特許第6092451号(P6092451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6092451
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20170227BHJP
   B65D 5/36 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   B65D5/54 301D
   B65D5/36 B
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-145602(P2016-145602)
(22)【出願日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年7月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000156846
【氏名又は名称】カンナル印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】茨木 久央
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−168282(JP,A)
【文献】 特開2013−227036(JP,A)
【文献】 米国特許第02680557(US,A)
【文献】 米国特許第03126140(US,A)
【文献】 特開2013−001453(JP,A)
【文献】 特表2005−510420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する正面部及び背面部、並びに、前記第1方向に直角な第2方向に対向する一対の側面部を有する周壁部と、
前記第1方向及び前記第2方向に直角な第3方向の一端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第1端面部と、
前記第3方向の他端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第2端面部と、を備えた包装箱であって、
前記一対の側面部の各表面における前記第1方向の中央部において、前記第3方向の全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部の表面における前記第1方向の中央部において、前記第2方向の全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部は、前記正面部又は前記背面部のいずれか一方における前記第3方向の端部に連なる内蓋と、前記正面部又は前記背面部のいずれか他方における前記第3方向の端部に連なる外蓋とを有し、
前記外蓋に、前記端面トリガ部が設けられ、
前記内蓋における前記端面トリガ部に重なる部分に、前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記内蓋は、前記第1方向における前記切り込み又は前記ハーフカットよりも基端側の部分のみにおいて前記外蓋に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記第1端面部及び前記第2端面部のうち第1端面部側のみに、前記周壁部の開口端部を開放するための切取線が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項4】
前記端面トリガ部は、前記外蓋の表面における前記第2方向の一端と中央との間の部分から他端と中央との間の部分にかけて前記第2方向に沿って直線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項5】
前記端面トリガ部は、前記外蓋の表面における前記第2方向の一端と中央との間の部分から前記第2方向の一端側に向かってV字状に拡がるように延びる第1端面トリガ部と、前記外蓋の表面における前記第2方向の他端と中央との間の部分から前記第2方向の他端側に向かってV字状に拡がるように延びる第2端面トリガ部とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項6】
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項7】
前記一対の側面部の各表面における前記第2端面部の前記サイドフラップとの境界に隣接する部分に、前記第1方向の中央部から前記第3方向の前記第2端面部側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状又は凸状の屈曲促進部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の包装箱。
【請求項8】
第1方向に対向する正面部及び背面部、並びに、前記第1方向に直角な第2方向に対向する一対の側面部を有する周壁部と、
前記第1方向及び前記第2方向に直角な第3方向の一端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第1端面部と、
前記第3方向の他端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第2端面部と、を備えた包装箱であって、
前記一対の側面部の各表面における前記第1方向の中央部において、前記第3方向の全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部の表面における前記第1方向の中央部において、前記第2方向の全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部が設けられ、
前記側面トリガ部は、前記第3方向において相互に間隔を空けて配置され且つそれぞれ前記第3方向に延びるように形成された第1及び第2側面トリガ部を有し、
前記一対の側面部の各表面において、前記第3方向の中央部を挟んだ一方側に前記第1側面トリガ部が配置され、他方側に前記第2側面トリガ部が配置され、
前記一対の側面部の各表面における前記第1側面トリガ部と前記第2側面トリガ部との間の部分に、前記第1方向に延びる凹状又は凸状の屈曲抑制部が設けられていることを特徴とする包装箱。
【請求項9】
前記屈曲抑制部は、前記一対の側面部の各表面における前記第3方向の中央部を挟んだ一方側及び他方側のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項8に記載の包装箱。
【請求項10】
前記第2端面部は、前記正面部又は前記背面部のいずれか一方における前記第3方向の端部に連なる内蓋と、前記正面部又は前記背面部のいずれか他方における前記第3方向の端部に連なる外蓋とを有し、
前記外蓋に、前記端面トリガ部が設けられ、
前記内蓋における前記端面トリガ部に重なる部分に、前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の包装箱。
【請求項11】
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封されて内容物が取り出された後に、折り畳まれた状態で廃棄される包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
正面部、背面部及び一対の側面部からなる角筒状の周壁部と、該周壁部の開口端面を塞ぐ一対の端面部とを有する包装箱の種類として、シールエンドカートン及びタックエンドカートン等が知られている。
【0003】
例えば、シールエンドカートンの各端面部は、側面部に連なる一対のサイドフラップ、正面部又は背面部のいずれか一方に連なる内蓋、及び、正面部又は背面部のいずれか他方に連なる外蓋で構成され、一対のサイドフラップの外側に内蓋と外蓋が順に重ねられ、内蓋の外側の面に外蓋が接着されることで、端面部が封止される。
【0004】
また、タックエンドカートンの各端面部は、側面部に連なる一対のサイドフラップ、及び、正面部又は背面部のいずれか一方に連なる蓋で構成され、一対のサイドフラップの外側に蓋が重ねられ、蓋の先端に設けられた差込片が周壁部の内側に差し込まれることで、蓋が閉じられる。各蓋の差込片は周壁部に接着されることがあり、これにより、タックエンドカートンの両端面部が封止される。
【0005】
これらの包装箱の上端側には開封用の切取線が設けられることがあり、この場合、該切取線に沿って蓋を正面部又は背面部から切り離すことで、包装箱を簡単に開封することができる。
【0006】
また、特許文献1を含む多くの文献に開示されているように、包装箱の下端側にも同様の切取線が設けられることがある。この種の包装箱において、その上端側が既に開封された状態で、更に下端側の切取線に沿って蓋が正面部又は背面部から切り離されると、両側の蓋が開いた状態となる。
【0007】
この状態では、蓋を介した正面部と背面部との連結が解除されており、これにより、周壁部の4つのコーナ部の折り曲げ角度を0°〜180°の角度範囲に亘って簡単に変えることが可能になる。そのため、対角線上に位置する一対のコーナ部の折り曲げ角度が0°、残り一対のコーナ部の折り曲げ角度が180°となるように、包装箱を簡単に扁平状に折り畳むことができる。したがって、このように折り畳まれた複数の包装箱を重ね合わせることで、全体としてコンパクトに廃棄することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−227036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上端側の切り取りによって既に開封された包装箱を、折り畳みのためにわざわざ下端側においても同様の切り取りを行って両側の蓋を開く作業は、ユーザに煩わしさを感じさせることがある。特に、調剤薬局等において一日に多数の包装箱を開封して廃棄する作業には時間と手間がかかり、切り取り作業を何度も繰り返す作業者が爪を痛めやすい問題もある。
【0010】
また、下端側の蓋が閉じられたままの状態で包装箱を簡単に折り畳めるようにするために、折り畳み用の折り目を周壁部や下端側の蓋に予め形成しておくことも考えられるが、この場合、未開封の使用状態においても、折り畳み用の折り目に沿って折れ曲がるように包装箱が変形しやすくなってしまう。そのため、未開封の包装箱に外力が加えられたときに、包装箱の変形によって内容物に荷重が加わりやすくなり、例えば、PTPシートのアルミ箔が破れるなどの不具合が生じ得る。
【0011】
そこで、本発明は、使用状態での変形を抑制しつつ、簡単且つコンパクトに廃棄できる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る包装箱は以下のように構成される。
本発明の第1の態様は、
第1方向に対向する正面部及び背面部、並びに、前記第1方向に直角な第2方向に対向する一対の側面部を有する周壁部と、
前記第1方向及び前記第2方向に直角な第3方向の一端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第1端面部と、
前記第3方向の他端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第2端面部と、を備えた包装箱であって、
前記一対の側面部の各表面における前記第1方向の中央部において、前記第3方向の全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部の表面における前記第1方向の中央部において、前記第2方向の全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部は、前記正面部又は前記背面部のいずれか一方における前記第3方向の端部に連なる内蓋と、前記正面部又は前記背面部のいずれか他方における前記第3方向の端部に連なる外蓋とを有し、
前記外蓋に、前記端面トリガ部が設けられ、
前記内蓋における前記端面トリガ部に重なる部分に、前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする。
【0013】
なお、本明細書でいう「トリガ部」とは、該トリガ部を有する面において、該面が折り曲げられるきっかけとなる部分を意味し、「トリガ部」には、折れやすくするための処理が施される。折れやすくするための処理の具体例としては、型押しによって溝状の「罫線」を形成する処理等が挙げられる。
【0014】
この包装箱によれば、使用状態では折り曲げられることがない側面部の第1方向中央部及び第2端面部の第1方向中央部に、側面トリガ部及び端面トリガ部が設けられているため、第1端面部を開放させておけば、第2端面部が閉じられたままの状態でも、第1方向からの力により包装箱が押し潰されるとき、一対の側面部及び第2端面部が、それぞれの第1方向中央部において折り曲げられることで半分に折り畳まれた状態となりやすく、これにより、包装箱が全体として扁平状に押し潰されやすくなる。
【0015】
そのため、従来のように第1端面部と第2端面部の両方を開放させてから包装箱を折り畳む場合に比べて、第2端面部を開放させる手間と時間を省いて、簡単に包装箱を扁平状に押し潰すことができる。したがって、複数の包装箱を廃棄する際、作業者の負担を軽減しつつ、扁平状に押し潰された複数の包装箱を重ね合わせることで、これらの包装箱をコンパクトに廃棄できる。
【0016】
また、この包装箱によれば、各側面部における第3方向の全長の一部にしか側面トリガ部が設けられておらず、第2端面部における第2方向の全長の一部にしか端面トリガ部が設けられていないため、第1方向から押し潰そうとする力が包装箱に加えられない限り、各側面部及び第2端面部は容易には屈曲変形しない。そのため、使用状態における包装箱の変形が抑制され、内容物を効果的に保護することができる。
【0017】
そしてまた、この包装箱によれば、包装箱が押し潰されるとき、第2端面部の外蓋は、上記の端面トリガ部が設けられていることにより第1方向中央部での屈曲変形が促進され、第2端面部の内蓋は、その第1方向中央部におけるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットに沿った屈曲変形が効果的に促進される。そのため、第2方向に連続するコーナ部が新たに形成されるような第2端面部の折り畳みを効果的に促進できる。また、外観を損ねやすい切り込み又はハーフカットが設けられた内蓋は、使用状態において外蓋に覆われるため、包装箱の外観を損ねることを防止できる。
【0018】
本発明の第1の態様において、
前記内蓋は、前記第1方向における前記切り込み又は前記ハーフカットよりも基端側の部分のみにおいて前記外蓋に接着されてもよい。
【0019】
この場合、上記のように一対の側面部と第2端面部の内蓋及び外蓋とが折り畳まれて包装箱が押し潰された後に、一対の側面部と第2端面部の外蓋とが元のフラットな状態に戻されたとき、第2端面部の内蓋は、その切り込み又はハーフカットよりも基端側部分のみが外蓋に追従し、外蓋に接着されていない先端側部分は、外蓋から立ち上がった状態になりやすい。この状態の包装箱に内容物を収容しようとした場合、内蓋の立ち上がり部分に内容物が干渉することによって、当該包装箱が一旦押し潰された後に再利用されたものであることに気づきやすくなる。そのため、包装箱の再利用が好ましくない場合において、当該再利用を防止することができる。
【0020】
本発明の第1の態様において、
前記第1端面部及び前記第2端面部のうち第1端面部側のみに、前記周壁部の開口端部を開放するための切取線が設けられてもよい。
【0021】
この場合、切取線に沿った切り取りにより、第1端面部側において包装箱を簡単に開封できると共に、同様の切取線が第2端面部側に設けられていないことにより、開封時において、ユーザが誤って第2端面部側を開封することを防止できると共に、開封後には、第2端面部が閉じられたままでも簡単に包装箱を扁平状に押し潰せることをユーザに認識させやすい。また、第2端面部側にも切取線が設けられる場合に比べて、包装箱の壁部を貫通する切り込みの削減が図られるため、内容物の保護を効果的に図ることができる。
【0022】
本発明の第1の態様において、
前記端面トリガ部は、前記外蓋の表面における前記第2方向の一端と中央との間の部分から他端と中央との間の部分にかけて前記第2方向に沿って直線状に延びるように形成されてもよい。
【0023】
この場合、第2端面部における第2方向両端部には端面トリガ部が設けられていないことにより、使用状態での第2端面部の屈曲変形が効果的に抑制され、これにより、内容物の保護を効果的に図ることができる。また、第2端面部の第2方向中央部を通って第2方向に延びるように端面トリガ部が形成されていることにより、包装箱が押し潰されるとき、第2端面部の第1方向中央部において、第2方向に連続するコーナ部が新たに形成されるような屈曲変形が効果的に促進され、これにより、包装箱を扁平状に押し潰しやすくなる。
【0024】
本発明の第1の態様において、
前記端面トリガ部は、前記外蓋の表面における前記第2方向の一端と中央との間の部分から前記第2方向の一端側に向かってV字状に拡がるように延びる第1端面トリガ部と、前記外蓋の表面における前記第2方向の他端と中央との間の部分から前記第2方向の他端側に向かってV字状に拡がるように延びる第2端面トリガ部とを有してもよい。
【0025】
この場合、第2端面部における第2方向の中央部及び両端部には端面トリガ部が設けられていないことにより、使用状態での第2端面部の屈曲変形が効果的に抑制されることで、内容物の保護を効果的に図ることができる。また、第2端面部の第1方向中央部において、V字状の第1及び第2端面トリガ部が向かい合うように形成されていることにより、包装箱が押し潰されるとき、第2端面部が第1方向中央部において屈曲変形することが効果的に促進され、これにより、包装箱を扁平状に押し潰しやすくなる。
【0026】
本発明の第1の態様において、
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されてもよい。
【0027】
この場合、第1端面部と第2端面部に設けられた各サイドフラップの第1方向中央部にミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることにより、各サイドフラップを側面部と共に屈曲変形させやすくなる。また、外観を損ねやすい切り込み又はハーフカットが設けられた各サイドフラップは、使用状態において蓋に覆われるため、包装箱の外観を損ねることを防止できる。
【0028】
この場合において、
前記一対の側面部の各表面における前記第2端面部の前記サイドフラップとの境界に隣接する部分に、前記第1方向の中央部から前記第3方向の前記第2端面部側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状又は凸状の屈曲促進部が設けられてもよい。
【0029】
なお、本明細書でいう「屈曲促進部」とは、該屈曲促進部を有する面において、折れやすくするための処理が施された部分を意味する。折れやすくするための処理の具体例としては、型押しによって溝状の「罫線」を形成する処理等が挙げられる。
【0030】
これにより、側面部全体が第1方向中央部で屈曲変形するとき、側面部における第2端面部のサイドフラップとの境界に隣接する部分が、V字状の屈曲促進部に沿った屈曲により内側に折り込まれることに伴って、サイドフラップ全体が側面部の内側に折り重ねられることを促すことができる。そのため、側面部の屈曲変形がサイドフラップによって阻害されることを抑制でき、これにより、包装箱全体を円滑に押し潰すことができる。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、
第1方向に対向する正面部及び背面部、並びに、前記第1方向に直角な第2方向に対向する一対の側面部を有する周壁部と、
前記第1方向及び前記第2方向に直角な第3方向の一端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第1端面部と、
前記第3方向の他端側において前記周壁部の開口端部を塞ぐ第2端面部と、を備えた包装箱であって、
前記一対の側面部の各表面における前記第1方向の中央部において、前記第3方向の全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部が設けられ、
前記第2端面部の表面における前記第1方向の中央部において、前記第2方向の全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部が設けられ、
前記側面トリガ部は、前記第3方向において相互に間隔を空けて配置され且つそれぞれ前記第3方向に延びるように形成された第1及び第2側面トリガ部を有し、
前記一対の側面部の各表面において、前記第3方向の中央部を挟んだ一方側に前記第1側面トリガ部が配置され、他方側に前記第2側面トリガ部が配置され、
前記一対の側面部の各表面における前記第1側面トリガ部と前記第2側面トリガ部との間の部分に、前記第1方向に延びる凹状又は凸状の屈曲抑制部が設けられていることを特徴とする。
【0032】
この場合において、
前記屈曲抑制部は、前記一対の側面部の各表面における前記第3方向の中央部を挟んだ一方側及び他方側のそれぞれに設けられてもよい。
【0033】
この包装箱によれば、使用状態では折り曲げられることがない側面部の第1方向中央部及び第2端面部の第1方向中央部に、側面トリガ部及び端面トリガ部が設けられているため、第1端面部を開放させておけば、第2端面部が閉じられたままの状態でも、第1方向からの力により包装箱が押し潰されるとき、一対の側面部及び第2端面部が、それぞれの第1方向中央部において折り曲げられることで半分に折り畳まれた状態となりやすく、これにより、包装箱が全体として扁平状に押し潰されやすくなる。
【0034】
そのため、従来のように第1端面部と第2端面部の両方を開放させてから包装箱を折り畳む場合に比べて、第2端面部を開放させる手間と時間を省いて、簡単に包装箱を扁平状に押し潰すことができる。したがって、複数の包装箱を廃棄する際、作業者の負担を軽減しつつ、扁平状に押し潰された複数の包装箱を重ね合わせることで、これらの包装箱をコンパクトに廃棄できる。
【0035】
また、この包装箱によれば、各側面部における第3方向の全長の一部にしか側面トリガ部が設けられておらず、第2端面部における第2方向の全長の一部にしか端面トリガ部が設けられていないため、第1方向から押し潰そうとする力が包装箱に加えられない限り、各側面部及び第2端面部は容易には屈曲変形しない。そのため、使用状態における包装箱の変形が抑制され、内容物を効果的に保護することができる。
【0036】
そしてまた、この包装箱によれば、各側面部における第3方向中央部には側面トリガ部が設けられていないことにより、使用状態での側面部の屈曲変形が効果的に抑制されることで、内容物の保護を効果的に図ることができる。また、第3方向中央部を挟んだ一方側及び他方側において、第1及び第2側面トリガ部がそれぞれ第3方向に延びるように形成されていることにより、包装箱が押し潰されるとき、側面部の第1方向中央部において、第3方向に連続するコーナ部が新たに形成されるような屈曲変形が効果的に促進され、これにより、包装箱を扁平状に押し潰しやすくなる。
【0037】
第1方向に延びる屈曲抑制部が各側面部に設けられることにより、使用状態において、第1方向から荷重が入力されたときの側面部の屈曲変形がより効果的に抑制され、これにより、内容物の保護をより効果的に図ることができる。
【0038】
本発明の第2の態様において、
前記第2端面部は、前記正面部又は前記背面部のいずれか一方における前記第3方向の端部に連なる内蓋と、前記正面部又は前記背面部のいずれか他方における前記第3方向の端部に連なる外蓋とを有し、
前記外蓋に、前記端面トリガ部が設けられ、
前記内蓋における前記端面トリガ部に重なる部分に、前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されてもよい。
【0039】
この場合、包装箱が押し潰されるとき、第2端面部の外蓋は、上記の端面トリガ部が設けられていることにより第1方向中央部での屈曲変形が促進され、第2端面部の内蓋は、その第1方向中央部におけるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットに沿った屈曲変形が効果的に促進される。そのため、第2方向に連続するコーナ部が新たに形成されるような第2端面部の折り畳みを効果的に促進できる。また、外観を損ねやすい切り込み又はハーフカットが設けられた内蓋は、使用状態において外蓋に覆われるため、包装箱の外観を損ねることを防止できる。
【0040】
本発明の第2の態様において、
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されてもよい。
【0041】
この場合、第1端面部と第2端面部に設けられた各サイドフラップの第1方向中央部にミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることにより、各サイドフラップを側面部と共に屈曲変形させやすくなる。また、外観を損ねやすい切り込み又はハーフカットが設けられた各サイドフラップは、使用状態において蓋に覆われるため、包装箱の外観を損ねることを防止できる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、使用状態での包装箱の変形を抑制しつつ、使用後は、第2端面部を開放させることなく簡単に包装箱を扁平状に押し潰すことができる。したがって、作業者の負担を軽減しつつ、複数の包装箱を全体としてコンパクトに廃棄できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】第1の実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2】同包装箱を別の方向から見た斜視図である。
図3】封止前の同包装箱を示す斜視図である。
図4】同包装箱を構成するブランクシートを示す平面図である。
図5】同ブランクシートの一部の断面形状を示す図4のA−A線断面図である。
図6】使用後の同包装箱の潰し方を示す斜視図である。
図7】押し潰された状態の同包装箱を示す斜視図である。
図8】押し潰された同包装箱の内部を示す図7のB−B線断面図である。
図9】押し潰された同包装箱の内部を示す図7のC−C線断面図である。
図10】押し潰す前の形状に復元しようとした状態の同包装箱の内部を示す図9と同様の断面図である。
図11】第2の実施形態に係る包装箱を示す図2と同様の斜視図である。
図12】第3の実施形態に係る包装箱を示す図3と同様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0045】
なお、以下の実施形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「正面」、「背面」、「高さ」、「横」、「前後」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、組み立てられて封止された状態の包装箱を正面側から見た場合の方向を指すものとする。
【0046】
また、以下の説明で用いる「前後方向X」、「横方向Y」、「高さ方向Z」という各用語は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1方向」、「第2方向」、「第3方向」に対応するものである。
【0047】
さらに、本明細書において、単に「外側」又は「内側」という場合、これらの用語は、包装箱の「外側」又は「内側」を意味する。
【0048】
[第1の実施形態]
図1から図3に示すように、第1の実施形態に係る包装箱1は、高さ方向Zに延びて両端に開口部を有する角筒状の周壁部4と、周壁部4の上端に連なる4枚のフラップ11,12,13,14と、周壁部4の下端に連なる4枚のフラップ21,22,23,24とを備える。
【0049】
周壁部4は、正面部5と、前後方向Xにおいて正面部5の背面側に対向する背面部6と、横方向Yにおいて相互に対向し、それぞれ正面部5と背面部6に跨がる第1側面部7及び第2側面部8と、を有する。正面部5及び背面部6は、互いに平行に配置され、横方向Yにおいて互いに等しい幅を有する。第1側面部7及び第2側面部8は、互いに平行に配置され、前後方向Xにおいて互いに等しい幅を有する。第1側面部7及び第2側面部8の前後方向Xの幅は、正面部5及び背面部6の横方向Yの幅よりも小さい。
【0050】
上側のフラップ11,12,13,14は、具体的には、正面部5の上端に連なる第1フラップとしての内蓋11、背面部の上端に連なる第2フラップとしての外蓋12、第1側面部7の上端に連なるサイドフラップ13、及び、第2側面部8の上端に連なるサイドフラップ14である。
【0051】
上側の4枚のフラップ11〜14は、内側から、一対のサイドフラップ13,14、内蓋11、外蓋12の順で重なるように折り込まれる。一対のサイドフラップ13,14は、折り込まれた状態において互いに干渉せず、これらのサイドフラップ13,14の先端部間には隙間が生じる。内蓋11は、サイドフラップ13,14の外側に固定されることなく折り重ねられる。内蓋11は、先端に向かうに従って僅かに細くなる台形状であり、周壁部4の上側開口部の大部分を塞ぐような大きさを有する。外蓋12は、内蓋11とは反対側から周壁部4の上端開口部を塞ぐように折り込まれ、内蓋11の外側に重ねられて例えば接着により固定される。外蓋12は、先端に向かうに従って僅かに細くなる台形状であり、周壁部4の上側開口部の大部分を塞ぐような大きさを有する。
【0052】
周壁部4の上端開口部は、周壁部4のフラップ11〜14が折り重ねられることで完全に塞がれて、これらのフラップ11〜14により、包装箱1の上面部としての第1端面部10が構成される。第1端面部10は、内蓋11と外蓋12とが接着されることで封止される。
【0053】
下側のフラップ21,22,23,24は、具体的には、正面部5の下端に連なる内蓋21、背面部6の下端に連なる外蓋22、第1側面部7の下端に連なるサイドフラップ23、及び、第2側面部8の下端に連なるサイドフラップ24である。
【0054】
下側の内蓋21、外蓋22及び一対のサイドフラップ23,24の構成は、それぞれ、上側の内蓋11、外蓋12及び一対のサイドフラップ13,14と同様である。下側のフラップ21〜24は、内側から、一対のサイドフラップ23,24、内蓋21、外蓋22の順で重なるように折り込まれる。内蓋21は、サイドフラップ23,24の外側に固定されることなく折り重ねられる。内蓋21と外蓋22とは例えば接着により互いに固定される。
【0055】
これら4枚のフラップ21〜24によって、周壁部4の下端開口部は、完全に塞がれた状態で封止される。これらのフラップ21〜24により、包装箱1の底面部としての第2端面部20が構成される。
【0056】
以上のように、包装箱1は、第1及び第2端面部10,20がそれぞれ4枚のフラップによって封止されるシールエンドカートンである。第1及び第2端面部10,20が封止された状態における包装箱1は、略直方体の全体形状を有する。
【0057】
包装箱1は、図4に示すような厚紙からなるブランクシート2を折り曲げることで組み立てられる紙カートンである。なお、図4は、包装箱1を構成する各部5,6,7,8,9,11,12,13,14,21,22,23,24の外側から見たブランクシート2の平面図である。
【0058】
図4に示すブランクシート2では、図4における左側から順に、固定面部9、正面部5、第1側面部7、背面部6、第2側面部8が、高さ方向Zに延びる凹状の折り目線F1〜F4を介して連ねて設けられている。
【0059】
第1側面部7の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F5を介して上側のサイドフラップ13が連なり、第1側面部7の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F6を介して下側のサイドフラップ23が連なっている。
【0060】
第2側面部8の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F7を介して上側のサイドフラップ14が連なり、第2側面部8の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F8を介して下側のサイドフラップ24が連なっている。
【0061】
第1及び第2側面部7,8には、それぞれ後述の側面トリガ部41,42、屈曲抑制部44,45及び屈曲促進部50が設けられている。また、各サイドフラップ13,14,23,24には、後述の切り込み64,66が設けられている。
【0062】
背面部6の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F9を介して上側の外蓋12が連なり、背面部6の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F10を介して下側の外蓋22が連なっている。下側の外蓋22には後述の端面トリガ部60が設けられている。
【0063】
正面部5の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F11を介して上側の内蓋11が連なり、正面部5の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F12を介して下側の内蓋21が連なっている。正面部5の上縁部には、後述の切取線30と被押圧部5aが設けられている。下側の内蓋21には後述の切り込み62が設けられている。
【0064】
図5は、折り目線F4及び後述の第1側面トリガ部41の断面形状を示す図4のA−A線断面図である。図5に示すように、折り目線F4及び第1側面トリガ部41は、ブランクシート2の外側の面から見て凹状に形成されている。図5での図示は省略されているが、その他の折り目線F1〜F3,F5〜F12、並びに、後述の第2側面トリガ部42、屈曲抑制部44,45、屈曲促進部50及び端面トリガ部60も、同様の凹状に形成されている。これらの凹状部41,42,44,45,50,60,F1〜F12は、型押しによって形成された溝状の罫線で構成されている。
【0065】
続いて、図4に示すブランクシート2を用いて包装箱1を組み立てる手順について説明する。
【0066】
まず、第2側面部8と背面部6の間の折り目線F4に沿って折り曲げ、第1側面部7と正面部5の間の折り目線F2に沿って折り曲げ、糊部32によって第2側面部8の内面と固定面部9の外面とを接着する。これにより、折り畳み状態の包装箱1が完成する。
【0067】
その後、高さ方向Zに延びる折り目線F1〜F4に沿った周壁部4の4つのコーナを略直角に起こすと、図3に示すように第1端面部10及び第2端面部20が開放した状態の包装箱1が形成される。
【0068】
続いて、上側のフラップ11〜14及び下側のフラップ21〜24を上述のように折り重ねて、それぞれの内蓋11,21に外蓋12,22を接着することで、包装箱1の第1端面部10及び第2端面部20が封止されて、図1に示す封止状態の包装箱1が完成する。
【0069】
上述のように、本実施形態の包装箱1はシールエンドカートンであるため、第1及び第2端面部10,20を閉じるとき、タックエンドカートンの端面を閉じるときに行われるような差し込みフラップの差し込み工程が不要である。そのため、包装箱1の第1及び第2端面部10,20を自動包装機によって簡単かつ迅速に閉じることができる。
【0070】
以上のように組み立てられた包装箱1は、正面部5に設けられた切取線30に沿って正面部5を破ることで開封される。
【0071】
切取線30は、ミシン目状に並ぶ複数の切り込みで構成されている。切取線30は、正面部5の上左端から正面部5の上縁に沿って横方向Y右側へ延びる第1直線部30aと、正面部5の右上端から正面部5の上縁に沿って横方向Y左側へ延びる第2直線部30bと、第1直線部30aの右端から正面部5の上縁を下側へ膨出するように迂回して第2直線部30bの左端まで延びる膨出部30cとを有する。
【0072】
これにより、正面部5の内蓋11との境界近傍かつ横方向Yの中央部に、正面部5の上縁と切取線30の膨出部30cとで囲まれた略台形状の被押圧部5aが形成されている。
【0073】
ただし、切取線30の構成は、上述のものに限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えば、ジッパ状に配置された複数の切り込みで切取線30が構成されてもよい。
【0074】
包装箱1を開封する人の指によって被押圧部5aが外側から押し込まれると、被押圧部5aは、切取線30の膨出部30cに沿って正面部5から切り離される。さらに、正面部5から切り離された被押圧部5aが内蓋11と共に上方に引き上げられると、内蓋11は、切取線30の第1及び第2直線部30a,30bに沿って正面部5から切り離される。
【0075】
図6に示すように、外蓋12に接着された内蓋11が上記のように正面部5から切り離されると、内蓋11を介して正面部5に拘束されていた外蓋12を開くことができる(図6参照)。これにより、包装箱1は、第1端面部10が開放された開封状態となる。開封状態において、内蓋11及びこれに連なる被押圧部5aは、外蓋12を介して背面部6に連なる状態となる。
【0076】
開封された包装箱1は、第2端面部20が閉じられたままの状態でも、前後方向Xからの外力によって、簡単に扁平状に押し潰され得る(図7参照)。
【0077】
以下、包装箱1を扁平状に押し潰しやすくするための構成について説明する。
【0078】
図1図3に示すように、第1側面部7及び第2側面部8各表面における前後方向Xの中央部には、側面トリガ部41,42が設けられている。側面トリガ部41,42は、高さ方向Zにおける第1側面部7及び第2側面部8の各表面の全長の一部に設けられている。
【0079】
側面トリガ部41,42は、高さ方向Zにおいて相互に間隔を開けて配置された第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42で構成されている。各側面トリガ部41,42は、高さ方向Zに延びる凹状の溝部で構成されている。第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42のそれぞれにおいて、高さ方向Zの中央よりも上側に第1側面トリガ部41が設けられ、高さ方向Zの中央よりも下側に第2側面トリガ部42が設けられている。
【0080】
第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42は、略等しい長さを有する。高さ方向Zにおける第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔は、各側面トリガ部41,42の長さよりも短い。高さ方向Zにおいて、第1側面部7及び第2側面部8の上端と第1側面トリガ部41の上端との間隔、及び、第1側面部7及び第2側面部8の下端と第2側面トリガ部42の下端との間隔は、第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔よりも短い。
【0081】
第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42のそれぞれにおいて、第1側面トリガ部41,41と第2側面トリガ部42,42との間の部分に、屈曲抑制部44,45が設けられている。屈曲抑制部44,45は、高さ方向Zにおいて相互に間隔を空けて配置された第1屈曲抑制部44及び第2屈曲抑制部45で構成されている。各屈曲抑制部44,45は、前後方向Xに延びる凹状の溝部で構成されている。第1屈曲抑制部44の長さ方向中央部は、第1側面トリガ部41の下端に接しており、第2屈曲抑制部45の長さ方向中央部は、第2側面トリガ部42の上端に接している。
【0082】
第1屈曲抑制部44と第2屈曲抑制部45は、略等しい長さを有する。第1及び第2屈曲抑制部44,45の長さは、前後方向Xにおける第1側面部7及び第2側面部8の幅の半分よりも短い。また、第1及び第2屈曲抑制部44,45の長さは、高さ方向Zにおける第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔よりも短い。
【0083】
また、第1側面部7及び第2側面部8の各下端部、すなわち、第2端面部20のサイドフラップ23,24との境界に隣接する部分に、屈曲促進部50が設けられている。屈曲促進部50は、第1側面部7及び第2側面部8における前後方向Xの各中央部から高さ方向Zの第2端面部20側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状の溝部で構成されている。
【0084】
図3に示すように、第1端面部10のサイドフラップ13,14には、サイドフラップ13,14が第1側面部7及び第2側面部8に平行に配置された状態において高さ方向Zに延びるミシン目状の切り込み64が形成されている。なお、図3においては、一方のサイドフラップ13の切り込み64のみが図示されているが、他方のサイドフラップ14にも同様の切り込み64が形成されている。切り込み64は、第1端面部10における前後方向X中央部に配置されている。
【0085】
第2端面部20のサイドフラップ23,24にも同様の切り込み66が形成されている。なお、図3においては、一方のサイドフラップ23の切り込み66のみが図示されているが、他方のサイドフラップ24にも同様の切り込み66が形成されている。
【0086】
切り込み66は、第2端面部20が閉じられた状態、すなわちサイドフラップ23,24が第1及び第2側面部7,8に直角に配置された状態において横方向Yに延びるミシン目状に形成されている。切り込み66は、第2端面部20における前後方向X中央部に配置されている。
【0087】
なお、第1端面部10及び第2端面部20の各サイドフラップ13,14,23,24において、切り込み64,66に代えて、直線状のハーフカットが形成されるようにしてもよい。
【0088】
第2端面部20の外蓋22には、図2に示すように、端面トリガ部60が設けられている。端面トリガ部60は、外蓋22の表面において横方向Yに沿って直線状に延びる凹状の溝部で構成されている。端面トリガ部60は、外蓋22の前後方向Xの中央部に配置されている。横方向Yに関して、端面トリガ部60の右端は、外蓋22の右端と中央との間に位置し、端面トリガ部60の左端は、外蓋22の左端と中央との間に位置する。すなわち、端面トリガ部60は、外蓋22における横方向Yの一端部と中央部の間の部分から他端部と中央部の間の部分まで直線状に延びている。
【0089】
図3に示すように、第2端面部20の内蓋21において、外蓋22の端面トリガ部60(図2参照)に重なる部分には、横方向Yに延びるミシン目状の切り込み62が形成されている。切り込み62は、第2端面部20における前後方向X中央部に配置されている。切り込み62は、端面トリガ部60よりも短く形成されている。横方向Yに関して、切り込み62の右端は端面トリガ部60の右端よりも中央側に位置し、切り込み26の左端は端面トリガ部60の左端よりも中央側に位置する。
【0090】
第2端面部20の内蓋21は、切り込み62よりも基端側部分のみにおいて外蓋22に接着され、切り込み62よりも先端側部分は外蓋22に拘束されないようになっている。
【0091】
なお、内蓋21において、切り込み62に代えて、直線状のハーフカットが形成されてもよい。
【0092】
以上のように構成された包装箱1は、以下のように押し潰される。
【0093】
図6図7に示すように、本発明の実施形態では、開封されて内容物が取り出されることで使用済みとなった包装箱1を、次のように押し潰すことでコンパクトに廃棄することができる。
【0094】
具体的には、第1端面部10が開放されると共に第2端面部20が閉じられたままの包装箱1を、例えばユーザの手のひら等で正面部5側又は背面部6側から前後方向Xに押圧することで、正面部5と背面部6が互いに接近するように、また、一対の側面部7,8及び第2端面部20は外側に張り出しながら折り畳まれるように、包装箱1を押し潰すことができる。
【0095】
より具体的には、包装箱1が押し潰されるとき、第1側面部7と第2側面部8は、図7及び図8に示すように、全体的に横方向Y外側に張り出し、且つ、高さ方向Zに延びる第1側面トリガ部41,41と第2側面トリガ部42,42に沿って半分に折り畳まれるように変形する。これにより、各側面部7,8の前後方向Xの中央部に、高さ方向Zに連続するコーナ部43,43が新たに形成される。このとき、各側面部7,8におけるコーナ部43,43よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0096】
また、図7に示すように、上側のサイドフラップ13,14は、全体的に横方向Y外側に張り出し、且つ、高さ方向Zに延びるミシン目状の切り込み64,64に沿って半分に折り畳まれるように変形する。このとき、各サイドフラップ13,14における前後方向X中央部よりも正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0097】
一方、図7図9に示すように、下側のサイドフラップ23,24は、各側面部7,8におけるV字状の屈曲促進部50,50の下側に隣接する部分と共に、屈曲促進部50,50に沿って、包装箱1の内側に折り込まれて、側面部7,8における屈曲促進部50,50の上側に隣接する部分の内側に重ねられる。
【0098】
このとき、下側のサイドフラップ23,24は、その先端を高さ方向Zの上側に変位させながら、ミシン目状の切り込み66,66に沿って谷折りに半分に折り畳まれる。これにより、各サイドフラップ23,24における前後方向X中央部よりも正面側部分と背面側部分とは、その外面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。このようにして折り畳まれた各サイドフラップ23,24は、対応する側面部7,8における上記のコーナ部43よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分との間に挟み込まれる。
【0099】
図7及び図9に示すように、第2端面部20の外蓋22は、横方向Yに延びる端面トリガ部60に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。第2端面部20の内蓋21は、その基端側部分において接着された外蓋22に追従して、横方向Yに延びるミシン目状の切り込み62に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。このとき、内蓋21における切り込み26よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0100】
これにより、第2端面部20の前後方向Xの中央部に、横方向Yに連続するコーナ部63が新たに形成される。
【0101】
以上のように、包装箱1の第1端面部10のみを開放しておけば、第2端面部20を閉じたままでも、前後方向Xからの押圧によって、上述した各側面トリガ部41,42、屈曲促進部50及び端面トリガ部60での屈曲が促進されることで、包装箱1を容易に押し潰すことが出来る。
【0102】
そのため、従来のように両端面部を開放させてから包装箱を折り畳む場合に比べ、第2端面部20を開放させる手間と時間を省いて、簡単に包装箱を偏平状に押しつぶすことができる。したがって、複数の包装箱1を破棄する際、作業者の負担を軽減しつつ、偏平状に押しつぶされた複数の包装箱1を重ねることで、これらの包装箱1をコンパクトに廃棄できる。
【0103】
また、上述したように、一対の側面部7,8と第2端面部20はそれぞれ外側に張り出した状態で半分に折り畳まれる。
【0104】
仮に側面部7,8と第2端面部20が周壁部4の内側に入り込むように折り畳まれる場合、折り畳まれた側面部7,8及び第2端面部20が正面部5と背面部6との間に介在することになると共に、各側面部7,8と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、第2端面部20と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、並びに、各側面部7,8及び第2端面部20の折り畳みによって新たに形成されたコーナ部43,43,63の折り曲げ角度はいずれも鋭角になることから、折り畳まれた各側面部7,8と第2端面部20が元のフラットな形状に戻ろうとする復元力が大きくなり、正面部5と背面部6との間の間隔が拡がりやすくなる。
【0105】
これに対して、本実施形態によれば、折り畳まれた一対の側面部7,8及び第2端面部20が正面部5と背面部6との間に介在しないとともに、各側面部7,8と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、及び、第2端面部20と正面部5及び背面部6との間のコーナ部の折り曲げ角度が鈍角になることから、各側面部7,8及び第2端面部20に作用する復元力が小さくなり、正面部5と背面部6との間の間隔が拡がり難く、全体として扁平な状態を維持しやすい。したがって、押しつぶされた複数の包装箱1を重ね合わせたときに、これらの包装箱1を全体的な厚さが小さな状態でまとめやすく、よりコンパクトな状態での廃棄が可能になる。
【0106】
また、各側面部7,8の高さ方向Z中央部には側面トリガ部41,42が設けられておらず、その代わりに屈曲抑制部44,44,45,45が設けられているので、使用状態(未開封の状態)における各側面部7,8の屈曲を抑制できる。
【0107】
さらに、端面トリガ部60は、第2端面部20における横方向Yの中央部のみに形成されているので、使用状態における第2端面部20の屈曲変形が抑制できる。
【0108】
このように、前後方向Xから押しつぶそうとする力が包装箱1に加えられない限り、各側面部7,8及び第2端面部20は容易には屈曲変形しないため、包装箱1に収容された内容物を効果的に保護できる。
【0109】
また、包装箱1には、正面部5の第1端面部10側にのみ切取線30が設けられており、第2端面部20側には切取線が設けられていないので、ユーザが誤って第2端面部20側から開封してしまうことを抑制できる。
【0110】
これにより、仮に包装箱1内における第1端面部10側に添付文書等の添付物が封入されている場合、添付物が封入された側からの開封を促すことができる。そのため、第1端面部10側からの開封時に、ユーザの指と内容物との間に添付物が介在することで、ユーザの指による押圧力が内容物に直接加えられることを抑制したり、内容物の収容状態を維持したままで添付物のみを取り出しやすくなったりする利点がある。
【0111】
さらに、切取線30は第1端面部10側のみに設けられているので、仮に包装箱1の両端面部10,20側に切取線を設ける場合に比べて、包装箱1の内側空間と外側空間とを連通させるように包装箱1の壁部を貫通する切り込み部分の削減を図ることができ、これにより、内容物の保護を効果的に図ることができる。
【0112】
また、第2端面部20側には切取線が設けられていないことにより、第2端面部20を開放することなく包装箱1を折り畳み可能であることを認識させやすくなるという利点もある。
【0113】
さらに、上述したように、第2端面部20の内蓋21(図3参照)は、その切り込み62よりも基端側部分のみにおいて外蓋22に接着されている(図9参照)。そのため、包装箱1が、図9に示すように押し潰されて折り畳まれるように変形した後に、図10に示すように押し潰される前の形状に戻されようとするとき、内蓋21の先端部21aは外蓋22から立ち上がった状態となり、サイドフラップ23,24に引っ掛かりやすい。
【0114】
したがって、サイドフラップ23,24は上側に盛り上がり、内蓋21と外蓋22は下側に突出した状態になりやすく、第2端面部20を元のフラットな形状に完全に戻し難い。そのため、このような状態の包装箱1に再び内容物を収容しようとした場合、上側に盛り上がった第2端面部20に内容物が干渉することで、当該包装箱1が一旦潰された後に再利用されたものであることを、ユーザに気づかせやすい。よって、包装箱1の再利用が好ましくない場合において、再利用を防止するための注意喚起ができる。
【0115】
[第2の実施形態]
図11を参照しながら、第2の実施形態に係る包装箱201について説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略する。また、図11において、第1の実施形態と同様の機能を有する要素には同符号を付してある。
【0116】
図11に示すように、第2の実施形態に係る包装箱201は、第2端面部20の外蓋22における端面トリガ部の構成を除けば、第1の実施形態に係る包装箱1(図2参照)と同じ構造を有する。
【0117】
第2の実施形態においても、端面トリガ部261,262は、第2端面部20の外蓋22の表面における前後方向Xの中央部に設けられている。各端面トリガ部261,262は、横方向Yにおいて相互に間隔を開けて配置された第1端面トリガ部261及び第2端面トリガ部262で構成されている。各端面トリガ部261,262は、前後方向Xの中央から横方向Yの外側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状の溝部で構成されている。第1端面トリガ部261は、横方向Yの中央よりも左側に設けられ、第2端面トリガ部262は、横方向Yの中央よりも右側に設けられている。第1端面トリガ部261と第2端面トリガ部262は、それぞれのV字の頂点が対向するように配置されている。
【0118】
以上の構成により、第1の実施形態と同様に、第1端面部10が開放されるとともに第2端面部20が閉じられたままの包装箱201を、前後方向Xから押圧することで、一対の側面部7,8及び第2端面部20が外側に張り出しながら折り畳まれるように包装箱201を押し潰すことができる。
【0119】
このとき、第2端面部20の外蓋22は、第1及び第2端面トリガ部261,262の頂点部分を基点として屈曲変形しやすくなっている。具体的に、外蓋22は、第1及び第2端面トリガ部261,262の頂点を通って横方向Yに延びる仮想直線に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。これにより、第2端面部20は、第1実施形態と同様の態様で折り畳まれるように変形する。
【0120】
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができ、使用済みとなった包装箱201をコンパクトに廃棄することができる。
【0121】
また、第2実施形態の端面トリガ部261,262は、横方向Yの2点のみに形成されていることから、横方向Yの広範囲に亘って端面トリガ部60(図2参照)が形成された第1実施形態に比べて、使用状態(未開封状態)での第2端面部20の屈曲変形を抑制しやすくなっている。したがって、第2実施形態によれば、包装箱201の使用状態において、より効果的に内容物を保護することができる。
【0122】
[第3の実施形態]
図12を参照しながら、第3の実施形態に係る包装箱301について説明する。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略する。また、図12において、第1の実施形態と同様の機能を有する要素には同符号を付してある。
【0123】
図12に示すように、第3の実施形態に係る包装箱301は、第1端面部310及び第2端面部320の構成を除けば、第1の実施形態に係る包装箱1(図3参照)と同じ構造を有する。第3の実施形態に係る包装箱301は、第1端面部310及び第2端面部320がそれぞれ後述の3枚のフラップで構成されたタックエンドカートンである。
【0124】
第1端面部310は、横方向Yに延びる折り目線F11を介して正面部5の上縁に連なる蓋部311と、横方向Yに延びる折り目線F13を介して蓋部311の先端に連なる差込片312と、第1実施形態と同様の一対のサイドフラップ13,14とで構成されている。
【0125】
第2端面部320は、横方向Yに延びる折り目線F12を介して正面部5の下縁に連なる蓋部321と、横方向Yに延びる折り目線F14を介して蓋部321の先端に連なる差込片322と、第1実施形態と同様の一対のサイドフラップ23,24とで構成されている。
【0126】
第2端面部320の前後方向X中央部において、蓋部321には、第1実施形態と同様の端面トリガ部60が設けられている。
【0127】
第1端面部310及び第2端面部320は、前述の差込片312及び322が周壁部4の内側に差し込まれることで閉じられる。このとき、各差込片312,322は周壁部4の背面部6の内面に接着され、これにより、タックエンドカートン301の両端面部310,320が封止される。
【0128】
以上のように構成された第3実施形態の包装箱301においても第1実施形態と同様の側面トリガ部41,42及び端面トリガ部60が設けられているため、第1端面部310が開放されると共に第2端面部320が閉じられたままの包装箱301を前後方向Xから押圧することで、第1実施形態と同様、一対の側面部7,8及び第2端面部320が外側に張り出しながら折り畳まれるように包装箱301を押し潰すことができる。これにより、第1の実施形態と同様に使用済みとなった包装箱301をコンパクトに廃棄することができる。
【0129】
なお、第3実施形態において、第2端面部320の蓋部321には、第1実施形態と同様の端面トリガ部60に代えて、第2実施形態と同様の端面トリガ部261,262が設けられてもよく、これにより、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0130】
また、第3実施形態において、第2端面部320の蓋部321は、正面部5の下縁に連なるように設けられているが、背面部6の下縁に連なるように設けられてもよい。
【0131】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0132】
上述の実施形態では、第1側面部及び第2側面部に側面トリガ部が2つずつ設けられる場合を説明したが、側面トリガ部は1つ又は3つ以上設けられてもよい。
【0133】
また、上述の実施形態では、第1側面部及び第2側面部に屈曲抑制部を設ける場合を説明したが、本発明では、屈曲抑制部を省略することも可能である。この場合、各側面部において、第1側面トリガ部及び第2側面トリガ部が高さ方向Zにおいてある程度の間隔を空けて配置されることで、包装箱の使用状態における側面部の屈曲変形を効果的に抑制でき、これにより、内容物の効果的な保護を図ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
以上のように、本発明によれば、使用状態での変形を抑制しつつ、簡単且つコンパクトに廃棄できる包装箱を提供することが可能となるため、医薬品及び食品を含む種々の物品を封入する包装箱に好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0135】
1,201,301 包装箱
2 ブランクシート
4 周壁部
5 正面部
5a 被押圧部
6 背面部
7 第1側面部
8 第2側面部
9 固定面部
10,310 第1端面部
11 内蓋
12 外蓋
13,14 サイドフラップ
20,320 第2端面部
21 内蓋
22 外蓋
23,24 サイドフラップ
30 切取線
41 第1側面トリガ部
42 第2側面トリガ部
44,45 屈曲抑制部
50 屈曲促進部
60 端面トリガ部
62,64,66 切り込み
261 第1端面トリガ部
262 第2端面トリガ部
311,321 蓋部
312,322 差込片
F1〜F14 折り目線
X 前後方向(第1方向)
Y 横方向(第2方向)
Z 高さ方向(第3方向)
【要約】
【課題】使用状態での変形を抑制しつつ、簡単且つコンパクトに廃棄できる包装箱を提供する。
【解決手段】正面部5、背面部6及び一対の側面部7,8を有する周壁部4と、周壁部4の一端側の開口端部を塞ぐ第1端面部10と、周壁部4の他方側の開口端部を塞ぐ第2端面部20と、を備えた包装箱1において、周壁部4の一対の側面部7,8には、その各表面の第1方向Xの中央部における第3方向Zの全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部41,42が設けられ、第2端面部20には、その表面における第1方向Xの中央部にける第2方向Yの全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部60が設けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12