(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の画像読取装置と、この画像読取装置を装置本体に備えた画像形成装置とを図に基づいて説明をする。
【0015】
図1は、本発明の実施形態における画像形成装置100のシート搬送方向に沿った断面概略図である。画像形成装置100は、画像形成装置100の装置本体400と、装置本体400の上部に設けられた画像読取装置300とを備えている。
【0016】
装置本体400内のピックアップローラ420,421は、カセット404,405に収納されたシートPをカセット404,405から送り出す。搬送ローラ対422は、カセットから送り出されたシートを、感光体ドラム402と転写器406との間に送り込む。
【0017】
一方、レーザスキャナ401は、帯電器423で表面を帯電された感光体ドラム402にレーザを照射して、画像読取装置300で原稿を読み取った画像情報に基づいた潜像を感光体ドラム402に形成する。その潜像は、トナー現像器403によって、トナー現像されて、トナー画像となる。転写器406は、感光体ドラム402と転写器406との間に送り込まれたシートに感光体ドラム402のトナー画像を転写して、そのシートを感光体ドラム402とで定着器407に送り込む。定着器407は、シートを加熱してトナー画像をシートに定着する。最後、排出ローラ対408がシートをトレイ424に排出する。
【0018】
シートの両面に画像を形成する場合、定着器407から送り出されたシートは、切替部材409,417,413の案内と、搬送ローラ対411の搬送とによって反転パス412に送り込まれる。その後、シートは、搬送ローラ対411の逆転と切替部材413の案内とによって、反転パス412から帰還パス410に送り込まれる。この間にシートは、スイッチバック搬送されて、表裏反転される。シートは、帰還パス410を案内されて、再度、感光体ドラム402と転写器406との間に送り込まれて他方の面にトナー画像を形成される。シートは、定着器407においてトナー画像を定着されて、最後、トレイ424に排出される。
【0019】
帯電器423、感光体ドラム402、トナー現像器403、及び転写器406等は、画像形成部430を構成している。
【0020】
画像読取装置300は、原稿の画像を読み取る画像読取部1と、この画像読取部1の上部に設けられて画像読取部1に原稿を送り込むシート搬送装置としての自動原稿搬送部2とを備えている。自動原稿搬送部2は、画像読取部1に開閉自在に設けられている。
【0021】
図1において、画像読取部1は、自動原稿搬送部2と対向する部分に、固定読みガラス301と、流し読みガラス101と、掬い上げ部材322等を有している。また、画像読取部1は、内部に、走査部302と、信号処理部503と、走査部302を副走査方向H,Eに移動させるモータ308及びベルト312と、画像読取装置300を制御する制御部510等を有している。
【0022】
図2は、自動原稿搬送部2の主要部分の拡大図であり、原稿の搬送方向に沿った断面図である。
図3は、自動原稿搬送部2の開閉カバー22を
図2の閉めた状態から開いた状態を示した図である。
図4は、自動原稿搬送部2の分離部7の斜視図である。
【0023】
先ず、画像読取装置300による流し読み動作を説明する。
【0024】
図1、
図2、
図3において、自動原稿搬送部2のピックアップローラ4は、ユーザによって、原稿トレイ3に載置された原稿Dを分離して搬送する互いに接触した分離搬送ローラ5及びリタードローラ6を有する分離部7に送り込む。分離部7は、原稿をレジストローラ対8に搬送する。しかし、分離部7には、ピックアップローラ4から重なった複数枚の原稿が搬送されてくることがある。この場合、分離部7は、リタードローラ6によって重なった原稿の搬送を阻止し、分離搬送ローラ5によって最上位の原稿を1枚だけ搬送する。
【0025】
レジストローラ対8は、分離部7から送られてきた原稿の先端を受け止めて、原稿の斜行を補正し、読み取りタイミングに合わせて流し読みガラス101と白色ローラ10との間に搬送する。読取タイミングは、レジストセンサー9が分離部7から送られてきた原稿の先端は検知することによって決まる。読取タイミングが決まると、予め、流し読みガラス101の下に待機している走査部302によって原稿の画像が読み取られる。そして、リードローラ対11,12が、原稿を搬送して、流し読みガラス101の上を通過させ、最後、原稿排出ローラ対13が原稿を排出原稿トレイ14に排出する。ピックアップローラ4から原稿排出ローラ対13までは、原稿案内パス31が形成されており、原稿は、原稿案内パス31の案内によって搬送される。
【0026】
原稿の両面に画像が形成されている場合、原稿排出ローラ対13は、排出原稿トレイ14に原稿を排出しないで、原稿の後端まで搬送すると、逆回転することで原稿を逆送し、切替部材33の案内によって、スイッチバックパス32に原稿を搬送する。これによって、原稿は、スイッチバック搬送される間に裏返しに(反転)させられて、原稿案内パス31を搬送されて、原稿排出ローラ対13まで搬送される。この間に、走査部302が原稿の他方の面の画像を読み取る。
【0027】
原稿は、先のスイッチバック搬送によって裏返しになっているため、そのまま、排出原稿トレイ14に排出されると、原稿の頁順が狂うことになる。このため、原稿は、再度、スイッチバック搬送されてから、排出原稿トレイ14に排出されてもよい。このとき、走査部302は、原稿の画像を読み取らない。
【0028】
以上のように、停止している走査部302の上を、原稿を通過させて、画像を読み取る方法を「流し読み」とする。
【0029】
次に、画像読取装置300による固定読み動作を説明する。
【0030】
ユーザが、自動原稿搬送部2の手前側を持ち上げて、固定読みガラス301の上面を開き、その上面に原稿を載置し、そして、自動原稿搬送部2を元の位置に戻す。この結果、自動原稿搬送部2は、原稿を固定読みガラス301に押し付けて、原稿が固定読みガラス301から浮き上がらないようにする。その後、走査部302が副走査方向Hに移動しながら、原稿の画像を読み取る。原稿の画像読み終わった走査部302は、副走査方向Eを移動して不図示の待機位置に戻る。
【0031】
以上のように、原稿を固定し、走査部302が移動して、原稿を読み取る方法を「固定読み」とする。
【0032】
画像読取装置300は、原稿を流し読み、あるいは固定読みによって読み取った画像情報を信号処理部503で光情報を電気信号に変換して、レーザスキャナ401に送信する。画像形成装置100の装置本体400は、レーザスキャナ401で受信した画像情報に基づいて、前述したように、シートに原稿の画像を複写する。
【0033】
なお、画像形成装置100は、他の画像形成装置100、ファクシミリ、パソコン等の外部機器からの画像情報をレーザスキャナ401で受信してシートに画像を形成することもできるようになっている。
【0034】
ところで、自動原稿搬送部2は、内部のメンテナンスを行われることがある。また、原稿案内パス31に原稿が詰まることや、リタードローラ6の交換が行われることがある。このようなことから、メンテナンス、詰まった原稿の除去、リタードローラ6の交換等が行えるように、
図3に示すように、原稿案内パス31の上流側部分31Aは、開閉カバー22が開かれることによって、開かれるようになっている。開閉カバー22は、自動原稿搬送部2の装置本体2Aに設けられた回転支持軸23によって、原稿案内パス31の上流側部分31Aを開閉するようになっている。搬送経路としての原稿案内パス31の上流側部分31Aは、互いに接近離間可能な、下側案内部31Aaと、上側案内部31Abとで形成されている。
【0035】
図3に示すように、開閉カバー22には、上側案内部31Abが形成されている。開閉カバー22には、ピックアップローラ4と、分離搬送ローラ5と、レジストローラ対8の一方のローラ等が、上側案内部31Abの案内面から突出して設けられている。
図3に示すように開閉カバー22によって原稿案内パス31を開くと、原稿案内パス31に詰まった原稿を除去することができる。
【0036】
次に、自動原稿搬送部2の内部のメンテナンスや、リタードローラ6の交換を行える構造を説明する。
図4は分離部7の斜視図である。本実施の形態での分離部7は、原稿トレイ3に載置された原稿Dを分離して搬送する第2の回転体としての分離搬送ローラ5及び第1の回転体としてのリタードローラ6を有している。ピックアップローラ4と、リタードローラ6は、回転可能、原稿を挟持搬送可能、原稿を分離搬送可能である。
【0037】
図5、
図6は、開閉カバー22によって原稿案内パス31を開いたときの、リタードローラ6を有するリタードローラユニット15と、その周辺の斜視図である。
図7は、リタードローラユニット15の斜視図である。
図8は、
図5、
図6におけるリタードローラユニット15を取り外したときのリタードローラホルダ19と、その周辺の斜視図である。
図9は、
図8におけるリタードローラホルダ19を取り外したときの、搬送ガイド21の斜視図である。
【0038】
まず、自動原稿搬送部2において、ピックアップローラ4、リタードローラ6等が設けられた原稿を受け入れる部分2B(
図2)を説明する。自動原稿搬送部2の原稿受け入れ部分2Bには、ピックアップローラ4と、原稿案内パス31の入口部分と、分離部7と、リタードローラユニット15と、リタードローラホルダ19と、圧縮コイルばね20と、搬送ガイド21等が設けられている。
【0039】
図7において、リタードローラ6は、トルクリミッタ17とともに、リタードローラユニット15として、ユニット化されて、交換され易くなっている。リタードローラユニット15は、リタードローラ6と、リタードローラ6を回転自在に支持するリタードローラ軸16と、リタードローラ軸16に設けられたトルクリミッタ17と、リタードローラ軸16の一端に固定された把手18とで構成されている。トルクリミッタ17は、不図示の2重円筒状に形成されており、外側の円筒がリタードローラ6に接続され、内側の円筒がリタードローラ軸16に固定されて、リタードローラ6に所定の回転負荷トルクを与えるようになっている。把手18は、交換時などリタードローラユニット15を取り扱う際に、ユーザによって掴まれる部分であり、リタードローラユニット15を取り扱い易くするために設けられている。
【0040】
図2、
図3において、搬送ガイド21は、原稿排出ローラ対13の一方のローラの回転軸13aに対して回転自在に設けられている。また、
図5、
図8、
図9において、搬送ガイド21には、リタードローラホルダ19の1対の支持軸192を回転自在に支持する1対の軸受凹部213が形成されている。
【0041】
図5、
図6、
図8において、リタードローラホルダ19は、1対の支持軸192が、搬送ガイド21の1対の軸受凹部213に回動自在に支持されて、
図3において搬送ガイド21の上面21aに対して交差する矢印C,V方向に回動可能になっている。リタードローラホルダ19には、リタードローラユニット15が着脱自在(着脱可能)に装着されるようになっている。このため、
図8に示すように、リタードローラホルダ19には、リタードローラ軸16を支持する支持孔194と、U字状の支持溝195が形成されている。
【0042】
また、
図2、
図3に示すように、搬送ガイド21とリタードローラホルダ19との間には、圧縮コイルばね20が設けられている。
図9に示すように、搬送ガイド21には、圧縮コイルばね20が嵌合する座20aが突設されている。圧縮コイルばね20は、リタードローラホルダ19を搬送ガイド21から離間させる矢印F方向に押圧可能であり、リタードローラ6を分離搬送ローラ5に押圧するようになっている。なお、圧縮コイルばね20の代わりに板ばね等を使用してもよい。リタードローラホルダ19は、
図3のように、開閉カバー22が開かれているとき、圧縮コイルばね20に押し上げられて、
図5(B)に示すように、搬送ガイド21の引っ掛かり部材211のフック211aの下面211bに受け止められている。引っ掛かり部材211によって、圧縮コイルバネ20がリタードローラホルダ19を押し上げる量を規制している。
【0043】
次に、リタードローラ6の交換時に、リタードローラユニット15をリタードローラホルダ19に装着する手順を説明する。
【0044】
リタードローラユニット15の装着時は、
図8に示すリタードローラホルダ19の支持孔194にリタードローラユニット15のリタードローラ軸16の一端部16a(
図7)を挿入し、支持溝195にリタードローラ軸16の中間部16bを押し込む。リタードローラユニット15の把手18には、
図7に示すように、弾性変形可能なリブ181が形成されている。リブ181は、リタードローラ軸16の端部からトルクリミッタ17側に向けて、リタードローラ軸16と平行に延びて形成されている。リブ181には、斜面181b、先端面181c、側端面181dが形成されている。斜面181bは、側端面181dからリタードローラ6の回転方向に傾斜して形成されている。一方、リタードローラホルダ19には、
図8(A)に示すように、リブ181が当接する、支持溝195側に延びた舌片193が突設されている。舌片193の先端部の上側に、斜面193aが形成されている。また、リタードローラホルダ19の側面には、外側に傾斜した斜面19aと、斜面19aの下側に続いた側壁19bとが形成されている。
【0045】
リタードローラユニット15を装着する際、リタードローラユニット15をリタードローラホルダ19側
(所定方向)に押圧する。すると、まず、リブ181の先端面181cがリタードローラホルダ19の斜面19aに当接し、リブ181の斜面181bがリタードローラホルダ19の斜面193aに当接する。そして、
図5(A)に示すように、リブ181は、矢印K方向に押されながら矢印M方向に弾性変形する。その後、なおも、リブ181は、押圧されて、斜面19a,193aを通過して、舌片193の下面193bに位置し、弾性により元の形状に戻って、舌片193の下面193bに入り込み、舌片193によって浮き上がりを防止される。
【0046】
以上のようにして、リタードローラユニット15はリタードローラホルダ19に装着される。しかし、ユーザがリタードローラユニット15をリタードローラホルダ19に装着するとき、リタードローラユニット15がリタードローラホルダ19に確実に装着されていないことがある。
【0047】
まず、リタードローラホルダ19へリタードローラユニット15が装着され、開閉カバー22が閉じられる場合の突部191と阻止リブ212との動作を説明する。
【0048】
開閉手段としての開閉カバー22が閉じられるとともに、リタードローラユニット15がリタードローラホルダ19側に押圧される。そして、リタードローラホルダ19の側部に横向きに突設された突部191が、搬送ガイド21に上向きに突設された弾性変形可能な規制手段としての阻止リブ212の下側斜面212cの下に潜り込む。
【0049】
図8(A)に示すように、突部191は、支持溝195の近くに、支持溝195の溝に沿った向きに突設されている。そして、
図8(B)に示すように、突部191は、下側斜面191aと上側斜面191bとで形成されている。下側斜面191aは、上側斜面191bより傾斜が急である。
図9に示すように、阻止リブ212にも、突部212aが形成されている。突部212aは、リタードローラホルダ19の突部191と対向する位置に形成されている。突部212aは、上側斜面212bと下側斜面212cが形成されている。上側斜面212bは、下側斜面212cより傾斜が急である。
【0050】
次に、
図11を用いて開閉カバー22が閉じられる際のリタードローラホルダ19の突部191と、阻止リブ212の状態を、詳細に説明をする。
図11は、(A)〜(D)の順に、開閉カバー22が閉じられる際の突部191近傍の概略断面図である。
【0051】
開閉カバー22が閉じられるとともに、
図11(A)のように、まず、リタードローラホルダ19の突部191の下側斜面191aが阻止リブ212の上側斜面212bと当接する。その後、
図11(B)、(C)のように、開閉カバー22の閉動作に伴ってリタードローラホルダ19の突部191が阻止リブ212の突部212aに当接しながら押し下げられる。そして、開閉カバー22が閉じきったとき、突部191が(D)のように下側斜面212cの下方に潜り込む。このとき、リタードローラ6は分離搬送ローラ5に当接しており、ピックアップローラ4によって給送された原稿Dを分離して搬送可能な状態になっている
(搬送位置に移動する)。
【0052】
次に、リタードローラユニット15がリタードローラホルダ19へ確実に装着されていない場合に開閉カバー22が閉じられる際の動作を説明する。
【0053】
リタードローラユニット15が確実に装着されていない状態で開閉カバー22が閉じられる場合についても、開閉カバー22が閉じられることで、リタードローラユニット15がリタードローラホルダ19側へ押し付けられる。
【0054】
リタードローラユニット15をリタードローラホルダ19側に押圧しているとき、
図11(A)のようにリタードローラホルダ19の突部191の下側斜面191aが、搬送ガイド21の阻止リブ212の上側斜面212bに当接している。ここで、下側斜面191aと上側斜面212bとの斜面は、傾斜が急であるため、突部191は突部212aの下側に入り込みにくくなっている。また、搬送ガイド21とリタードローラホルダ19との間には、圧縮コイルばね20が設けられている。このため、リタードローラホルダ19は、下側斜面191aと上側斜面212bとの係合負荷と、圧縮コイルばね20の弾力とに抗してリタードローラユニット15が強く押圧されなければ、突部191が下側斜面212cの下方に入り込むことができない。
【0055】
ここで、開閉カバー22が閉じられる際、リタードローラユニット15のリタードローラ6は、開閉カバー22側に設けられた分離搬送ローラ5に押圧されることとなる。
【0056】
リタードローラホルダ19の突部191が阻止リブ212の下側斜面212cの下方に入り込むほどリタードローラユニット15が開閉カバー22の閉動作に伴って
所定方向に強く押圧される。そして、リタードローラホルダ19の突部191が阻止リブ212の突部212aの下側に入り込む前に
(搬送位置へ到達する前に)、リタードローラユニット15のリブ181が、リタードローラホルダ19の舌片193の下面193bに入り込む
(所定の位置に嵌め込まれる)。そのため、リタードローラユニット15がリタードローラホルダ19へ確実に装着されていない場合においても、開閉カバー22が閉じられることで、リタードローラユニット15をリタードローラホルダ19に確実に装着することができる。なお、阻止リブ212は、リブ181よりも撓みにくくなっている。
【0057】
また、このとき、分離搬送ローラ5がリタードローラ6を押圧することでリブ181が、斜面19a,193aを通過して、舌片193の下面193bに入り込み、舌片193によってリタードローラユニット15の浮き上がりが防止される。
【0058】
開閉カバー22を矢印B方向に回転させて、原稿案内パス31を閉める(開閉カバー22を閉じる)と、分離搬送ローラ5がリタードローラ6を押圧する。すると、分離搬送ローラ5は、リタードローラ6、リタードローラユニット15、リタードローラホルダ19を介して、圧縮コイルばね20を圧縮することになる。この結果、リタードローラ6は、圧縮コイルばね20の反力によって分離搬送ローラ5に圧接されて、原稿が重なって搬送されてきたとき、重送原稿を分離して、分離搬送ローラ5によって原稿を1枚搬送できるようになる。
【0059】
また、自動原稿搬送部2内のメンテナンスを行う場合、
図3に示すように、開閉カバー22を矢印A方向に開き(開動作)、さらに、搬送ガイド21を原稿排出ローラ対13の回転軸13aを中心に矢印C方向に開くことがある。このとき、リタードローラホルダ19に装着されているリタードローラユニット15も搬送ガイド21と一体に矢印C方向に回転する。しかし、リタードローラユニット15は、リブ181が舌片193の下面193bに入り込んでいる。このため、リタードローラユニット15は把手18のリブ181によって脱落するのを防止されて、搬送ガイド21と一体に矢印C方向に回転する。
【0060】
したがって、リブ181と舌片193は、回転体支持手段としてのリタードローラホルダ19からのリタードローラ6の脱落を防止している。
【0061】
さらに、自動原稿搬送部2は、リタードローラ6を交換するとき、リタードローラユニット15の把手18をユーザが掴み易くなっており、リタードローラ6の交換を容易に行えるようになっている。
【0062】
次に、リタードローラ6の交換を容易に行えるようになっている構造を説明する。
図2において、開閉カバー22は、原稿案内パス31を閉めているとき、不図示のロック機構によって装置本体2Aにロックされている。そして、開閉カバー22に設けられた分離搬送ローラ5がリタードローラ6を押圧している。一方、リタードローラ6は、リタードローラユニット15、リタードローラホルダ19を介して圧縮コイルばね20の押圧力を受けている。このため、分離搬送ローラ5は、圧縮コイルばね20に抗して、リタードローラ6、リタードローラユニット15、リタードローラホルダ19を、
図3の矢印V方向に、搬送ガイド21に押し込んでいることになる。この結果、
図10(A)に示すように、リタードローラホルダ19の上面19cと、搬送ガイド21の上面21aとが同一面になり、原稿案内パス31の上流側部分31Aの一部分を形成していることになる。このとき、リタードローラ6は、分離搬送ローラ5とで原稿を搬送するため、リタードローラホルダ19の上面19cに突出している。しかし、リタードローラユニット15の把手18は、リタードローラホルダ19の上面19cから突出していない。なお、リタードローラホルダ19が、搬送ガイド21に押し込まれている場合においては、リタードローラホルダ19の上面19cと、搬送ガイド21の上面21aは、原稿案内パス31の下側案内部31Aaの一部分を形成している。
【0063】
このように、把手18が搬送ガイド21の上面21aの上面19cから突出しないで、リタードローラ6が搬送ガイド21の上面21aの上面19cから突出しているときのリタードローラ6とリタードローラユニット15との位置を搬送ポジション
(搬送位置)とする。
【0064】
開閉カバー22を
図3において矢印A方向に回転させて、原稿案内パス31を開くと、開閉カバー22に設けられた分離搬送ローラ5がリタードローラ6から離れる。すると、リタードローラユニット15が、リタードローラホルダ19と一体に圧縮コイルばね20に、
図3の矢印C方向に押圧されて、
図10(B)、
図12、
図13のように、リタードローラホルダが搬送ガイド21の上面21aより上方に突出する。これによって、リタードローラユニットも搬送ガイド21の上面21aより上方に突出する。このときの、リタードローラ6、リタードローラユニット15、リタードローラホルダ19の位置を交換ポジション
(交換位置)とする。
【0065】
交換ポジションに位置しているときのリタードローラホルダ19は、
図5(B)、
図8に示すように、圧縮コイルばね20によって、矢印F方向に押し上げられて搬送ガイド21の引っ掛かり部材211のフック211aの下面211bに受け止められている。なお、リタードローラホルダ19が搬送ポジションにいるときのリタードローラホルダ19の位置は、
図5(B)の破線の位置である。このため、リタードローラ6、リタードローラユニット15、リタードローラホルダ19は、搬送ポジションと交換ポジションとの間を距離Lだけ上下動するようになっている。
【0066】
リタードローラ6が交換ポジションに位置しているとき、リタードローラホルダ19の把手18とリブ181とが搬送ガイド21の上面21aより上方に突出していることになり、ユーザが把手18をつかみ易くなる。この結果、ユーザが、リタードローラユニット15をリタードローラホルダ19から容易に取り外してリタードローラ6の交換を容易に行うことができる。
【0067】
なお、リタードローラユニット15とリタードローラホルダ19は、一体に搬送ポジションと交換ポジションとの間を上下動するため、互いの相対位置に変化が生じることがない。このため、リタードローラホルダ19が交換ポジションにいても、リタードローラユニット15は、リタードローラホルダ19より上に突出することがなく、搬送ガイド21の上面21aより上方に突出する。
【0068】
以上説明したように、自動原稿搬送部2は、圧縮コイルばね20によってリブ181を搬送ガイド21の上面21aから突出させるようになっているので、ユーザがリブ181を容易に掴んでリタードローラ6の交換を容易に行うことができる。また、自動原稿搬送部2は、従来使用していたカバーを使用する必要が無く、簡単にリタードローラ6の交換を容易に行えるとともに、構造を簡単にすることができる。
【0069】
また、画像読取装置300は、構造が簡単な自動原稿搬送部2を備えているので構成を簡素化することができる。
【0070】
さらに、画像形成装置100は、構造が簡単な画像読取装置300を備えているので構成を簡素化することができる。