特許第6092441号(P6092441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6092441
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】工具ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   B25H3/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-40070(P2016-40070)
(22)【出願日】2016年3月2日
【審査請求日】2016年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】596100812
【氏名又は名称】京セラコミュニケーションシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】高鍋 俊二
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06015073(US,A)
【文献】 特開2013−146809(JP,A)
【文献】 米国特許第04923105(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0237509(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/00
A45F 3/00
A62B 35/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が腰部に装着するベルトに接合される接合部と、
前記接合部に設けられ、工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、
前記接合部に結合され、前記引掛部を遮蔽する遮蔽部と、
からなる工具保持部材であって、
前記遮蔽部は、
前記使用者が、前記ベルトを装着した場合、前記遮蔽部の右端部または左端部の長さが、前記引掛部の右端部または左端部の何れかの長さよりも長いことを特徴とする、
工具保持部材。
【請求項2】
前記遮蔽部は、
下端部が開いた構造であることを特徴とする、
請求項1に記載の工具保持部材。
【請求項3】
前記遮蔽部は、
前記遮蔽部の上端部の長さが、前記遮蔽部の下端部の長さよりも短く、
前記右端部または左端部が、前記上端部から前記下端部に向けて所定の広がりを有していることを特徴とする、
請求項1または2に記載の工具保持部材。
【請求項4】
前記引掛部は、リング状に構成され、
前記接続ワイヤの一端には前記引掛部に引掛けるための接続部品が設けられ、
前記遮蔽部は、前記引掛部に引掛けられた当該接続部品を覆う長さに構成され、当該遮蔽部の下端部は、前記引掛部を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の工具保持部材。
【請求項5】
前記遮蔽部は、
前記右端部または前記左端部の反対側の端部が、略鉛直であることを特徴とする、
請求項3または4に記載の工具保持部材。
【請求項6】
前記遮蔽部は、
前記使用者が、前記ベルトを、前記工具保持部材が前記使用者の側面に位置するように装着した場合、前記所定の広がりを有した右端部または左端部が、作業者の前面側に位置することを特徴とする、
請求項3〜5のいずれかに記載の工具保持部材。
【請求項7】
前記遮蔽部は、
柔軟な素材で構成されていることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載の工具保持部材。
【請求項8】
前記遮蔽部は、
前記下端部が折り返されることで、前記引掛部が露出することを特徴とする、
請求項7に記載の工具保持部材。
【請求項9】
工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、
前記引掛部を遮蔽する遮蔽部と、
からなる工具保持部材であって、
前記遮蔽部は、
下端に開口部を備え、
側面の形状が、前記下端から上端に向かうにつれて細くなる先細形状であり、
前記遮蔽部の右端部または左端部の長さが、前記引掛部の右端部または左端部の何れかの長さよりも長いことを特徴とする工具保持部材。
【請求項10】
使用者が腰部に装着するベルトに接合される接合部と、
前記接合部に設けられ、工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、
前記接合部に結合され、前記引掛部を遮蔽する遮蔽部であって、
前記使用者が、前記ベルトを装着した場合、前記遮蔽部の右端部または左端部の長さが、前記引掛部の右端部または左端部の何れかの長さよりも長く、
前記遮蔽部の上端部の長さが、前記遮蔽部の下端部の長さよりも短く、前記右端部または左端部が、前記上端部から前記下端部に向けて所定の広がりを有していることを特徴とする遮蔽部と、からなる工具保持部材を使用する方法であって、
前記使用者が、前記ベルトを、前記工具保持部材が前記使用者の側面に位置するように装着した場合、前記所定の広がりを有した右端部または左端部が、作業者の前面側に位置することを特徴とする、
前記工具保持部材を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業者のベルトに備え付ける、工具類を連結するための工具ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、建設工事現場等の高所において作業を行う場合、作業者は、高所からの墜落防止のために安全帯(命綱付ベルト)を使用している。安全帯は、D環が固定されたベルトと、一端がベルトに連結され、もう一端にフックを備えた命綱から構成される。高所では、フックを備えた命綱の一端を、近くにある柱等の構造物に回し、ベルトのD環に掛けることでU字構造を形成し、命綱が作業者の体重を支えることで墜落を防止している。
【0003】
また、高所で工具類を使用する場合、工具類は、落下防止のため、一端にフックが取り付けられたセーフティコード(落下防止用接続ワイヤ)と接続され、このセーフティコードのフックと安全帯のベルトに取り付けられた工具吊り用のリング金具やD環を連結して使用する。その際、利便性の観点から、セーフティコードのフックを連結するリング金具やD環は、利き手側、かつ、互いに近接する位置に備え付けることが一般的である。
【0004】
このようにして、作業者は、作業場所に応じて安全帯の命綱の掛け換えを行いながら、複数の工具類を使い分けている。
【0005】
ところが、作業者が安全帯の命綱を掛け換える際、命綱のフックをD環ではなく誤って近接した工具吊り用のリング金具やセーフティコードのフックに掛けてしまう場合があった。通常、リング金具やセーフティコードのフックは工具を支える程度の強度しかなく、これらに命綱のフックを掛けた状態で作業者が足を踏み外してしまうと、リング金具やフックが作業者の重量に耐えられずに破損し、その結果、作業者が墜落してしまうという事故が発生していた。
【0006】
特許文献1には、このような事故に対応するセーフティコード取付金具が開示されている。リングより幅広のカバー用板体を設けることで、カバー用板体がリングを隠す。これにより、安全帯のフックがリングに引掛かることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−146809
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記セーフティコード取付金具において、カバー用板体の大きさは、辛うじて複数のリングを隠す程度である。さらに、一面(外側の面)だけでリングを隠している。そのため、上記のような事故を十分に防止できていない。また、リングに連結された複数のセーフティコードにまとまりがなく、作業者が動いたり姿勢を変えたりする度に、セーフティコードがばらついて不安定になる問題もある。
【0009】
本発明は、このような問題を解決すべく、安全帯のフックが工具吊り用のリング金具やセーフティコード(落下防止用接続ワイヤ)のフックに引掛かることを防止し、セーフティコードを安定させる工具ホルダの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明に係る工具保持部材は、使用者が腰部に装着するベルトに接合される接合部と、接合部に設けられ、工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、接合部に結合され、引掛部を遮蔽する遮蔽部と、からなる工具保持部材であって、遮蔽部は、使用者が、ベルトを装着した場合、遮蔽部の右端部または左端部の長さが、引掛部の右端部または左端部の何れかの長さよりも長いことを特徴とする。この構成により、安全帯のフックがリング金具に引掛かることを防止し、接続ワイヤを安定させる。
【0011】
(2)また、本発明の工具保持部材の遮蔽部は、下端部が開いた構造であることを特徴とする。この構成により、さらに安全帯のフックがリング金具に引掛かることを防止し、接続ワイヤを安定させる。
【0012】
(3)この発明に係る工具保持部材の遮蔽部は、遮蔽部の上端部の長さが、遮蔽部の下端部の長さよりも短く、右端部または左端部が、上端部から下端部に向けて所定の広がりを有していることを特徴とする。この構成により、接続ワイヤの可動性が、遮蔽部(カバー)によって阻害されない。
【0013】
(4)この発明に係る工具保持部材は、引掛部がリング状に構成され、前記接続ワイヤの一端には前記引掛部に引掛けるための接続部品が設けられ、前記遮蔽部が、前記引掛部に引掛けられた当該接続部品を覆う長さに構成され、当該遮蔽部の下端部が、前記引掛部を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする。したがって、工具が連結された接続ワイヤの接続部品が、作業中にリング状の引掛部において移動したとしても、当該接続部品もしくは引掛部が遮蔽部より露出するおそれはない。
【0014】
(5)この発明に係る工具保持部材の遮蔽部は、右端部または左端部の反対側の端部が、略鉛直であることを特徴とする。この構成により、接続ワイヤが使用者の手の届きにくい所に移動しない。
【0015】
(6)この発明に係る工具保持部材の遮蔽部は、使用者が、ベルトを、工具保持部材が使用者の側面に位置するように装着した場合、所定の広がりを有した右端部または左端部が、作業者の前面側に位置することを特徴とする。この構成により、接続ワイヤの可動性が、カバーによって阻害されない。
【0016】
(7)(8)この発明に係る工具保持部材の遮蔽部は、柔軟な素材で構成されていることを特徴とする。さらに、下端部が折り返されることで、引掛部が露出することを特徴とする。この構成により、そのため、高所に上る前の準備段階で接続ワイヤのフックの取り付けや取り外しを手軽に行うことができる。
【0017】
(9)この発明に係る工具保持部材を別の側面から見ると、工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、引掛部を遮蔽する遮蔽部と、からなる工具保持部材であって、遮蔽部は、下端に開口部を備え、側面の形状が、下端から上端に向かうにつれて細くなる先細形状であることを特徴とする。この構成により、安全帯のフックがリング金具に引掛かることを防止し、接続ワイヤを安定させる。
【0018】
(10)この発明に係る工具保持部材を使用する方法は、使用者が腰部に装着するベルトに接合される接合部と、接合部に設けられ、工具が連結された接続ワイヤの一端を引掛ける引掛部と、接合部に結合され、引掛部を遮蔽する遮蔽部であって、使用者が、ベルトを装着した場合、遮蔽部の右端部または左端部の長さが、引掛部の右端部または左端部の何れかの長さよりも長く、遮蔽部の上端部の長さが、遮蔽部の下端部の長さよりも短く、右端部または左端部が、上端部から下端部に向けて所定の広がりを有していることを特徴とする遮蔽部と、からなる工具保持部材を使用する方法であって、使用者が、ベルトを、工具保持部材が使用者の側面に位置するように装着した場合、所定の広がりを有した右端部または左端部が、作業者の前面側に位置することを特徴とする。この構成により、接続ワイヤの可動性が、カバーによって阻害されない。
【0019】
「工具保持部材」は、実施形態においては、工具ホルダ1が相当する。
【0020】
「接合部」は、実施形態においては、ベルト通し3が相当する。
【0021】
「引掛部」は、実施形態においては、リング金具5が相当する。
【0022】
「遮蔽部」は、実施形態においては、カバー7が相当する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態における、全体図である。
図2】カバーを捲り上げた状態を示す図である。
図3】カバーを捲り上げた状態を示す図である。
図4】工具ホルダの装着例を示す図である。
図5】工具ホルダの使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.構成
本実施形態は、ベルト通しとリング金具、カバーで構成される、工具ホルダに関するものである。
【0025】
図1は、本実施形態における工具ホルダの全体図である。スカート状のカバー7の上部に、ベルト通し3が留め具9によって固定されている。カバー7は、その強度と柔軟性の観点から、皮革であることが好ましいが、ビニールなどの材質であってもよい。
【0026】
ベルト通し3は、縦方向に長い長方形の革を縦辺の略中央で折り返し、その両端を結合した構成である。ベルト通し3の形状は、正面から見て略長方形、側面から見て略環状となる。また、ベルト通し3の上端には、作業者が装着するベルト31(図4参照)が通される。
【0027】
図2に、スカート状のカバー7を折り返した状態を示す。ベルト通し3の下端には、リング金具5がはめ込まれている。リング金具5は、正面から見て略環状となる、金属性のリングである。リング金具5の横方向の長さは、ベルト通し3の横辺と同等以上である。このリング金具5に通された状態で、ベルト通し3の両端が結合されている。また、リング金具5には、1以上の接続ワイヤのフック22a〜22cが引掛けられる。
【0028】
図1に戻って、カバー7は、下辺が略円弧である略台形の革を横辺の略中央で折り返し、その両端を結合した構成である。例えばカバー7の右端の形状(領域7b)は、正面から見て、深く切り込まれたスカート形状となる。他方、左端の形状(領域7a)は、上下方向に真っ直ぐな形状となる。また、底面から見た場合は略環状となる。また、カバー7の上端からベルト通し3が差し込まれ、カバー7とベルト通し3は留め具9によって結合されている。これにより、カバー7は、下部が開いた略袋状となる。
【0029】
ここで、リング金具5とカバー7の関係において、カバー7の縦方向の長さは、リング金具5の縦方向の長さよりも長い。さらに、略袋状のカバー7が、リング金具5全体を包むように隠している。これにより、作業者が誤って安全帯のフックをリング金具5に引掛けてしまうことが防止される。また、リング金具5に取り付けられた接続ワイヤがまとまり、バラつきが防止される。
【0030】
なお、リング金具5とカバー7の関係において、カバー7の下端の形状は、リング金具5の中心(重心)の付近を中心とする円弧状として形成されている。つまり、リング金具の中心からカバー7の下端上の各点までの長さLは、ほぼ等しい長さに形成されている。
【0031】
さらに、この長さLは、リング金具5に真っ直ぐ引掛けられたフック22の縦方向の長さよりも長い。すなわち、カバー7の縦方向の長さは、リング金具5に引掛けられたフック22の縦方向の長さよりも長い。そのため、作業者の作業によって接続ワイヤ21がリング金具5上を移動したとしても、フック22はカバー7から露出しない。
【0032】
また、上述のように、カバー7の材質は革であり、容易に折り返すことができる。そのため、接続ワイヤのフックの取り付けや取り外しを手軽に行うことができる。
【0033】
図3は、カバー7を折り返した状態の、工具ホルダ1を示す図である。カバー7によって隠されていたリング金具5、及びリング金具5に引掛けられた複数の接続ワイヤ21aから21cのフック22aから22cが露出している。
【0034】
2.使用法
図4を参照して、本実施形態における、本発明の使用法を説明する。
【0035】
まず、作業者35は、他端側のフックに工具が連結された接続ワイヤ21a〜21cを、工具ホルダ1に備え付ける。具体的には、図3のように、カバー7を折り返してリング金具5を露出させ、露出したリング金具5に、接続ワイヤ21aから21cの一端側のフック22aから22cを引掛ける。各フック22a〜22cには、図2に示すように、外側に付勢され押すことによって内側に曲がる導入部材50a〜50cが設けられている。したがって、作業者35は、この導入部材50a〜50cを押して形成された入り口から、リング金具5に引っかけるようにする。その後、導入部材50a〜50cを元に戻せば、リング金具5と各フック22a〜22cが結合される。
【0036】
次に、作業者35は、工具ホルダ1のベルト通し3とD環33にベルト31を通して、自身の腰部にベルト31を装着する。
【0037】
図4は、工具ホルダ1の使用例を示す図である。作業者35は、工具ホルダ1が作業者35の利き腕側に位置するように、ベルト31を装着する。
【0038】
ここで、作業者35の前面方向に、カバー7の形状が深く切り込んだスカート形状が位置する。そのため、接続ワイヤ21aから21cの可動性が、カバー7によって阻害されない。具体的には、工具を使うために腰より高い位置に持ち上げる際にも、接続ワイヤ21aから21cが、カバー7によって邪魔されることなく移動する。また、作業者35の背面側には、カバー7の真っ直ぐな形状の部分が位置する。そのため、作業者35が背後に体を仰け反らせても、接続ワイヤ21aから21cが作業者35の手の届きにくい後ろ側に移動しない。
【0039】
図5は、作業者35が工具を使用している状況を示す図である。作業者35が、工具を自身の正面に持ってくると、その工具の端に取り付けられた接続ワイヤ21cも、リング金具5を中心に、作業者の前面に移動する。
【0040】
3.その他実施形態
(1)上記実施形態では、カバー7の材質を革としたが、柔軟な材質であれば、布等であっても良い。革よりも安価な材料を使用して、生産コストを下げることができる。また、リング金具5の露出性を低下させなければ、プラスチックケースなどの硬質なケース等をカバーとして用いても良い。革や布よりも長持ちする。なお、この場合、ケースの何れかの部分が開閉可能であることが望ましい。
【0041】
(2)上記実施形態では、リング金具5を金属としたが、プラスチック等であっても良い。金属よりも安価な材料を使用して、生産コストを下げることができる。
【0042】
(3)上記実施形態では、ベルト通し3とカバー7とが個別であったが、一体であっても良い。生産手順が簡略化し、生産コストを下げることができる。
【0043】
(4)上記実施形態では、ベルト通し3は一体的な略環状としたが、横方向にジッパーなどを設けて、容易に分離結合できるようにしてもよい。工具ホルダ1の取り付け方向を間違えた場合であっても、手軽にベルト31から工具ホルダ1を取り外し、取り付け方向を変更できる。
【0044】
(5)上記実施形態では、正面から見た場合のカバー7の形状を、下辺が略円弧、右端が深く切り込まれたスカート形状、左端は上下方向に真っ直ぐな形状としたが、作業者の前面方向に対する接続ワイヤの可動性を阻害しない形状であれば、それ以外の形状であっても良い。例えば、カバー7の下辺が水平の形状、カバー7全体の形状が平行四辺形や略正五角形、等脚台形、凧形等でも良い。また、作業者35の前面方向の辺を開放・切断した正方形や長方形であっても良い。
【0045】
(6)上記実施例において、更に、カバー7に取り付け方向を記載しても良い。これにより、作業者35による取り付け間違いが無くなる。
【0046】
(7)上記実施形態では、接続ワイヤ21の一端に接続部品であるフック22を設けている。しかし、フック22を設けずに、接続ワイヤ21の一端を、直接、リンク金具5に接続するようにしてもよい。
【要約】      (修正有)
【課題】安全帯のフックがリング金具に引掛かることを防止し、接続ワイヤを安定させる工具ホルダを提供する。
【解決手段】。カバー7a,7bは、下辺が略円弧である略台形の革を横辺の略中央で折り返し、その両端を結合した構成である。また、カバーの上端からベルト通し3が差し込まれ、カバーとベルト通し3は留め具9によって結合されている。これにより、カバーは、下部が開いた略袋状となる。ここで、リング金具5とカバーの関係において、カバーの縦方向の長さは、リング金具5の縦方向の長さよりも長い。さらに、略袋状のカバーが、リング金具5全体を包むように隠している。これにより、作業者が誤って安全帯のフックをリング金具5に引掛けてしまうことが防止される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5