特許第6092918号(P6092918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092918
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/73 20140101AFI20170227BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20170227BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20170227BHJP
【FI】
   A63F13/73
   A63F13/79
   A63F13/95 A
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-55441(P2015-55441)
(22)【出願日】2015年3月18日
(65)【公開番号】特開2016-174654(P2016-174654A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年1月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】谷口 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】格和 真理
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5723047(JP,B1)
【文献】 特開平6−285208(JP,A)
【文献】 特開2008−119257(JP,A)
【文献】 特開2015−39606(JP,A)
【文献】 特開2011−206441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/73
A63F 13/79
A63F 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付された情報を該物品から取得する取得手段に接続されたゲーム装置であって、
前記取得手段により1つの物品について取得された、該物品のキャラクタ情報及びプレイヤ情報を管理する管理手段と、
ゲームプレイ開始に係る所定の条件を満たした際に、前記管理手段により管理される複数の物品について取得された複数のプレイヤ情報の全てが一致している場合に、該複数の物品について取得された複数のキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行する実行手段と、
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれている場合に、物品に付された情報を再取得させるよう前記取得手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記実行手段は、所定時間の間に、新たなプレイヤ情報が再取得されなかった場合、または再取得された複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれる場合に、前記取得手段により取得される情報に基づかずに選択したキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記キャラクタ情報には、該キャラクタ情報により示されるキャラクタの分類を特定する情報を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記キャラクタの分類を特定する情報は、ゲームにおいて使用可能なキャラクタの各々について設定された階級を示す情報であることを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれ、かつ該他とは異なるプレイヤ情報に対応する物品から取得されたキャラクタ情報が所定の分類を特定する情報を含む場合に、前記取得手段に再取得を行わせることを特徴とする請求項4または5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記実行手段は、所定時間の間に、新たなプレイヤ情報が再取得されない場合、または再取得された複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれ、かつ該他とは異なるプレイヤ情報に対応する物品から取得されたキャラクタ情報が所定の分類を特定する情報を含む場合に、前記取得手段により取得される情報に基づかずに選択したキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記管理手段は、前記取得手段により物品に付された情報の再取得が行われる場合に、既に管理しているプレイヤ情報及びキャラクタ情報を管理から外すことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記実行手段は、前記ゲームプレイ開始に係る所定の条件を満たした場合に、所定の数に満たない数の物品に対応するキャラクタ情報またはプレイヤ情報が前記管理手段に管理されている場合に、前記取得手段により取得される情報に基づかずに選択した少なくとも1つのキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記取得手段により取得される情報に基づかずに選択したキャラクタ情報により示されるキャラクタは、ゲームにおいて使用可能なキャラクタの中から抽選により選択されることを特徴とする請求項3、7または9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれる場合に、前記複数のプレイヤ情報のうちの1つのプレイヤ情報を、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報として設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記複数のプレイヤ情報に他とは異なるプレイヤ情報が含まれる場合に、新たなプレイヤ情報を取得し、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報として設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
物品に付された情報を該物品から取得する取得手段に接続されたコンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にプレイヤの情報が付された物品を利用した電子ゲームに係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコード等を利用することで、情報処理装置により読み取り可能な各種情報をカード等の物品に付し、該情報を利用したゲームコンテンツを提供するゲーム装置がある。特許文献1には、プレイヤ属性情報を入力するようなゲームにおいて、同一のプレイヤが複数回のプレイにおいてプレイヤ属性情報を入力する必要がないよう、カードにプレイヤの属性情報を付して出力するゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−285208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では1回のゲームプレイ時に複数枚のカードを使用して、各カードに対応するキャラクタを使用したゲームを実行するものもある。しかしながら、特許文献1のように各々のカードがプレイヤ属性情報を有する場合、例えば複数のプレイヤのカードをゲームに使用した場合に、装置側では現在のプレイヤのプレイヤ属性情報がいずれのカードから読み取った情報であるかを特定できない問題があった。また、他のプレイヤの属性情報を有するカードを使用可能に構成することは、不正に流通するカードを使用したゲームプレイによるゲームバランスの崩壊等の不都合が生じる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤ情報を有する物品を用いたゲームプレイを好適にプレイヤに提供するゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明のゲーム装置は、物品に付された情報を該物品から取得する取得手段に接続されたゲーム装置であって、取得手段により1つの物品について取得された、該物品のキャラクタ情報及びプレイヤ情報を管理する管理手段と、ゲームプレイ開始に係る所定の条件を満たした際に、管理手段により管理される複数の物品について取得された複数のプレイヤ情報の全てが一致している場合に、該複数の物品について取得された複数のキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行する実行手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このような構成により本発明によれば、プレイヤ情報を有する物品を用いたゲームプレイを好適にプレイヤに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置100で実行されるゲーム開始時処理を例示したフローチャート
図3】本発明の実施形態1に係る判定処理を例示したフローチャート
図4】本発明の実施形態2に係る判定処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、物品としてのカードを読み取り、該カードに対応するキャラクタを使用したゲームの実行、及びゲーム終了後にプレイヤ情報が付されたカードを出力可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、カードに限らず、任意の物品に付された情報を該物品から取得する取得装置に接続され、該情報を処理することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0010】
《ゲーム装置100の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
制御部101は、例えばCPU等のゲーム装置100が有する各ブロックの動作の制御、及び提供するゲームコンテンツに係る処理を実行する。制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムやゲームプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより、各ブロックの動作制御やゲームコンテンツの提供に係る動作を行う。
【0012】
記録媒体102は、例えばゲーム装置100が内蔵する不揮発性のROM、ゲーム装置100に着脱可能に接続されるHDD、光学ドライブに挿入されることで読み出しが可能となる記録メディア等の記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムやゲームプログラムに限らず、各ブロックの動作において必要となる各種パラメータや、ゲームに使用可能なキャラクタの画像(キャラクタ画像)等の描画に必要な各種GUIデータ等を記録する。
【0013】
なお、記録媒体102は、ゲームに使用可能なキャラクタの名前、パラメータ、出現頻度、キャラクタ画像等の各種情報を、キャラクタごとに、例えばキャラクタ識別用のキャラクタIDに関連付けたキャラクタDBとして保持している。また本実施形態のゲームコンテンツでは、ゲームで使用可能なキャラクタは、例えばゲーム中での出現頻度、ゲームプレイにおける進行優位性、ストーリー上の希少性、行動系統属性、成長段階、人気度等に基づいて、複数の段階を有するよう構成された階級(あるいはランク)のいずれかに予め分類される。以下の説明では簡単のため、各キャラクタはゲームにおける進行優位性に応じてS、A、B、C、D、E(Sが最優位で、以下順に優位性低下)の階級に分類されているものとする。上記キャラクタDBでは、該分類された階級の情報(階級情報)が各キャラクタIDに関連付けられて管理されているものとする。
【0014】
メモリ103は、例えば揮発性メモリである。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムやゲームプログラムの展開に限らず、各ブロックの動作において出力された中間データ、ゲームプログラムの実行において定義された各種情報を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0015】
描画部104は、例えばGPU等の、描画に係る各種演算及び最終出力である外部の表示装置に提示するためのゲーム画面の生成を行う描画装置である。描画部104は、例えば必要な描画オブジェクトのデータを記録媒体102から読み出してメモリ103に展開し、必要な演算を適用しながら描画を行い、毎フレームのゲーム画面を生成する。
【0016】
取得部105は、ゲーム装置100に接続されたカードリーダ(ここでいう「ゲーム装置100に接続されたカードリーダ」とは、ゲーム装置100の内部構成として一体となって設けられた(電気的に内部接続された)カードリーダを含む)であり、カードに所定の方式で付されている情報を取得するための専用のハードウェアを有する。即ち、取得部105は、ゲーム装置100と一体に構成されるものであってもよいし、ゲーム装置100の外部または筐体上に設けられ、有線または無線にて接続されるものであってもよい。取得部105は、制御部101により情報取得が可能な状態に制御された後、例えば該当のカードが認識用の領域に配置された際に情報を取得し、制御部101に出力する。
【0017】
本実施形態ではプレイヤはカードをゲームプレイに使用するものとして認識させ、対応するキャラクタをゲームプレイ用に登録することができる。カードの各々は、該カードを印刷した際のゲームプレイに使用されていたプレイヤを示すプレイヤ情報、及びカードに印刷されたキャラクタを示すキャラクタ情報を有する。本実施形態ではプレイヤ情報は少なくともプレイヤにより設定されたプレイヤ名を含む。またキャラクタ情報は、該キャラクタを識別するためのキャラクタIDあるいはキャラクタ名を少なくとも含み、この他、例えばキャラクタのステータスを示すパラメータやゲームにおいて使用可能な行動等の情報が付されていてもよい。また、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームコンテンツで使用可能なカードは、上述したようにゲーム装置100により印刷されたものに限られるものではなく、例えば販促用や特典として入手可能なカード(以下、単にプロモーションカード)も使用可能に構成されてもよい。プロモーションカードは、いずれのプレイヤであっても使用可能なようにプレイヤ情報を有さず、プロモーションカードであることを示す情報が付されている。プロモーションカードであることは、例えばプレイヤ情報やキャラクタ情報とは異なる専用のコードを付すことにより判断可能に構成してもよいし、キャラクタ情報をプロモーションカード用に予め定められた情報とすることで判断可能に構成してもよい。
【0018】
表示出力部106は、ゲーム装置100が有する表示出力インタフェースであり、接続された不図示の表示装置に対し、描画部104により生成されたゲーム画面を所定のタイミングで出力し、プレイヤにゲームコンテンツの提供を行うことができる。表示装置はゲーム装置100の外部に存在し、有線または無線でゲーム装置100に接続されるものであってもよいし、ゲーム装置100の筐体内に一体に設けられるものであってもよい。
【0019】
操作入力部107は、例えば操作ボタン、操作レバー等のゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、これらの種々のユーザインタフェースにより受け付けられたプレイヤによる操作入力を解析し、対応する制御信号を制御部101に伝送する。あるいは操作入力部107は、解析した操作入力に対応するイベントの発生を制御部101に通知する。
【0020】
印刷部108は、例えばプリンタ等の印刷装置である。本実施形態のゲームコンテンツでは、プレイヤはゲーム終了時に、ゲームプレイ中に登場したいずれかのキャラクタを選択して新たなカードとして印刷することができる。印刷部108は、選択されたキャラクタに係るキャラクタ情報と、ゲームプレイを行っていたプレイヤに係るプレイヤ情報とを付した、該キャラクタのカードを印刷して出力する。
【0021】
《ゲーム開始時処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100においてゲームプレイに係りプレイヤの使用するキャラクタを決定するために実行されるゲーム開始時処理について、図2のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0022】
なお、本ゲーム開始時処理は、例えばゲーム装置100が有する不図示のコイン投入口にゲームプレイに係る対価が投入されたことが検出された際に開始されるものとして説明する。また制御部101は、本ゲーム開始時処理が開始されてからの経過時間を、タイマ機能を使用して取得できるものとする。
【0023】
S201で、制御部101は、取得部105によってカードの情報取得がなされたか否かを判断する。制御部101は、取得部105から新たに取得した情報(カード情報)を受信したか否かにより本ステップの判断を行う。制御部101は、カード情報の取得がなされたと判断した場合は処理をS202に移し、なされていないと判断した場合は処理をS204に移す。
【0024】
S202で、制御部101は、取得部105から受信したカード情報をメモリ103に格納する。本実施形態のゲームコンテンツでは、プレイヤは1回のゲームプレイに係り3体のキャラクタ、即ち3枚のカードをゲームプレイに使用する(認識させる)ことができる。制御部101は、受信したカード情報は例えば「N枚目のカード(N≦3)」のカード情報としてメモリ103に格納する。
【0025】
S203で、制御部101は、使用可能な上限数である3枚のカードに係るカード情報をメモリ103に格納したか否かを判断する。制御部101は、3枚のカードに係るカード情報を格納したと判断した場合は処理をS205に移し、3枚に満たないカード情報しか格納していないと判断した場合は処理をS204に移す。
【0026】
S204で、制御部101は、ゲーム開始に係る条件を満たしたか否かを判断する。ゲーム開始に係る条件は、例えばゲーム開始時処理の開始からの経過時間が予め定められた制限時間に達した、制限時間までの残り時間を故意に早める操作入力がなされた、あるいはゲームを開始するとの決定に係る操作入力がなされた等であってよい。制御部101は、ゲーム開始に係る条件を満たしたと判断した場合は処理をS205に移し、満たしていないと判断した場合は処理をS201に戻す。
【0027】
S205で、制御部101は、ゲームプレイに使用するとして格納したカード情報の使用可否を判定する判定処理を実行する。
【0028】
〈判定処理〉
以下、本ステップで実行されるカード情報の判定処理について、図3のフローチャートを用いて詳細を説明する。
【0029】
S301で、制御部101は、メモリ103に格納したカード情報を参照し、プロモーションカードを示すカード情報以外のカード情報のプレイヤ情報を参照し、該プレイヤ情報が全て一致するか否かを判断する。制御部101は、プロモーションカード以外のカードに係るカード情報に含まれるプレイヤ情報が全て一致すると判断した場合は処理をS304に移し、一致しない場合は処理をS302に移す。なお、制御部101は、格納したカード情報にプレイヤ情報を有するカード情報が存在しない場合も、処理をS304に移す。
【0030】
S302で、制御部101は、メモリ103に格納した順で、プロモーションカードを除き最初に取得されたカード情報に含まれるプレイヤ情報を、「基準プレイヤ」として設定する。
【0031】
S303で、制御部101は、基準プレイヤと異なるプレイヤ情報を有するカード情報のキャラクタ情報を参照し、該キャラクタ情報により示されるキャラクタの階級が所定の階級であるかを判断する。本実施形態のゲームコンテンツでは、上述したようにキャラクタの階級はゲームプレイにおける進行優位性において定められるため、キャラクタの階級がゲームバランスに影響を及ぼし得る階級ではない(D以下の階級)場合には、該キャラクタに係るカードが他のプレイヤのものであっても例外的にゲームプレイが可能なように処理する。本ステップで制御部101は、キャラクタの階級がD以下(D、E)である場合に、該キャラクタが所定の階級であるものとして判断する。制御部101は、基準プレイヤと異なるプレイヤ情報を有するカード情報のキャラクタ情報により示されるキャラクタの階級が所定の階級であると判断した場合は処理をS304に移し、所定の階級ではないと判断した場合は処理をS305に移す。なお、本ステップの処理は、基準プレイヤと異なるプレイヤ情報を有するカード情報の全てについて実行され、制御部101は少なくとも1つのカード情報のキャラクタ情報に対応するキャラクタが所定の階級でない場合に処理をS305に移す。
【0032】
なお、階級情報を用いる本ステップの判断は、カード情報のキャラクタ情報に階級情報が含まれ、該情報を用いて行われるものであってもよいし、キャラクタ情報のキャラクタIDに対応するキャラクタDB内の階級情報を参照することにより行われるものであってもよい。また本実施形態では簡単のため階級情報に基づいて使用可否の判断を行うものとして説明するが、階級情報は該判断の一基準であり、例えば階級の概念を持たずに予め定められたキャラクタの分類に基づいて行われるものであってもよい。
【0033】
S304で、制御部101は、ゲームプレイに使用するとして格納したカード情報が使用可能であるとの判定結果をメモリ103に格納し、本判定処理を完了する。一方、S305で、制御部101は、ゲームプレイに使用するとして格納したカード情報が使用不可能であるとの判定結果をメモリ103に格納し、本判定処理を完了する。
【0034】
このように判定処理による判定結果がメモリ103に格納した後、制御部101はゲーム開始処理のS206に移す。
【0035】
S206で、制御部101は、格納したカード情報について判定処理により使用可能であるとの判定結果が得られたか否かを判断する。制御部101は、使用可能であるとの判定結果が得られたと判断した場合は処理をS210に移し、使用不可能であるとの判定結果が得られたと判断した場合は処理をS207に移す。
【0036】
S207で、制御部101は、今回のゲームプレイに係り、2回目の判定結果であるか否かを判断する。本実施形態のゲームコンテンツでは、異なるプレイヤのプレイヤ情報を有する、階級がC以上であるカードを含んでゲームプレイに使用するカードの登録がなされた場合、プレイヤには異なるプレイヤのカードが含まれて登録がなされたことを通知し、1度だけ使用カードの再登録を許容し、プレイヤに再度カードの登録を促す。従って制御部101は、2回目の判定結果であると判断した場合は処理をS208に移し、1回目の判定結果であると判断した場合はメモリ103に格納したカード情報を解放あるいは削除し、処理をS201に戻す。
【0037】
S208で、制御部101は、ゲームにおいて使用可能なキャラクタのうちから抽選で3体のキャラクタを選択し、対応するキャラクタ情報でメモリ103のゲームプレイに使用するカード情報のキャラクタ情報を変更する。抽選によるキャラクタの選択は、例えば所持しているカードが規定の枚数に満たないプレイヤでもゲームプレイ可能なように設けられる所謂「貸与」に相当する扱いでゲームプレイ用に設定されるものである。しかしながら、貸与の状態にあるキャラクタはゲームプレイ上分別されるものである必要はなく、例えば初期値のパラメータを有する該キャラクタのカードを使用した場合と同様に、現在のプレイヤの所有するキャラクタとしてゲームプレイが行われてよい。このようにすることで、プレイヤにはマイナスの印象を与えることなく、他のプレイヤと遜色のないゲーム体験を提供することができる。なお、このときプロモーションカードが含まれる場合は、それ以外のカード情報のキャラクタ情報を抽選で選択されたキャラクタのキャラクタ情報に変更するようにしてもよい。
【0038】
S209で、制御部101は、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報を設定する。本実施形態のゲームコンテンツでは、ゲームプレイ後のカード印刷にプレイヤ情報が必要となるため、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報を設定する必要がある。ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報は、例えばメモリ103に格納したカード情報が存在する場合はそのうちのいずれかのプレイヤ情報をプレイヤに選択させることにより設定されるものであってもよいし、格納したカード情報の有無に依らず、プレイヤにより新たに入力されたプレイヤ情報が設定されるものであってもよい。
【0039】
一方、S206において使用可能であるとの判定結果が得られたと判断した場合、制御部101はS210で、ゲームプレイに使用するカード情報が3枚分のカードの情報を含むか否かを判断する。制御部101は、3枚分のカードの情報が含まれていると判断した場合は処理をS213に移し、3枚に満たないカードの情報のみが含まれると判断した場合は処理をS211に移す。
【0040】
S211で、制御部101は、3枚から不足しているカードの枚数分、ゲームに使用可能なキャラクタのうちから抽選で選択したキャラクタのキャラクタ情報を、ゲームプレイに使用するカード情報として追加する。
【0041】
S212で、制御部101は、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報を設定する。本ステップで設定されるゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報は、判定処理において基準プレイヤのプレイヤ情報が設定されている場合は該プレイヤ情報となり、プレイヤ情報を有するカード情報が存在せずに判定処理において基準プレイヤのプレイヤ情報が設定されなかった場合はプレイヤにより新たに入力されたプレイヤ情報となる。
【0042】
S213で、制御部101は、判定処理において設定された基準プレイヤのプレイヤ情報を、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報として設定する。
【0043】
S214で、制御部101は、ゲームプレイに係り使用するプレイヤ情報と、メモリ103に格納されているゲームプレイに使用するカード情報のキャラクタ情報とを使用してゲームプレイを開始するものと設定して、本ゲーム開始時処理を完了する。
【0044】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤが他のプレイヤのカードを誤ってゲームプレイ用に登録してしまったとしても、再登録を認めつつ、好適なプレイヤ情報を設定したゲームプレイをプレイヤに提供することができる。
【0045】
なお、本実施形態ではS204におけるゲーム開始に係る条件に、ゲーム開始時処理の開始からの経過時間が制限時間に至ったかの条件を含むものとして説明したが、カードの再登録を行わせる場合には、制御部101は該制限時間を延長する、あるいは経過時間の計測をリセットしてもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置では、プレイヤ情報を有する物品を用いたゲームプレイを好適にプレイヤに提供することができる。具体的にはゲーム装置は、1つの物品について取得された、該物品のキャラクタ情報及びプレイヤ情報を管理する。そしてゲームプレイ開始に係る所定の条件を満たした際に、管理している複数の物品について取得された複数のプレイヤ情報の全てが一致している場合に、該複数の物品について取得された複数のキャラクタ情報により示されるキャラクタを使用するゲームを実行する。
【0047】
[実施形態2]
以下、実施形態1とは異なる本実施形態の判定処理について、図4を用いて詳細を説明する。なお、本実施形態の判定処理の説明において、実施形態1と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0048】
S302で基準プレイヤが設定された後、制御部101はS401で、プレイヤ情報が基準プレイヤとして設定されたカード情報以外のカード情報であって、プロモーションカード以外を示すカード情報を判定対象カード情報として設定する。
【0049】
S402で、制御部101は、全ての判定対象カード情報のキャラクタ情報を参照し、該キャラクタ情報により示されるキャラクタの階級が、全て階級D以下であるか否かを判断する。制御部101は、全ての判定対象カード情報のキャラクタ情報により示されるキャラクタが全て階級D以下であると判断した場合は処理をS304に移し、少なくともいずれか1つが階級C以上であると判断した場合は処理をS403に移す。
【0050】
S403で、制御部101は、全ての判定対象カード情報のキャラクタ情報により示されるキャラクタの階級が、全て階級C以上であるか否かを判断する。制御部101は、全ての判定対象カード情報のキャラクタ情報により示されるキャラクタが全て階級C以上であると判断した場合は処理をS305に移し、少なくともいずれか1つが階級D以下であると判断した場合は処理をS404に移す。
【0051】
S404で、制御部101は、全ての判定対象カード情報のプレイヤ情報が同一のプレイヤ情報であるか否かを判断する。制御部101は、全ての判定対象カード情報のプレイヤ情報が同一のプレイヤ情報であると判断した場合は処理をS305に移し、少なくともいずれか1つのプレイヤ情報が異なると判断した場合は処理をS405に移す。
【0052】
S405で、制御部101は、判定対象カード情報のうちのプレイヤ情報が基準プレイヤのプレイヤ情報と同一である全てのカード情報を参照し、該カード情報のキャラクタ情報に対応するキャラクタの階級が全て階級C以上であるか否かを判断する。制御部101は、基準プレイヤと同一のプレイヤ情報を有する全てのカード情報に対応するキャラクタの階級が全て階級C以上であると判断した場合は処理をS304に移し、そうではない、即ち階級C以上であるキャラクタを示すキャラクタ情報を有するカード情報が他のプレイヤ情報を有すると判断した場合は処理をS305に移す。
【0053】
このようにすることで、実施形態1と同様に、他のプレイヤのカードを誤ってゲームプレイ用に登録してしまったようなケースを、ゲームプレイ可能との状況から好適に除外することができる。
【0054】
なお、本実施形態のゲームコンテンツでは上限数として3枚のカードがゲームプレイに使用するカードとして登録できるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、4枚以上をカードの上限数として設定する場合、上記図4の判定処理のフローチャートは、S405を変更することにより対応可能である。具体的には、制御部101はS405で、判定対象カード情報のうちの階級C以上であるキャラクタに対応するキャラクタ情報を有する全ての判定対象カード情報が、基準プレイヤのプレイヤ情報と同一のプレイヤ情報を有するか否かを判断する。制御部101は、階級C以上であるキャラクタに対応するキャラクタ情報を有する全ての判定対象カード情報が、基準プレイヤのプレイヤ情報と同一のプレイヤ情報を有すると判断した場合は処理をS304に移し、そうではない、即ち階級C以上であるキャラクタに対応するキャラクタ情報を有する判定対象カード情報に、他のプレイヤ情報を有するカード情報を含むと判断した場合は処理をS305に移す。これにより、同様の効果を得ることができる。
【0055】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0056】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:描画部、105:取得部、106:表示出力部、107:操作入力部、108:印刷部
図1
図2
図3
図4