(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハウジング(1)内に昇降可能に挿入された環状のピストン(10)と、そのピストン(10)の筒孔(10a)に挿入されると共に前記ハウジング(1)の上壁(2)に挿入された出力ロッド(15)と、前記ピストン(10)の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室(11)とを備え、前記ピストン(10)を前記出力ロッド(15)に対して昇降させることによって当該出力ロッド(15)が旋回するように構成したシリンダ装置において、
前記出力ロッド(15)の外周側で前記の上壁(2)に周方向へ所定の間隔をあけて配置された下降検出用の第1検出弁(31)及び上昇検出用の第2検出弁(32)と、
前記駆動室(11)の近傍で前記第1検出弁(31)及び前記第2検出弁(32)にそれぞれ設けた第1被操作部(49)及び第2被操作部(79)であって、前記出力ロッド(15)と前記ピストン(10)の両者のうちの一方に連動可能に配置された第1被操作部(49)及び前記両者のうちの他方に連動可能に配置された第2被操作部(79)と、
前記第1検出弁(31)及び前記第2検出弁(32)の各入口(31a)(32a)に検出用の加圧エアを供給する第1供給路(B1)及び第2供給路(B2)と、
を備えることを特徴とするシリンダ装置。
ハウジング(1)内に昇降可能に挿入されたピストン(10)と、そのピストン(10)の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室(11)と、前記ハウジング(1)の上壁(2)に挿入された出力ロッド(15)とを備え、前記駆動室(11)へ供給された加圧流体が前記ピストン(10)を介して前記出力ロッド(15)を下降駆動するように構成したシリンダ装置において、
前記出力ロッド(15)の外周側で前記の上壁(2)に周方向へ所定の間隔をあけて配置された下降検出用の第1検出弁(31)及び上昇検出用の第2検出弁(32)と、
前記駆動室(11)の近傍で前記第1検出弁(31)及び前記第2検出弁(32)にそれぞれ設けた第1被操作部(49)及び第2被操作部(79)であって、前記ピストン(10)と前記出力ロッド(15)とのうちのいずれか一方に連動可能に配置された第1被操作部(49)及び第2被操作部(79)と、
前記第1検出弁(31)及び前記第2検出弁(32)の各入口(31a)(32a)に検出用の加圧エアを供給する第1供給路(B1)及び第2供給路(B2)と、
を備えることを特徴とするシリンダ装置。
ハウジング(1)内に昇降可能に挿入された環状のピストン(10)と、そのピストン(10)の筒孔(10a)に挿入されると共に前記ハウジング(1)の上壁(2)に挿入された出力ロッド(15)と、前記ピストン(10)の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室(11)とを備え、前記ピストン(10)を前記出力ロッド(15)に対して昇降させることによって当該出力ロッド(15)が旋回するように構成したシリンダ装置において、
前記ハウジング(1)の上部に横向きに配置された上昇検出用の検出弁(32)と、
前記ピストン(10)と前記出力ロッド(15)との一方に設けた操作部(10b)と、
前記駆動室(11)の近傍で前記操作部(10b)に連動可能なように前記検出弁(32)に設けた被操作部(79)と、
前記駆動室(11)の上部へ連通する伝動室(67)に挿入されると共に前記操作部(10b)の上昇移動を前記被操作部(79)の横方向への移動に変換する伝動部材(70)と、
前記検出弁(32)の入口(32a)に検出用の加圧エアを供給する供給路(B2)と、
を備えることを特徴とするシリンダ装置。
ハウジング(1)内に昇降可能に挿入されたピストン(10)と、そのピストン(10)の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室(11)と、前記ハウジング(1)の上壁(2)に挿入された出力ロッド(15)とを備え、前記駆動室(11)へ供給された加圧流体が前記ピストン(10)を介して前記出力ロッド(15)を下降駆動するように構成したシリンダ装置において、
前記ハウジング(1)の上部に横向きに配置された上昇検出用の検出弁(32)と、
前記ピストン(10)と前記出力ロッド(15)との一方に設けた操作部(10b)と、
前記駆動室(11)の近傍で前記操作部(10b)に連動可能なように前記検出弁(32)に設けた被操作部(79)と、
前記駆動室(11)の上部へ連通する伝動室(67)に挿入されると共に前記操作部(10b)の上昇移動を前記被操作部(79)の横方向への移動に変換する伝動部材(70)と、
前記検出弁(32)の入口(32a)に検出用の加圧エアを供給する供給路(B2)と、
を備えることを特徴とするシリンダ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術では、ハウジングの左右の端壁にそれぞれ検出弁を配置したので、左方の端壁をテーブル等の固定台に取付けた場合には、その左方の検出弁にアクセスすることが困難になり、その左方の検出弁のメンテナンスに手間がかかる。
また、上記の従来技術では、ピストンに対して検出弁の検出ロッドが直列状に配置されるので、その検出弁の配置上の自由度が制限されていた。
本発明の目的は、検出弁のメンテナンスが容易なシリンダ装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、検出弁の配置上の自由度を向上できるシリンダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、第1発明は、例えば、
図1Aから
図5Bに示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1内に環状のピストン10を昇降可能に挿入する。そのピストン10の筒孔10aに出力ロッド15を挿入すると共に当該出力ロッド15を前記ハウジング1の上壁2に挿入する。前記ピストン10の上側に配置された駆動室11に駆動用の加圧流体が供給および排出される。そして、前記ピストン10を前記出力ロッド15に対して昇降させることによって当該出力ロッド15が旋回するように構成される。また、前記出力ロッド15の外周側で前記の上壁2に、下降検出用の第1検出弁31及び上昇検出用の第2検出弁32を周方向へ所定の間隔をあけて配置する。前記駆動室11の近傍で前記第1検出弁31及び前記第2検出弁32に、それぞれ第1被操作部49及び第2被操作部79を設ける。前記出力ロッド15と前記ピストン10の両者のうちの一方に第1被操作部49を連動可能に配置すると共に、前記両者のうちの他方に第2被操作部79を連動可能に配置する。前記第1検出弁31及び前記第2検出弁32の各入口31a,32aに第1供給路B1及び第2供給路B2を介して検出用の加圧エアを供給する。
【0006】
上記の第1発明は、次の作用効果を奏する。
ハウジングの上壁に挿入された出力ロッドの外周側で、当該上壁に、下降検出用の第1検出弁と上昇検出用の第2検出弁との2つの検出弁を配置したので、そのハウジングの下壁をテーブル等の固定台に取付けたり、当該ハウジングの下半部を固定台の取付け穴に挿入した場合などでも、上記2つの検出弁に上横側や上側からアクセスすることが可能となる。このため、検出弁のメンテナンスに手間がかからない。
しかも、上記2つの検出弁は、上壁内に設置される際に、その上壁の余剰空間を設置スペースとして利用可能なので、シリンダ装置をコンパクトな状態に維持できる。
従って、検出弁のメンテナンスが容易でコンパクトなシリンダ装置を提供できる。
【0007】
また、前記の目的を達成するため、第2発明は、例えば、
図3Aと
図3Bに示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1内にピストン10を昇降可能に挿入し、そのピストン10の上側に、駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室11を配置する。前記ハウジング1の上壁2に出力ロッド15を挿入し、前記駆動室11へ供給された加圧流体が前記ピストン10を介して前記出力ロッド15を下降駆動するように構成する。前記出力ロッド15の外周側で前記の上壁2に、下降検出用の第1検出弁31及び上昇検出用の第2検出弁32を周方向へ所定の間隔をあけて配置する。前記駆動室11の近傍で前記第1検出弁31及び前記第2検出弁32に、第1被操作部49及び第2被操作部79をそれぞれ設ける。これら第1被操作部49及び第2被操作部79を、前記ピストン10と前記出力ロッド15とのうちのいずれか一方に連動可能に配置する。前記第1検出弁31及び前記第2検出弁32の各入口31a,32aに第1供給路B1及び第2供給路B2を介して検出用の加圧エアを供給する。
【0008】
上記の第2発明は、次の作用効果を奏する。
ハウジングの上壁に挿入された出力ロッドの外周側で、当該上壁に、下降検出用の第1検出弁と上昇検出用の第2検出弁との2つの検出弁を配置したので、そのハウジングの下壁をテーブル等の固定台に取付けたり、当該ハウジングの下半部を固定台の取付け穴に挿入した場合などでも、上記2つの検出弁に上横側や上側からアクセスすることが可能となる。このため、検出弁のメンテナンスに手間がかからない。
しかも、上記2つの検出弁は、上壁内に設置される際に、その上壁の余剰空間を設置スペースとして利用可能なので、シリンダ装置をコンパクトな状態に維持できる。
従って、検出弁のメンテナンスが容易でコンパクトなシリンダ装置を提供できる。
【0009】
上記の各発明においては、前記の上壁2を平面視で長方形状または正方形状に形成し、その上壁2の周方向の4辺に対応する4つの壁部分のうちのいずれかの壁部分に、前記駆動室11へ連通される給排路21を形成し、前記4つの壁部分のうちの前記給排路21を形成した壁部分を除いた壁部分のいずれかに、前記第1検出弁31及び第2検出弁32を設けることが好ましい。
上記構成によれば、シリンダ装置をさらにコンパクトに造れる。
【0010】
また、上記発明においては、前記の上壁2は取付け用のフランジ7を有し、そのフランジ7の外周部の下面に形成した据付面7aに、前記給排路21へ連通される給排ポートP1を開口させることが好ましい。
上記構成によれば、駆動用の加圧流体の給排システムを簡素に構成できる。
【0011】
さらに、上記発明においては、前記第1検出弁31及び前記第2検出弁32の下方位置で前記据付面7aに、前記第1供給路B1及び前記第2供給路B2に連通される第1供給ポートA1及び第2供給ポートA2を開口させることが好ましい。
上記構成によれば、検出用の加圧エアの供給システムを簡素に構成できる。
【0012】
また、前記の第1発明においては、下記のように構成することが好ましい。
即ち、前記出力ロッド15は第1操作部23aを有し、その第1操作部23aは、前記出力ロッド15が下降位置から上限位置またはその近傍位置へ移動したときに前記第1被操作部49を外方へ押して当該第1検出弁31を開弁させると共に、前記出力ロッド15が前記の上限位置から所定の第1ストロークS1下降したときに前記第1被操作部49が内方へ移動するのを許容して前記第1検出弁31を閉弁させる。また、前記ピストン10は第2操作部10bを有し、その第2操作部10bは、前記ピストン10が下降位置から上限位置またはその近傍位置へ移動したときに前記第2被操作部79を外方へ押して当該第2検出弁32を閉弁させると共に、前記ピストン10が前記の上限位置から所定の第2ストロークS2下降したときに前記被操作部79が内方へ移動するのを許容して当該第2検出弁32を開弁させる。
上記構成によれば、下降位置と上昇位置とを確実に区分けして検出できる。
【0013】
また、前記の第2発明においては、下記のように構成してもよい。
前記出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方に、第1操作部23a及び第2操作部10bを設ける。当該出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方が上限位置またはその近傍位置から所定量だけ下降したときに、前記第1操作部23aは前記第1検出弁31が閉じるのを許容するように構成する。また、当該出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方が下降位置から所定量だけ上昇したときに、前記第2操作部10bが前記第2被操作部79を介して前記第2検出弁32を閉じるように構成する。
【0014】
さらに、上記各発明においては、下記のように構成することが好ましい。
前記の第1被操作部49と前記の第1操作部23aとの間に、その第1操作部23aの上昇移動を横方向への移動に変換する第1伝動部材40を設ける。また、前記の第2被操作部79と前記の第2操作部10bとの間に、その第2操作部10bの上昇移動を横方向への移動に変換する第2伝動部材70を設ける。
上記構成によれば、各操作部が各伝動部材と各被操作部とを介して各検出弁を確実に操作できる。
【0015】
また、上記発明においては、前記駆動室11の上部に連通される第1伝動室37及び第2伝動室67に、ボールからなる前記第1伝動部材40及び第2伝動部材70をそれぞれ挿入し、前記第1伝動部材40及び第2伝動部材70が前記第1伝動室37及び第2伝動室67から前記駆動室11へ脱落するのを防止するためのストッパー部37a,67aを設けることが好ましい。
上記構成によれば、伝動部材を伝動室に保持する構造を簡素にできる。
【0016】
また、前記の別の目的を達成するため、第3発明は、例えば
図1Aから
図5Bに示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1内に昇降可能に挿入された環状のピストン10と、そのピストン10の筒孔10aに挿入されると共に前記ハウジング1の上壁2に挿入された出力ロッド15と、前記ピストン10の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室11とを備え、前記ピストン10を前記出力ロッド15に対して昇降させることによって当該出力ロッド15が旋回するように構成する。また、前記ハウジング1の上部に横向きに配置された上昇検出用の検出弁32と、前記ピストン10と前記出力ロッド15との一方に設けた操作部10bと、前記駆動室11の近傍で前記操作部10bに連動可能なように前記検出弁32に設けた被操作部79と、前記駆動室11の上部へ連通する伝動室67に挿入されると共に前記操作部10bの上昇移動を前記被操作部79の横方向への移動に変換する伝動部材70と、前記検出弁32の入口32aに検出用の加圧エアを供給する供給路B2と、を備える。
上記の第3発明によれば、操作部の上昇移動が伝動部材を介して被操作部の横方向への移動に変換されるので、検出弁を横向きに配置することが可能となり、その検出弁の配置上の自由度が向上する。
【0017】
さらに、前記の別の目的を達成するため、第4発明は、例えば
図3Aと
図3Bに示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1内に昇降可能に挿入されたピストン10と、そのピストン10の上側に配置されると共に駆動用の加圧流体が供給および排出される駆動室11と、前記ハウジング1の上壁2に挿入された出力ロッド15とを備える。前記駆動室11へ供給された加圧流体が前記ピストン10を介して前記出力ロッド15を下降駆動するように構成する。また、前記ハウジング1の上部に横向きに配置された上昇検出用の検出弁32と、前記ピストン10と前記出力ロッド15との一方に設けた操作部10bと、前記駆動室11の近傍で前記操作部10bに連動可能なように前記検出弁32に設けた被操作部79と、前記駆動室11の上部へ連通する伝動室67に挿入されると共に前記操作部10bの上昇移動を前記被操作部79の横方向への移動に変換する伝動部材70と、前記検出弁32の入口32aに検出用の加圧エアを供給する供給路B2と、を備える。
上記の第4発明は、前記の第3発明と同様の作用効果を奏する。
【0018】
前記の第3発明または第4発明においては、ボールからなる前記伝動部材(70)が前記伝動室(67)から前記駆動室(11)へ脱落するのを防止するためのストッパー部(67a)を設けることが好ましい。
【0019】
なお、上述した各発明において、前記第1検出弁と第2検出弁(検出弁)などの各開閉弁は、ポペット弁とスプール弁とのいずれかによって構成することが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を
図1Aから
図5Bによって説明する。
この実施形態では、シリンダ装置をワーク固定用の水平スイングクランプに適用した場合を例示してある。まず、主として
図1Aから
図2Cに基づいて上記クランプの全体構造を説明する。
【0022】
固定台としてのテーブルTにハウジング1が取付けられる。そのハウジング1は、一端壁としての上壁2と、他端壁としての下壁3と、上下方向へ延びる胴壁4と、その胴壁4及び上壁2の内側に形成されたシリンダ孔5とを備える。上壁2は、その外周部に取付け用のフランジ7を有し、平面視で長方形状に形成される。上記フランジ7の4隅部分にボルト孔8が上下方向に貫通される。各ボルト孔8に挿入した締結ボルト(図示せず)により、上記フランジ7の下面に形成した据付面7aがテーブルTの上面に固定される。
【0023】
シリンダ孔5に環状のピストン10が昇降可能で保密状に挿入される。そのピストン10の上側と下側には、クランプ用の第1駆動室11とアンクランプ用の第2駆動室12とが配置される。
また、上壁2の周方向の4辺に対応する4つの壁部分のうちの平面視で左側の壁部分には、第1駆動室11へ連通される第1給排路21が形成されると共に、第2駆動室12へ連通される第2給排路22が形成される。
さらに、上壁2の上記の左側の壁部分において、前記据付面7aに、第1給排路21へ連通される第1給排ポートP1が開口されると共に、第2給排路22へ連通される第2給排ポートP2が開口される。上記の第1駆動室11及び第2駆動室12に対して、それぞれ、第1給排ポートP1及び第2給排ポートP2と、第1給排路21及び第2給排路22とを介して、圧油(駆動用の加圧流体)が供給および排出される。
【0024】
上壁2の中央部に設けた貫通孔14と前記ピストン10の筒孔10aとに出力ロッド15が挿入される。その出力ロッド15の上部にクランプアーム16がナット17で固定される。上記出力ロッド15の外周側で前記の上壁2には、封止部材18とスクレーパ19とが装着されている。また、上記出力ロッド15の途中高さ部に設けたフランジ23が上壁2の下面に回転自在に受け止め可能とされる。
前記シリンダ孔5は、上半部の小径孔5aと下半部の大径孔5bとを備える。そのシリンダ孔5と上記出力ロッド15との間の環状空間に、前記ピストン10が、外封止部材24及び内封止部材25を介して、軸心方向(ここでは上下方向)へ移動可能かつ軸心回りに回転可能で保密状に挿入される。
【0025】
ピストン10の外周部には、3つのガイド溝26が周方向へほぼ等間隔に形成される。また、各ガイド溝26に嵌合する係合ボール(係合具)27が、前記小径孔5aの内周壁の下部に形成した凹穴28に支持される。上記ガイド溝26は、螺旋状の旋回溝26bと直進溝26aとを上向きに連ねて形成されている(
図3Aを参照)。
【0026】
出力ロッド15とピストン10との間に伝動機構29が設けられる。その伝動機構29は、上記出力ロッド15とピストン10とが軸心回りに相対回転するのを防止すると共に軸心方向へ相対移動するのを許容するように配置されており、この実施形態では次のように構成されている。
図3A及び
図3Bに示すように、上記出力ロッド15の下寄り部の外周部に、上下方向へ延びる3つの伝動溝29aが周方向へほぼ等間隔に形成される。各伝動溝29aに嵌合される伝動ボール29bが前記ピストン10に設けられる。また、出力ロッド15の下寄り部には、ピストン10の下部に対面する被駆動部15aが設けられる。
【0027】
上記出力ロッド15において、前記の封止部材18によって前記の上壁2に封止された部分の直径を、前記の内封止部材25によってピストン10に封止された部分の直径よりも大きい値に設定している。これにより、出力ロッド15の上寄り部の受圧断面積が下寄り部の受圧断面積よりも大きい値になり、前記第1駆動室11の圧油から作用する上下方向の差力によって、出力ロッド15が
図1A及び
図1Bに示すアンクランプ上昇位置に押上げられる。即ち、この実施形態では、上記出力ロッド15に作用する上記の上向き差力によって、その出力ロッド15をアンクランプ上昇位置に保持する機構が構成されている。
また、ピストン10の環状の受圧断面積は、それに作用する下向き力が、出力ロッド15に作用する上記の上向きの差力よりも大きくなるように設定されている。
【0028】
上記出力ロッド15のアンクランプ上昇位置での旋回中に当該出力ロッド15が下降するのを阻止すると共に上記出力ロッド15が後述の直進下降時に下降するのを許容する誤動作防止機構Eが設けられる。この誤動作防止機構Eは次のように構成されている。
【0029】
前記ハウジング1の前記の下壁3に平面視で円形の収容穴3aと長円形状に形成した嵌合穴3bとが上下に設けられる。前記出力ロッド15の下端部には、上記の嵌合穴3bに対応して、平面視で長円形状に形成した嵌合部15bが設けられる。そして、
図1A及び
図1Bのアンクランプ状態では、上記の嵌合穴3bの長軸に対して嵌合部15bの長軸が直交するようになっている(
図1C参照)。また、その
図1A及び
図1Bのアンクランプ状態では、上記の嵌合部15bの下面と上記の嵌合穴3bの周壁の上面との間には僅かな隙間Gが形成されている。
【0030】
そして、上記出力ロッド15が上記アンクランプ上昇位置での旋回中に何らかの原因によって下降したときには、上記の嵌合部15bの下面が上記の嵌合穴3bの周壁によって受け止められ、上記出力ロッド15の下降が阻止される。これに対して、上記出力ロッド15の後述の直進下降時には、嵌合部15bが嵌合穴3bに嵌入されるようになっている(後述の
図3Bと
図3Cを参照)。
【0031】
前記の上壁2において、前記4つの壁部分のうちの平面視で右側の壁部分で出力ロッド15の外周側に、下降検出用の第1検出弁31と上昇検出用の第2検出弁32とが周方向へ所定の間隔をあけて設けられる。これら第1検出弁31及び第2検出弁32の各軸心は、この実施形態では、ほぼ水平に配置されているが、下方へ向かうにつれてピストン10の軸心に近づくように傾斜させてもよい。
また、上記の右側の壁部分において、前記据付面7aには、検出用の加圧エアを供給するように、第1供給ポートA1と第2供給ポートA2とが開口される。第1供給ポートA1及び第2供給ポートA2は、それぞれ、第1供給路B1及び第2供給路B2を介して、前記第1検出弁31及び第2検出弁32の各入口31a,32aに連通される。
【0032】
以下、上記の第1検出弁31と第2検出弁32について詳しく説明する。
まず、下降検出用の第1検出弁31について、主として
図4A及び
図4Bに基づいて説明する。
図4Aは、前記
図1Aの部分拡大図である。
図4Bは、前記
図3Aの部分拡大図である。
【0033】
下降検出用の第1検出弁31は、前記出力ロッド15が
図4Bの下降位置から
図4Aの上限位置へ移動する途中で前記フランジ23に設けた第1操作部23aによって開弁される(
図4Aは、第1検出弁31が既に全開された状態を示している)。また、その第1検出弁31は、出力ロッド15が
図4Aの上限位置から所定の第1ストロークS1だけ下降したときに閉弁される。より具体的にいえば、第1検出弁31は、
図4A及び
図4Bに示すように、次のように構成されている。
【0034】
前記の上壁2に段付きの第1装着孔M1がほぼ水平に貫通される。その第1装着孔M1は、半径方向の外側から内側へ順に連通されたメネジ孔34と大径孔35と中径孔36と小径の第1伝動室37とを備える。第1装着孔M1に取付けられる第1ケーシングC1は、大径孔35の下部に装着された弁筒38と、メネジ孔34に螺合された押筒39とを備える。その押筒39が弁筒38を大径孔35の底部に押し付けている。
第1伝動室37には、ボールからなる第1伝動部材40が水平方向へ移動自在に挿入される。
【0035】
上記第1ケーシングC1に第1検出ロッド41が挿入される。その第1検出ロッド41は、中径孔36に内封止部材44を介して保密状に挿入された小径の内受圧部45と、押筒39の筒孔に外封止部材46を介して保密状に挿入された大径の外受圧部47と、これら内受圧部45と外受圧部47との間に設けた連結ロッド48とを備える。外受圧部47の受圧面積は、内受圧部45の受圧面積よりも大きい値に設定されている。
内受圧部45の左端部には第1被操作部49が設けられる。外受圧部47の右側に圧力室51が形成される。その圧力室51は、第1検出ロッド41の軸心に沿って形成した貫通孔52と第1伝動室37とを介して、第1駆動室11へ連通される。第1伝動室37に挿入した前記第1伝動部材40が第1駆動室11へ脱落することは、第1伝動室37の内周壁に設けたストッパー部37aによって防止されている。
【0036】
前記の弁筒38の筒孔の右部の周囲に環状の弁座54が形成されると共に、前記の外受圧部47の左部にポペット形の弁面55が形成される。
図4Bに示すように、前記第1検出ロッド41が左方へ移動したときに前記弁面55が弁座54に接当可能に構成される。また、弁筒38の筒孔と連結ロッド48の外周面との間に環状の入口路56が形成される。さらに、弁筒38の周壁に縦孔57が貫通され、その縦孔57の上端部によって前記第1検出弁31の入口31aが構成される。その入口31aは、前記の第1供給路B1を介して第1供給ポートA1へ連通される。
【0037】
前記押筒39の左端面には、周方向へ所定の間隔をあけて複数の放射溝59が形成される。また、その押筒39の外周面の左部と前記の大径孔35の内周面との間に環状流路60が形成され、その環状流路60の途中部によって前記第1検出弁31の出口31bが構成される。主として
図2Cに示すように、上記出口31bが、排出路61に設けた逆止弁62を介して外気側へ連通される。その逆止弁62は、弁座62aと、その弁座62aにボール62bを付勢するバネ62cとを備える。
【0038】
上昇検出用の前記第2検出弁32は、前記ピストン10が下降位置から
図5Aの上限位置又はその近傍位置へ移動したときに当該ピストン10によって閉弁される(
図5Aは、第2検出弁32が既に全閉された状態を示している)。また、その第2検出弁32は、前記ピストン10が
図5Aの上限位置から所定の第2ストロークS2下降したときに(
図5B中の一点鎖線図と二点鎖線図を参照)開弁される。
上記第2検出弁32は、
図5A及び
図5Bに示すように、前記の第1検出弁31とほぼ同様に次のように構成されている。
【0039】
前記の上壁2に段付きの第2装着孔M2がほぼ水平に貫通される。その第2装着孔M2は、半径方向の外方から内方へ順に連通されたメネジ孔64と大径孔65と中径孔66と小径の第2伝動室67とを備える。
第2装着孔M2に取付けられる第2ケーシングC2は、大径孔65の左部に装着された弁筒68と、メネジ孔64に螺合された押筒69とを備える。その押筒69が弁筒68を大径孔65の底部に押し付けている。
第2伝動室67には、ボールからなる第2伝動部材70が水平方向へ移動自在に挿入される。
【0040】
上記第2ケーシングC2に第2検出ロッド42が挿入される。その第2検出ロッド42は、中径孔66に内封止部材74を介して保密状に挿入された小径の内受圧部75と、押筒69の筒孔に外封止部材76を介して保密状に挿入された大径の外受圧部77と、これら内受圧部75と外受圧部77との間に設けた連結ロッド78とを備える。外受圧部77の受圧面積は、内受圧部75の受圧面積よりも大きい値に設定されている。
内受圧部75の左端部には第2被操作部79が設けられる。外受圧部77の右側に圧力室81が形成される。その圧力室81は、第2検出ロッド42の軸心に沿って形成した貫通孔82と第2伝動室67とを介して、第1駆動室11へ連通される。第2伝動室67に挿入した前記第2伝動部材70が第1駆動室11へ脱落することは、その第2伝動室67の内周壁に設けたストッパー部67aによって防止されている。
【0041】
前記の弁筒68の周壁に弁孔84が上下方向へ貫通されると共に、連結ロッド78の外周面にスプール形の弁面85と環状の出口溝86とが左右に形成される。
図5Aに示すように、第2検出ロッド42が右方へ移動したときに弁面85が弁孔84を閉じるように構成される。
前記の弁孔84の上端部によって第2検出弁32の入口32aが構成される。その入口32aは、前記の第2供給路B2を介して第2供給ポートA2へ連通される。
【0042】
前記弁筒68の右端面に、周方向へ所定の間隔をあけて複数の放射溝87が形成される。また、前記押筒69の左端面に、周方向へ所定の間隔をあけて複数の放射溝89が形成される。その押筒69の外周面の左部と前記の大径孔65の内周面との間に環状流路90が形成され、その環状流路90の途中部によって第2検出弁32の出口32bが構成される。その出口32bが、前記排出路61と前記逆止弁62(
図2Cを参照)を介して外気側へ連通される。
【0043】
上記構成のクランプ装置は次のように作動する。
図1Aから
図1Cのアンクランプ状態では、上側の第1駆動室11の圧油が排出されると共に下側の第2駆動室12に圧油が供給されている。これにより、ピストン10が上昇し、そのピストン10の肩部10cがシリンダ孔5の段部5cで受け止められ、当該ピストン10が上限位置へ上昇されている。また、出力ロッド15は、内封止部材25の封止断面積に相当する受圧面積に作用する上向き力によって
図1Aのアンクランプ上昇位置に保持されている。
【0044】
上記アンクランプ状態では、
図1Aに示す下降検出用の第1検出弁31が開弁されている。より詳しくいえば、
図4Aに示すように、出力ロッド15のフランジ23に設けた第1操作部23aが第1伝動部材40と被操作部49を介して第1検出ロッド41を右方へ押し、外受圧部47の弁面55が弁座54から離れている。このため、第1供給ポートA1へ供給された加圧エアは、第1供給路B1と入口31aと環状の入口路56と放射溝59と出口31bとを通って排出路61へ流れ、その排出路61の加圧エアが逆止弁62のボール62bを押し開いて外気側へ排出される(
図2Cを参照)。
【0045】
また、上記アンクランプ状態では、
図1Bに示す上昇検出用の第2検出弁32が閉弁されている。より詳しくいえば、
図5Aに示すように、ピストン10の第2操作部10bが第2伝動部材70と被操作部79を介して第2検出ロッド42を右方へ押し、連結ロッド78の弁面85が弁孔84を閉じている。このため、第2供給ポートA2の圧力が設定値に上昇し、その圧力上昇をセンサで検出することにより、クランプがアンクランプ状態であることを確認できる。
【0046】
上記の
図1Aから
図1Cのアンクランプ状態からクランプ状態に切り換えるときには、上記アンクランプ状態において、下側の第2駆動室12の圧油を第2給排ポートP2から排出すると共に、第1給排ポートP1の圧油を上側の第1駆動室11へ供給する。
【0047】
すると、上記第1駆動室11の圧力により、ピストン10が前記ガイド溝26の旋回溝26bに沿って平面視で時計回りの方向へ旋回しながら下降していく。これにより、上記アンクランプ上昇位置に保持された出力ロッド15(及びクランプアーム16)が前記伝動ボール29b及び伝動溝29aを介して平面視で時計回りの方向へ水平旋回される。
次いで、上記ピストン10が旋回用ストローク下降したときに、上記出力ロッド15(及びクランプアーム16)がほぼ90度旋回すると共に、上記ピストン10の下部が前記の被駆動部15aに接当する。これと同時に、上記出力ロッド15の下端に設けた前記の嵌合部15bと前記の嵌合穴3bとの位相が合致し(
図3Cを参照)、その嵌合穴3bに上記の嵌合部15bが対面する。
【0048】
引き続いて、第1駆動室11の圧力により、ピストン10が前記ガイド溝26の直進溝26aに沿って真っ直ぐに下降するので、
図3A(及び
図3B)に示すように、そのピストン10が被駆動部15aを介して出力ロッド15を真っ直ぐに下降させていく。これにより、クランプアーム16がワークピースを固定台の上面に押圧する(いずれも図示せず)。
【0049】
上記ピストン10及び出力ロッド15の下降時には、下降検出用の第1検出弁31と上昇検出用の第2検出弁32とが次のように動作する。
【0050】
第1駆動室11へ供給された圧油がピストン10を
図5Aの上限位置から下降させていくと、その第1駆動室11の圧油が第2検出ロッド42の貫通孔82を通って圧力室81へ供給され、その圧力室81の圧油が第2検出ロッド42を
図5Aの位置から左方へ移動させていく。
引き続いて、
図5Bの二点鎖線図に示すように、ピストン10が第2ストロークS2だけ下降したときに、連結ロッド78の環状の出口溝86が弁孔84に対面して、第2検出弁32が全開される。このため、第2供給ポートA2へ供給された加圧エアは、第2供給路B2と弁孔84と出口溝86と2つの放射溝87,89と環状流路90とを通って前記排出路61へ流れる。その排出路61の加圧エアが逆止弁62のボール62bを押し開いて外気へ排出される(
図2Cを参照)。
【0051】
また、上記の下降駆動時には、第1駆動室11から圧力室51へ供給された圧油が第1検出ロッド41を
図4Aの位置から左方へ移動させていく。引き続いて、
図4Bの二点鎖線図に示すように、上記出力ロッド15が第1ストロークS1だけ下降したときに、内受圧部45の弁面55が弁座54に接当して、第1検出弁31が全閉される。このため、第1供給ポートA1の加圧エアの圧力が設定値に上昇し、その圧力上昇をセンサで検出することにより、クランプがクランプ状態へ移行することを確認できる。
【0052】
図3Aから
図3Cのクランプ状態から
図1Aから
図1Cのアンクランプ状態へ切り換えるときには、上記クランプ状態において、上側の第1駆動室11の圧油を排出すると共に下側の第2駆動室12へ圧油を供給すればよい。これにより、前記の手順とは逆の手順でクランプ装置が作動する。
即ち、まず、上記ピストン10及び出力ロッド15が第2駆動室12の油圧力によって真っ直ぐに上昇し、その出力ロッド15の前記フランジ23が前記の上壁2に受け止められる。次いで、
図1Aに示すように、回転しながら上昇する上記ピストン10が出力ロッド15を平面視で反時計回りの方向へ旋回させるのである。
【0053】
上記ピストン10及び出力ロッド15の上昇時には、下降検出用の第1検出弁31と上昇検出用の第2検出弁32とが次のように動作する。
【0054】
第2駆動室12へ供給された圧油がピストン10及び出力ロッド15を下降位置から上昇させていくと、まず、
図4Bの二点鎖線図に示すように、出力ロッド15のフランジ23に設けた第1操作部23aが第1伝動部材40に接当する。引き続いて、
図4Aに示すように、第1操作部23aが第1伝動部材40と第1検出弁31の被操作部49とを介して第1検出ロッド41を右方へ移動させ、弁面55を弁座54から離間させる。このため、第1検出弁31が全開し、第1供給ポートA1の加圧エアが外気側へ排出されるので、その第1供給ポートA1の圧力が低下する。
【0055】
また、上記ピストン10の上昇時には、
図5Bの二点鎖線図に示すように、まず、ピストン10の第2操作部10bが第2伝動部材70に接当する。引き続いて、
図5Aに示すように、第2操作部10bが第2伝動部材70と第2検出弁32の被操作部79とを介して第2検出ロッド42を右方へ移動させ、その第2検出ロッド42の弁面85が弁孔84に対面する。このため、第2検出弁32が全閉し、第2供給ポートA2の加圧エアの圧力が設定値に上昇する。その圧力上昇をセンサで検出することにより、クランプがアンクランプ状態であることを確認できる。
【0056】
上記の実施形態は次の長所を奏する。
ハウジング1の上壁2に挿入された出力ロッド15の外周側で、当該上壁2に、下降検出用の第1検出弁31と上昇検出用の第2検出弁32との2つの検出弁を配置したので、そのハウジング1の下壁3をテーブル等の固定台に取付けたり、当該ハウジング1の下半部を固定台の取付け穴に挿入した場合などでも、上記2つの検出弁31,32に上横側や上側からアクセスすることが可能となる。このため、検出弁31,32のメンテナンスに手間がかからない。
また、上記2つの検出弁31,32に検出用の加圧エアを供給する第1供給路B1及び第2供給路B2を上壁2内に設けると共に、第1供給ポートA1及び第2供給ポートA2を上壁2のフランジ7の据付面7aに開口させたので、加圧エアの供給システムを簡素に構成できる。
さらに、上記2つの検出弁31,32は、上壁2内に設置される際に、その上壁2の余剰空間を設置スペースとして利用可能なので、クランプの主要構成要素としてのシリンダ装置をコンパクトに造れる。
【0057】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
下降検出用の前記第1検出弁31は、前記出力ロッド15が下降位置から上限位置へ移動する途中で当該出力ロッド15によって開弁されると共に、その出力ロッド15が前記の上限位置から所定の第1ストロークS1下降したときに閉弁されるように構成すればよい。従って、その第1検出弁31は、出力ロッド15が上限位置からクランプストローク領域(前記の直進溝26aのストローク領域に相当する領域)に下降したときに全閉される場合や、当該出力ロッド15が上限位置から上記クランプストローク領域の近傍に下降したときに全閉される場合などが考えられる。
また、上昇検出用の前記第2検出弁32は、前記ピストン10が下降位置から上限位置又はその近傍位置へ移動したときに当該ピストン10によって閉弁されると共に、そのピストン10が前記の上限位置から所定の第2ストロークS2下降したときに開弁されるように構成すればよい。従って、その第2検出弁32は、上限位置で全閉されることに代えて、上限位置の近傍に上昇したときに全閉されるように構成してもよい。
【0058】
第1検出弁31及び第2検出弁32は、水平姿勢で配置することに代えて斜め姿勢で配置してもよい。
また、上記2つの検出弁31,32の設置箇所は、ハウジング1の上壁2の4辺に対応する4つの壁部分のうちの平面視で右側の壁部分に配置するとしたが、これに代えて、平面視で上側の壁部分や下側の壁部分に配置してもよい。その上壁2は、平面視で長方形状に形成することに代えて正方形状に形成してもよい。
上記の各検出弁31,32の弁構造は、ポペット形とスプール形とのいずれかの構造を任意に選択可能である。
第1検出弁31を操作する第1操作部23aは、出力ロッド15に設けることに代えて、ピストン10に設けてもよい。また、第2検出弁32を操作する第2操作部10bは、ピストン10に設けることに代えて、出力ロッド15に設けてもよい。
【0059】
ハウジング1とピストン10との間に出力ロッド15の旋回機構を設けた例示の構造に代えて、その旋回機構をピストン10と出力ロッド15との間に設けることも可能である。この場合、上記ピストン10は、ハウジング1に対して軸心方向へ移動可能で軸心回りの回転が阻止されるように構成される。
【0060】
本発明のシリンダ装置は、出力ロッド15が上昇位置で水平旋回する構造に限定されるものではなく、その出力ロッド15が旋回しながら昇降する構造に利用してもよく、また、当該出力ロッド15が旋回せずに昇降する構造にも利用可能である。なお、これら別の構造にはおいては、各検出弁31,32を次のように開閉させることが考えられる。
出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方に、第1操作部23a及び第2操作部10bを設ける。当該出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方が上限位置またはその近傍位置から所定量だけ下降したときに、前記第1操作部23aは下降検出用の第1検出弁31が閉じるのを許容すると共に、前記一方が下降位置から所定量だけ上昇したときに、第1操作部23aが第1被操作部49を介して第1検出弁31を開くように構成する。また、出力ロッド15とピストン10とのいずれか一方が下降位置から所定量だけ上昇したときに、第2操作部10bが第2被操作部79を介して上昇検出用の第2検出弁32を閉じるように構成すると共に、前記一方が上限位置またはその近傍位置から所定量だけ下降したときに、第2操作部10bは第2検出弁32が開くのを許容するように構成する。
上記2つの検出弁31,32のいずれか一方を省略してもよい。
【0061】
また、本発明のシリンダ装置は、例示の複動式に代えて、単動バネ復帰式に構成してもよい。そのシリンダ装置に使用される駆動用の加圧流体は、例示した圧油に代えて圧縮空気等のガス体であってもよい。
さらに、本発明のシリンダ装置は、クランプの技術分野とは異なる技術分野に利用することも可能である。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。