特許第6092473号(P6092473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092473
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】昇降奥移動式立体駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   E04H6/18 606H
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-517122(P2016-517122)
(86)(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公表番号】特表2016-523318(P2016-523318A)
(43)【公表日】2016年8月8日
(86)【国際出願番号】CN2013081883
(87)【国際公開番号】WO2015007006
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】201310296846.X
(32)【優先日】2013年7月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515334706
【氏名又は名称】李 祥啓
【氏名又は名称原語表記】LI, Xiangqi
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】李 祥啓
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−057991(JP,A)
【文献】 特開平05−239948(JP,A)
【文献】 特開平07−026775(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202081677(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203361724(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形行列に配置される複数の駐車室を備え、
各駐車室は、スチールフレームからなり、奥行方向に延びて構成され、
前記スチールフレームは、対向する2本の上部奥梁を備え、前記上部奥梁それぞれの下に下部奥梁が設けられ、前記下部奥梁の端部には、それぞれ下部前横梁及び下部後横梁が設置される昇降奥移動式立体駐車装置であって、
前記駐車室それぞれの内部には、第一動力装置により駆動される奥移動入出庫機構が奥行方向に移動可能に装着され、
前記奥移動入出庫機構それぞれの内部には、車を載置する一つの昇降基台が設置され、
最上層の前記駐車室の頂上部には、片持ちフレームが装着され、
前記片持ちフレームは、矩形となるように対向して設置される2本の片持ち奥梁、及び対向して設置される2本の片持ち横梁を備え、
前記片持ちフレームは、駐車室より伸出し、かつ記駐車室の出庫方向側に設置され、
第二動力装置により駆動される横移動機構は、前記片持ちフレームに、横方向に移動可能に装着され、
第三動力装置により駆動される奥移動機構は、前記横移動機構に、奥行方向に移動可能に装着され、
前記奥移動機構には、第四動力装置により駆動されて垂直方向に上下移動可能な昇降駆動機構が装着され、
第五動力装置により駆動され、垂直軸線を中心として回転し、前記昇降基台を把持する把持回転機構は、前記昇降駆動機構に連接し
前記奥移動入出庫機構は、前記スチールフレームの内部に奥行方向に移動可能な奥移動基台を有し、前記奥移動基台は、前記昇降基台を収容するブラケットと連接用の横梁を備え、
前記ブラケットの後端には、対向する2つの第一ローラが設けられ、前記第一ローラそれぞれが下部奥梁3にスクロール可能に装着され、
前記横梁の後端には、対向する2つの第二ローラが設けられ、前記第二ローラそれぞれが前記上部奥梁にスクロール可能に装着され、
前記ブラケットと前記横梁の間には、斜め支柱が設けられ、
前記斜め支柱と前記ブラケットにより形成される角度は鈍角であり、
前記ブラケットと前記斜め支柱の間には、強化用筋交いが設置されている、
ことを特徴とする昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項2】
前記第一動力装置は、前記下部後横梁に装着されて、奥移動入出庫電動機により駆動される能動鎖歯車を備え、
前記下部前横梁の前記能動鎖歯車に対応する位置に従動鎖歯車が装着され、前記能動鎖歯車と前記従動鎖歯車の間にチェーンが備えられて、
前記チェーンは、前記能動鎖歯車と前記従動鎖歯車に巻かれて、前記チェーンの両端は、それぞれ前記ブラケットに固定される、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項3】
前記2本の片持ち横梁のいずれにも横方向ガイドレールが設けられ、
前記横移動機構は、矩形となるように対向する2本の横移動奥梁と対向する2本の横移動横梁を備え、
前記横移動機構は、第二動力装置の駆動により移動し、横方向ガイドレールに装着される、
ことを特徴とする請求項1記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項4】
前記第二動力装置は、前記横移動横梁に装着されて横移動電動機により駆動される能動横移動鎖歯車を備え、
前記横移動横梁の能動横移動鎖歯車の下に従動横移動鎖歯車が設けられ、
前記能動横移動鎖歯車と前記従動横移動鎖歯車の軸方向は、前記横移動機構の横移動方向に垂直となり、
前記能動横移動鎖歯車と前記従動横移動鎖歯車の間には、横移動チェーンが装着され、
前記横移動チェーンの一方の端が前記片持ち横梁の一端側に固定され、もう一方の端が、前記能動横移動鎖歯車と前記従動横移動鎖歯車に巻かれて、前記片持ち横梁の他端側に固定され、
前記横移動横梁には、前記従動横移動鎖歯車の巻き付け角度を拡大し、前記横移動チェーンを引っ張るため、引張横移動鎖歯車が設けられ、
対応している前記横移動横梁と前記片持ち横梁の間には、前記横移動電動機、前記従動横移動鎖歯車、前記引張横移動鎖歯車、及び前記横移動チェーンが設けられ、
2つの前記能動横移動鎖歯車は、第一駆動軸により固定連接する、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項5】
前記2本の横移動奥梁には、いずれにも奥行方向ガイドレールが設けられ、前記奥移動機構は、奥移動フレームを備え、
前記奥移動フレームは、前記第三動力装置により駆動され、前記奥行方向ガイドレールに装着するように移動し、
前記第三動力装置は、前記奥移動フレームに装着されて奥移動電動機により駆動される能動奥移動鎖歯車を備え、
前記奥移動フレームの前記能動奥移動鎖歯車の下に従動奥移動鎖歯車が設けられ、
前記能動奥移動鎖歯車及び前記従動奥移動鎖歯車の軸方向は、前記奥移動フレームの奥移動方向に対して垂直となり、
前記能動奥移動鎖歯車と前記従動奥移動鎖歯車の間には、奥移動チェーンが備えられ、
前記奥移動チェーンの一端は、前記横移動奥梁の一端側に固定され、他端が前記能動奥移動鎖歯車と前記従動奥移動鎖歯車に巻かれて、前記横移動奥梁の他端側に固定され、
前記奥移動フレームと前記2本の横移動奥梁の間には、前記能動奥移動鎖歯車、従動奥移動鎖歯車、及び奥移動チェーンが設けられ、
2つの前記能動奥移動鎖歯車が、第二駆動軸により固定的に接続される、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項6】
前記昇降駆動機構は、矩形昇降架を備え、前記矩形昇降架は前記奥移動フレームの下に位置し、
前記矩形昇降架の上部には、動滑車4組が設けられ、前記動滑車の各組は、第一動滑車と第二動滑車を備え、
前記第一動滑車は、前記矩形昇降架の各角部に位置し、前記第二動滑車は前記矩形昇降架の中心近くに位置し、
前記動滑車の各組は、前記矩形昇降架の対角線に沿って配置され、かつ前記第一動滑車と前記第二動滑車の軸線は、いずれもそれに対応する前記矩形昇降架の対角線に対して垂直となり、
前記奥移動フレームの4つの前記第一動滑車に対応する箇所に4つの固定点が設けられ、
前記奥移動フレームの内部には、第四動力装置により駆動される能動ドラム及び従動ドラムが回転可能に装着され、
前記能動ドラムと従動ドラムは、平行に設置され、かつ回転方向が異なり、
前記能動ドラムには2本の第一ワイヤロープが設けられ、前記2本の第一ワイヤロープはいずれも一端部が前記能動ドラムに固定され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の前記動滑車の前記第二動滑車と前記第一動滑車に巻かれて、前記奥移動フレームの対応する前記固定点に固定され、
前記従動ドラムには、2本の第二ワイヤロープが設けられて、前記2本の第二ワイヤロープはいずれも一端部が従動ドラムに固定され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の前記動滑車の前記第二動滑車と前記第一動滑車に巻かれて、前記奥移動フレームの対応する前記固定点に固定される、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項7】
前記能動ドラムの一端部には、前記能動ドラムを貫通する能動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、
前記能動ドラムに固定されている前記2本の第一ワイヤロープの端部は、前記能動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結され、
前記能動ドラムの外表面には、2本の能動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置されて、前記2本の能動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、前記能動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、
前記2本の第一ワイヤロープは、それぞれの能動ドラム螺旋状綱溝に装着されて、
前記従動ドラムの一端部には、前記従動ドラムを貫通する従動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、
前記従動ドラムに固定されている前記2本の第二ワイヤロープの端部は、前記従動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結され、
前記従動ドラムの外表面には、2本の従動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置され、
前記2本の従動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、前記従動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、
前記2本の第二ワイヤロープは、それぞれの前記従動ドラム螺旋状綱溝に装着される、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項8】
前記把持回転機構は、矩形昇降架に固定されている環状軌道を備え、
前記矩形昇降架の中心には、垂直回転軸が設けられ、
前記第五動力装置により駆動される回転フレームは、前記垂直回転軸の前記矩形昇降架の下に回転可能に装着され、
前記回転フレームと前記環状軌道の間には、荷重受けとガイドのための複数の回転ローラが設けられ、昇降基台を把持する把持機構は、回転フレームに設置され、
前記回転フレームには、前記昇降基台に突き合わせる把持ガイド機構が設けられる、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【請求項9】
前記回転フレームは、矩形となるように対向して配置される2本の回転横梁及び対向して配置される2本の回転奥梁を備え、
各前記回転横梁には、把持機構が設けられ、
前記把持機構は、第六動力装置により駆動されるフックを備え、
前記把持ガイド機構は、ガイド板を備え、前記ガイド板は、前記回転横梁又は前記回転奥梁に装着される、
ことを特徴とする請求項記載の昇降奥移動式立体駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置に関し、詳しくは昇降奥移動式立体駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活水準の継続的な改善に伴い、より多くの人々が自家用乗用車を購入しており、交通機関や環境に重大な影響を及ぼしている。その結果、駐車困難が生じるため、機械式駐車装置業界では、大きいビジネスチャンス及び市場が期待されている。機械式立体駐車装置は、土地の利用率を大幅に向上させ、駐車困難という課題の解決にますます重要な役割を果たしている。
【0003】
現在、立体駐車設備としては、昇降横移動動式、垂直循環式、垂直昇降式、通路スタッキングの駐車システム等が存在している。昇降横移動動式駐車設備は、出庫所要時間が短いが、空きスペースが必要であるため、駐車設備の階数が増えると共に、空きスペースも増加し、駐車可能なスペースが減少する。垂直循環式駐車設備は、空きスペースは必要ないが、駐車室が多く設けられる場合、入庫出庫の所要時間が長くなる。垂直昇降式駐車設備は、昇降システムを設置するスペースが必要となるため、土地の利用率が悪化する恐れがある。通路スタッキングの駐車システムは、通路を設置するスペースが必要となるため、土地の利用率が悪化する恐れがある。
従って、従来技術の立体駐車設備では、入庫出庫の所要時間を短縮しながら、土地を有効に利用するのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、入庫出庫の所要時間を短縮しながら、土地を有効に利用することが従来技術の立体駐車設備では、困難であるとの課題に対して、昇降奥移動式立体駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、以下の昇降奥移動式立体駐車装置を提供する。
【0006】
矩形行列に配置される複数の駐車室を備え、
各駐車室は、スチールフレームからなり、奥行方向に延びて構成され、
上記スチールフレームは、対向する2本の上部奥梁を備え、上記上部奥梁それぞれの下に下部奥梁が設けられ、上記下部奥梁の端部には、それぞれ下部前横梁及び下部後横梁が設置され、
上記駐車室それぞれの内部には、第一動力装置により駆動される奥移動入出庫機構が奥行方向に移動可能に装着され、
上記奥移動入出庫機構それぞれの内部には、車を載置する一つの昇降基台が設置され、
最上層の上記駐車室の頂上部には、片持ちフレームが装着され、
上記片持ちフレームは、矩形となるように対向して設置される2本の片持ち奥梁、及び対向して設置される2本の片持ち横梁を備え、駐車室より伸出し、かつ上記奥移動入出庫機構が上記駐車室からのスライド出庫方向と同側に設置され、
第二動力装置により駆動される横移動機構は、上記片持ちフレームに、横方向に移動可能に装着され、
第三動力装置により駆動される奥移動機構は、上記横移動機構に、奥行方向に移動可能に装着され、
上記奥移動機構には、第四動力装置により駆動され、垂直に上下移動可能な昇降駆動機構が装着され、
第五動力装置により駆動され、垂直軸線を中心として回転し、上記昇降基台を把持する把持回転機構は、上記昇降駆動機構に連接していることを特徴とする
昇降奥移動式立体駐車装置を提供する。
【0007】
改良形態では、上記奥移動入出庫機構は、上記スチールフレームの内部に奥行方向に移動可能な奥移動基台を有し、上記奥移動基台は、上記昇降基台を収容するブラケットと連接用の横梁を備え、
上記ブラケットの後端には、対向する2つの第一ローラが設けられ、上記第一ローラそれぞれが下部奥梁3にスクロール可能に装着され、
上記横梁の後端には、対向する2つの第二ローラが設けられ、上記第二ローラそれぞれが上記上部奥梁にスクロール可能に装着され、
上記ブラケットと上記横梁の間には、斜め支柱が設けられ、
上記斜め支柱と上記ブラケットにより形成された角度は鈍角であり、
上記ブラケットと上記斜め支柱の間には、強化用筋交いが設置されている。
【0008】
更なる改良形態では、上記第一動力装置は、上記下部後横梁に装着されて、奥移動入出庫電動機により駆動される能動鎖歯車を備え、
上記下部前横梁の上記能動鎖歯車に対応する位置に従動鎖歯車が装着され、上記能動鎖歯車と従動鎖歯車の間にチェーンが備えられて、
上記チェーンは、上記能動鎖歯車と上記従動鎖歯車に取り巻いて、上記チェーンの両端は、それぞれ上記ブラケットに固定される。
【0009】
更なる改良形態では、上記2本の片持ち横梁は、いずれにも横方向ガイドレールが設けられ、
上記横移動機構は、矩形となるように対向する2本の横移動奥梁と対向する2本の横移動横梁を備え、
上記横移動機構は、第二動力装置の駆動により移動し、横方向ガイドレールに装着される。
【0010】
更なる改良形態では、上記第二動力装置は、上記横移動横梁に装着されて横移動電動機により駆動される能動横移動鎖歯車を備え、
上記横移動横梁の能動横移動鎖歯車の下に従動横移動鎖歯車が設けられ、
上記能動横移動鎖歯車と上記従動横移動鎖歯車の軸方向は、上記横移動機構の横移動方向に垂直となり、
上記能動横移動鎖歯車と上記従動横移動鎖歯車の間には、横移動チェーンが装着される。
【0011】
更に、上記横移動チェーン一方の端が上記片持ち横梁の一端側に固定され、もう一方の端が、上記能動横移動鎖歯車と上記従動横移動鎖歯車に巻かれて、上記片持ち横梁の他端側に固定され、
上記横移動横梁には、上記従動横移動鎖歯車の巻き付け角度を拡大し、上記横移動チェーンを引っ張るため、引張横移動鎖歯車が設けられ、
対応している上記横移動横梁と上記片持ち横梁の間には、上記横移動電動機、上記従動横移動鎖歯車、上記引張横移動鎖歯車、及び上記横移動チェーンが設けられ、
2つの上記能動横移動鎖歯車は、第一駆動軸により固定連接する。
【0012】
更なる改良形態では、上記2本の横移動奥梁には、いずれにも奥行方向ガイドレールが設けられ、上記奥移動機構は、奥移動フレームを備え、
上記奥移動ホイールは、上記第三動力装置により駆動され、上記奥行方向ガイドレールに装着するように移動し、
上記第三動力装置は、上記奥移動フレームに装着されて奥移動電動機により駆動される能動奥移動鎖歯車を備え、
上記奥移動フレームの上記能動奥移動鎖歯車の下に従動奥移動鎖歯車が設けられ、
上記能動奥移動鎖歯車及び上記従動奥移動鎖歯車の軸方向は、上記奥移動フレームの奥移動方向に対して垂直となり、
上記能動奥移動鎖歯車と上記従動奥移動鎖歯車の間には、奥移動チェーンが備えられ、
上記奥移動チェーンの一端は、上記横移動奥梁の一端側に固定され、他端が上記能動奥移動鎖歯車と上記従動奥移動鎖歯車に巻かれて、上記横移動奥梁の他端側に固定され、
上記奥移動フレームと上記2本の横移動奥梁の間には、上記能動奥移動鎖歯車、従動奥移動鎖歯車、及び奥移動チェーンが設けられ、
2つの上記能動奥移動鎖歯車が、第二駆動軸により固定的に接続される。
【0013】
更なる改良形態では、上記昇降駆動機構は、矩形昇降架を備え、上記矩形昇降架は上記奥移動フレームの下に位置し、
上記矩形昇降架の上部には、動滑車4組が設けられ、上記動滑車の各組は、第一動滑車と第二動滑車を備え、
上記第一動滑車は、上記矩形昇降架の各角部に位置し、上記第二動滑車は上記矩形昇降架の中心近くに位置し、
上記動滑車の各組は、上記矩形昇降架の対角線に沿って配置され、かつ上記第一動滑車と上記第二動滑車の軸線は、いずれもそれに対応する上記矩形昇降架の対角線に対して垂直となり、
上記奥移動フレームの4つの上記第一動滑車に対応する箇所に4つの固定点が設けられ、
上記奥移動フレームの内部には、第四動力装置に駆動される能動ドラム及び従動ドラムが回転可能に装着され、
上記能動ドラムと従動ドラムは、平行に設置され、かつ回転方向が異なり、
上記能動ドラムには2本の第一ワイヤロープが設けられ、上記2本の第一ワイヤロープはいずれも一端部が上記能動ドラムに固定され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の上記動滑車の上記第二動滑車と上記第一動滑車に巻かれ、上記奥移動フレームの対応する上記固定点に固定され、
上記従動ドラムには、2本の第二ワイヤロープが設けられて、上記2本の第二ワイヤロープはいずれも一端部が従動ドラムに固定され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の上記動滑車の上記第二動滑車と上記第一動滑車に巻かれて、上記奥移動フレームの対応する上記固定点に固定される。
【0014】
更なる改良形態では、上記能動ドラムの一端部には、上記能動ドラムを貫通する能動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、
上記能動ドラムに固定されている上記2本の第一ワイヤロープの端部は、上記能動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結され、
上記能動ドラムの外表面には、2本の能動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置されて、上記2本の能動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、上記能動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、
上記2本の第一ワイヤロープは、それぞれの能動ドラム螺旋状綱溝に装着されて、
上記従動ドラムの一端部には、上記従動ドラムを貫通する従動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、
上記従動ドラムに固定されている上記2本の第二ワイヤロープの端部は、上記従動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結され、
上記従動ドラムの外表面には、2本の従動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置され、
上記2本の従動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、上記従動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、
上記2本の第二ワイヤロープは、それぞれの上記従動ドラム螺旋状綱溝に装着される。
【0015】
更なる改良形態では、上記把持回転機構は、矩形昇降架に固定されている環状軌道を備え、
上記矩形昇降架の中心には、垂直回転軸が設けられ、
第五動力装置により駆動される回転フレームは、上記垂直回転軸の上記矩形昇降架の下に回転可能に装着され、
上記回転フレームと上記環状軌道の間には、荷重受けとガイドのための複数の回転ローラが設けられ、昇降基台を把持する把持機構は、回転フレームに設置され、
上記回転フレームには、上記昇降基台に突き合わせる把持ガイド機構が設けられる。
【0016】
更なる改良形態では、上記回転フレームは、矩形となるように対向して配置される2本の回転横梁及び対向して配置される2本の回転奥梁を備え、
各上記回転横梁には、把持機構が設けられ、
上記把持機構は、第六動力装置に駆動されるフックを備え、
上記把持ガイド機構は、ガイド板を備え、上記ガイド板は、上記回転横梁又は上記回転奥梁に装着される。
【発明の効果】
【0017】
前記の技術方案は、以下の技術効果を奏する。
【0018】
本発明の昇降奥移動式立体駐車装置は、矩形陣列に配置される複数の駐車室を有するため、各階において空きスペースがなく、入庫車の数が増え、土地の利用率を向上できる。最上層駐車室の上に、片持ちフレームが設けられ、片持ちフレームには、奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構及び把持回転機構が設置される。片持ちフレームは、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。各駐車室の内部には、奥行方向に奥移動入出庫機構が滑動できるように設置され、各奥移動入出庫機構の内部には、いずれにも一つの昇降基台が設置される。入庫する場合、車が昇降基台に停車し、奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構により把持回転機構を動かして、昇降基台を車と共に奥移動入出庫機構の上に移動し、車を所定の駐車室に入庫できるようになる。奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構、把持回転機構及び奥移動入出庫機構は、それぞれ単独の動力装置により駆動されるため、入出庫する場合、昇降基台と車の横移動、奥移動、昇降又は回転を、同時に実現できる。さらに、奥移動入出庫機構は、駐車室に突き出し又は進入でき、入出庫に掛かる時間が節約でき、入出庫の作業効率を大幅に向上できる。
【0019】
奥移動入出庫機構は、スチールフレームの中に奥行方向に移動可能な奥移動基台を有し、奥移動基台は、昇降基台を収容するブラケットと連接するための横梁を有する。ブラケットの後端には、対向する2つの第一ローラが設けられ、各第一ローラは下部奥梁にスクロール可能に装着されている。横梁の後端には、対向する2つの第二ローラが設けられ、各第二ローラは上部奥梁にスクロール可能に装着されている。これにより、奥移動基台の強度と剛度を満たすことを条件として、材料を大幅に削減でき、生産コストも減少でき、奥移動入出庫機構の構造がより簡単となり、確実に作動することを保証できる。ブラケットと横梁の間には、斜め支柱が設置され、斜め支柱とブラケットにより形成された角度は鈍角であるため、奥移動基台にかかる応力が合理的に分散され、奥移動基台の傾きを防ぎ、車が転落する恐れを解消できる。奥移動基台の安定性と剛度をより高めるため、ブラケットと斜め支柱の間に強化用筋交いも設置される。
【0020】
本発明の第一動力装置は、下部後横梁に装着される、奥移動入出庫電動機により駆動される能動鎖歯車を備え、下部前横梁の能動鎖歯車に対応する位置に従動鎖歯車が装着され、能動鎖歯車と従動鎖歯車の間にチェーンが備えられる。奥移動入出庫電動機により駆動すると、チェーンが奥移動基台を下部奥梁と上部奥梁に沿って移動することにより、奥移動基台が駐車室に伸出また進入でき、車の駐車室への入出庫を実現できる。第一動力装置の構造は簡単で、奥移動基台の安定作動を保証できる。
【0021】
上記2本の片持ち横梁は、いずれにも横方向ガイドレールが設けられている。横移動機構は、矩形となるように対向する2本の横移動奥梁と対向する2本の横移動横梁を備え、横移動横梁の底部に横移動ホイールが設置されている。横移動機構は、第二動力装置の駆動により移動し、横方向ガイドレールに装着でき、奥移動機構が移動し、横移動奥梁に装着できるため、横移動機構の構造は簡単で、製造コストも抑制できる。
【0022】
上記第二動力装置は、横移動横梁に装着され横移動電動機により駆動される能動横移動鎖歯車を備え、横移動横梁の能動横移動鎖歯車の下に従動横移動鎖歯車が設けられる。能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車の軸方向は、横移動機構の横移動方向に垂直となる。能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車の間には、横移動チェーンが装着され、横移動チェーン一方の端が片持ち横梁の一端側に固定して装着され、もう一方の端は、能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車に巻かれ、片持ち横梁の他端側に固定される。横移動機構は、横移動電動機の駆動により、横移動チェーンに沿って、片持ちフレームの横方向に適当な位置まで移動する。第二動力装置の構造は簡単で、製造コストが低く、作動も安定で信頼性が高い。従動横移動鎖歯車の巻き付け角度を拡大し、横移動チェーンを引っ張るため、横移動横梁には、引張横移動鎖歯車が設けられている。これにより、横方向に配置される駐車室が多い場合、横移動チェーンが長すぎて緩くなり、横移動機構が横方向に移動することに悪影響を与えることを防止できる。また、対応している横移動横梁と片持ち横梁の間に、横移動電動機、従動横移動鎖歯車、引張横移動鎖歯車、及び横移動チェーンが設けられる。2つの能動横移動鎖歯車は、第一駆動軸により固定連接し、第一駆動軸は、2つの能動横移動鎖歯車を同歩的に作動させ、横移動機構の作動をより安定させる。また、2つの横移動電動機は、それぞれ能動横移動鎖歯車を駆動するため、第一駆動軸の直径が大きくなり過ぎることも防止できる。
【0023】
2本の横移動奥梁には、いずれにも奥行方向ガイドレールが設けられている。奥移動機構は、奥移動フレームを備え、奥移動フレームの上面に奥移動ホイール設けられて、奥移動ホイールは、第三動力装置により駆動され、奥行方向ガイドレールに装着されるように移動する。そのため、奥移動機構は、構造が簡単で製造コストも低い。また、奥移動フレームと2本の横移動奥梁の間に、能動奥移動鎖歯車、従動奥移動鎖歯車及び奥移動チェーンが設けられ、2つの能動奥移動鎖歯車が、第二駆動軸により固定的に接続され、第二駆動軸により2つの能動奥移動鎖歯車が同期して作動可能で、奥移動フレームの作動をよりスムーズに実現できる。
【0024】
昇降駆動機構は、矩形昇降架を備え、矩形昇降架が奥移動フレームの下に位置している。矩形昇降架の上部には、動滑車4組が設けられ、各組の動滑車は、第一動滑車と第二動滑車を備え、第一動滑車は矩形昇降架の各角部に位置し、第二動滑車は矩形昇降架の中心近くに位置し、各組の動滑車は、矩形昇降架の対角線に沿って配置され、かつ第一動滑車と第二動滑車の軸線は、いずれもそれに対応する矩形昇降架の対角線に対して垂直となり、奥移動フレームの4つの第一動滑車に応じた箇所に4つの固定点が設けられている。奥移動フレームの内部には、第四動力装置に駆動される能動ドラム及び従動ドラムが回転可能に装着されている。能動ドラムと従動ドラムは、平行して設置され、かつ回転方向が異なり、能動ドラムに2本の第一ワイヤロープが設けられて、2本の第一ワイヤロープはいずれも一端部が能動ドラムに固定的に装着され、かつ他端部はそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車と第一動滑車に巻かれて、奥移動フレームの対応する固定点に固定されるため、昇降駆動機構の構造がよりコンパクトとなる。従動ドラムには2本の第二ワイヤロープが設けられて、2本の第二ワイヤロープはいずれも一端部が従動ドラムに固定的に装着され、かつ他端部はそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車と第一動滑車に巻かれて、奥移動フレームの対応する固定点に固定される。第四動力装置は、能動ドラム及び従動ドラムを駆動し、それぞれ能動ドラムと従動ドラムに巻き付ける2本の第一ワイヤロープと第二ワイヤロープにより、矩形昇降架を昇降させるため、昇降の運転が安定であり、矩形昇降架の作業の信頼性が高く、矩形昇降架により8つの点から吊り上げるため、応力が合理的に分散される。
【0025】
能動ドラムの一端部には、能動ドラムを貫通する能動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、能動ドラムに固定されている2本の第一ワイヤロープの端部は、能動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結されている。能動ドラムの外表面には、2本の能動ドラム螺旋状綱溝が平行して設置され、2本の能動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、能動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、2本の第一ワイヤロープ49は、それぞれの能動ドラム螺旋状綱溝に装着されている。従動ドラムの構造は、能動ドラムの構造に類似し、従動ドラムの一端部には、従動ドラムを貫通する従動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、従動ドラムに固定されている2本の第二ワイヤロープの端部は、従動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結されている。従動ドラムの外表面には、2本の従動ドラム螺旋状綱溝が平行して設置され、2本の従動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、従動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、2本の第二ワイヤロープは、それぞれの従動ドラム螺旋状綱溝に装着されている。2本の第一ワイヤロープ及び2本の第二ワイヤロープのロープ張力が一致するため、矩形昇降架をより安定的に運行させることができる。ワイヤロープが切断した場合でも、簡単にワイヤロープを交換できる。
【0026】
把持回転機構は、矩形昇降架に固定されている環状軌道を備え、矩形昇降架の中心には、垂直回転軸が設けられ、第五動力装置により駆動される回転フレームは、垂直回転軸の矩形昇降架の下に回転可能に装着されている。車が入出庫する場合、把持回転機構は、立体駐車装置の出入り口の方向に応じて、昇降基台を所定の位置に回転して配置するため、車庫の出入り口の配置が柔軟にでき、車の昇降基台への入出が便利になる。そして把持回転機構の構造はコンパクトで、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。
【0027】
把持機構は、第六動力装置に駆動されるフックを備えるため、吊り上げる過程において信頼性が高く、車の転落事故も防ぐこともできる。把持ガイド機構は、ガイド板を備えるため、フックは、速やかに昇降基台に照準を合わせることができる。このため、フックが昇降基台に照準を合わせない場合に生じる衝突によるフックの破壊を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に関わる駐車装置の構造を示す図である。
図2図1の平面図である。
図3図1の左側面図である。
図4図1の奥移動収容機構の拡大構造を示す図である。
図5図4の正面図である。
図6】横移動動機構と片持ち横梁との相対位置の構造を示す図である。
図7】横移動動機構を示す図である。
図8】奥移動機構と横移動動機構との相対位置の構造を示す図である。
図9図8の正面図である。
図10図8の左側面図である。
図11図1の昇降作動機構の拡大構造を示す図である。
図12図11の矩形昇降フレームの構造を示す概略図である。
図13図11の奥移動フレームの構造を示す概略図である。
図14図11の能動ドラムの構造を示す概略図である。
図15図14の左側面図である。
図16図1の昇降作動機構と把持回転機構との相対位置の構造を示す図である。
図17図16の矩形昇降フレームの底面図である。
図18図16の回転フレームの構造を示す図である。
図19】第六動力装置の構造を示す概念図である。
図20】昇降作動機構と、回転フレームと、昇降基台との相対位置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の目的、実施形態及び利点を、以下の図面及び実施例により、さらに詳細に説明する。本明細書に記載の特定の実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0030】
図1図4に示すように、本発明の昇降奥移動式立体駐車装置は、矩形に配列されている複数の駐車室1を有し、各駐車室1は、スチールフレームにより構成されて奥行方向に延びている。スチールフレームとしては、対向する2本の上部奥梁2が設けられ、各上部奥梁2の下に下部奥梁3が設けられている。下部奥梁3の両端部には、下部前横梁4と下部後横梁5が設けられている。各駐車室1には、奥行方向に移動可能で、第一動力装置により駆動される奥移動入出庫機構6が設置され、各奥移動入出庫機構6の中に駐車用の昇降基台7が設けられている。片持ちフレーム8は、最上層駐車室の上に設けられ、対向する片持ち奥梁9と対向する片持ち横梁10を矩形に設置することにより構成される。そして、駐車室1より伸出し、かつ奥移動入出庫機構6が駐車室1からのスライド出庫方向と同側に設置されている。第二動力装置により駆動される横移動機構11は、片持ちフレーム8に横方向移動可能に装着される。第三動力装置により駆動される奥移動機構12は、横移動機構11に奥行方向移動可能に装着される。第四動力装置により駆動される垂直昇降可能な昇降駆動機構13は、奥移動機構12に装着されて、第五動力装置に駆動される垂直軸線を中心として回転し、昇降基台7を把持する把持回転機構14は、昇降駆動機構13に連接している。
【0031】
図4図5に示すように、奥移動入出庫機構6は、スチールフレームの中に奥行方向に移動可能な奥移動基台15を有し、奥移動基台15は、昇降基台7を収容するブラケット16と連接するための横梁17を有する。ブラケット16の後端には、対向する2つの第一ローラ18が設けられ、各第一ローラ18が下部奥梁3にスクロール可能に装着されている。横梁17の後端には、対向する2つの第二ローラ19が設けられ、各第二ローラ19が上部奥梁2にスクロール可能に装着されている。これにより、奥移動基台15の強度と剛度を満たすことを条件として、材料を大幅に削減でき、生産コストも減少でき、奥移動入出庫機構6の構造がより簡単となり、確実に作動することも保証できる。
【0032】
ブラケット16と横梁17の間には、斜め支柱20が設置され、斜め支柱20とブラケット16により形成された角度は鈍角であるため、奥移動基台15にかかる応力が合理的に分散され、奥移動基台15の傾きを防ぎ、車が転落する恐れも解消できる。奥移動基台15の安定性と剛度をより高めるため、ブラケット16と斜め支柱20の間に強化用の筋交い21も設置されている。
【0033】
第一動力装置は、下部後横梁5に装着され、奥移動入出庫電動機22により駆動される能動鎖歯車23を備え、下部前横梁4において能動鎖歯車23に対応する位置に従動鎖歯車24が装着され、能動鎖歯車23と従動鎖歯車24の間にチェーン25が備えられている。第一動力装置は、本発明の効果を達することができれば、ハイドロシリンダーであってもよく、その場合、シリンダーブロックが下部後横梁5にヒンジ接合し、シリンダーロッドがブラケット16に固定接合する。当業者であれば、必要に応じて適当な動力装置を選択できるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0034】
奥移動入出庫電動機22が駆動することにより、下部奥梁3と上部奥梁2に沿って、チェーン25が奥移動基台15を移動させることにより、奥移動基台15が駐車室1に伸出また進入でき、車の駐車室1への入出庫を実現できる。第一動力装置の構造は簡単で、奥移動基台15の安定作動を保証できる。
【0035】
図6図7に示すように、2つの片持ち横梁10のいずれにも横方向ガイドレール26が設けられている。横移動機構11は、矩形となるように対向する2本の横移動奥梁27と対向する2本の横移動横梁28を備え、横移動横梁28の底部に横移動ホイール29が設置されている。横移動機構11は、第二動力装置の駆動により移動し、横方向ガイドレール26に装着でき、奥移動機構12が移動し、横移動奥梁27に装着できる。このため、横移動機構11の構造は簡単で、製造コストも抑制できる。
【0036】
第二動力装置は、横移動横梁28に装着され横移動電動機30により駆動される能動横移動鎖歯車31を備え、横移動横梁28には能動横移動鎖歯車31の下に従動横移動鎖歯車32が設けられる。能動横移動鎖歯車31と従動横移動鎖歯車32の軸方向は、横移動機構11の横移動方向に垂直となる。能動横移動鎖歯車31と従動横移動鎖歯車32の間には、横移動チェーン33が装着され、横移動チェーン33の一方の端が片持ち横梁10の一端側に固定に装着され、もう一方の端は、能動横移動鎖歯車31と従動横移動鎖歯車32に巻かれて、片持ち横梁10の他端側に固定される。本発明の効果を達することができれば、第二動力装置は、ハイドロシリンダーであってもよく、その場合、シリンダーブロックが片持ち奥梁9にヒンジ接合し、シリンダーロッドが横移動奥梁27に固定接合する。当業者であれば、必要に応じて適当な動力装置を選択できるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0037】
横移動機構11は、横移動電動機30の駆動により、横移動チェーン33に沿って、片持ちフレーム8において横方向の適当な位置まで移動する。第二動力装置の構造は簡単で、製造コストが低く、作動も安定で信頼性が高い。
【0038】
従動横移動鎖歯車32の巻き付け角度を拡大し、横移動チェーン33を引っ張るため、横移動横梁28には、引張横移動鎖歯車34が設けられている。これにより、横方向に配置される駐車室が多い場合、横移動チェーン33が長すぎて緩くなり、横移動機構11の横方向への移動に悪影響を与えることを防止できる。
【0039】
対応している横移動横梁28と片持ち横梁10の間に、横移動電動機30、従動横移動鎖歯車32、引張横移動鎖歯車34、及び横移動チェーン33を設けることが好ましい。2つの能動横移動鎖歯車31は、第一駆動軸35に固定連接し、第一駆動軸35は、2つの能動横移動鎖歯車31を同歩的に作動させ、横移動機構11の作動をより安定させる。また、2つの横移動電動機30は、それぞれ能動横移動鎖歯車31を駆動するため、第一駆動軸35の直径が大きくなり過ぎることを防止できる。
【0040】
図8図10に示すように、2本の横移動奥梁27には、それぞれに奥行方向ガイドレール36が設けられている。奥移動機構12は、奥移動フレーム37を備え、奥移動フレーム37の上面に奥移動ホイール38が設けられて、奥移動ホイール38は、第三動力装置により駆動され、奥行方向ガイドレール36に装着されるように移動する。そのため、奥移動機構12は、構造が簡単で製造コストも低い。
【0041】
第三動力装置は、奥移動フレーム37に装着されて奥移動電動機39により駆動する能動奥移動鎖歯車40を備え、奥移動フレーム37において、能動奥移動鎖歯車40の下に従動奥移動鎖歯車41が設けられている。能動奥移動鎖歯車40及び従動奥移動鎖歯車41の軸方向は、奥移動フレーム37の奥移動方向に対して垂直となり、能動奥移動鎖歯車40と従動奥移動鎖歯車41の間に奥移動チェーン42が備えられる。奥移動チェーン42の一端は、横移動奥梁27の一端に固定され、もう一方の端は能動奥移動鎖歯車40と従動奥移動鎖歯車41に巻かれ、横移動奥梁27の他端側に固定される。本発明の効果を達することができれば、第三動力装置は、ハイドロシリンダーであってもよく、その場合、シリンダーブロックが横移動横梁28にヒンジ接合し、シリンダーロッドが奥移動フレーム37に固定接合する。第三動力装置は、ねじ機構などであってもよい。当業者は、必要に応じて適当な動力装置を選択できるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0042】
奥移動フレーム37は、奥移動電動機39により駆動され、奥行方向ガイドレール36において奥移動チェーン42に沿って、奥行方向に移動し、適当な位置まで奥移動機構12を移動させる。第三動力装置の構造は簡単で、製造コストが低く、作動も安定で信頼性が高い。
【0043】
奥移動フレーム37と2つの横移動奥梁27の間に、能動奥移動鎖歯車40、従動奥移動鎖歯車41及び奥移動チェーン42を設け、2つの能動奥移動鎖歯車40を、第二駆動軸43により固定的に接続するのが好ましい。これにより、第二駆動軸43により2つの能動奥移動鎖歯車40が同期して作動し、奥移動フレーム37の作動をよりスムーズに実現できる。
【0044】
図11図15に示すように、昇降駆動機構13は、矩形昇降架44を備え、矩形昇降架44は奥移動フレーム37の下に位置している。矩形昇降架44の上部には、動滑車4組が設けられ、各組の動滑車は、第一動滑車45と第二動滑車46を備える。第一動滑車45は矩形昇降架44の各角部に位置し、第二動滑車46は矩形昇降架44の中心近くに位置し、各組の動滑車は、矩形昇降架44の対角線に沿って配置する。さらに、第一動滑車45と第二動滑車46の軸線は、いずれもそれに対応する矩形昇降架44の対角線に対して垂直となり、奥移動フレーム37には4つの第一動滑車45に応じた箇所に4つの固定点が設けられている。奥移動フレーム37の内部には、第四動力装置により駆動される能動ドラム47及び従動ドラム48が回転可能に装着されている。能動ドラム47と従動ドラム48は、平行に設置され、かつ回転方向は異なる。能動ドラム47には2本の第一ワイヤロープ49が設けられて、2本の第一ワイヤロープ49はいずれも一端部が能動ドラム47に固定して装着される。さらに、他端部はそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車46と第一動滑車45に巻かれ、奥移動フレーム37の対応する固定点に固定される。このため、昇降駆動機構の構造がよりコンパクトとなる。従動ドラム48には2本の第二ワイヤロープ50が設けられて、2本の第二ワイヤロープ50はいずれも一端部が従動ドラム48に固定して装着される。さらに、他端部はそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車46と第一動滑車45に巻かれ、奥移動フレーム37の対応する固定点に固定される。
【0045】
第四動力装置は、能動ドラム47及び従動ドラム48を駆動し、それぞれ能動ドラム47と従動ドラム48に巻き付けられた2本の第一ワイヤロープ49と第二ワイヤロープ50により、矩形昇降架44を昇降させる。このため、昇降の運転は安定であり、矩形昇降架44の作業の信頼性が高く、矩形昇降架44を8つの点から吊り上げるため、応力が合理的に分散される。
【0046】
能動ドラム47の一端には、能動ドラム47の直径方向に貫通する能動ドラム直径方向ロープホール51が設けられ、能動ドラム47に固定されている2本の第一ワイヤロープ49の端部は、能動ドラム直径方向ロープホール51を貫通して連結されている。能動ドラム47の外表面には、2本の能動ドラム螺旋状綱溝52が平行に設置され、2本の能動ドラム螺旋状綱溝52の開始点は、能動ドラム直径方向ロープホール51の両端部であり、2本の第一ワイヤロープ49は、それぞれの能動ドラム螺旋状綱溝52に装着されている。従動ドラム48の構造は、能動ドラム47の構造に類似し、従動ドラム48の一端には、従動ドラム48の直径方向に貫通する従動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、従動ドラム48に固定されている2本の第二ワイヤロープ50の端部は、従動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結されている。従動ドラム48の外表面には、2本の従動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置され、2本の従動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、従動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、2本の第二ワイヤロープ50は、それぞれの従動ドラム螺旋状綱溝52に装着されている。2本の第一ワイヤロープ49及び2本の第二ワイヤロープ50のロープ張力が一致するため、矩形昇降架44をより安定的に運行させることができる。ワイヤロープが切断した場合でも、簡単にワイヤロープを交換できる。
【0047】
第四動力装置は、能動ドラム47と従動ドラム48の間に設置されて昇降電動機53により駆動される歯車機構を備える。歯車機構は、能動ドラム47の端部に設置される能動歯車54、及び従動ドラム48の端部に設置される従動歯車55を備え、能動歯車54と従動歯車55とは、互いに噛み合うため、能動ドラム47と従動ドラム48を、同期に回転させることができ、矩形昇降架44の傾きを防ぐ効果がある。本発明の効果を達することができれば、第四動力装置は、ハイドロシリンダーであってもよい。当業者であれば、必要に応じて適当な動力装置を選択できるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0048】
図16図20に示すように、把持回転機構14は、矩形昇降架44に固定されている環状軌道56を備え、矩形昇降架44の中心には、垂直回転軸57が設けられる。第五動力装置により駆動される回転フレーム58は、垂直回転軸57の矩形昇降架44の下に回転可能に装着されている。第五動力装置は、矩形昇降架44に装着される回転電動機59を備え、回転電動機59の輸出軸には傘歯車60が設けられ、傘歯車60に噛み合わせるギヤプレート61は、回転フレーム58に設けられている。本発明の効果を達することができれば、第五動力装置は、ハイドロシリンダーであってもよい。当業者であれば、必要に応じて適当な動力装置を選択できるので、ここで詳細な説明を省略する。回転フレーム58と環状軌道56の間に、荷重受けとガイド用の複数の回転ローラ62が設けられ、昇降基台7を把持する把持機構63は、回転フレーム58に設置され、回転フレーム58には、昇降基台7に突き合わせる把持ガイド機構64も設けられている。
【0049】
車が、入出庫する場合、把持回転機構14は、立体駐車装置の出入り口の方向に応じて、昇降基台7を所定の位置に回転して配置する。このため、車庫の出入り口の配置が柔軟に調整でき、車が昇降基台7に入出するのが便利となる。そして把持回転機構14の構造はコンパクトで、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。
【0050】
回転フレーム58は、矩形に対応して配置される2本の回転横梁65及び矩形に対応して配置される2本の回転奥梁66を備える。各回転横梁65には、把持機構63が設けられ、把持機構63は、第六動力装置により駆動されるフック67を備え、第六動力装置は、回転フレーム58に装着される把持モーター68を備え、把持モーター68の輸出軸に一つのクランク69が装着される。クランク69は、リンク70の一端にヒンジ結合し、リンク70の他端は、一つのロッカー71にヒンジ結合し、ロッカー71は、一つの回転横軸72に固定連結し、回転横軸72の両端には、それぞれ一つのフック67が固定連結する。回転横軸72は、回転横梁65と平行に設置され、作業の際に把持モーター68によりクランク69を回転させ、クランク69によりリンク70を動かせ、リンク70によりロッカー71を回転させ、ロッカー71により回転横軸72に固定されたフック67が昇降基台7の頂部梁を把持又は放す。第六動力装置は、電磁石であってもよく、各回転横梁65の両端にそれぞれ一つのフック67がヒンジ結合されてもよい。詳しい説明は、ここでは省略する。以上の結果、吊り上がる過程において信頼性が高く、車の転落事故を防ぐこともできる。把持ガイド機構64は、ガイド板73を備え、ガイド板73は、一つの固定部74と一つのガイド部75を有する。固定部74は、回転横梁65又は回転奥梁66に装着され、ガイド部75と固定部74との角度が鈍角となるように配置されるため、フック67は、速やかに昇降基台7に照準を合わせることができる。ここで、フック67が昇降基台7に照準を合わせない場合には、衝突を生じてフック67が破壊する恐れがある。
【0051】
本発明の実施例により提供される昇降奥移動式立体駐車装置は、矩形陣列に配置される複数の駐車室1を有するため、各階において空きスペースがなく、入庫車の数が増え、土地の利用率を向上できる。最上層駐車室の上には、片持ちフレーム8が設けられ、片持ちフレーム8には、奥移動機構12、横移動機構11、昇降駆動機構13及び把持回転機構14が設置され、片持ちフレーム8は、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。各駐車室1の内部には、奥行方向に奥移動入出庫機構6が滑動できるように設置され、各奥移動入出庫機構6の内部には、いずれにも一つの昇降基台7が設置される。入庫する場合、車が昇降基台7に停車し、奥移動機構12、横移動機構11、昇降駆動機構13により把持回転機構14を動かして、昇降基台7を車と共に奥移動入出庫機構6の上に置き、それにより車が所定の駐車室1に入庫できるようになる。奥移動機構12、横移動機構11、昇降駆動機構13、把持回転機構14及び奥移動入出庫機構6は、それぞれ単独の動力装置により駆動されるため、入出庫する場合、昇降基台7と車の横移動、奥移動、昇降又は回転が、同時に実現できる。さらに、奥移動入出庫機構6は、駐車室1に突き出し又は進入でき、入出庫に掛かる時間を節約でき、入出庫の作業効率を大幅に向上できる。
【0052】
以上、本発明を、実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施例に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施例に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
1.本発明の昇降奥移動式立体駐車装置は、矩形陣列に配置される複数の駐車室を有するため、各階において空きスペースがなく、入庫車の数が増え、土地の利用率を向上できる。最上層駐車室の上には、片持ちフレームが設けられ、片持ちフレームには、奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構及び把持回転機構が設置され、片持ちフレームは、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。各駐車室の内部には、奥行方向に奥移動入出庫機構が滑動できるように設置され、各奥移動入出庫機構の内部には、いずれにも一つの昇降基台が設置される。入庫する場合、車が昇降基台に停車し、奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構により把持回転機構を動かして、昇降基台を車と共に奥移動入出庫機構の上に移動させ、それにより車が所定の駐車室に入庫できるようになる。奥移動機構、横移動機構、昇降駆動機構、把持回転機構及び奥移動入出庫機構は、それぞれ単独の動力装置により駆動されるため、入出庫する場合、昇降基台と車の横移動、奥移動、昇降又は回転は、同時に実現できる。さらに、奥移動入出庫機構は、駐車室に突き出し又は進入でき、入出庫に掛かる時間を節約でき、入出庫の作業効率を大幅に向上できる。
【0054】
2.奥移動入出庫機構は、スチールフレームの中に奥行方向移動可能な奥移動基台を有し、奥移動基台は、昇降基台を収容するブラケットと連接するための横梁を有する。ブラケットの後端には、対向する2つの第一ローラが設けられ、各第一ローラは下部奥梁にスクロール可能に装着されている。横梁の後端には、対向する2つの第二ローラが設けられ、各第二ローラは上部奥梁にスクロール可能に装着されている。これにより、奥移動基台の強度と剛度を満たすことを条件として、材料を大幅に削減でき、生産コストも減少でき、奥移動入出庫機構の構造がより簡単となり、確実な作動を保証できる。ブラケットと横梁の間には、斜め支柱が設置され、斜め支柱とブラケットにより形成された角度は鈍角で、奥移動基台にかかる応力が合理的に分散されるため、奥移動基台の傾きが防止され、車が転落する恐れも解消できる。奥移動基台の安定性と剛度をより高めるため、ブラケットと斜め支柱の間に強化用筋交いが設置される。
【0055】
3.本発明の第一動力装置は、下部後横梁に装着され、奥移動入出庫電動機により駆動される能動鎖歯車を備え、下部前横梁の能動鎖歯車に対応する位置に従動鎖歯車が装着され、能動鎖歯車と従動鎖歯車の間にチェーンが備えられている。奥移動入出庫電動機により駆動すると、チェーンが奥移動基台を下部奥梁と上部奥梁に沿って移動することにより、奥移動基台が駐車室に伸出また進入でき、車の駐車室への入出庫を実現できる。第一動力装置の構造は簡単で、奥移動基台の安定作動を保証できる。
【0056】
4.上記2つの片持ち横梁は、いずれにも横方向ガイドレールが設けられている。横移動機構は、矩形となるように対向する2本の横移動奥梁と対向する2本の横移動横梁を備え、横移動横梁の底部に横移動ホイールが設置されている。横移動機構は、第二動力装置の駆動により移動し、横方向ガイドレールに装着でき、奥移動機構が移動し、横移動奥梁に装着できることによって、横移動機構の構造は簡単で、製造コストも抑制できる。
【0057】
5.上記第二動力装置は、横移動横梁に装着され横移動電動機により駆動される能動横移動鎖歯車を備え、横移動横梁の動横移動鎖歯車の下に従動横移動鎖歯車が設けられる。能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車の軸方向は、横移動機構の横移動方向に垂直となる。能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車の間には、横移動チェーンが装着され、横移動チェーン一方の端が片持ち横梁の一端側に固定して装着され、もう一方の端が、能動横移動鎖歯車と従動横移動鎖歯車に巻かれて、片持ち横梁の他端側に固定される。横移動機構は、横移動電動機の駆動により、横移動チェーンに沿って、片持ちフレームの横方向に適当な位置まで移動する。第二動力装置の構造は簡単で、製造コストが低く、作動も安定で信頼性が高い。従動横移動鎖歯車の巻き付け角度を拡大し、横移動チェーンを引っ張るため、横移動横梁には、引張横移動鎖歯車が設けられている。これにより、横方向に配置される駐車室が多い場合、横移動チェーンが長すぎて緩くなり、横移動機構が横方向に移動することに悪影響を与えることを防止できる。また、対応している横移動横梁と片持ち横梁の間に、横移動電動機、従動横移動鎖歯車、引張横移動鎖歯車、及び横移動チェーンが設けられる。2つの能動横移動鎖歯車は、第一駆動軸により固定連接し、第一駆動軸は、2つの能動横移動鎖歯車を同歩的に作動させ、横移動機構の作動をより安定させる。また、2つの横移動電動機は、それぞれ能動横移動鎖歯車を駆動するため、第一駆動軸の直径が大きくなり過ぎることも防止できる。
【0058】
6.2本の横移動奥梁には、いずれにも奥行方向ガイドレールが設けられている。奥移動機構は、奥移動フレームを備え、奥移動フレームの上面に奥移動ホイール設けられて、奥移動ホイールは、第三動力装置により駆動され、奥行方向ガイドレールに装着されるように移動する。そのため、奥移動機構は、構造が簡単で製造コストも低い。また、奥移動フレームと2本の横移動奥梁の間に、能動奥移動鎖歯車、従動奥移動鎖歯車及び奥移動チェーンが設けられ、2つの能動奥移動鎖歯車が、第二駆動軸により固定的に接続され、第二駆動軸により2つの能動奥移動鎖歯車が同期して作動でき、奥移動フレームの作動をよりスムーズに実現できる。
【0059】
7.昇降駆動機構は、矩形昇降架を備え、矩形昇降架が奥移動フレームの下に位置している。矩形昇降架の上部には、動滑車4組が設けられ、各組の動滑車は、第一動滑車と第二動滑車を備え、第一動滑車が矩形昇降架の各角部に位置し、第二動滑車が矩形昇降架の中心近くに位置し、各組の動滑車は、矩形昇降架の対角線に沿って配置し、かつ第一動滑車と第二動滑車の軸線は、いずれもそれに対応する矩形昇降架の対角線に対して垂直となり、奥移動フレームの4つの第一動滑車に応じた箇所に4つの固定点が設けられている。奥移動フレームの内部には、第四動力装置に駆動される能動ドラム及び従動ドラムが回転可能に装着されている。能動ドラムと従動ドラムは、平行して設置され、かつ回転方向が異なり、能動ドラムには2本の第一ワイヤロープが設けられて、2本の第一ワイヤロープはいずれも一端部が能動ドラムに固定的に装着され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車と第一動滑車に巻かれて、奥移動フレームの対応する固定点に固定されるため、昇降駆動機構の構造がよりコンパクトとなる。従動ドラムには2本の第二ワイヤロープが設けられて、2本の第二ワイヤロープはいずれも一端部が従動ドラムに固定的に装着され、かつ他端部がそれぞれに隣接する二組の動滑車の第二動滑車と第一動滑車に巻かれて、奥移動フレームの対応する固定点に固定される。第四動力装置は、能動ドラム及び従動ドラムを駆動し、それぞれ能動ドラムと従動ドラムに巻き付ける2本の第一ワイヤロープと第二ワイヤロープにより、矩形昇降架を昇降させるため、昇降の運転が安定であり、矩形昇降架の作業の信頼が高く、矩形昇降架により8つの点から吊り上げるため、応力が合理的に分散される。
【0060】
8.能動ドラムの一端部には、能動ドラムを貫通する能動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、能動ドラムに固定されている2本の第一ワイヤロープの端部は、能動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結されている。能動ドラムの外表面には、2本の能動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置され、2本の能動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、能動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、2本の第一ワイヤロープ49は、それぞれの能動ドラム螺旋状綱溝に装着されている。従動ドラムの構造は、能動ドラムの構造に類似して、従動ドラムの一端部には、従動ドラムを貫通する従動ドラム直径方向ロープホールが設けられ、従動ドラムに固定されている2本の第二ワイヤロープの端部は、従動ドラム直径方向ロープホールを貫通して連結されている。従動ドラムの外表面には、2本の従動ドラム螺旋状綱溝が平行に設置され、2本の従動ドラム螺旋状綱溝の開始点は、従動ドラム直径方向ロープホールの両端部であり、2本の第二ワイヤロープは、それぞれの従動ドラム螺旋状綱溝に装着されている。2本の第一ワイヤロープ及び2本の第二ワイヤロープのロープ張力が一致するため、矩形昇降架をより安定的に運行させることができる。ワイヤロープが切断した場合でも、簡単にワイヤロープを交換できる。
【0061】
9.把持回転機構は、矩形昇降架に固定されている環状軌道を備え、矩形昇降架の中心には、垂直回転軸が設けられ、第五動力装置により駆動される回転フレームは、垂直回転軸の矩形昇降架の下に回転可能に装着される。車が入出庫する場合、把持回転機構は、立体駐車装置の出入り口の方向に応じて、昇降基台を所定の位置に回転して配置されるため、車庫の出入り口の配置が柔軟にでき、車の昇降基台への入出が便利となる。そして把持回転機構の構造はコンパクトで、地面スペースを使用せず、土地の利用率を向上できる。
【0062】
10.把持機構は、第六動力装置に駆動されるフックを備えるため、吊り上がる過程において信頼性が高く、車の転落事故を防ぐこともできる。把持ガイド機構は、ガイド板を備えるため、フックは、速やかに昇降基台に照準を合わせることができる。このため、フックが昇降基台に照準を合わせない場合に生じる衝突によるフックの破壊を回避できる。
【符号の説明】
【0063】
1、駐車室,2、上部奥梁,3、下部奥梁,4、下部前横梁,5、下部後横梁,6、奥移動入出庫機構,7、昇降基台,8、片持ちフレーム,9、片持ち奥梁,10、片持ち横梁,11、横移動機構,12、奥移動機構,13、昇降駆動機構,14、把持回転機構,15、奥移動基台,16、ブラケット,17、横梁,18、第一ローラ,19、第二ローラ,20、斜め支柱,21、筋交い,22、奥移動入出庫電動機,23、能動鎖歯車,24、従動鎖歯車,25、チェーン,26、横方向ガイドレール,27、横移動奥梁,28、横移動横梁,29、横移動ホイール,30、横移動電動機,31、能動横移動鎖歯車,32、従動横移動鎖歯車,33、横移動チェーン,34、引張横移動鎖歯車,35、第一駆動軸,36、奥行方向ガイドレール,37、奥移動フレーム,38、奥移動ホイール,39、奥移動電動機,40、能動奥移動鎖歯車,41、従動奥移動鎖歯車,42、奥移動チェーン,43、第二駆動軸,44、矩形昇降架,45、第一動滑車,46、第二動滑車,47、能動ドラム,48、従動ドラム,49、第一ワイヤロープ,50、第二ワイヤロープ,51、能動ドラム直径方向ロープホール,52、能動ドラム螺旋状綱溝,53、昇降電動機,54、能動歯車,55、従動歯車,56、環状軌道,57、垂直回転軸,58、回転フレーム,59、回転電動機,60、傘歯車,61、ギヤプレート,62、回転ローラ,63、把持機構,64、把持ガイド機構,65、回転横梁,66、回転奥梁,67、フック,68、把持モーター,69、クランク,70、リンク,71、ロッカー,72、回転横軸,73、ガイド板,74、固定部,75、ガイド部
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