(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正用電圧生成部は、前記CRフィルタに含まれる第1抵抗とともに分圧回路を形成する第2抵抗を有し、前記第1抵抗と前記第2抵抗との接続ノードが前記パルス電圧の入力端または前記補正用電圧の出力端に相当すること
を特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、リップル成分を注入された基準電圧VrefのDC値は、リップル成分の生成に利用されるスイッチ電圧Vsw(出力トランジスタの一端に現れるパルス電圧)のデューティに応じて変動する。特に、デューティが増加するほど、上記のDC値が低下し、デューティが減少するほど、上記のDC値が増加する。
【0009】
そのため、従来のスイッチング電源装置では、スイッチ電圧Vswのデューティが変化することにより、ラインレギュレーションの悪化が招かれる、という問題があった。
【0010】
本発明は、本願の発明者によって見い出された上記の問題点に鑑み、デューティ変化に起因するリップル注入後の基準電圧の変動を補正し、ラインレギュレーションの向上を図ることが可能なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明に係るスイッチング電源装置は、基準電圧にリップル成分を注入し、リップル注入後の前記基準電圧と
出力電圧から生成される帰還電圧との比較結果に応じてスイッチ素子のオン/オフ制御を行うことにより、入力電圧から
前記出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング電源装置であって、前記基準電圧を生成する基準電圧生成部と、前記スイッチ素子のオン/オフ状態を示すパルス電圧を利用して前記リップル成分を生成し、これを前記基準電圧に注入するリップルインジェクション部と、前記パルス電圧のデューティに応じた補正用電圧を生成する補正用電圧生成部と、リップル注入前の前記基準電圧に前記補正用電圧を足し合わせる加算部と、前記帰還電圧とリップル注入後の前記基準電圧とを比較するメインコンパレータと、前記メインコンパレータの出力信号に基づいて前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部とを有する構成(第1の構成)とされている。
【0012】
なお、第1の構成から成るスイッチング電源装置において、前記補正用電圧生成部は、前記パルス電圧を平滑化して前記補正用電圧を生成するCRフィルタを少なくとも一段有する構成(第2の構成)にするとよい。
【0013】
また、第2の構成から成るスイッチング電源装置において、前記補正用電圧生成部は、前記CRフィルタに含まれる第1抵抗とともに分圧回路を形成する第2抵抗を有し、前記第1抵抗と前記第2抵抗との接続ノードが前記パルス電圧の入力端または前記補正用電圧の出力端に相当する構成(第3の構成)にするとよい。
【0014】
また、第1〜第3いずれかの構成から成るスイッチング電源装置において、前記パルス電圧は、前記スイッチ素子のオン/オフ信号である構成(第4の構成)にするとよい。
【0015】
また、第1〜第3の構成から成るスイッチング電源装置において、前記パルス電圧は、前記スイッチ素子の一端に現れるスイッチ電圧である構成(第5の構成)にするとよい。
【0016】
また、第5の構成から成るスイッチング電源装置は、前記スイッチ電圧の波高値を一定として前記リップルインジェクション部及び前記補正用電圧生成部へ供給するバッファを有する構成(第6の構成)にするとよい。
【0017】
また、第1〜第6いずれかの構成から成るスイッチング電源装置において、前記リップルインジェクション部は、非反転入力端が前記加算部に接続され、反転入力端が出力端に接続された第1アンプと、前記第1アンプの反転入力端及び出力端と前記パルス電圧の入力端との間に接続されたパルス駆動部と、を有する構成(第7の構成)にするとよい。
【0018】
また、第1〜第7いずれかの構成から成るスイッチング電源装置において、前記加算部は、非反転入力端がリップル注入前の前記基準電圧の入力端に接続され、反転入力端が出力端に接続された第2アンプと、第1端が前記第2アンプの出力端に接続された第3抵抗と、接地端とNチャネル型のトランジスタのソースとの間に接続された第4抵抗と、非反転入力端が前記補正用電圧の入力端に接続され、反転入力端が前記第4抵抗と前記トランジスタのソースとの接続ノードに接続され、出力端が前記トランジスタのゲートに接続された第3アンプと、第1端が前記第3抵抗の第2端に接続され、第2端が前記トランジスタのドレインに接続されたカレントミラー部を有する構成(第8の構成)にするとよい。
【0019】
また、第1〜第8いずれかの構成から成るスイッチング電源装置は、前記スイッチ素子への逆流電流を検出する逆流検出回路をさらに有し、前記スイッチング制御部は、前記逆流電流が検出されたときに前記スイッチ素子を強制的にオフさせる構成(第9の構成)にするとよい。
【0020】
また、第9の構成から成るスイッチング電源装置は、前記逆流電流が検出されたときに前記補正用電圧の印加端へ補助電圧を印加する補正用電圧補助回路を有する構成(第10の構成)にするとよい。
【0021】
また、第10の構成から成るスイッチング電源装置において、前記補正用電圧補助回路は、前記出力電圧を分圧して前記補助電圧を生成する分圧回路と、前記逆流電流の検出有無に応じて前記補正用電圧の印加端と前記補助電圧の印加端との間を導通/遮断するアナログスイッチと、を含む構成(第11の構成)にするとよい。
【0022】
また、第11の構成から成るスイッチング電源装置において、前記スイッチ素子は、インダクタの一端と接地電圧の印加端との間に接続されており、前記逆流検出回路は、前記スイッチ素子のオン期間中において、前記スイッチ素子の一端に現れるスイッチ電圧が負から正に切り替わるゼロクロスポイントを監視することにより、前記スイッチ素子への逆流電流を検出する構成(第12の構成)にするとよい。
【0023】
また、第12の構成から成るスイッチング電源装置において、前記逆流検出回路は、前記スイッチ電圧と前記接地電圧とを比較してゼロクロス検出信号を生成するコンパレータと、前記ゼロクロス検出信号のパルスエッジで第1論理レベルにセットされて前記比較信号のパルスエッジで第2論理レベルにリセットされるスキップ信号を生成するラッチ部とを含む構成(第13の構成)にするとよい。
【0024】
また、第13の構成から成るスイッチング電源装置において、前記スイッチング制御部は、前記スキップ信号が前記第1論理レベルとされている間、前記スイッチ素子を強制的にオフさせる構成(第14の構成)にするとよい。
【0025】
また、第14の構成から成るスイッチング電源装置において、前記補正用電圧補助回路は、前記スキップ信号が前記第1論理レベルとされている間、前記補正用電圧の印加端へ前記補助電圧を印加する構成(第15の構成)にするとよい。
【0026】
また、本発明に係るテレビは、受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局するチューナ部と、前記チューナ
部で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成するデコーダ部と、前記映像信号を映像として出力する表示部と、前記音声信号を音声として出力するスピーカ部と、ユーザ操作を受け付ける操作部と、外部入力信号を受け付けるインタフェイス部と、上記各部の動作を統括的に制御する制御部と、上記各部に電力供給を行う電源部と、を有し、前記電源部は、第1〜第15いずれかの構成から成るスイッチング電源装置を含む構成(第16の構成)とされている。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るスイッチング電源装置であれば、入力電圧のデューティ変化に応じて補正用電圧を基準電圧に加算し、リップル注入後の基準電圧の変動を抑制することにより、ラインレギュレーションの向上を図ることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、COT[constant on time]方式のDC/DCコンバータを用いたスイッチング電源装置に本発明を適用した構成を例に挙げて、詳細な説明を行う。
【0030】
<スイッチング電源装置(第1実施形態)>
図1は、スイッチング電源装置の第1実施形態を示す回路ブロック図である。本図に示したように、第1実施形態のスイッチング電源装置は、スイッチング電源IC100のほか、外付けのインダクタL1、ダイオードD1、抵抗R1〜R3、及び、コンデンサC1〜C4を有して成り、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutを生成する降圧型のスイッチング電源装置である。
【0031】
スイッチング電源IC100は、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ1a及び1bと、ドライバ2a及び2bと、レベルシフタ3と、駆動制御回路4と、メインコンパレータ5と、ソフトスタート制御回路6と、オン時間設定部7と、タイマ8と、基準電圧生成回路11と、抵抗12a及び12bと、定電圧生成回路13と、ダイオード14と、低電圧ロックアウト回路15と、サーマルシャットダウン回路16と、入力バイアス電流生成回路17と、過電流保護回路18と、過電圧保護回路19と、リップル生成回路20とを含む。
【0032】
また、スイッチング電源IC100は、外部との電気的な接続手段として、イネーブル端子ENと、帰還端子FBと、抵抗端子RTと、ソフトスタート端子SSと、ブートストラップ端子BSTと、入力端子VINと、スイッチ端子SWと、接地端GNDを有する。
【0033】
スイッチング電源IC100の外部において、入力端子VINは、入力電圧Vin(例えば12V)の印加端に接続される一方、コンデンサC1を介して接地端にも接続されている。スイッチ端子SWは、ダイオードD1のカソードとインダクタL1の一端に各々接続されている。ダイオードD1のアノードは、接地端に接続されている。インダクタL1の他端は、出力電圧Voutの引出端に接続される一方、コンデンサC3の一端と抵抗R1の一端にも各々接続されている。コンデンサC3の他端は、接地端に接続されている。抵抗R1の他端は、抵抗R2を介して接地端に接続されている。抵抗R1と抵抗R2との接続ノードは、帰還電圧Vfbの引出端として帰還端子FBに接続されている。スイッチ端子SWとブートストラップ端子BSTとの間には、コンデンサC2が接続されている。イネーブル端子ENは、スイッチング電源IC100の駆動可否を制御するためのイネーブル信号が印加される端子である。抵抗端子RTは、抵抗R3を介して接地端に接続されている。ソフトスタート端子SSは、コンデンサC4を介して接地端に接続されている。
【0034】
なお、上記のインダクタL1、ダイオードD1、及び、コンデンサC3は、スイッチ端子SWから引き出されるスイッチ電圧Vswを整流・平滑して所望の出力電圧Voutを生成する整流・平滑回路として機能する。また、上記の抵抗R1、R2は、出力電圧Voutに応じた帰還電圧Vfbを生成する帰還電圧生成回路(抵抗分圧回路)として機能する。また、上記のコンデンサC2は、スイッチング電源IC100に内蔵される後述のダイオード14とともに、ブートストラップ回路を形成する。
【0035】
次に、スイッチング電源IC100の内部構成について説明する。
【0036】
トランジスタ1a、1bは、入力端子VIN(入力電圧Vinの印加端)と接地端との間に直列接続された一対のスイッチ素子であり、これらを相補的にスイッチング駆動することにより、入力電圧Vinからパルス状のスイッチ電圧Vswが生成される。両素子の接続関係についてより具体的に述べると、トランジスタ1aのドレインは、入力端子VINに接続されている。トランジスタ1aのソースとバックゲートは、スイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ1bのドレインは、スイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ1bのソース及びバックゲートは、接地端に接続されている。
【0037】
なお、本明細書中で用いられている「相補的」という文言は、トランジスタ1a、1bのオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタ1a、1bのオン/オフ遷移タイミングに所定の遅延が与えられている場合も含む。
【0038】
ドライバ2aは、駆動制御回路4からレベルシフタ3を介して入力される第1開閉制御信号(レベルシフト済みの出力信号HG)に基づいて、トランジスタ1aのゲート電圧Gaを生成する。また、ドライバ2bは、駆動制御回路4から入力される第2開閉制御信号(出力信号LG)に基づいて、トランジスタ1bのゲート電圧Gbを生成する。なお、ドライバ2aの上側電源端は、ダイオード14のカソードとブートストラップ端子BSTとの接続ノード(駆動電圧Vbstの印加端)に接続されている。ドライバ2aの下側電源端は、スイッチ端子SWに接続されている。ドライバ2bの上側電源端は、定電圧Vregの印加端に接続されている。ドライバ2bの下側電源端は、接地端に接続されている。なお、トランジスタ1aに与えられるゲート電圧Gaのハイレベルは駆動電圧Vbstとなり、ローレベルはスイッチ電圧Vswとなる。また、トランジスタ1bに与えられるゲート電圧Gbのハイレベルは定電圧Vregとなり、ローレベルは接地電圧となる。
【0039】
レベルシフタ3は、駆動制御回路4から入力される開閉制御信号(出力信号HG)の電圧レベルを引き上げてドライバ2aに供給する。なお、レベルシフタ3の上側電源端は、ダイオード14のカソードとブートストラップ端子BSTとの接続ノード(駆動電圧Vbstの印加端)に接続されている。レベルシフタ3の下側電源端は、スイッチ端子SWに接続されている。
【0040】
駆動制御回路4は、比較信号CMPとオンタイム信号ONに基づいて、トランジスタ1a、1bの開閉制御信号(出力信号HG及びLG)を生成するロジック回路である。例えば、駆動制御回路4は、セット端(S)に入力される比較信号CMPの立ち上がりエッジで、出力端(Q)の出力信号HGをハイレベルにセットし、反転出力端(Qバー)の出力信号LGをローレベルにセットする。一方、駆動制御回路4は、リセット端(R)に入力されるオンタイム信号ONの立ち上がりエッジで、出力信号HGをローレベルにリセットし、出力信号LGをハイレベルにリセットする(
図5の上から3段目〜5段目を参照)。
【0041】
メインコンパレータ5は、反転入力端(−)に入力される帰還電圧Vfb(出力電圧Voutの分圧電圧)と、リップル生成回路20から第1非反転入力端(+)に入力されるリップル注入後の基準電圧RefA(詳細は後述)及びソフトスタート制御回路6から第2非反転入力端(+)に入力されるソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方とを比較して比較信号CMPを生成し、駆動制御回路4及びオン時間設定部7へ出力する。
【0042】
すなわち、帰還電圧Vfbがリップル注入後の基準電圧RefAよりも高ければ、比較信号CMPはローレベルとなり、逆に、帰還電圧Vfbがリップル注入後の基準電圧RefAよりも低ければ、比較信号CMPはハイレベルとなる(
図5の上から2段目及び3段目を参照)。
【0043】
ソフトスタート制御回路6は、スイッチング電源装置の起動と共に、ソフトスタート端子SSに接続されるコンデンサC4の充電を開始し、その充電電圧をソフトスタート電圧Vssとしてメインコンパレータ5に出力する。このようなソフトスタート制御により、スイッチング電源装置の起動時には、緩やかに上昇するソフトスタート電圧Vssと帰還電圧Vfbとが一致するように出力帰還制御が行われるので、出力電圧Voutのオーバーシュートや負荷及びコンデンサC3への突入電流を未然に防止することが可能となる。
【0044】
オン時間設定部7は、駆動制御回路4の出力信号HGがハイレベルに立ち上げられてから、所定のオン時間Tonが経過した後に、オン時間設定信号ONにハイレベルのトリガパルスを発生させる(
図5の上から4段目及び5段目を参照)。
【0045】
なお、上記したドライバ2a及び2b、レベルシフタ3、駆動制御回路4、並びに、オン時間設定部7は、メインコンパレータ5から出力される比較信号CMPに基づいてトランジスタ1a、1bのオン/オフ制御を行うスイッチング制御部として機能する。
【0046】
タイマ8は、ソフトスタート制御回路6の動作を制御するためのタイマ信号を生成し、これをソフトスタート制御回路6へ送出する。具体的に述べると、タイマ8は、過電流検出信号OCP及び過電圧検出信号OVPが所定時間に亘って異常時の論理レベルに維持されたときに、ソフトスタート制御回路6をリセットしてコンデンサC4を放電させる。
【0047】
基準電圧生成回路11は、入力電圧Vinから基準電圧Vref(例えば4.1V)を生成し、内部駆動電圧としてスイッチング電源IC100の各部に供給する。
【0048】
抵抗12a及び12bは、基準電圧Vrefを分圧することで、所望の基準電圧Refを生成し、これをリップル生成回路20(詳細は後述)に印加する。接続関係について具体的に述べると、抵抗12a及び12bは、基準電圧生成回路11の出力端(基準電圧Vrefの印加端)と接地端との間に直列接続されており、互いの接続ノードがリップル生成回路20に接続されている。
【0049】
定電圧生成回路13は、入力電圧Vinから所定の定電圧Vreg(例えば5V)を生成する。
【0050】
ダイオード14は、定電圧生成回路13の出力端(定電圧Vregの出力端)とブートストラップ端子BSTとの間に接続され、コンデンサC2とともにブートストラップ回路を構成する素子であり、そのカソードからは、ドライバ2a及びレベルシフタ3の駆動電圧Vbstが引き出される。
【0051】
低電圧ロックアウト回路15は、基準電圧Vrefの供給を受けて動作し、入力電圧Vinの異常な低下を検出したときに、スイッチング電源IC100をシャットダウンする異常保護手段である。
【0052】
サーマルシャットダウン回路16は、基準電圧Vrefの供給を受けて動作し、監視対象温度(スイッチング電源IC100のジャンクション温度)が所定の閾値(例えば、175℃)に達したときに、スイッチング電源IC100をシャットダウンする異常保護手段である。
【0053】
入力バイアス電流生成回路17は、基準電圧Vrefの供給を受けて動作し、スイッチング電源IC100各部、例えばリップル生成回路20の入力バイアス電流を生成する。
【0054】
過電流保護回路18は、入力電圧Vinの供給を受けて動作し、出力トランジスタ1aのオン時に流れるスイッチ電流Iswを監視して、過電流検出信号OCPを生成する。なお、過電流検出信号OCPは、駆動制御回路4及びソフトスタート制御回路6のリセット信号として用いられる。
【0055】
過電圧保護回路19は、帰還端子FBに印加される帰還電圧Vfbを監視して、過電圧検出信号OVPを生成する。なお、過電圧検出信号OVPは、ソフトスタート制御回路6のリセット信号として用いられる。
【0056】
リップル生成回路20は、駆動制御回路4の出力信号HGを利用してリップル成分を生成し、これを基準電圧Refに注入することにより、リップル注入後の基準電圧RefAを生成する(
図5の上から2段目を参照)。
【0057】
<リップル生成回路(第1構成例)>
次に、リップル生成回路20の詳細について説明する。
図2は、リップル生成回路20の第1構成例を示す回路図である。
図2に示したように、第1構成例のリップル生成回路20は、補正用電圧生成回路210(補正用電圧生成部に相当)と、加算回路220(加算部に相当)と、リップルインジェクション回路230(リップルインジェクション部に相当)と、を有する。
【0058】
補正用電圧生成回路210は、駆動制御回路4の出力信号HGが入力され、この出力信号HGを一段または複数段のCRフィルタにより平滑化して補正用電圧Vdutyを生成し、これを加算回路220へ出力する。
【0059】
加算回路220は、補正用電圧Vdutyと基準電圧Refとが入力され、これら二つの電圧を加算する。これにより、補正後の基準電圧Ref+Vdutyを生成し、これをリップルインジェクション回路230へ出力する。
【0060】
リップルインジェクション回路230は、出力信号HGと補正後の基準電圧Ref+Vdutyとが入力される。リップルインジェクション回路230は、出力信号HGを用いて、補正後の基準電圧Ref+Vdutyにリップル成分を注入する。
【0061】
次に、各回路の構成要素及びその接続形態について説明する。
【0062】
補正用電圧生成回路210は、抵抗211〜213と、コンデンサ214と、コンデンサ215と、を有する。
【0063】
抵抗211の第1端は、加算回路220の第1の入力端に接続されている。抵抗211の第2端は、抵抗212の第1端に接続されている。抵抗212の第2端は、出力信号HGの入力端に接続されている。抵抗213の第1端は、加算回路220と抵抗211との接続ノードに接続されている。抵抗213の第2端は、接地端に接続されている。
【0064】
コンデンサ214の第1端は、加算回路220と抵抗211との接続ノードに接続されている。コンデンサ214の第2端は、接地端に接続されている。コンデンサ215の第1端は、抵抗211と抵抗212との接続ノードに接続されている。コンデンサ215の第2端は、接地端に接続されている。
【0065】
次に、加算回路220の構成要素とその接続形態について、
図3を用いつつ説明する。
図3は、加算回路220の一構成例を示す回路図である。
図3に示すように、本構成例の加算回路220は、オペアンプ221と、抵抗222と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ223(以下、「トランジスタ223」という)と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ224(以下、「トランジスタ224」という)と、オペアンプ225と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ226(以下、「トランジスタ226」という)と、抵抗227と、を有する。
【0066】
オペアンプ221の非反転入力端(+)は基準電圧Refの印加端に接続されている。オペアンプ221の出力端は、抵抗222の第1端に接続されている。オペアンプ221の反転入力端(−)は、その出力端と抵抗222との接続ノードに接続されている。
【0067】
抵抗222の第2端は、加算回路220の出力端に接続されている。トランジスタ223のドレインは、抵抗222の第2端と加算回路220の出力端との接続ノードに接続されている。トランジスタ223のソースは、定電圧Vregの印加端及びトランジスタ224のソースに接続されている。トランジスタ223のゲートは、トランジスタ224のゲート及びドレインに接続されている。トランジスタ224のソースは、定電圧Vregの印加端に接続されている。トランジスタ224のドレインは、トランジスタ226のドレインに接続されている。
【0068】
オペアンプ225の非反転入力端(+)は、補正用電圧Vdutyの印加端に接続されている。オペアンプ225の出力端は、トランジスタ226のゲートに接続されている。オペアンプ225の反転入力端(−)は、トランジスタ226のソースと抵抗227の第1端との接続ノードに接続されている。抵抗227の第2端は接地端に接続されている。
【0069】
次に、リップルインジェクション回路230の構成要素及びその接続形態について、
図2を用いつつ説明する。リップルインジェクション回路230は、オペアンプ231と、抵抗232と、抵抗233と、コンデンサ234と、を有する。
【0070】
オペアンプ231の非反転入力端(+)は、加算回路220の出力端(補正後の基準電圧Ref+Vdutyに相当)に接続されている。オペアンプ231の反転入力端(−)は、抵抗232と抵抗233との接続ノードに接続されている。オペアンプ231の出力端は、メインコンパレータ5の非反転入力端(+)に接続されている。
【0071】
抵抗232の第1端は、オペアンプ231とメインコンパレータ5との接続ノードに接続されている。抵抗232の第2端は、抵抗233の第1端に接続されている。抵抗233の第2端は、出力信号HGの入力端に接続されている。コンデンサ234の第1端は、オペアンプ231とメインコンパレータ5との接続ノードに接続されている。コンデンサ234の第2端は、抵抗232と抵抗233との接続ノードに接続されている。
【0072】
次に、リップル生成回路20の動作について説明する。
【0073】
補正用電圧生成回路210に含まれる抵抗211、抵抗212、コンデンサ214、及び、コンデンサ215は、2段構成のCRフィルタであり、駆動制御回路4から出力される出力信号HGを平滑して所望の補正用電圧Vdutyを生成する平滑回路として機能する。なお、本実施形態では、CRフィルタを2段構成としているが、この段数は設計要求に応じて適宜変更が可能である。
【0074】
抵抗213は、このCRフィルタに含まれる抵抗とともに分圧回路を形成する。なお、本実施形態では、
図2に示すように、抵抗211の第1端に抵抗213を接続することにより分圧回路を形成しているが、これ以外の接続形態により分圧回路を形成する形態でもよい。例えば、出力信号HGの入力端と抵抗212との接続ノードに抵抗213の第1端を接続することにより、分圧回路を形成する形態でもよい。
【0075】
加算回路220に含まれるオペアンプ225、トランジスタ226、及び、抵抗227は、補正用電圧Vdutyの電圧/電流変換回路として機能する。これにより、補正用電圧Vdutyの大きさに応じた電流I22が生成される。トランジスタ223、及び、トランジスタ224は、電流I22を複製するためのカレントミラー回路として機能する。これにより、抵抗222の第2端に電流I22が流入し、抵抗222の第1端と第2端との間に、電流I22の大きさに応じた電位差が生じる。この結果、補正用電圧Vdutyが反映された基準電圧Ref+Vdutyが生成され、リップルインジェクション回路230へ出力される。
【0076】
リップルインジェクション回路230に含まれる抵抗232、抵抗233、及び、コンデンサC234は、出力信号HGに応じてオペアンプ231の負帰還ループをパルス駆動するパルス駆動部として機能する。このような構成とすることにより、オペアンプ231から出力されるリップル注入後の基準電圧RefAは、補正後の基準電圧Ref+Vdutyを基準として電圧値が変動する波形、すなわち、基準電圧Ref+Vdutyにリップル成分が注入された波形となる(
図5の上から2段目を参照)。
【0077】
なお、上述した補正用電圧生成回路210に含まれる抵抗の抵抗値は、補正用電圧Vdutyによってキャンセルすべき帰還電圧Vfbの変動範囲に基づいて、設計要求に応じて定められる。例えば、以下に説明する数式を用いた方法により、定められる。
【0078】
図2及び
図3に示す構成では、帰還電圧Vfbは以下の数式により表される。なお、以下では、抵抗211及び212の合成抵抗値をR1、抵抗213の抵抗値をR2、抵抗222の抵抗値をR3、抵抗227の抵抗値をR4、抵抗232の抵抗値をR5、抵抗233の抵抗値をR6として表すものとする。また、出力信号HGのオンデューティをDonとして表すものとする。
【0079】
まず、出力信号HGがオンである場合のRefA(以下、「RefAon」という)は以下の式(1)で表される。
【0081】
また、出力信号HGがオフである場合のRefA(以下、「RefAoff」という)は以下の式(2)で表される。
【0083】
帰還電圧Vfbは、RefAonにオンデューティを掛け合わせた項と、RefAoffにオフデューティを掛け合わせた項とを加算したものとなるため、以下の式(3)で表される。
【0085】
上記の数式にRefAon、RefAoffを代入して整理すると、Vfbは以下の式(4)のように表される。
【0087】
上記で示したようにVfbは、右辺第2項の(R5/R6)×Vreg×Donが、Donの影響を受けて変化する。
【0088】
そこで、本発明では、右辺第1項に含まれる基準電圧Refを、補正用電圧Vdutyが加算された基準電圧Ref+Vdutyに置き換える。基準電圧Ref+Vdutyは以下の式(5)のように表される。
【0090】
このように、基準電圧Ref+VdutyもDonの影響を受けて変動するため、帰還電圧Vfbの右辺第2項の増減に応じて右辺第1項を増減させることができる。これにより、Donの影響をキャンセルすることができる。なお、キャンセルすべき電圧値は、帰還電圧Vfbの定数部分(R5/R6)×Vregに応じて変化するため、補正用電圧VdutyのR2(つまり抵抗213の抵抗値)をこの定数部分に応じて設定する。これにより、RefAのピーク値を所望のターゲット値に設定することが可能となる。
【0091】
以上に説明した本発明の構成により得られる作用効果について一例を示して説明する。
【0092】
図6は、従来のスイッチング電源装置において、補正用電圧Vdutyが加算されていない基準電圧Refに対してリップル注入を行うことにより生成されたリップル注入後の基準電圧RefA’(特にそのデューティ依存性)を示す波形図である。本図に示したように、基準電圧RefA’のDC値は、スイッチ電圧Vswのデューティに応じて変動する。より具体的に述べると、デューティが大きいほど基準電圧RefA’のDC値は低下し、デューティが小さいほど基準電圧RefA’のDC値は上昇する。
【0093】
図9は、従来のスイッチング電源装置におけるデューティに応じた基準電圧RefA’のDC値を比較した模式図である。
図10は、従来のスイッチング電源装置における、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及び、帰還電圧Vfbの関係を示した模式図である。なお、
図10では、縦軸が電圧、横軸が経過時間を示している。
【0094】
図9及び
図10に示すように、従来のスイッチング電源装置は、入力電圧Vinの上昇に起因してデューティが変化すると、この影響により、リップル注入後の基準電圧RefA’のDC値が変動し、結果として帰還電圧Vfbが変動していた。このため、帰還電圧Vfbにズレが生じ、ラインレギュレーションが悪化するという問題があった。
【0095】
これに対して、本発明の構成によれば、デューティに応じた補正用電圧Vdutyを基準電圧Refに付加することにより、上記のズレを補正することができる。
図7は、本発明のスイッチング電源装置における、リップル注入後の基準電圧RefAのDC値を比較した模式図である。
図8は、本発明のスイッチング電源装置における、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及び、帰還電圧Vfbの関係を示した模式図である。
【0096】
図7に示すように、補正後の基準電圧Ref+Vdutyにより生成されたリップル注入後の基準電圧RefAのピーク値は、いずれのデューティであっても、ほぼ同じ値となる。このため、
図8に示すように、帰還電圧Vfbにズレが生じず、ほぼ一定に保つことができる。これにより、ラインレギュレーションを向上させることが可能である。
【0097】
<リップル生成回路(第2構成例)>
図4は、リップル生成回路20の第2構成例を示す回路ブロック図である。第2構成例は、先出の第1構成例と基本的には同一の構成から成るが、出力信号HGではなくスイッチ電圧Vswを用いて補正用電圧Vdutyを生成する点に特徴を有している。そこで、第1構成例と同様の構成要素については、
図2と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第2構成例の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0098】
図4に示したように、第2構成例のリップル生成回路20は、補正用電圧生成回路210、加算回路220、及び、リップルインジェクション回路230に加え、バッファ240を有する。
【0099】
バッファ240の入力端は、スイッチ電圧Vswの印加端に接続されている。バッファ240の出力端は、抵抗212の第2端及び抵抗233の第2端に接続されている。
【0100】
バッファ240の上側電源端は、定電圧Vregの印加端に接続されている。バッファ240の下側電源端は、接地端に接続されている。これにより、バッファ240の出力電圧のハイレベルは定電圧Vregとなり、ローレベルは接地電圧となる。すなわち、バッファ240は、スイッチ電圧Vswの波高値を一定に保つ機能を備える。
【0101】
このような構成とすることにより、先出の第1実施形態と同様の作用・効果を奏することが可能となる。また、出力信号HGの波形が変化するタイミングとスイッチ電圧Vswの波形が変化するタイミングとでは、後者がより実際のスイッチングタイミングに近い。これは、MOS電界効果トランジスタのスイッチング動作に要する時間の影響で、出力信号HGの波形が変化するタイミングと実際のスイッチングタイミングとの間に、タイムラグが生じるためである。このため、本実施形態の構成によれば、先の第1実施形態と比較して、より精度の高いデューティ情報に基づいて、補正用電圧Vdutyを生成できるという作用・効果を奏することが可能となる。
【0102】
<スイッチング電源装置(第2実施形態)>
図11は、スイッチング電源装置の第2実施形態を示すブロック図である。第2実施形態のスイッチング電源装置1は、先に説明した第1実施形態をベースとして逆流検出回路30を追加し、軽負荷時のスイッチング停止動作を行う点に特徴を有している。
【0103】
逆流検出回路30は、トランジスタ1bのオン期間中にスイッチ電圧Vswが負から正に切り替わるゼロクロスポイントを監視することにより、トランジスタ1bへの逆流電流(インダクタL1からトランジスタ1bを介して接地端に逆流するインダクタ電流IL)を検出する回路ブロックであり、コンパレータ31と、ラッチ部32と、を含む。
【0104】
コンパレータ31は、非反転入力端(+)に印加されるスイッチ電圧Vswと、反転入力端(−)に印加される接地電圧GNDとを比較して、ゼロクロス検出信号S1を生成する。ゼロクロス検出信号S1は、スイッチ電圧Vswが接地電圧GNDよりも低いときにローレベルとなり、スイッチ電圧Vswが接地電圧GNDよりも高いときにハイレベルとなる。すなわち、ゼロクロス検出信号S1は、インダクタ電流ILが接地端からトランジスタ1bを介してインダクタL1に流れているときにローレベルとなり、インダクタ電流ILがインダクタL1からトランジスタ1bを介して接地端に逆流しているときにハイレベルとなる。
【0105】
ラッチ部32は、ゼロクロス検出信号S1の立上りエッジでスキップ信号S2をハイレベルにセットし、比較信号CMP(または出力信号HG)の立上りエッジでスキップ信号S2をローレベルにリセットする。すなわち、スキップ信号S2は、トランジスタ1bへの逆流電流が検出されたときにハイレベルにラッチされ、トランジスタ1aが次にオンされる直前でローレベルにリセットされる。
【0106】
ドライバ2bは、スキップ信号S2がローレベルであるときには、出力信号LGに応じてトランジスタ1bをオン/オフするようにゲート電圧Gbを生成し、スキップ信号S2がハイレベルであるときには、出力信号LGに依ることなくトランジスタ1bを強制的にオフするようにゲート電圧Gbを生成する。
【0107】
図12は、軽負荷時のスイッチング停止動作を説明するためのタイムチャートであり、上から順に、帰還電圧Vfb及び基準電圧RefA、比較信号CMP、ゲート電圧Ga及びGb、インダクタ電流IL、スイッチ電圧Vsw、ゼロクロス検出信号S1、並びに、スキップ信号S2が描写されている。
【0108】
時刻t1〜t2では、ゲート電圧Gaがハイレベルとされており、ゲート電圧Gbがローレベルとされているので、トランジスタ1aがオンとなり、トランジスタ1bがオフとなる。従って、時刻t1〜t2では、スイッチ電圧Vswがほぼ入力電圧Vinまで上昇し、インダクタ電流ILが増大していく。
【0109】
時刻t2において、ゲート電圧Gaがローレベルに立ち下げられ、ゲート電圧Gbがハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ1aがオフとなり、トランジスタ1bがオンとなる。このとき、インダクタL1には、それまでと同一の方向にインダクタ電流ILを流し続けようとする誘導起電力が生じるので、インダクタ電流ILは、接地端からトランジスタ1bを介してインダクタL1に流れ込む。従って、スイッチ電圧Vswは、接地電圧GNDよりもトランジスタ1bでの電圧降下分だけ低い負の電圧値まで低下する。
【0110】
ここで、負荷に流れる出力電流Ioutが十分に大きい重負荷時には、インダクタL1に蓄えられているエネルギが大きいので、ゲート電圧Gaが再びハイレベルに立ち上げられる時刻t4まで、インダクタ電流ILはゼロ値を下回ることなく負荷に向けて流れ続ける。一方、負荷に流れる出力電流Ioutが小さい軽負荷時には、インダクタL1に蓄えられているエネルギが少ないので、時刻t3において、インダクタ電流ILがゼロ値を下回り、トランジスタ1bへの逆流電流が発生する。このような状態では、コンデンサC3に蓄えられた電荷を接地端に捨てていることになるので、軽負荷時における効率低下の原因となる。
【0111】
そこで、第2実施形態のスイッチング電源装置1は、逆流電流検出回路30を用いてトランジスタ1bへの逆流電流を検出し、スキップ信号S2のハイレベル期間(時刻t3〜t4)において、トランジスタ1bを強制的にオフさせる構成とされている。このような構成とすることにより、軽負荷時における効率低下を解消することが可能となる。
【0112】
また、第2実施形態のスイッチング電源装置1では、逆流電流検出時のスイッチング停止制御を行うに際して、リップル生成回路20の内部構成が見直されている。以下では、リップル生成回路20の第3構成例について、
図13を参照しながら詳細に説明する。
【0113】
<リップル生成回路(第3構成例)>
図13は、リップル生成回路20の第3構成例を示す回路図である。第3構成例は先出の第1構成例と基本的には同一の構成から成るが、補正用電圧補助回路250を設けた点に特徴を有している。そこで、第1構成例と同様の構成要素については、
図2と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第3構成例の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0114】
補正用電圧補助回路250は、トランジスタ1bへの逆流電流が検出されたときに補正用電圧Vdutyの印加端へ補助電圧Vaを印加する回路ブロックであり、抵抗251及び252と、アナログスイッチ253と、を含む。
【0115】
抵抗251及び252は、出力電圧Voutの印加端と接地端との間に直列接続されており、出力電圧Voutを分圧して補助電圧Vaを生成する分圧回路を形成している。抵抗251及び252の抵抗値については、スイッチング電源装置に印加される入力電圧Vinの電圧値範囲を考慮して、補助電圧VaができるだけVout/Vinと近い電圧値(Vout/Vinよりも少し高い電圧値)となるように設定することが望ましい。
【0116】
アナログスイッチ253は、スキップ信号S2(すなわち逆流電流の検出有無)に応じて補正用電圧Vdutyの印加端と補助電圧Vaの印加端との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、アナログスイッチ253は、スキップ信号S2がハイレベルであるときにオンとなり、スキップ信号S2がローレベルであるときにオフとなる。
【0117】
すなわち、補正用電圧補助回路250は、スキップ信号S2がハイレベルとされている間、補正用電圧Vdutyの印加端へ補助電圧Vaを印加する。このような構成とすることにより、逆流電流検出時のスイッチング停止に伴う補正用電圧Vduty(デューティ情報)の低下を抑制することができるので、先に説明したラインレギュレーションの改善効果を損なうことなく、軽負荷時の高効率化を実現することが可能となる。
【0118】
なお、
図13では、第1構成例をベースとして補正用電圧補助回路250を追加した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、第2構成例をベースとして補正用電圧補助回路250を追加した構成としても構わない。
【0119】
<テレビへの適用>
図14は、本発明に係るスイッチング電源装置を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。また、
図15A〜
図15Cは、それぞれ、スイッチング電源装置を搭載したテレビの正面図、側面図、及び、背面図である。本構成例のテレビXは、チューナ部X1と、デコーダ部X2と、表示部X3と、スピーカ部X4と、操作部X5と、インタフェイス部X6と、制御部X7と、電源部X8と、を有する。
【0120】
チューナ部X1は、テレビXに外部接続されるアンテナX0で受信された受信信号から所望チャネルの放送信号を選局する。
【0121】
デコーダ部X2は、チューナX1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部X2は、インタフェイス部X6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
【0122】
表示部X3は、デコーダ部X2で生成された映像信号を映像として出力する。
【0123】
スピーカ部X4は、デコーダ部で生成された音声信号を音声として出力する。
【0124】
操作部X5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部X5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
【0125】
インタフェイス部X6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
【0126】
制御部X7は、上記各部X1〜X6の動作を統括的に制御する。制御部X7としては、CPU(central processing unit)などを用いることができる。
【0127】
電源部X8は、上記各部X1〜X7に電力供給を行う。電源部X8としては、先述のスイッチング電源IC100を含むスイッチング電源装置を好適に用いることができる。
【0128】
<その他の変形例>
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。