【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は請求項1の特徴、特に特徴部分に記載された構成によって上記目的を達成する。こうして、本発明は、流体入口開口および流体導管の開口部領域が枢動軸沿いに一直線上に配置されることを特徴とする。
【0005】
本発明の原理は、実質的に、流体塗布装置において、ノズルヘッドが締結面に対して特定の方法で枢動可能であるように配置されることにある。枢動軸は、ノズルヘッドの流体入口開口および締結面における流体導管の開口部を互いに接続するように位置決め、配向される。ノズルヘッドの流体入口開口および締結面における流体導管の開口部は、具体的には枢動軸に沿って配置される。
【0006】
入口開口および開口部領域の上述した特定の配置によって、ノズルヘッドの枢動に用いる枢動軸が上記2つの領域を通って延在するようになる。これによって、流体導管の特に簡単かつ確実なシールが可能になる。この理由は、シール面の領域において、枢動運動中に生じる移動、特に相対移動の範囲が最小限に抑えられるためである。
【0007】
本発明による、流体塗布装置は、特にホットメルト接着剤を基材に塗布する。このために、加熱された液体接着剤が、供給ステーションから流体導管を通って、適切な場合はアダプタープレートを介してノズルヘッドへ供給される。このために、ノズルヘッドは、供給ステーションに面する側面に流体入口開口を有する。流体は、入口開口から切換弁を介してノズルヘッドに設けられた流体出口開口まで流れる。この流体は、出口開口を通って吐出されて基材に達することができる。
【0008】
ノズルヘッドに配置される切換弁は、流動流体、特に圧縮空気によって切換えられる。このために、供給ステーションは、第1の流動流体導管および第2の流動流体導管を有する。第1の流動流体導管および第2の流動流体導管は双方とも、締結面の領域において開口している。第1の流動流体導管は、いわゆる作動空気を供給し、第2の流動流体導管は、いわゆる非作動空気を供給する。作動空気によってノズルヘッドの弁が開放され、その結果、流体が出口開口を通って流出することができる。非作動空気によって弁が閉鎖され、その結果、出口開口を通る流体の流出が防止される。第1の流動流体導管および第2の流動流体導管は、ノズルヘッドの、供給ステーションに面する側面において、第1の流動流体入口開口および第2の流動流体入口開口と連通接続する。
【0009】
従来技術の枢動可能なモジュールでは、流体導管のシールに関する特定の問題に直面する。
本発明によれば、ノズルヘッドの、供給ステーションに面する側面に設けられた流体入口開口、および、締結面における流体導管の開口部は、枢動軸に沿って配置される。枢動軸は、換言すれば、流体入口開口の概ね中心に、または流体導管の開口部領域の概ね中心に配置されるように位置決めされる。
【0010】
流体入口開口の周り環状溝を配置することができる。この環状溝は、シールリング、例えばOリングを受容する。こうして、特に簡単なシールが可能である。
【0011】
構造設計に関して、本装置は、締結面にネジにより固定可能なアダプタープレートを備えることができる。アダプタープレートは、スライドブロックが挿入される溝を有することができる。ノズルヘッドは、スライドブロックへネジによって連結、固定される。
【0012】
スライドブロックは、円弧形状のガイドスロット内に変位可能にガイドされ、この場合、円弧の中心点は、ノズルヘッドの枢動軸と一致する。従って、ガイドスロットは、枢動軸の周りで円弧形状に湾曲している。
【0013】
ノズルヘッドの、供給側面に面する側面に設けられた第1の流動流体入口開口および第2の流動流体入口開口も同様に、回転軸の周りで孤形状に湾曲している。
ノズルヘッドは、2つの停止位置間の角度範囲で枢動可能である。ノズルヘッドの2つの停止位置は、ガイドスロット内でのスライドブロックの2つの異なる停止状況に対応する。
【0014】
ノズルヘッドを枢動させることによって、基材に対するノズルヘッドの向き、従って、流体が基材に衝突する角度を簡単な方法で調整することができる。流体導管のシールは特に確実に維持することができる。この理由は、移動部品の相対移動、従ってシール面の領域において生じる摩擦力が最小限に抑えられるためである。
【0015】
第2の態様では、本発明は請求項4の前段部分に記載の装置に関する。本装置は更に、これまでの一般使用によって知られているとともに請求項4の前段部分に記載の特徴を有する装置に基づく。
本発明は同様に、単純でコンパクトな構成を可能にするように、既知の装置を更に発展させるという目的に基づく。
【0016】
本発明は請求項4の特徴、特に特徴部の特徴によって上記目的を達成し、従って、ノズルヘッドはアダプタープレートを用いて締結面に締結され、円弧形状の溝がアダプタープレートを貫通し、枢動軸が円の中心点を通って延びることを特徴とする。
【0017】
本発明の原理は、ノズルヘッドが、締結面に対して直接ではなく、アダプタープレートを介してすなわちアダプタープレートを用いて固定されることにある。アダプタープレートは、締結面に直接ネジにより固定可能な。ノズルヘッドは、溝内にガイドされるスライドブロックに締結される。アダプタープレートは流体導管を有し、この流体導管は、締結面における、流体導管の開口部と配置され、またノズルヘッドにおける流体用の入口と配置される。アダプタープレートは、好ましくは第1の流動流体導管を有し、より好ましくは第2の流動流体導管を有する。第1の流動流体導管は、締結面における、第1の流動流体導管の第1の開口部領域と配置され、アダプタープレートの第2の流動流体導管は、締結面における、第2の流動流体導管の第2の開口部領域と配置される。
【0018】
スライドブロックが溝に挿入されるのが有利である。溝の配置、および溝内にガイドされるスライドブロックの配置は、本装置のコンパクトな構成によって、両方の回転方向へのノズルヘッドの枢動運動の制限と、アダプタープレートに対する枢動可能なノズルヘッドの確実なガイドおよび取付けとを可能にする。
【0019】
スライドブロックがダンベル状の基本形状を有することを提供することも有利であり得る。これによって、特に優れたガイドおよび取付けが可能になる。
本発明の1つの有利な改良形態では、スライドブロックは、ノズルヘッドに面する側面においてネジ受容部を有する。これらのネジ受容部によって、アダプタープレートへのノズルヘッドの特に簡単な固定が可能になる。
【0020】
溝は保持面を有し、スライドブロックが該保持面に対してクランプされる。保持面は、ガイドスロットの狭窄部の構成部分とすることができ、狭窄部は、ノズルヘッドに面するガイドスロットの側面に設けられる。保持面は、狭窄部において締結面に面する側面に設けることができる。こうして、スライドブロックを締結面に面するアダプタープレートの側面からのみガイドスロット内に挿入することができるが、保持面によって、スライドブロックがアダプタープレートからノズルヘッドの方向に突出することが防止される。
【0021】
本発明の1つの有利な改良形態では、ノズルヘッドは2つの部材を備える。ここで、ノズルヘッドにおける流体出口開口を第1の部材によって提供することができ、ノズルヘッドの流体入口開口を第2の部材によって提供することができる。
【0022】
上記構成によって、ノズルヘッドの入口側面、すなわち、ノズルヘッドにおいて締結面に面する側面であって、流体用の円弧形状の入口開口、第1の流動流体入口開口および第2の流動流体入口開口が配置される側面を、第1の部材によって提供することが可能になり、また、第1の部材において第2の部材の出口側面に面する入口側面を、従来のノズルヘッドについて既知の構成、寸法とすることが可能になる。従って、本発明の上記改良形態では、第2の部材によって締結プレートを提供することが可能となる。この締結プレートによって、これまでは本発明による装置における使用に向けて提供されていなかった従来のノズルヘッドを用いることが可能になる、或いは、本発明によるシステムに合わせて構成されるとともに本発明に適合しない他の従来のシステムに対しても任意選択的に用いることができるノズルヘッドを構成することが可能となる。
【0023】
第2の部材は実質的にプレート状に形成され、また第1の流動流体および第2の流動流体のための入口開口を有することができる。該入口開口は特に、枢動軸を中心とする円弧形状に湾曲している。さらに、シールリングを受容するための対応の溝を第2の部材の入口側面に設けることができる。
【0024】
供給ステーションの従来の締結面の場合に既に知られているように、対応する流体および流動流体の開口部領域のための構成を第2の部材の出口側に設けることができる。こうして、第2の部材は第1の部材と協働することができ、第1の部材は、流体用の入口および2つの流動流体用の入口が設けられた入口側面を有する。該流体用の入口および2つの流動流体用の入口は、従来技術において周知のように、従来のノズルヘッドを供給ステーションの従来の構成を有した締結面に取り付けるための配置、寸法を有している。
【0025】
本発明の1つの有利な改良形態では、2つの部材を互いに着脱可能に締結する、或いは、第2の部材を第1の部材に着脱可能に取付けるようにできる。取付同左を容易にする、或いは、2つの部材を互いに締結することを容易にするように、コーディング手段および相手側コーディング手段、或いは、位置決め手段および相手側位置決め手段をこれらの2つの部材に設けることができる。上記手段は、2つの部材の互いに対する、信頼性が高く明確な位置決めを確実にする役割を果たす。
【0026】
更なる態様によれば、本発明は、流体を移動基材に塗布する装置に用いるノズルヘッドに関する。上述した本発明の関連において、ノズルヘッドが、枢動軸の回りに締結面に対して枢動可能であるように供給ステーションに取付けられることが提案される。従って、枢動軸は、流体入口開口を通って延在することが有利である。
【0027】
ノズルヘッドが、2つの部材、具体的には実質的に従来のノズルヘッドの形態の第1の部材と、アダプタープレートの形態の第2の部材とを備える場合、ノズルヘッドが上記アダプタープレートに対して回転式に連結されることを確実にすることが必要である。
【0028】
従って、従来の既知のノズルヘッドが供給ステーションの締結面に対してアダプタープレートと連結状態で枢動可能であるように取付けられる状況に関して、構造的に単純な構成を有する上記ノズルヘッドが、上記アダプタープレートに対するノズルヘッドの回転連結式の配置を確実にするように、上記ノズルヘッドを更に展開させることが、本発明の目的である。
【0029】
本発明は請求項17の特徴によって上記目的を達成する。
本発明の原理は、実質的に、ノズルヘッドの入口側面に2つの凹部を設けることを基とする。これらの凹部は、特に雌形部として形成される。これらの凹部は、アダプタープレートにおける雄形突起を受容する。
【0030】
雌形凹部は、雄形突起に対して相補的なまたは実質的に相補的な形状を有することができる。第2の部材47cとして図の説明において以下で同様に言及される、アダプタープレートの出口側面における雄形突起が、実質的に立方体形態を有することが好都合である。これによって、突起の非常に簡単な作製が可能になる。
【0031】
ノズルヘッドの入口側面における雌形凹部は、雄形突起を完全に受容可能な寸法にて形成することが有利である。雌形凹部は、雄形突起よりも大きいように形成されるのが有利である。これによって簡単に、雌形凹部を製造過程中にノズルヘッドからフライス加工することが可能になる。上記突起の作製方法が選択される場合、凹部の内側フランクが凹状湾曲形態を有することを提供することが有利であり得る。
【0032】
本発明によれば、凹部は、第2の流動流体用の入口に近くかつ流体用の入口から離れて配置されている。雌形凹部は、それぞれの場合に内側側面に少なくとも1つの停止面すなわち接触面を有する。少なくとも1つの停止面すなわち接触面は、相補的な雄形突起と接触することができる。これによって、アダプタープレートを、ノズルヘッドの枢動運動中に駆動させることが可能になる。ノズルヘッドが動くと、両方の回転方向への枢動可能な駆動すなわち回転駆動が確実に行われる。
【0033】
凹部は、第2の流動流体用の入口の両側に隣接するように配置されることが好ましい。従って、第2の流動流体用の入口は、2つの凹部間の中央にまたは実質的に中央に位置付けられることが好ましい。
【0034】
2つの凹部が流体入口開口から可能な限り離れて位置付けられることが更に有利である。こうして、ノズルヘッドとアダプタープレートとの、両方の回転方向への回転係止に特に好都合な幾何学形状が得られる。ノズルヘッドに対して手動で力を加える結果として枢動軸の回りの回転が生じると、凹部は、アダプタープレートが回転駆動されるようにノズルヘッドが突起に取付けられると突起に係合する。
【0035】
本発明の更なる利点は、列挙されていない従属請求項から、また図面に示されている例示的な実施形態の以下の記載から明らかになる。