【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、化粧料中に界面活性剤及び乳化剤として既に既知であり使用されているソルビタンモノカプリレートがまさにこの条件を満たすことが見出された。
【0007】
それ故、本発明の対象は、
a) ソルビタンモノカプリレート5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%、就中好ましくは30〜70重量%、及び
b) 次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、そしてこれらの炭素原子は、飽和、不飽和及び/または芳香族系炭素−炭素結合を介して、線状、分枝状及び/または環状に互いに結合することができ、そしてこれらの基は、エーテル単位も含むことができ、個々の炭素原子には水素原子及び/またはヒドロキシ基が結合していることができる]
で表される一種またはそれ以上のアルコール5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%、就中好ましくは30〜70重量%、
を含む液状組成物である。
【0008】
ソルビタンモノカプリレートは、非常に高い使用濃度においても皮膚学的にも毒学的にも懸念がなく、そして抗菌有効アルコールの抗菌作用を相乗的に援助する。
【0009】
ソルビタンモノカプリレートが、化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の粘度を低下させず、それどころか反対に僅かに増粘する性質を有することが更に見出された。例えば、抗菌有効アルコールと比較して、明らかにより多量のソルビタンモノカプリレートを使用することができ、しかも化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の粘度を低下させることも、相の分離を起こすこともない。
【0010】
化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の十分な防腐に必要な抗菌有効アルコールの使用濃度は、ソルビタンモノカプリレートとの組み合わせでかなり低めることができる。それによって、化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の防腐のための抗菌有効アルコールの使用は多くの場合に十分となる。
【0011】
ソルビタンモノカプリレートは室温で液状であり、前記抗菌有効アルコールと混和可能である。
【0012】
本発明の液状で、それ故取り扱いが簡単な組成物の利点は、例えばそれの良好な調合性(Formulierbarkeit)である。
【0013】
好ましくは、式(1)の一種またはそれ以上のアルコールは、芳香族アルコール、アルカンジオール及びアルカントリオールからなる群から選択され、特に好ましくは式(1)の一種またはそれ以上のアルコールは、芳香族アルコール及びアルカンジオールからなる群から選択される。
【0014】
特に好ましくは、式(1)の一種またはそれ以上のアルコールは、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレンフェノキシエタノール、フェネチルアルコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、メチルプロパンジオール、及びエチルヘキシルグリセリンからなるアルコールの群から選択され、ここで芳香族アルコールの中ではベンジルアルコール及びフェノキシエタノールが好ましく、ベンジルアルコールが特に好ましい。
【0015】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物の成分b)は、芳香族アルコールから選択された一種またはそれ以上の式(1)のアルコール、好ましくは少なくとも50重量%、特に好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは100重量%の、芳香族アルコールから選択された式(1)の一種またはそれ以上のアルコールを含み、ここで前記一種またはそれ以上の芳香族アルコールは、好ましくはベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレンフェノキシエタノール及びフェネチルアルコールから、特に好ましくはベンジルアルコール及びフェノキシアルコールから選択され、そして前記一種またはそれ以上の芳香族アルコールは、特に好ましくはベンジルアルコールである。
【0016】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、上記の本発明の液状組成物の中では、成分b)が、芳香族アルコールから選択された一種またはそれ以上の式(1)のアルコールの他に、一種またはそれ以上の非芳香族系アルコール、好ましくは1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール及びエチルヘキシルグリセリンからなるアルカンジオールの群から選択された一種またはそれ以上の非芳香族系アルコールを含むものが好ましい。
【0017】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物の成分b)は、アルカンジオール及びアルカントリオール、好ましくはアルカンジオールから選択された一種またはそれ以上の式(1)のアルコール、好ましくは少なくとも50重量%、特に好ましくは60〜100重量%、就中好ましくは100重量%の、アルカンジオール及びアルカントリオール、好ましくはアルカンジオールから選択された式(1)の一種またはそれ以上のアルコールを含み、この際、前記の一種またはそれ以上のアルカンジオールは、好ましくは、1,2−ヘキサンジオール、1,6ーヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、及びエチルヘキシルグリセリンから、特に好ましくは1,2−オクタンジオール及びエチルヘキシルグリセリンから選択される。
【0018】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、
d) 水、
e) 抗菌有効物質、及び
f) ハイドロトロープ物質
から選択される一種またはそれ以上の更なる物質を含み、ここで抗菌有効物質及びハイドロトロープ物質は式(1)のアルコールとは異なるものである。
【0019】
成分e)の抗菌有効物質及び成分f)のハイドロトロープ物質はソルビタンモノカプリレートとは異なるものである。
【0020】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は水を含む。この中で特に好ましい本発明の実施形態の一つでは、水は、0.1〜35重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%の量で本発明の液状組成物中に含まれる。
【0021】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上の抗菌有効物質を含む。
【0022】
これらの抗菌有効物質は、好ましくは、ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンの2−アミノエタノール塩、市販品はOctopirox(登録商標))、パラベン類、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、ナトリウムエチルパラベン、ナトリウムプロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン、ナトリウムイソプロピルパラベンまたはナトリウムブチルパラベン、有機酸及びそれの塩、例えば安息香酸、ソルビン酸、3−アセチル−6−メチル−2[H]−ピラン−2,4[3H]−ジオン(デヒドロ酢酸)、p−メトキシ安息香酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ウンデセン酸、サリチル酸、グリコール酸、2,4−ヘキサンジエン酸、及び/またはそれらの塩、例えば安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムまたはサリチル酸塩、例えばサリチル酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ヨードプロピニルブチルカルバメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、ジイソブチルエトキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジイソブチル−フェノキシ−エトキシ−エチル−ジメチルベンジル−アンモニウムクロライド、N−アルキル−N,N−ジメチル−ベンジル−アンモニウムクロライド、−ブロマイド、−サッカリネート、トリメチルアンモニウムクロライド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、2,2,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’−トリクロロカルバニトリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えばL−シリンヘキサデシルアミド、DMDMヒダントイン、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、2−ヒドロキシビフェニル、クロロブタヌラム(Chlorbutanulum)、5−アミノ−1,3−ビス−(2−エチルヘキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジン、2,4−ジクロロベンジルアルコール、N−(4−クロロフェニル−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)−ヒドロクロライド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、イソチアゾリノン類、例えばメチルイソチアゾリノン、または3:1のモル比のメチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノン、クロロキシレノール、クエン酸重金属塩、塩化銀、ピロクトース、特に亜鉛塩、ピリチオン類及びそれの重金属塩、特に亜鉛ピリチオン、亜鉛フェノールスルフェート、ファルネソール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナフチフィン、オキシコナゾール、サルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール及びチオコナゾール及びこれらの有効物質の組み合わせから選択される。
【0023】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、ナトリウムエチルパラベン、ナトリウムプロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウムブチルパラベン、有機酸及びそれらの塩、好ましくは安息香酸、ソルビン酸、3−アセチル−6−メチル−2[H]−ピラン−2,4[3H]−ジオン(デヒドロ酢酸)、p−メトキシ安息香酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ウンデセン酸、サリチル酸、グリコール酸及び/またはそれらの塩、例えば安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム及び/またはサリチル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、ハロゲン化防腐剤物質、好ましくはヨードプロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、及びイソチアゾリノン類、好ましくはメチルイソチアゾリノンから選択される、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上の抗菌有効物質を含む。
【0024】
本発明の非常に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、有機酸またはそれらの塩から、好ましくは安息香酸、ソルビン酸、3−アセチル−6−メチル−2[H]−ピラン−2,4[3H]−ジオン(デヒドロ酢酸)、p−メトキシ安息香酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ウンデセン酸、サリチル酸、グリコール酸及びそれらの塩から選択される、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上の抗菌有効物質を含む。
【0025】
本発明の液状組成物が、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上の抗菌有効物質を含む場合には、これらは、好ましくは、0.5〜30重量%、特に好ましくは1.0〜25重量%の量で本発明の液状組成物中に含まれる。
【0026】
本発明の液状組成物が、有機酸の塩から選択される一種またはそれ以上の更なる抗菌有効物質を含む場合には、本発明の液状組成物は、好ましくは2〜35重量%、特に好ましくは5〜20重量%、就中好ましくは10〜15重量%の水を含む。
【0027】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上のハイドロトロープ物質を含む。これらのハイドロトロープ物質は、好ましくは、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート及びクメンスルホネートから選択される。クメンスルホネートが特に好ましい。
【0028】
本発明の液状組成物が、式(1)のアルコールとは異なる一種またはそれ以上のハイドロトロープ物質を含む場合には、本発明の液状組成物中での一種またはそれ以上のハイドロトロープ物質の量は好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは4〜10重量%、就中好ましくは6〜8重量%の範囲である。
【0029】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は一種またはそれ以上の更に別の添加剤を含む。
【0030】
これらの更に別の添加剤は、好ましくは、酸化防止剤及び可溶化剤から選択される。
【0031】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は一種またはそれ以上の酸化防止剤を含む。
【0032】
酸化防止剤は、好ましくは、スーパーオキサイドジムスターゼ、トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミノ酸類(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びこれらの誘導体、イミダゾール類(例えばウロカニン酸)及びこれらの誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド類、カロチン類(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)及びこれらの誘導体、クロロゲン酸及びこれの誘導体、リポン酸及びこれの誘導体(例えば、ジヒドロリポン酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール類(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びこれらのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−及びラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−及びグリセリルエステル)並びにこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びに極少量の許容可能な量(例えばpmol/kg)のスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、更に(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、フィチン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びこれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びこれの誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びこれの誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びこれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール類及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンAパルミテート)、安息香のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びそれの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれの誘導体、マンノース及びそれの誘導体、亜鉛及びそれの誘導体(例えばZnO、ZnSO
4)、セレン及びそれの誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベン類及びそれの誘導体(例えば酸化スチルベン、trans−スチルベンオキサイド)及びスーパーオキサイドジムスターゼ、及び上記の物質の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及びリピド)から選択される。
【0033】
特に好ましい酸化防止剤は、油溶性酸化防止剤から選択される。
【0034】
特に好ましい酸化防止剤は、トコフェリルアセテート及びEDTAから選択される。
【0035】
本発明の液状組成物が一種またはそれ以上の酸化防止剤を含む場合には、これらは、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、就中好ましくは0.1〜5重量%の量で本発明の液状組成物中に含まれる。
【0036】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態では、本発明の液状組成物は一種またはそれ以上の可溶化剤を含む。
【0037】
好ましい可溶化剤は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、ブチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、相対分子量300〜2000、特に300〜600のポリエチレングリコール、トリアセチン(グリセリントリアセテート)、1−メトキシ−2−プロパノール及びPEG−4−ラウレート(ポリエチレングリコール−4−ラウレート)からなる群から選択される。
【0038】
特に好ましい可溶化剤は、ブチレングリコール及び1,2−プロピレングリコールから選択される。
【0039】
本発明の液状組成物が一種またはそれ以上の可溶化剤を含む場合には、これらは、好ましくは1〜20重量%の量で本発明の液状組成物中に含まれる。
【0040】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物の含水量は、5重量%未満、好ましくは3重量%未満、特に好ましくは1重量%未満である。本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は水を含まない、すなわち無水である。
【0041】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、
a)ソルビタンモノカプリレート、及び
b)式(1)の一種またはそれ以上のアルコール、
からなる。
【0042】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、
a)ソルビタンモノカプリレート、
b)式(1)の一種またはそれ以上のアルコール、及び
d)水、
からなる。
【0043】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、
a)ソルビタンモノカプリレート、
b)式(1)の一種またはそれ以上のアルコール、及び
e)式(1)のアルコールとは異なる、一種またはそれ以上の抗菌有効物質、
からなる。
【0044】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、
a)ソルビタンモノカプリレート、
b)式(1)の一種またはそれ以上のアルコール、
d)水、及び
e)式(1)のアルコールとは異なる、一種またはそれ以上の抗菌有効物質、
からなる。
【0045】
好ましくは、本発明の液状組成物は透明な外観を有する。
【0046】
本発明の液状組成物は、化粧品、皮膚用品または医薬品の防腐に有利に適している。
【0047】
それ故、本発明の更なる対象は、化粧品、皮膚用品または医薬品の防腐、好ましくは、クリーム、クリームジェル、ローション、シャンプー、シャワーバス(Duschbaedern)、デオドラント、発汗抑制剤、ウェットティッシュ(ウェットワイプ)、サンスクリーン剤または装飾用化粧用物品の防腐のための本発明の液状組成物の使用である。本発明の好ましい実施形態の一つでは、化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物が防腐される。
【0048】
本発明の液状組成物は、更に、化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の製造に有利に適している。
【0049】
それ故、本発明の更なる対象は、化粧品、皮膚用品または化粧品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の製造のための本発明の液状組成物の使用である。
【0050】
“化粧品、皮膚用品または医薬品”という概念は、本発明の枠内において、例えば対応する調合物を意味する。
【0051】
化粧品、皮膚用品または医薬品とは、例えば、水系、水−アルコール系、水−界面活性剤系またはアルコール系の剤、またはオイルベースの剤(水不含の形態のオイルベースの剤も含む)、またはエマルション、懸濁物または分散物であることができ、詳しくはリキッド、フォーム、スプレー、ジェル、ムース、ローション、クリーム、パウダーまたはウェットティッシュ(ウェットワイプ)の形であることができる。
【0052】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、ウェットティッシュの防腐のために使用される。ここで、繊維布帛に適用される防腐のための調合物は、エマルション、特にO/W型エマルション、または界面活性剤系調合物もしくは油性剤であることができる。
【0053】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の液状組成物は、エマルションの防腐に使用される。
【0054】
エマルションは、油中水型エマルションや、水中油型エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション及びマルチプルエマルションであることができる。エマルションの製造は、既知の方法で、例えば、低温乳化法、高温乳化法、高温/低温乳化法またはPIT乳化法によって行うことができる。本発明の特に好ましい実施形態の一つは、自己発泡性、発泡状、後発泡性または発泡性エマルション及びマイクロエマルションである。
【0055】
本発明の更に別の対象は、本発明の液状組成物を使用して製造され、そして
a)ソルビタンモノカプリレート、及び
b)次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、これらの炭素原子は、飽和、不飽和及び/または芳香族炭素−炭素結合を介して、線状、分枝状及び/または環状に互いに結合することができ、そして前記の基は、エーテル単位を含むこともでき、個々の炭素原子には水素原子及び/またはヒドロキシ基が結合していることができる]
で表される一種またはそれ以上のアルコール、
を含む、化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物、あるいはこのような液状組成物を含む化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物である。
【0056】
本発明の更に別の対象は、
a)ソルビタンモノカプリレート、及び
b)次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、そしてこれらの炭素原子は、互いに、飽和、不飽和及び/または芳香族炭素−炭素結合を介して線状、分枝状及び/または環状に互いに結合することができ、そして前記の基はエーテル単位を含んでいてもよく、個々の炭素原子には水素原子及び/またはヒドロキシ基が結合していることができる]
で表される一種またはそれ以上のアルコール、
を含む、化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物である。
【0057】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、該化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物は、
a)ソルビタンモノカプリレート、
b)次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、そしてこれらの炭素原子は、飽和、不飽和及び/または芳香族炭素−炭素結合を介して、線状、分枝状及び/または環状に互いに結合することができ、そして前記の基はエーテル単位を含むこともでき、個々の炭素原子には水素原子及び/またはヒドロキシ基が結合していることができる]
で表される一種またはそれ以上のアルコール、及び
e)式(1)のアルコールとは異なる、一種またはそれ以上の抗菌有効物質、
を含む。
【0058】
上記の本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品、特に本発明の化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物の中では、成分e)の一種またはそれ以上の抗菌有効物質が、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、ナトリウムエチルパラベン、ナトリウムプロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウムブチルパラベン、有機酸及びそれの塩、好ましくは安息香酸、ソルビン酸、3−アセチル−6−メチル−2[H]−ピラン−2,4[3H]−ジオン(デヒドロ酢酸)、p−メトキシ安息香酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ウンデセン酸、サリチル酸、グリコール酸及び/またはこれらの塩、例えば安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム及び/またはサリチル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、ハロゲン化防腐剤物質、好ましくはヨードプロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール及びイソチアゾリノン類、好ましくはメチルイソチアゾリノンから選択されるものが好ましい。
【0059】
特に好ましいものは、
a)ソルビタンモノカプリレート、
b)次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、そしてこれらの炭素原子は、飽和、不飽和もしくは芳香族炭素−炭素結合またはエーテル単位を介して線状、分枝状または環状に互いに結合しており、そして炭素原子には水素原子またはヒドロキシ基が結合している]
で表される一種またはそれ以上のアルコール、及び
e)一種またはそれ以上の有機酸またはそれの塩、好ましくは安息香酸、ソルビン酸、3−アセチル−6−メチル−2[H]−ピラン−2,4[3H]−ジオン(デヒドロ酢酸)、p−メトキシ安息香酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ウンデセン酸、サリチル酸、グリコール酸及びこれらの塩から選択される一種またはそれ以上の有機酸またはそれの塩、
を含む、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品、特に本発明の化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物である。
【0060】
成分e)で挙げた有機酸の一種またはそれ以上の塩は、好ましくは、
安息香酸の場合は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウムまたは安息香酸アンモニウム、
ソルビン酸の場合は、ソルビン酸カリウムまたはソルビン酸アンモニウム、
デヒドロ酢酸の場合は、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸カリウムまたはデヒドロ酢酸アンモニウム、
p−メトキシ安息香酸の場合は、p−メトキシ安息香酸ナトリウム、p−メトキシ安息香酸カリウムまたはp−メトキシ安息香酸アンモニウム、
ギ酸の場合は、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムまたはギ酸アンモニウム、
酢酸の場合は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは酢酸アンモニウム、
プロピオン酸の場合は、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸アンモニウムまたはプロピオン酸カルシウム、
乳酸の場合は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸アンモニウムまたは乳酸マグネシウム、
ウンデセン酸の場合は、ウンデセン酸ナトリウム、ウンデセン酸カリウム、ウンデセン酸アンモニウム、ウンデセン酸マグネシウムまたはウンデセン酸亜鉛、
サリチル酸の場合は、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸アンモニウム、サリチル酸マグネシウムまたはサリチル酸亜鉛、及び
グリコール酸の場合は、グリコール酸ナトリウム、グリコール酸カリウム、グリコール酸アンモニウムまたはグリコール酸マグネシウムである。
【0061】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、成分a)及びb)の物質は、完成した本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは完成した本発明の化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物に基づいて、合計して0.1〜4.0重量%、好ましくは合計して0.3〜3.0重量%、特に好ましくは合計して0.4〜2.5重量%、就中好ましくは合計して0.5〜2.0重量%の量で製品または調合物中に含まれる。
【0062】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、成分a)、b)及びe)の物質は、完成した本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは完成した本発明の化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物を基準にして、合計して0.1〜4.0重量%、好ましくは合計して0.3〜3.0重量%、特に好ましくは合計して0.4〜2.5重量%、就中好ましくは合計して0.5〜2.0重量%の量で製品または調合物中に含まれる。
【0063】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品は、洗い流すタイプの製品、特にシャンプー、ヘアリンス、ヘアケア(Haarkur)、シャワーバス、シャワージェルまたはフォームバスである。
【0064】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品は、リーブオン型製品、特にデイクリーム、ナイトクリーム、ケアクリーム、滋養クリーム、ボディローション、軟膏またはリップケア剤である。更に別の好ましいリーブオン型製品は、装飾用化粧品、特にメークアップ品、アイシャドー、リップスティックまたはマスカラである。
【0065】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品はサンスクリーン剤である。これは、有機または無機系の一種またはそれ以上のUVフィルターを含む。
【0066】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品は、デオドラント及び発汗抑制剤、特にスプレー、スティック、ジェルまたはローションの形のデオドラント及び発汗抑制剤である。
【0067】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品は、界面活性剤を含まない剤、特に界面活性剤を含まない固形の剤または界面活性剤を含まないエマルションである。
【0068】
本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品、好ましくは本発明の化粧用調合物、皮膚用調合物または医薬用調合物は、更に別の助剤及び添加剤として、界面活性剤、乳化剤、カチオン性ポリマー、増粘剤、成膜剤、抗菌有効物質、収斂剤、酸化防止剤、UV光保護フィルター、顔料/マイクロ顔料、ゲル化剤、並びに化粧品に慣用の更に別の添加剤、例えば過脂肪剤、保湿剤、シリコーン、安定剤、コンディショニング剤、グリセリン、防腐剤、真珠光沢剤、染料、フレグランス及び香油、溶剤、ハイドロトロープ物質、混濁剤、脂肪アルコール、角質溶解もしくは角質軟化作用を有する剤、抗フケ剤、生理活性物質(局所麻酔物質、抗生物質、消炎性物質、抗アレルギー性物質、コルチコステロイド、皮脂分泌調整物質)、ビタミン、Bisabolol(登録商標)、Allantoin(登録商標)、Phytantriol(登録商標)、Panthenol(登録商標)、AHA酸(アルファ−ヒドロキシ酸)、植物エキス、例えばアロエベラ及びタンパク質を含むことができる。
【0069】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧品、皮膚用品または医薬品は、対応する調合物である。
【0070】
本発明の更なる対象は、次式(1)
R−OH (1)
[式中、Rは、炭素原子数5〜12、好ましくは6〜11の、炭素原子、水素原子、場合により及び酸素原子からなる基であり、そしてこれらの炭素原子は、飽和、不飽和及び/または芳香族炭素−炭素結合を介して、線状、分枝状及び/または環状に互いに結合することができ、そして前記の基はエーテル単位も含むことができ、個々の炭素原子には水素原子及び/またはヒドロキシ基が結合していることができる]
で表されるアルコールの抗菌有効性を向上するための、ソルビタンモノカプリレートの使用である。
【0071】
本発明の液状組成物の製造は、例えば、個々の成分を、場合により約50℃に軽く加温しながら、一緒に混合することによって行うことができる。
【0072】
以下の例及び使用例は本発明をより詳しく説明するものであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。全ての百分率の値は、他に特に明確に記載がなければ、重量パーセント(重量%)である。