特許第6093307号(P6093307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エス アンド ティー グローバル インク.の特許一覧

特許6093307ウイルス感染の治療および予防のための新規シクロスポリン誘導体
この文献は図面が300枚以上あるため,図面を表示できません.
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093307
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】ウイルス感染の治療および予防のための新規シクロスポリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/64 20060101AFI20170227BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20170227BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20170227BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20170227BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   C07K7/64
   A61K37/02
   A61P31/12
   A61P31/18
   A61P31/14
【請求項の数】14
【全頁数】217
(21)【出願番号】特願2013-542244(P2013-542244)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公表番号】特表2014-500265(P2014-500265A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】US2011063295
(87)【国際公開番号】WO2012075494
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2014年12月4日
(31)【優先権主張番号】61/419,326
(32)【優先日】2010年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513137617
【氏名又は名称】エス アンド ティー グローバル インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ス,ズァン
(72)【発明者】
【氏名】ロン,ゼンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ゼンニァン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スイゾウ
【審査官】 川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−502320(JP,A)
【文献】 特表2008−514702(JP,A)
【文献】 特開昭61−212599(JP,A)
【文献】 特表2008−514732(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/088573(WO,A1)
【文献】 Papageorgiou, Christos et al.,Anti HIV-1 activity of a hydrophilic cyclosporin derivative with improvedbinding affinity to cyclophilin A,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,1996年,Vol.6, No.1,23-26,ADDITIONS AND CORRECTIONS Vol.6, No.4, 497
【文献】 Kuhnt, Michaela et al.,Microbial biotransformation products of cyclosporin A,Journal of Antibiotics,1996年,Vol.49, No.8,781-787
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 7/64
A61K 38/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

(式中:
は、n−ブチル、(E)−ブタ−2−エニル、または
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
である;

は、エチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピルまたはn−プロピルである;

Wは、OまたはSである;

は:
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニル
である;

は、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

である;

は:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニル
である;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;

およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;

のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;

pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして

mは、1、2、3、4または5の整数である)
の化合物またはその薬剤的に許容される塩。
【請求項2】
以下のいずれかの構造を有する、請求項1記載の化合物。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【請求項3】
式(II)〜(V):
【化5】
[この文献は図面を表示できません]

(式中:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]

は単結合または二重結合を表す;

各Wは独立して、OまたはSである

各Rは独立して
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニル
である;

各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニル
である;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;

およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−N=CH−NRF’、−N=CMe−NRF’、もしくは−NRC(=NH)NRF’を形成する;

のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;

およびRF’のそれぞれは独立して水素、(C−C)アルキル、フェニル、ベンジルであるか、またはRおよびRF’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;

pは、0、1、2、3、4、5、または6の整数である;

mは、1、2、3、4、5、または6の整数である;そして

nは、1、2、3、4、5または6の整数である。
の構造を有する請求項1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩。
【請求項4】
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、CHCMe、フェニル、CH−フェニル、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]

である、および/または、
が−(CHNRであり、ここで、nは1、2、3、4、5または6の整数であり;RおよびRのそれぞれは独立して、水素;同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル(ここで、Rのそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである)であるか;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルから選択される同一または異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;および/または、
が−(CHNRであり、ここで、nは1、2、3、4、5または6の整数である;若しくはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウから選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルから選択される同一または異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;および/または、
が、2−アミノエチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、2−モノアルキルアミノエチル、2−モノアルキルアミノブチル、3−モノアルキルアミノブチル、2−ジアルキルアミノエチル、2−ジアルキルアミノブチル、または3−ジアルキルアミノブチルであり、ここで前記アルキルが(C−C)アルキルである;および/または、
がジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、メチルエチルアミノエチル、メチル−イソ−ブチルアミノエチル、エチル−イソ−ブチルアミノエチル、メチル−tert−ブチルアミノエチル、またはエチル−tert−ブチルアミノエチルである;および/または、
が:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、nは2、3、4、5、または6の整数であり、そしてmは2、3、または4の整数である)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(C−C)OR、(C−C)−モノアルキルアミン、(C−C)−ジアルキルアミン、または(C−C)−環状アミンであり、ここで、前記フェニルまたはベンジルは、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびハロゲンから選択される1〜3個の置換基により場合によって置換されている;そしてRは、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;pが、0、1、2、3、4、または5の整数である;そしてmが、1、2、3、4または5の整数である、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
およびRのそれぞれが独立して、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、または(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;および/または、
およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、CHCHOH、またはCHCHO(C−C)アルキルである)
から選択されるヘテロ環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
式(IIa)〜(Va):
【化10】
[この文献は図面を表示できません]

(式中:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;

各Wは独立して、OまたはSである

各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニル
である;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;

およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;

のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;

のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;

各pは独立して、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして

m、nおよびqのそれぞれは独立して、1、2、3、4または5の整数である)
の構造を有する請求項1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩。
【請求項8】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]

が単結合または二重結合を表す

各Rが独立して
【化13】
[この文献は図面を表示できません]

である;

が:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;

のそれぞれが独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;

およびRのそれぞれが独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;

のそれぞれが独立して、水素または(C−C)アルキルである;

のそれぞれが独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;

各pが独立して、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして

m、nおよびqのそれぞれが独立して、1、2、3、4または5の整数である、請求項3記載の化合物。
【請求項9】
が、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(C−C)OR、(C−C)−モノアルキルアミン、(C−C)−ジアルキルアミン、または(C−C)−環状アミンであり、ここで、前記フェニルまたはベンジルは、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびハロゲンから選択される1〜3個の置換基により場合によって置換されている;そしてRが、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そしてmは、1、2、3、4または5の整数である;並びに/または、
が、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(CHOH、および/または(CHO(C−C)アルキルである;並びに/または、
がH若しくはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
およびRのそれぞれが独立して、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキル−OH、(CHO(CHOH、or (CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;並びに/または、
およびRのそれぞれが独立して、Hまたは(C−C)アルキルである;並びに/または、
およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
【化14】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、CHCHOH、またはCHCHO(C−C)アルキルである)から選択されるヘテロ環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−イソブチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−メチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ピペリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−モルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−チオモルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(4−メチル−N−ピペラジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ネオペンチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピロリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−モルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−チオモルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(4−メチル−N−ピペラジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N,N−ジエチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−イソブチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ネオペンチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−メチル−N−ネオペンチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ピペリジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−モルホリノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−チオモルホリノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(4−メチル−N−ピペラジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(R)−(3−(N−モルホリノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ピロリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ピペリジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、および
[(R)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
以下の構造:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]

を有する化合物、またはその薬剤的に許容される塩。
【請求項13】
少なくとも1つの請求項1に記載の化合物および薬剤的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
それを必要とするほ乳類種においてウイルス感染;及び/又はB型肝炎ウイルス感染;及び/又はC型肝炎ウイルス感染;及び/又はHIV感染を治療または予防するための医薬の製造における、治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年12月3日付で出願された米国特許仮出願第61/419,326号(その全内容は参照することによって本明細書中に組み込まれる)の恩恵を請求する。
【0002】
本発明は、新規シクロスポリン誘導体、これを含むそれらの医薬組成物、およびこれを使用してウイルス感染を治療または予防するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然に存在するシクロスポリンは、真菌から単離されたポリ−N−メチル、環状ウンデカペプチドである。シクロスポリンAは免疫抑制活性を有し、そして腎臓、心臓および肝臓移植レシピエントにおける拒絶を予防するためにほぼ30年間使用されてきた。それは抗炎症性を有し、関節リウマチ、重篤な乾癬、ベーチェットブドウ膜炎(Behget’s uveitis)およびドライアイ疾患を治療するために有用である。加えて、重篤な潰瘍性大腸炎、クローン病、円形脱毛、再生不良性貧血、HSV−1間質角膜炎、全身性紅斑性狼瘡、および重篤な狼瘡性腎炎を治療するために有用である。
【0004】
シクロスポリンAの抗HIV活性が発見された(Klatzmann, D., et al., 1986, C R Acad. Sci. III, 303(9):343-8; Wainberg, M. A., et al., 1988, Blood, 72, 1904-10; Luban, J., et al., 1993, Cell, 73, 1067-1078;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。その非免疫抑制性誘導体であるNIM−811は、シクロフィリンAを阻害することができるために、強力な抗HIV活性を有することが報告された(Franke, E. K., et al., 1994, Nature, 372, 359-362; Thali, M., et al., 1994, Nature, 372, 363-365; Gamble, T. R., et al., 1996, Cell, 87, 1157-1159; Rosenwirth B., et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother., 38, 1763-1772;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0005】
シクロスポリンAおよびその非免疫抑制性誘導体、例えばNIM−811(N−MeIle−4−シクロスポリン)、Debio−025、およびSCY−635は、シクロフィリンを阻害し、HCVタンパク質NS5Bと相互作用し、そのRNA結合活性を刺激する。結果として、これらの化合物は有効な抗HCV活性を有する(Watashi, K., et al., 2007, Rev. Med. Virol., 17:245-252.37; Inoue, K., et al., 2001, Nippon Rinsho., 59, 1326-30; Inoue, K., et al., 2003, J. Gastroenterol., 38, 567-72; Watashi, K., et al., 2003, Hepatology, 38, 1282-8; Gaither, L. A., et al., 2010, Virology, 397, 43-55;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。現在は、NIM−811、Debio−025、およびSCY−635はHCVの治療に関して治験を受けている。
【0006】
NIM−811およびDebio−025は、シクロスポリンAと類似した化学構造を有し、不十分な薬物動態プロフィールおよび不十分な経口吸収を有する。加えて、それらは薬物相互作用を誘発するためにP450によって代謝される(Lill, J., et al., 2000, Am J Health-Syst Pharm 57, 1579;参照することによって本明細書中に組み込まれる)。
【0007】
SCY−635は、改善された薬物動態プロフィールおよび低い血清結合を有する。加えて、P450によってあまり代謝されず、薬物間相互作用の可能性が低い。SCY−635のインビトロ抗HCV活性(EC50)は、Hopkins, S. et al., 2010, Antimicrob. Agents Chemother., 54, 660-672(参照することによって本明細書中に組み込まれる)によって開発されたルシフェラーゼ終点法を使用することによって、0.10μMであると報告された。しかしながら、SCY−635は、我々の実験室での試験結果によると、化学的に安定でない。SCY−635は、エピマー化によってそのジアステレオ異性体に容易に変換され、これは、シクロフィリンとの結合活性が低いと予想され、結果として、そのインビボ抗ウイルス活性は影響を受ける可能性がある。
【0008】
シクロスポリンAおよびその非免疫抑制性誘導体はさらに、シクロフィリンの阻害により抗HBV活性を有することも見出された(Chokshi, S., et al., 2011, Abstract 190 (Poster Presentations), 46th Annual Meeting of the European Association for the Study of the Liver (EASL 2011), Berlin, March 30-April 3; Tian, X. C., et al., 2010, J. Virol., 84, 3373-3381; Xia, W. L., et al., 2004, Hepatobiliary Pancreat Dis Int., 4, 18-22; Michael, J., et al., 2003, J. Virol., 77, 7713-7719;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0009】
さらに、シクロフィリンは、インフルエンザA型ウイルス、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス、およびワクシニアウイルスをはじめとするいくつかのウイルスの生活環および病原性を調節することが報告された(Castro, A. P., et al., 2003, J. Virol., 77, 9052-9068; Chen, Z., L., et al., 2005, J. Infect. Dis. 191, 755-760; Liu, X. L., et al., 2009, Cell Microbiol., 11, 730-741;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。シクロスポリンAおよびその非免疫抑制性誘導体もまた、そのような抗ウイルス活性を有する。
【0010】
別の非免疫抑制性シクロスポリン誘導体であるN−MeVal−4−シクロスポリン(SDZ 220−384)は、NIM−811の生物学的活性と類似した生物学的活性を有すると報告された(Fliri, H., et al., 1993, Ann. N Y Acad Sci. 696, 47-53; Zenke, G., et al., 1993, Ann N Y Acad Sci. 23;685:330-5)。
【0011】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、フラビウイルス科の小さな(55〜65nmのサイズ)エンベロープ型正方向1本鎖RNAウイルスである。HCVは高い複製率を有し、非常に高い変異率を有する。HCVに感染した人の大部分(約80%)は、慢性の持続感染を発症する。400万人を越えるアメリカ人がHCVに感染し、世界中で2億人を越える人が慢性的に感染していると推定される。米国では毎年、約35,000件のC型肝炎の新規症例が起こっていると推定される。HCV感染は、米国における全慢性肝臓疾患の約50%、全肝臓移植の30%、そして全ての肝硬変、末期肝臓疾患、および肝臓ガンの30%の原因となる。ペグインターフェロンおよびリバビリンの組み合わせは、慢性C型肝炎の標準的治療であるが、HCV感染に対して効果が低い。近年、FDAは、Vertex社のIncivek(テラプレビル)およびMerck社のVictrelis(ボセプレビル)を、HCVを治療するための現行のインターフェロン/リバビリン療法に対するアドオンとして承認した。どちらの薬物もHCVプロテアーゼ阻害剤であり、ウイルスを標的にして、その複製を阻害する。しかしながら、速い突然変異のために、薬物耐性が短期間で新規薬物について生じる可能性がある。HCV治療のための有効な治療薬が必要とされる。
【0012】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、表面抗原(HBsAg)を含有する外部リポタンパク質エンベロープによって取り囲まれた27nmのヌクレオカプシドコア(HBcAg)から構成される、42nmの部分的二本鎖DNAウイルスである。世界の人口の約4分の1である20億人を超える人がB型肝炎ウイルスに感染している。これには、3億5000万人のウイルスの慢性保菌者が含まれる。この疾患はアジアおよびアフリカの一部で流行を引き起こし、中国では風土病である。慢性B型肝炎は、現行の化学療法に対する応答が非常に乏しい致死的疾患である肝硬変や肝臓ガンを引き起こす。感染は予防接種およびHBV負荷によって予防でき、複製は現行の抗ウイルス性薬物であるラミブジン(Epivir)、アデフォビル(Hepsera)、テノフォビル(Viread)、テルビブジン(Tyzeka)およびエンテカビル(Baraclude)ならびに2つの免疫系モジュレーターインターフェロンアルファ−2aおよびPEG化インターフェロンアルファ−2a(Pegasys)によって減少させることができるが、利用可能な薬物はいずれも感染を治すことができない。HBV感染を治療または予防するための有効な治療薬がいまだ必要とされている。
【0013】
非免疫抑制性シクロスポリン誘導体は、ウイルス複製のためのウイルスタンパク質のプロセッシング、成熟のために重要であるタンパク質フォールディングでのシス−トランスペプチジル−プロリル異性化を触媒する宿主タンパク質のファミリーであるシクロフィリンと結合する。シクロスポリン誘導体による宿主補助因子−シクロフィリンのターゲティングの利点が、耐性の発生に対して推定される高い遺伝的障壁であることも現行の抗HIVおよび抗HCV薬物と異なる(Rosenwirth, B., et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother., 38, 1763-1772; Tang, H. L. et al., 2010,Viruses, 2, 1621-1634; Hopkins, S. et al., 2010, Oral Presentation, Scynexis’s SCY-635 Demonstrates Impressive Barrier to Resistance in HCV Treatment, the 45th Annual Meeting of the European Association for the Study of the Liver (EASL 2010), Vienna, Austria, April 14-18;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。シクロスポリン誘導体は、新規標的−シクロフィリンに影響を及ぼし、したがってHCVに対する作用の新規機序である。
【0014】
シクロフィリンは、細胞内で合成される他のタンパク質のフォールディングおよび輸送を助ける酵素のファミリーである。タンパク質フォールディングまたはミスフォールディングは、例えばウイルス性疾患(HCV、HIV、および単純ヘルペスウイルス)、中枢神経系障害(卒中、外傷性脳損傷および脊髄損傷、アルツハイマー、パーキンソン病、およびハンチントン病についてのミトコンドリア保護)、心臓血管疾患(心筋梗塞、心臓発作、および慢性心不全における再灌流傷害)、ガン、炎症(呼吸器炎症、喘息、関節リウマチ、ドライアイ疾患)など、および炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、アトピー性皮膚炎、抗真菌および抗寄生虫治療、育毛、ならびに肥満、糖尿病、筋ジストロフィー、およびNSAID誘発性腸疾患をはじめとする多くの重篤な疾患の病態生理で重要な役割を果たす。
【0015】
シクロスポリン誘導体はシクロフィリンを標的とし、そしてこれらの疾患の治療のために重要な役割を果たす可能性がある。
【0016】
特に別段の定めがない限り、本明細書中で用いられる全ての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で記載されているものと類似しているかまたは同等である方法および材料を本発明の実施または試験で用いることができるが、好適な方法および材料は後述する。本明細書中で記載される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、全体として参照することによって本明細書中に組み込まれる。加えて、材料、方法、および実施例は、単に例示的であって、限定的であることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
1つの態様において、本発明は、式(I):
【0018】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
は、n−ブチル、(E)−ブタ−2−エニル、または
【0019】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
である;
は、エチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピルまたはn−プロピルである;
Wは、O、S、またはNRである;
は、H、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、アリールもしくは置換アリール、またはヘテロ環もしくは置換ヘテロ環である;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
は、H、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、またはアリールもしくは置換アリールである;
は、
【0020】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
である;そして
各Rは独立して、H、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、またはアリールもしくは置換アリールである。
【0021】
別の態様において、本発明は、前記のような式(I)の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
は、n−ブチル、(E)−ブタ−2−エニルまたは
【0022】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
である;
は、エチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピルまたはn−プロピルである;
Wは、O、S、またはNRである;
は、水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む、飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含有してもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
は:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルもしくはCH−フェニル;
は、
【0023】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
である;
は:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして
mは、1、2、3、4または5の整数である。
【0024】
別の態様において、本発明は、式(II)〜(V):
【0025】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
【0026】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;
各Wは独立して、O、S、またはNRである;
各Rは独立して、H、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、アリールもしくは置換アリール、またはヘテロ環もしくは置換ヘテロ環である;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;そして
およびRのそれぞれは独立して、H、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、またはアリールもしくは置換アリールである。
【0027】
別の態様において、本発明は、前記で示されるような式(II)〜(V)の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
各Wは独立して、O、S、またはNRである;
各Rは独立して水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含有してもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニルである;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−N=CH−NRF’、−N=CMe−NRF’、もしくは−NRC(=NH)NRF’を形成する;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;
およびRF’のそれぞれは独立して水素、(C−C)アルキル、フェニル、ベンジルであるか、またはRおよびRF’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
pは、0、1、2、3、4、5、または6の整数である;
mは、1、2、3、4、5、または6の整数である;そして
nは、1、2、3、4、5または6の整数である。
【0028】
さらに別の態様において、本発明は、本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物および薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0029】
さらなる態様において、本発明は、それを必要とするほ乳類種におけるウイルス感染を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、ほ乳類種に治療有効量の本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物を投与することを含む。
【0030】
別の態様において、本発明は、それを必要とするほ乳類種においてC型肝炎ウイルス感染を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、ほ乳類種に治療有効量の本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物を投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
定義
以下は、本明細書中で用いられる用語の定義である。本明細書中の基または用語について提供された最初の定義は、特に明記しない限り、本明細書全体にわたってその基または用語について個々に、または別の基の一部として当てはまる。
【0032】
「アルキル」および「アルク(alk)」という用語は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルカン(炭化水素)ラジカルを指す。例示的「アルキル」基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが含まれる。「(C−C)アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルカン(炭化水素)ラジカル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、およびイソブチルを指す。「(C−C)アルキル」という用語は、「(C−C)アルキル」について例示されたものに加えて、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルカン(炭化水素)ラジカル、例えば、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチルを指す。「置換アルキル」は、1以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で、任意の利用可能な結合点で置換されたアルキル基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基もしくは複数のハロ置換基(後者の場合は、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、またはNRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリーでありル;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。前記例示的置換基では、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリールなどの基は、それ自体、場合によって置換される可能性がある。
【0033】
「アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。そのような基の例としては、エテニルまたはアリルが挙げられる。「C−Cアルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカル、例えばエチレニル、プロペニル、2−プロペニル、(E)−ブタ−2−エニル、(Z)−ブタ−2−エニル、2−メチ(E)−ブタ−2−エニル、2−メチ(Z)−ブタ−2−エニル、2,3−ジメチ−ブタ−2−エニル、(Z)−ペント−2−エニル、(E)−ペント−1−エニル、(Z)−へキス−1−エニル、(E)−ペント−2−エニル、(Z)−へキス−2−エニル、(E)−へキス−2−エニル、(Z)−へキス−1−エニル、(E)−へキス−1−エニル、((Z)−へキス−3−エニル、(E)−へキス−3−エニル、および(E)−へキス−1,3−ジエニルを指す。「置換アルケニル」は、1以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基により、任意の利用可能な結合点で置換されたアルケニル基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF3、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、or NRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体場合によって置換されている可能性がある。
【0034】
「アルキニル」という用語は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。そのような基の例には、エチニルが含まれる。「C−Cアルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカル、例えば、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニル、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、ペント−1−イニル、ペント−2−イニル、へキス−1−イニル、へキス−2−イニル、へキス−3−イニルを指す。「置換アルキニル」は、1以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基により、任意の利用可能な結合点で置換されたアルキニル基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF3、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、またはNRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体、場合によって置換されている可能性がある。
【0035】
「シクロアルキル」という用語は、1〜4個の環を含み、1つの環あたり3〜8個の炭素とを含む完全飽和環状炭化水素基を指す。「C−Cシクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルを指す。「置換シクロアルキル」は、1以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基により任意の利用可能な結合点で置換されたシクロアルキル基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF3、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、またはNRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体、場合によって置換されている可能性がある。例示的置換基にはさらに、スピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールも含まれ、ここで、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリール置換基は、それ自体、場合によって置換される可能性がある。
【0036】
「シクロアルケニル」という用語は、1〜4個の環を含み、1つの環あたり3〜8個の炭素を含む部分不飽和環状炭化水素基を指す。そのような基の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。「置換シクロアルケニル」は、複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基により、任意の利用可能な結合点で置換されたシクロアルケニル基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、またはNRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体、場合によって置換されている可能性がある。例示的置換基としてはさらに、スピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールが挙げられ、ここで、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリール置換基は、それ自体、場合によって置換される可能性がある。
【0037】
「アリール」という用語は、1〜5個の芳香環、特に単環式または二環式基を有する環状芳香族炭化水素基、例えばフェニル、ビフェニルまたはナフチルを指す。2以上の芳香環を含む場合(二環式など)、アリール基の芳香環は、1つの点で結合していてもよい(例えば、ビフェニル)、または縮合していてもよい(例えば、ナフチル、フェナントレニルなど)。「置換アリール」は、1以上の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、任意の利用可能な結合点で置換されたアリール基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF3、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、またはNRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよぎRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体、場合によって置換されている可能性がある。例示的置換基にはさらに、縮合環状基、特に縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールが含まれ、ここで、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリール置換基は、それ自体、場合によって置換される可能性がある。
【0038】
「ヘテロ環」および「ヘテロ環状」という用語は、少なくとも1つの炭素原子含有環中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する、完全飽和、または部分もしくは完全不飽和(芳香族(すなわち、「ヘテロアリール」)を含む)環状基(例えば、4〜7員単環式、7〜11員二環式、または8〜16員三環式環系))を指す。ヘテロ原子を含むヘテロ環状基の各環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有してもよく、ここで、窒素およびイオウヘテロ原子は場合によって酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合によって四級化されていてもよい。(「ヘテロアリリウム(heteroarylium)」という用語は、第4窒素原子、したがって正電荷を有するヘテロアリール基を指す。)ヘテロ環状基は、分子の残りに、環または環系の任意のヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。例示的単環式ヘテロ環状基としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどが挙げられる。例示的二環式ヘテロ環状基としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニルなどが挙げられる。例示的三環式ヘテロ環状基としては、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナンスロリニル、アクリジニル、フェナンスリジニル、キサンテニルなどが挙げられる。
【0039】
「置換ヘテロ環」および「置換ヘテロ環状」(例えば「置換ヘテロアリール」)は、1以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基により、任意の利用可能な結合点で置換されたヘテロ環またはヘテロ環状基を指す。例示的置換基には、限定されないが、1以上の以下の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基(後者の場合、CFまたはClを有するアルキル基などの基を形成する))、シアノ、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、CF、OCF、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R、or NRP(=O)が含まれ、ここで、Rのそれぞれは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである;R、RおよびRのそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、または前記RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、場合によってヘテロ環を形成する;そしてRのそれぞれは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、またはアリールである。例示的置換基は、それ自体場合によって置換されている可能性がある。例示的置換基はさらに、任意の利用可能な結合点(複数可)でスピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールも含み、ここで、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリール置換基は、それ自体、場合によって置換される可能性がある。
【0040】
「アルキルアミノ」という用語は、構造−NHR’を有する基を指し、ここで、R’は、本明細書中で定義されるような、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。アルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソ−プロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n−ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
「ジアルキルアミノ」という用語は、構造−NRR’を有する基を指し、ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、本明細書中で定義されるような、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、アリールもしくは置換アリール、ヘテロサイクリルもしくは置換ヘテロサイクリルである。RおよびR’は、ジアルキルアミノ部分で同一であっても、異なっていてもよい。ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソ−プロピル)アミノ、ジ(シクロプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジ(ネオペンチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(ヘキシル)アミノ、ジ(シクロヘキシル)アミノなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態において、RおよびR’は結合して環状構造を形成する。結果としての環状構造は、芳香族または非芳香族である可能性がある。環状ジアミノアルキル基の例としては、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、1,3,4−トリアノリル、およびテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。
【0043】
特に明記しない限り、不飽和原子価(unsatisfied valence)を有する任意のヘテロ原子は、原子価を満たすために十分な水素原子を有すると見なされる。
【0044】
本発明の化合物は塩を形成する可能性があり、これもまた本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物への言及は、特に明記しない限り、それらの塩への言及を含む。「塩(複数可)」という用語は、本明細書中で用いられる場合、無機および/または有機酸および塩基で形成される酸性および/または塩基性塩酸性および/または塩基性塩を意味する。加えて、本発明の化合物が、限定されないがピリジンまたはイミダゾールなどの塩基性部分、および限定されないがカルボン酸などの酸性部分の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成される可能性があり、本明細書中で用いられる「塩(複数可)」という用語に含まれる。薬剤的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も、例えば調製中で用いられる可能性がある単離または精製ステップで有用である。本発明の化合物の塩は、例えば、化合物Iを、例えば同量などのある量の酸または塩基と、塩がその中で沈殿するものなどの媒体中または水性媒体中で反応させ、続いて凍結乾燥することによって形成することができる。
【0045】
限定されないが、アミンまたはピリジンもしくはイミダゾール環などの塩基性部分を含む本発明の化合物は、様々な有機および無機酸と塩を形成することができる。例示的酸付加塩としては、酢酸塩(例えば、酢酸またはトリハロ酢酸、例えばトリフルオロ酢酸と形成されるもの)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩(例えば、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2−ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩(例えば、3−フェニルプロピオン酸塩)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(例えば、硫酸と形成されるもの)、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、例えばトシル酸塩、ウンデカン酸塩などが挙げられる。
【0046】
例えば限定されないが、カルボン酸などの酸性部分を含む本発明の化合物は、様々な有機および無機塩基と塩を形成することができる。例示的塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、例えばベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンと形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン、およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、アルアルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などの薬剤で四級化されていてもよい。
【0047】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も本明細書中で想定される。本明細書中で用いられる「プロドラッグ」という用語は、対象に投与されると代謝または化学的プロセスにより化学変換を受けて、本発明の化合物、またはその塩および/もしくは溶媒和物を生じる化合物を意味する。本発明の化合物の溶媒和物には、例えば、水和物が含まれる。
【0048】
本発明の化合物、およびその塩または溶媒和物は、互変異性型(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在する可能性がある。全てのそのような互変異性型は本明細書において本発明の一部として想定される。
【0049】
エナンチオマー形およびジアステレオマー形をはじめとする本発明の化合物の全ての立体異性体(例えば、種々の置換基上の不斉炭素のために存在する可能性があるもの)は本発明の範囲内で想定される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まない可能性がある(例えば、特定の活性を有する純粋な、または実質的に純粋な光学異性体として)、あるいは、例えば、ラセミ化合物として、または全ての他の立体異性体、もしくは選択された他の立体異性体と混合してもよい。本発明のキラル中心は、国際純正応用化学連合(IUPAC)1974年勧告によって定義されるようなSまたはR配置を有する可能性がある。ラセミ体は、例えば、分別結晶、ジアステレオマー誘導体の分離もしくは結晶化またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離などの物理的方法によって分割することができる。個々の光学異性体は、制限なく、例えば、光学活性な酸との塩形成に続いて結晶化を行うなどの通常の方法をはじめとする任意の好適な方法によって、ラセミ化合物から得ることができる。
【0050】
本発明の化合物は、それらの調製後に、好ましくは単離・精製して、90重量%以上、例えば95重量%以上、99重量%以上純粋な(「実質的に純粋な」化合物I)を含有する組成物を得、これを次いで本明細書中で記載されるように処方する。そのような「実質的に純粋な」本発明の化合物もまた本明細書中で本発明の一部として想定される。
【0051】
本発明の化合物の全ての配座異性体が混合物または純粋もしくは純粋な形態のいずれかで想定される。本発明の化合物の定義は、シス(Z)およびトランス(E)アルケン異性体、ならびに環状炭化水素またはヘテロ環のシスおよびトランス異性体を包含する。
【0052】
明細書全体を通して、基およびそれらの置換基は、安定な部分および化合物を提供するために選択することができる。
【0053】
特定の官能基および化学的用語の定義を以下でさらに詳細に記載する。本発明のために、元素は、元素周期律表(CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.)の表紙裏にしたがって特定され、そして具体的な官能基は一般的にこの本で記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能基および反応性は、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999(その内容全体が参照することによって本明細書中に組み込まれる)で記載されている。
【0054】
本発明のある化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体で存在する可能性がある。本発明は、本発明の範囲内に含まれる、シス−およびトランス−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物、ならびにそれらの他の混合物をはじめとするすべてのそのような化合物を想定する。さらなる不斉炭素原子がアルキル基などの置換基中に存在する可能性がある。すべてのそのような異性体、ならびにそれらの混合物は本発明に含まれることが意図される。
【0055】
様々な異性体比のいずれかを含む異性体混合物を本発明にしたがって用いることができる。例えば、2つの異性体だけを組み合わせる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0異性体比を含む混合物はすべて本発明によって想定される。当業者は、類似した比がさらに複雑な異性体混合物について想定されることを容易に理解するであろう。
【0056】
本発明はさらに、1以上の原子が、自然界で通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されているという事実を除いては本明細書中で開示されている化合物と同じである、同位体で標識された化合物も含む。本発明の化合物中に組み入れることができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、それぞれ例えばH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。前記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、またはエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、あるいはその薬剤的に許容される塩もしくは溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。ある同位体で標識された本発明の化合物、例えばHおよび14Cなどの放射性同位体が組み入れられるものは、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。トリチウム化、すなわちH、および炭素−14、すなわち14C同位体が、調製の容易さや検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどのさらに重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば増大したインビボ半減期または減少した必要用量から生じるある治療上の利点をもたらす可能性があり、したがって、いくつかの状況では好ましい可能性がある。同位体で標識された化合物は、一般的に、スキームおよび/または下記実施例で開示される手順を実施することによって、容易に入手可能な同位体で標識された試薬を非同位体で標識された試薬と置換することによって、調製することができる。
【0057】
もし、例えば本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましいならば、不斉合成によって、またはキラル補助基での誘導によって調製することができ、この場合、結果としてのジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断して、純粋な望ましいエナンチオマーを得る。あるいは、分子が塩基性官能基、例えばアミノ、または酸性官能基、例えばカルボキシルを含む場合、ジアステレオマー塩を適切な光学活性な酸または塩基で形成し、続いてこのようにして形成されたジアステレオマーを分別結晶または当該技術分野で周知のクロマトグラフィー手段によって分割し、その後、純粋なエナンチオマーを回収する。
【0058】
本明細書中で記載されるように、化合物を任意の数の置換基または官能基で置換することができることはいうまでもない。一般的に、「場合によって」という用語がその前にあるかどうかにかかわらず、「置換された」という用語と本発明の式中に含まれる置換基とは、所定の構造中の水素ラジカルが特定の置換基のラジカルで置換されていることを指す。任意の所定の構造中の複数の位置が特定の群から選択される複数の置換基で置換される可能性がある場合、置換基は全ての位置で同一であっても、または異なっていてもよい。本明細書中で用いられる場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが想定される。広範な態様において、許容される置換基には、有機化合物の非環状および環状、分枝および非分枝、炭素環式およびヘテロ環状、芳香族および非芳香族置換基を含む。本発明のために、ヘテロ原子、例えば窒素は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書中で記載される有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有する可能性がある。さらに、本発明は、いかなる方法でも有機化合物の許容される置換基によって限定されることを意図しない。本発明によって想定される置換基および変数の組み合わせは、好ましくは、例えば感染性疾患または増殖性障害の治療で有用な安定な化合物の形成をもたらすものである。「安定な」という用語は、本明細書中で用いられる場合、好ましくは、製造を可能にするために十分な安定性を有し、検出されるために十分な時間、好ましくは本明細書中で詳述される目的のために有用であるために十分な時間、化合物の完全性を維持する化合物を指す。
【0059】
化合物
本発明の新規シクロスポリン誘導体は、HCV、HBV、およびHIVなどのウイルスの強力な阻害剤である。
【0060】
1つの態様において、本発明は、式(I):
【0061】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
は、n−ブチル、(E)−ブタ−2−エニル、または
【0062】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
である;
は、エチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピルまたはn−プロピルである;
Wは、O、S、またはNRである;
は、水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含有してもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
は:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニルである;
は、
【0063】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
である;
は:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして
mは、1、2、3、4または5の整数である)
の化合物またはその薬剤的に許容される塩を提供する。
【0064】
ある実施形態において、Rがn−ブチルである。他のある実施形態において、Rは(E)−ブタ−2−エニルである。他のある実施形態において、R
【0065】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある実施形態において、Rはエチルである。
【0066】
ある実施形態において、式Iの化合物は、式(II)〜(V):
【0067】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
の構造またはその医薬的に許容される塩を有し、式中:
【0068】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;
各Wは独立して、O、S、またはNRである;
各Rは独立して水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含有してもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニル
である;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニル
である;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環
である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−N=CH−NRF’、−N=CMe−NRF’、もしくは−NRC(=NH)NRF’を形成する;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;
およびRF’のそれぞれは独立して水素、(C−C)アルキル、フェニル、ベンジルであるか、またはRおよびRF’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
pは、0、1、2、3、4、5、または6の整数である;
mは、1、2、3、4、5、または6の整数である;そして
nは、1、2、3、4、5または6の整数である。
【0069】
ある実施形態において、WはOである。他のある実施形態において、WはSである。さらに他の実施形態において、WはNHである。さらに他の実施形態において、WはNRである。さらに他の実施形態において、WはN−(C−C)アルキルである。
【0070】
ある実施形態において、mは1である。他のある実施形態において、mは2である。さらに他の実施形態において、mは3である。さらに他の実施形態において、mは4または5である。
【0071】
ある実施形態において、pは0である。他のある実施形態において、pは1である。さらに他の実施形態において、mは2である。さらに他の実施形態において、mは、3、4または5である。
【0072】
ある実施形態において、Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、CHCMe、フェニル、CH−フェニル、
【0073】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0074】
ある実施形態において、Rは−(CHNRであり、ここで、nは、2、3、4、5または6の整数である;そしてRおよびRのそれぞれは独立して水素;同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキルであり、ここで、Rのそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、場合によって、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を含有していてもよく、(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルから選択される同一または異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい。
【0075】
ある実施形態において、Rは−(CHNRであり、ここで、nは、2、3、4、5または6の整数であり;そしてRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウから選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルから選択される同一または異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい。
【0076】
ある実施形態において、nは2である。他のある実施形態において、nは3である。さらに他の実施形態において、nは、4、5、または6である。
【0077】
ある実施形態において、Rは、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、2−モノアルキルアミノエチル、2−モノアルキルアミノプロピル、3−モノアルキルアミノプロピル、2−ジアルキルアミノエチル、2−ジアルキルアミノプロピル、または3−ジアルキルアミノプロピルであり、ここで、前記アルキルは(C−C)アルキルである。
【0078】
ある実施形態において、Rは、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、2−モノアルキルアミノエチル、2−モノアルキルアミノプロピル、3−モノアルキルアミノプロピル、2−ジアルキルアミノエチル、2−ジアルキルアミノプロピル、または3−ジアルキルアミノプロピルであり、ここで、前記アルキルは(C−C)アルキルであり、Rは、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、メチルエチルアミノエチル、メチル−イソ−ブチルアミノエチル、エチル−イソ−ブチルアミノエチル、メチル−tert−ブチルアミノエチル、またはエチル−tert−ブチルアミノエチルである。
【0079】
ある実施形態において、Rは、
【0080】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、nは2、3、4、5、または6の整数であり、そしてmは2、3、または4の整数である。ある実施形態において、nは2である。他のある実施形態において、nは3である。さらに他の実施形態において、nは、4、または5、または6である。ある実施形態において、mは2である。他のある実施形態において、mは3である。他のある実施形態において、mは4である。
【0081】
ある実施形態において、WはNRであり、そしてRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって
【0082】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、CHCHOH、またはCHCHO(C−C)アルキルである)
から選択されるヘテロ環を形成する。
【0083】
ある実施形態において、Rは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(C−C)OR、(C−C)−モノアルキルアミン、(C−C)−ジアルキルアミン、または(C−C)−環状アミンであり、ここで、前記フェニルまたはベンジルは、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびハロゲンから選択される1〜3個の置換基により場合によって置換されている;そしてRは、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そしてmは、1、2、3、4または5の整数である。
【0084】
ある実施形態において、RはHである。他のある実施形態において、Rはメチルである。さらに他の実施形態において、Rは、CH−S−(C−C)アルキル、例えばCH−S−CHである。さらに他の実施形態において、Rは、CH−O−(C−C)アルキル、例えばCH−O−CH−CHである。さらに他の実施形態において、Rは、(C−C)アルケニル、例えばCH−CH=CHである。さらに他の実施形態において、Rはベンジルである。さらに他の実施形態において、Rは(C−C)OHである。さらに他の実施形態において、Rは(C−C)−モノアルキルアミン、例えばCH−NH−Meである。さらに他の実施形態において、Rは(C−C)−ジアルキルアミン、例えばCH−CH−N(Et)である。さらに他の実施形態において、Rは(C−C)−環状アミン、例えばCH−CH−モルホリンである。
【0085】
ある実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、または(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである。他のある実施形態において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
【0086】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、CHCHOH、またはCHCHO(C−C)アルキルである)
から選択されるヘテロ環を形成する。
【0087】
ある実施形態において、
【0088】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表す。他のある実施形態において、
【0089】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表す。
【0090】
別の態様において、本発明は、式(IIa)〜(Va):
【0091】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
【0092】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;
各Wは独立して、O、S、またはNRである;
各Rは独立して水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環
である;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;
各pは独立して、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして
m、nおよびqのそれぞれは独立して、1、2、3、4または5の整数である。
【0093】
別の態様において、本発明は、式(IIb)〜(Vb):
【0094】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその薬剤的に許容される塩を提供し、式中:
【0095】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;
各Rは独立して水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含有してもよく、そして(C−C)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、(CHOH、(CHO(CHOH、(CHNR、(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキルから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されたフェニルもしくはCH−フェニルである;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルまたはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)OR、C(=O)NR、−NR、−NRCH(CHNR、NR[CH(CHNRCH(CHNR、O[CH(CHO]CH(CHOR、OCH(CHNR、またはO[CH(CHO]CH(CHNRである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;
各pは独立して、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして
m、nおよびqのそれぞれは独立して、1、2、3、4または5の整数である。
【0096】
ある実施形態において、式Iの化合物は式(II)〜(V):
【0097】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
の構造、またはその薬剤的に許容される塩を有し、式中:
【0098】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合または二重結合を表す;
各Wは独立して、O、S、またはNRである;
各Rは独立して水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
各Rは独立して、
【0099】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
である;
各Rは独立して:
H;
同一もしくは異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、アリール(例えば、フェニル)、(CHOR、O(CHOH、O(CHO(CHOH、O(CHNR、O(CHO(CHNR、(CHNR、(CHNR(CHNR、(CHNR(CHNR(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルケニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1または1以上の基により場合によって置換された(C−C)アルキニル;
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NR、(CHC(=O)ORから選択される同一もしくは異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換された、フェニルもしくはCH−フェニルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル)、S(C−C)アルキル、SR、OR、O(CHOR、O(CHO(CHOR、C(=O)OR、C(=O)NR、NR、O(CHNR、O(CHO(CHNR、NR(CHNR、またはNR(CHNR(CHNRであり、ここで、前記アリールまたはフェニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(CHOR、(CHNR、(CHC(=O)NRおよび(CHC(=O)ORから選択される同一または異なっていてもよい1以上の基により場合によって置換されている;
およびRのそれぞれは独立して:
水素;
同一または異なっていてもよい1以上のR基により場合によって置換された(C−C)アルキル;
(C−C)アルケニルもしくは(C−C)アルキニル;
(C−C)アルキルで場合によって置換された(C−C)シクロアルキル;
ハロゲン、−O(C−C)アルキル、−C(=O)O(C−C)アルキル、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される同一または異なっていてもよい1〜5個の基で場合によって置換されたフェニル;
または5もしくは6個の環原子と、窒素、イオウおよび酸素から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子とを含む飽和もしくは不飽和であってよいヘテロ環である;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3〜7個の環原子を含有する飽和もしくは不飽和ヘテロ環を形成し、この環は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される別のヘテロ原子を場合によって含んでもよく、そしてアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される同一もしくは異なっていてもよい1〜4個の基により場合によって置換されていてもよい;
のそれぞれは独立して、水素または(C−C)アルキルである;
のそれぞれは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、O(C−C)アルキル、C(=O)(C−C)アルキル、C(=O)O(C−C)アルキルである;
各pは独立して、0、1、2、3、4、または5の整数である;そして
m、nおよびqのそれぞれは独立して、1、2、3、4または5の整数である。
【0100】
ある実施形態において、qは1である。他のある実施形態において、qは2である。
【0101】
ある実施形態において、WはSである。他のある実施形態において、WはOである。さらに他の実施形態において、WはNHである。さらに他の実施形態において、WはN−(C−C)アルキルである。
【0102】
ある実施形態において、Rは水素である。他のある実施形態において、Rは(C−C)アルキルである。ある実施形態において、Rは(C−C)アルキルである。他のある実施形態において、RはNRCH(CHNRである。
【0103】
ある実施形態において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
【0104】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、CHCHOH、またはCHCHO(C−C)アルキルである)から選択されるヘテロ環を形成する。
【0105】
ある実施形態において、Rは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(C−C)OR、(C−C)−モノアルキルアミン、(C−C)−ジアルキルアミン、または(C−C)−環状アミンであり、ここで、前記フェニルまたはベンジルは、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびハロゲンから選択される1〜3個の置換基により場合によって置換されている;そしてRは、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである;pは、0、1、2、3、4、または5の整数である;そしてmは、1、2、3、4または5の整数である。
【0106】
他のある実施形態において、Rは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、ベンジル、CH−S−(C−C)アルキル、CH−O−(C−C)アルキル、(CHOH、または(CHO(C−C)アルキルである。ある実施形態において、RはHである。他のある実施形態において、Rはメチルである。
【0107】
ある実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、H、(C−C)アルキル、フェニル、CH−フェニル、(C−C)アルキルOH、(CHO(CHOH、または(CHO(CHO(CHOH、(C−C)アルキルO(C−C)アルキル、(CHO(CHO(C−C)アルキル、または(CHO(CHO(CHO(C−C)アルキルである。他のある実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、Hまたは(C−C)アルキルである。さらに他の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
【0108】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、CHCMe、Ph、CHPh、またはCHCHOHおよびCHCHORである)
から選択されるヘテロ環を形成する。
【0109】
1つの態様において、本発明は以下のものから選択される化合物:
【0110】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬剤的に許容される塩を提供する。
【0111】
さらなる態様において、本発明は実施例で記載される化合物を提供する。
【0112】
ある実施形態において、化合物は:
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−イソブチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−メチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−エチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ピペリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−モルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−チオモルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(4−メチル−N−ピペラジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ネオペンチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピロリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−モルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−チオモルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(4−メチル−N−ピペラジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N,N−ジエチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−イソブチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ネオペンチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−メチル−N−ネオペンチルアミノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ピペリジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−モルホリノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−チオモルホリノ)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(4−メチル−N−ピペラジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(R)−(3−(N−モルホリノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(2−(N−ピロリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(S)−(4−(N−ピペリジニル)ブチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン、および
[(R)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
から選択される。
【0113】
別の態様において、本発明は、本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物および薬剤的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0114】
さらなる態様において、本発明は、それを必要とするほ乳類種におけるウイルス感染を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、ほ乳類種に治療有効量の本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物を投与することを含む。ある実施形態において、ウイルス感染はHIV感染である。他のある実施形態において、ウイルス感染はHBV感染である。さらに他の実施形態において、ウイルス感染はHCV感染である。さらに他の実施形態において、ウイルス感染はインフルエンザA型ウイルス感染、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス感染またはワクシニアウイルス感染である。
【0115】
別の態様において、本発明は、それを必要とするほ乳類種においてC型肝炎ウイルス感染を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、ほ乳類種に治療有効量の本明細書中で記載される少なくとも1つの化合物を投与することを含む。
【0116】
調製方法
ある実施形態において、式(I)および(II)の化合物は、シクロスポリンAまたはそのアナログを塩基(例えば、LDA)で処理して、3位にサルコシンエノラートを形成することによって調製することができ、次いでCOガスを導入して、カルボン酸−3−シクロスポリンを得る。その対応するメチルエステルを形成し、メチルエステル側鎖をアルコールに還元した後、そのメシル酸塩または塩化物は、MsClのジクロロメタン中溶液で処理することによって製造することができる。メシル酸塩および塩化物はどちらも、塩基(例えば、NaH)での処理によってサルコシン上のメチレンに変換することができる。イオウ求核試薬(nuclectrophile)をメチレン基上の1,4−付加反応のために使用する場合、S立体構造を有するメチレンイオウエーテル鎖を新規抗ウイルスシクロスポリン誘導体として3位のサルコシン上に形成することができる。例えば:
【0117】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
スキーム1
【0118】
ある実施形態において、上記の結果として得られるメチレン−3−シクロスポリンをそのメチレンアミン側鎖に変えて、新規抗ウイルスシクロスポリン誘導体を形成することができる。例えば:
スキーム2
【0119】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0120】
したがって、以下の誘導体を、本明細書中で記載される手順にしたがって調製することができる。
スキーム3
【0121】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
ある実施形態において、上記の結果として得られるアルコールをそのメチレン酸素エーテル側鎖に変えて、新規抗ウイルスシクロスポリン誘導体を形成することができる。例えば:
スキーム4
【0123】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0124】
上記スキーム1〜4では、記号は、特に明記しない限り特許請求の範囲および明細書全体で定義されるのと同じ意味を有する。
【0125】
他のある実施形態において、式(IIa)または(IIIa)の化合物は、本明細書中で記載される手順にしたがって得ることができる。
【0126】
医薬組成物
本発明はさらに、本明細書中で記載された少なくとも1つの化合物またはその薬剤的に許容される塩もしくは溶媒和物、および薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
【0127】
本明細書中で用いられる「薬剤的に許容される担体」という語句は、1つの器官または身体の部分から別の器官または身体の部分への対象の医薬品の運搬または輸送に関与する、薬剤的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば液体もしくは固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料を意味する。各担体は、処方の他の成分と適合性であり、患者に対して有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬剤的に許容される担体としての働きをすることができる材料の数例としては:糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;トラガカント末;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオ脂および坐剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油;グリコール、例えばブチレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール;リン酸塩緩衝液;ならびに製剤処方で用いられる他の非毒性相溶性物質が挙げられる。
【0128】
上述のように、本発明の医薬品のある実施形態は、薬剤的に許容される塩の形態で提供される可能性がある。「薬剤的に許容される塩」という用語は、この点において、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を指す。これらの塩は、本発明の化合物の最終単離および精製の間にその場で、またはその遊離塩基形態の精製された本発明の化合物を好適な有機または無機酸と別々に反応させ、このようにして形成された塩を単離することによって、調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩塩などが挙げられる(例えば、Berge et al., (1977) “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci.66:1-19を参照のこと)。
【0129】
対象の化合物の薬剤的に許容される塩には、化合物の通常の非毒性塩または第4アンモニウム塩、例えば非毒性有機もしくは無機酸から得られるものが含まれる。例えば、そのような通常の非毒性塩には、塩酸塩、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸由来のもの;および酢酸、ブチオン酸(butionic)、コハク酸,グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸(isothionic)などの有機酸から調製される塩が含まれる。
【0130】
他の場合、本発明の化合物は、1以上の酸性官能基を含有する可能性があり、したがって、薬剤的に許容される塩基と薬剤的に許容される塩を形成することができる。これらの例における「薬剤的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性な無機および有機塩基付加塩を指す。これらの塩は、同様に、化合物の最終単離および精製中にその場で、あるいはその遊離酸形態の精製された化合物を好適な塩基と、例えば薬剤的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩と、アンモニアと、または薬剤的に許容される有機第1、第2もしくは第3アミンと別々に反応させることによって、調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成のために有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。(例えば、Berge et al.、上出を参照のこと。)
【0131】
湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびポリエチレンオキシド−ポリブチレンオキシドコポリマーならびに着色剤、剥離剤(release agent)、コーティング剤、甘味料、香味剤および香料、防腐剤および抗酸化剤も組成物中に存在する可能性がある。
【0132】
本発明の処方には、経口、鼻、局所(頬および舌下を含む)、直腸、膣および/または非経口投与に好適なものが含まれる。処方は、単位剤形で都合よく提供することができ、そして調剤学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。担体材料と組み合わせて単一の剤形を製造することができる活性成分の量は、治療される宿主および特定の投与様式に応じて変化するであろう。担体材料と組み合わせて単一の剤形を製造することができる活性成分の量は、一般的に、治療効果を生じる化合物の量である。一般的に、100%のうち、この量は、約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の活性成分である。
【0133】
これらの処方または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体および、場合によって1以上の補助成分と結合させるステップを含む。一般的に、処方は、本発明の化合物を液体担体、または微粉化固体担体、または両者と均一かつ緊密に結合させ、次いで必要ならば生成物を成形することによって調製される。
【0134】
経口投与に好適な本発明の処方は、カプセル、カシェ剤、ピル、錠剤、ロゼンジ(風味付けされた基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液体中溶液もしくは懸濁液として、または水中油もしくは油中水液体エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、またはトローチ(不活性基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを使用)としておよび/または洗口液などとしてであってよく、それぞれはあらかじめ決められた量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することもできる。
【0135】
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、活性成分を1以上の薬剤的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかと混合する:フィラーもしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア;保湿剤、例えばグリセロール;崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリケート、炭酸ナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウム;溶解遅延剤、例えばパラフィン;吸収促進剤、例えば第4アンモニウム化合物;湿潤剤、例えばセチルアルコール、グリセロールモノステアレート、およびポリエチレンオキシド−ポリブチレンオキシドコポリマー;吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイ;潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム,およびそれらの混合物;ならびに着色剤。カプセル、錠剤およびピルの場合、医薬組成物はさらに緩衝剤も含んでもよい。類似した種類の固体組成物はさらに、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを用いたソフトおよびハードゼラチンカプセルでフィラーとして用いることもできる。
【0136】
錠剤は、場合によって1以上の補助成分を用いて、圧縮または成形により作製することができる。圧縮錠は、バインダー(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシブチルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性または分散剤を用いて調製することができる。湿製錠剤は、好適な機械中で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって作製することができる。
【0137】
本発明の医薬組成物の錠剤、および他の固体剤形、例えば、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒は、場合によって、スコアをつけてもよいし、または腸溶コーティングおよび製剤処方分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェル付きで調製してもよい。それらは、例えば、所望の放出プロフィールを提供するために様々なbutortionsのヒドロキシブチルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/または微小球を用いて、その中に含まれる活性成分の徐放または制御放出を提供するように処方することもできる。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通したろ過によって、または無菌水中、もしくは他の無菌注射可能な媒体中に使用直前に溶解させることができる無菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み入れることによって、滅菌することができる。これらの組成物はさらに、場合によって乳白剤を含有してもよく、活性成分(複数可)を胃腸管のある部分でのみ、または優先的に、場合によって遅延された方法で放出する組成を有するものであってよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性成分はさらに、apbutriateならば、1以上の前述の賦形剤を含むミクロカプセル化形であってもよい。
【0138】
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形としては、薬剤的に許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソブチルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含んでもよい。さらに、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシブチル−.ベータ.−シクロデキストリンを用いて化合物を可溶化させることができる。
【0139】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物はさらに、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味剤、着色料、香料および防腐剤などのアジュバントも含む可能性がある。
【0140】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤を、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物として含んでもよい。
【0141】
直腸または膣投与のための本発明の医薬組成物の処方は坐剤として提供することができ、これは、1以上の本発明の化合物を、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸塩を含む1以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製することができ、室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって、直腸または膣中で融解して、本発明の活性な医薬品を放出する。
【0142】
膣投与に好適な本発明の処方にはさらに、当該技術分野でapbutriateであることが知られている担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方も含まれる。
【0143】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物を無菌条件下で、薬剤的に許容される担体と、そして必要とされる可能性がある任意の防腐剤、緩衝液、またはbutellantと混合することができる。
【0144】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0145】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末などの賦形剤、またはこれらの物質の混合物を含む可能性がある。スプレーは、通常のbutellants、例えばクロロフルオロ炭化水素ならびに揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびブタンをさらに含む可能性がある。
【0146】
経皮パッチは、本発明の化合物の身体への制御送達を提供する付加利益を有する。そのような剤形は、医薬品を緩衝媒体中に溶解、または分散させることによって作製することができる。皮膚を越える本発明の医薬品フラックスを増大させるために吸収エンハンサーも用いることができる。そのようなフラックスの速度は、速度制御膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散させるか、のいずれかによって制御することができる。
【0147】
眼用処方、眼軟膏、粉末、溶液なども本発明の範囲内に含まれることが想定される。
【0148】
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、処方を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質または懸濁剤もしくは増粘剤を含んでもよい、1以上の薬剤的に許容される無菌水性もしくは非水性等張液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、あるいは使用直前に無菌注射可能な溶液もしくは分散液に再構成することができる無菌粉末と組み合わせた1以上の本発明の化合物を含む。
【0149】
場合によっては、薬物の作用を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶性またはアモルファス材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。そして薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは次に結晶サイズおよび結晶形態に依存する可能性がある。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクル中に溶解または懸濁させることによって達成される。デポー注射のための1つの方策は、ポリエチレンオキシド−ポリブチレンオキシドコポリマーの使用を含み、この場合、ビヒクルは室温で流体であり、体温で凝固する。
【0150】
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中対象の化合物のマイクロenカプセルマトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能な処方はさらに、身体組織と適合性であるリポソームまたはミクロエマルジョン中に薬物をトラップすることによって調製される。
【0151】
本発明の化合物が薬剤としてヒトおよび動物に投与される場合、それらはそれ自体、または例えば、0.1%〜99.5%(さらに好ましくは、0.5%〜90%)の活性成分を薬剤的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物として投与することができる。
【0152】
本発明の化合物および医薬組成物は、併用療法で用いることができる。すなわち、化合物および医薬組成物を1以上の他の所望の治療法または医療処置と同時、その前、またはその後に投与することができる。併用レジメンで用いるための治療法(治療薬または手順)の特定の組み合わせは、所望の治療薬および/または手順の適合性ならびに達成されるべき所望の治療効果を考慮する。用いられる治療法は同じ障害のために望ましい効果を達成することができる(例えば、本発明の化合物を他の抗HCV剤と同時に投与することができる)、またはそれらは異なる効果(例えば、任意の悪影響の制御)を達成することができることも理解されるであろう。
【0153】
本発明の化合物は、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、局所、経口、または他の許容される手段によって投与することができる。化合物を用いて、化合物を許容することができるほ乳類(すなわち、ヒト、家畜(livestock)、および飼育動物(domestic animal))、鳥類、トカゲ、および任意の他の生物における関節炎状態を治療することができる。
【0154】
本発明はさらに、本発明の医薬組成物の1以上の成分で満たされた1以上の容器を含む医薬パックまたはキットも提供する。場合によって、薬剤または生物学的生成物の製造、使用または販売を規制する政府機関によって定められた形態の注意書きをそのような容器(複数可)に添付することができ、この注意書きは、ヒト投与のための製造、使用または販売機関による認可を反映する。
【0155】
相当物
以下の代表的例は、本発明の説明を助けることを意図し、本発明の範囲を制限することを意図せず、また本発明を制限すると解釈されるべきでもない。実際、本発明の種々の修飾およびその多くのさらなる実施形態は、本明細書中で示され、記載されるものに加えて、以下の実施例および本明細書中で言及される科学文献および特許文献への言及を含む本文書の全内容から当業者には明らかになるであろう。それらの言及された文献の内容は、参照することによって本明細書中に組み込まれ、最新技術を説明する助けとなることがさらに理解される。以下の実施例は、重要なさらなる情報、例示および指導を含み、これらはその種々の実施形態およびそれらの相当物での本発明の実施に適合させることができる。
【実施例】
【0156】
実施例1
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−シクロスポリン
【0157】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
[α−カルボキシ−sar]−3−シクロスポリン(5.00g、4.01ミリモル)を30mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解させた。ヨードメタン(2.85g、20.10ミリモル)および炭酸カリウム(1.38g、10.00ミリモル)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。次いで60mlの酢酸エチルおよび60mlの水を添加し、混合物を分離した。酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、5.32gの粗生成物を得、これを精製することなく次のステップで直接使用した(収率:約100%)[分子式:C641131114;正確な質量: 1259.85; MS (m/z): 1260.7 (M+1)+, 1282.7 (M+Na)+; TLC Rf: 0.55 (ジクロロメタン/メタノール=9/1)]。
【0158】
実施例2
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0159】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−シクロスポリン(2.00g、1.59ミリモル)をテトラヒドロフラン(30ml)中に溶解させた。塩化セシウム(1.33g)およびホウ水素化ナトリウム(0.60g、15.89ミリモル)を数回に分けて添加した。30mlのメタノールを2時間にわたって混合物に滴加した。添加後、混合物を室温で一晩攪拌した。ほとんどの溶媒を次いで減圧下で蒸発させた。酢酸エチル(50ml)および水(50ml)を添加した。酢酸エチル層を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて1.99gの粗生成物を得、これをシリカゲルカラム上ジクロロメタン/メタノール(100:0から95:5)で精製して、1.50gの純粋な生成物を得た(収率:76%)[分子式:C631131113;正確な質量: 1231.85; MS (m/z): 1232.7 (M+1)+, 1254.7 (M+Na)+]。
【0160】
実施例3
[α−メチルメタンスルホネート−Sar]−3−シクロスポリン
【0161】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
0℃で[α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(30mg、0.024ミリモル)の塩化メチレン(2ml)中溶液に、トリエチルアミン(52.8μL、0.38ミリモル)、およびメタンスルホニルクロリド(23mg、0.20ミリモル)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、33mgの粗生成物を得、これをさらに精製することなく次のステップの反応で直接使用した[分子式:C641151115S;正確な質量: 1309.83; MS (m/z): 1310.7 (M+1)+]。
【0162】
実施例4
[α−クロロメチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0163】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
0℃で[α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(30mg、0.024ミリモル)の塩化メチレン(2ml)中溶液にトリエチルアミン(52.8μL、0.384ミリモル、16当量)およびメタンスルホニルクロリド(23mg、0.20ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、反応混合物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、30mgの粗生成物を得、これをさらに精製することなく次のステップの反応で直接使用した[分子式:C63112ClN1112;正確な質量: 1249.82; MS (m/z): 1250.7 (M+1)+, 1272.9 (M+Na)+]。
【0164】
実施例5
[α−メチレン−Sar]−3−シクロスポリン
【0165】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メタンスルホネートメチル−Sar]−3−シクロスポリン(33mg、0.025ミリモル)または[α−クロロメチル−Sar]−3−シクロスポリン(30mg、0.025ミリモル)のテトラヒドロフラン(3ml)中溶液に、水素化ナトリウム(15.3mg、油中60%、0.38ミリモル、10当量)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温まで30分間温めた。溶媒を除去した後、残留物を20mlのジクロロメタン中に溶解させた。ジクロロメタン層を1Nの塩酸、重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメチレン/メタノール(20/1)を用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、16mgの生成物を得た(収率:54%)[分子式:C631111112;正確な質量: 1213.84; MS (m/z): 1214.7 (M+1)+, 1236.7 (M+Na)+; TLC Rf: 0.55 (酢酸エチル/メタノール=20/1);HPLC RT:7.0分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0166】
実施例6
[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体B)および[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体A)
【0167】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−シクロスポリン(0.60g、0.50ミリモル)および2−(ジメチルアミノ)エタンチオール(0.63g、6.00ミリモル)のメタノール(20ml)中溶液に、トリエチルアミン(0.82ml、6.0ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、溶離液としてメチレン/メタノールを使用するクロマトグラフィーに付して、0.35gの(R)−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオメチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体A)および0.20gの[(S)−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオメチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体B)を得た[分子式:C671221212S;正確な質量: 1218.9; MS (m/z): 1319.80 (M+1)+; TLC Rf: 0.20 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.55分(異性体A)および13.22分(異性体B)(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0168】
実施例7
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体B)および[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体A)
【0169】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−シクロスポリン(0.31g、0.25ミリモル)および2−ジエチルアミノエタンチオール(0.40g、3.00ミリモル)のメタノール(10ml)中溶液に、トリエチルアミン(0.41ml、3.00ミリモル、12当量)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、溶離液としてメチレン/メタノールを使用するクロマトグラフィーに付して、0.20gの[(R)−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオメチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体A)および0.08gの[(S)−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオメチル−Sar]−3−シクロスポリン(異性体B)を得た[分子式:C691261212S;正確な質量: 1346.93; MS (m/z):1347.80(M+1)+;TLC Rf:0.23(酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:13.37分(異性体A)および13.91分(異性体B)(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0170】
実施例8
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0171】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.36g、0.29ミリモル)のベンゼン(30ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.20g、30ミリモル)の水(2ml)中溶液、2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン臭化水素酸塩(3.80g、14.56ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.20g、0.62ミリモル)を添加した。反応混合物を30℃で20時間攪拌した。氷水で希釈した後、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(30ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、210mgの生成物を得た[分子式:C691261213;正確な質量: 1330.96; MS (m/z): 1331.71(M+1)+; TLC Rf: 0.38 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:14.12分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0172】
実施例9
[(R)−α−(tert−ブトキシカルボニルメトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0173】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.50g、0.41ミリモル)のベンゼン(30ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.00g、25.00ミリモル)の水(1ml)中溶液、ブロモ酢酸t−ブチル(3.20g、16.41ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.40g、1.24ミリモル)を添加した。混合物を室温で10時間撹拌した。氷水で希釈した後、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(30ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=2/1)によって精製して、0.41gの生成物を得た[分子式:C691231115;正確な質量: 1345.92; MS (m/z): 1346.61 (M+1)+; TLC Rf: 0.60 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:18.29分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0174】
実施例10
[(R)−α−(エトキシカルボニルメトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0175】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.35g、0.28ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.60g、15.00ミリモル)の水(1ml)中溶液、ブロモ酢酸エチル(1.60g、9.58ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.20g、0.62ミリモル)を添加した。混合物を室温で10時間撹拌した。氷水で希釈した後、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(15ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=2/1)によって精製して、0.31gの生成物を得た[分子式:C671191115;正確な質量: 1317.89; MS (m/z): 1318.46 (M+1)+; TLC Rf: 0.55 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:17.40分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0176】
実施例11
[(R)−α−(カルボキシメトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0177】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−((tert−ブトキシカルボニル)メトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.18g、0.13ミリモル)のジクロロメタン5ml中溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml)およびEtSiH(10滴)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。次いでジクロロメタン(10ml)および水(10ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をC−18クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)によって精製して、75mgの生成物を得た[分子式:C651151115;正確な質量: 1289.86; MS (m/z): 1290.56 (M+1)+;HPLC RT:11.03分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0178】
実施例12
[(R)−α−(カルボキシメトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン−ナトリウム塩
【0179】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−(カルボキシメトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(30mg、0.02ミリモル)のメタノール(1ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.00mg、0.02ミリモル)の水(0.5ml)中溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、高真空中で乾燥して、28mgの生成物を得た[分子式:C6511411NaO15;正確な質量: 1311.84; MS (m/z): 1290.56 (M+1-Na) +;HPLC RT:10.98分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0180】
実施例13
[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0181】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(1.03g、0.84ミリモル)のベンゼン(50ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.34g、33.47ミリモル)の水(1.34ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(3.04g、16.73ミリモル)および2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(2.41g、16.73ミリモル)を添加した。混合物を室温で5日間撹拌した。重炭酸ナトリウム飽和溶液(100ml)を添加し、混合物を分離した。次いで水性層を酢酸エチルで抽出した(50ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、303mgの生成物を得た[分子式:C671221213;正確な質量: 1302.93; MS (m/z): 1303.70 (M+1)+, 1325.85 (M+Na)+; TLC Rf: 0.36 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:18.19分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0182】
実施例14
[(R)−(2−(N−モルホリノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0183】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.27g、0.22ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.70g、17.55ミリモル)の水(0.70ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.80g、4.39ミリモル)および2−(4−モルホリニル)エチルクロリド塩酸塩(0.82g、4.39ミリモル)を添加した。混合物を30〜40℃で1週間撹拌した。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、次いで混合物を分離した。水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、56mgの生成物を得た[分子式:C691241214;正確な質量: 1344.94; MS (m/z): LCMS: 1345.72 (M+1)+, 1367.83 (M+Na)+; TLC Rf: 0.50 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:16.64分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0184】
実施例15
[(R)−(2−(N−ピロリジニル)エトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0185】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.320g、0.26ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.83g、20.80ミリモル)の水(0.85ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.95g、5.20ミリモル)および1−(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(0.88g、5.20ミリモル)を添加した。混合物を室温で週末にかけて撹拌した。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、103mgの生成物を得た[分子式:C691241213;正確な質量: 1328.94; MS (m/z): 1329.75 (M+1)+, 1351.82 (M+Na)+; TLC Rf: 0.37 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:18.94分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0186】
実施例16
[(R)−(2−(N−ピペリジニル)エトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0187】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.28g、0.22ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.36g、9.07ミリモル)の水(0.36ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.82mg、4.53ミリモル)および1−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩(0.83g、4.53ミリモル)を添加した。混合物を30〜40℃で20時間撹拌した。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。次いで、水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、121mgの生成物を得た[分子式:C701261213;正確な質量: 1342.96; MS (m/z): 1343.76 (M+1)+, 1365.83 (M+Na)+; TLC Rf: 0.44 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:19.26分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0188】
実施例17
[(R)−α−(3,3−ジメトキシプロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0189】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.50g、0.41ミリモル)のベンゼン(30ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.00g、25.00ミリモル)の水(1ml)中溶液、3−ブロモプロピオンアルデヒドジメチルアセタール(1.80g、10.00ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.20g、0.62ミリモル)を添加した。室温で10時間撹拌した後、混合物を氷水で希釈し、そして混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、0.48gの粗生成物を得、これを次のステップのために使用した[分子式:C681231115;正確な質量: 1333.92; MS (m/z): 1334.50 (M+1)+]。
【0190】
実施例18
[(R)−α−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0191】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
粗[(R)−(3,3−ジメトキシプロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.48g、0.36ミリモル)のジクロロメタン(30ml)中溶液に、トリフルオロ酢酸(5ml)および水(4ml)を0℃で添加した。次いで、混合物を室温まで温め、3時間撹拌した。混合物を分離した後、ジクロロメタン層を重炭酸ナトリウム飽和溶液(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=2/1)によって精製して、0.31gの生成物を得た[分子式:C661171114;正確な質量: 1287.88; MS (m/z): 1288.63 (M+1)+]。
【0192】
実施例19
[(R)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0193】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(0.13g、0.10ミリモル)のクロロホルム(5ml)中溶液に、ジメチルアミン塩酸塩(0.10g、1.22ミリモル)および酢酸(5滴)を添加した。混合物を室温で5分間撹拌した後、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(65mg、0.25ミリモル)を数回にわけて添加し、撹拌を1時間続けた。次いで、ジクロロメタン(10ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(10ml)を添加し、分離した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、89mgの生成物を得た[分子式:C681241213;正確な質量: 1316.94; MS (m/z): 1317.64 (M+1)+; TLC Rf: 0.39 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.92分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0194】
実施例20
[(R)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0195】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(100mg、0.08ミリモル)のクロロホルム(4ml)中溶液に、ジエチルアミン(100mg、1.37ミリモル)および酢酸(4滴)を添加した。混合物を室温で5分間撹拌した後、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(50mg、0.19ミリモル)を数回にわけて添加し、撹拌を1時間続けた。次いで、ジクロロメタン(10ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(10ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、56mgの生成物を得た[分子式:C701281213;正確な質量: 1344.97; MS (m/z): 1345.71 (M+1)+; TLC Rf: 0.40 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:14.59分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0196】
実施例21
[(R)−(3−(N−モルホリノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0197】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(300mg、0.23ミリモル)のジクロロメタン(15ml)中溶液に、モルホリン(101mg、1.16ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(306mg、1.16ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、124mgの生成物を得た[分子式:C701261214;正確な質量: 1358.95; MS (m/z): 1359.71(M+1)+, 1381.79 (M+Na)+; TLC Rf: 0.40 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:14.2分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0198】
実施例22
[(R)−(3−(N−ピロリジニル)プロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0199】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−シクロスポリン(315mg、0.24ミリモル)のジクロロメタン(15ml)中溶液に、ピロリジン(87mg、1.22ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(322mg、1.22ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、22mgの生成物を得た[分子式:C701261213;正確な質量: 1342.96; MS (m/z): 1343.75 (M+1)+, 1365.82 (M+Na)+; TLC Rf: 0.33 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:14.3分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0200】
実施例23
[(R)−(3−(N−ピペリジニル)プロポキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン
【0201】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−シクロスポリン(350mg、0.27ミリモル)のジクロロメタン(20ml)中溶液に、ピペリジン(115mg、1.34ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(352mg、1.34ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、35mgの生成物を得た[分子式:C711281213;正確な質量: 1356.97; MS (m/z): 1357.76 (M+1)+, 1379.83 (M+Na)+; TLC Rf: 0.36 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:14.4分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0202】
実施例24
[α−カルボキシ−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0203】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
−78℃、窒素下で、LDA(テトラヒドロフラン中2.0M、23ml、46ミリモル)のテトラヒドロフラン(80ml)中溶液に、テトラヒドロフラン(15ml)中[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(4.40g、3.61ミリモル)を3分にわたって添加した。混合物を−78℃で3時間撹拌した後、二酸化炭素ガスを反応混合物中に1時間吹き込んだ。次いで混合物を室温までゆっくりと温め、撹拌を3時間維持した。テトラヒドロフランの大部分を蒸発させた。ジクロロメタン(100ml)および水(50ml)を添加した。クエン酸水溶液を添加することによって混合物のpHを5付近に調節した。混合物を分離し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、3.20gの粗生成物を得、これを次のステップのために精製することなく使用した[分子式:C631111115;正確な質量: 1261.83; MS (m/z): 1262.49 (M+1)+]。
【0204】
[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを、Kuhnt M. et al., 1996, Microbial Biotransformation Products of Cyclosporin A, J. Antibiotics, 49 (8), 781によって記載された方法にしたがってセベキア・ベニハナ(Sebekia benihana)生体内変化により調製した。
【0205】
実施例25
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0206】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
[α−カルボキシ−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(3.20g、2.53ミリモル)および炭酸カリウム(1.30g、9.40ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中混合物に、ヨードメタン(1.80g、12.70ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン(80ml)および水(50ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を水(25ml)および塩水(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗製の3.00gの生成物を得た[分子式:C641131115;正確な質量: 1275.84; MS (m/z): 1276.75 (M+1)+]。
【0207】
実施例26
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0208】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(3.00g、2.35ミリモル)および塩化リチウム(1.50g、35.30ミリモル)のメタノール(100ml)中懸濁液に、ホウ水素化ナトリウム(2.50g、66.10ミリモル)を数回に分けて添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(80ml)および水(50ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、1.30gの生成物を得た[分子式:C631131114; 正確な質量: 1247.85; MS (m/z): 1248.48 (M+1)+H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.68 (d, J=5.4Hz, 3H), 0.80-1.00 (m, 30H), 1.07 (d, J=6.0Hz, 3H), 1.16 -1.29 (m, 10H), 1.32 (d, J=7.2Hz, 3H), 1.39-1.46 (m, 2H), 1.59-1.63 (m, 6H), 1.68-1.83 (m, 7H), 2.02-2.11 (m, 4H), 2.31-2.33 (m, 1H), 2.37-2.42 (m, 2H), 2.67 (s, 6H), 3.09 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 3.22 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 3.72-3.75 (m, 1H), 3.82 (br, 1H), 3.97-3.99 (m, 1H), 4.07-4.10 (m, 1H), 4.50-4.52 (m, 1H), 4.65-4.67 (t, J=8.4 Hz, 1H), 4.79-4.81 (m, 1H), 4.90-4.95 (m, 2H), 5.00 -5.05 (m, 2H), 5.09 (d, J=10.8Hz, 1H), 5.30-5.35 (m, 2H), 5.46 (d, J=6.0Hz, 1H), 5.52-5.53 (m, 1H), 5.66-5.68 (m, 1H), 7.12 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.60 (d, J=7.2Hz, 1H), 7.87-7.89 (d, J=9.6Hz, 1H)]。
【0209】
実施例27
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0210】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した[分子式:C631111113;正確な質量: 1229.84; MS (m/z): 1230.6 (M+1)+, 1252.82 (M+Na)+; TLC Rf: 0.50 (酢酸エチル/メタノール=10/1);HPLC RT:15.38分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm);H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.72 (d, J=5.4Hz, 3H), 0.84-1.00 (m, 30H), 1.17-1.26 (m, 15H), 1.34 (d, J=6.0 Hz, 3H), 1.44 -1.47 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 6H), 1.69-1.76 (m, 4H), 1.94-1.99 (m, 1H), 2.09-2.13 (m, 3H), 2.34-2.37 (m, 3H), 2.65(s, 3H), 2.67 (s, 3H), 3.09 (s, 3H)), 3.10 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 3.80 (m, 1H), 3.91 (m, 1H), 4.47-4.50 (m, 1H), 4.68-4.71(t, J=9.0Hz, 1H), 4.78-4.81 (m, 1H), 4.98-5.02 (m, 2H), 5.06-5.11 (m, 3H), 5.24 (s, 1H), 5.32 (m, 2H), 5.41-5.43 (m, 2H), 5.64-5.66 (m, 1H), 7.11 (d, J=7.2Hz, 1H), 7.49 (d, J=7.2Hz, 1H), 7.7 4 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.84 (d, J=9.6Hz, 1H)]。
【0211】
実施例28
[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体B)および[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体A)
【0212】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.62g、0.50ミリモル)および2−(ジメチルアミノ)エタンチオール(0.49g、6.00ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いてトリエチルアミン(0.82ml、6.00ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として使用するクロマトグラフィー付して、0.41gの[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体A)および0.18gの[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体B)を得た[分子式:C671221213S;正確な質量: 1334.9; MS (m/z): 1335.7(M+1) +; TLC Rf: 0.05 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:10.88 min.(異性体A)および11.30分(異性体B)(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0213】
実施例29
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体B)および[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体A)
【0214】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.31g、0.25ミリモル)および2−ジエチルアミノエタンチオール(0.40g、3.00ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いてトリエチルアミン(0.41ml、3.00ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として使用するクロマトグラフィー付して、0.15gの[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体A)および0.10gの[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(異性体B)を得た[分子式:C691261213S;正確な質量: 1362.93; MS (m/z): 1363.75 (M+1)+; TLC Rf: 0.1 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:11.64 min.(異性体A)および11.85分(異性体B)(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0215】
実施例30
[(S)−(2−(N−モルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0216】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(260mg、0.21ミリモル)および2−モルホリノエタンチオール(300mg、2.04ミリモル)のメタノール(30ml)中溶液に、水酸化リチウム(140mg、5.83ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)により精製して、102mgの生成物を得た[分子式:C691241214S;正確な質量: 1376.91; MS (m/z): 1399.85 (M+Na)+; TLC Rf: 0.30 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:11.03分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm);H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.68 (d, J=6.6Hz, 3 H), 0.79 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.82 (m, 6H,), 0.85 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.88 (d, J=7.2Hz, 3H), 0.90 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.93 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.97-1.00 (m, 9 H), 1.08 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.21-1.25 (m, 11H), 1.31 (d, J=7.2Hz, 3H), 1.39-1.47 (m, 2 H), 1.54-1.61 (m, 8H), 1.66-1.70 (m, 2 H), 1.75 (m, 1H), 2.01-2.11 (m, 4 H), 2.36-2.43 (m, 7H), 2.55-2.59 (m, 2 H), 2.67 (m, 8 H), 2.93-3.04 (m, 2H), 3.10 (s, 3 H), 3.24 (s, 6H), 3.26 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.52 (br, 1H), 3.67 (m, 6H), 4.51 (m, 1 H), 4.59 (t, J =8.4Hz, 1H), 4.81 (m, 1 H), 4.94-5.00 (m, 2H), 5.04 (t, J=6.6Hz, 1H), 5.08 (d, J=10.8Hz,1H), 5.27-5.31 (m, 1H), 5.33-5.37 (m, 1H),5.48 (m, 2H), 5.67 (m,1H), 7.14 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.49 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.4Hz, 1H), 8.11 (d, J=9.6Hz, 1H)]。
【0217】
実施例31
[(S)−(2−(N−ピペリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0218】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.37g、0.30ミリモル)および2−(N−ピペリジノ)エチルチオール(0.44g、3.00ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタン(30ml)中に溶解させた。ジクロロメタン溶液を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.20gの生成物を得た[分子式:C701261213S;正確な質量: 1374.93; MS (m/z): 1375.65 (M+1)+, 1397.80 (M+Na)+; TLC Rf: 0.18 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.09分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0219】
実施例32
[(S)−(2−(4−メチル−N−ピペラジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0220】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]

[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.30g、0.24ミリモル)および2−(4−メチルピペラジノ)エチルチオール(0.42g、2.62ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を塩化メチレン(30ml)中に溶解させた。ジクロロメタン溶液を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.22gの生成物を得た[分子式:C701271313S;正確な質量: 1389.94; MS (m/z): 1390.9 (M+1)+; TLC Rf: 0.08 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:10.07分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0221】
実施例33
[(S)−(2−(N−ピロリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0222】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(280mg、0.23ミリモル)および2−(N−ピロリジニル)エタンチオール(280mg、2.14ミリモル)のメタノール(30ml)中溶液に、水酸化リチウム(114mg、4.75ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、126mgの生成物を得た[分子式:C691241213S;正確な質量: 1360.91; MS (m/z): 1361.80 (M+1)+; TLC Rf: 0.23 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:11.59分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0223】
実施例34
[(S)−α−(2−アミノエチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0224】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.86g、0.70ミリモル)および2−アミノエタンチオール塩酸塩(0.80g、7.00ミリモル)をメタノール(80ml)中に溶解させ、続いて20当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーに付して、0.60gの生成物を得た[分子式:C651181213S;正確な質量: 1306.87; MS (m/z): 1307.56(M+1)+, 1329.73 (M+Na)+, TLC Rf: 0.025 (ジクロロメタン/メタノール=5/1);HPLC RT:10.97分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0225】
実施例35
[(S)−α−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0226】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−α−(2−(アミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.31g、0.25ミリモル)およびアセトン(0.40ml)をクロロホルム(30ml)中に溶解させ、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを数回に分けて添加し、そして数滴の酢酸を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、メチレン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.25gの純粋な生成物を得た[分子式:C681241213S;正確な質量: 1348.91; MS (m/z): 1349.59 (M+1) +; TLC Rf: 0.1 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:11.97分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0227】
実施例36
[(S)−(2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0228】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(49mg、0.034ミリモル)およびアセトアルデヒド(100μL、水中37%)をクロロホルム(10ml)と混合し、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、37mgの純粋な生成物を得た[分子式:C701281213S;正確な質量: 1376.94; MS (m/z): 1377.84 (M+1)+; TLC Rf: 0.15 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.36分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0229】
実施例37
[(S)−(2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0230】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(49mg、0.034ミリモル)およびホルムアルデヒド(100μL、水中37%)をクロロホルム(10ml)と混合し、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、30mgの純粋な生成物を得た[分子式:C691261213S;正確な質量: 1362.93; MS (m/z): 1363.72(M+1)+, 1385.81(M+Na)+; TLC Rf: 0.15 (酢酸エチル/メタノール=5:1);HPLC RT:12.26分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0231】
実施例38
[(S)−(2−(N,N−ジイソブチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0232】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−α−(2−アミノエチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(42mg、0.032ミリモル)およびイソブチルアルデヒド(15μl)をクロロホルム(10ml)中に溶解させ、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを数回に分けて添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、23mgの純粋な生成物を得た[分子式:C731341213S;正確な質量: 1418.99; MS (m/z): 1419.73(M+1)+, 1441.87(M+Na)+; TLC Rf: 0.36 (酢酸エチル/メタノール=5:1);HPLC RT:14.46分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0233】
実施例39
[(S)−(2−(N−イソブチルアミノ−N−イソプロピル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0234】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.25g、0.20ミリモル)およびイソブチルアルデヒド(91μL、10ミリモル)をクロロホルム(30ml)中に溶解させ、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを数回に分けて添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、19mgの純粋な生成物を得た[分子式:C721321213S;正確な質量: 1404.98; MS (m/z): 1405.89 (M+1)+, 1427.94 (M+Na)+; TLC Rf: 0.25 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:14.46分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0235】
実施例40
[(S)−(2−(N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0236】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(アミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.45g、0.34ミリモル)およびピバルアルデヒド(100μL、水中37%)をクロロホルム(50ml)と混合し、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、11mgの純粋な生成物を得た[分子式:C701281213S;正確な質量: 1376.94; MS (m/z): 1377.72 (M+1)+, 1399.82 (M+Na)+; TLC Rf: 0.15 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.36分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0237】
実施例41
[(S)−(2−(N−メチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0238】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(49mg、0.034ミリモル)およびホルムアルデヒド(100μL、水中37%)をクロロホルム(10ml)と混合し、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、31mgの純粋な生成物を得た[分子式:C711301213S;正確な質量: 1390.96; MS (m/z): 1391.71 (M+1)+, 1413.86 (M+Na)+; TLC Rf: 0.25 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:13.28分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0239】
実施例42
[(S)−(2−(N−エチル−N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0240】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
[(S)−(2−(N−ネオペンチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(46mg、0.034ミリモル)およびアセトアルデヒド(10μL、0.17ミリモル)をクロロホルム/メタノール中に溶解させ、続いて2.5当量のテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリドを数回に分けて添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、28mgの生成物を得た[分子式:C721321213S;正確な質量: 1404.98; MS (m/z): 1405.75 (M+1)+, 1427.95 (M+Na)+; TLC Rf: 0.25 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:13.65分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0241】
実施例43
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0242】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)および3−(N−ピペリジニル)プロパンチオール(318mg、2.00ミリモル)のメタノール(30ml)中溶液に、水酸化リチウム(96mg、4.00ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、135mgの生成物を得た[分子式:C711281213S;正確な質量: 1388.94; MS (m/z): 1389.84 (M+1) +; TLC Rf: 0.30 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:12.19分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm);H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.68 (d, J=6.0Hz, 3H), 0.79 (d, J=6.0Hz, 3H), 0.82-0.86 (m, 9H), 0.88 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.91 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.93 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.97-1.00 (m, 9H), 1.09 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.21-1.24 (m, 11H), 1.31-1.46 (m, 8H), 1.53 (m, 5H), 1.61 (m, 11H), 1.67-1.70 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 2H), 1.99-2.11 (m, 4H), 2.31-2.35 (m, 4H), 2.37-2.41 (m, 2H), 2.53-2.60 (m, 2H), 2.67 (s, 6H), 2.91-2.98 (m. 2H), 3.09 (s, 3H), 3.24 (s, 6H), 3.26 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.56 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 4.51 (m, 1H), 4.58 (t, J=8.4Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 4.94-5.02 (m, 2H), 5.04 (t, J=6.6Hz, 1H), 5.08 (d, J=10.8Hz, 1H), 5.28-5.32 (m, 1H), 5.33-5.37 (m, 1H), 5.49 (m, 2H), 5.67 (dd, J=10.8Hz and 3.6Hz, 1H), 7.14 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.49 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.4Hz, 1H), 8.09 (d, J=10.2Hz, 1H)]。
【0243】
実施例44
[(S)−(3−(N−ピロリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0244】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(213mg、0.17ミリモル)および3−(N−ピロリジニル)プロパンチオール(280mg、1.93ミリモル)のメタノール(25ml)中溶液に、水酸化リチウム(94mg、3.92ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)によって精製して、57mgの生成物を得た[分子式:C701261213S;正確な質量: 1374.93; MS (m/z): 1375.75 (M+1)+; TLC Rf: 0.23 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:11.83分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0245】
実施例45
[(S)−(3−(N−モルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0246】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(210mg、0.17ミリモル)および3−モルホリンプロパンチオール(300mg、1.86ミリモル)のメタノール25ml中溶液に、水酸化リチウム(140mg、5.83ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、78mgの生成物を得た[分子式:C701261214S;正確な質量: 1390.92; MS (m/z): 1413.77 (M+Na)+; TLC Rf: 0.33 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:11.35分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm);H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.68 (d, J=6.0Hz, 3H), 0.79 (d, J=5.4Hz, 3H), 0.82-0.86 (m, 9H), 0.88 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.91 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.93 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.97-1.00 (m, 9H), 1.09 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.21-1.24 (m, 11H), 1.31 (d, J=7.2Hz, 3H), 1.38-1.46 (m, 2H), 1.61 (m, 11H), 1.67-1.70 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 2H), 2.03-2.11 (m, 4H), 2.35-2.43 (m, 8H), 2.55-2.63 (m, 2H), 2.67 (s, 6H), 2.91-2.98 (m. 2H), 3.10 (s, 3H), 3.24 (3, 6H), 3.26 (s, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.52 (m, 1H), 3.65-3.67 (m, 5H), 4.51 (m, 1H), 4.59 (t, J=8.4Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 4.94-5.01 (m, 2H), 5.04 (t, J=6.6Hz, 1H), 5.08 (d, J=12Hz, 1H), 5.28-5.30 (m, 1H), 5.33-5.37 (m, 1H), 5.49 (m, 2H), 5.67 (m, 1H), 7.14 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.49 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.65 (d, J=7.2Hz, 1H), 8.12 (d, J=9.6Hz, 1H)]。
【0247】
実施例46
[(S)−(3−(4−メチル−N−ピペラジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0248】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.30g、0.24ミリモル)および3−(4−メチルピペラジノ)プロピルチオール(0.42g、2.44ミリモル)をメタノール(25ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.20gの生成物を得た[分子式:C711291313S;正確な質量: 1403.96; MS (m/z): 1404.9 (M+1)+, 1426.9 (M+Na)+; TLC Rf: 0.10 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:10.07分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0249】
実施例47
[(S)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0250】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.30g、0.24ミリモル)および3−(N,N−ジメチル)プロピルチオール(0.36g、2.40ミリモル)をメタノール(25ml)中に溶解させ、続いて水酸化リチウム(59mg、2.44ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.18gの純粋な生成物を得た[分子式:C681241213S;正確な質量: 1348.91; MS (m/z): 1349.70 (M+1)+, 1371.83 (M+Na); TLC Rf: 0.15 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:11.53分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0251】
実施例48
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0252】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.30g、0.24ミリモル)および3−(N,N−ジメチル)プロピルチオール(0.36g、2.44ミリモル)をメタノール(25ml)中に溶解させ、続いて塩化リチウム(59mg、2.4ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.30gの生成物を得た[分子式:C701281213S;正確な質量: 1376.94; MS (m/z): 1377.90 (M+1)+, 1399.76 (M+Na) +; TLC Rf: 0.17 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.06 min. (C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0253】
実施例49
[(S)−(3−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0254】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(200mg、0.16ミリモル)および3−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)プロピルチオール(200mg、1.25ミリモル)のメタノール(25ml)中溶液に、水酸化リチウム(89mg、3.71ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、88mgの生成物を得た[分子式:C711301213S;正確な質量: 1390.96; MS (m/z): 1413.81 (M+Na)+; TLC Rf: 0.40 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.49分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0255】
実施例50
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0256】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.25g、0.20ミリモル)のベンゼン(30ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(1.00g、25ミリモル)の水(2ml)中溶液、2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン臭化水素酸塩(2.80g、10.72ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.2g、0.62ミリモル)を添加した。混合物を30℃で20時間攪拌した。次いで氷水(30ml)を添加し、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(25ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、240mgの生成物を得た[分子式:C691261214;正確な質量: 1346.95; MS (m/z): 1347.59 (M+1)+; TLC Rf: 0.41 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.20分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0257】
実施例51
[(R)−(2−(N−ピペリジニル)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0258】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(300mg、0.24ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.38g、9.60ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.44g、2.40ミリモル)および1−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩(0.44g、2.40ミリモル)を添加した。混合物を30℃で36時間撹拌した。次いで氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離液として用いたクシリカゲル上ロマトグラフィーによって精製して、100mgの純粋な生成物を得た[分子式:C701261214;正確な質量: 1358.95; MS (m/z): 1359.69 (M+1)+, 1381.75 (M+Na)+; TLC Rf: 0.05 (ジクロロメタン/メタノール=20/1);HPLC RT:12.43分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0259】
実施例52
[(R)−(2−(N−モルホリノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0260】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.50g、0.40ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.64g、16.00ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.72g、4.00ミリモル)および4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(0.74g、4.00ミリモル)を添加した。混合物を30℃で1週間撹拌した。次いで氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、60mgの生成物を得た[分子式:C691241215;正確な質量: 1360.93; MS (m/z): 1361.63 (M+1)+, 1383.75 (M+Na)+; TLC Rf: 0.10 (ジクロロメタン/メタノール=5:1); HPLC RT: 11.49分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0261】
実施例53
[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0262】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.37g、0.30ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.48g、12.00ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.54g、3.00ミリモル)および3−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(0.43g、3.00ミリモル)を添加した。混合物を30℃で36時間撹拌した。次いで氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、90mgの純粋な生成物を得た[分子式:C671221214;正確な質量: 1318.92; MS (m/z):1319.70 (M+1)+, 1341.80 (M+Na)+); TLC Rf: 0.05 (ジクロロメタン/メタノール=5:1);HPLC RT:11.43分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0263】
実施例54
[(R)−(2−(N−ピロリジニル)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0264】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.38g、0.30ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.48g、12.00ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.54g、3.00ミリモル)および1−(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(0.44g、3.00ミリモル)を添加した。混合物を30℃で36時間撹拌した。次いで氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、120mgの予想される異性体を得た[分子式:C691241214;正確な質量:1344.94; MS (m/z): 1345.62 (M+1)+, 1367.76 (M+Na)+; TLC Rf: 0.05 (ジクロロメタン/メタノール=10/1);HPLC RT:12.09分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0265】
実施例55
[(R)−α−(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0266】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(5.00g、4.01ミリモル)をベンゼン(100ml)中に溶解させた。2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキサン(7.82g、40.10ミリモル)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.99g、3.09ミリモル)、水酸化ナトリウム(3.21g、8.02ミリモル)および水(3.3ml)を添加した。反応混合物を35℃で9時間撹拌した。そして撹拌を一晩室温で続けた。次いで50mlの塩水を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(25ml×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。ヘキサン/アセトンを溶離液として用いたシリカゲル上で精製した後、1.50gの生成物を得た[分子式:C691231116;正確な質量: 1361.91; (m/z): 1362.64 (M+1)+, 1384.85 (M+Na)+]。
【0267】
実施例56
[(R)−α−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0268】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.29g、0.95ミリモル)をジオキサン(25ml)中に溶解させ、続いて塩酸溶液(1N、25ml)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。ジオキサンの大部分を減圧下で蒸発させた。次いで水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた酢酸エチル層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ヘキサン/アセトンを溶離液として用いてシリカゲル上で精製して、600mgの生成物を得た[分子式:C661171115;正確な質量: 1303.87; MS (m/z): 1304.59 (M+1)+, 1326.78 (M+Na)+;HPLC RT:14.2分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0269】
実施例57
[(R)−(3−(N−モルホリノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0270】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(300mg、0.23ミリモル)をジクロロメタン(15ml)中に溶解させた。モルホリン(100mg、1.15ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(302mg、1.15ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、105mgの純粋な生成物を得た[分子式:C701261215;正確な質量: 1374.95; MS (m/z): 1375.70 (M+1)+, 1397.80 (M+Na)+; TLC Rf: 0.37 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.2分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0271】
実施例58
[(R)−(3−(N−ピロリジニル)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0272】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(200mg、0.15ミリモル)をジクロロメタン(15ml)中に溶解させた。ピロリジン(95mg、1.34ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(353mg、1.34ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、50mgの純粋な生成物を得た[分子式:C701261214;正確な質量: 1358.95; MS (m/z): 1359.74 (M+1)+, 1381.79 (M+Na)+; TLC Rf: 0.40 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.7分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0273】
実施例59
[(R)−(3−(N−ピペリジニル)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0274】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−(2−ホルミルエトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(200mg、0.15ミリモル)をジクロロメタン(15ml)中に溶解させた。ピペリジン(114mg、1.34ミリモル)およびテトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(353mg、1.34ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)およびジクロロメタン(15ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、43mgの生成物を得た[分子式:C711281214;正確な質量: 1372.97; (m/z): MS (m/z): 1373.79 (M+1)+, 1395.86 (M+Na)+; TLC Rf: 0.27 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:17.8分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0275】
実施例60
[(R)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0276】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.38g、0.30ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.48g、12.00ミリモル)、テトラメチルアンモニアヒドロキシド(0.54g、3.0ミリモル)および3−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(0.43g、3.00ミリモル)を添加した。混合物を30℃で36時間撹拌した。次いで氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、70mgの純粋な生成物を得た[分子式:C681241214;正確な質量: 1332.94. MS (m/z): 1333.64 (M+1)+, 1355.73 (M+Na)+; TLC Rf: 0.04 (ジクロロメタン/メタノール=5/1);HPLC RT:11.78分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0277】
実施例61
[(R)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0278】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(400mg、10.00ミリモル)の水(0.5ml)中溶液、3−ジエチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(500mg、2.69ミリモル)および水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(430mg、2.41ミリモル)を添加した。混合物を32℃で4日間撹拌した。次いで氷水(30ml)を添加し、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(50ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)によって精製して、120mgの生成物を得た[分子式:C701281214;正確な質量: 1360.97; MS (m/z): 1361.72 (M+1)+; TLC Rf: 0.38 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:16.71分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0279】
実施例62
[(γ−(メチルチオ)メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0280】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(4.50g、3.70ミリモル)の無水ジメチルスルホキシド(25ml)中溶液に、無水酢酸(15ml)を添加した。反応混合物を室温で17時間撹拌した。酢酸エチル(75ml)で希釈した後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(98/2)を溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、2.35gの[(γ−メチルチオ)メトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを得た[分子式:C641151113S; 正確な質量: 1277.84; MS (m/z): 1300.70 (M+Na)+; TLC Rf: 0.30 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:19.57分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0281】
実施例63
[γ−(メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0282】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
[γ−(メチルチオ)メトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.20g、0.94ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(40ml)中溶液に、ラネーNi(約2g)を添加した。結果としての懸濁液を撹拌し、60℃まで30分間加熱し、そして反応をLC−MSによってモニターした。反応混合物をろ過し、フィルターケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を集め、減圧下で蒸発させた。残留物を、酢酸エチル/メタノール(97.5/2.5)の溶離液を用いるクロマトグラフィーによって精製して、0.60gの生成物を得た[分子式:C631131113;正確な質量: 1231.85; MS (m/z): 1232.70 (M+1)+; TLC Rf: 0.46 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:20.63分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0283】
実施例64
[α−カルボキシ−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0284】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
n−BuLi(テトラヒドロフラン/ヘキサン中2.8M、5.00ml、14.00ミリモル)を、ジイソプロピルアミン(1.44g、14.30ミリモル)のテトラヒドロフラン(30ml)中溶液に−78℃にて窒素雰囲気下で添加した。混合物を1時間半撹拌した後、[γ−(メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.20g、0.97ミリモル)のテトラヒドロフラン(6ml)中溶液をゆっくりと添加した。撹拌を−78℃で2時間続けた。次いで二酸化炭素ガスを反応混合物中に1時間吹き込んだ。混合物を室温までゆっくりと温め、そしてさらに3時間撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた後、ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加した。クエン酸水溶液を添加することによって混合物のpHを5付近に調節した。混合物を分離し、ジクロロメタン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.20gの次のステップで使用する粗生成物を得た[分子式:C641131115;正確な質量: 1275.84; MS (m/z): 1298.53(M+Na)+]。
【0285】
実施例65
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0286】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
[α−カルボキシ]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.20g、0.94ミリモル)および炭酸カリウム(0.80g、5.79ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中溶液に、ヨードメタン(0.80g、5.63ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。ジクロロメタン(75ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を水(25ml)および塩水(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して、1.10gの粗生成物を得た[分子式:C651151115;正確な質量: 1289.86; MS (m/z): 1312.72(M+Na)+]。
【0287】
実施例66
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0288】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.10g、0.85ミリモル)および塩化リチウム(1.00g、23.53ミリモル)のメタノール(80ml)中懸濁液に、ホウ水素化ナトリウム(2.00g、52.91ミリモル)を数回にわけて添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(50ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、310mgの生成物を得た[分子式:C641151114;正確な質量: 1261.86; MS (m/z): 1262.68 (M+1)+]。
【0289】
実施例67
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0290】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した[分子式:C641131113;正確な質量: 1243.85; MS (m/z): 1244.57 (M+1)+; TLC Rf: 0.34 (ヘキサン/アセトン=6/1);HPLC RT:17.10分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05% トリフルオロ酢酸),操作温度:64℃;検出器:210nm]。
【0291】
実施例68
[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0292】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.24g、0.19ミリモル)および2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオール塩酸塩(0.27g、1.91ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いて20当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、塩化メチレン/メタノール(96/4)を溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.11gの純粋な生成物を得た[分子式:C681241213S;正確な質量: 1348.93; MS (m/e): 1349.85 (M+1)+, 1371.81 (M+Na)+; TLC Rf: 0.20 (酢酸エチル/メタノール(5:1);HPLC RT:12.42分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0293】
実施例69
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0294】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(280mg、0.23ミリモル)および2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩(570mg、3.37ミリモル)のメタノール(15ml)中溶液に水酸化リチウム(142mg、5.92ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(80ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、110mgの生成物を得た[分子式:C701281213S;正確な質量: 1376.94; MS (m/z): 1377.67 (M+1)+; TLC Rf: 0.35 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.17分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0295】
実施例70
[(S)−(2−(N−ピロリジニル)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0296】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(230mg、0.18ミリモル)および2−(N−ピロリジニル)エタンチオール(340mg、2.59ミリモル)のメタノール(15ml)中溶液に、水酸化リチウム(120mg、5.00ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、55mgの生成物を得た[分子式:C701261213S;正確な質量: 1374.93; MS (m/z): 1375.57 (M+1)+; TLC Rf: 0.29 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:12.90分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0297】
実施例71
[(S)−(2−(N−モルホリノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0298】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)および2−モルホリノエタンチオール(260mg、1.76ミリモル)のメタノール(15ml)中溶液に、水酸化リチウム(120mg、5.00ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(60ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、70mgの生成物を得た[分子式:C701261214S;正確な質量: 1390.92; MS (m/z): 1391.58 (M+1)+; TLC Rf: 0.38 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.48分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0299】
実施例72
[(S)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0300】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.25g、0.20ミリモル)および3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルチオール(0.24g、2.00ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、塩化メチレン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、80mgの純粋な生成物を得た[分子式:C691261213S;正確な質量: 1362.93; MS (m/e): 1363.70 (M+1)+. TLC Rf: 0.20 (酢酸エチル/メタノール=10/1);HPLC RT:12.82分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0301】
実施例73
[(S)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0302】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.25g、0.20ミリモル)および3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルチオール(0.30g、2.00ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、塩化メチレン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、120mgの純粋な生成物を得た[分子式:C7113012S;正確な質量: 1390.96; MS (m/e): 1391.64 (M+1)+, 1413.79 (M+Na)+; TLC Rf: 0.25 (酢酸エチル/メタノール=10/1);HPLC RT:13.57分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0303】
実施例74
[(S)−(3−(N−ピペリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0304】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.37g、0.30ミリモル)および3−(N−ピペリジノ)プロピルチオール(0.48g、3.00ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解させ、続いて10当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、塩化メチレン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、60mgの純粋な生成物を得た[分子式:C721301213S;正確な質量: 1402.96; MS (m/e): 1403.69 (M+1)+, 1425 (M+Na)+; TLC: Rf: 0.3 (酢酸エチル/メタノール=10/1);HPLC RT:13.59分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0305】
実施例75
[(S)−(3−(N−ピロリジニル)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0306】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(280mg、0.23ミリモル)および3−(N−ピロリジニル)プロパンチオール(350mg、2.41ミリモル)のメタノール(15ml)中溶液に水酸化リチウム(120mg、5.00ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(80ml)および水(25ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=94/6)によって精製して、47mgの生成物を得た[分子式:C711281213S;正確な質量: 1388.94; MS (m/z): 1389.68 (M+1)+; TLC Rf: 0.30 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.25分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0307】
実施例76
[(S)−(3−(N−モルホリノ)プロピルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0308】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(320mg、0.26ミリモル)および3−モルホリンプロパンチオール(600mg、3.73ミリモル)のメタノール(25ml)中溶液に、水酸化リチウム(140mg、5.83ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(60ml)および水(25ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、58mgの生成物を得た[分子式:C711281214S;正確な質量: 1404.94; MS (m/z): 1405.52 (M+1)+; TLC Rf: 0.39 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:15.96分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0309】
実施例77
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0310】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.20g、0.16ミリモル)のベンゼン(10ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.48g、12.00ミリモル)の水(1ml)中溶液、2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン臭化水素酸塩(1.10g、4.21ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.10g、0.31ミリモル)を添加した。混合物を35℃で40時間撹拌した。氷水(10ml)を添加し、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、36mgの生成物を得た[分子式:C701281214;正確な質量: 1360.97; MS (m/z): 1383.74 (M+Na)+; TLC Rf: 0.32 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.66分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm);H NMRスペクトル(600 MHz, CDCl3, δ in ppm): 0.65(d, J=4.8Hz, 3H), 0.82 (m, 9H), 0.87 (m, 6H), 0.91 (d, J=6. Hz, 3H), 0.93 (d, J=6.0Hz, 3H), 0.98-1.01 (m, 15 H), 1.07 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.11(s, 6H), 1.23 (m, 6 H), 1.33 (d, J=7.2 Hz, 3H), 1.39-1.47 (m, 2H), 1.53-1.58 (m, 4H), 1.6 (m, 3H), 1.67-1.75 (m, 3H), 1.98-2.12 (m, 4H), 2.43-2.48 (m, 3H), 2.50-2.54 (m, 4H), 2.60 (t, J=6.0Hz, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.68 (s, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.10 (s, 3H), 3.12 (s, 3H), 3.24 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 3.48 (m, 4H), 3.52-3.56 (m, 1H), 3.60-3.62 (m, 1H), 3.67-3.70 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 4.06 (t, J=9.6 Hz, 1H), 4.52 (m, 1H), 4.57 (m, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.91 (t, J=7.8Hz, 1H), 5.04 (m, 3H), 5.11 (d, J=11.4Hz, 1H), 5.28-5.34 (m, 2 H), 5.50 (d, J=7.2Hz, 1 H), 5.67 (m, 1H), 7.10 (d, J=7.8Hz 1H), 7.48 (d, J=7.80Hz,1H), 7.58 (d, J=7.2Hz,1H), 7.91 (d, J=10.2Hz,1H)]。
【0311】
実施例78
[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0312】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)の水(0.70ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(570mg、3.96ミリモル)を添加した。混合物を40〜50℃で2日間撹拌した。水(0.70ml)中水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(570mg、3.96ミリモル)を添加し、混合物を40〜50℃でさらに2日間撹拌し続けた。さらに2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(1.14g、7.91ミリモル)を添加し、40〜50℃でさらにもう1日撹拌を続けた。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。次いで水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(25ml)中に溶解させた。結果としての酢酸エチル相を酢酸溶液(10mlの水中5ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)で洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、21mgの生成物を得た[分子式:C681241214;正確な質量: 1332.94; MS (m/z): 1333.75 (M+1)+, 1355.87 (M+Na)+; TLC Rf: 0.22 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:17.3分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]
【0313】
実施例79
[(R)−(2−(N−モルホリノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0314】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)の水(0.70ml)中溶液を添加し、続いて水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および2−(4−モルホリニル)エチルクロリド塩酸塩(737mg、3.96ミリモル)を添加した。混合物を40〜50℃で2日間撹拌した。水(0.70ml)中水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および2−(4−モルホリニル)エチルクロリド塩酸塩(737mg、3.96ミリモル)を添加し、混合物を40〜50℃でさらに2日間撹拌し続けた。さらなる2−(4−モルホリニル)エチルクロリド塩酸塩(1.47g、7.91ミリモル)を添加し、40〜50℃でさらに2日間撹拌を続けた。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。次いで、水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(25ml)中に溶解させた。そして結果としての酢酸エチル相を酢酸溶液(10mlの水中5ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)で洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、45mgの生成物を得た[分子式:C701261215;正確な質量: 1374.95; MS (m/z): 1375.63 (M+1)+, 1397.79 (M+Na)+; TLC Rf: 0.42 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:12.9分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]
【0315】
実施例80
[(R)−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0316】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)の水(0.70ml)中溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(626mg、3.96ミリモル)を添加した。混合物を40〜50℃で2日間撹拌した。水(0.70ml)中水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(626mg、3.96ミリモル)を添加し、混合物を40〜50℃でさらに2日間撹拌し続けた。さらなる3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(1.25g、7.91ミリモル)を添加し、40〜50℃でさらにもう1日撹拌を続けた。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。次いで水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(25ml)中に溶解させた。そして、結果としての酢酸エチル相を酢酸溶液(10mlの水中5ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、36mgの生成物を得た[分子式:C691261214;正確な質量: 1346.95; MS (m/z): 1347.65 (M+1)+, 1369.74 (M+Na)+; TLC Rf: 0.21 (ジクロロメタン/メタノール=9/1)。HPLC RT:18.8分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0317】
実施例81
[(R)−(3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ)メチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0318】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[(γ−メトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(250mg、0.20ミリモル)のベンゼン20ml中溶液に、水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)の水(0.70ml)中溶液を添加し、続いて水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および3−ジエチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(737mg、3.96ミリモル)を添加した。混合物を40〜50℃で2日間撹拌した。水(0.70ml)中水酸化ナトリウム(633mg、15.85ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(720mg、3.96ミリモル)および3−ジエチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(737mg、3.96ミリモル)を添加し、混合物を40〜50℃でさらに2日間撹拌し続けた。さらなる3−ジエチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(1.47g、7.91ミリモル)を添加し、40〜50℃でさらに2日間撹拌を続けた。重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチルで抽出した(25ml×2)。次いで合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(25ml)中に溶解させた。そして結果としての酢酸エチル相を酢酸溶液(10mlの水中5ml)および重炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。シリカゲル上で精製後、38mgの生成物を得た[分子式:C711301214;正確な質量: 1374.98; MS (m/z): 1375.70 (M+1)+, 1397.80 (M+Na)+; TLC Rf: 0.24 (ジクロロメタン/メタノール=9/1);HPLC RT:19.6分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/0.077%の水中酢酸アンモニウム;操作温度:64℃;検出器:210nm)]
【0319】
実施例82
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メチルチオメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0320】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メチルチオメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した。生成物をシリカゲル上クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製した[分子式:C651151113S;正確な質量: 1289.84; MS (m/z): 1290.70 (M+1)+, 1312.67 (M+Na)+]。
【0321】
実施例83
[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メチルチオ)メトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0322】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]

[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メチルチオメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.32g、0.25ミリモル)および2−(N,N−ジメチル)エタンチオール(0.26g、2.50ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて24当量のトリエチルアミンを添加した。混合物を一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるクロマトグラフィーに付して、0.14gの純粋な生成物を得た[分子式、C691261213;正確な質量: 1394.90; MS (m/z): 1395.70 (M+1)+, 1417.68 (M+Na)+; TLC Rf: 0.10 (酢酸エチル/メタノール=10:1);HPLC RT:13.30分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0323】
実施例84
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−メチルチオ)メトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0324】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−メチルチオメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.27g、0.21ミリモル)および2−(N,N−ジエチル)エタンチオール(0.28g、2.10ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて24当量のトリエチルアミンを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、0.17gの純粋な生成物を得た[分子式、C711301213;正確な質量: 1422.93; MS(m/z): 1423.70 (M+1)+, 1445.67 (M+Na)+; TLC Rf: 0.35 (酢酸エチル/メタノール=10:1);HPLC RT:13.95分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0325】
実施例85
[γ−エトキシメトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0326】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
[(γ−ヒドロキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(1.20g、0.99ミリモル)のジクロロメタン(80ml)中溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(FW129.25、d 0.742、1.32ml、0.98g、7.60ミリモル)を添加し、続いてクロロメチルエチルエーテル(FW94.54、d1.02、2.22ml、2.27g、24ミリモル)を滴加した。混合物を一晩室温で撹拌し、TLCを使用して、反応の完了をモニターした。反応混合物を1Nの塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥した後、混合物を減圧下で蒸発させて、黄色がかった油を得、これを、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として使用するフラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製して、0.95gの生成物を得た[分子式:C651171114;正確な質量: 1275.88; MS (m/z): 1276.70 (M+H)+, 1298.70 (M+Na) +; TLC Rf: 0.37 (酢酸エチル)]。
【0327】
実施例86
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−エトキシメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0328】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−エトキシメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した。生成物を、酢酸エチル/メタノールを溶離液として使用するシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製した[分子式:C661171114;正確な質量: 1287.68; MS (m/z): 1288.72 (M+1)+, 1310.70 (M + Na)+]。
【0329】
実施例87
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[(γ−エトキシ)メトキシ−N−MeLeu]−4−シクロスポリン
【0330】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−エトキシメトキシ)−N−MeLeu]−4−シクロスポリン(0.27g、0.21ミリモル)および2−(N,N−ジエチル)エタンチオール(0.28g、2.1ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて12当量のトリエチルアミンを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、90mgの純粋な生成物を得た[分子式:C721321214S;正確な質量: 1420.97; MS (m/z): 1421.75 (M+1)+, 1443.72 (M + Na)+; TLC: Rf: 0.40 (酢酸エチル/メタノール=10/1);HPLC RT:13.58分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0331】
実施例88
[α−カルボキシ−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0332】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
LDA(テトラヒドロフラン中2.0M、5ml、10ミリモル)のテトラヒドロフラン(15ml)中溶液に、−78℃にて窒素雰囲気下で、テトラヒドロフラン(15ml)中[N−MeIle]−4−シクロスポリン(1.20g、1.00ミリモル)を3分にわたって添加した。混合物を−78℃で3時間撹拌した後、二酸化炭素ガスを反応混合物中に1時間吹き込んだ。次いで混合物を室温までゆっくりと温め、さらに3時間撹拌し続けた。テトラヒドロフランの大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(100ml)および水(50ml)を添加した。クエン酸水溶液を添加することによって混合物のpHを5付近に調節した。混合物を次いで分離し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、1.10gの粗生成物を得、これを次のステップのために精製することなく使用した[分子式:C631111114;正確な質量: 1245.83; MS (m/z): 1246.68 (M+1)+]。
【0333】
実施例89
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0334】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
[α−カルボキシ−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン(1.00g、0.80ミリモル)および炭酸カリウム(0.70g、5.07ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中混合物に、ヨードメタン(1.50g、10.56ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン(80ml)および水(50ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を水(25ml)および塩水(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗製の1.00gの生成物を得た[分子式:C641131114;正確な質量: 1259.85; MS (m/z): 1260.51(M+1)+]。
【0335】
実施例90
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0336】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メトキシカルボニル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン(1.00g、0.79ミリモル)および塩化リチウム(0.60g、14.11ミリモル)のメタノール(80ml)中懸濁液に、ホウ水素化ナトリウム(3.00g、79.26ミリモル)を数回に分けて添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(100ml)および水(50ml)を添加し、混合物を分離した。ジクロロメタン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=97/3)によって精製して、420mgの生成物を得た[分子式:C631131113;正確な質量: 1231.85; MS (m/z): 1232.59 (M+1)+; TLC Rf: 0.32 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:14.32分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0337】
実施例91
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0338】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した[分子式:C631111112;正確な質量: 1213.84; MS (m/z): 1214.59 (M+1) +; TLC Rf: 0.34 (ヘキサン/アセトン=6/1);HPLC RT:17.47分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05% トリフルオロ酢酸),操作温度:64℃;検出器:210nm]。
【0339】
実施例92
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0340】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン(300mg、0.25ミリモル)および2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩(408mg、2.41ミリモル)のメタノール(20ml)中溶液に、水酸化リチウム(116mg、4.83ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(80ml)および水(30ml)を添加し、混合物を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、170mgの生成物を得た[分子式:C691261212S;正確な質量: 1346.93; MS (m/z): 1347.68 (M+1)+; TLC Rf: 0.32 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.54分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0341】
実施例93
[(R)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン
【0342】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[N−MeIle]−4−シクロスポリン(0.39g、0.32ミリモル)のベンゼン(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.80g、20ミリモル)の水(1ml)中溶液、2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン臭化水素酸塩(2.40g、9.20ミリモル)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.10g、3.10ミリモル)を添加した。混合物を30℃で40時間撹拌した。氷水(10ml)を添加し、混合物を分離した。水性層をジクロロメタン(50ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=96/4)によって精製して、270mgの生成物を得た[分子式:C691261213;正確な質量: 1330.96; MS (m/z): 1331.73(M+1)+; TLC Rf: 0.34 (ジクロロメタン/メタノール=95/5);HPLC RT:13.42分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0343】
実施例94
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0344】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリンを実施例4および5で記載された方法にしたがって調製した。生成物をシリカゲル上クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製した。[分子式:C621091112; 正確な質量: 1199.83; MS (m/z): 1200.56 (M+1)+, 1222.72 (M+Na)+]。
【0345】
実施例95
[(S)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0346】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン(88mg、0.07ミリモル)および2−(N,N−ジメチル)エタンチオール塩酸塩(0.10g、7.30ミリモル)をメタノール(20ml)中に溶解させ、続いて20当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、30mgの純粋な生成物を得た[分子式:C661201212S;正確な質量: 1304.89; MS (m/z): 1305.68 (M+1)+, 1327.83 (M+Na)+; TLC Rf: 0.05 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.23分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0347】
実施例96
[(S)−(2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルチオ)メチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0348】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン(0.20g、0.16ミリモル)および2−(N,N−ジエチル)エタンチオール塩酸塩(0.28g、1.70ミリモル)をメタノール中に溶解させ、続いて20当量の水酸化リチウムを添加した。混合物を一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノールを溶離液として用いるシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、100mgの純粋な生成物を得た[分子式:C681241212S;正確な質量: 1332.92; MS (m/e): 1333.58 (M+1)+, 1355.79 (M+Na)+; TLC Rf: 0.08 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:12.77分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0349】
実施例97
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0350】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]

[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリンを実施例2で記載された方法にしたがって調製した。生成物をシリカゲル上クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製した[分子式:C621111113;正確な質量: 1217.84; MS (m/z): 1218.56 (M+1)+, 1240.75 (M+Na)+]。
【0351】
実施例98
[(R)−(2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ)メチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0352】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
[(R)−α−ヒドロキシメチル−Sar]−3−[N−MeVal]−4−シクロスポリン(0.12g、0.10ミリモル)のベンゼン(15ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.20g、5.00ミリモル)、水酸化テトラメチルアンモニウム5水和物(0.18g、1.00ミリモル)および3−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(0.14g、1.00ミリモル)を添加した。混合物を30℃で一晩撹拌した。氷水(20ml)を添加し、混合物を分離した。水性層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)に付して、30mgの純粋な生成物を得た[分子式:C661201213;正確な質量: 1288.91; MS (m/z): 1289.73 (M+1)+, 1311.71 (M+Na)+; TLC Rf : 0.14 (ジクロロメタン/メタノール=10/1);HPLC RT:12.00分(C8逆相カラム:250mm;アセトニトリル/水(0.05%トリフルオロ酢酸);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0353】
実施例99
[(R)−α−(N−ピペリジニル)メチル−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−NMeLeu]−4−シクロスポリン
【0354】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
[α−メチレン−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−NMeLeu]−4−シクロスポリン(0.37g、0.30ミリモル)およびピペリジン(0.26g、3.00ミリモル)を触媒量の酢酸銅(II)の存在下でアセトニトリル/水(20ml)中に溶解させた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタン(30ml)中に溶解させた。ジクロロメタン相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、96/4)によってさらに精製して、0.17gの生成物を得た[分子式:C681221213;正確な質量: 1314.93; MS (m/z): 1315.74 (M+1)+, 1337.86 (M+Na)+; TLC Rf: 0.10 (酢酸エチル/メタノール=5/1);HPLC RT:11.70分(C8逆相カラム:150mm;アセトニトリル/水(0.05%TFA);操作温度:64℃;検出器:210nm)]。
【0355】
参考実施例1
[α−カルボキシ−Sar]−3−シクロスポリン
【0356】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
n−ブチルリチウム(2.87M、27ミリモル、9.4ml、10当量)をジイソプロピルアミン(3.8ml、27ミリモル、10当量)のテトラヒドロフラン(80ml)中溶液に−78℃、窒素下で添加した。反応混合物を1時間撹拌した後、シクロスポリンA(3.2g、2.66ミリモル)のテトラヒドロフラン(15ml)中溶液を10分にわたって添加した。撹拌を−78℃で2時間続けた。二酸化炭素ガスを反応混合物に20〜25分間吹き込み、−78℃でさらに1時間撹拌した。次いで冷却よくを外し、反応混合物を0℃までゆっくりと温めた。テトラヒドロフランの大部分を真空下、室温にて除去した。クエン酸飽和溶液を添加することによって残留物をクエンチし、混合物のpHを7〜9付近に調節した。未反応シクロスポリンをエーテルで抽出した(40ml×2)。水性層のpHを、1N塩酸で3〜4に調節し、沈殿した油を酢酸エチル(100ml)で抽出した。水性層を酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、半固体生成物を得た(2.61g、収率:78%)[分子式:C631111114;正確な質量: 1245.83; MS (m/z): 1246.7 (M+1)+, 1268.7 (M+Na)+]。
【0357】
[α−カルボキシ−Sar]−3−シクロスポリンをSeebach D, et al., 1993, Helv Chim Acta, 76, 1564-1590によって記載されている手順にしたがって合成した。
【0358】
参考実施例2
[N−MeVal]−4−シクロスポリン(SDZ−220−384)の合成
[N−MeVal]−4−シクロスポリン(SDZ220−384)を、参考文献14として引用されるPapageorgiou C, et al., 1994, Bioorg & Med Chem Lett, 4, 267-272および3位と4位の間のその重要なシクロスポリンの開環:Su Z and Wenger R, Unpublished results; 参考文献11として引用されるPapageorgiou C, et al., 1994, J. Med. Chem., 37, 3674-3676およびその3位と4位の間のその重要なシクロスポリン開環:Su Z and Wenger R, Unpublished resultsで記載される手順にしたがって調製した。
【0359】
シクロスポリンA−酢酸塩
【0360】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
シクロスポリンA()(12.00g、19.98ミリモル)の無水酢酸(MW:102.09、d1.082、40ml)中溶液に、ピリジン(MW:79.01、d0.978、40ml)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(MW:122.17、0.40g)を添加した。この混合物を一晩室温で撹拌し、次いで混合物を600mlの酢酸エチルで希釈した。混合物を、塩水、塩化アンモニウム飽和溶液および15%の重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。次いでトルエンを混合物に添加することによってピリジンの全てを減圧下で共沸的に蒸発させて、淡黄色固体残留物を得、これを、酢酸エチル/ヘキサン(1/3)の溶離液を用いたシリカゲルカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、11.80g(9.48ミリモル、95%)のシクロスポリンA−酢酸塩()を得た。
【0361】
MeLeuValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−Ome
【0362】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
フルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(MW:147.91、2.96g、20ミリモル、2.50当量))のジクロロメタン(80ml)中懸濁液に、酢酸シクロスポリンA()(10.00g、8.00ミリモル)を添加した。懸濁液を18時間室温で撹拌し、次いでナトリウムメトキシド(9.90ミリモル)のメタノール(40ml)中溶液を添加した。混合物をさらに半時間撹拌した後、硫酸のメタノール中2N溶液(40ml)を添加した。混合物を15〜30分間室温で撹拌し、15%の重炭酸カリウム溶液で中和した。次いで混合物を700mlの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物を、メタノール/メチルt−ブチルエーテルの溶離液を用いたシリカカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、7.15g(5.60ミリモル、70%)の直線状ウンデカペプチドペプチド()を得た。
【0363】
フェニルチオ尿素−MeLeuValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−Ome
【0364】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
直線状ウンデカペプチドペプチド()(7.00g、5.50ミリモル)のテトラヒドロフラン(80ml)中溶液に、イソチオシアン酸フェニル(MW:135.19、d1.130、0.86ml、7.15ミリモル、1.30当量))を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、そして減圧下で蒸発させた。残留物を、アセトンのヘキサン中溶離液(1/5)を用いたシリカゲルカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、6.99g(4.95ミリモル、90%)の直線状フェニルチオ尿素ウンデカペプチド()を得た[正確な質量: 1410.89; MS m/z: 1433.88 (M+Na)+]。
【0365】
ValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−Ome
【0366】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
直線状フェニルチオ尿素ウンデカペプチド()(6.80g、4.82ミリモル)のトルエン(300ml)中溶液に、トリフルオロ酢酸(MW:114.02、d1.480、8.00ml)を室温で添加した。混合物を1.5〜2時間撹拌し、重炭酸ナトリウムの水中スラリーによってクエンチした。次いで混合物を分離し、水相を続いてトルエン(100ml)および酢酸エチル(100ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。アセトン/ヘキサン(3/1)の溶離液を用いたシリカカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製して、3.88g(3.37ミリモル、70%)の直線状デカペプチドペプチド()を得た[正確な質量: 1148.78; MS m/z: 1149.78 (M+1)+]。
【0367】
このEdman分解は、Edman P, et al, 1967, Eur. J. Biochem., 1, 80によって記載された類似した方法にしたがって実施した。
【0368】
BocMeValValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−Ome
【0369】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
直線状デカペプチドペプチド()(3.80g、3.30ミリモル)のジクロロメタン(150ml)中溶液に、Boc−MeVal()(MW:231.29、0.92g、3.96ミリモル、1.2当量))、1−プロパンホスホン酸環状無水物(MW:318.18、2.10ml、50重量%の酢酸エチル中溶液)およびトリエチルアミン(MW:101.19、d0.726、0.46ml、3.30ミリモル)を0℃で添加した。結果としての混合物を室温で5時間撹拌した。次いで混合物を塩水で洗浄した。水性層を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して残留物を得、アセトン/ヘキサン(1/2.5)の溶離液を用いたシリカカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによってこれを精製して、4.05g(2.97ミリモル、90%)の直線状Boc−N−MeVal−デカペプチドペプチド()を得た[正確な質量: 1361.91; MS m/z: 1384.91 (M+Na)+]。
【0370】
BocMeValValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−OH
【0371】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
直線状[Boc−N−MeVal]−4−デカペプチドペプチド()(4.00g、2.94ミリモル)のエチルアルコール(150ml)中溶液に0℃で0.5N水酸化ナトリウム溶液(7.1ml、1.20当量))を添加した。混合物を撹拌し、0℃で16時間保持した。次いで0.5N塩酸を添加することによって混合物のpHを3付近に調節した。溶媒の大部分を減圧下で蒸発させ、残留物を200mlの酢酸エチル中に溶解させた。混合物をpH3緩衝液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。メタノール/酢酸エチル(1/8)の溶離液を用いたシリカカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製して、2.55g(1.89ミリモル、64.3%)の遊離酸(8)を得た。
【0372】
MeValValMeLeuAlaDAlaMeLeuMeLeuMeValMeBmt(OAc)AbuSar−OH
【0373】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
遊離酸(8)(2.55g、1.89ミリモル)のジクロロメタン(25ml)中溶液に、5mlのトリフルオロ酢酸(MW:114.02、d1.480)を0℃でゆっくりと添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。次いで酢酸エチル(300ml)を添加し、溶媒を減圧下で除去した。さらなる酢酸エチル(300ml)を添加し、溶媒を減圧下で再度除去した。メタノール/アセトン(1/3)の溶離液を用いたシリカゲルカラム(100〜200メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって残留液を精製して、2.01g(1.61ミリモル、85%)の直線状[N−MeVal]−4−デカペプチドペプチド遊離酸()を得た[正確な質量: 1247.85; MS m/z: 1248.85 (M+1)+]。
【0374】
[N−MeVal]−4−シクロスポリン酢酸塩
【0375】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
直線状[N−MeVal]−4−デカペプチドペプチド遊離酸()(1.03g、0.83ミリモル)のジクロロメタン(250ml)中溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(MW:318.18、0.53ml、50重量%の酢酸エチル中溶液)、2,4,6−コリジン(MW:121.18、d0.917、0.11ml、0.83ミリモル))を0℃で添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。次いで混合物をシリカゲルの薄層に通し、そして40mlの酢酸エチルによって2回洗浄した。集められた有機溶液を減圧下で蒸発させた。残留物を、メタノール/アセトン(1/6)の溶離液を用いたシリカゲルカラム(230〜400メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィによって精製して、611mg(0.50ミリモル、60%)の(N−メチル−Val)−4−シクロスポリン酢酸塩(10)を得た[正確な質量: 1229.84; MS m/z: 1252.82 (M+Na) +]。
【0376】
[N−MeVal]−4−シクロスポリン
【0377】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
[N−MeVal]−4−シクロスポリン酢酸塩(10)(0.60g、0.49ミリモル)のメタノール(40ml)中溶液に、ナトリウムメトキシドのメタノール中溶液(0.5M、1.9ml、2.0当量))を添加した。混合物を0.5時間0℃にて、そして24時間室温にて撹拌した。0.5N塩酸を添加することによって混合物のpHを6付近に調節した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残留物を200mlの酢酸エチル中に溶解させた。有機溶液を水性重炭酸ナトリウムおよび塩水によって洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去した後、残留物を、アセトン/ヘキサン(1/2)の溶離液を用いたシリカゲルカラム(230〜400メッシュ)上フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、406mg(0.34ミリモル、70%)の[N−MeVal]−4−シクロスポリン(11)を得た[正確な質量: 1187.83;84; MS m/z: 1210.81 (M+Na]。
【0378】
参考実施例3
[N−MeIle]−4−シクロスポリン(NIM−811)を(N−MeVal)−4−シクロスポリン(SDZ220−384)の合成のために使用した手順にしたがって調製した。
【0379】
参考実施例4
側鎖中間体をUrquhart GG, 1994, Org Synth, Coll. Vol III, 363によって記載された手順にしたがって合成した。
【0380】
2−モルホリノエタンチオール
【0381】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
4−(2−クロロエチル)モルホリン(7.00g、37ミリモル)およびチオ尿素(2.90g、38ミリモル)の95%エタノール(55ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(3.40g、85ミリモル)の水(20ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。ベンゼン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて、3.80gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0382】
2−(N−ピペリジニル)エタンチオール
【0383】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
1−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩(7.00g、38ミリモル)およびチオ尿素(4.60g、61ミリモル)の95%エタノール(30ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(2.40g)の水(20ml)中溶液を添加した。混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと混合した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、3.20gの粗生成物を得、これをさらに精製することなく付加反応のために使用した。
【0384】
2−(N−ピロリジニル)エタンチオール
【0385】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
1−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩(7.0g、41ミリモル)およびチオ尿素(3.20g、40ミリモル)の95%エタノール(30ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(3.40g、85ミリモル)の水(20ml)中溶液を添加した。混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、3.80gの粗生成物を得、これをさらに精製することなく付加反応のために使用した。
【0386】
3−(N−ピロリジニル)プロパンチオール
【0387】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
1−ブロモロ−3−クロロプロパン(30.00g、191ミリモル)および炭酸カリウム(17.00g、123ミリモル)のジクロロメタン(160ml)中懸濁液に、ピロリジン(3.50g、49ミリモル)を数回に分けて添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。次いで混合物をろ過し、そして減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=95/5)によって精製して、6.00gの生成物を得た。
【0388】
1−(3−クロロプロピル)ピロリジン(3.4g、23ミリモル)およびチオ尿素(1.8g、23ミリモル)の95%エタノール(55ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(1.20g、30ミリモル)の水(10ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、1.80gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0389】
3−(N−ピペリジニル)プロパンチオール
【0390】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
1−(3−クロロプロピル)ピペリジン塩酸塩(7.50g、38ミリモル)およびチオ尿素(4.60g、61ミリモル)の95%エタノール(30ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(2.40g)の水(20ml)中溶液を添加した。混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと混合した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、3.50gの粗生成物を得、これをさらに精製することなく付加反応のために使用した。
【0391】
3−モルホリンプロパンチオール
【0392】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
1−ブロモロ−3−クロロプロパン(30.00g、191ミリモル)および炭酸カリウム(14.00g、101ミリモル)のジクロロメタン(160ml)中懸濁液に、モルホリン(4.00g、46ミリモル)を数回に分けて添加した。次いで混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をろ過し、そして減圧下で蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して、5.60gの生成物を得た。
【0393】
1−(3−クロロプロピル)モルホリン(4.20g、25.76ミリモル)およびチオ尿素(2.00g、26.27ミリモル)の95%エタノール(55ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(1.3g、32.50ミリモル)の水(10ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。ベンゼン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、2.20gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0394】
2−(4−メチル−N−ピペラジニル)エタンチオール
【0395】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
2−(4−メチルピペラジノ)エチルクロリド(8.00g、40ミリモル)およびチオ尿素(4.87g、64ミリモル)の95%エタノール(55ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(2.60g)の水(20ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。ベンゼン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発させて、3.0gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0396】
3−(4−メチル−N−ピペラジニル)プロパンチオール
【0397】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
3−(4−メチルピペラジノ)プロピルクロリド(8.5g、40ミリモル)およびチオ尿素(4.87g、64ミリモル)の95%エタノール(70ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(2.6g)の水(20ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと混合した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて2.5gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0398】
3−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)プロパンチオール
【0399】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
1−ブロモロ−3−クロロプロパン(11.00g、70ミリモル)および炭酸カリウム(13.00g、94ミリモル)のジクロロメタン(100ml)中懸濁液に、エチルイソプロピルアミン(4.10g、47ミリモル)を数回にわけて添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=95/5)によって精製して、6.10gの生成物を得た。
【0400】
3−クロロプロピルエチルイソプロピルアミン(4.20g、25.66ミリモル)およびチオ尿素(2.00g、26.32ミリモル)の95%エタノール(55ml)中混合物を24時間還流加熱した。水酸化ナトリウム(1.30g、32.50ミリモル)の水(10ml)中溶液を添加し、そして混合物をさらに3時間還流し続けた。室温まで冷却した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をベンゼンと混合した。ベンゼン層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、1.20gの粗生成物を得、これを付加反応のために使用した。
【0401】
実施例100
[(R)−3−(N,N−ジメチルアミノ)エチルチオ−Sar]−3−[(γ−ヒドロキシ)−NMeLeu]−4−シクロスポリン(SCY−635)およびシクロスポリン誘導体の安定性試験
シクロスポリン誘導体の安定性を、メタノール中65℃および50℃で評価し、そしてHPLCを使用して、これらの化合物の可能な異性化をモニターした。SCY−635は安定でなく、抗ウイルス活性が低いかまたはないことが予想される、その対応するエピマーに容易に変わる可能性があることが判明した。
【0402】
MeOH中65℃でのSCY−635*のエピマー化
【0403】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
*SCY−635は:Evans M, et al., 2003, Bioorg. Med. Chem. Lett., 4, 4415-4419; Carry J, et al., 2004, Synlett. 2, 316-320;または米国特許第5,994,299号(そのそれぞれは、参照することによって本明細書中に組み込まれる)によって記載されている方法にしたがって調製した。
【0404】
MeOH中65℃でのSCY−635のエピマー*のエピマー化
[この文献は図面を表示できません]
*安定性研究中に、SCY−635がそのエピマーに変わることが判明し、これは純粋な化合物として分離された。HPLC RT:14.60分(SCY−635)および:15.01分(そのエピマー)(C8逆相カラム、250mm、アセトニトリル/0.077%水中NHOAc、操作温度:64℃;検出器:210nm)。
【0405】
エピマーをMeOHで65℃にて処理した場合、それは部分的にSCY−635に変わることも判明した。平衡の終点で、この溶液は、約58%のSCY−635および約42%のエピマーを含んでいた。
【0406】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
異性化データに基づいて、本発明者等はSCY−635のエピマー化が以下のプロセスによって起こることを示唆する:
【0412】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
このように、シクロスポリンのサルコシンの3位の2個の炭素側鎖は不安定性の原因となる。なぜなら、それは6員環遷移状態を形成する可能性があり、そしてエピマー化を刺激する可能性があるからである。さらに、エピマー化は、ロイシンの4位のγ−ヒドロキシ基によって加速される。
【0414】
したがって、本発明者等は、良好なシクロフィリン結合活性を維持しつつ、増強された安定性を有する新規シクロスポリン誘導体を想定する。特に、本発明者等は、4位のロイシン上のγ−ヒドロキシ基のマスキング、炭素側鎖の伸長(例えば、3個以上の炭素)、および/または3位のアミン末端を嵩高い側鎖で置換することで、エピマー化を防止または最小限に抑えることができることを意外にも見出した。特に、メチレン置換基を3位上に導入する場合、それらのアナログは非常に安定であり、エピマー化を防止することができる。
【0415】
実施例101
シクロスポリン誘導体の抗HCV活性
シクロスポリン誘導体の抗HCV活性をHCVサブゲノムレプリコンアッセイで評価した。このアッセイは、細胞系ET(luc−ubi−neo/ET)を使用し、これはHCVレプリコンを安定なルシフェラーゼ(Luc)レポーターとともに有するHuh7ヒトヘパトーマ細胞系である。HCVレプリコン由来のルシフェラーゼ活性を定量化することによって、HCV RNA複製を評価した。シクロスポリンアナログの抗ウイルス活性を薬物治療後に評価して、ルシフェラーゼ終点を使用することによってEC50およびEC90値を求めた(Krieger, N., et al., 2001, J. Virol. 75, 4614-4624; Pietschmann, T., et al., 2002, J. Virol. 76, 4008-4021;そのそれぞれは参照によって本明細書中に組み込まれる)。細胞毒性を平衡して評価した。
【0416】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0419】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
実施例102
シクロスポリン誘導体の抗HIV活性
シクロスポリン誘導体の抗HIV活性を、CEM−SS細胞およびHIV−1IIIBまたはHIV−1RFのいずれかを用いた急性感染モデルでの細胞保護アッセイによって評価した。抗ウイルス活性を、化合物がウイルス複製を防止する場合にウイルスによって引き起こされる細胞変性効果の減少として測定した。6日のインキュベーション後にウイルス感染後の細胞生存率を計算するためにテトラゾリウム色素MTS(Promega)を用いて、細胞保護および化合物細胞毒性を評価した。(Zhou G., et al., 2011, J. Med. Chem. 27, 7220-31;これは参照することによって本明細書中に組み込まれる)。
【0421】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
実施例103〜705
抗ウイルス性シクロスポリン誘導体
以下の化合物は、本明細書中に記載するものと類似した方法にしたがって調製することができる。
【0423】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0425】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0427】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0428】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0431】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]