特許第6093092号(P6093092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093092
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】車両用エアベントのデュアルダンパ装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20170227BHJP
   F24F 13/15 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   B60H1/34 631
   F24F13/15 B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-518259(P2016-518259)
(86)(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公表番号】特表2016-535694(P2016-535694A)
(43)【公表日】2016年11月17日
(86)【国際出願番号】KR2014004597
(87)【国際公開番号】WO2014196754
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2016年5月12日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0064905
(32)【優先日】2013年6月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515258114
【氏名又は名称】株式会社ニフココリア
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジホン
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−106969(JP,A)
【文献】 実開平05−042954(JP,U)
【文献】 実開平02−115712(JP,U)
【文献】 米国特許第6881139(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用エアベントのデュアルダンパ装置であって、
内部の空気通路(13)を二分する隔壁(14)を備え、その一端に形成された導入部(11)に対して他端に形成された吹出部(12)が傾斜して配置されるように曲げられたダクトハウジング(10)と、
前記導入部(11)の前記空気通路(13)に回動可能に取り付けられ、前記空気通路(13)を開閉する1対のダンパ(20)と、
前記ダクトハウジング(10)の前記吹出部(12)の外面に回動可能に取り付けられ、正面側に形成された操作面(32)及び背面側に形成された挿入孔(33)を有するダイヤルノブ(30)と、
その上部に形成され、前記ダイヤルノブ(30)の前記挿入孔(33)に垂直に結合されたノブ嵌入部(41)、及びその内側に形成された細長いガイド溝(42)を有するダイヤルブッシュ(40)と、
各々において、一端が前記1対のダンパ(20)の対応する一方に対して垂直に結合され、他端にリンク嵌入孔(52)が形成されている1対のダンパブッシュ(50)と、
その上部から突出し、前記ダイヤルブッシュ(40)の前記ガイド溝(42)に嵌入されたガイドピン(61)及びその背面の左右両側に各々形成され、前記1対のダンパブッシュ(50)の前記リンク嵌入孔(52)に結合されたブッシュ嵌入部(62)を有するブッシュリンク(60)とを含むことを特徴とする車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【請求項2】
前記ダクトハウジング(10)が、ダイヤル支持部材(70)をさらに含み、
前記ダイヤル支持部材(70)に対して前記ダイヤルノブ(30)が回動可能に結合されており、かつ前記ダイヤル支持部材(70)が前記吹出部(12)の前記外面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【請求項3】
前記ダクトハウジング(10)が、内部の前記空気通路(13)を二分する前記隔壁(14)の中央部の両側面、及び前記導入部(11)の両内側面のそれぞれの上部及び下部に設けられたダンパ保持用の段状突起(15)をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【請求項4】
前記1対のダンパのそれぞれの回転軸、左右の前記ブッシュ嵌入部(62)、及び前記ガイドピン(61)は、互いに略平行に延び、
前記ダイヤルノブ(30)の回転軸は、前記ガイドピン(61)と略垂直となる方向に延びていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【請求項5】
前記1対のダンパ(20)のそれぞれの回転軸、左右の前記ブッシュ嵌入部(62)、及び前記ガイドピン(61)は、水平方向に延び、
前記ダイヤルノブ(30)は水平方向に回動することを特徴とする請求項4に記載の車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【請求項6】
前記ノブ嵌入部(41)は、前記挿入孔(33)に回動可能に嵌入され、
前記ブッシュ嵌入部(62)は、前記リンク嵌入孔(52)に回動可能に嵌入され、
前記ガイドピン(61)は、前記ガイド溝(42)に変位可能に嵌入されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の車両用エアベントのデュアルダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用エアベントのデュアルダンパ装置であって、空気の導入部及び吹出部を有するダクトハウジングを備え、導入部に対して吹出部が傾斜して配置されるようにダクトハウジングが曲げられており、該ダクトハウジングに、1つのダイヤルノブの操作によってエアベントハウジングの空気通路を開閉する1対のダンパが設けられている、車両用エアベントのデュアルダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両用エアベントには、空気通路を備えたエアベントハウジングと、該エアベントハウジングの空気通路を開閉するためのダンパと、該ダンパを操作するためのノブとが含まれている。
【0003】
車両用エアベントに設けられたダンパを操作するノブに関して、スライド式ノブ及びダイヤル式ノブが主に使用されており、そのようなダイヤル式ノブとダンパとを接続するには操作部材が必要とされる。
【0004】
そのようなダイヤル式ノブを用いた先行技術のエアベントを図1に示す(韓国特許公報第10−0736981号明細書(『4バー・リンクを用いたエアベントダンパ』,2007年7月2日登録)(特許文献1)を参照)。特許文献1には、ダンパドアを回動させるための技術も開示されている。すなわち、ダクト5の外側にノブ6が取り付けられており、該ノブ6はダンパロッド8の一端に結合されており、ダンパロッド8の他端には、ダクト5の内側に回動可能に設けられたダンパドア(図示せず)を回動させるためのダンパリンク7が接続されており、ノブ6の回転力によってダンパドアを回動させるようになっている。
【0005】
その一方で、上記の車両用エアベントは、エアベントハウジングの空気通路が幅広である場合に1つのダンパによって空気通路を開閉させることが困難であるという欠点がある。したがって、エアベントハウジングの内部の中央に隔壁を設け、1対のダンパ(同時にダイヤルノブとしても作動する)によって空気通路の開閉を行う。
【0006】
しかし、上記の先行技術にも問題がある。このエアベントにおいては、ダイヤルノブと1対のダンパとが複数のリンク部材を用いて接続されているので、多数の部品が必要なために製造が複雑になり、また1対のダンパを同時に円滑に操作することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公報第10−0736981号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両用エアベントのデュアルダンパ装置であって、空気の導入部及び吹出部を有するダクトハウジングを備え、導入部に対して吹出部が傾斜して配置されるようにダクトハウジングが曲げられており、該ダクトハウジングに、エアベントハウジングの空気通路を開閉するための1対のダンパが設けられている、車両用エアベントのデュアルダンパ装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、車両用エアベントのデュアルダンパ装置であって、ダイヤルノブの回転運動がブッシュリンクの直線運動に変換され、該ブッシュリンクの直線運動によって1対のダンパが回動するように構成した車両用エアベントのデュアルダンパ装置を提供することである。このように構成することによって、傾斜して形成されたダクトハウジングの形状に制限されることなく、デュアルダンパ装置の設置及び操作を簡単に行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記及び他の目的を達成するために、車両用エアベントのデュアルダンパ装置は、内部の空気通路13を二分するための隔壁14を備え、その一端に形成された導入部11に対して他端に形成された吹出部12が傾斜して配置されるように曲げられているダクトハウジング10と、導入部11の空気通路13に回動可能に設けられ、空気通路13を開閉する1対のダンパ20と、ダクトハウジング10の吹出部12の外面上に回動可能に取り付けられ、正面側に形成された操作面32及び背面側に形成された挿入孔33を有するダイヤルノブ30と、その上部に形成され、ダイヤルノブ30の挿入孔33に垂直に結合されたノブ嵌入部41、及び内側に形成された細長いガイド溝42を有するダイヤルブッシュ40と、各々において、一端が1対のダンパ20の対応する一方に対して垂直に結合され、他端にリンク嵌入孔52が形成されている1対のダンパブッシュ50と、ダイヤルブッシュ40のガイド溝42に嵌入される上方部分から突出させたガイドピン61及び1対のダンパブッシュ50のリンク嵌入孔52に結合されるように背面の左右両側に各々形成されたブッシュ嵌入部62を有するブッシュリンク60とを含む。
【0011】
加えて、ダクトハウジング10は、ダイヤル支持部材70をさらに含む。ダイヤル支持部材70は、ダイヤルノブ30が回動可能に結合された後に、吹出部12の外面に固定される。ダクトハウジング10には、ダンパ保持用の段状突起15が、内部の空気通路13を二分する隔壁14の中央部の両側面及び導入部11の両内側面のそれぞれの上部及び下部に突設されている。
【発明の効果】
【0012】
ダクトハウジングが大きく曲がっている構造体において上記の構成をとる本発明の車両用エアベントのデュアルダンパ装置を用いることで、1つのノブを回動させるだけで1対のダンパを安定的に操作することができ、それによって、ユーザの利便性が促進される。
【0013】
さらに、1つのダイヤルノブを用いて1対のダンパを開閉することもできる。したがって、少数部品での製造が可能になり、重量及び製造費の削減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】先行技術のエアベントの構造を示す斜視図。
図2】本発明の或る好適実施形態を示す底面斜視図。
図3】本発明の構造体を示す分解斜視図。
図4】本発明の構造体を組み立てられた状態で示す斜視図。
図5a】本発明の実施形態の操作態様の1つを示す底面図。
図5b】本発明の実施形態の操作態様の1つを示す底面図。
図5c】本発明の実施形態の操作態様の1つを示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参照して構造に関して詳細に説明する。
【0016】
本発明の車両用エアベントのデュアルダンパ装置は、空気の導入部及び吹出部を有するダクトハウジングを備え、導入部に対して吹出部が傾斜して配置されるようにダクトハウジングが曲げられており、該ダクトハウジングに、1つのダイヤルノブを操作することによってエアベントハウジングの空気通路を開閉するための1対のダンパが設けられている。
【0017】
先ず、図2図4を参照して、本明細書において用いられる方向の大まかな基準を説明する。本発明は、後部座席に向けて風を出すためのエアベントであって、インストルメントパネル中央のコンソールボックスの後側に設けられたエアベントの位置特性によりダクトハウジング10が曲げられて形成されているエアベントに関する。
【0018】
ダクトハウジング10は、内部の空気通路13を二分する隔壁14と、ダクトハウジング10の一端において垂直に形成された下方部分に設けられた、空気を導入するための導入部11と、ダクトハウジング10の他端において導入部に対して曲げられて形成された、導入された空気を吹き出すための吹出部12とを含む。
【0019】
このとき、ダクトハウジング10の導入部11において、空気通路13に、該空気通路13を開閉するための1対のダンパ20が回動可能に設けられている。
【0020】
すなわち、1対のダンパ20がダクトハウジング10の導入部側に水平に設けられており、各ダンパ20は、空気通路13に配置された密閉プレート21と、ダクトハウジング10のヒンジ結合孔に結合するように密閉プレート21の中央に設けられた回転軸22と、ダンパ20の前方部分の中央に設けられたダンパブッシュ結合部23とを含む。
【0021】
1対のダンパブッシュ50は各々1対のダンパ20の対応する一方に対して垂直に結合されており、各ダンパブッシュ50は、一端(下方部分)において弾性接続部材51が設けられ、一端(上方部分)においてリンク嵌入孔52が形成されている。
【0022】
よって、ダンパブッシュ50がダンパ20に対して垂直に結合されるように、かつダンパブッシュ50の上方部分の運動を受けてダンパブッシュ50の下方部分に結合されたダンパ20が回動するように、ダンパ20のダンパブッシュ結合部23に弾性接続部材51が嵌入される。
【0023】
加えて、ダクトハウジング10の吹出部12の外面上には、ダイヤルノブ30が回動可能に取り付けられており、ダイヤルノブ30は固定軸31を含み、固定軸31は、ダイヤル支持部材70の、上面及び下面の中央部に形成された結合孔71に挿入されて固定される。ダイヤルノブ30の外周部の正面側には、ダクトハウジング10の正面部分に露出されるように操作面32が形成されており、外周部の背面側には、ダイヤルブッシュ40を嵌入するための挿入孔33が形成されている。
【0024】
ダイヤルブッシュ40はロッド形状をなしており、ダイヤルブッシュ40の上部には、ダイヤルノブ30の挿入孔33に対して垂直に嵌入されるようにノブ嵌入部41が形成されており、ダイヤルブッシュ40の内側には、細長いガイド溝42が形成されている。
【0025】
ダイヤルノブ30に対して垂直に結合されるダイヤルブッシュ40と、ダンパ20に対して垂直に結合されるダンパブッシュ50とを互いに接続するために、ブッシュリンク60が設けられている。
【0026】
ブッシュリンク60は、ダイヤルブッシュ40のガイド溝42に嵌入されるようにブッシュリンク60の上方部分から水平に突出するように形成されたガイドピン61と、1対のダンパブッシュ50のリンク嵌入孔52に結合されるようにブッシュリンク60の後面の左右両側から各々水平に突出するように形成されたブッシュ嵌入部62とを含む。
【0027】
このとき、ブッシュリンク60は、ダイヤルブッシュ40に干渉されない位置においてダイヤルブッシュ40のガイド溝42に挿入されて位置決めされるように長寸の軸として形成されたガイドピン61を有する。
【0028】
したがって、ブッシュリンク60は、ブッシュリンク60のガイドピン61がダイヤルブッシュ40のガイド溝42に挿入された状態で組み付けられる。したがって、ダイヤルノブ30を固定軸31に対して水平方向に回動させると、ダイヤルノブ30の背面に結合されたダイヤルブッシュ40によって、ガイド溝42に組み付けられたガイドピン61が水平方向に押され、さらに、ダイヤルノブ30の回動距離だけダイヤルブッシュ40が運動することによりブッシュリンク60が水平方向に運動する。
【0029】
さらに、ブッシュリンク60の水平運動により、ブッシュリンク60の背面にそれぞれ結合されたダンパブッシュ50の下方部分が水平方向に運動し、それによって、ダクトハウジング10に組み付けられたダンパ20が回動させられる。
【0030】
すなわち、ダンパブッシュ50は、その下方部分に設けられた弾性接続部材51が、ダクトハウジング10の内部の空気通路13に回動可能に組み付けられたダンパ20のダンパブッシュ結合部23に対して位置決めされて結合された状態にあるので、ブッシュリンク60に結合されたダンパブッシュ50の上方部分の水平運動によって下方部分が所定位置で回動し、それによってダンパ20は空気通路13を開閉することができる。
【0031】
ここで、本発明の上記構造の実施形態について、添付の図5a〜図5cを参照して以下に詳細に説明する。
【0032】
先ず、図5aを参照すると、略水平状態にあるダンパ20によってダクトハウジング10の空気通路13が閉鎖されており、ダイヤルノブ30は左方向に回動させられており、該回動により、互いに結合されかつダイヤルノブ30の背面部分に組み付けられたダイヤルブッシュ40及びブッシュリンク60は右寄りに配置されている。
【0033】
ここで、ダンパ20の過回動を防止し、それによって製品への損傷及びダンパ20の故障を防ぐために、ダンパ保持用の段状突起15によってダンパ20が保持されるように、ダクトハウジング10には、ダンパ保持用の段状突起15が、ダンパ20の過回動を防止する方向に、内部の空気通路13を二分する隔壁14の中央部の両側面、及び導入部11の両内側面のそれぞれの上部及び下部に突設されている。
【0034】
上記の状態でダイヤルノブ30を時計回り方向に回動させると、ダイヤルノブ30の背面部分に結合されたダイヤルブッシュ40が左方向に運動し、ダイヤルブッシュ40に組み付けられたブッシュリンク60もまたダイヤルブッシュ40とともに左方向に運動するので、ダクトハウジング10に回動可能に設けられたダンパ20の各々が反時計回り方向に回動させられ、それによって空気通路13が開放される。
【0035】
すなわち、図5bに示すようにダイヤルノブ30を35度回動させると各ダンパ20は40度回動させられるが、図5cに示すようにダイヤルノブ30を70度回動させると各ダンパ20は80度回動させられ、それによって空気通路13は全開になる。
【0036】
本発明の車両用エアベントのデュアルダンパ装置では、ダイヤルブッシュ40及びブッシュリンク60の運動距離並びに各ダンパ20の回動角度は、ダイヤルノブ30の回動角度に応じて制御されるので、空気通路13を通過する空気の吹出量を設定することができる。
【0037】
その一方で、図5cに示したような両ダンパ20が垂直状態でダクトハウジング10の空気通路13が全開の状態においては、ダイヤルノブ30は右方向に回動させられており、ダイヤルノブ30の背面部分に組み付けられたダイヤルブッシュ40及びブッシュリンク60は左寄りに配置されている。
【0038】
上記の操作上の関係をより詳細に説明すると、ダクトハウジング10の吹出部の外面にダイヤル支持部材70を用いて取り付けたダイヤルノブ30を右方向に回動させると、ダイヤルノブ30の背面部分に結合されたダイヤルブッシュ40は左方向に運動し、ダイヤルブッシュ40の運動に応じて、ダイヤルブッシュ40のガイド溝42にガイドピン61が嵌入されたブッシュリンク60も同時に左方向に運動する。
【0039】
このとき、ダイヤルブッシュ40は、ダイヤルノブ30とともに回動可能に運動する。また一方で、ダイヤルブッシュ40のガイド溝42は、仮想垂直線上に細長い孔の形状をなして形成されており、ブッシュリンク60のガイドピン61は、ダイヤルブッシュ40に干渉されない位置においてダイヤルブッシュ40のガイド溝42に挿入されて結合されるように長寸の軸として形成されている。したがって、ダイヤルブッシュ40の回動運動に対してブッシュリンク60を滑らかに変位させることができる。
【0040】
すなわち、図5a及び図5cに示したようなダイヤルノブ30の左または右への回動が完了した状態で、ダイヤルブッシュ40は左右一方の側に位置しており、ブッシュリンク60のガイドピン61はガイド溝42の最下端に位置しているが、図5bに示した状態では、ダイヤルブッシュ40は、中央に、かつ最も奥に位置しており、ガイドピン61はガイド溝42の最上端に位置している。
【0041】
したがって、ダイヤルブッシュ40の運動に関連してブッシュリンク60が運動し、ブッシュリンク60にそれぞれ結合されたダンパブッシュ50が回動することにより、空気通路13に設けられたダンパ20が回動させられる。
【0042】
上記したように、導入部11に対して吹出部12が傾斜して配置されるようにダクトハウジング10が曲げられて形成されており、ダイヤルノブ30を水平方向に回動させると、ダイヤルブッシュ40、ブッシュリンク60及びダンパブッシュ50を介して、1対のダンパ20を水平方向に回動させる運動に変換され、それによってダクトハウジング10の空気通路13を安定的に開閉するように構成した本発明の車両用エアベントのデュアルダンパ装置を用いることができる。
【0043】
上記の実施形態は、本発明の実例として理解されたい。これらの実施形態に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、組合せ、改変をなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0044】
10 ダクトハウジング
11 導入部
12 吹出部
13 空気通路
20 ダンパ
30 ダイヤルノブ
33 挿入孔
40 ダイヤルブッシュ
41 ノブ嵌入部
42 ガイド溝
50 ダンパブッシュ
51 弾性接続部材
52 リンク嵌入孔
60 ブッシュリンク
61 ガイドピン
62 ブッシュ嵌入部
70 ダイヤル支持部
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c