特許第6092714号(P6092714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092714
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/04 20060101AFI20170227BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20170227BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20170227BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   H05B33/04
   H05B33/14 A
   G09F9/30 365
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-112610(P2013-112610)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-232625(P2014-232625A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】坂元 博次
(72)【発明者】
【氏名】大岡 浩
(72)【発明者】
【氏名】大河原 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恒平
(72)【発明者】
【氏名】松本 優子
【審査官】 中山 佳美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−231192(JP,A)
【文献】 特開2008−288032(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/24006(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50−51/56
H01L 27/32
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL発光層と、前記有機EL発光層を含む表示領域とを備える第1基板と、
前記第1基板と対向して配置される第2基板と、
前記表示領域の外側に位置し、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合せ、前記表示領域の外縁の全体に沿って配置されず、前記外縁の一部のみに沿って配置されるダム材と、
前記第1基板と前記第2基板との空間に、前記ダム材と接して充填された充填材と、を有し、
前記表示領域は、第1の辺と前記第1の辺と対向する第2の辺とを有し、
前記ダム材は、前記第1の辺に隣接する位置に、前記第1の辺の延長方向と同じ方向に線状に延びる第1の線状部と、前記第2の辺に隣接する位置に、前記第2の辺の延長方向と同じ方向に線状に延びる第2の線状部とを有し、
前記第1基板は、前記表示領域の外側に端子部を備え、
前記端子部は、前記第1の線状部の前記表示領域とは反対の側に位置し、且つ前記第2の線状部の前記表示領域とは反対の側には位置せず、
前記ダム材は、前記第1の線状部と前記第2の線状部のみからなることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記充填材は、前記第1の辺の延長方向に位置する前記第1基板の端から端まで前記表示領域を覆って配置されることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示領域は、前記第1の辺と前記第2の辺との両方に交差する第3の辺を有し、
前記第1基板は、前記第3の辺に隣接する位置に第1の端部を有し、
前記充填材は、前記第3の辺を覆うと共に、前記表示領域から前記第1の端部まで延在して配置されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示領域は、前記第1の辺と前記第2の辺との両方に交差する第3の辺と、前記第1の辺と前記第2の辺との両方に交差し、前記第3の辺と対向する第4の辺と、を有し、
前記第1基板は、前記第3の辺に隣接する第の端部と、前記第4の辺に隣接する第の端部と、を有し、
前記充填材は、前記第3の辺及び前記第4の辺を覆うと共に、前記第の端部から前記表示領域を介して前記第の端部まで延在して配置されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1基板は、
前記第2の辺及び第2の線状部に隣接する位置に第3の端部を有すると共に、前記第2の線状部と前記第3の端部との間に縁部を有し、
前記縁部の前記第2の辺の延長方向と交差する方向の幅は、前記端子部の前記第1の辺の延長方向と交差する方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は、
前記第2の辺に隣接する位置に第3の端部を有し、
前記第2の線状部は、前記第3の端部と接して位置することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(electro-luminescence)発光層の封止手段を備えた表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイパネルの薄型化や高輝度化や高速化を目的として、OLED(organic light-emitting diode:有機発光ダイオード)表示装置の開発が進められている。OLED表示装置は、有機化合物発光ダイオードから構成された画素を備えた表示パネルであり、機械的な動作がない為に反応速度が速く、各画素自体が発光する為に高輝度表示が可能になるとともに、バックライトが不要となる為に薄型化が可能になるので、次世代の表示パネルとして期待されている。
【0003】
有機EL発光層は、雰囲気中の水分に曝されると急速に劣化するため、外気から密閉される必要がある。このため、有機EL発光層の表面は、例えば、CVD成膜されたSiN膜等からなる透明な封止膜によって覆われるとともに、ガラス等の硬質透明部材からなる基板によって覆われる。
【0004】
従来のOLED表示装置には、この基板と封止膜との間隙において、両者間の距離を一定に保つことによって有機EL発光層の表面と基板の表面とを平行に保つとともに、両者の界面における反射や屈折を防止するために、例えば、エポキシ樹脂等の透明な樹脂(紫外線硬化型、熱硬化型等)により埋めるものがある(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、硬化前の粘度が比較的高い樹脂を額縁状に形成し、この樹脂によって囲まれた空間内に、硬化前の粘度が比較的低い樹脂を充填する。このような各樹脂の機能の相違から、硬化前の粘度が比較的高い樹脂を以下「ダム(Dam)材」と称呼し、粘度の比較的低い樹脂を以下「充填材」と称呼する。
【0005】
以下、図11乃至図13を参照し、従来のOLED表示装置50の製造工程について述べる。図11は、従来のOLED表示装置50の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置50の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置50の断面図である。図12は、図11(a)に破線で示した部分Cの拡大図である。図13は、従来のOLED表示装置50の製造工程を説明するための図であり、(a)は、図11(a)に示すOLED表示装置50の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すZ−Z’線に沿ったOLED表示装置50の断面図である。
【0006】
図11(a)は、第2基板52及び充填材54を透視してダム材53の形成された第1基板51の表面形状を示す平面透視図であり、図11(a)に示すように、ダム材53は、ディスペンサー等によって第1基板51上に額縁状に塗布される。なお、図11(a)に示す第1基板51上の領域51aは、有機EL発光層1のTFT駆動回路層を駆動するドライバ等が形成される端子部を示しており、ダム材53は、端子部51aを除く領域の周縁に沿って額縁状に形成される。このとき、図12に示すように、ダム材53は、第1基板51に形成された有機EL発光層1の表示領域(画像表示に寄与する有効画素が存在する領域)55の外縁を取り囲むように塗布される。ダム材53を表示領域55の外縁よりも外側に配置するのは、ダム材53と充填材54との微妙な屈折率の相違に起因した屈折率の分布が有機EL発光層1上に生じてしまい、画像が歪むことを防止するためである。
【0007】
次に、第1基板51上に配置されたダム材53の内側に、充填材54を塗布し、第1基板51と第2基板52とを貼り合わせ、ダム材53及び充填材54の硬化を行う。
【0008】
ここで、図11(a)及び(b)においては、一つの第1基板7上に一つのOLED表示装置が形成されるものとして図示しているが、実際の製造工程においては、図13(a)に示すように、一つの第1基板51上に複数台分のOLED表示装置が形成され、充填材54の硬化後、貼り合わされた第1基板51及び第2基板52から、個々のOLED表示装置50が切り出されるように構成される。
【0009】
図13(a)及び(b)に示す点線A1−1〜A1−6及びA3−1〜A3−7は、貼り合わされた第1基板51及び第2基板52の切断線を示し、点線B−1〜B−5は第2基板52の切断線を示している。切断線1−1〜A1−6、A3−1〜A3−7、B−1〜B−5に沿った所定の位置で、スクライブ・ブレーク等の方法を用いて第1基板51及び第2基板52をそれぞれ切断することにより、図11(a)及び(b)に示すOLED表示装置50が複数取得される。なお、図11(a)に示す点線52´は、第1基板51と重畳する第2基板52の配置位置を示したものであり、図11(b)に図示したように、端子部51aが第2基板52から露出されて形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−225569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述した従来のOLED表示装置50は、ダム材53が有機EL発光層1の表示領域55を囲んで額縁状に形成されることから、各表示装置においてダム材53の配置領域を確保する必要があり、狭額縁化が困難となるものであった。
【0012】
また、ダム材53を形成するには、ディスペンサー等により第1基板51上に複数のダム材53をそれぞれ表示領域55を囲む額縁寸法に描画する必要があり、描画時間が長くかかることや、描画工程に高い精度が求められるという課題があった。
【0013】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、簡易な製造工程により製造原価を低減することができ、且つ狭額縁化を実現できる表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、有機EL発光層を含む第1基板と、前記第1基板と対向して配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間において、前記有機EL発光層の表示領域の外縁の一部に沿って前記外縁の外側に配置されるダム材と、前記第1基板及び前記第2基板と前記ダム材との間の空間に充填された充填材と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法は、第1基板上に、画像を表示する表示領域を含む複数の有機EL発光層を所定の間隔を空けてマトリクス状に形成し、前記複数の表示領域の第1方向に隣接する位置に前記表示領域にそれぞれ対応する複数の端子部を形成し、前記複数の有機EL発光層及び前記複数の端子部の形成された前記第1基板上に封止膜を形成し、前記封止膜上に、前記表示領域と前記端子部との間を通過して前記第1方向に垂直な第2方向に延び、前記第2方向に隣接して配置された前記複数の表示領域を囲む複数のダム材を形成し、前記複数のダム材の内側にそれぞれ充填材を形成し、前記ダム材及び前記充填材を介して、前記第1基板上に第2基板を貼り合わせた後、前記ダム材及び前記充填材を硬化させて前記第1基板と前記第2基板とを接合し、前記接合された前記第1基板及び前記第2基板を切断して前記表示領域及び前記端子部をそれぞれ含む複数の表示装置を形成することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように構成された本発明による表示装置及びその製造方法によれば、簡易な製造工程で製造原価を低減して製造することができ、狭額縁化された表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置の断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置の製造工程を説明するための図であり、(a)は、OLED表示装置の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すX−X’線に沿ったOLED表示装置の断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置の断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置の製造工程を説明するための図であり、(a)は、OLED表示装置の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すY−Y’線に沿ったOLED表示装置の断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置の断面図である。
図6】OLED表示装置の積層構造の概略構成を示す断面図である。
図7】OLED表示装置の製造工程を説明するための図である。
図8】OLED表示装置の製造工程を説明するための図である。
図9】OLED表示装置の製造工程を説明するための図である。
図10】OLED表示装置の製造工程を説明するための図である。
図11】従来のOLED表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置の断面図である。
図12図11(a)に破線で示した部分Cの拡大図である。
図13】従来のOLED表示装置の製造工程を説明するための図であり、(a)は、OLED表示装置の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すZ−Z’線に沿ったOLED表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係るOLED表示装置の概略構成について、図6を参照して説明する。
【0020】
図6は、OLED表示装置の積層構造を示す縦断面図である。図6に示されるように、有機EL発光層1は、ガラス等の硬質な基板2上に形成される。なお、図6では、詳細な図示を省略しているが、有機EL発光層1は、基板2側から順に、例えば、TFT駆動回路層、反射電極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、透明電極が積層されることにより構成される。
【0021】
有機EL発光層1は、雰囲気中の水分に曝されると急速に劣化するため、外気から密閉される必要がある。このため、有機EL発光層1の表面は、例えば、CVD成膜されたSiN膜等からなる透明な封止膜3によって覆われるとともに、ガラス等の硬質透明部材からなる基板6によって覆われる。
【0022】
OLED表示装置は、この基板6と封止膜3との間隙において、両者間の距離を一定に保つことによって有機EL発光層1の表面と基板6の表面とを平行に保つとともに、両者の界面における反射や屈折を防止するために、例えば、エポキシ樹脂等の透明な樹脂(紫外線硬化型、熱硬化型等)4、5により埋めている。より具体的には、硬化前の粘度が比較的高い樹脂4を額縁状に形成し、この樹脂4によって囲まれた空間内に、硬化前の粘度が比較的低い樹脂5を充填する。このように、硬化前の粘度が比較的高い樹脂4が、硬化前の粘度の比較的低い樹脂5を取り囲んでいるため、硬化前であっても粘度の比較的低い樹脂5が周囲に流れ出すことを防ぎつつ、樹脂5を封止膜3の表面上に万遍無く行き渡らせることができる。樹脂4は、樹脂5を堰き止める役割を有することから「ダム材」と呼称するが、「シール材」等と呼称されることもある。また、樹脂5については、ここでは「充填材」と呼称するが、「フィル(Fill)材」等と呼称されることもある。
【0023】
なお、以下、図6に図示される有機EL発光層1及び封止膜3が基板2上に形成された構成を「第1基板7」とし、これに合わせて、基板6を「第2基板6」とする。第2基板6は、OLED表示装置の仕様に応じて、カラーフィルタを含むものであってもよく、また、タッチパネル機能を備えた薄膜デバイス等であってもよい。
【0024】
以下、図7乃至図10を参照し、樹脂4、5を用いて第1基板7と第2基板6とを貼合わせて製造されるOLED表示装置の製造工程について説明する。この貼合わせ工程は、図示せぬ製造装置を構成するチャンバー内において行われる。
【0025】
図示せぬ製造装置は、先ず、図7に示すように、第1基板7の表面(図6に図示した封止膜3の表面)上に、ディスペンサー等によってダム材4を塗布する。次に、図8に示すように、第1基板7の表面上におけるダム材4の内側に、それぞれ均等なピッチで、充填材5を点状に多数滴下する。充填材5を点状に滴下するのは、図9に示すように、滴下された充填材5はその表面張力に因って球状の形態を取るので、点状に配置された充填材だけでも、ダム材4の内側を充填するのに十分な体積を得られるからである。
【0026】
次に、図示せぬ製造装置は、チャンバー内を高度に減圧して、図9に示すように、第1基板7と第2基板6とを相互にアライメントしつつ、図10に示すように、両基板6、7を重ね合わせる。これにより、ダム材4内に点在していた充填材5が、押し広げられ、相互間の間隙を埋め、両基板6、7及びダム材4によって囲まれた空間を充填する。
【0027】
その後、図示せぬ製造装置は、チャンバー内の気圧を大気圧に戻し、貼り合わされた両基板6、7を取り出して、各樹脂4、5の硬化処理を行う。例えば、ダム材4として紫外線硬化型の樹脂4を用いて、充填材5として熱硬化型の樹脂5を用いた場合は、先ず、第2基板6を通してダム材4に紫外線を照射した後に、加熱炉内で充填材5を熱硬化する。充填材5を熱硬化する際に、100℃程度の温度とすることにより、有機EL発光層1を構成する材料を劣化させないようにすることができる。また、樹脂4、5はそれぞれ紫外線遅延硬化型の樹脂を用いてもよく、この場合には、両基板6、7の貼合わせに先立って各樹脂4、5に紫外線を照射し、両基板6、7を貼合わせた時点以降に各樹脂4、5の硬化が開始するので、硬化炉内において硬化を完了させることができる。
【0028】
このような製造工程により製造される本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10について、以下、図1及び図2を参照して述べる。
【0029】
(第1の実施形態)
<OLED表示装置の構造>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置10の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置10の断面図である。
【0030】
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10は、画像を表示する表示領域15を含む第1基板11と、第1基板11と対向して配置される第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間において、表示領域15の外縁の一部に沿って外縁の外側に配置されるダム材13と、第1基板11及び第2基板12とダム材13との間の空間に充填される充填材14と、を含む。
【0031】
なお、図1(a)は、第2基板12及び充填材14を透視してダム材13の形成された第1基板11の表面形状を示す平面透視図である。第1基板11は、図6を参照して上述した第1基板7と同様に、基板2上に順に形成された有機EL発光層1と封止膜3とを含む。第1基板11は、有機EL発光層1の複数の有効画素が存在することによって画像が表示される表示領域15と、有機EL発光層1を構成するTFT駆動回路層に駆動信号を伝達する配線等が敷設されているとともに表示領域15を取り囲むように形成された額縁領域11bと、額縁領域11bの外縁の一辺から突出した部分であってTFT駆動回路層を駆動するためのドライバDR(ソースドライバ、ゲートドライバ)と表示装置へ信号を供給するための端子TMが形成された端子部11aとを備える。本実施形態ではドライバDRを別部材で形成し、第1基板の端子部11aに配置する構成としたが、ドライバDRを直接第1基板11aに作り込んでもよい。また端子TMには図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)が接続される。図1(a)に図示したように、表示領域15が矩形状である場合、ダム材13は、矩形状の表示領域15の一辺に沿って端子部11aと表示領域15との間に形成される。本実施形態では端子TMの配列方向に沿って配置されている。
【0032】
第2基板12は、第1基板11に形成された有機EL発光層1からの光を透過させるように、ガラス等の硬質透明部材からなる。第2基板12は、図示していないがカラーフィルタを含むものであってもよく、タッチパネル機能を備えた薄膜デバイス等であってもよい。
【0033】
図1(b)に図示したように、OLED表示装置10は、第1基板11と第2基板12とを、ダム材13及び充填材14を介して貼り合わせ、有機EL発光層1を充填材14によって封止することにより形成される。
【0034】
以下、図2を参照し、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10の製造方法について、より詳細に述べる。
【0035】
<OLED表示装置の製造方法>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10の製造工程を説明するための図であり、(a)は、OLED表示装置10の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すX−X’線に沿ったOLED表示装置10の断面図である。なお、図2(a)は、第2基板12及び充填材14を透視して複数のダム材13の形成された第1基板11の表面形状を示す平面透視図である。ここで、図2(a)等に示すx方向は一つの表示装置における端子の配列方向、y方向は一つの表示装置における端子の配列方向に直交する方向、z方向は表示装置の厚さ方向、とした。
【0036】
(1)第1基板11の形成
図2(a)に図示したように、第1基板11には、複数の表示領域15が、所定の間隔を空けてマトリクス状に形成されている。複数の表示領域15の図2(a)に示すy方向に隣接する位置には、表示領域15にそれぞれ対応して端子部11aが形成されている。端子部11aは、表示領域15の有機EL発光層1に含まれるTFT駆動回路層を駆動するドライバ等を含んで形成される。また、表示領域15をそれぞれ取り囲むように、TFT駆動回路層に駆動信号を伝達する配線等を含む額縁領域11bが形成される。第1基板11は、図6を参照して上述した第1基板7と同様に、ガラス等の硬質透明部材からなる基板2上に、複数の有機EL発光層1並びに複数の端子部11a及び複数の額縁領域11bが形成された後、複数の有機EL発光層1並びに複数の端子部11a及び複数の額縁領域11bを覆う封止膜3が形成されて構成される。
【0037】
(2)ダム材13の塗布
次に、第1基板11の表面上に、ダム材13として硬化前の粘度が比較的高い樹脂をディスペンサーによって塗布し、図2(a)に示すx方向に隣接して配置される複数の表示領域15を囲む複数のダム材13を形成する。ダム材13としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の、UV硬化型又は熱硬化型の透明樹脂を用いる。ダム材13は、x方向に隣接して配置される複数の表示領域15とこれにそれぞれ対応して形成される複数の端子部11aとの間を通過してx方向に延び、x方向に隣接して配置される複数の表示領域15及び額縁領域11bを囲んで形成される。このようにダム材13を表示領域15と端子部11aとの間に形成することにより、後述する製造工程においてダム材13の内側に充填される充填材14が端子部11aに流れ出ないようにすることができる。また、ダム材13は、充填材14の領域を画定するものであることから、ダム材13に用いる樹脂は、充填材14に用いる樹脂よりも硬化前の粘度が高い樹脂を用いるようにする。
【0038】
(3)充填材14の塗布
次に、複数のダム材13の内側に、それぞれ充填材14として硬化前の粘度が比較的低い樹脂を、直交するx方向及びy方向にそれぞれ所定のピッチで点状に滴下する(図8参照)。充填材14としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の、UV硬化型又は熱硬化型の透明樹脂を用いる。
【0039】
(4)第1基板11と第2基板12との接合
次に、減圧下のチャンバ―内で第1基板11の表面に第2基板12を貼り合わせ、両基板11、12とダム材13によって囲まれる空間の全域に充填材14を押し広げ、大気圧下でダム材13及び充填材14を硬化させる(図9及び図10参照)。ダム材13及び充填材14の硬化工程は、図9及び図10を参照して上述した工程と同様に、例えば、ダム材13に紫外線硬化型の樹脂を用いて、充填材14に熱硬化型の樹脂を用いた場合は、第2基板12を通してダム材13に紫外線を照射した後、加熱炉内で充填材14を熱硬化する。これにより、図2(a)及び(b)に示すように、ダム材13及び充填材14により有機EL発光層1が封止されて接合された第1基板11及び第2基板12を得ることができる。
【0040】
(5)OLED表示装置10の個片化
接合された第1基板11及び第2基板12を、スクライブ・ブレーク等の方法を用いて、切断線A1−1〜A1−4、A2−1〜A2−4、A3−1〜A3−7、B−1〜B−4に沿ってそれぞれ切断する。切断線A1−1〜A1−4、A3−1〜A3−7は、それぞれダム材13の内側を切断して端子部11aが形成されていない側のOLED表示装置10の縁部を形成するための切断線である。切断線A2−1〜A2−4は、それぞれ端子部11aが形成された側のOLED表示装置10の縁部を形成するための切断線である。切断線B−1〜B−4は、それぞれ第1基板11に形成された端子部11aを第2基板12から露出させるように、第2基板12を切断するための切断線である。
【0041】
図2(a)及び(b)に示す切断線A1−1〜A1−4、A2−1〜A2−4、A3−1〜A3−7、B−1〜B−4に沿って、接合された第1基板11及び第2基板12をそれぞれ切断することにより、図1(a)及び(b)に示すOLED表示装置10が複数取得される。
【0042】
図1(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10は、端子部11a側を除いた表示領域15の外縁部分にダム材13が形成されない構成となる。本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10は、図11(a)に示して上述した従来のOLED表示装置50とは異なり、ダム材53を表示領域55を囲む額縁状に形成せずとも、充填材14が硬化後に完全な固体となるため、充填材14に水分遮蔽機能を持たせることができる。従って、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10によれば、ダム材13の形成領域を、端子部11aと表示領域15との間の境界部分以外に確保する必要がなくなり、OLED表示装置10の狭額縁化を実現できる。
【0043】
また、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10は、図1(a)に示す額縁領域11bのうち、端子部11aと対向する側の額縁領域11bに配線等を配置しない構成とすることも可能であるため、これにより、額縁領域11bの幅をより狭くすることができ、さらなる狭額縁化を実現することも可能である。
【0044】
以上のとおり、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10及びその製造方法によれば、ダム材13の形成領域を、表示領域15を囲む額縁状に確保する必要が無くなるため、狭額縁化を実現することが容易に可能となる。また、ダム材13の塗布工程においては、x方向に隣接する複数の表示領域15を囲む形状にダム材13を描画することにより、表示領域55ごとに額縁状にダム材53を描画する場合と比較して、ダム材13全体の描画長を短くすることができ、これにより、工程時間を短縮し、原料費を低減することが可能となる。従って、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10及びその製造方法によれば、狭額縁なOLED表示装置10を製造原価を低減して安価に提供することができる。
【0045】
上述した本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10及びその製造方法は、図2(a)に図示したように、ダム材13の内側を切断するものであるため、切断線A2−1〜A2−3と切断線A1−2〜A1−4との間に、ダム材13を含んで破棄される領域を生じさせることとなる。そこで、以下、面付け効率を優先し、ダム材13の外側の位置において切断することにより、第1の実施形態よりも面付け効率を高めることができ、且つ従来のOLED表示装置と比較して狭額縁化と面付け効率とを両立することのできる本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20及びその製造方法について述べる。
【0046】
(第2の実施形態)
<OLED表示装置の構造>
図3は、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置20の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置20の断面図である。
【0047】
図3(a)及び(b)に示すように、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20は、画像を表示する表示領域25を含む第1基板21と、第1基板21と対向して配置される第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間において、表示領域25の外縁の一部に沿って外縁の外側に配置されるダム材23と、第1基板21及び第2基板22とダム材23との間の空間に充填される充填材24と、を含む。
【0048】
本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20は、本発明の第1の実施形態に係るOLED表示装置10とは異なり、ダム材23が端子部21aと表示領域15との間の境界のみならず、端子部21aと対向する側のOLED表示装置20の縁部においても表示領域25の外縁に沿って形成される。図2(a)に図示したように、表示領域25が矩形状である場合、ダム材23は、表示領域25の外縁の四辺のうち、y方向に対向する二辺に沿って配置される。
【0049】
このような本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20の製造工程について、以下、図4を参照してより詳細に述べる。なお、以下、図1及び図2を参照して上述した本発明の第1の実施形態に係る製造工程と同じ工程については、その説明を省略することとする。
【0050】
<OLED表示装置の製造方法>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20の製造工程を説明するための図であり、(a)は、OLED表示装置20の製造工程を説明するための平面透視図であり、(b)は、(a)に示すY−Y’線に沿ったOLED表示装置20の断面図である。なお、図4(a)は、第2基板22及び充填材24を透視して複数のダム材23の形成された第1基板21の表面形状を示す平面透視図である。
【0051】
(1)第1基板21の形成
図4(a)に図示したように、第1基板21には、複数の表示領域25が、所定の間隔を空けてマトリクス状に形成されている。複数の表示領域25のy方向に隣接する位置には、表示領域25にそれぞれ対応して端子部21aが形成され、複数の表示領域25をそれぞれ囲む額縁領域21bが形成されている。第1基板21は、第1の実施形態に係る第1基板11と同様に、ガラス等の硬質透明部材からなる基板2上に、複数の有機EL発光層1並びに複数の端子部21a及び複数の額縁領域21bが形成された後、複数の有機EL発光層1並びに複数の端子部21a及び複数の額縁領域21bを覆う封止膜3が形成されて構成される。
【0052】
(2)ダム材23の塗布
次に、第1基板21の表面上に、ダム材23として硬化前の粘度が比較的高い樹脂をディスペンサーによって塗布し、図4(a)に示すx方向に隣接して配置される複数の表示領域25を囲む複数のダム材23を形成する。ダム材23は、x方向に隣接して配置される複数の表示領域25とこれにそれぞれ対応して形成される複数の端子部21aとの間を通過してx方向に延び、x方向に隣接して配置される複数の表示領域25及び額縁領域21bを囲んで形成される。
【0053】
図4(a)に示すように、第2の実施形態に係るダム材23の塗布位置は、図2(a)に示した第1の実施形態に係るダム材13の塗布位置とは異なり、端子部21aを間に挟んでy方向にほぼ余白領域なく連続して形成される。これは、第1基板21上に、表示領域25及び端子部21aを含む一つのOLED表示装置20を構成する領域が、それぞれy方向に連続して形成されているためである。これにより、第1の実施形態に係る第1基板11と第2の実施形態に係る第1基板21とが同じ面積であるとすると、第1の実施形態に係る第1基板11においては、一つのOLED表示装置10を構成する領域が、図2(a)に図示したように、y方向に余白領域を挟んで形成されることから、例えばy方向に4行分しか形成されない一方、図4(a)に図示したように、第2の実施形態に係る第1基板21においては、一つのOLED表示装置20を構成する領域をy方向に連続させて形成することにより、5行分形成することができる。従って、第2の実施形態によれば、面付け効率を向上させることができる。
【0054】
(3)充填材24の塗布
次に、複数のダム材23の内側に、それぞれ充填材24として硬化前の粘度が比較的低い樹脂を、直交するx方向及びy方向にそれぞれ所定のピッチで点状に滴下する。
【0055】
(4)第1基板21と第2基板22との接合
次に、減圧下のチャンバ―内で第1基板21の表面に第2基板22を貼り合わせ、両基板21、22とダム材23によって囲まれる空間の全域に充填材24を押し広げ、大気圧下でダム材23及び充填材24を硬化させる。これにより、図4(a)及び(b)に示すように、ダム材23及び充填材24により有機EL発光層1が封止されて接合された第1基板21及び第2基板22を得ることができる。
【0056】
(5)OLED表示装置20の個片化
接合された第1基板21及び第2基板22を、スクライブ・ブレーク等の方法を用いて、切断線A1−1〜A1−6、A3−1〜A3−7、B−1〜B−5に沿ってそれぞれ切断する。切断線A1−1〜A1−6は、それぞれダム材23の外側においてx方向に延び、OLED表示装置20の互いにy方向に対向する縁部をそれぞれ形成するための切断線である。切断線A3−1〜A3−7は、それぞれダム材23の内側においてy方向に延び、OLED表示装置20の互いにx方向に対向する縁部をそれぞれ形成するための切断線である。切断線B−1〜B−5は、それぞれ第1基板21に形成された端子部21aを第2基板22から露出させるように、第2基板22を切断する切断線である。
【0057】
図4(a)及び(b)に示す切断線A1−1〜A1−6、A3−1〜A3−7、B−1〜B−5に沿って、接合された第1基板21及び第2基板22をそれぞれ切断することにより、図3(a)及び(b)に示すOLED表示装置20が複数取得される。
【0058】
このように、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20は、図4(a)に示すように、互いにx方向に対向する縁部においては、表示領域25の外縁に沿ってダム材23が形成されない構成となる。従って、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20によれば、ダム材23は、端子部21aと表示領域25との境界部分及び端子部21aと対向する側の縁部においてのみ形成されることとなり、ダム材23の形成領域を表示領域25を囲む額縁状に確保する必要がないため、OLED表示装置20の狭額縁化を実現できる。
【0059】
また、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20及びその製造方法によると、図4(a)に示すように、一つのOLED表示装置20を構成する領域をy方向に連続して形成し、切断工程において破棄される余白領域を減らすことにより、面付け効率を上げ、製造原価を低減させることができる。
【0060】
以上のとおり、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20及びその製造方法によれば、ダム材23の形成領域を、表示領域25を囲む額縁状に確保する必要が無くなるため、狭額縁化を実現することが容易に可能となる。また、ダム材23の塗布工程においては、x方向に隣接する複数の表示領域25を囲む形状にダム材23を描画することにより、表示領域55ごとに額縁状にダム材53を描画する場合と比較して、ダム材23全体の描画長を短くすることができ、これにより、工程時間を短縮し、原料費を低減することが可能となる。従って、本発明の第2の実施形態に係るOLED表示装置20及びその製造方法によれば、狭額縁なOLED表示装置20を製造原価を低減して安価に提供することができる。
【0061】
以下、第2の実施形態の変形例として、本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置30及びその製造方法について述べる。
【0062】
(第3の実施形態)
<OLED表示装置の構造>
図5は、本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置30の概略構成を示す図であり、(a)は、OLED表示装置30の平面透視図であり、(b)は、(a)に示すOLED表示装置30の断面図である。
【0063】
図5(a)及び(b)に示すように、本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置30は、画像を表示する表示領域35を含む第1基板31と、第1基板31と対向して配置される第2基板32と、第1基板31と第2基板32との間において、表示領域35の外縁の一部に沿って外縁の外側に配置されるダム材33と、第1基板31及び第2基板32とダム材33との間の空間に充填される充填材34と、を含む。
【0064】
本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置30は、個片化の工程以外、図4に図示して上述した第2の実施形態に係るOLED表示装置20と同様の製造工程により形成される。従って、以下、第2の実施形態に係るOLED表示装置20と同様の構成については、詳細な説明について省略することとする。
【0065】
図5(a)に示すように、第3の実施形態に係るOLED表示装置30は、第2の実施形態に係るOLED表示装置20と同様に、ダム材33、33iが、端子部31aと表示領域35との境界部分及び端子部31aと対向する側の縁部において、それぞれ表示領域35の外縁に沿って形成される。しかし、第3の実施形態に係るOLED表示装置30は、第2の実施形態に係るOLED表示装置20とは異なり、OLED表示装置30の個片化工程において、端子部31aと対向する側の縁部に形成されたダム材33iの直上をダム材33iの長手方向(図4(a)に示すx方向)に沿って切断するため、第2の実施形態に係るOLED表示装置20と比較して、端子部31aと対向する側の表示に寄与しないダム材33iを含む縁部の幅をより狭く形成することが可能となる。従って、本発明の第3の実施形態に係るOLED表示装置30及びその製造方法によれば、第2の実施形態に係るOLED表示装置30及びその製造方法と比較して、より狭額縁なOLED表示装置30を提供できる。
【0066】
以上のとおり、本発明の第1乃至第3の実施形態に係るOLED表示装置10、20、30及びその製造方法によれば、簡易な製造工程により製造原価を低減して製造することができ、狭額縁化を実現可能なOLED表示装置10、20、30を提供できる。
【符号の説明】
【0067】
1 有機EL発光層
2 基板
3 封止膜
4、13、23、33、53 ダム材
5、14、24、34、54 充填材
7、11、21、31、51 第1基板
6、12、22、32、52 第2基板
11a、21a、31a、51a 端子部
15、25、35、55 表示領域
10、20、30、50 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13