(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装箱。
前記一対の側面部の各表面における前記第2端面部の前記サイドフラップとの境界に隣接する部分に、前記第1方向の中央部から前記第3方向の前記第2端面部側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状又は凸状の屈曲促進部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の包装箱。
前記第2端面部は、前記正面部又は前記背面部のいずれか一方における前記第3方向の端部に連なる内蓋と、前記正面部又は前記背面部のいずれか他方における前記第3方向の端部に連なる外蓋とを有し、
前記外蓋に、前記端面トリガ部が設けられ、
前記内蓋における前記端面トリガ部に重なる部分に、前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の包装箱。
前記第1端面部と前記第2端面部は、前記一対の側面部の前記第3方向の端部に連なる一対のサイドフラップと、該一対のサイドフラップの外側に重ねられる蓋とをそれぞれ有し、
前記サイドフラップのそれぞれには、前記第1端面部及び前記第2端面部における前記第1方向の中央部において前記第2方向に延びるミシン目状の切り込み又は直線状のハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の包装箱。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0045】
なお、以下の実施形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「正面」、「背面」、「高さ」、「横」、「前後」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、組み立てられて封止された状態の包装箱を正面側から見た場合の方向を指すものとする。
【0046】
また、以下の説明で用いる「前後方向X」、「横方向Y」、「高さ方向Z」という各用語は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1方向」、「第2方向」、「第3方向」に対応するものである。
【0047】
さらに、本明細書において、単に「外側」又は「内側」という場合、これらの用語は、包装箱の「外側」又は「内側」を意味する。
【0048】
[第1の実施形態]
図1から
図3に示すように、第1の実施形態に係る包装箱1は、高さ方向Zに延びて両端に開口部を有する角筒状の周壁部4と、周壁部4の上端に連なる4枚のフラップ11,12,13,14と、周壁部4の下端に連なる4枚のフラップ21,22,23,24とを備える。
【0049】
周壁部4は、正面部5と、前後方向Xにおいて正面部5の背面側に対向する背面部6と、横方向Yにおいて相互に対向し、それぞれ正面部5と背面部6に跨がる第1側面部7及び第2側面部8と、を有する。正面部5及び背面部6は、互いに平行に配置され、横方向Yにおいて互いに等しい幅を有する。第1側面部7及び第2側面部8は、互いに平行に配置され、前後方向Xにおいて互いに等しい幅を有する。第1側面部7及び第2側面部8の前後方向Xの幅は、正面部5及び背面部6の横方向Yの幅よりも小さい。
【0050】
上側のフラップ11,12,13,14は、具体的には、正面部5の上端に連なる第1フラップとしての内蓋11、背面部の上端に連なる第2フラップとしての外蓋12、第1側面部7の上端に連なるサイドフラップ13、及び、第2側面部8の上端に連なるサイドフラップ14である。
【0051】
上側の4枚のフラップ11〜14は、内側から、一対のサイドフラップ13,14、内蓋11、外蓋12の順で重なるように折り込まれる。一対のサイドフラップ13,14は、折り込まれた状態において互いに干渉せず、これらのサイドフラップ13,14の先端部間には隙間が生じる。内蓋11は、サイドフラップ13,14の外側に固定されることなく折り重ねられる。内蓋11は、先端に向かうに従って僅かに細くなる台形状であり、周壁部4の上側開口部の大部分を塞ぐような大きさを有する。外蓋12は、内蓋11とは反対側から周壁部4の上端開口部を塞ぐように折り込まれ、内蓋11の外側に重ねられて例えば接着により固定される。外蓋12は、先端に向かうに従って僅かに細くなる台形状であり、周壁部4の上側開口部の大部分を塞ぐような大きさを有する。
【0052】
周壁部4の上端開口部は、周壁部4のフラップ11〜14が折り重ねられることで完全に塞がれて、これらのフラップ11〜14により、包装箱1の上面部としての第1端面部10が構成される。第1端面部10は、内蓋11と外蓋12とが接着されることで封止される。
【0053】
下側のフラップ21,22,23,24は、具体的には、正面部5の下端に連なる内蓋21、背面部6の下端に連なる外蓋22、第1側面部7の下端に連なるサイドフラップ23、及び、第2側面部8の下端に連なるサイドフラップ24である。
【0054】
下側の内蓋21、外蓋22及び一対のサイドフラップ23,24の構成は、それぞれ、上側の内蓋11、外蓋12及び一対のサイドフラップ13,14と同様である。下側のフラップ21〜24は、内側から、一対のサイドフラップ23,24、内蓋21、外蓋22の順で重なるように折り込まれる。内蓋21は、サイドフラップ23,24の外側に固定されることなく折り重ねられる。内蓋21と外蓋22とは例えば接着により互いに固定される。
【0055】
これら4枚のフラップ21〜24によって、周壁部4の下端開口部は、完全に塞がれた状態で封止される。これらのフラップ21〜24により、包装箱1の底面部としての第2端面部20が構成される。
【0056】
以上のように、包装箱1は、第1及び第2端面部10,20がそれぞれ4枚のフラップによって封止されるシールエンドカートンである。第1及び第2端面部10,20が封止された状態における包装箱1は、略直方体の全体形状を有する。
【0057】
包装箱1は、
図4に示すような厚紙からなるブランクシート2を折り曲げることで組み立てられる紙カートンである。なお、
図4は、包装箱1を構成する各部5,6,7,8,9,11,12,13,14,21,22,23,24の外側から見たブランクシート2の平面図である。
【0058】
図4に示すブランクシート2では、
図4における左側から順に、固定面部9、正面部5、第1側面部7、背面部6、第2側面部8が、高さ方向Zに延びる凹状の折り目線F1〜F4を介して連ねて設けられている。
【0059】
第1側面部7の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F5を介して上側のサイドフラップ13が連なり、第1側面部7の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F6を介して下側のサイドフラップ23が連なっている。
【0060】
第2側面部8の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F7を介して上側のサイドフラップ14が連なり、第2側面部8の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F8を介して下側のサイドフラップ24が連なっている。
【0061】
第1及び第2側面部7,8には、それぞれ後述の側面トリガ部41,42、屈曲抑制部44,45及び屈曲促進部50が設けられている。また、各サイドフラップ13,14,23,24には、後述の切り込み64,66が設けられている。
【0062】
背面部6の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F9を介して上側の外蓋12が連なり、背面部6の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F10を介して下側の外蓋22が連なっている。下側の外蓋22には後述の端面トリガ部60が設けられている。
【0063】
正面部5の上側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F11を介して上側の内蓋11が連なり、正面部5の下側には、水平方向に延びる凹状の折り目線F12を介して下側の内蓋21が連なっている。正面部5の上縁部には、後述の切取線30と被押圧部5aが設けられている。下側の内蓋21には後述の切り込み62が設けられている。
【0064】
図5は、折り目線F4及び後述の第1側面トリガ部41の断面形状を示す
図4のA−A線断面図である。
図5に示すように、折り目線F4及び第1側面トリガ部41は、ブランクシート2の外側の面から見て凹状に形成されている。
図5での図示は省略されているが、その他の折り目線F1〜F3,F5〜F12、並びに、後述の第2側面トリガ部42、屈曲抑制部44,45、屈曲促進部50及び端面トリガ部60も、同様の凹状に形成されている。これらの凹状部41,42,44,45,50,60,F1〜F12は、型押しによって形成された溝状の罫線で構成されている。
【0065】
続いて、
図4に示すブランクシート2を用いて包装箱1を組み立てる手順について説明する。
【0066】
まず、第2側面部8と背面部6の間の折り目線F4に沿って折り曲げ、第1側面部7と正面部5の間の折り目線F2に沿って折り曲げ、糊部32によって第2側面部8の内面と固定面部9の外面とを接着する。これにより、折り畳み状態の包装箱1が完成する。
【0067】
その後、高さ方向Zに延びる折り目線F1〜F4に沿った周壁部4の4つのコーナを略直角に起こすと、
図3に示すように第1端面部10及び第2端面部20が開放した状態の包装箱1が形成される。
【0068】
続いて、上側のフラップ11〜14及び下側のフラップ21〜24を上述のように折り重ねて、それぞれの内蓋11,21に外蓋12,22を接着することで、包装箱1の第1端面部10及び第2端面部20が封止されて、
図1に示す封止状態の包装箱1が完成する。
【0069】
上述のように、本実施形態の包装箱1はシールエンドカートンであるため、第1及び第2端面部10,20を閉じるとき、タックエンドカートンの端面を閉じるときに行われるような差し込みフラップの差し込み工程が不要である。そのため、包装箱1の第1及び第2端面部10,20を自動包装機によって簡単かつ迅速に閉じることができる。
【0070】
以上のように組み立てられた包装箱1は、正面部5に設けられた切取線30に沿って正面部5を破ることで開封される。
【0071】
切取線30は、ミシン目状に並ぶ複数の切り込みで構成されている。切取線30は、正面部5の上左端から正面部5の上縁に沿って横方向Y右側へ延びる第1直線部30aと、正面部5の右上端から正面部5の上縁に沿って横方向Y左側へ延びる第2直線部30bと、第1直線部30aの右端から正面部5の上縁を下側へ膨出するように迂回して第2直線部30bの左端まで延びる膨出部30cとを有する。
【0072】
これにより、正面部5の内蓋11との境界近傍かつ横方向Yの中央部に、正面部5の上縁と切取線30の膨出部30cとで囲まれた略台形状の被押圧部5aが形成されている。
【0073】
ただし、切取線30の構成は、上述のものに限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えば、ジッパ状に配置された複数の切り込みで切取線30が構成されてもよい。
【0074】
包装箱1を開封する人の指によって被押圧部5aが外側から押し込まれると、被押圧部5aは、切取線30の膨出部30cに沿って正面部5から切り離される。さらに、正面部5から切り離された被押圧部5aが内蓋11と共に上方に引き上げられると、内蓋11は、切取線30の第1及び第2直線部30a,30bに沿って正面部5から切り離される。
【0075】
図6に示すように、外蓋12に接着された内蓋11が上記のように正面部5から切り離されると、内蓋11を介して正面部5に拘束されていた外蓋12を開くことができる(
図6参照)。これにより、包装箱1は、第1端面部10が開放された開封状態となる。開封状態において、内蓋11及びこれに連なる被押圧部5aは、外蓋12を介して背面部6に連なる状態となる。
【0076】
開封された包装箱1は、第2端面部20が閉じられたままの状態でも、前後方向Xからの外力によって、簡単に扁平状に押し潰され得る(
図7参照)。
【0077】
以下、包装箱1を扁平状に押し潰しやすくするための構成について説明する。
【0078】
図1〜
図3に示すように、第1側面部7及び第2側面部8各表面における前後方向Xの中央部には、側面トリガ部41,42が設けられている。側面トリガ部41,42は、高さ方向Zにおける第1側面部7及び第2側面部8の各表面の全長の一部に設けられている。
【0079】
側面トリガ部41,42は、高さ方向Zにおいて相互に間隔を開けて配置された第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42で構成されている。各側面トリガ部41,42は、高さ方向Zに延びる凹状の溝部で構成されている。第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42のそれぞれにおいて、高さ方向Zの中央よりも上側に第1側面トリガ部41が設けられ、高さ方向Zの中央よりも下側に第2側面トリガ部42が設けられている。
【0080】
第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42は、略等しい長さを有する。高さ方向Zにおける第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔は、各側面トリガ部41,42の長さよりも短い。高さ方向Zにおいて、第1側面部7及び第2側面部8の上端と第1側面トリガ部41の上端との間隔、及び、第1側面部7及び第2側面部8の下端と第2側面トリガ部42の下端との間隔は、第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔よりも短い。
【0081】
第1側面トリガ部41及び第2側面トリガ部42のそれぞれにおいて、第1側面トリガ部41,41と第2側面トリガ部42,42との間の部分に、屈曲抑制部44,45が設けられている。屈曲抑制部44,45は、高さ方向Zにおいて相互に間隔を空けて配置された第1屈曲抑制部44及び第2屈曲抑制部45で構成されている。各屈曲抑制部44,45は、前後方向Xに延びる凹状の溝部で構成されている。第1屈曲抑制部44の長さ方向中央部は、第1側面トリガ部41の下端に接しており、第2屈曲抑制部45の長さ方向中央部は、第2側面トリガ部42の上端に接している。
【0082】
第1屈曲抑制部44と第2屈曲抑制部45は、略等しい長さを有する。第1及び第2屈曲抑制部44,45の長さは、前後方向Xにおける第1側面部7及び第2側面部8の幅の半分よりも短い。また、第1及び第2屈曲抑制部44,45の長さは、高さ方向Zにおける第1側面トリガ部41と第2側面トリガ部42との間隔よりも短い。
【0083】
また、第1側面部7及び第2側面部8の各下端部、すなわち、第2端面部20のサイドフラップ23,24との境界に隣接する部分に、屈曲促進部50が設けられている。屈曲促進部50は、第1側面部7及び第2側面部8における前後方向Xの各中央部から高さ方向Zの第2端面部20側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状の溝部で構成されている。
【0084】
図3に示すように、第1端面部10のサイドフラップ13,14には、サイドフラップ13,14が第1側面部7及び第2側面部8に平行に配置された状態において高さ方向Zに延びるミシン目状の切り込み64が形成されている。なお、
図3においては、一方のサイドフラップ13の切り込み64のみが図示されているが、他方のサイドフラップ14にも同様の切り込み64が形成されている。切り込み64は、第1端面部10における前後方向X中央部に配置されている。
【0085】
第2端面部20のサイドフラップ23,24にも同様の切り込み66が形成されている。なお、
図3においては、一方のサイドフラップ23の切り込み66のみが図示されているが、他方のサイドフラップ24にも同様の切り込み66が形成されている。
【0086】
切り込み66は、第2端面部20が閉じられた状態、すなわちサイドフラップ23,24が第1及び第2側面部7,8に直角に配置された状態において横方向Yに延びるミシン目状に形成されている。切り込み66は、第2端面部20における前後方向X中央部に配置されている。
【0087】
なお、第1端面部10及び第2端面部20の各サイドフラップ13,14,23,24において、切り込み64,66に代えて、直線状のハーフカットが形成されるようにしてもよい。
【0088】
第2端面部20の外蓋22には、
図2に示すように、端面トリガ部60が設けられている。端面トリガ部60は、外蓋22の表面において横方向Yに沿って直線状に延びる凹状の溝部で構成されている。端面トリガ部60は、外蓋22の前後方向Xの中央部に配置されている。横方向Yに関して、端面トリガ部60の右端は、外蓋22の右端と中央との間に位置し、端面トリガ部60の左端は、外蓋22の左端と中央との間に位置する。すなわち、端面トリガ部60は、外蓋22における横方向Yの一端部と中央部の間の部分から他端部と中央部の間の部分まで直線状に延びている。
【0089】
図3に示すように、第2端面部20の内蓋21において、外蓋22の端面トリガ部60(
図2参照)に重なる部分には、横方向Yに延びるミシン目状の切り込み62が形成されている。切り込み62は、第2端面部20における前後方向X中央部に配置されている。切り込み62は、端面トリガ部60よりも短く形成されている。横方向Yに関して、切り込み62の右端は端面トリガ部60の右端よりも中央側に位置し、切り込み26の左端は端面トリガ部60の左端よりも中央側に位置する。
【0090】
第2端面部20の内蓋21は、切り込み62よりも基端側部分のみにおいて外蓋22に接着され、切り込み62よりも先端側部分は外蓋22に拘束されないようになっている。
【0091】
なお、内蓋21において、切り込み62に代えて、直線状のハーフカットが形成されてもよい。
【0092】
以上のように構成された包装箱1は、以下のように押し潰される。
【0093】
図6と
図7に示すように、本発明の実施形態では、開封されて内容物が取り出されることで使用済みとなった包装箱1を、次のように押し潰すことでコンパクトに廃棄することができる。
【0094】
具体的には、第1端面部10が開放されると共に第2端面部20が閉じられたままの包装箱1を、例えばユーザの手のひら等で正面部5側又は背面部6側から前後方向Xに押圧することで、正面部5と背面部6が互いに接近するように、また、一対の側面部7,8及び第2端面部20は外側に張り出しながら折り畳まれるように、包装箱1を押し潰すことができる。
【0095】
より具体的には、包装箱1が押し潰されるとき、第1側面部7と第2側面部8は、
図7及び
図8に示すように、全体的に横方向Y外側に張り出し、且つ、高さ方向Zに延びる第1側面トリガ部41,41と第2側面トリガ部42,42に沿って半分に折り畳まれるように変形する。これにより、各側面部7,8の前後方向Xの中央部に、高さ方向Zに連続するコーナ部43,43が新たに形成される。このとき、各側面部7,8におけるコーナ部43,43よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0096】
また、
図7に示すように、上側のサイドフラップ13,14は、全体的に横方向Y外側に張り出し、且つ、高さ方向Zに延びるミシン目状の切り込み64,64に沿って半分に折り畳まれるように変形する。このとき、各サイドフラップ13,14における前後方向X中央部よりも正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0097】
一方、
図7〜
図9に示すように、下側のサイドフラップ23,24は、各側面部7,8におけるV字状の屈曲促進部50,50の下側に隣接する部分と共に、屈曲促進部50,50に沿って、包装箱1の内側に折り込まれて、側面部7,8における屈曲促進部50,50の上側に隣接する部分の内側に重ねられる。
【0098】
このとき、下側のサイドフラップ23,24は、その先端を高さ方向Zの上側に変位させながら、ミシン目状の切り込み66,66に沿って谷折りに半分に折り畳まれる。これにより、各サイドフラップ23,24における前後方向X中央部よりも正面側部分と背面側部分とは、その外面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。このようにして折り畳まれた各サイドフラップ23,24は、対応する側面部7,8における上記のコーナ部43よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分との間に挟み込まれる。
【0099】
図7及び
図9に示すように、第2端面部20の外蓋22は、横方向Yに延びる端面トリガ部60に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。第2端面部20の内蓋21は、その基端側部分において接着された外蓋22に追従して、横方向Yに延びるミシン目状の切り込み62に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。このとき、内蓋21における切り込み26よりも前後方向Xの正面側部分と背面側部分とは、その内面同士が対向するように折り重ねられた状態となる。
【0100】
これにより、第2端面部20の前後方向Xの中央部に、横方向Yに連続するコーナ部63が新たに形成される。
【0101】
以上のように、包装箱1の第1端面部10のみを開放しておけば、第2端面部20を閉じたままでも、前後方向Xからの押圧によって、上述した各側面トリガ部41,42、屈曲促進部50及び端面トリガ部60での屈曲が促進されることで、包装箱1を容易に押し潰すことが出来る。
【0102】
そのため、従来のように両端面部を開放させてから包装箱を折り畳む場合に比べ、第2端面部20を開放させる手間と時間を省いて、簡単に包装箱を偏平状に押しつぶすことができる。したがって、複数の包装箱1を破棄する際、作業者の負担を軽減しつつ、偏平状に押しつぶされた複数の包装箱1を重ねることで、これらの包装箱1をコンパクトに廃棄できる。
【0103】
また、上述したように、一対の側面部7,8と第2端面部20はそれぞれ外側に張り出した状態で半分に折り畳まれる。
【0104】
仮に側面部7,8と第2端面部20が周壁部4の内側に入り込むように折り畳まれる場合、折り畳まれた側面部7,8及び第2端面部20が正面部5と背面部6との間に介在することになると共に、各側面部7,8と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、第2端面部20と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、並びに、各側面部7,8及び第2端面部20の折り畳みによって新たに形成されたコーナ部43,43,63の折り曲げ角度はいずれも鋭角になることから、折り畳まれた各側面部7,8と第2端面部20が元のフラットな形状に戻ろうとする復元力が大きくなり、正面部5と背面部6との間の間隔が拡がりやすくなる。
【0105】
これに対して、本実施形態によれば、折り畳まれた一対の側面部7,8及び第2端面部20が正面部5と背面部6との間に介在しないとともに、各側面部7,8と正面部5及び背面部6との間の各コーナ部、及び、第2端面部20と正面部5及び背面部6との間のコーナ部の折り曲げ角度が鈍角になることから、各側面部7,8及び第2端面部20に作用する復元力が小さくなり、正面部5と背面部6との間の間隔が拡がり難く、全体として扁平な状態を維持しやすい。したがって、押しつぶされた複数の包装箱1を重ね合わせたときに、これらの包装箱1を全体的な厚さが小さな状態でまとめやすく、よりコンパクトな状態での廃棄が可能になる。
【0106】
また、各側面部7,8の高さ方向Z中央部には側面トリガ部41,42が設けられておらず、その代わりに屈曲抑制部44,44,45,45が設けられているので、使用状態(未開封の状態)における各側面部7,8の屈曲を抑制できる。
【0107】
さらに、端面トリガ部60は、第2端面部20における横方向Yの中央部のみに形成されているので、使用状態における第2端面部20の屈曲変形が抑制できる。
【0108】
このように、前後方向Xから押しつぶそうとする力が包装箱1に加えられない限り、各側面部7,8及び第2端面部20は容易には屈曲変形しないため、包装箱1に収容された内容物を効果的に保護できる。
【0109】
また、包装箱1には、正面部5の第1端面部10側にのみ切取線30が設けられており、第2端面部20側には切取線が設けられていないので、ユーザが誤って第2端面部20側から開封してしまうことを抑制できる。
【0110】
これにより、仮に包装箱1内における第1端面部10側に添付文書等の添付物が封入されている場合、添付物が封入された側からの開封を促すことができる。そのため、第1端面部10側からの開封時に、ユーザの指と内容物との間に添付物が介在することで、ユーザの指による押圧力が内容物に直接加えられることを抑制したり、内容物の収容状態を維持したままで添付物のみを取り出しやすくなったりする利点がある。
【0111】
さらに、切取線30は第1端面部10側のみに設けられているので、仮に包装箱1の両端面部10,20側に切取線を設ける場合に比べて、包装箱1の内側空間と外側空間とを連通させるように包装箱1の壁部を貫通する切り込み部分の削減を図ることができ、これにより、内容物の保護を効果的に図ることができる。
【0112】
また、第2端面部20側には切取線が設けられていないことにより、第2端面部20を開放することなく包装箱1を折り畳み可能であることを認識させやすくなるという利点もある。
【0113】
さらに、上述したように、第2端面部20の内蓋21(
図3参照)は、その切り込み62よりも基端側部分のみにおいて外蓋22に接着されている(
図9参照)。そのため、包装箱1が、
図9に示すように押し潰されて折り畳まれるように変形した後に、
図10に示すように押し潰される前の形状に戻されようとするとき、内蓋21の先端部21aは外蓋22から立ち上がった状態となり、サイドフラップ23,24に引っ掛かりやすい。
【0114】
したがって、サイドフラップ23,24は上側に盛り上がり、内蓋21と外蓋22は下側に突出した状態になりやすく、第2端面部20を元のフラットな形状に完全に戻し難い。そのため、このような状態の包装箱1に再び内容物を収容しようとした場合、上側に盛り上がった第2端面部20に内容物が干渉することで、当該包装箱1が一旦潰された後に再利用されたものであることを、ユーザに気づかせやすい。よって、包装箱1の再利用が好ましくない場合において、再利用を防止するための注意喚起ができる。
【0115】
[第2の実施形態]
図11を参照しながら、第2の実施形態に係る包装箱201について説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略する。また、
図11において、第1の実施形態と同様の機能を有する要素には同符号を付してある。
【0116】
図11に示すように、第2の実施形態に係る包装箱201は、第2端面部20の外蓋22における端面トリガ部の構成を除けば、第1の実施形態に係る包装箱1(
図2参照)と同じ構造を有する。
【0117】
第2の実施形態においても、端面トリガ部261,262は、第2端面部20の外蓋22の表面における前後方向Xの中央部に設けられている。各端面トリガ部261,262は、横方向Yにおいて相互に間隔を開けて配置された第1端面トリガ部261及び第2端面トリガ部262で構成されている。各端面トリガ部261,262は、前後方向Xの中央から横方向Yの外側に向かってV字状に拡がるように延びる凹状の溝部で構成されている。第1端面トリガ部261は、横方向Yの中央よりも左側に設けられ、第2端面トリガ部262は、横方向Yの中央よりも右側に設けられている。第1端面トリガ部261と第2端面トリガ部262は、それぞれのV字の頂点が対向するように配置されている。
【0118】
以上の構成により、第1の実施形態と同様に、第1端面部10が開放されるとともに第2端面部20が閉じられたままの包装箱201を、前後方向Xから押圧することで、一対の側面部7,8及び第2端面部20が外側に張り出しながら折り畳まれるように包装箱201を押し潰すことができる。
【0119】
このとき、第2端面部20の外蓋22は、第1及び第2端面トリガ部261,262の頂点部分を基点として屈曲変形しやすくなっている。具体的に、外蓋22は、第1及び第2端面トリガ部261,262の頂点を通って横方向Yに延びる仮想直線に沿って半分に折り畳まれるように、且つ、全体的に高さ方向Zの外側に拡がるように変形する。これにより、第2端面部20は、第1実施形態と同様の態様で折り畳まれるように変形する。
【0120】
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができ、使用済みとなった包装箱201をコンパクトに廃棄することができる。
【0121】
また、第2実施形態の端面トリガ部261,262は、横方向Yの2点のみに形成されていることから、横方向Yの広範囲に亘って端面トリガ部60(
図2参照)が形成された第1実施形態に比べて、使用状態(未開封状態)での第2端面部20の屈曲変形を抑制しやすくなっている。したがって、第2実施形態によれば、包装箱201の使用状態において、より効果的に内容物を保護することができる。
【0122】
[第3の実施形態]
図12を参照しながら、第3の実施形態に係る包装箱301について説明する。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略する。また、
図12において、第1の実施形態と同様の機能を有する要素には同符号を付してある。
【0123】
図12に示すように、第3の実施形態に係る包装箱301は、第1端面部310及び第2端面部320の構成を除けば、第1の実施形態に係る包装箱1(
図3参照)と同じ構造を有する。第3の実施形態に係る包装箱301は、第1端面部310及び第2端面部320がそれぞれ後述の3枚のフラップで構成されたタックエンドカートンである。
【0124】
第1端面部310は、横方向Yに延びる折り目線F11を介して正面部5の上縁に連なる蓋部311と、横方向Yに延びる折り目線F13を介して蓋部311の先端に連なる差込片312と、第1実施形態と同様の一対のサイドフラップ13,14とで構成されている。
【0125】
第2端面部320は、横方向Yに延びる折り目線F12を介して正面部5の下縁に連なる蓋部321と、横方向Yに延びる折り目線F14を介して蓋部321の先端に連なる差込片322と、第1実施形態と同様の一対のサイドフラップ23,24とで構成されている。
【0126】
第2端面部320の前後方向X中央部において、蓋部321には、第1実施形態と同様の端面トリガ部60が設けられている。
【0127】
第1端面部310及び第2端面部320は、前述の差込片312及び322が周壁部4の内側に差し込まれることで閉じられる。このとき、各差込片312,322は周壁部4の背面部6の内面に接着され、これにより、タックエンドカートン301の両端面部310,320が封止される。
【0128】
以上のように構成された第3実施形態の包装箱301においても第1実施形態と同様の側面トリガ部41,42及び端面トリガ部60が設けられているため、第1端面部310が開放されると共に第2端面部320が閉じられたままの包装箱301を前後方向Xから押圧することで、第1実施形態と同様、一対の側面部7,8及び第2端面部320が外側に張り出しながら折り畳まれるように包装箱301を押し潰すことができる。これにより、第1の実施形態と同様に使用済みとなった包装箱301をコンパクトに廃棄することができる。
【0129】
なお、第3実施形態において、第2端面部320の蓋部321には、第1実施形態と同様の端面トリガ部60に代えて、第2実施形態と同様の端面トリガ部261,262が設けられてもよく、これにより、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0130】
また、第3実施形態において、第2端面部320の蓋部321は、正面部5の下縁に連なるように設けられているが、背面部6の下縁に連なるように設けられてもよい。
【0131】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0132】
上述の実施形態では、第1側面部及び第2側面部に側面トリガ部が2つずつ設けられる場合を説明したが、側面トリガ部は1つ又は3つ以上設けられてもよい。
【0133】
また、上述の実施形態では、第1側面部及び第2側面部に屈曲抑制部を設ける場合を説明したが、本発明では、屈曲抑制部を省略することも可能である。この場合、各側面部において、第1側面トリガ部及び第2側面トリガ部が高さ方向Zにおいてある程度の間隔を空けて配置されることで、包装箱の使用状態における側面部の屈曲変形を効果的に抑制でき、これにより、内容物の効果的な保護を図ることが可能である。
【解決手段】正面部5、背面部6及び一対の側面部7,8を有する周壁部4と、周壁部4の一端側の開口端部を塞ぐ第1端面部10と、周壁部4の他方側の開口端部を塞ぐ第2端面部20と、を備えた包装箱1において、周壁部4の一対の側面部7,8には、その各表面の第1方向Xの中央部における第3方向Zの全長の一部に凹状又は凸状の側面トリガ部41,42が設けられ、第2端面部20には、その表面における第1方向Xの中央部にける第2方向Yの全長の一部に凹状又は凸状の端面トリガ部60が設けられる。