特許第6093292号(P6093292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6093292行動予測システム、機器制御方法、行動支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093292
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】行動予測システム、機器制御方法、行動支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20170227BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20170227BHJP
【FI】
   G06Q10/10 340
   G06Q50/06
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-268777(P2013-268777)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-125555(P2015-125555A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 信之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 昌美
(72)【発明者】
【氏名】小原 圭史朗
【審査官】 山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−125535(JP,A)
【文献】 特開平11−73246(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/080619(WO,A1)
【文献】 特開平4−285279(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/081186(WO,A1)
【文献】 特開2002−163301(JP,A)
【文献】 特開2004−180440(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/121515(WO,A1)
【文献】 特開2010−288231(JP,A)
【文献】 米国特許第6073110(US,A)
【文献】 黒宮寧他,スケジュールを基点とした行動支援型レコメンドシステムの検証,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム論文集[CD−ROM],社団法人情報処理学会,2009年 7月 8日,Vol.2009,No.1,p.1336-1343
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジューラの機能を有する一つまたは複数のサーバと、ネットワークを介して接続される行動予測システムであって、
前記スケジューラに入力された入力情報から、時間情報と、行動予定情報と、を抽出する行動予定抽出部と、
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を記憶部から抽出する機器抽出部と、
を具備し、
前記入力情報から、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、
前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、
前記行動予定情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた機器情報を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存する補正部を具備することを特徴とする行動予測システム。
【請求項2】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を前記記憶部から抽出する場所情報抽出部をさらに具備し、
前記機器情報は、前記場所情報を介して前記行動予定情報と関連付けられており、
前記機器抽出部は、前記行動予定情報から前記場所情報を抽出し、抽出された前記場所情報から、前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用場所に対応して使用する機器または使用しない機器を抽出し、
前記補正部は、前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1記載の行動予測システム。
【請求項3】
前記行動予定情報が、前記記憶部に存在しない場合において、前記時間情報による時間が経過後、機器使用実績が格納された前記記憶部から、使用機器または使用していない機器の実績を抽出し、前記行動予定情報と、当該時間における機器使用実績の関連付けを行い、前記記憶部に保存する学習部をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の行動予測システム。
【請求項4】
前記機器は、エネルギー消費機器であり、前記機器情報に基づいて、前記時間情報によって、使用しない機器の電源を落とすか運転を停止し、または使用する機器の電源を入れるか運転を開始する機器制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の行動予測システム。
【請求項5】
前記機器制御部は、前記時間情報の終了時刻前に、終了時刻後に使用を終える予定の機器の電源を落とすか運転を停止することが可能であるか、もしくは、前記時間情報の開始時刻前に、開始時刻後に使用する予定の機器の電源を入れるか運転を開始可能であることを特徴とする請求項4記載の行動予測システム。
【請求項6】
機器ごとに、複数の時間情報に基づいて複数の稼働予定時間を設定し、複数の前記稼働予定時間で機器を稼働した場合の標準コストを算出する標準コスト算出部と、
前記時間情報の少なくとも一方を修正し、機器が連続稼働するように、修正時間を設定し、前記修正時間で機器を稼働した場合の修正コストを算出する修正コスト算出部と、
前記標準コストから前記修正コストを差し引いて算出される削減コストと前記修正時間とからなる省エネルギー情報を送信する送信部と、をさらに具備し、
前記送信部は、使用者の端末に前記省エネルギー情報を送信可能であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の行動予測システム。
【請求項7】
前記機器は、セキュリティ機器であり、前記場所情報に基づいて、使用者のいない場所の施錠または防犯機器の作動を行う機器制御部をさらに具備することを特徴とする請求項記載の行動予測システム。
【請求項8】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた嗜好情報を前記記憶部から抽出する嗜好情報抽出部と、前記嗜好情報に関連する提供情報を、ネットワークを介して取得する提供情報取得部と、前記提供情報を使用者の端末に送信する送信部と、をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の行動予測システム。
【請求項9】
ネットワークを介して、スケジューラの機能を有するサーバから前記スケジューラに入力された入力情報を取得し、
取得した入力情報から時間情報と、行動予定情報と、を抽出し、
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を記憶部から抽出し、
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を記憶部から抽出することにより、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、
前記予測に基づいて、前記時間情報によって、使用しない機器の電源を落とすか運転を停止し、または使用する機器の電源を入れるか運転を開始する機器制御を実施し、
前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、
前記行動予定情報または前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた前記場所情報、または前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報の少なくとも一方を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存することを特徴とする機器制御方法。
【請求項10】
前記時間情報の終了時刻前に、終了時刻後に使用を終える予定の機器の電源を落とすか運転を停止し、もしくは、前記時間情報の開始時刻前に、開始時刻後に使用する予定の機器の電源をいれるか運転を開始することを特徴とする請求項9記載の機器制御方法。
【請求項11】
ネットワークを介して、スケジューラの機能を有するサーバから前記スケジューラに入力された入力情報を取得し、
取得した入力情報から時間情報と、行動予定情報と、を抽出し、
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を記憶部から抽出し、
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を前記記憶部から抽出することにより、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、
前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、
前記行動予定情報または前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報が前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた前記場所情報、または前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報の少なくとも一方を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存し、
機器ごとに、複数の時間情報に基づいて複数の稼働予定時間を設定し、複数の前記稼働予定時間で機器を稼働した場合の標準コストを算出し、前記時間情報の少なくとも一方を修正し、機器が連続稼働するように、修正時間を設定し、前記修正時間で機器を稼働した場合の修正コストを算出し、前記標準コストから前記修正コストを差し引いて算出される削減コストと前記修正時間とからなる省エネルギー情報を設定し、
使用者の端末に前記省エネルギー情報を送信または表示することを特徴とする行動支援方法。
【請求項12】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた、使用者の嗜好情報を前記記憶部から抽出し、
前記嗜好情報を使用者に送信または表示することを特徴とする請求項11記載の行動支援方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1に記載の行動予測システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケジューラに入力された情報に基づいて使用者の行動を予測し、制御する行動予測システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭や会社で使用される機器の稼働を一括して管理する制御システムがある。このような制御システムによれば、あらかじめ、各機器の稼働予定を設定しておくことが可能である。例えば、使用予定のエリアの空調の運転時間を設定したり、使用していないエリアの照明を落とすなど、省エネルギー活動の一環としても利用可能である。
【0003】
このような、制御装置としては、制御システムに利用者の予定を選択入力しておくことで、対象とする機器の稼働を制御するシステムが商品化されている。
【0004】
また、登録している携帯端末が近づいたり離れたりすることを検知して、空調等の運転を制御する方法がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−288231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、現在商品化されているシステムは、制御装置自体にスケジュール入力する必要がある。したがって、制御される機器の使用者が通常の行動予定を管理するために用いている一般のスケジューラとは別に、制御装置専用のスケジューラに予定を入力する必要がある。このため、利便性に難がある。
【0007】
また、専用装置への予定の入力は、あらかじめ用意された選択肢から予定を選択するため、必ずしも正確な予定を入力するものではない。また、複数人で建物内の機器を使用する場合、使用者全員が制御装置専用のスケジューラにスケジュール入力を行わないと、正確な管理を行うことができない。
【0008】
また、特許文献1の方法は、携帯端末が近づいた場合に、機器の動作を制御するため、機器動作の事前予測は困難である。また、この他に、センサなどを配置して、センサによって、人が近づいた場合に機器を制御する方法も考えられるが、この方法も、機器動作の事前予測は困難であるとともに、多くのセンサが必要となる。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、一般的に使用されるスケジューラを用いて、利用者の行動予測を行い、機器を制御する行動予測システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達するために第1の発明は、スケジューラの機能を有する一つまたは複数のサーバと、ネットワークを介して接続される行動予測システムであって、前記スケジューラに入力された入力情報から、時間情報と、行動予定情報と、を抽出する行動予定抽出部と、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を記憶部から抽出する機器抽出部と、を具備し、前記入力情報から、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、前記行動予定情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた機器情報を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存する補正部を具備することを特徴とする行動予測システムである。
【0011】
このように、通常使用されるサーバ上のスケジューラから、行動予定情報を取得し、行動予定情報から、利用者の行動を予測することができる。このため、利用者が使用する機器と、使用しない機器とを予測することができる。また、予測した機器と機器使用実績とが異なる場合に、行動予定情報と機器情報との関連付けを実際の機器使用実績と対応するように補正することで、以後同様の入力情報があった場合に、より正確に使用機器等を予測することができる。
【0012】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を前記記憶部から抽出する場所情報抽出部をさらに具備し、
前記機器情報は、前記場所情報を介して前記行動予定情報と関連付けられており、
前記機器抽出部は、前記行動予定情報から前記場所情報を抽出し、抽出された前記場所情報から、前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用場所に対応して使用する機器または使用しない機器を抽出し、
前記補正部は、前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存してもよい。
【0013】
このようにすることで、利用者の行動予測から、利用者のいる場所を予測することができる。この結果、場所情報から、利用者が使用する機器と、使用しない機器とを予測することができる。また、予測した機器と機器使用実績とが異なる場合に、場所情報と機器情報との関連付けを実際の機器使用実績と対応するように補正することで、以後同様の入力情報があった場合に、より正確に使用機器等を予測することができる。
【0014】
前記行動予定情報が、前記記憶部に存在しない場合において、前記時間情報による時間が経過後、機器使用実績が格納された前記記憶部から、使用機器または使用していない機器の実績を抽出し、前記行動予定情報と、当該時間における機器使用実績の関連付けを行い、前記記憶部に保存する学習部をさらに具備してもよい。
【0015】
このようにすることで、入力情報から使用機器等が予測できない場合には、機器使用実績を記憶しておき、入力情報と関連付けることで、以後同様の入力情報があった場合に、使用機器等を予測することができる。
【0018】
前記機器は、エネルギー消費機器であり、前記機器情報に基づいて、前記時間情報によって、使用しない機器の電源を落とすか運転を停止し、または使用する機器の電源を入れるか運転を開始する機器制御部をさらに具備してもよい。前記機器制御部は、前記時間情報の終了時刻前に、終了時刻後に使用を終える予定の機器の電源を落とすか運転を停止することが可能であるか、もしくは、前記時間情報の開始時刻前に、開始時刻後に使用する予定の機器の電源を入れるか運転を開始可能であってもよい。
【0019】
スケジューラに基づいて、使用しない機器を予測し、運転を停止することで、不要なエネルギー消費を削減することができる。あるいは電源を落とせば待機電力も削減できる。また、使用予定の機器の電源をあらかじめ入れるか運転を開始することで、例えば、使用する室内の暖房や冷房をあらかじめ行っておくこともできる。また、使用予定の機器について、終了予定時間の前に運転の停止または運転能力を下げることで、快適性や利便性を維持しながら、エネルギー消費量を削減することができる。
【0020】
機器ごとに、複数の時間情報に基づいて複数の稼働予定時間を設定し、複数の前記稼働予定時間で機器を稼働した場合の標準コストを算出する標準コスト算出部と、前記時間情報の少なくとも一方を修正し、機器が連続稼働するように、修正時間を設定し、前記修正時間で機器を稼働した場合の修正コストを算出する修正コスト算出部と、前記標準コストから前記修正コストを差し引いて算出される削減コストと前記修正時間とからなる省エネルギー情報を送信する送信部と、をさらに具備し、前記送信部は、使用者の端末に前記省エネルギー情報を送信可能であってもよい。
【0021】
このようにすることで、機器の使用予定に基づいて、エネルギー情報を利用者端末に送信することで、利用者に対して、省エネルギーの啓蒙を行い、省エネルギーを考慮した行動予定への変更を検討する機会を付与することができる。
【0022】
前記機器は、セキュリティ機器であり、前記場所情報に基づいて、使用者のいない場所の施錠または防犯機器の作動を行う機器制御部をさらに具備してもよい。
【0023】
このようにすることで、利用者の行動予定に合わせて、セキュリティ機器を制御することができる。
【0024】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた嗜好情報を前記記憶部から抽出する嗜好情報抽出部と、前記嗜好情報に関連する提供情報を、ネットワークを介して取得する提供情報取得部と、前記提供情報を使用者の端末に送信する送信部と、をさらに具備してもよい。
【0025】
このようにすることで、行動予定に即した情報をタイムリーに利用者へ提供することができる。また、前述したエネルギー情報と併せて、趣味を行う時間帯を、省エネルギーを考慮して検討する機会を与えることができる。
【0026】
第2の発明は、ネットワークを介して、スケジューラの機能を有するサーバから前記スケジューラに入力された入力情報を取得し、取得した入力情報から時間情報と、行動予定情報と、を抽出し、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を記憶部から抽出し、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を記憶部から抽出することにより、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、前記予測に基づいて、前記時間情報によって、使用しない機器の電源を落とすか運転を停止し、または使用する機器の電源を入れるか運転を開始する機器制御を実施し、前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、前記行動予定情報または前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報と前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた前記場所情報、または前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報の少なくとも一方を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存することを特徴とする機器制御方法である。前記時間情報の終了時刻前に、終了時刻後に使用を終える予定の機器の電源を落とすか運転を停止し、もしくは、前記時間情報の開始時刻前に、開始時刻後に使用する予定の機器の電源をいれるか運転を開始することもできる。
【0027】
第2の発明によれば、スケジューラに入力された情報によって、使用機器等を予測し、機器の運転を制御することができる。このため、効率よく、機器を稼働させることができる。また、予測した使用機器等と機器使用実績とが異なる場合に、行動予定情報と場所情報との関連付け、または場所情報と機器情報との関連付けを補正することで、以後同様の入力情報があった場合に、より正確に使用機器等を予測して機器の運転を制御することができる。
【0028】
第3の発明は、ネットワークを介して、スケジューラの機能を有するサーバから前記スケジューラに入力された入力情報を取得し、取得した入力情報から時間情報と、行動予定情報と、を抽出し、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用者の居場所である場所情報を記憶部から抽出し、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられ、使用する機器または使用しない機器である機器情報を前記記憶部から抽出することにより、時間と、使用者が使用する機器または使用者が使用しない機器を予測し、前記記憶部には、過去の機器使用実績が格納されており、前記行動予定情報または前記場所情報に関連付けられて予測された前記機器情報と、前記機器使用実績とを比較して、前記機器情報が前記機器使用実績とが異なる場合において、前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた前記場所情報、または前記場所情報に対してあらかじめ関連付けられた前記機器情報の少なくとも一方を前記機器使用実績に補正し、前記記憶部に保存し、機器ごとに、複数の時間情報に基づいて複数の稼働予定時間を設定し、複数の前記稼働予定時間で機器を稼働した場合の標準コストを算出し、前記時間情報の少なくとも一方を修正し、機器が連続稼働するように、修正時間を設定し、前記修正時間で機器を稼働した場合の修正コストを算出し、前記標準コストから前記修正コストを差し引いて算出される削減コストと前記修正時間とからなる省エネルギー情報を設定し、使用者の端末に前記省エネルギー情報を送信または表示することを特徴とする行動支援方法である。
【0029】
このようにすることで、スケジューラに入力された行動予定から、省エネルギー情報を利用者に提供し、省エネルギー等の行動の検討を促すことができる。また、予測した使用機器等と機器使用実績とが異なる場合に、行動予定情報と場所情報との関連付け、または場所情報と機器情報との関連付けを補正することで、以後同様の入力情報があった場合に、より正確に使用機器等を予測できるため、より正確な省エネルギー情報を提供できる。
【0030】
前記行動予定情報に対してあらかじめ関連付けられた、使用者の嗜好情報を前記記憶部から抽出し、前記嗜好情報を使用者に送信または表示してもよい。
【0031】
このようにすることで、行動予定に即した情報をタイムリーに利用者へ提供することができる。また、前述したエネルギー情報と併せて、趣味を行う時間帯を、省エネルギーを考慮して検討する機会を与えることができる。
【0032】
第4の発明は、コンピュータを、第1の発明の行動予測システムとして機能させるためのプログラムである。
【0033】
第4の発明によれば、コンピュータを第1の発明の行動予測システムとして機能させることが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、一般的に使用されるスケジューラを用いて、利用者の行動予測を行う行動予測システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】機器制御システム1を示すブロック図。
図2】機器制御システム1の他の態様を示すブロック図。
図3】行動予測システム5を示すハードウェア構成図。
図4】行動予測システムの処理方法を示すフローチャート。
図5】スケジューラ情報テーブル57を示す図。
図6】入力情報50を示す図。
図7】場所情報テーブル60を示す図。
図8】機器情報テーブル70を示す図。
図9】行動予測システムの処理方法を示すフローチャート。
図10】行動予測システムの処理方法を示すフローチャート。
図11】機器稼働情報80を示す図
図12】行動予測システムの処理方法を示すフローチャート。
図13】嗜好情報テーブル90を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(実施形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、機器制御システム1を示すブロック図である。機器制御システム1は、主に、サーバ3、行動予測システム5、情報取得システム7、使用者端末9がネットワーク13を介して接続されて構成される。
【0037】
サーバ3には、使用者が利用可能なスケジューラ機能を有する。例えば、複数の使用者が、使用者端末9からサーバ3にアクセスし、それぞれの個々のIDで自己のスケジュール画面を使用者端末に表示させる。使用者は、自身の予定をスケジューラに入力し保存する。このようにオンライン上のスケジューラによれば、複数の使用者の情報を一括して管理することができる。
なお、複数の利用者が各々異なるスケジューラを使用する場合には、サーバ3もスケジューラごとに複数あってもよい。
【0038】
行動予測システム5は、サーバ3のスケジューラから、必要な情報を取得する。例えば、使用者ごとに、どのような行動予定であるかのスケジュール内容を取得する。行動予測システム5は、必要に応じて、取得した情報を記憶する。また、得られた情報から、当該使用者が使用する機器または使用しない機器を予測する。行動予測システム5は、この予測に基づいて、接続された各機器11の動作を制御する。
【0039】
情報取得システム7は、機器11の予測結果や実績情報を取得する。得られた情報は、行動予測システム5の管理者等に送信される。
【0040】
なお、行動予測システム5は、一つのハードウェアでなくてもよく、図2に示すように、行動予定抽出部15、情報記憶部17、機器制御部19を別々のハードウェアとしてもよい。この場合には、行動予定抽出部15は、サーバ3のスケジューラから、必要な情報を取得する。取得した情報は、情報記憶部17に記憶される。また、機器制御部19は、使用者が使用する機器または使用しない機器を予測し、接続された各機器11の動作を制御する。
【0041】
このように、機能ごとに装置を別々に配置し、ネットワーク13等を介して接続してもよい。また、行動予定抽出部15、情報記憶部17、機器制御部19のいずれか2つを一つのハードウェアで構成してもよい。また、さらに、各部を制御する制御部を配置してもよい。また、情報取得システム7の機能を、組み合わせてもよい。
【0042】
次に、行動予測システム5について詳細を説明する。なお、以下の説明では、行動予測システム5を一つのハードウェアとして説明するが、前述したように、ハードウェアを複数用いて、機能を分散させてもよい。図3は、行動予測システム5を示すハードウェア構成図である。行動予測システム5は、例えばコンピュータであり、制御部23、記憶部25、メディア入出力部27、通信制御部29、入力部31、表示部33、周辺機器I/F部35等から構成され、それらがバス37を介して接続される。
【0043】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部25、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス37を介して接続された各装置を駆動制御し、行動予測システム5が行う処理を実現する。
【0044】
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部25、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部23が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0045】
記憶部25は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(フラッシュSSD)(ソリッドステートドライブ)であり、制御部23が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述の処理に相当するアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部23により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。また、記憶部25には、本発明において用いられる、各種データが保管される。
【0046】
メディア入出力部27(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
【0047】
通信制御部29は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、例えば、制御部23によって使用者のスケジュール情報を取得し、または各種情報を送信することができる。
【0048】
入力部31は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部31を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
【0049】
表示部33は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0050】
周辺機器I/F(インタフェース)部35は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部35を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。
【0051】
バス37は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。なお、行動予測システム5としては、上記構成をすべて含むものに限定されるものではなく、本発明の機能を奏するために必要な構成のみを有すればよい。
【0052】
なお、行動予測システム5を複数のハードウェアで構成する場合には、それぞれのハードウェアについて、上述した各構成の中で、必要なもので構成すればよい。また、サーバ3、情報取得システム7についても、同様の構成とすればよい。
【0053】
次に、本発明の行動予測システム5の制御方法について説明する。図4は、行動予測システム5の制御方法を示すフローチャートである。まず、制御部23は、サーバ3に保存されているスケジューラから、スケジューラに入力された入力情報を取得する(ステップ101)。
【0054】
図5は、個人ID=Aのスケジューラ情報テーブル57の一例を示す図である。図に示すように、個人ID=Aの使用者のスケジューラに、「10:00〜11:00 打ち合わせ」、「13:00〜15:00 買い物」と入力された場合を想定する。このように、スケジューラには、時間と予定とがセットで入力されている場合が多い。制御部23は、このように、時間と予定とが含まれる情報を入力情報として取得する。
【0055】
図6は、入力情報50を示す図である。入力情報50は、個人ID51、時間情報53、行動予定情報55からなる。個人ID51は、使用者ごとに付与されるIDである。時間情報53と行動予定情報55は、それぞれ、スケジューラに入力された予定時間と予定内容である。
【0056】
なお、制御部23は、ステップ101において、予め設定された個人ID51を有する入力情報50のみをサーバ3から取得する。例えば、対象家庭の家族全員の個人IDを有する入力情報50を取得する。または、同一建物内で仕事を行う従業員全員または一部の従業員の個人IDを有する入力情報50を取得する。
【0057】
また、使用者がスケジューラの内容を変更した場合には、定期的に、または変更が生じた際に、制御部23がスケジューラから入力情報を取得する。
【0058】
また、スケジューラから入力情報50を取得する方法としては、直接スケジューラから入力情報50を取得する場合には限られない。例えば、スケジューラの内容をスケジューラのサーバ3側から送信を受けてもよい。また、スケジューラを行動予測システム5上に設けてもよい。
【0059】
制御部23は、入力情報50から、予定が入力された時間を時間情報53として取得し、その内容を行動予定情報55として取得する(ステップ102)。前述の例では、制御部23は、当日の日付とともに、個人ID51=Aについて、時間情報53=「10:00〜11:00」と行動予定情報55=「打ち合わせ」をセットで取得し、さらに、個人ID51=Aについて、時間情報53=「13:00〜15:00」と行動予定情報55=「買い物」をセットで取得する。
【0060】
このように、制御部23は、個人ID51毎に、時間情報53と行動予定情報55とが含まれるすべての入力情報を取得する。なお、制御部23は、必要に応じて、取得した入力情報50を、記憶部25に保存する。
【0061】
次に、制御部23は、取得した行動予定情報55に対してあらかじめ関連付けされている場所情報を、記憶部25から抽出する(ステップ103)。
【0062】
図7は、場所情報テーブル60を示す図である。記憶部25には、予め場所情報テーブル60が記憶されている。場所情報テーブル60は、行動予定情報55に含まれるワードに対して、それぞれ場所情報61が関連付けされている。場所情報61は、例えば、使用者の住む家屋内の場所や、使用者が従事する企業の建物内の場所などである。
【0063】
例えば、行動予定情報55に「打ち合わせ」というワードが含まれている場合、これに対応する場所情報61の「客間」が抽出される。なお、行動予定情報55に複数のワードが含まれている場合には、それぞれのワードに対して優先付けを行っておいてもよい。また、例えば会社においては、打ち合わせ場所の部屋番号などが含まれている場合に、この部屋番号に対応する打ち合わせ室を関連付けしてもよい。
【0064】
なお、例えば、行動予定情報55に「買い物」などのワードが含まれている場合、場所情報61は「屋外」と関連付けされる。すなわち、場所情報61には、家屋内の場所や、建物内の場所以外にも、これらの屋外も含まれる。また、行動予定情報55の一つのワードに対して、複数の場所を関連付けてもよい。
【0065】
次に、制御部23は、抽出した場所情報61に対してあらかじめ関連付けされている機器情報を、記憶部25から抽出する(ステップ104)。
【0066】
図8は、機器情報テーブル70を示す図である。記憶部25には、予め機器情報テーブル70が記憶されている。機器情報テーブル70では、場所情報61に対して、機器情報71がそれぞれ関連付けされている。機器情報71は、場所情報61ごとに、使用されると予測される機器と、使用されないと予測される機器を含む。
【0067】
例えば、場所情報61が「客間」である場合、これに対応する機器情報71として、客間照明、客間空調、・・・などが使用予測機器として抽出される。同様に、場所情報61が「客間」である場合、これに対応する機器情報71として、風呂場照明、寝室空調、・・・などが不使用予測機器として抽出される。このようにして抽出されたそれぞれの機器は、行動予定時間において使用者が使用すると予測される機器または使用されないと予測される機器である。
【0068】
次に、制御部23は、機器情報71に基づいて、機器の稼働を制御する(ステップ105)。
【0069】
例えば、機器情報71として、客間照明、客間空調、・・・などが使用予測機器として抽出された場合には、制御部23は、対応する時間情報53の予定時間の少し前に、客間空調の稼働を開始する。また、予定時間になると、例えば客間照明を点灯する。同様に、機器情報71として、風呂場照明、寝室空調、・・・などが不使用予測機器として抽出された場合には、制御部23は、対応する時間情報53には、それらの機器の稼働を停止する。
【0070】
また、制御部23は、対応する時間情報53が経過すると、客間空調および客間照明の稼働を停止する。なお、手動で各機器が操作された場合には、制御部23による制御よりも、手動操作が優先される。例えば、予定よりも打ち合わせが早く終われば、使用者が手動で機器を停止することができる。この場合でも、例えば機器の切り忘れがあっても、予定時間が経過すれば、確実に機器を停止することができる。また、仮に、予定時間が伸びた場合には、停止した空調や照明を使用者が再度稼働させることもできる。
【0071】
なお、機器情報71の対象となる機器としては、例えば、空調、照明などのエネルギー消費機器が挙げられる。このようなエネルギー消費機器の稼働を、使用者の行動予定に沿って制御部23で制御することで、必要な時のみ機器を稼働させることができる。すなわち、制御部23は、使用しない機器の電源を落とし、または使用する機器の電源を入れる機器制御部として機能する。このため、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
【0072】
また、機器情報71の対象となる機器としては、例えば、セキュリティ機器であってもよい。例えば、場所情報61に基づいて、使用者のいない場所の施錠または防犯機器の稼働を制御することもできる。すなわち、制御部23は、セキュリティ機器の動作を制御する機器制御部として機能する。また、場所情報61が「屋外」の場合には、建物全体の施錠や防犯機器の稼働を行えばよい。このようにすることで、本来人がいないはずの時間および場所に人が侵入した場合を検知することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の行動予測システム5によれば、サーバ上のスケジューラから、行動予定情報55を取得し、行動予定情報55から、利用者の行動を予測することができる。したがって、使用者が自らのスケジュール管理として利用しているスケジューラを利用するため、使用者が利用しやすい。また、機器制御等のための別途のスケジュール入力が不要である。
【0074】
また、従来使用しているスケジューラをそのまま利用するため、例えば、機器制御の為の選択式のスケジュール入力と比較して、より細かな行動を予測することができる。
【0075】
また、このようにして得られた使用者の行動予測から、利用者のいる場所を予測することができる。この結果、場所情報から、利用者が使用する機器と、使用しない機器とを予測することができる。このため、これらの情報に基づいて、機器の稼働を制御することができる。
【0076】
例えば、使用しない機器を予測し、当該機器の電源を落とすることで、不要なエネルギー消費を削減することができる。また、使用予定の機器の電源をあらかじめ入れることで、例えば、使用する室内の暖房や冷房をあらかじめ行っておくこともできる。また、利用者の行動予定に合わせて、セキュリティ機器を制御することもできる。
【0077】
なお、本実施形態では、行動予定情報55から、場所情報テーブル60を用いて、対応する場所情報61を抽出し、さらに、機器情報テーブル70によって、対応する機器情報71を抽出したが、本発明はこれに限られない。例えば、機器情報テーブル70において、行動予定情報55に対して、機器情報71が関連付けられてもよい。
【0078】
この場合、制御部23は、入力情報50から行動予定情報55を抽出し、これに対応する機器情報71を、機器情報テーブル70を用いて直接抽出することができる。すなわち、場所情報61は必ずしも必要ではない。なお、本発明では、行動予定情報55から、場所情報61を介して、機器情報71を抽出する場合も、単に、行動予定情報55から機器情報71を抽出すると称する。以下の説明では、場所情報61を用いた例について説明する。
【0079】
また、機器情報71を取得するまでの工程は、一日に一度行ってもよく、所定時間ごとに行ってもよい。
【0080】
また、同一の場所情報に、複数の使用者がいると判断された場合には、同時使用される場所の機器の能力を上げるように制御することもできる。
【0081】
また、複数の使用者が別々の場所にいると判断された場合には、使用者間で優先順位を設けて、機器を稼働させるように制御してもよい。また、使用者の多い場所を優先して機器を稼働させるように制御することもできる。
【0082】
(実施形態2)
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、図1図8と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2の実施形態では、さらに、場所情報テーブル60の補正および学習機能を有する。
【0083】
図9は、場所情報テーブル60の補正および学習機能の制御工程を示すフローチャートである。制御部23は、前述した機器制御(図4、ステップ105)の後、実際の機器の稼働実績を記憶部25に記憶する(ステップ201)。すなわち、それぞれの時間における機器情報71の稼働実績を記憶する。
【0084】
次に、制御部23は、入力情報50から抽出した行動予定情報55が、場所情報テーブル60に存在したかどうかを判断する(ステップ202)。行動予定情報55が場所情報テーブル60に存在しなかった場合には、ステップ205に移る。
【0085】
行動予定情報55が場所情報テーブル60に存在した場合には、制御部23は、機器情報71を抽出できたことになる。したがって、機器情報テーブル70によって、使用される機器または不使用である機器を予測できたこととなる。
【0086】
次に、制御部23は、予測された機器の使用状況と、実際の機器の稼働実績を比較する(ステップ203)。例えば、使用されると予測された機器の電源がその時間内で落とされた場合や、不使用とされた機器の電源が投入された場合など、予測された機器の稼働状況との乖離を算出する。
【0087】
制御部23は、対象となる時間情報53に対して、使用予測機器が、所定割合以上の時間で電源が落とされていた場合や、不使用と予測された機器が、所定割合以上の時間で電源が投入されていた場合には、予測と実績とが所定以上乖離したと判断する。例えば、使用予測機器の稼働時間が、電源が切られていた時間よりも短い場合や、不使用予測機器の稼働時間が、電源が切られていた時間よりも長い場合に、予測と実績とが所定以上乖離したと判断し、機器情報71と機器使用実績とが異なると判定する。
【0088】
制御部23は、予測と実績とが所定以上乖離したと判断すると、場所情報テーブル60または機器情報テーブル70を補正する(ステップ204)。すなわち、行動予定情報55に関連付けされる場所情報61を補正するか、または、行動予定情報55に対応する場所情報61に関連付けられた機器情報71を実績に合わせて修正する。なお、行動予定情報55から直接機器情報71が関連付けられている場合には、行動予定情報55に関連付けされる場所情報61を補正する。
【0089】
例えば、行動予定情報55=「打ち合わせ」に対して、場所情報61=「客間」が関連付けられていたとする。この場合に、機器使用実績では、他の部屋の電気が使用されたり、いずれの部屋の電気も使用されていなかった場合には、行動予定情報55=「打ち合わせ」に対する場所情報61を、当該部屋に修正したり、「屋外」と修正する。この場合、機器使用実績と機器情報71とが最も近い場所情報61を選択すればよい。または、場所情報61に対して、機器使用実績に合わせて、機器情報71を修正・設定することもできる。
【0090】
制御部23は、補正された情報を記憶部25に保存する。以上で、行動予定情報55に対してあらかじめ関連付けられた場所情報61、または場所情報61に対してあらかじめ関連付けられた機器情報71の少なくとも一方を機器使用実績によって補正することができる。
【0091】
次に、行動予定情報55が場所情報テーブル60に存在しなかった場合について説明する。この場合には、制御部23は、行動予測を行うことができなかったことになる。この場合には、機器使用実績と機器情報71とが最も近い場所情報61を選択・推定する(ステップ205)。
【0092】
また、制御部23は、場所情報テーブル60に、行動予定情報55を新たに追加し、当該行動予定情報55と選択された場所情報61を関連付ける(ステップ206)。または、当該行動予定情報55に対して、新たに場所Aとして、新たな場所情報61を追加して関連付けてもよい。この場合には、新たな場所情報61に対して、機器使用実績に合わせて、機器情報71を設定すればよい。
【0093】
制御部23は、新たに設定された情報を記憶部25に保存する。以上で、新たな行動予定情報55に対して、場所情報61または機器情報71の少なくとも一方を機器使用実績によって学習することができる。
【0094】
なお、記憶部25に記憶された各機器の稼働実績は、情報取得システム7(図1)によって、取得され、行動予測システム5の管理者に送信されてもよい。
【0095】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、行動予定情報55に対する場所情報61または機器情報71を、機器使用実績と比較することで、機器使用実績に近くなるように行動予定情報55との関連付けを補正することができる。このため、より精度よく行動を予測し、機器を制御することができる。
【0096】
なお、場所情報テーブル60および機器情報テーブル70は、使用者IDごとに設定される。このため、使用者の入力時の癖や選択するワードに対して、個々の場所情報テーブル60および機器情報テーブル70が補正される。したがって、使用者ごとに正確な行動予測を行うことができる。
【0097】
また、場所情報テーブル60に設定されていない行動予定情報55が発見された場合には、当該行動予定情報55を新たに場所情報テーブル60に追加し、さらに、機器使用実績から、場所情報61および機器情報71が関連付けられる。したがって、当初設定されていない行動予定情報55を学習し、使用者の行動を予測することができる。
【0098】
(実施形態3)
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施形態では、さらに、省エネルギー情報が使用者へ送信される。
【0099】
図10は、省エネルギー情報の送信工程を示すフローチャートである。制御部23は、前述した機器情報71の取得(図4、ステップ104)の後、機器情報71に関連付けられた使用機器に関する機器稼働情報を記憶部25から取得する(ステップ301)。
【0100】
図11は、機器稼働情報80を示す図である。機器稼働情報80は、記憶部25に記憶される。機器稼働情報80は、機器ID81、稼働予定時間情報83、エネルギー消費量情報85からなる。機器ID81は、予め設定されている機器を識別するものである。稼働予定時間情報83は、当該機器が稼働を予定している時間であり制御部23によって設定される。
【0101】
例えば、時間情報53=「10:00〜11:00」に対応する行動予定情報55から、特定の使用機器(例えば空調機器)が予測された場合、この機器の稼働予定時間は、制御部23によって例えば「9:45〜11:00」と設定される。制御部23は、機器ID81に対して、稼働予定時間情報83を記憶する。なお、例えば空調機器について、終了予定時間の前(例えば15分前)に運転の停止または運転能力を下げることで、快適性や利便性を維持しながら、エネルギー消費量を削減することもできる。すなわち、時間情報53の開始時刻前に、機器情報71から開始時刻後に使用する予定の機器の少なくとも一部を抽出し、当該機器の電源を入れるか運転を開始してもよい。また、時間情報53の終了時刻前に、機器情報71から終了時刻後に使用を終える予定の機器の少なくとも一部を抽出し、当該機器の電源を落とすか運転を停止してもよい。
【0102】
エネルギー消費量情報85は、当該機器の単位時間当たりに消費される平均エネルギー消費量である。エネルギー消費量情報85は、機器ごとにあらかじめ設定されている。
【0103】
次に、制御部23は、機器のエネルギー消費量情報85に稼働予定時間情報83を乗じて、消費エネルギー量を算出する。なお、同一の機器で複数の稼働予定時間情報83を有する場合には、稼働予定時間情報83ごとに、消費エネルギー量を算出する。また、別途記憶部25に記憶されるエネルギー単価(単位エネルギー量当たりのコスト)を読み出して、消費エネルギー量に乗じ、標準コストを算出する(ステップ302)。
【0104】
次に、制御部23は、所定の時間範囲内に、当該機器の複数の稼働予定時間情報83があるかどうかを判定する(ステップ303)。例えば、稼働予定時間情報83が複数ある場合に、互いの稼働予定時間の間隔が所定時間(例えば1時間)以内であるかどうかを判定する。
【0105】
制御部23は、稼働予定時間情報83が複数あり、互いの稼働予定時間の間隔が所定時間以内であると判断すると、当該機器が連続して稼働するように、修正時間を算出する。例えば、稼働予定時間情報83が、A=「8:00〜9:00」、B=「9:45〜11:00」と複数設定されている場合、それぞれに対応する時間情報53は、A=「8:15〜9:00」、B=「10:00〜11:00」である。この場合、修正時間は、A=「9:15〜10:00」、B=「9:00〜10:00」とする。
【0106】
次に、制御部23は、この修正時間で機器を稼働させた場合のコストを算出する。上述した例では、例えば、修正時間Aを採用した場合には、修正時間を考慮した時間情報53は「9:15〜11:00」と連続する。この場合の修正された稼働予定時間情報83は、「9:00〜11:00」と設定される。
【0107】
制御部23は、稼働予定時間情報83が「9:00〜11:00」と設定された場合において、機器のエネルギー消費量情報85およびエネルギー単価を乗じて、修正コストを算出する。また、制御部23は、当初の標準コストと修正コストとを比較し、削減コストを算出する(ステップ305)。
【0108】
制御部23は、使用者端末9に対して、修正時間およびこの際の削減コスト(省エネルギー情報)を送信する(ステップ306)。なお、前述の例において、対象となる時間情報53、A=「8:15〜9:00」、B=「10:00〜11:00」が、別々の使用者である場合には、それぞれの使用者に対して、省エネルギー情報(修正時間および削減コスト)を送信する。
【0109】
省エネルギー情報を取得した使用者は、行動予定時間を変更すると、どの程度のコスト削減につながるかを知ることができる。したがって、予定の変更が効く場合には、使用者は予定を変更して、省エネルギー活動を行うことができる。すなわち、使用者は、通常、省エネルギーを意識せずにスケジュールを組むことが多いが、本実施形態によれば、理由なく設定した予定など、時間に自由度がある場合には、より省エネルギーに有利な予定に変更する契機を与えることができる。
【0110】
ここで、エネルギー単価が時間によって変動がある場合がある。例えば、夜間と昼間とで電気代が変動する場合がある。この場合には、さらに、エネルギー単価による修正時間を算出することもできる。
【0111】
制御部23は、時間によってエネルギー単価の変動があるかどうかを判定する(ステップ307)。エネルギー単価の変動の有無は、使用者によってあらかじめ設定され、記憶部25に記憶されている。
【0112】
時間によってエネルギー単価の変動がある場合には、制御部23は、エネルギー単価の高い時間帯に稼働予定の機器に対して、前述した標準コストを算出する。また、当該機器をエネルギー単価の低い時間帯(修正時間)に稼働した場合の修正コストを算出する。制御部23は、当初の標準コストと修正コストとを比較し、削減コストを算出する(ステップ308)。
【0113】
制御部23は、使用者端末9に対して、修正時間およびこの際の削減コスト(省エネルギー情報)を送信する(ステップ309)。例えば、外出予定(場所情報61=「屋外」)の時間帯を、夜間から昼間に変更することで、昼間のエネルギー単価が高い時間帯に、機器の稼働を抑え、夜間のエネルギー単価が低い時間帯に、機器を稼働させることができる。このため、コストを削減することができる。
【0114】
なお、上述の例では、機器の連続稼働による省エネルギー情報と、機器の使用時間帯の変更による省エネルギー情報との二つの省エネルギー情報を使用者に送信する例を説明したが、いずれか一方のみを送信してもよい。また、記憶部25に記憶された省エネルギー情報を、使用者端末9からアクセス可能な状態とすることで、使用者端末9の表示部に省エネルギー情報を表示させてもよい。また、例えば空調機器について、終了予定時間の前(例えば15分前)に運転の停止または運転能力を下げるように制御した場合には、終了時刻となるまで連続運転した場合と比較して、停止等の制御を早めることによる省エネルギー量を算出し、利用者に送信またはアクセス可能としてもよい。
【0115】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、使用者端末9に対して、使用者の行動予定に対する省エネルギー情報が送信されるため、使用者に、省エネルギーに対する意識付けを行うことができる。また、使用者が省エネルギー情報に基づいて行動予定を修正すれば、実際に省エネルギーの効果を得ることができる。
【0116】
(実施形態4)
第4の実施の形態について説明する。第4の実施形態では、さらに、嗜好情報が使用者へ送信される。
【0117】
図12は、嗜好情報の送信工程を示すフローチャートである。制御部23は、前述した行動予定情報55の取得(図4、ステップ102)の後、行動予定情報55に関連付けられた嗜好情報を記憶部25から取得する(ステップ401)。
【0118】
図13は、嗜好情報テーブル90を示す図である。記憶部25には、予め嗜好情報テーブル90が記憶されている。嗜好情報テーブル90は、行動予定情報55に含まれるワードに対して、それぞれ嗜好情報91が関連付けされている。嗜好情報91は、例えば、趣味のカテゴリーである。なお、嗜好情報91は、ネットワーク13を介して、一般的な情報サイトにおけるカテゴリーと一致させる。
【0119】
制御部23は、ネットワークを介して情報サイトなどから、当該嗜好情報のカテゴリーに関する情報(提供情報)を取得する(ステップ402)。
【0120】
制御部23は、使用者端末9に対して、提供情報を送信する(ステップ403)。例えば、制御部23は、嗜好情報91=「映画」であれば、ネットワーク上の情報サイトから映画に関する情報(チケット情報や上映情報、新作情報など)を取得し、使用者に送信する。なお、記憶部25に記憶された嗜好情報91を、使用者端末9からアクセス可能な状態とすることで、使用者端末9の表示部に嗜好情報91を表示させてもよい。
【0121】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、使用者端末9に対して、使用者の行動予定から嗜好情報91を予測し、嗜好情報91に関する提供情報が送信される。このため、使用者の趣味に応じた情報を使用者に送信することができる。
【0122】
なお、行動予定情報55が趣味に関するワードである場合、当該行動予定情報55は、場所情報テーブル60と嗜好情報テーブル90の両方に存在することになる。したがって、例えば行動予定情報55=「映画」であれば、場所情報61=「屋外」、行動予定情報55=「読書」であれば、場所情報61=「書斎」など、行動予定情報55が趣味に関するワードであっても、場所情報61および機器情報71と関連づけられる。このため、上述した機器制御等を行うことができる。
【0123】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0124】
例えば、前述した各実施例は、互いに組み合わせることもできることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0125】
1………機器制御システム
3………サーバ
5………行動予測システム
7………情報取得システム
9………使用者端末
11………機器
13………ネットワーク
15………行動予定抽出部
17………情報記憶部
19………機器制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13