(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093301
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】アッセイ用基板にブロッキング材料を塗布するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20170227BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20170227BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20170227BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
G01N33/543 525W
G01N33/543 525U
B05D7/00 Z
B05D7/24 301Z
B05D1/02 Z
G01N33/543 501J
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-524190(P2013-524190)
(86)(22)【出願日】2011年8月10日
(65)【公表番号】特表2013-545074(P2013-545074A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】US2011047168
(87)【国際公開番号】WO2012021571
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年8月8日
(31)【優先権主張番号】61/372,552
(32)【優先日】2010年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510108434
【氏名又は名称】オーション バイオシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリバー,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ホルウェイ,トニ
(72)【発明者】
【氏名】サリバン,トラビス
【審査官】
渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−343270(JP,A)
【文献】
特表2008−527333(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0073511(US,A1)
【文献】
特開2006−090718(JP,A)
【文献】
特開2009−263353(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0227663(US,A1)
【文献】
Michael hartmann et al.,Non-contact protein microarray fabrication using a proscedure based liquid bridge formation,Anal. bioanal. Chem. ,2009年,Vol.393 ,P.591-598
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 − 33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
アッセイ用基板を供給することであって、少なくとも一つの表面と、その上に少なくとも一つの分析機能部を有する前記基板の前記表面の第一の部分と、分析機能部を欠如する前記基板の前記表面の第二の部分とを有するアッセイ用基板であって、前記少なくとも一つの分析機能部が、前記基板の前記表面に接触する第一の表面と、前記基板の前記表面に接触しない第二の表面とを有していることを特徴とするアッセイ用基板を、供給する工程と、
前記基板の前記表面に近接してブロッキング材料のスプレーを生成する工程と、
前記基板の前記表面に近接するスプレー生成を、前記分析機能部の前記第二の表面が、前記ブロッキング材料によって被覆されるまで継続する工程と、
ピペットを介してブロッキング材料を少なくとも一つのウェルに添加する工程と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ブロッキング材料の前記スプレーが、エアブラシによって生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エアブラシが、中心軸を有するスプレーパターンを生成し、前記スプレーパターンの前記中心軸を前記基板の前記少なくとも一つの表面に実質的に垂直に維持するように、前記エアブラシが前記基板に対して保持されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
操作において、前記エアブラシが、前記エアブラシを通過するブロッキング材料の流速及びエア供給圧力を有しており、前記エアブラシを通過する流速が5ml/分〜20ml/分の範囲であり、前記エア供給圧力が34kPa〜207kPaの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ブロッキング材料の前記スプレーがノズルで開始しており、前記基板の前記表面が、ノズルから2cm〜41cmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロッキング材料の前記スプレーがノズルで開始しており、前記方法が、前記ブロッキング材料を前記基板の前記表面の実質的に全体にわたって分散させるために、前記ノズル及び前記アッセイ用基板の少なくとも1つを互いに対して移動させる工程を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
一部分が前記ノズルの下方に配置されているコンベアーの上に、前記アッセイ基板を配置する工程と、
前記コンベアーを作動させて、前記アッセイ基板を前記ブロッキング材料のスプレー内に持ってくる工程と、
を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アッセイ基板が微量滴定プレートであり、前記微量滴定プレートが複数のウェルを有しており、前記少なくとも一つの分析機能部が前記ウェルのうちの一つの中に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アッセイ基板が官能基化スライドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれた、「Method of and System for Applying Blocking Material to Assay Substrates」と題され、2010年8月11に出願された、米国仮特許出願第61/372,552号の35U.S.C.§119(e)の下、その利益を主張するものである。
【0002】
背景
技術分野
本発明は、アッセイ用基板(分析用基板)の調製に関し、より具体的には、機能をともなって印刷されたアッセイ用基板へのブロッキング材料(遮断材料)の塗布に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の記載
アッセイ用基板は、その上で様々な化学的及び/又は生物学的分析を実施することができる表面である。例としては、マイクロアレイプレート、スライドガラス、及び微量滴定プレートが挙げられる。微量滴定プレートは、その表面内に形成された複数の「ウェル」を有する平坦なプレートである。それぞれのウェルは、化学的分析を実施する目的のために様々な材料をその中に配置することができる小さい試験管として用いることが可能である。微量滴定プレートの1つの例示的使用として、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)が挙げられ、これは最近の医療診断試験技法である。
【0004】
ELISAにおいて、一般的に、捕捉抗体が微量滴定プレートのウェルの底部に印刷されている。この捕捉抗体は、アッセイが実施される特定の抗原に関して特異性を有する。分析される試料が、捕捉抗体を含有するウェルに添加され、この捕捉抗体が試料中に含まれる抗原を「捕捉する」、すなわち固定化する。次いで検出抗体がウェルに添加され、これがまた抗原とも結合し、かつ/又は抗原と複合体を形成する。次いで、検出抗体によって生成される検出可能な信号を発生するような更なる物質が、ウェルに添加される。例えば、特定の波長の光がウェル上に照射される場合、抗原/抗体複合体は蛍光を発するだろう。試料中の抗原の量は、蛍光の大きさに基づいて推測することができる。別の例において、所定の波長(例えば400〜500nm)の範囲内で検出抗体に光を放射させるような化合物がウェルを添加することができる。この光は、放射された光の光学的輝度を測定するためのCCDカメラによって読み取ることができる。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
一態様において、本発明は、アッセイ用基板にブロッキング材料を塗布するための方法及びシステムを特徴とする。
【0006】
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの表面を有するアッセイ用基板を供給することを含む方法を特徴とする。基板の表面の第1の部分は、その上に少なくとも1つの分析機能部を有し、基板の表面の第2の部分は、分析機能部を欠如する。この方法はまた、ブロッキング材料のスプレーを基板の表面に近接して生成することと、基板の表面の第2の部分がブロッキング材料によって実質的に被覆されるまで、基板の表面に近接するスプレー生成を継続することとを含む。
【0007】
更なる態様では、少なくとも1つの分析機能部が、基板の表面に接触する第1の表面と、基板の表面に接触しない第2の表面とを有する。この方法はまた、分析機能部の第2の部分がブロッキング材料によって実質的に被覆されるまで、基板の表面に近接するスプレー生成を任意選択で継続することを含む。
【0008】
更に別の態様では、ブロッキング材料のスプレーは、エアブラシによって生成される。任意選択で、このエアブラシは、中心軸を有するスプレーパターンを生じ、このエアブラシは、スプレーパターンの中心軸を基板の少なくとも1つの表面に対して実質的に垂直に維持するために、基板に関して保持される。
【0009】
更に他の態様では、操作において、このエアブラシはエアブラシを通過するブロッキング材料の流速及びエア供給圧力を有する。エアブラシを通過する流速は、約5ml/分〜約20ml/分の範囲であり、エア供給圧力は、約34kPa〜約207kPaの範囲である。
【0010】
本発明の一態様において、ブロッキング材料のスプレーはノズルで開始され、基板の表面はノズルから約2cm〜約41cm内の範囲にある。
【0011】
別の態様では、ブロッキング材料のスプレーはノズルで開始され、この方法は、基板の実質的に全表面にわたってブロッキング材料を分散させるために、ノズル及びアッセイ基板のうちの少なくとも1つを互いに対して移動することを更に含む。任意選択で、この方法は、コンベアーの一部がノズルの下に配置される状態で、アッセイ基板をコンベアー上に配置させて、コンベアーを作動させて、アッセイ基板をブロッキング材料のスプレーの中に持ってくることを含む。
【0012】
更に別の態様においては、アッセイ用基板は微量滴定プレートである。この微量滴定プレートは、複数個のウェルを有し、少なくとも1つの分析機能部が1つのウェル内に配置される。任意選択で、この方法はまた、ピペットを介してブロッキング材料を少なくとも1つのウェルに添加することも含む。
【0013】
更に他の態様においては、このアッセイ基板は、官能基化スライドである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、微量滴定プレートにおける単一のウェルの断面側面図を示す。
【
図2A】
図2Aは、ブロッキング材料をウェルに添加する既知の方法の過程中のウェルの一連の断面側面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、ブロッキング材料をウェルに添加する既知の方法の過程中のウェルの一連の断面側面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、ブロッキング材料をウェルに添加する既知の方法の過程中のウェルの一連の断面側面図を示す。
【
図3】
図3は、既知の方法を用いたブロッキング材料の塗布後のいくつかの印刷された機能部の上面図を示す。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態により微量滴定プレートを調製する方法を示す。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態によるブロッキング材料をウェルに添加する方法の間のウェルの一連の断面側面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態によるブロッキング材料をウェルに添加する方法の間のウェルの一連の断面側面図を示す。
【
図5C】
図5Cは、本発明のいくつかの実施形態によるブロッキング材料をウェルに添加する方法の任意選択のステップの間のウェルの断面側面図を示す。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態によるブロッキング材料の塗布後のいくつかの印刷された機能部の上面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、ブロッキング材料のスプレーの下を通過するコンベアー上のアッセイ用基板の一連の断面側面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、ブロッキング材料のスプレーの下を通過するコンベアー上のアッセイ用基板の一連の断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
図1は、微量滴定プレート100内の単一のウェルの断面側面図の具体例を示す。ウェルの底部は、ポリスチレン基部105から形成される。ELISAにおける使用のための微量滴定プレートの調製中に、多くの異なる捕捉抗体「スポット」又は「機能部」110がウェルに印刷され、ポリスチレン基部105に接着する。この機能部は、例えば直径を、約320〜380μmとすることができる。捕捉抗体機能部110を印刷した後に、ブロッキング材料がウェルに添加され、プレート100上に留まるプレート結合部位115を遮断する。これが、間違った読みを与えることになるELISA中におけるウェルの基部への試料抗原の非選択的結合を防止する。
【0016】
図2A〜Cは、ELISAプレートの調製中に、ブロッキング材料をウェルに添加する既知の方法の間のウェル205の一連の断面側面
図200を示す。分析機能部210が印刷された後に、ブロッキング材料220の溶液を含有するマイクロピペット215が、溶液の約200μLをウェル205に添加するために用いられる。しかしながら、この方法は、プレートウェルの内側での望ましくない影響を誘導する可能性がある。特に、1つ以上の印刷された機能部の上方にブロッキング材料溶液を直接的に塗布することは、印刷された機能部に衝撃を与えるブロッキング材料溶液の力のために、機能部の形状を破壊する可能性がある。したがって、典型的アプローチは、ウェル205の壁220の一部に沿ってブロッキング溶液を塗布することである。
【0017】
このようなアプローチは、印刷された機能部210によって経験される衝撃力を低減することができる。しかしながら、場合によっては、印刷された機能部210は、印刷された機能部の頂部を越えて洗い流し入ってくるブロッキング材料溶液によってそれでも「倒れ込む」可能性がある(
図2Bに示されるように)。次いで、この倒れ込んだ機能部は、大きな変形したスポット225をウェルプレートの底部の表面上に形成する可能性がある(
図2Cに示されるように)。
【0018】
図3は、
図2A〜2Cに図示された既知の方法を用いてのブロッキング材料の塗布後のいくつかの印刷された分析機能部の上面
図300を示す。
図2に示されるように、分析機能部のいくつかは倒れ込みかつウェルプレートの底部表面のより広い部分にわたって広がっている。したがって、上から見た場合、これらの機能部は明確に画定された円形を欠如する。これらの変更された機能部は、検出し又は「読取る」ことがより困難である可能性がある。例えば、自動化ELISAリーダーは奇形した機能部を誤解読し、倒れ込んだ機能部は、隣接する機能部を妨害する場合があり、かつ/又は機能部の強度が影響される場合がある。更には、奇形した分析機能部を有するプレートのユーザーは、そのプレートを品質が欠如しているものと認識するかもしれず、又はユーザーは分析の結果における信頼性を失うかもしれない。
【0019】
図4は、いくつかの実施形態による微量滴定プレートを調製する方法400を示す。方法400は、ブロッキング材料の微量滴定ウェルへの添加の過程での分析機能部の奇形及び/又は倒れ込みを低減又は排除する。本明細書で使用する場合、「標的プレート」とは、分析の特定セットのために調製される(例えば、後の使用のために印刷され、遮断され、かつ処理される)プレートである。一方、「ソースプレート」とは、標的プレート上に印刷される材料の供給を有する微量滴定プレートである。例えば、ソースプレートのウェルは、標的プレート上に印刷されるべき抗体の様々なタイプで充填することができる。
【0020】
方法400によると、ソースプレートは、印刷プロセス(ステップ410)用に調製される。これは、ソースプレートのウェルを、標的プレート上に印刷される所望の材料で充填することを含むことができる。次に、標的プレートが、印刷用に調製される(ステップ420)。これは、印刷される材料がプレートウェルの底部表面に接着することが可能であるように洗浄すること及び/又は他の表面処理を含むことができる。次いで、このソース及び標的プレートが、印刷装置(例えば、米国マサチューセッツ州、ビレリカのAushon Biosystems,Inc.から入手可能な2470 Arrayer)(ステップ430)内に取り付けられる。機能部が、標的プレート)のウェルに印刷され(ステップ440)、印刷された標的プレートが一定時間インキュベートされ(ステップ450)、更に標的プレートが乾燥される(ステップ460)。
【0021】
次に、スプレープロセスを介して、ブロッキング材料が標的プレートに塗布される(ステップ470)。
図5A〜5Bは、1つの実装によるスプレー工程中のウェル505の一連の断面側面
図500を示す。示された実装において、プレートのウェル520の底部表面にブロッキング材料515を塗布するために、エアブラシ510(例えば、Paasche TalonモデルTG0210)が用いられる。スプレーステップ中に、ブロッキング材料溶液のおよそ10mlが、プレートの表面全体にわたってスプレーされる。このブロッキング材料は、圧縮された空気源、例えば、約138kPa(20psig)の圧力で、清浄かつ乾燥した空気を供給する標準エアコンプレッサーによって推進される。エアブラシの流速は、約10ml/分に設定される。
【0022】
エアブラシのノズルは、プレートの表面から約15cm(6インチ)に配置され、ノズルをプレートの表面に対して垂直に保持すると同時に、エアブラシが表面全体にわたって掃引される。言い換えると、スプレーパターン525の中心が、プレートの表面に対して本質的に垂直である。少なくともその上に印刷された機能部が存在しないプレートの表面の部分が実質的にブロッキング材料で被覆されるまで、スプレー作業が継続される。任意選択で、このスプレー作業は、少なくともウェル内のブロッキング材料のレベルが印刷された分析機能部530を被覆するまで継続される。ブロッキング材料のこのレベルが達成された後に、スプレー作業プロセスを継続することによって、追加のブロッキング材料を添加することができ、又は上記のように(ステップ480)、任意選択で、追加のブロッキング材料をマイクロピペットを介して添加することができる。
図5Cは、ピペットを介してブロッキング材料をウェルに添加するこの任意選択のステップ中のウェルの断面側面図を示す。
【0023】
次いで標的プレートが、既知の方法を用いて、使用又は貯蔵のために処理される(ステップ490)。例えば、標的プレートは約4℃で一夜インキュベートすることができる。或いは、過剰のブロッキング材料(例えば、ウェルの底部に結合されなかったブロッキング材料)はが、標的プレートから除去することができ、次いでこのプレートを乾燥することができ、次いで貯蔵用に防湿性パッケージ内に配置することができる。ブロッキング材料を塗布するための開示された方法は、ブロッキング材料の微量滴定ウェルへの添加中の機能部の奇形及び/又は倒れ込みを低減又は排除する。
図6は、いくつかの実施形態によるブロッキング材料の塗布後のいくつかの印刷された機能部605の上面
図600を示す。図に示されるように、印刷された機能部605は、良好に画定された円形の境界線を有し、既知の方法によって調製されたプレートで出現する奇形の機能部を有することはない。したがって、本明細書に開示された方法により調製されたプレートは、優れた分析機能部の均一性を有する。
【0024】
本発明の範囲は、そこにウェルを有する微量滴定プレートを含んでいる適用に限定されるものではない。本発明の別の実施形態において、本明細書に記載された技法は、官能基化スライド(例えば、官能基化スライドガラス)に適用可能である。このような実装において、官能基化スライドは、微量滴定プレートに見られるようなウェルを欠く。その代わりに、官能基化スライドは、表面部分に様々な化合物を結合することによって修飾された表面部分を含有する。例えば、官能基化スライドの表面は、特定の官能基を有する長鎖ポリマーが共有結合された部分を有することができる。この官能基は、生物学的分子が官能基化スライドによって捕捉されることを可能にする。官能基化スライドに適用される場合、本明細書の技法は、スライドの官能基化領域への破壊を低減すると同時に、スライドの部分(例えば、官能基化されていない部分のような)がブロックされることを可能にする。
【0025】
本明細書に記載されるようなブロッキング材料の塗布は、手で塗布することができる。いくつかの実装においては、このブロッキングは、自動機械によって塗布することができる。例えば、プリンティング、インキュベーション、及び乾燥(ステップ440、450、及び460)後に、その上方に1つ以上のスプレーノズルが取り付けられたコンベアー上にプレートを配置することができる。このコンベアーの速度は、1つ以上のノズルのスプレーパターン525内のプレートの適切な滞留時間を保証するように制御される。例えば、全てのノズルの総流速が約10ml/分である場合、コンベアー速度は、プレートの表面の少なくともいくつかの部分が1分の間スプレーパターンの下にあることをもたらすように制御することができる。別の例示の実装においては、プレートは固定された位置に保持され、自動アームがプレートの表面の上方に1つ以上のスプレーノズルを向けることができる。
【0026】
上記で提供された特定の操作パラメータは、単に例示であり、他の数値は、本発明の範囲内である。例えば、ブロッキング材料流速は5〜20ml/分の間で変化することができ、エアブラシフローノズルとプレートの表面との間の距離は、2〜41cm(1〜16インチ)の間で変化することができ、並びに空気圧は、34〜207kPa(5〜30psig)の間で変化することができる。これら範囲は単に例示であり、限定されることを意図されないことを理解されたい。
【0027】
図7A〜7Bは、ブロッキング材料のスプレーの下を通過するコンベアー上のアッセイ用基板の一連の断面図を示す。示されたこの実装において、スプレーノズル710は、ブロッキング材料715をアッセイ用基板720(例えば、微量滴定プレート又は官能基化スライド)の表面に塗布するために用いられる。アッセイ基板720は、コンベアー725上に配置され、このコンベアーが矢印730によって示された方向に作動され、アッセイ基板720をブロッキング材料715のスプレーの下で移動させる。示されてはいないが、一連のアッセイ用基板が、連続してコンベアー上に装填され得る。
【0028】
スプレーノズル710は、上記により詳細に記載されたようなエアブラシのスプレーノズルとすることができる。更に、スプレーノズル710は、設置型とすることができ、又はアッセイ用基板720の表面全体にわたるブロッキング材料715の均一な被覆を提供するように、側方から側方に(基板730の走行方向に対して)移動することができる。
【0029】
本明細書で使用される用語及び表現は、説明のための用語であり、限定するものではない。表示された又は記載された特徴の等価物、若しくはその部分を除外する、このような用語及び表現の使用を意図しておらず、特許請求されている本発明の範囲内で、様々な改変が可能であることが認識される。