特許第6092642号(P6092642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092642
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】電子部品実装装置及び電子部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20170227BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   H05K13/04 A
   H05K13/08 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-19265(P2013-19265)
(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-150214(P2014-150214A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 康行
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−104565(JP,A)
【文献】 特開2008−085067(JP,A)
【文献】 特開2000−117557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に電子部品を装着する電子部品実装装置を用いた電子部品実装方法であって、
装着ヘッドで部品供給装置から収納された前記電子部品を取り出し、前記プリント基板に装着する装着ステップと、
前記取り出しから前記装着する迄の間に前記装着ヘッドに保持されている前記電子部品の状態を撮像する撮像ステップと、
前記撮像結果に基づいて、前記プリント基板に装着できない前記電子部品である異常部品を検知する検知ステップと、
オペレータが前記電子部品実装装置内に手挿して手回収できる部品回収位置に前記異常部品を移動させる移動ステップと、
前記装着ヘッドによる前記異常部品の保持を解放する解放ステップと、
を備え
前記解放ステップは、前記異常部品を前記オペレータの手に落下させることを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項2】
請求項に記載の電子部品実装方法であって、
複数設けられた前記部品供給装置であるテープフィーダのいずれかの位置に前記部品回収位置を指定できるテープフィーダ指定欄を表示するステップを備えることを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子部品実装方法であって、
前記解放ステップは、前記装着ヘッドを移動しない状態にして行うことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の電子部品実装方法であって、
前記手回収する手回収方法を含む複数の前記異常部品の回収方法を設定又は選択する設定・選択欄を表示するステップを備えることを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項5】
プリント基板に電子部品を装着する電子部品実装装置であって、
装着ヘッドで部品供給装置から収納された前記電子部品を取り出し、前記プリント基板に装着する装着手段と、
前記取り出しから前記装着する迄の間に前記装着ヘッドに保持されている前記電子部品の状態を撮像する撮像手段と、
前記撮像結果に基づいて、前記プリント基板に装着できない前記電子部品である異常部品を検知する検知手段と、
オペレータが当該電子部品実装装置内に手挿し、前記異常部品を手回収できる部品回収位置に移動させる移動手段と、
前記装着ヘッドの移動を停止させ、前記異常部品の保持を解放する解放手段と、
を備え
前記解放手段は、前記異常部品を前記オペレータの手に落下させることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項6】
請求項に記載の電子部品実装装置であって、
前記手回収する手回収方法を含む複数の前記異常部品の回収方法を設定又は選択する設定・選択欄を表示する表示手段を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置及び電子部品実装方法に係わり、特に、部品の異常を早期に特定できる電子部品実装装置及び電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装装置は、フィーダカートに設けられた複数のテープフィーダ又はトレイフィーダなどの部品供給ユニットから、装着ヘッドで電子部品(以下、部品という)を吸着又は把持(両者を保持で示す)し、搬送されてきたプリント基板に装着する。装着ヘッドに保持された部品は、装着前に認識され、部品不良等により装着できない部品を異常部品として検出している。
【0003】
現状では、特許文献1に記載されているように、異常部品は、決められた廃棄箇所、例えば部品廃棄ボックス(排出箱)に自動的に廃棄され、異常部品の原因の特定作業は、機種(基板)の作業後に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−85067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異常部品の発生率は、使用実績のない新規部品の部品データでは、その完成度が低いために高い。即ち、異常部品の発生の原因は、例えば、ピンの欠損等の部品自体の異常の他、部品の寸法、ピンの構成など示す部品データの実部品と不一致がある。一方、生産現場では部品を基板枚数分しか持たないことが多く、誤って異常と見做された正常な部品をなるべく廃棄したくない。そのためには、部品の異常原因を早期に特定することが望まれる。
【0006】
従来技術では、自動的に回収部品廃棄ボックス等に回収すると、例えば落下時の衝撃でリード等の変形し、廃棄による原因を異常原因と誤判定してしまう虞がある。さらに、部品廃棄ボックス等に回収すると、これまで異常とされていた部品が混在するために、リサイクルする場合は分別作業に時間が掛かってしまう。廃棄される部品数を減らす点からも、部品の異常原因を早期に特定することが必要である。
【0007】
従って、本発明の目的は、早期に部品の異常原因を特定できる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも下記の特徴を有する。
本発明は、装着ヘッドで部品供給装置から収納された電子部品を取り出し、プリント基板に装着し、前記取り出しから前記装着する迄の間に前記装着ヘッドに保持されている前記電子部品の状態を把握して、前記電子部品が前記プリント基板に装着できない異常部品を検知し、オペレータが前記装着する装置内に手挿して手回収できる部品回収位置に前記異常部品を移動させ、前記装着ヘッドによる前記異常部品の保持を解放し、前記オペレータによって前記異常部品を前記装置外に回収する。
【0009】
また、前記解放によって前記異常部品を前記オペレータの手に落下させてもよい。
さらに、複数設けられた前記部品供給装置であるテープフィーダのいずれかの位置に前記部品回収位置を指定できるテープフィーダ指定欄を表示してもよい。
【0010】
また、前記部品回収位置に底にクッションを有し上部が開放された手挿し回収箱を設け、前記解放によって前記異常部品を前記手挿し回収箱に落下させてもよい。
さらに、前記回収は、前記装着ヘッドを移動しない状態にして行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記手回収する手回収方法を含む複数の前記異常部品の回収方法を設定又は選択する設定・選択欄を表示してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、確実に早期に部品の異常原因を特定できる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明における電子部品実装装置の実施形態の外観図である。
図2】手回収を設定する表示画面における部品ライブラリデータの一例を示す図である。
図3】異常部品の部品回収位置(回収方法)の設定及び選択できる専用画面を示す図である。
図4】異常部品検知時の廃棄動作処理フローを示す図である。
図5】特に手回収に着目し、オペレータと装置の動作に分けて時系列に示した手回収時の処理フローを示す図である。
図6】部品認識カメラによる異常部品の画像の一例を示す。
図7】本発明における手挿し回収箱を備える電子部品実装装置の実施形態の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて説明する。図1は、プリント基板P上に部品を装着する電子部品実装装置の実施形態の外観図を示す。電子部品実装装置1には、プリント基板PをX方行に搬送する搬送装置4と、フィーダエリア3Eに設けられた部品供給装置3と、部品を装着する装着ヘッド7A、7Bと、装着ヘッドを移動させるビームと、オペレータに情報を与え、操作可能な操作・表示装置12と、これらを制御する制御装置10とを備える。
なお、ビームは、装着ヘッドをXに移動させるXビーム8A、8BとY方向に移動させるYビーム9とを備える。また、以下の説明おいて、電子部品実装装置を単に装置という。
【0015】
搬送装置4の手前側(図1においては下側)のフィーダエリア3Eには、小型な部品を供給するのに適したテープフィーダ3が、フィーダベース3Bに複数着脱自在に並べられている。装着ヘッド7Bには、小型な部品を取り扱うのに適した吸着ノズル6Bが円周状に複数設けられている。
【0016】
搬送装置4の奥側(図1においては上側)のフィーダエリア3Eには、上述したテープフィーダ3の他、コネクタなどの大型部品を供給するトレイフィーダ5を備えている。トレイフィーダ5は、多数個の部品を整列配置したトレイパレット5Pを上下方向に収納すると共に、トレイパレット5Pを部品フィーダベース3Bに相当する箇所に供給する装置である。装着ヘッド7Aは、大型及び小型な部品の両方を取り扱うのに適した吸着ノズル又はグリッパ6Aが列状に複数設けられている。なお、吸着ノズル又はグリッパを合わせて取出ノズルという。
【0017】
装着ヘッド7A、7Bは、駆動源により一対のビーム8A、8Bに沿ってX方向に移動可能で、一対のビーム8A、8Bがビーム9上をY方向に移動可能である。それ故、装着ヘッド7A、7Bは、部品をプリント基板P上の所定の位置に搬送し、装着することができる。以下、装着ヘッド7A、7Bの両方示す時は、装着ヘッド7という。
【0018】
制御装置10は、図示しないが、各構成要素を統括制御するCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)と、この制御に係るプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)と、各種データを格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを有する。RAMには、プリント基板Pの種類(機種)毎に部品ライブラリデータが格納されている。
【0019】
以下、本発明の特徴である異常、即ちプリント基板に装着できないとして検知された異常部品の処理について説明する。なお、検知された異常部品の中には、部品自体に異常なく、他に原因がある部品も含まれる。
現状では部品を装着前に部品の異常を検知する手段として、図1に示す部品認識カメラ11がある。装着ヘッド7は、部品を保持後、部品認識カメラ11上へ移動し、撮像される。制御装置10は、撮像データをデータ処理して部品の異常を検知する。検知した場合、現状では、排出箱2A、リサイクルコンベア2Bへ異常部品を廃棄する。装置1にリサイクルコンベア2Bが接続されていない場合は排出箱2Aへ廃棄する。
【0020】
排出箱2Aへの廃棄は、課題で述べたように、落下時の衝撃によって、リサイクル可能な部品もリサイクルできない場合もある。また、リサイクルする場合、排出箱2Aの内部の部品は、いつ廃棄されたのか不明の部品がほとんどであり、分別作業に時間がかかってしまう。リサイクルコンベア2Bへの廃棄は、異常部品をコンベア上に廃棄し、廃棄された部品をコンベアで自動的に装置外部へ搬送する。リサイクルコンベア2Bへの廃棄は、落下時の衝撃の問題は、緩和されるが、リサイクルする場合は、排出箱2Aへの廃棄と同様な課題がある。また、現状では、トレイ部品であるならばトレイパレット5P上の把持した位置のへ直接部品を回収することも可能である。
【0021】
本実施例では、上記の回収方法の他に、手回収による手回収方法を加える。手回収が可能な部品に対しては、従来の方法とて手回収方法を選択できるようにする。
【0022】
図2は、手回収を設定する操作・表示装置12の表示画面における部品ライブラリデータの一例を示す。部品ライブラリデータには、異常部品の部品回収位置(回収方法)任意に設定できる欄がある。図2は、随時選択が設定されており、異常が検知された都度に、下欄の表示された部品回収位置を選択して処理することが設定されている。また、図2では、選択対象として、リサイクルコンベア2B、排出箱2A、トレイフィーダ5及び手回収のうちいずれかを選択できる。
【0023】
随時選択の他、固定選択がある。固定選択の場合は、部品ライブラリデータ作成時に選択方法が指定されており、図2の随時選択の位置に部品回収位置が指定されている。固定選択の中にも、手回収が設定される場合がある。固定選択で手回収が設定される以外の場合は、異常部品を検知時に、従来技術のように、選択するステップを得ず、自動的に廃棄してもよい。
以下の説明においては、各画面は操作・表示装置12に表示される。
【0024】
図3は、異常部品の部品回収位置(回収方法)の設定及び選択ができる専用画面である。表示画面は、欄Aに運転状況、欄Bに当該画面において切り替えられる表示画面選択ボタン、欄C、Dは異常部品の部品回収位置の設定及び選択に必要な情報・操作欄である。ここでは、まず設定の仕方を説明する。図2に示す部品ライブラリデータの作成時に、随時選択又は固定選択を選択すると、生産運転時における異常部品の検知時に、図3の画面が表示される。そこで、従来の廃棄方法を選択する欄C2のボタン、又は手動回収欄C3のうちいずれかのボタンを一つ以上押す。その後、“閉じる”ボタンを押すことで選択が完了し、図2の表示画面に戻る。特に、使用実績のない新規部品の部品データは手動回収を必ず設定するとよい。
【0025】
図4は、異常部品検知時の廃棄動作処理フローを示す。図5は、特に手回収に着目し、オペレータと装置1の動作に分けて時系列に示した手回収時の処理フローを示す。まず、装置1は部品の異常検出したら装着動作を自動停止し、オペレータは装置から部品の異常検出の警報を受け、図示しない生産運転中の表示画面において復帰ボタンを押し、図3の画面が表示される(S1)。なお、異常部品が検知されると自動的に図3の画面を表示してもよい。表示画面には、直近に発生した異常部品の異常リストが欄C1に表示され、欄C2,C3のうち既に廃棄方法として設定されているボタンが点滅する。装置1の装着動作を自動停止は、異常部品以外の部品の装着動作が終わってからでもよい。
【0026】
オペレータは、廃棄方法として設定された内容、異常リスト及び当該異常部品の部品認識カメラ11による画像等を見て廃棄方法を選択する。選択は、点滅している廃棄方法のボタンのうち一つボタンを押して行われる。当該異常部品の画像は、図3において、欄Bの表示画面選択ボタンのうち、当該廃棄選択に関連する画面への切り替える“画面切替”ボタンB1を押して得られる。図6は、その時の、部品認識カメラ11による異常部品Dの画像の一例を示す。
【0027】
どの廃棄方法を選択するかは、次に示す例を考慮して選ぶ。選んだなら“START”ボタンが点滅し、当該ボタンを押す(S2)。
(1)使用実績のない新規部品である場合は手回収を選ぶ。
(2)画像を確認して、明らかな部品不良による異常であった場合には排出箱を、明らかなでない場合には手回収を選ぶ。
(3)異常リストにない、原因が不明な部品の異常である場合は手回収を選ぶ。
【0028】
選択された廃棄方法が、排出箱2A、リサイクルコンベア2B、トレイフィーダ5ならば、従来の廃棄方法で自動的に処理する。排出箱2Aなら、異常部品を保持している装着ヘッド7を搬出箱2Aの位置に移動させ(S3)、排出箱に廃棄する(S4)。リサイクルコンベア2Bなら、異常部品を保持している装着ヘッド7をリサイクルコンベア2Bの位置に移動させ(S5)、リサイクルコンベアに廃棄し(S6)、リサイクルコンベアを動作させる(S7)。トレイフィーダ5なら、異常部品を保持している装着ヘッド7を当該部品の保持時のトレイパレット5Pに座標へ移動させ(S8)、当該位置に廃棄する(S9)。
【0029】
次に、手回収による異常部品の廃棄処理方法を図5を用いて説明する。図5は、吸着ノズルにより部品を吸着(保持)する場合の例である。
図3に示す欄C1に示すテープフィーダNoに部品回収位置を指定する(S10)。部品回収位置は、装着ヘッド7の動作範囲内で手回収し易い位置ならどこでもよい。異常部品の供給したテープフィーダ3の位置を指定してもよい。テープフィーダ3の位置を指定した場合は、異常原因がテープフィーダ3にある場合は、そのテープフィーダを認識し易い利点がある。
【0030】
次に、オペレータが欄C3の“回収”ボタンを押下すると(S11)、装置1は欄Dの“START”ボタンが点滅させる(S12)。オペレータは点滅を確認し、“START”ボタンを押下する(S13)。
【0031】
次に、装置1による手回収の準備動作が始まる。まず、異常部品を保持している装着ヘッド7を指定されたテープフィーダNoである部品回収位置に移動させる(S14)。装着ヘッド7の駆動回路を遮断し、装着ヘッド7が移動しないようにする(S15)。その後、図1に示す手の絵のように、手回収するため異常部品の保持を解除できる状態であることをオペレータに示すため、欄C3の“真空OFF”ボタンを点滅する(S16)。
【0032】
オペレータは、“真空OFF”ボタンの点滅を確認し、指定された装置内のテープィーダNoの位置に手を挿し入れ、装着ヘッド7の下手に手を構えつつ、“真空OFF”ボタンを押下する(S17)。“真空OFF”ボタンを押下により、装置1は、異常部品の吸着を解除する(S18)。その結果、異常部品を手回収することができる(S19)。
【0033】
手回収後、異常部品の原因を検討し、その対策を講じる。例えば、オペレータは部品ライブラリデータをチェックし、データに異常があるか検討し、あった場合は部品ライブラリデータを修正する。この部品ライブラリデータのチェックは、使用実績のない新規部品に対しては、大きな効果を得ることができる。
検討又は対策を実施することによって再起動できる場合は、装置1の処理を継続する。
【0034】
本実施例では、安全対策として、装着ヘッド7の駆動回路を遮断する対応を行った。さらに、装着ヘッド7が手回収位置への移動中に手を検出した場合に、テープフィーダ3の部品取出口部を監視するセンサを用いて手を検出し、装着ヘッド7を緊急停止する、安全対策を実施してもよい。
【0035】
以上説明した実施例では、装着ヘッド7の下に手を挿入し、異常部品にダメージを与えず異常部品を回収した。他の実施例として、図7に示すように、装着ヘッド7の可動範囲内あるフィーダベース3B上に、底にクッションを有し上部が開放された手挿し回収箱13を設けて回収してもよい。この場合は、手回収が選択される又はされていると、自動的に装着ヘッド7を手挿し回収箱13の位置に移動させ、異常部品を手挿し回収箱13のクッション上に落下させ、安全な位置に退避する。安全な位置に退避したことを、ボタンの点滅等によりオペレータに示す。オペレータは、安全を確認後、手挿し回収箱から手で異常部品を回収する。
【0036】
他の実施例は、手挿し回収箱13と手挿し回収箱13を設ける場所を確保する必要があるが、図1で示した実施例に比べより安全に回収できる。
【0037】
以上説明した実施例によれば、早期に部品の異常原因を特定できる。異常原因を早期に特定できる結果、異常原因が部品自体にない場合、例えば部品ライブラリデータを修正することで、誤判定を低減でき、部品を有効活用できる。また、誤判定の低減の結果、装置の稼働率を高めることができる。
【0038】
また、以上説明した実施例によれば、異常部品を変形せずに回収でき、正しく異常原因を判定できる。
【0039】
さらに、以上説明した実施例によれば、異常部品を安全に回収できる。
【0040】
さらにまた、以上説明した実施例によれば、特に異常部品の発生率の高い使用実績のない新規部品に対して、装置の可動中に完成度の高い部品データを早期に得ることができる。
【0041】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0042】
1:電子部品実装装置(装置) 2A:排出箱
2B:リサイクルコンベア 3:テープフィーダ
3B:フィーダベース3B 4:搬送装置
5:トレイフィーダ 5P:トレイパレット
6A:吸着ノズル 6B:吸着ノズル又はグリッパ
7、7A、7B:装着ヘッド 8A、8B:Xビーム
9:Yビーム 10:制御装置
11:部品認識カメラ 12:操作・表示装置
13:手挿し回収箱 D:異常部品
P:プリント基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7