(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のフィーダポート(58)のうちの1つのみが、対応するフィーダケーブル(42)を介して無線ユニット(40)へ接続される、請求項1のハイブリッドユニット(38)。
前記複数のフィーダポート(58)は、前記複数のフィーダポート(58)の各々が、対応するフィーダケーブル(42)を介して前記複数の無線ユニット(40)の異なる送受信機回路へ接続されるように、前記複数の無線ユニット(40)へ接続される、請求項1のハイブリッドユニット(38)。
前記複数のフィーダポート(58)は、個数Nのフィーダポートであり、前記複数のアンテナポート(56)は、個数Nの無線ポートであり、前記複数の無線ユニット(40)の各々は、前記複数の無線ユニット(40)における送受信機の総数がNに等しくなるように、1つ以上の送受信機を含む、請求項1のハイブリッドユニット(38)。
【背景技術】
【0003】
セルラ通信ネットワーク内においては、セルのうちのいくつか又は全ての各々が、2つ以上のセクタに区分され得る。例えば、
図1は、ここでは総じてセクタ12と称される3つのセクタ12−1、12−2、及び12−3に区分される、セルラ通信ネットワークのセル10を例示している。従来より、基地局又は基地局送受信機セット(BTS)は、セル10の中心に位置付けられ、セクタ12の各々について別個の増幅器及びアンテナを含む。アンテナは、隣接するセクタ12に部分的に重複することなく、対応するセクタ12を満たす、対応するビーム14−1〜14−3を放射する、いわゆるセクタアンテナである。従来の基地局については、セクタ12についての電力増幅器間における電力共用が存在せず、そのため、セクタ12の各々についての増幅器は、当該セクタ12についての最大電力レベル需要を充足するように設計されなければならない。加えて、電力増幅器のうちの1つ、又は対応する送信機が故障した場合、対応するセクタ12内のダウンリンクは完全に失われる。
【0004】
DIGITALLY CONVERTIBLE RADIOと題された米国特許第7,206,355号及びDIGITAL CONVERTIBLE RADIO SNR OPTIMIZATIONと題された米国特許第7,248,656号の各々は、デジタル変換可能無線機(DCR)の実施形態を開示している。1つの実施形態において、DCRは、複数個の並列的な電力増幅器を含み、当該電力増幅器のうちのどの1つも、最大セクタ電力レベル需要を充足するように設計されることを要しないように、電力増幅器間の電力共用を可能にする。より具体的には、
図2は、米国特許第7,206,355号及び米国特許第7,248,656号の教示によるDCR16の1つの実施形態を例示している。例示されるように、DCR16は、示されるように接続される、デジタルハイブリッドマトリクス(DHM)18と、アップコンバージョンモジュール20と、電力増幅器24−1〜24−3を含む電力増幅器モジュール22と、アナログハイブリッドマトリクス(AHM)26と、アンテナ28−1〜28−3とを含む。DHM18は、各々が1つのセルの異なるセクタのためのものである、複数個のデジタル送信信号(S
1〜S
3)を受信する。DHM18は、デジタル送信信号(S
1〜S
3)を分割及び合成して、変換済み送信信号(T
1〜T
3)を生成する。変換済み送信信号(T
1〜T
3)の各々は、デジタル送信信号(S
1〜S
3)の各々の成分を含む。より具体的には、米国特許第7,248,656号に開示されるように、デジタル送信信号(S
1〜S
3)に第1のセットの複素重みが適用され、結果的に生じる複素重み付けされたデジタル送信信号は、合成又は合計されて、第1の変換済み送信信号(T
1)を提供する。同様に、デジタル送信信号(S
1〜S
3)に第2のセットの複素重みが適用され、結果的に生じる複素重み付けされたデジタル送信信号は、合成又は合計されて、第2の変換済み送信信号(T
2)を提供し、デジタル送信信号(S
1〜S
3)に第3のセットの複素重みが適用され、結果的に生じる複素重み付けされたデジタル送信信号は、合成又は合計されて、第3の変換済み送信信号(T
3)を提供する。
【0005】
変換済み送信信号(T
1〜T
3)は、アップコンバージョンモジュール20により所望の無線周波数へアップコンバートされ、それにより、アップコンバートされた変換済み送信信号(T
1,UP〜T
3,UP)を提供する。電力増幅器モジュール22内の電力増幅器24−1〜24−3は次いで、アップコンバートされた変換済み送信信号(T
1,UP〜T
3,UP)を増幅して、無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)を提供する。AHM26は次いで、無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)を分割及び合成し、それにより、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)を生成する。注記すべきは、DHM18内の重みセットが、AHM26により出力される第1の無線周波数送信信号(A
1)が第1のデジタル送信信号(S
1)を表し、且つ、第1の無線周波数送信信号(A
1)内の第2及び第3のデジタル送信信号(S
2及びS
3)を表す成分が最小化され、好ましくは除去されるように、構成されるという点である。加えて、DHM18内の重みセットは、AHM26により出力される第2の無線周波数送信信号(A
2)が第2のデジタル送信信号(S
2)を表し、且つ、第2の無線周波数送信信号(A
2)内の第1及び第3のデジタル送信信号(S
1及びS
3)を表す成分が最小化され、好ましくは除去されるように、並びに、AHM26により出力される第3の無線周波数送信信号(A
3)が第3のデジタル送信信号(S
3)を表し、且つ、第3の無線周波数送信信号(A
3)内の第1及び第2のデジタル送信信号(S
1及びS
2)を表す成分が最小化され、好ましくは除去されるように、構成される。
【0006】
DHM18の複素重みを構成するために、DCR16は、ダウンコンバージョンモジュール30と、相関モジュール32と、アダプタ34とを含むフィードバック経路を含む。ダウンコンバージョンモジュール30、相関モジュール32、及びアダプタ34の動作と、DHM18についての複素重みを計算するためのアルゴリズムとについては、米国特許第7,248,656号に記載されている。一般に、上で論じたように、複素重みは、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)がAHM26により出力されるように構成される。
【0007】
DCR16の重要な利点は、DHM18及びAHM26を使用することにより、電力増幅器24−1〜24−3間において、コヒーレントな電力共用が提供されることである。その結果、電力増幅器24−1〜24−3のうちのどの1つも、最大セクタ電力レベル需要を充足するように設計されることを要しない。加えて、電力増幅器24−1〜24−3のうちのいずれか1つが故障した場合、DCR16は、幾分か低下した動作モードではあるものの、全ての3つのセクタにおいて動作を提供することが可能とされる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に明記される実施形態は、当業者による実施形態の実施を可能にするのに必要な情報を表現し、実施形態を実践するベストモードを例示する。当業者は、添付の図面に照らして以下の説明を読むと、この開示の概念を理解するであろうし、ここでは特段に扱われていない、これら概念の適用例を認めるであろう。これら概念及び適用例が、この開示及び添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることを理解されるべきである。
【0017】
セルラ通信ネットワーク内の基地局のための、構成可能な数の無線ユニットをサポートするハイブリッドユニットの実施形態が開示される。加えて、分散型デジタル変換可能無線機(DDCR)の実施形態も開示される。この点に関し、
図3は、本開示の1つの実施形態による、再構成可能な数の無線ユニット40−1〜40−3へ接続されるハイブリッドユニット38を含む基地局36を例示している。無線ユニット40−1〜40−3は、ここではより総じて、集合的には無線ユニット(複数)40と、個々には無線ユニット(単数)40と称され得る。以下に詳細に論じるように、この実施形態において、無線ユニット40は、DDCRUである。ハイブリッドユニット38は、ここでは総じて、集合的にはフィーダケーブル(複数)42と、個々にはフィーダケーブル(単数)42と称されるフィーダケーブル42−1〜42−3を介して、少なくとも1つであって全部で3つまでの無線ユニット40へ接続される。この実施形態では、ハイブリッドユニット38が、少なくとも1つであって3つまでの無線ユニット40へ接続されているが、ハイブリッドユニット38は、どのような所望の数までの無線ユニット40(例えば、4個、8個、16個など)をもサポートするように設計されてよいことに留意されたい。この実施形態において、ハイブリッドユニット38は、少なくとも無線ユニット40−1へ接続されているが、無線ユニット40−2及び40−3を例示する破線により示されるように、所望される場合には、無線ユニット40−2及び40−3へ付加的に接続されてもよい。例えば、基地局36の初期配備の時点において、事業者は、1つの無線ユニット(例えば、無線ユニット40−1)のみをハイブリッドユニット38へ接続し得る。キャパシティの増加が必要になるのに伴い、事業者は次いで、付加的な無線ユニット(例えば、無線ユニット40−2及び40−3)を接続して、付加的なキャパシティを獲得し得る。
【0018】
ハイブリッドユニット38は、無線ユニット40の外部の別個のものである。ハイブリッドユニット38は、アナログハイブリッドマトリクス(AHM)44を含み、当該AHM44は、この例において、3×3のAHMである。加えて、この実施形態において、ハイブリッドユニット38は、示されるように、互いに及びAHM44へ接続される、マルチプレクサ46−1〜46−3(ここでは総じて、集合的にはマルチプレクサ(複数)46と、個々にはマルチプレクサ(単数)46と称される)、ミクサ48−1〜48−3(ここでは総じて、集合的にはミクサ(複数)48と、個々にはミクサ(単数)48と称される)、及び、カプラ50−1〜50−3(ここでは総じて、集合的にはカプラ(複数)50と、個々にはカプラ(単数)50と称される)を含む。この実施形態において、基地局36は、3セクタのセルにサービスし、各セクタについて1つの、3つのアンテナ52−1〜52−3(ここでは総じて、集合的にはアンテナ(複数)52と、個々にはアンテナ(単数)52と称される)を含む。加えて、基地局36は、示されるように、タワーマウント型増幅器ユニット(TMA)54−1〜54−3(ここでは総じて、集合的にはTMA(複数)54と、個々にはTMA(単数)54と称される)を含む。
【0019】
AHM44は、TMA54−1〜54−3を介してアンテナ52−1〜52−3へそれぞれ接続される、3つのアンテナポート56−1〜56−3(ここでは総じて、集合的にはアンテナポート(複数)56と、個々にはアンテナポート(単数)56と称される)を含む。しかしながら、TMA54は任意選択であり、そのため、基地局36のいくつかの実施形態又は実装例においては含まれていないことがあり得る旨に留意されたい。AHM44は、当該AHM44がフィーダケーブル42−1〜42−3を介して無線ユニット40−1〜40−3のうちの1つ以上へそれぞれ接続することを可能にする、3つのフィーダポート58−1〜58−3(ここでは総じて、集合的にはフィーダポート(複数)58と、個々にはフィーダポート(単数)58と称される)も含む。この例において、AHM44は、3つのアンテナポート56及び3つのフィーダポート58を有する3×3のAHMであるが、AHM44がそれに限定されないことに留意されたい。AHM44は、より一般的には、N×NのAHMであり、ここでNは、ハイブリッドユニット38がN個までのあらゆる数の送受信機を有する複数個の無線ユニット40と、N個までのあらゆる数のアンテナ52とをサポートすることが可能であるように、2以上である。
【0020】
無線ユニット40−1は、示されるように接続される、分散型デジタルハイブリッドマトリクス(DDHM)コンポーネント60−1と、送受信機を共に形成する送信機62−1及び受信機64−1と、マルチプレクサ66−1と、局部発振器68とを含む。無線ユニット40−1のフィーダポートは、マルチプレクサ66−1の出力をフィーダケーブル42−1へ接続する。無線ユニット40−2は、示されるように接続される、DDHMコンポーネント60−2と、送信機62−2と、受信機64−2とを含む。無線ユニット40−2のフィーダポートは、マルチプレクサ66−2の出力をフィーダケーブル42−2へ接続する。同様に、無線ユニット40−3は、示されるように接続される、DDHMコンポーネント60−3と、送信機62−3と、受信機64−3とを含む。無線ユニット40−3のフィーダポートは、マルチプレクサ66−3の出力をフィーダケーブル42−3へ接続する。注記すべきは、この実施形態における無線ユニット40の各々が1つの送信機62しか含んでいないものの、本開示はそれに限定されないという点である。無線ユニット40の各々は、あらゆる数の、1つ以上の送信機62を含んでよい。しかしながら、無線ユニット40のうちのいずれかが複数個の送信機62を含む場合、各送信機62については、別個のフィーダケーブル42と、従って、AHM44の別個のフィーダポート58とが使用されることに留意されたい。無線ユニット40のマルチプレクサ66及びハイブリッドユニット38のマルチプレクサ46は、ハイブリッドユニット38からの変換済み無線周波数受信信号と、送信機62からの無線周波数変換済み送信信号と、局部発振器68からのリファレンス局部発振器信号(LO
REF)と、ハイブリッドユニット38からのフィードバック信号(FBR
A1〜FBR
A3)とを、対応するフィーダケーブル42上に多重化するように動作する。
【0021】
複数の無線ユニット40のDDHMコンポーネント60は共に、DDHM70を形成する。この特定の実施形態において、DDHM70は、複数の無線ユニット40をまたいで分散させた3×3のDHMである。しかしながら、DDHM70が、3×3のDDHMに限定されず、より一般的には、あらゆる数であるN個のデジタル送信信号と、あらゆる数のアンテナ52とをサポートするためにN×NのDDHMであり得ることに留意されたい。一般に、DDHMコンポーネント60は、DDHM70が実質的にAHM44の逆であるように構成される。加えて、DDHMコンポーネント60は、好ましくは、DDHMコンポーネント60とAHM44との間のあらゆるダウンストリームエラーを補償するように、さらに構成される。リファレンス局部発振器信号(LO
REF)が、無線ユニット40の適正な動作に必要とされる、無線ユニット40間の位相ロックを可能にすることに留意されたい。
【0022】
図4は、本開示の1つの実施形態による、無線ユニット40、特に、DDHMコンポーネント60をより詳細に例示する。例示されるように、DDHMコンポーネント60−1は、デジタル送信信号S
1〜S
3に複素重みW
11、W
21、及びW
31をそれぞれ適用する複素重み付け関数72
11、72
21、及び72
31を含む。最も一般的なケースにおいて、各重みは、周波数の関数として最適化された値の配列である。結果的に生じる、重み付けされたデジタル送信信号は、sum関数74−1により合成され、それにより、変換済み送信信号T
1を提供する。同様に、DDHMコンポーネント60−2は、デジタル送信信号S
1〜S
3に複素重みW
12、W
22、及びW
32をそれぞれ適用する複素重み付け関数72
12、72
22、及び72
32を含む。結果的に生じる、重み付けされたデジタル送信信号は、sum関数74−2により合成され、それにより、変換済み送信信号T
2を提供する。同じ態様で、DDHMコンポーネント60−3は、デジタル送信信号S
1〜S
3に複素重みW
13、W
23、及びW
33をそれぞれ適用する複素重み付け関数72
13、72
23、及び72
33を含む。結果的に生じる、重み付けされたデジタル送信信号は、sum関数74−3により合成され、それにより、変換済み送信信号T
3を提供する。
【0023】
DDHMコンポーネント60−1の複素重みW
11、W
21、及びW
31と、DDHMコンポーネント60−2の複素重みW
12、W
22、及びW
32と、DDHMコンポーネント60−3の複素重みW
13、W
23、及びW
33とは、相関ユニット78−1〜78−3の出力に基づき、無線ユニット40−1内のアダプタ76により適応的に構成される。アダプタ76が、代替的に、他の無線ユニット40−2又は40−3のうちの1つ内に位置してもよいことに留意されたい。同様に、無線ユニット40−1〜40−3のうちの1つ内の単一の相関ユニットが、相関ユニット78−1〜78−3に取って代わってもよい。1つの好適な実施形態において、アダプタ76及び相関ユニット78−1〜78−3は、全体として参照によりここに取り入れられる米国特許第7,248,656号に記載されるアルゴリズムを使用して、複素重みW
11、W
21、W
31、W
12、W
22、W
32、W
13、W
23、及びW
33を構成するように動作する。複素重みW
11、W
21、W
31、W
12、W
22、W
32、W
13、W
23、及びW
33は、変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)内で表されるデジタル送信信号S
2及びS
3の成分がAHM44のアンテナポート56−1において生成される無線周波数送信信号A
1において最小化され、変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)内で表されるデジタル送信信号S
1及びS
3の成分がAHM44のアンテナポート56−2において生成される無線周波数送信信号A
2において最小化され、且つ、変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)内で表されるデジタル送信信号S
1及びS
2の成分がAHM44のアンテナポート56−3において生成される無線周波数送信信号A
3において最小化されるように、アダプタ76により構成される。このことは、無線ユニット40のうちの1つ、2つ、それとも3つのいずれがハイブリッドユニット38へ接続されているのか、又は、無線ユニット40のうちのいずれかの送信機62が故障しているかどうか、に関わらず当てはまる。
【0024】
アダプタ76が無線ユニット40−2及び40−3に複素重みW
12、W
22、W
32、W
13、W
23、及びW
33を渡す態様は、特定の実装例に依存して変動し得る。一般に、いずれかの適切な技法又はインタフェースが使用されてよい。例えば、アダプタ76は、無線ユニット40間のダイレクトインタフェースを使用して、複素重みを渡し得る。他の一例として、アダプタ76は、デジタル送信信号(S
1〜S
3)の生成及び無線ユニット40への送信も行うモデム80(ベースバンドユニットとしても知られている)を介して、複素重みを渡し得る。
【0025】
図5は、本開示の1つの実施形態による、この例においては無線ユニット40−1である無線ユニット40のうちの1つのみがハイブリッドユニット38へ接続されている、
図3の基地局36を例示する。動作中に、基地局36からのダウンリンクについて、DDHMコンポーネント60−1は、デジタル送信信号S
1のみを受信し、変換済み送信信号T
1を生成する。このケースにおいて、デジタル送信信号S
2及びS
3が存在しないため、変換済み送信信号Τ
1は、デジタル送信信号S
1の複素重み付けされたバージョンである。送信機62−1は、変換済み送信信号Τ
1をアップコンバートして増幅し、それにより、無線周波数変換済み送信信号T
1,RFを提供する。マルチプレクサ66−1は、無線周波数変換済み送信信号T
1,RFを、変換済み無線周波数受信信号、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A3と共にフィーダケーブル42−1上に多重化する。
【0026】
ハイブリッドユニット38において、無線周波数変換済み送信信号T
1,RFは、マルチプレクサ46−1を介してフィーダポート58−1に提供される。しかしながら、無線ユニット40−2及び40−3が接続されていないため、フィーダポート58−2及び58−3において入力は存在しない。フィーダポート58−2及び58−3において入力が存在しないため、AHM44は、無線周波数変換済み送信信号T
1,RFを分割し、それにより、アンテナポート56−1〜56−3の各々において無線周波数送信信号A
1〜A
3)を提供する、ように動作する。この実施形態において、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)は、同じ無線周波数送信信号であるが、AHM44の所望の変換関数に従って異なる位相シフトを有する。
【0027】
基地局36へのアップリンクについて、無線周波数受信信号が、アンテナ52−1〜52−3において受信され、対応するTMA54−1〜54−3を経由してAHM44のアンテナポート56−1〜56−3に渡される。この実施形態において、TMA54−1〜54−3は、アンテナポート56−1〜56−3に提供される無線周波数受信信号の各々が、異なる搬送周波数において存在するように、無線周波数受信信号に異なる周波数シフトを適用するように構成される。例えば、TMA54−1は、アップリンクチャネルのアップリンク搬送周波数fの中央を基準として−Δfの周波数シフトを適用することがあり得、Δfはfを基準として相対的に小さく、TMA54−2は、0の周波数シフトを適用することがあり得、TMA54−3は、アップリンク搬送周波数fの中央を基準としてΔfの周波数シフトを適用することがあり得る。TMA54−1〜54−3により適用される周波数シフトに関するさらなる詳細について、関心のある読者は、2008年11月20日に公開され、TMA54と当該TMA54により適用される周波数シフトとに対するその教示について、ここで参照によりここに取り入れられる、METHOD AND APPARATUS FOR CONVERTING BETWEEN A MULTI-SECTOR, OMNI-BASE STATION CONFIGURATION AND A MULTI-SECTOR BASE STATION CONFIGURATIONと題された、米国特許出願公開第2008/0287163号を参照されたい。
【0028】
AHM44は、当該AHM44の所望の変換関数に従って、周波数シフトされた無線周波数受信信号を分割及び合成し、それにより、フィーダポート58−1〜58−3において変換済み無線周波数受信信号(R
1,RF〜R
3,RF)をそれぞれ提供する。注記すべきは、無線ユニット40がフィーダポート58へ接続されているかどうかに関係なく、AHM44が、フィーダポート58−1〜58−3において変換済み無線周波数受信信号(R
1,RF〜R
3,RF)を提供するという点である。その結果、無線ユニット40が接続されるか、接続解除されるか、又は故障した場合に、AHM44は再構成される必要がない。
【0029】
概して、変換済み無線周波数受信信号(R
1,RF〜R
3,RF)の各々は、周波数シフトされた無線周波数受信信号の各々についての成分を含む。より具体的には、1つの特定の実施形態において、AHM44は、以下のように定義された、アップリンク方向における伝達関数を有する:
【0031】
ここでR
ANT1は、アンテナポート56−1において受信された無線周波数受信信号であり、R
ANT2は、アンテナポート56−2において受信された無線周波数受信信号であり、R
ANT3は、アンテナポート56−3において受信された無線周波数受信信号である。そのため、変換済み無線周波数受信信号R
1,RFは、0度、120度、及び240度の位相においてそれぞれ、周波数シフトされた無線周波数受信信号の成分を有する。同様の態様で、変換済み無線周波数受信信号R
2,RFは、0度、0度、及び0度の位相においてそれぞれ、周波数シフトされた無線周波数受信信号の成分を有し、変換済み無線周波数受信信号R
3,RFは、0度、−120度、及び−240度の位相においてそれぞれ、周波数シフトされた無線周波数受信信号の成分を有する。当業者により認識されるように、AHM44の変換関数が、そのサイズに依存して変動することに留意されたい。例えば、4×4のAHMは、上で提示された3×3のAHMの変換関数とは異なる変換関数を有する。
【0032】
マルチプレクサ46−1は、変換済み無線周波数受信信号R
1,RFを、無線周波数変換済み送信信号T
1,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A3と共に、フィーダケーブル42−1上に多重化する。無線ユニット40−1において、マルチプレクサ66−1は、変換済み無線周波数受信信号R
1,RFを受信機64−1に提供し、当該受信機64−1は、当該変換済み無線周波数受信信号R
1,RFをベースバンド又は所望の中間周波数へダウンコンバートし、それにより、受信信号R
1を提供する。TMA54により適用される周波数シフトに起因して、受信信号R
1内の無線周波数受信信号についての複数の成分は、アップリンク中央周波数を基準として異なる周波数に位置付けられる。そのため、無線機は、受信信号R
1から無線周波数受信信号の各々のベースバンド表現を提供することが可能である。モデム80(
図4)が受信信号R
1を処理して、無線周波数受信信号の各々の別個のベースバンド表現を獲得すること、が可能である旨に留意されたい。
【0033】
図6は、本開示の他の実施形態による、無線ユニット40の全て3つがハイブリッドユニット38へ接続されている、
図3の基地局36を例示する。動作中に、基地局36からのダウンリンクについて、DDHMコンポーネント60は、デジタル送信信号(S
1〜S
3)を受信し、DDHM70の所望の変換関数に従って、デジタル送信信号(S
1〜S
3)を分割及び合成し、それにより、変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)を生成する。変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)の各々は、デジタル送信信号(S
1〜S
3)の各々についての成分を含む。より具体的には、上で論じたように、DDHMコンポーネント60−1は、複素重みW
11、W
21、及びW
31に従って、デジタル送信信号(S
1〜S
3)にそれぞれ重み付けし、結果的に生じる、複素重み付けされたデジタル送信信号を合成して、変換済み送信信号T
1を提供する。同様に、DDHMコンポーネント60−2は、複素重みW
12、W
22、及びW
32に従って、デジタル送信信号(S
1〜S
3)にそれぞれ重み付けし、結果的に生じる、複素重み付けされたデジタル送信信号を合成して、変換済み送信信号T
2を提供し、DDHMコンポーネント60−3は、複素重みW
13、W
23、及びW
33に従って、デジタル送信信号(S
1〜S
3)にそれぞれ重み付けし、結果的に生じる、複素重み付けされたデジタル送信信号を合成して、変換済み送信信号T
3を提供する。
【0034】
送信機62−1〜62−3は、変換済み送信信号(Τ
1〜T
3)をそれぞれアップコンバートして増幅し、それにより、無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)を提供する。マルチプレクサ66−1は、無線周波数変換済み送信信号T
1,RFを、変換済み無線周波数受信信号R
1,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A3と共に、フィーダケーブル42−1上に多重化する。同様に、マルチプレクサ66−2は、無線周波数変換済み送信信号T
2,RFを、変換済み無線周波数受信信号R
2,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A2と共に、フィーダケーブル42−2上に多重化し、マルチプレクサ66−3は、無線周波数変換済み送信信号T
3,RFを、変換済み無線周波数受信信号R
3,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A1と共に、フィーダケーブル42−3上に多重化する。
【0035】
ハイブリッドユニット38において、変換済み送信信号(T
1〜T
3)は、マルチプレクサ46−1〜46−3を介してフィーダポート58−1〜58−3にそれぞれ提供される。AHM44は、ダウンリンクについてのAHM44の所望の変換関数に従って変換済み送信信号(T
1〜T
3)を分割及び合成し、それにより、アンテナポート56−1〜56−3においてそれぞれ、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)を生成する。より具体的には、1つの特定の実施形態において、AHM44は、以下のように定義された、ダウンリンクについての伝達関数を有する:
【0037】
DDHM70は、無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)がAHM44により分割及び合成される際に、当該無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)内で表されるデジタル送信信号S
2及びS
3の成分が、アンテナポート56−1において生成される無線周波数送信信号A
1内で最小化されるか、又は可能性として除去され、当該無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)内で表されるデジタル送信信号S
1及びS
3の成分が、アンテナポート56−2において生成される無線周波数送信信号A
2内で最小化されるか、又は可能性として除去され、且つ、当該無線周波数変換済み送信信号(T
1,RF〜T
3,RF)内で表されるデジタル送信信号S
1及びS
2の成分が、アンテナポート56−3において生成される無線周波数送信信号A
3内で最小化されるか、又は可能性として除去される、ように構成される。この態様で、無線周波数送信信号A
1は、デジタル送信信号S
1の無線周波数表現であり、無線周波数送信信号A
2は、デジタル送信信号S
2の無線周波数表現であり、無線周波数送信信号A
3は、デジタル送信信号S
3の無線周波数表現である。無線周波数送信信号(A
1〜A
3)は次いで、TMA54−1〜54−3を介してアンテナ52−1〜52−3にそれぞれ出力される。しかしながら、ダウンリンクについては、TMA54−1〜54−3が周波数シフトを適用しないことに留意されたい。むしろ、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)は、対応するアンテナ52−1〜52−3に渡される。
【0038】
基地局36へのアップリンクについて、無線周波数受信信号は、アンテナ52−1〜52−3において受信され、対応するTMA54−1〜54−3を経由してアンテナポート56−1〜56−3にそれぞれ渡される。この実施形態において、TMA54−1〜54−3は、以下のものに限定されないが、0度の周波数シフトといった、同じ周波数シフトを適用するように構成される。AHM44は、当該AHM44の所望の変換関数に従って、TMA54−1〜54−3からの無線周波数受信信号をそれぞれ分割及び合成し、それにより、フィーダポート58−1〜58−3においてそれぞれ、変換済み無線周波数受信信号(R
1,RF〜R
3,RF)を提供する。上で論じたように、変換済み無線周波数受信信号(R
1,RF〜R
3,RF)の各々は、周波数シフトされた無線周波数受信信号の各々についての成分を含む。
【0039】
マルチプレクサ46−1は、変換済み無線周波数受信信号R
1,RFを、無線周波数変換済み送信信号T
1,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A3と共に、フィーダケーブル42−1上に多重化する。無線ユニット40−1において、マルチプレクサ66−1は、変換済み無線周波数受信信号R
1,RFを受信機64−1に提供し、当該受信機64−1は、当該変換済み無線周波数受信信号R
1,RFをベースバンド又は所望の中間周波数へダウンコンバートし、それにより、受信信号R
1を提供する。同様に、マルチプレクサ46−2は、変換済み無線周波数受信信号R
2,RFを、無線周波数変換済み送信信号T
2,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A2と共に、フィーダケーブル42−2上に多重化する。無線ユニット40−2において、マルチプレクサ66−2は、変換済み無線周波数受信信号R
2,RFを受信機64−2に提供し、当該受信機64−2は、変換済み無線周波数受信信号R
2,RFをベースバンド又は所望の中間周波数へダウンコンバートし、それにより、受信信号R
2を提供する。最後に、マルチプレクサ46−3は、変換済み無線周波数受信信号R
3,RFを、無線周波数変換済み送信信号T
3,RF、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)、及びフィードバック信号FBR
A1と共に、フィーダケーブル42−3上に多重化する。無線ユニット40−3において、マルチプレクサ66−3は、変換済み無線周波数受信信号R
3,RFを受信機64−3に提供し、当該受信機64−3は、変換済み無線周波数受信信号R
3,RFをベースバンド又は所望の中間周波数へダウンコンバートし、それにより、受信信号R
3を提供する。モデム80(
図4)は次いで、通常の復調処理の一部として、逆AHM関数を実行して、受信機64−1〜64−3からのダウンコンバートされた変換済み無線周波数受信信号から、無線周波数受信信号のベースバンド表現を復元する。
【0040】
図7は、
図3の基地局36と実質的に同じであるものの、無線周波数送信信号(A
1〜A
3)のどの1つについてのフィードバック信号(FBR)も無線ユニット40のいずれにも提供されることが可能である、基地局36の一実施形態を例示する。より具体的には、この実施形態において、ハイブリッドユニット38は、示されるように接続される、スイッチ82、ミクサ84、及びスプリッタ86を含む。スイッチ82は、無線周波数送信信号のうちの選択された1つ(A
1、A
2、又はA
3)が、適切な局部発振器信号(図示せず)を使用した所望の周波数へのダウンコンバージョンのためにミクサ84に提供され、次いで、マルチプレクサ46−1〜46−3を介して無線ユニット40の全てに提供されるように、制御される。
【0041】
図8は、
図7の基地局36と実質的に同じであるものの、スイッチ82からのフィードバック信号(FBR)が別個のフィーダケーブル88を介して無線ユニット40へ通信される基地局36の一実施形態を例示する。この実施形態において、スプリッタ86は、ハイブリッドユニット38の一部ではなく、むしろ無線ユニット40に関連付けられている。FBRは、スプリッタ86により分割され、いずれかの適切な接続を介して無線ユニット40に提供される。
【0042】
図9は、
図8の基地局36と実質的に同じであるものの、リファレンス局部発振器信号(LO
REF)が、フィーダケーブル42−1〜42−3上に多重化されるよりもむしろ、別個の接続を介して無線ユニット40間で通信される基地局36の一実施形態を例示する。
【0043】
以下の頭字語は、この開示全体にわたって使用される。
・AHM Analog Hybrid Matrix
・BTS Base Station Transceiver Set
・DCR Digitally Convertible Radio
・DDCR Distributed Digital Convertible Radio
・DDCRU Distributed Digital Convertible Radio Unit
・DDHM Distributed Digital Hybrid Matrix
・DHM Digital Hybrid Matrix
・TMA Tower Mounted Amplifier
【0044】
当業者は、本開示の好適な実施形態に対する改善例及び修正例を認めるであろう。全てのこのような改善例及び修正例は、ここで開示される概念及び以下に続く特許請求の範囲の範囲内にあると考えられる。