【実施例】
【0111】
本発明の具体例を以下に示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0112】
合成例1:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド(化合物1)の合成
(1)2−アミノピリジン25g(270mmol)を無水ジクロロメタン200mlに溶解し、トリエチルアミン41ml(30g,300mmol)を加えて0℃に冷却した。ここに無水トリフルオロ酢酸38ml(57g,270mmol)を15分間かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応液を約100mlの氷水に注ぎ込み、10分間攪拌した。分液ロートに移して分液を行い、有機層を150mlの水で2回、150mlの1%HCL水溶液で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド36g(収率71%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):7.20(1H,m),7.83(1H,m),8.20(1H,d),8.35(1H,d),10.07(1H,brs)
13C-NMR(CDCl3,δ,ppm):115.3,115.5(q),121.6,139.1,147.9,149.5,155.3(q)
MS:m/z=191(M+H)。
【0113】
(2)2−クロロ−5−クロロメチルピリジン20g(126mmol)を無水アセトニトリル200mlに溶解し、前述の方法で得られた2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド24g(126mmol)、炭酸カリウム21g(151mmol)を加えて、6時間加熱還流したのち、室温で10時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えて結晶化し、得られた結晶をろ取し、ジエチルエーテルと水でよく洗浄した。得られた結晶を60℃で1時間減圧乾燥し、目的物を得た。収量26g(収率66%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.57(2H,s),6.92(1H,td),7.31(1H,d),7.80(1H,td),7.87(1H,dd),7.99(1H,dd),8.48(2H,m)
13C-NMR(CDCl3,δ,ppm):53.8,115.5,117.2(q),122.1,124.7,130.0,139.2,140.0,142.5,149.7,151.8,158.9,163.5(q)
MS:m/z=316(M+H)。
【0114】
(3)粉末X線結晶解析
粉末X線回折においては、以下の条件で測定した。
装置名:RINT−2200(株式会社リガク)
X線:Cu−Kα(40kV、20mA)
走査範囲:4〜40° サンプリング幅:0.02° 走査速度:1°/分
結果は、以下の通りである(
図1)。
回折角(2θ)8.7°、14.2°、17.5°、18.3°、19.8°、22.4°、30.9°、35.3°。
【0115】
(4)示差走査熱量分析(DSC)
示差走査熱量分析においては、以下の条件で測定した。
装置名:DSC−60
試料セル:アルミニウム
温度範囲:50℃〜250℃(昇温:10℃/分)
結果を、
図2に示した。
【0116】
(5)また、以下の(i)から(iv)に記載の方法(第二〜五の製法)で再結晶することによって同等の結晶を得た。これら結晶に対し、上記と同様の測定条件で、粉末X線結晶解析および示差走査熱量分析を行った。
【0117】
(i)第二の製法
化合物1(700mg)にヘキサン約25ml、酢酸エチル約25mlを加えて、湯浴で65℃に加熱して完全に溶解させた。これをゆっくり室温に戻して一晩放置した。析出した結晶をろ集し、少量のヘキサン:酢酸エチル=95:5の溶液で結晶を洗浄した。これをデシケーターに入れて2時間減圧下で乾燥させて、白色結晶349mgを得た。
【0118】
粉末X線結晶解析結果は、以下の通りである(
図3)。
回折角(2θ)8.5°、14.0°、17.3°、18.1°、19.6°、22.2°、30.8°、35.2°
示差走査熱量分析の結果は、
図4に示した。
【0119】
(ii)第三の製法
化合物1(1.0g)に2−プロパノール28 mlを加え、湯浴で65℃に加熱して完全に溶解させた。これをゆっくり室温に戻して一晩放置した。析出した結晶をろ集し、少量の2−プロパノールで洗浄後、デシケーターに入れて2時間減圧下で乾燥させて、白色結晶695mgを得た。
【0120】
示差走査熱量分析の結果は、
図5に示した。
【0121】
(iii)第四の製法
化合物1(700mg)にトルエン約30mlを加え、湯浴で65℃に加熱して完全に溶解させた。これをゆっくり室温に戻して一晩放置した。析出した結晶をろ集し、少量のトルエンで洗浄後、デジケーターに入れて2時間減圧下で乾燥させて、白色結晶440 mgを得た。
【0122】
粉末X線結晶解析結果は、以下の通りである(
図6)。
回折角(2θ)8.6°、14.2°、17.5°、18.3°、19.7°、22.3°、30.9°、35.3°
示差走査熱量分析の結果は、
図7に示した。
【0123】
(iv)第五の製法
化合物1(50mg)にメタノール約2ml、水約2mlを加え、湯浴で65℃に加熱して溶解させた。これを室温に戻して一晩放置した。析出した結晶をろ集して白色結晶16mgを得た。
【0124】
示差走査熱量分析の結果は、
図8に示した。
表1に合成例1の方法に準じて製造された式(I)で示される有害生物防除剤の具体的な化合物例とその物性値を示す。
【0125】
【表1】
【0126】
合成例2:2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミドの合成
2−アミノピリジン1.0g(10.6mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、トリエチルアミン1.78ml(12.7mmol)を加えて、氷冷下、無水トリフルオロ酢酸1.62ml(11.7mmol)を添加した。その後室温で2時間攪拌後、酢酸エチル10mlと水10mlを加えて攪拌後分液した。酢酸エチル層をさらに水10mlで二回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド 1.56g(77.2%)を得た。
【0127】
合成例3:2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミドの合成
2−アミノピリジン4.7g(50mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル35.5g(250mmol)を添加した。その後55〜60℃で15時間攪拌後、酢酸エチル100mlと水100mlを加えて攪拌後分液した。酢酸エチル層をさらに水100mlおよび食塩水100mLで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド 9.05g(95.6%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):
7.20(1H,ddd),7.83(1H,td),8.20(1H,d),8.35(1H,d),10.07(1H,brs)。
【0128】
合成例4:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 50.0g(0.53mol)をトルエン400mlに溶解後、5℃に冷却下、トリフルオロ酢酸無水物 88.6ml(0.64mol)を30分で滴下した。滴下後室温で30分攪拌し、減圧下トルエンを20ml蒸留した。反応液に、ジメチルホルムアミド250mlを加え、氷冷下、粉末炭酸カリウム88.2(0.64mol)gを徐々に加えた。その後、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン89.2g(0.557mol)を加え、減圧(50-60hPa)下、40-45℃でトルエンを徐々に蒸留し、1時間加熱した。60-70℃、35hPaでさらに2.5時間加熱蒸留後、粉末炭酸カリウムを5.0g(0.036mol)加え、50-60℃、35hPaでさらに1時間水を除いた。反応液を、50℃の水2Lに添加し、添加終了後、30分攪拌した。その後、ろ過し、水200ml、続いて、水500mlでスラリー洗浄した。ろ過後、トルエン100mlで押し洗いをし、さらにトルエン400mlでスラリー洗浄した。得られた結晶を、60℃、一晩真空ポンプで減圧下乾燥し、目的とするN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド 147.78g(88.1%)を得た。得られた表題化合物8.21gを取り、アセトン100mLに溶解し、これに水300mLを加えた。室温で撹拌して析出した結晶をろ取し、得られた結晶を60℃、一晩真空ポンプで減圧下乾燥し、7.28gを得た。得られた結晶の粉末X線結晶解析結果は、以下の通りである(
図9)。
回折角(2θ)8.8°、14.3°、17.6°、18.3°、19.9°、22.5°、31.0°、35.4°
合成例5:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 50.0g(0.53mol)をトルエン250mlに溶解後、5℃に冷却下、トリフルオロ酢酸無水物 88.6ml(0.64mol)を30分で滴下した。滴下後室温で30分攪拌し、減圧下トルエンを20ml蒸留した。反応液に、ジメチルホルムアミド250mlを加え、氷冷下、粉末炭酸カリウム88.2g(0.64mol)を徐々に加えた。その後、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン87.0g(0.54mol)を加え、減圧(50-60hPa)下、50-60℃でトルエンを徐々に蒸留し、さらに35hPaで加熱した。1時間後、粉末炭酸カリウムを5.0g(0.036mol)加え、50-60℃、35hPaで水を除いた。4時間後、反応液を、50℃の水1.1Lに添加し、反応容器をメタノール150mlで洗浄し追加添加した。添加終了後、50℃で10分加熱し、徐々に冷却し、15-20℃で30分攪拌後、ろ過し、水150ml、続いて、トルエン150mlで洗浄した。得られた結晶を、60℃、11時間真空ポンプで減圧下乾燥し、目的とするN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド 147.32g(87.8%)を得た。
【0129】
合成例6: N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 1.0g(10.6mmol)をトルエン10mlに溶解し、5℃に冷却後、トリフルオロ酢酸1.18ml(15.9mmol)、そして、オキシ塩化リン0.99ml(10.6mmol)を加え、室温下6.5時間攪拌した。反応液にジメチルホルムアミド5.0mlと粉末炭酸カリウム5.87g(42.5mmol)および2-クロロ-5-クロロメチルピリジン1.72g(10.6mmol)を加えて、減圧下(60-35hPa)、50-60℃で蒸留した。2.5時間後、反応液を100mlの水に添加し、結晶をろ過し、水30mlとトルエン15mlで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃乾燥して、目的とする化合物N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドを2.09g(62.3%)得た。
【0130】
合成例7:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 10.0g(0.106mol)をトルエン100mlに溶解し、5℃に冷却後、トリフルオロ酢酸11.8ml(0.159mol)、そして、オキシ塩化燐9.9ml(0.106mol)を加え、室温下一晩攪拌し、減圧下、トルエンを20ml溜去した。反応液に氷冷下、ジメチルホルムアミド50mlと粉末炭酸カリウム35.28g(0.256mol)、および、2-クロロ-5-クロロメチルピリジン17.22g(0.106mol)を加えて、減圧下(60-35hPa)、50-60℃で蒸留した。2時間後、さらに、ジメチルホルムアミド25ml、トルエン20mlと粉末炭酸カリウム7.35g(0.053mol)を加えて、減圧下(60-35hPa)、50-60℃で2時間蒸留した。反応液にメタノール60mlと水50mlを加え、容器共に洗浄しながら反応液を、300mlの水に添加し、30分後、結晶をろ過し、水70mlとトルエン40mlで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃乾燥して、目的とする化合物を25.75g(76.9%)得た。
【0131】
合成例8:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 10.0g(0.106mol)をトルエン100mlに溶解し、5℃に冷却後、トリフルオロ酢酸11.8ml(0.159mol)、そして、チオニルクロライド7.7ml(0.106mol)を加え、室温下一晩攪拌し、減圧下、トルエンを20ml溜去した。反応液に氷冷下、ジメチルホルムアミド50ml、粉末炭酸カリウム35.28g(0.256mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン17.22g(0.106mol)を加えて、減圧下(36hPa)、50-60℃、一時間で蒸留した。反応液にメタノール60mlと水50mlを加え、容器共に洗浄しながら反応液を、300mlの水に添加し、30分後、結晶をろ過し、水70mlとトルエン40mlで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を22.31g(66.6%)得た。
【0132】
合成例9:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 5.0g(0.053mol)をトルエン50mlに溶解後、5℃に冷却下、トリフルオロ酢酸無水物 8.86ml(0.064mol)を10分で滴下した。滴下後室温で30分攪拌し、減圧下トルエンを10ml蒸留した。反応液に、ジメチルホルムアミド25mlを加え、氷冷下、粉末炭酸カリウム8.82gを徐々に加えた。その後、2−クロロ−5−メタンスルホニルオキシメチルピリジン11.78g(0.053mol)を加え、減圧(50-60hPa)下、50-60℃でトルエンを徐々に蒸留し、さらに35hPaで加熱した。30分後、ジメチルホルムアミド30ml、トルエン30mlと2−クロロ−5−メタンスルホニルオキシメチルピリジン1.18g(0.0053mol)を加え、50-60℃、55hPaで減圧蒸留した。4時間後、反応液を、水250mlに添加し、反応容器をメタノール30mlと水20mlで洗浄し追加添加した。添加終了後、室温で30分攪拌した後、ろ過し、水50ml、続いて、トルエン40mlで洗浄した。得られた結晶を、80℃、11時間真空ポンプで減圧下乾燥し、目的とするN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド11.63g(69.4%)を得た。
【0133】
合成例10:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 10.0g(0.106mol)をトルエン100mlに溶解し、5℃に冷却後、トリフルオロ酢酸11.84ml(0.159mol)、そして、オキシ塩化リン5.94ml(0.064mol)を加え、室温下一晩攪拌し、減圧下、トルエンを20ml溜去した。反応液に氷冷下、ジメチルホルムアミド50mlと粉末炭酸カリウム22.03g(0.16mol) 、および、2-クロロ-5-クロロメチルピリジン17.56g(0.108mol)を加えて、減圧下(60-35hPa)、50-60℃で蒸留した。1時間後、さらに、ジメチルホルムアミド20ml、トルエン20mlと粉末炭酸カリウム4.41g(0.032mol)を加えて、減圧下(60-35hPa)、50-60℃で1.5時間蒸留した。50℃の水250mlに、反応液にメタノール30mlを加えたものを添加し、そして水50mlを加え、容器も洗浄しながら添加し、室温に冷却後30分攪拌し、結晶をろ過し、水50mlとトルエン30mlで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃乾燥して、目的とする化合物を23.69g(70.6%)得た。
【0134】
合成例11:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 10.0g(0.106mol)をトルエン100mlに溶解し、5℃に冷却後、トリフルオロ酢酸11.8ml(0.159mol)、そして、チオニルクロライド7.76ml(0.106mol)を分割して加え、室温下一晩攪拌し、減圧下、トルエンを50ml溜去した。反応液にトルエン50mlを加え、氷冷下、ジメチルホルムアミド50ml、粉末炭酸カリウム22.03g(0.16mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン17.56g(0.108mol)を加えて、減圧下(90-36hPa)、60℃で、1.5時間で蒸留した。反応液にメタノール30mlと水20mlを加え、容器共に洗浄しながら反応液を、50℃の300mlの水に添加し、室温で30分攪拌後、結晶をろ過し、水50mlとトルエン30mlで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を21.45g(64.1%)得た。
【0135】
合成例12: N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 94g(1mol)をジメチルホルムアミド500mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル284g(2mol)を加えて、55-60℃で24時間撹拌した。反応液に粉末炭酸カリウム82.8g(0.6mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン153.9g(0.95mol)及びトルエン300mLを加えて、減圧下(36hPa)、50-60℃、3時間撹拌した。反応液にメタノール200mLを添加した後、50℃の温水2Lに反応液を添加し、室温まで放冷した後、3時間撹拌した。結晶をろ過し、水400mL及びトルエン450mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を228.9g(収率72.7%)得た。
【0136】
合成例13:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド30mL及びトルエン20mLの混合溶媒に溶解し、トリフルオロ酢酸エチル28.4g(0.2mol)を加えて、60-65℃で8時間撹拌した。反応液に粉末炭酸カリウム16.6g(0.12mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)を加えて、60-65℃で15時間撹拌した。反応液にメタノール15mLを添加した後、50℃の温水120mLに反応液を添加し、室温まで放冷した後、2時間撹拌した。結晶をろ過し、水50mL及びトルエン100mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を25.6g(収率81.2%)得た。
【0137】
合成例14:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
トリフルオロ酢酸13.68g(0.12mol)にジメチルホルムアミド1.5mLを添加し、65℃に加温しながらチオニルクロライド14.28g(0.12mol)を加えた。ここから発生するトリフルオロ酢酸クロライドを2-アミノピリジン9.4g(0.1mol)をN-メチルピロリジノン50mLに溶解して−10℃に冷却した溶液にバブリングし、1時間撹拌した。この反応液にトルエン100mLと粉末炭酸カリウム48.3g(0.35mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.52g(0.102mol)を加えて、減圧下(36hPa)、50-60℃、3時間で蒸留した。反応液にメタノール20mLを加え、容器共に洗浄しながら、50℃に加温した300mLの水に添加した。室温で1.5時間撹拌した後、結晶をろ過し、水100mL及びトルエン150mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を16.8g(収率53.3%)得た。
【0138】
合成例15:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
トリフルオロ酢酸18.24g(0.16mol)にジメチルホルムアミド8.76g(0.12mol)を添加し、65℃に加温しながらオキシ塩化リン12.26g(0.08mol)を加えた。ここから発生するトリフルオロ酢酸クロライドを2-アミノピリジン9.4g(0.1mol)をN-メチルピロリジノン80mLに溶解して−15℃に冷却した溶液にバブリングし、2時間撹拌した。−10℃に冷却しながら、この反応液に粉末ナトリウムエトキシド14.9g(0.22mol)を加えて、中和した。この反応液に粉末炭酸カリウム13.8g(0.1mol)、及び2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)を加えて、減圧下(36hPa)、50-60℃、2時間で蒸留した。反応液にメタノール20mLを加え、容器共に洗浄しながら、50℃に加温した400mLの水に添加した。室温で30分撹拌した後、結晶をろ過し、水100mL及びトルエン50mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を22.5g(収率71.4%)得た。
【0139】
合成例16:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2−クロロ−5−クロロメチルピリジン3.00g(18.6mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、2−アミノピリジン1.75g(18.6mmol)を加えて80℃で8時間、室温で5時間攪拌した。反応終了後、ジメチルホルムアミドを減圧留去し、アセトニトリルを加えたところ固体が析出したので、ろ集し、アセトニトリルでよく洗浄後乾燥して1−〔(6−クロロピリジン−3−イル)メチル〕ピリジン−2(1H)−イミン塩酸塩2.07g(収率44%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ,ppm):5.65(2H,s),6.96(1H,t),7.23(1H,m),7.57(1H,d),7.80(1H,m),7.91(1H,m),8.28(1H,m),8.49(1H,d)。
【0140】
前述の方法で得られた1−〔(6−クロロピリジン−3−イル)メチル〕ピリジン−2(1H)−イミン塩酸塩50mg(0.20mmol)を無水ジクロロメタン5mlに懸濁し、氷冷下でジメチルアミノピリジン 122mg(1.00mmol)、無水トリフルオロ酢酸50mg(0.24mmol)の順に加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで薄め、1%塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去することで目的物を得た。収量42mg(収率67%)。
【0141】
合成例17:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
合成例16の方法に従って合成した後、中和して得た1-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)ピリジン-2(1H)-イミン4.6g(0.02mol)をN,N-ジメチルホルムアミド15mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル5.7g(0.04mol)を加えた。56℃で終夜撹拌した後、水60mLを加えて析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を5.85g(収率92.8%)得た。
【0142】
合成例18: N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
合成例16の方法に従って合成した後、中和して得た1-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)ピリジン-2(1H)-イミン2.2g(0.01mol)をN,N-ジメチルホルムアミド6mLに溶解し、氷冷下、炭酸カリウム828mg(0.006mol)及び無水トリフルオロ酢酸2.52g(0.012mol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、水30mLを加えて析出した結晶をろ取した。得られた結晶を水20mLで洗浄した後、減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を2.38g(収率75.6%)得た。
【0143】
合成例19:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
トリフルオロ酢酸4.56g(0.04mol)にN,N-ジメチルホルムアミド3mLを添加し、60℃に加温しながらオキシ塩化リン3.12g(0.02mol)を加えた。ここから発生するトリフルオロ酢酸クロライドを、合成例16の方法に従って合成した後、中和して得た1-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)ピリジン-2(1H)-イミン4.38g(0.02mol)をN-メチル-2-ピロリジノン25mLに溶解した溶液にバブリングし、−10℃で45分間反応させた。水125mLを加えて析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を2.58g(収率40.9%)得た。
【0144】
合成例20:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
合成例16の方法に従って合成した後、中和して得た1-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)ピリジン-2(1H)-イミン4.38g(0.02mol)をN,N-ジメチルホルムアミド3mLに溶解し、トリフルオロ酢酸2.7g(0.024mol)および五酸化リン2.8g(0.02mol)を加えた。120℃で3時間撹拌した後、室温に戻し、水50mLを加えて析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を2.12g(収率33.7%)得た。
【0145】
合成例21: N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド50mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル28.8g(0.2mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)、および炭酸カリウム13.8g(0.1mol)を加えて、55-60℃で20時間撹拌した。反応液に更に粉末炭酸カリウム1.38g(0.1mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン3.24(0.02mol)、およびトリフルオロ酢酸エチル5.68g(0.04mol)を加えて、55-60℃で6時間撹拌した。反応液にメタノール40mLを添加した後、50℃の温水300mLに反応液を添加し、室温まで放冷した後、1時間撹拌した。結晶をろ過し、水100mL及びトルエン75mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を24.0g(収率76%)得た。
【0146】
合成例22:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド30mLおよびトルエン20mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル28.8g(0.2mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)、および炭酸カリウム16.6g(0.12mol)を加えて、60-65℃で18時間撹拌した。反応液にメタノール15mLを添加した後、50℃の温水120mLに反応液を添加し、室温まで放冷した後、1時間撹拌した。結晶をろ過し、水50mL及びトルエン100mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を23.9g(収率75.9%)得た。
【0147】
合成例23:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 4.7g(0.05mol)をN,N−ジメチルホルムアミド25mLとトルエン10mLの混合溶媒に溶解し、トリフルオロ酢酸エチル35.5g(0.25mol)と2−クロロ−5−クロロメチルピリジン9.72g(0.06mol)、および粉末炭酸カリウム8.28g(0.06mol)を加えて、65℃で18時間撹拌した。反応液にメタノール10mLを添加した後、50℃の温水150mLに反応液を添加し、室温まで放冷した後、1時間撹拌した。結晶をろ過し、水50mL及びトルエン50mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下45℃で乾燥して、目的とする化合物を13.78g(収率87.5%)得た。
【0148】
合成例24:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2−アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド30mLおよびトルエン20mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル14.2g(0.1mol)を加えて60-65℃で7時間撹拌した。続いて、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)、および炭酸カリウム16.6g(0.12mol)を加えて、60-65℃で18時間撹拌した。反応液にメタノール15mLを添加した後、50℃の温水150mLに反応液を添加し、室温まで放冷した。結晶をろ過し、水50mL及びトルエン75mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を20.6g(収率65.4%)得た。
【0149】
合成例25:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド30mLおよびトルエン20mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル7.1g(0.05mol)を加えて60-65℃で7.5時間撹拌した。減圧濃縮(90hPa、40℃)した後、氷冷し、トルエン20mL及び無水トリフルオロ酢酸10.5g(0.05mol)を加え、室温で1時間撹拌した。続いて、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)、ジメチルホルムアミド20mL、および炭酸カリウム16.6g(0.12mol)を加えて、110hPaの減圧下、60-65℃で4時間撹拌した。減圧濃縮(90hPa、50℃)した後、反応液にメタノール25mLを添加し、これを50℃の温水250mLに加えて、室温まで放冷しながら撹拌した。結晶をろ過し、水90mL及びトルエン90mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を19.8g(収率62.9%)得た。
【0150】
合成例26:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 9.4g(0.1mol)をジメチルホルムアミド30mLおよびトルエン20mLに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル21.3g(0.15mol)を加えて60-65℃で7.5時間撹拌した。減圧濃縮(90hPa、40℃)した後、氷冷し、トルエン20mL及び無水トリフルオロ酢酸10.5g(0.05mol)を加え、室温で1時間撹拌した。続いて、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン16.2g(0.1mol)、ジメチルホルムアミド20mL、および炭酸カリウム16.6g(0.12mol)を加えて、110hPaの減圧下、60-65℃で4時間撹拌した。減圧濃縮(90hPa、50℃)した後、反応液にメタノール25mLを添加し、これを50℃の温水250mLに加えて、室温まで放冷しながら撹拌した。結晶をろ過し、水90mL及びトルエン90mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を22.68g(収率72.0%)得た。
【0151】
合成例27:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドの合成
2-アミノピリジン 2.35g(0.025mol)をキシレン40mLに懸濁し、トリフルオロ酢酸2.85g(0.025mol)および塩化第二鉄6水和物135mgを加え、Dean-stark還流装置を付けて生成する水を除きながら150℃で16時間撹拌した。60℃まで冷却後、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン4.05g(0.025mol)、ジメチルホルムアミド16mL、および炭酸カリウム2.42g(0.0175mol)を加えて、60-110hPaの減圧下、60-65℃で3時間撹拌した。反応液にメタノール10mLを添加し、これを50℃の温水80mLに加えて、室温まで放冷しながら撹拌した。結晶をろ過し、水20mL及びトルエン20mLで洗浄した。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥して、目的とする化合物を 6.32g(収率80.3%)得た。
【0152】
合成例28:N−〔1−((6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド(化合物2)の合成
2−クロロ−3−フルオロ−5−メチルピリジン4.00g(27.6 mmol)を四塩化炭素80 mlに溶かし、N−ブロモスクシンイミド7.37g(41.4 mmol)、過酸化ベンゾイル20mgを加えて一晩加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製して5−(ブロモメチル)−2−クロロ−3−フルオロピリジン3.06g(収率51%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):4.45(2H,s),7.54(1H,dd),8.23(1H,s)。
【0153】
上記の方法で得た5−(ブロモメチル)−2−クロロ−3−フルオロピリジン50 mg(0.22 mmol)を無水アセトニトリル5 mlに溶かし、前述の方法で得られた2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド42 mg(0.22 mmol)、炭酸カリウム36 mg(0.26 mmol)の順に加えて7時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えたところ固体が析出したので、ろ取し、ジエチルエーテルで洗浄後デシケーターで減圧乾燥して目的物を得た。収量29 mg(収率40%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.54(2H,s),6.89(1H,td),7.76(1H,dd),7.80(1H,td),7.85(1H,d),8.29(1H,d),8.57(1H,d)
MS:m/z=334(M+H)。
【0154】
合成例29:N−〔1−((6−ブロモピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド(化合物3)の合成
2−ブロモ−5−メチルピリジン500 mg(2.92 mmol)を四塩化炭素15 mlに溶解し、N−ブロモスクシンイミド623 mg(3.50 mmol)、過酸化ベンゾイル10 mgを加えて19時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン;酢酸エチル=19:1)で精製して2−ブロモ−5−ブロモメチルピリジン143 mg(収率20%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):4.42(2H,s),7.47(1H,d),7.59(1H,dd),8.38(1H,d)。
【0155】
上記の方法で得た2−ブロモ−5−ブロモメチルピリジン70mg(0.28mmol)を無水アセトニトリル10mlに溶かし、前述の方法で合成した2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド54mg(0.28mmol)、炭酸カリウム46mg(0.34mmol)の順に加えて、6時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えたところ固体が析出したので、ろ取し、ジエチルエーテルで洗浄後デシケーターで減圧乾燥して目的物を得た。収量81mg(収率82%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.52(2H,s),6.88(1H,t),7.48(1H,d),7.78(2H,m),7.84(1H,d),8.44(1H,d),8.53(1H,d)
MS:m/z=360(M+H)。
【0156】
合成例30:2−クロロ−N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド(化合物4)の合成
2−アミノピリジン200mg(2.13 mmol)をジクロロメタン5mlに溶解し、EDC-HCl491mg(2.55mmol)、ジメチルアミノピリジン 311 mg(2.55mmol)、クロロジフルオロ酢酸187μl(2.23mmol、290mg)の順に加えて一晩攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで薄め、水、1%塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して2−クロロ−2,2−ジフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド105mg(収率24%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):7.19(1H,dd),7.82(1H,m),8.18(1H,d),8.36(1H,d),9.35(1H,brs)。
【0157】
前述の方法で合成した2−クロロ−2,2−ジフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド68mg(0.33mmol)に、無水アセトニトリル6mlに溶解した2−クロロ−5−クロロメチルピリジン53mg(0.33mmol)を加え、続いて炭酸カリウム50mg(0.36mmol)を加えて1時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻してから減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えたところ固体が析出したので、ろ取し、乾燥することで目的物を得た。収量49mg(収率45%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.56(2H,s),6.92(1H,t),7.33(1H,d),7.82(1H,m),7.91(1H,dd),8.02(1H,d),8.45(1H,d),8.48(1H,d)
13C-NMR(CDCl3,δ,ppm):53.8,115.2,120.1(t),122.1,124.8,139.0,140.0,142.3,150.0,151.9,159.1,159.1,165.8(t)
MS:m/z=332(M+H)。
【0158】
合成例31:2,2,2−トリクロロ−N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕アセタミド(化合物5)の合成
合成例16の方法で得られた1−〔(6−クロロピリジン−3−イル)メチル〕ピリジン−2(1H)−イミン塩酸塩70mg(0.27mmol)を無水ジクロロメタン4mlに懸濁し、トリエチルアミン94μl(0.68mmol、68mg)、トリクロロアセチルクロリド33μg(0.27mmol、49mg)の順に加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後、水を加えて反応停止し、ジクロロメタンと水で分液した。有機層を水で1回、1%塩酸で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えたところ、固体が析出したので、ろ取、乾燥して目的物を得た。収量61mg(収率62%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.59(2H,s),6.86(1H,t),7.32(1H,d),7.78(1H,td),7.91(2H,m),8.43(1H,d),8.50(1H,d)
MS:m/z=364(M+H)。
【0159】
合成例32:N−[1−((2−クロロピリミジン−5−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン]―2,2,2−トリフルオロアセタミド(化合物6)の合成
2−クロロ−5−メチルピリミジン1.04g(8.13mmol)を四塩化炭素30mlに溶かし、N−ブロモスクシンイミド1.73g(9.75mmol)、過酸化ベンゾイル20mgを加えて、6時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して5−ブロモメチル−2−クロロピリミジン641mg(収率38%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):4.42(2H,s),8.66(2H,s)。
【0160】
上記の方法で得た5−ブロモメチル−2−クロロピリミジン104 mg(0.50mmol)を無水アセトニトリル6mlに溶解し、前述の方法で得られた2,2,2−トリフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド96 mg(0.50 mmol)、炭酸カリウム76mg(0.55mmol)を加えて1時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して不溶物をろ過して取り除き、ろ液を減圧濃縮した。これにジエチルエーテルを加えたところ固体が析出したので、ろ取し、ジエチルエーテルで洗浄後デシケーターに入れて減圧乾燥して目的物を得た。収量92mg(収率58%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.54(2H,s),6.98(1H,m),7.87(1H,m),8.18(1H,m),8.48(1H,m),8.83(2H,m)
13C-NMR(CDCl3,δ,ppm):60.0,115.6,117.1(q),122.1,127.5,139.2,142.9,158.8,160.3(2C),161.4,163.8(q)
MS:m/z=317(M+H)。
【0161】
合成例33:N−[1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン]−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパナミド(化合物7)の合成
2−アミノピリジン300mg(3.19mmol)を無水ジクロロメタン15mlに溶解し、EDC-HCl919mg(4.78mmol)、DMAP583mg(4.78mmol)、ペンタフルオロプロピオン酸397μl(628mg、3.83mmol)の順に加えて室温で一晩攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで薄め、水で1回、1%塩酸で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)プロパナミド85mg(収率11%)を得た。
【0162】
上記の方法で得た2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)プロパナミド77mg(0.32mmol)に、無水アセトニトリル8mlに溶解した2−クロロ−5−クロロメチルピリジン52mg(0.32mmol)、炭酸カリウム49mg(0.35mmol)を加え、11時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻して不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製して目的物を得た。収量12mg(収率10%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.56(2H,s),6.90(1H,td),7.32(1H,d),7.79(2H,m),7.84(1H,d),8.43(1H,d),8.56(1H,d)
MS:m/z=366(M+H)。
【0163】
合成例34:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド(化合物8)の合成
2−アミノピリジン400mg(4.26mmol)を無水ジクロロメタン10mlに溶解し、ジフルオロ酢酸322μl(490mg、5.11mmol)、EDC-HCl982 mg(5.10mmol)、DMAP622mg(5.11mmol)を加えて、室温で61時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで薄め、水で1回、1%HClaq.で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して2,2−ジフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド 102mg(収率14%)を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):6.03(1H,t),7.15(1H,m),7.78(1H,td),8.20(1H,d),8.34(1H,dd),8.72(1H,brs)。
【0164】
前述の方法で得られた2,2−ジフルオロ−N−(ピリジン−2(1H)−イリデン)アセタミド100mg(0.58mmol)を無水アセトニトリル10mlに溶解し、2−クロロ−5−クロロメチルピリジン94mg(0.58mmol)を無水アセトニトリル5mlに溶解して加え、続いて炭酸カリウム84mg(0.63mmol)を加えて140分加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に戻し、不溶物をろ過して取り除いて減圧濃縮した。これにエーテルを加えると固体が析出したので、ろ取し、よく乾燥して目的物を得た。収量63mg(収率37%)。
1H-NMR(CDCl3,δ,ppm):5.52(2H,s),5.90(1H,t),6.79(1H,td),7.33(1H,d),7.71(1H,m),7.77(1H,dd),7.85(1H,dd),8.45(1H,d),8.50(1H,d)
13C-NMR(DMSO-d6,δ,ppm):53.0,111.0(t),115.2,120.7,124.7,131.7,140.6,141.6,143.2,150.4,150.9,158.3,169.4(t)
MS:m/z=298(M+H)。
【0165】
試験例1
コナガ防除試験
ポット栽培のキャベツから直径5.0 cmのリーフディスクを切り抜き、これに50%アセトン水(0.05%Tween20加用)となるように調製した500 ppmの式(I)で表わされる化合物の薬液を散布した。風乾後、これに2令幼虫を放飼した。その後、これを25℃の恒温室(16時間明期-8時間暗期)に放置した。放飼3日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数/(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0166】
試験例2
ワタアブラムシ防除試験
ポット栽培のキュウリから直径2.0 cmのリーフディスクを切り抜き、これに50%アセトン水(0.05%Tween20加用)となるように調製した500 ppmの式(I)で表わされる化合物の薬液を散布した。風乾後、これに1令幼虫を放飼した。その後、これを25℃の恒温室(16時間明期-8時間暗期)に放置した。放飼3日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数/(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0167】
試験例3
ヒメトビウンカ防除試験
播種48時間後のコムギ苗根部を、10%アセトン水となるように調製した100 ppmの式(I)で表わされる化合物の薬液を200 μL処理した。72時間根部より薬剤を吸収させた後、これにヒメトビウンカ2令幼虫を10頭ずつ放飼した。その後、25℃の恒温室(16時間明期-8時間暗期)に放置した。放飼4日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数/(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0168】
試験例1〜3の結果として表2に式(I)で示される有害生物防除剤の具体的な生物活性(死虫率(%))を示す。
【0169】
【表2】
【0170】
<薬剤低感受性害虫に対する効果>
参考例 トビイロウンカ防除試験
ポット栽培のイネ苗に、10%アセトン水となるように調製した所定濃度の本発明化合物の薬液を土壌潅注処理した。処理3日後、これに感受性、もしくは、薬剤低感受性トビイロウンカ2令幼虫を10頭ずつ放飼した。その後、25℃の恒温室(16時間明期-8時間暗期)に放置した。放飼3日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数/(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0171】
なお、試験害虫は、長期間室内において累代飼育された虫(感受性系統)、(I)2007年熊本県内、(II)2005年福岡県内において、それぞれ採集された後、室内において累代飼育された虫(野外採集系統)を使用した。
【0172】
その結果、化合物1はいずれの系統に対しても0.05mg/苗の処理で死虫率100%、0.005mg/苗の処理で死虫率90%以上を示した。また、化合物2は、0.01mg/苗の処理で、死虫率が(感受性系統)72%、(II)70%であり、化合物19は、0.01mg/苗の処理で、死虫率が(感受性系統)100%、(II)93%であった。一方、イミダクロプリドは、0.05mg/苗の処理で死虫率(感受性系統)100%、(I)40%、(II)60%であった。
【0173】
この結果より、化合物1は、イミダクロプリド低感受性のトビイロウンカに対して、高い殺虫活性を有することが示された。
【0174】
参考例 ヒメトビウンカ防除試験
ポット栽培のイネ苗に、10%アセトン水となるように調製した所定濃度の本発明化合物の薬液を土壌潅注処理した。処理3日後、これに感受性、もしくは、薬剤低感受性ヒメトビウンカ2令幼虫を10頭ずつ放飼した。その後、25℃の恒温室(16時間明期-8時間暗期)に放置した。放飼3日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0175】
なお、試験害虫は、長期間室内において累代飼育された虫(感受性系統)、2006年熊本県内において採集された後、室内において累代飼育された虫(野外採集系統)を使用した。
【0176】
その結果、化合物1はいずれの系統に対しても0.01mg/苗の処理で死虫率100%、0.005mg/苗の処理で死虫率90%以上を示した。また、化合物3は、0.01mg/苗の処理で、死虫率が(感受性系統)100%、(野外採集系統)90%であった。一方、イミダクロプリドは、0.01 mg/苗の処理で死虫率(感受性系統)100%、(野外採集系統)50%であった。また、フィプロニルは、0.01mg/苗の処理で死虫率(感受性系統)100%、(野外採集系統)70%であった。
【0177】
この結果より、化合物1、3は、イミダクロプリド、および、フィプロニル低感受性のヒメトビウンカに対して、高い殺虫活性を有することが示された。
【0178】
参考例 化合物1及びイミダクロプリドのイエバエ粗酵素抽出液を用いたin vitro代謝試験
Pest Management
Science(2003),59(3),347-352、およびJournal of Pesticide
Science(2004),29(2),110-116に記載されているように、イミダクロプリドは酸化的な代謝を受け、不活化されることが知られており、抵抗性獲得の機構のひとつとしても考えられている。このような抵抗性を獲得した害虫に対する効果を確認するために以下の実験を行った。
【0179】
イエバエ成虫(0.645 g)に、10mLのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4,1mM EDTA含有)を添加し、ヒスコトロン(日音医理科器械製作所)により十分に磨砕した。その後、10,000g、15分間の条件にて、磨砕物を遠心分離した。得られた上清液を、さらに、100,000g,60分間の条件で遠心分離を行い、沈殿物を得た。この沈殿物を1mLのリン酸カリウム緩衝液に溶解させ、これを粗酵素液として使用した。酵素抽出作業は、全て氷上、もしくは、4℃の条件で行った。
【0180】
1.5 mL容のチューブに以下の割合で試薬を混合し、25℃で40時間反応させた。反応後、アセトン1 mLを加えて撹拌し、生じた沈殿を12000rpmで5分間遠心除去した。上清のアセトンを留去し、LC/MSに注入して分析を行った。
【0181】
上記粗酵素抽出液:300μL
化合物1のDMSO溶液:5μL
グルコース6リン酸溶液:5μL
NADP
+溶液:5μL
グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ溶液:5μL
リン酸カリウム緩衝液(pH7.4, 1 mM
EDTA含有):180μL。
【0182】
<分析条件>
カラム:カプセルパックC18 MG
移動相組成:
0〜3分:85%水、5%アセトニトリル、10%ギ酸水溶液(0.1v/v%)
3〜30分:85→25%水、5→65%アセトニトリル、10%ギ酸水溶液(0.1v/v%)
30.1〜36分:90%アセトニトリル、10%ギ酸水溶液(0.1v/v%)
カラム温度:40℃ 流速:0.35 mL/分 注入量:100 μL
UV波長:化合物1:325nm
:イミダクロプリド:300nm。
【0183】
その結果、代謝物の面積%の合計は、化合物1がO.08であるのに対し、イミダクロプリドは2.55であり、イミダクロプリドと比較して、化合物1の代謝物の量は少なかった。以上の結果により、イミダクロプリドを代謝不活化する抵抗性害虫に対しても、化合物1が有効に防除できることが示された。
【0184】
<動物寄生性害虫に対する防除効果>
参考例 フタトゲチマダニ防除試験
本発明の化合物の200ppm、10ppmのアセトン溶液30μLを、4mL容ガラスバイアルに入れた。これをシェーカーに載せて、回転させながら風乾してバイアル内壁に化合物のドライフィルムを形成させた。24時間以上、バイアルを乾燥させた後、これにフタトゲチマダニ幼ダニ10頭を放飼して、蓋をした。バイアルは、25℃、湿度85%、全暗条件の恒温室に静置した。放飼1日後に生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は、2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数/(生存虫数十死亡虫数)}×100。
【0185】
その結果、200 ppmの処理量において、化合物1、化合物9が死虫率80%以上の殺ダニ効果を示した。
【0186】
10 ppmの処理量において、化合物1、化合物9が死虫率80%以上の高い殺ダニ効果を示した。
【0187】
同様の試験において、イミダクロプリドは10 ppmの処理量において、死虫率4%であった。
【0188】
参考例 マウス体表でのフタトゲチマダニ防除効果
マウス(ICR、雄、5週令)の背面体毛を直径約2cm刈り、そこに高さ約1.5cmに切取った15mLポリスチレンコニカルチューブを、瞬間接着剤を用いて接着した。
【0189】
以下の処方で調製した有害生物防除剤の1000倍希釈液20μLを、接着したチューブ内のマウス体表に滴下した。十分に乾燥させた後、フタトゲチマダニ幼ダニ10頭以上をチューブ内に放飼して蓋をした。放飼3日後にフタトゲチマダニの生死を観察し、次式に従って吸血阻害率を算出した。
処方〔液化滴剤〕
化合物1 48重量%
エタノール 52重量%
上記成分を均一に混合して液化滴剤を得た。
吸血阻害率(%)=100−{吸血ダニ数/(生存ダニ数十死亡ダニ数)}×100。
【0190】
その結果、化合物1は、吸血阻害率91%というフタトゲチマダニ防除効果を示した。