固定カップホルダー200は一体となり、すなわち、固定カップホルダー200は省略され 収納孔110の孔壁が固定カップホルダー200のカップ壁220の内面として機能し、可動カップホルダー300は収納孔110に直接収納され、カップホルダーベース100の収納孔110の孔壁の内面に昇降螺旋突条250が設置され、可動カップホルダー300のカップ壁320の外面に上部および下部ガイドブロック330、340が設置される。可動カップホルダー300がカップホルダーベース100の収納孔110の周りを回転するとき、一対の上部および下部ガイドブロック330、340は昇降螺旋突条250によって形成された軌道に沿ってスライドし、可動カップホルダー300を昇降駆動する。このようにして、可動カップホルダー300の内部空洞310および収納孔110の内部空洞が協働して、高さの異なる容器を載置するための容器載置孔400が形成される。
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