特許第6093330号(P6093330)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6093330LED照明装置、およびそれを利用した情報通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093330
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】LED照明装置、およびそれを利用した情報通信システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20170227BHJP
   A47F 11/06 20060101ALI20170227BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20170227BHJP
   F21S 9/03 20060101ALI20170227BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170227BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20170227BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170227BHJP
【FI】
   F21S9/02 200
   A47F11/06
   F21V23/00 117
   F21V23/00 113
   F21S9/03
   F21S2/00 630
   G06Q50/10
   F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-148371(P2014-148371)
(22)【出願日】2014年7月19日
(65)【公開番号】特開2016-24958(P2016-24958A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(72)【発明者】
【氏名】濱 井 重 吏
(72)【発明者】
【氏名】齋 藤 理 一
【審査官】 石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−016338(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/074849(WO,A1)
【文献】 特開2012−231440(JP,A)
【文献】 特開2013−200866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02−9/03
A47F 11/06
F21S 2/00
F21V 23/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED発光部、所定情報を移動体通信端末に無線出力可能なブルートゥース(登録商標。以下同様。)モジュール、および、打音検査用センサを有する電源制御部が設けられ、少なくとも1つの主電源を接続し、該主電源の電力供給を停止した場合に、該ブルートゥースモジュールに電力を供給可能とする補助電源設けられてなるものとしたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
LED発光部に、電源調節部を介し、照明用電力を供給可能な少なくとも1つの主電源接続され、該電源調節部に、LED発光部への電力供給を調節開閉制御可能であって、打音検査用センサを有する電源制御部接続されるようにし、該電源制御部は、該打音検査用センサの検出値情報を含む所定情報を移動体通信端末に無線出力可能なブルートゥースモジュール、および、主電源が開成する間に亘って閉成可能なブルートゥースモジュール用補助電源が設けられており、この主電源の開成によるLED発光部消灯中に、当該補助電源が、電源制御部およびブルートゥースモジュールに電力を供給可能なものとされたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項3】
LED発光部に、電源調節部を介し、照明用電力を供給可能とする少なくとも1つの主電源接続され、該電源調節部に、LED発光部への電力供給を調節開閉制御可能であって、打音検査用センサを有する電源制御部が接続されるようにし、該電源制御部は、当該打音検査用センサの検出値情報を含む所定情報を移動体通信端末との間に双方向通信可能なブルートゥースモジュール、および、主電源が開成する間に亘って閉成可能なブルートゥースモジュール用補助電源設けられており、この主電源の開成によるLED発光部消灯中に、当該補助電源がブルートゥースモジュールに電力を供給可能なものとされたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項4】
所定情報が、少なくともLED照明装置自らの位置情報(ID)、および打音検査用センサの検出値である、請求項1ないし3何れか一記載のLED照明装置。
【請求項5】
電源制御部は、光センサおよび温度センサ中、少なくとも何れか一つを、前記打音検査用センサに加えて有し、それら各センサの検出値情報を、ブルートゥースモジュールを通じて移動体通信端末に無線出力可能なものとされてなる、請求項1ないし4何れか一記載のLED照明装置。
【請求項6】
トンネル内適所に、請求項1ないし5何れか一記載のLED照明装置少なくとも1基設置され、各LED照明装置外の遠隔適所に在り、各LED照明装置の夫々の所定情報に関連する情報を個別提供可能としたサーバー、当該トンネル内にて所定情報を受信した移動体通信端末に通信可能とするネットワーク環境に接続されてなる、請求項1ないし5何れか一記載のLED照明装置を利用した情報通信システム。
【請求項7】
サーバーが、各移動体通信端末に提供するLED照明装置夫々の所定情報に関連する情報を、各LED照明装置の位置情報(ID)に基づくエリア関連情報とされるようにしてなる、請求項6記載の情報通信システム。
【請求項8】
所定情報が、各LED照明装置の位置情報(ID)、および各LED照明装置のセンサ検出値情報である、請求項6または7何れか一記載の情報通信システム。
【請求項9】
請求項1ないし5何れか一記載のLED照明装置複数基設置されるようにし、それら複数基のLED照明装置と移動体通信端末との間の通信を可能とし、移動体通信端末の詳細位置の特定を可能とした、請求項6ないし8何れか一記載の情報通信システム。
【請求項10】
請求項1ないし5何れか一記載のLED照明装置、エリア内に少なくとも3基以上設置されるようにし、それら3基以上のLED照明装置と移動体通信端末との間の通信を可能とし、移動体通信端末の詳細位置の特定を可能とした、請求項6ないし9何れか一記載の情報通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED照明技術に関連するものであり、特に、近距離無線通信機能を有するLED照明装置、およびそれを利用した情報通信システムに使用する機器類を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立て、設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
スマートフォンやタブレット型端末などといった移動体通信端末の普及に伴って、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標。 以下、「ブルートゥース」、「Bluetooth」の表記、およびそれを含む名称における「ブルートゥース」、「Bluetooth」の表記部分は、全て登録商標である。)、BLE( Bluetooth Low Energy )などを使った、O2O( Online to Offline )マーケティングシステムが広く開発されてきており、大型店舗内に設置してあるiBeacon(登録商標)からのブルートゥース信号を、移動体通信端末に受信し、その受信信号に基づき、所定のサーバーに保存されている情報を、無線通信網を介して同移動体通信端末に取得し、例えば、店頭陳列商品情報やクーポン( coupon )の発行など様々な顧客サービスを展開可能な技術が開発済みとなっており、今後益々、様々な施設への設置、利用が見込まれている。
【0003】
(従来の技術)
本願発明は、これまで、下記の特許文献1(1)に示すような、トンネル照明用LED灯具に可視光通信機能を組み込み、LED照明の出力電流や電圧、照度センサの出力などの情報を内蔵したマイコンでモニタリングし、可視光通信によって照明光に重調した情報をトンネル内を走行するメンテナンス車両に搭載した可視光通信ユニットで送受信し、得られた情報を車載器又は電子媒体に記録し、保守用PCにてソフト処理した後、メンテナンス情報として取り出し可能としたトンネル照明の予防保安システムや、同特許文献1(2)のように、トンネル内壁面に対し、可視光通信モジュール搭載のトンネル用照明灯具群を車両走行方向に沿って設置し、トンネル内を走行可能なデータ収集車両に、可視光通信モジュールからのメンテナンス情報を受信可能な受信機器を搭載し、当該データ収集車両がトンネル内を走行通過する過程で、各LEDモジュールの各種メンテナンス情報を取得可能とし、同各種メンテナンス情報に基づき各LEDモジュールの個別の保守・管理を可能なものとしてなるトンネル用照明灯具群のメンテナンスシステムなどを開発済みである。
【0004】
しかし、特許文献1(1)や特許文献1(2)に示されている可視光通信やZigBee(ジグビー)等の無線通信を組込んだトンネルLED照明技術は、これまで、トンネル内LED照明のメンテナンスなど、業務用のものとして専用のパソコンによる受信だけが可能なものであり、こうした技術を一般の商業施設などに利用しようとする場合には、例えば、スマートフォンやタブレット型端末などの移動体通信端末側イヤフォン端子に取り付ける受光ユニットを準備する必要が有って、広く一般に普及させるためには、受光ユニットの小型・軽量化や低コスト化が不可欠なものであり、一般的な外灯用LED照明は、日中の明るい時間帯に消灯するため、その間は、通信用電源の供給もストップしてしまうものとなり、また、iBeacon(登録商標)技術は、ボタン電池の寿命による定期交換(約1年)が不可欠なことから、管理態勢を徹底しなければ、電池切れによる機能停止を避けることが難しいという致命的な欠点を有するものであった。
【特許文献1】(1)特許第4526095号公報 (2)特許第5474757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述に見るとおり、従前までに提案のある各種無線通信を組み込んだトンネル用LED照明技術は、何れも専用パソコンを搭載した車両を準備した上で情報通信に臨む必要があり、一般に広く普及しているスマートフォンやタブレット型端末などを対象とする、O2O( Online to Offline )マーケティングシステムなど、今後一層、利用の拡大が見込まれる市場への参入が困難であり、これまで永年に亘って照明機器の開発、提供に携わり、既に自らにおいて各種LED照明灯具の試作および実験を繰り返し、実用に結びつけてきている中、その過程で得られた様々な知見、および実験データからの情報などに基づき、照明機能上は勿論のこと、LED照明の点灯や消灯に係わらず、常時通信状態を維持可能とし、しかも一般に広く普及しているスマートフォンやタブレット型端末など、各種移動体通信端末との近距離無線通信を容易且つ低コストにて行えるよう新たな通信技術を組み込み、今後の多様な分野への市場拡大に一層柔軟に対応できる新規なLED照明装置の開発の可能性を痛感するに至ったものである。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、LED照明の点灯や消灯に係わらず、常時通信状態を維持可能とし、しかも一般に広く普及しているスマートフォンやタブレット型端末など、各種移動体通信端末との近距離無線通信を容易且つ低コストにて行えるよう新たな通信技術を組み込み、今後の多様な分野への市場拡大に、より柔軟に対応できる、新たなLED照明技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のLED照明装置、およびそれを利用した新規な構造の情報通信システムを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこのL発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のLED照明装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、LED発光部、所定情報を移動体通信端末に無線出力可能なブルートゥースモジュール、および、打音検査用センサを有する電源制御部が設けられ、少なくとも1つの主電源を接続し、該主電源の電力供給を停止した場合に、該ブルートゥースモジュールに電力を供給可能とする補助電源設けられてなるものとした構成を要旨とするLED照明装置である。
【0008】
この基本的な構成からなるLED照明装置は、その表現を変えて示すならば、LED発光部に、電源調節部を介し、照明用電力を供給可能な少なくとも1つの主電源接続され、該電源調節部に、LED発光部への電力供給を調節開閉制御可能であって、打音検査用センサを有する電源制御部接続されるようにし、該電源制御部は、該打音検査用センサの検出値情報を含む所定情報を移動体通信端末に無線出力可能なブルートゥースモジュール、および、主電源が開成する間に亘って閉成可能なブルートゥースモジュール用補助電源が設けられており、この主電源の開成によるLED発光部消灯中に、当該補助電源が、電源制御部およびブルートゥースモジュールに電力を供給可能なものとされた構成からなるLED照明装置となる。
【0009】
より具体的には、LED発光部に、電源調節部を介し、照明用電力を供給可能とする少なくとも1つの主電源接続され、該電源調節部に、LED発光部への電力供給を調節開閉制御可能であって、打音検査用センサを有する電源制御部が接続されるようにし、該電源制御部は、当該打音検査用センサの検出値情報を含む所定情報を移動体通信端末との間に双方向通信可能なブルートゥースモジュール、および、主電源が開成する間に亘って閉成可能なブルートゥースモジュール用補助電源設けられており、この主電源の開成によるLED発光部消灯中に、当該補助電源がブルートゥースモジュールに電力を供給可能なものとされた構成からなるLED照明装置となる。
【0010】
(関連する発明)
上記したLED照明装置に関連し、この発明には、それを利用した情報通信システムも包含している。
即ち、トンネル内適所に、請求項1ないし5何れか一記載のLED照明装置少なくとも1基設置され、各LED照明装置外の遠隔適所に在り、各LED照明装置の夫々の所定情報に関連する情報を個別提供可能としたサーバー、当該トンネル内にて所定情報を受信した移動体通信端末に通信可能とするネットワーク環境に接続されてなる、この発明の基本をなすLED照明装置を利用した情報通信システムである。
【発明の効果】
【0011】
以上のとおり、この発明のLED照明装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、接近した移動体通信端末に、所定情報を無線出力可能とするから、該所定情報を受信した移動体通信端末は、該所定情報を同移動体通信端末のアプリケーションソフト上で利用することが可能であり、さらに、ネットワーク環境に接続したサーバーから、該所定情報に関連する情報を即座に取得し、簡便に利用できるものとなり、当該LED照明装置を設置するだけで、O2O(Online to Offline)マーケティングシステムを経済的に構築することができ、しかも節電や安全管理を目的に、主電源を開成・消灯制御した場合でも、補助電源が電力を供給し、ブルートゥースモジュールを常時可動させ、通信を維持することができ、時間や照明条件などに拘わらず、利用者の移動体通信端末への情報供給を安定して行うことができるという優れた特徴が得られるものである。
【0012】
加えて、この発明のLED照明装置が、ブルートゥースモジュールを介して、接近した移動体通信端末との間に双方向通信可能なものとすることにより、所定情報として、LED照明装置の位置情報(ID)などの無線出力に留まらず、移動体通信端末からの信号を受信し、適宜演算処理し、新たな情報提供を可能とすることができ、例えば、移動体通信端末の位置情報を得たり、LED照明装置と移動体通信端末との距離情報を得たりすることが可能となり、さらに、それらの情報に関連する様々な、外部情報へのアクセスを可能にするものとなり、より多彩な情報サービスを提供可能なものとすることができる。
【0013】
電源制御部にセンサを有するものは、そのセンサの検出値に基づき、LED発光部の電源制御を行うことができる上、同センサの検出値に基づく情報を、接近した移動体通信端末に送信することができ、例えば光センサを有するものは、周辺の暗さや明るさに応じてLED発光部への電力供給を適宜調節し、さらに、光センサの出力値を受信した移動体通信端末が、ネットワーク環境を介し、LED照明装置近傍の、ブラインドやシャッターの自動開閉装置を制御するコンピューターに自動的にアクセスし、ブラインドやシャッターを自動的に開度調節・開閉し、室内をより経済的に快適な明るさに保つよう、LED照明装置と連携的に制御可能なものとすることができ、また、電源制御部に、温度センサを有するものは、周辺の温度に応じてLED発光部への電力供給を適宜調節し、さらに、温度センサの出力値を受信した移動体通信端末が、ネットワーク環境を介し、LED照明装置近傍の、空気調和機を制御するコンピューターに自動的にアクセスし、温度調節し、室内をより経済的に快適な気温に保ち、LED発光部を延命化可能なものとすることができる。
【0014】
主電源が、商用電源に加え、化石燃料利用の発電機、または太陽エネルギー、風力、バイオマス、水力、地熱、地中熱、雪氷熱、温度差熱などの再生可能エネルギー利用の発電機の少なくとも何れか1種からの非商用電源の複数系統を有するものは、商用電源の電力消費量を抑え、より経済的な照明を実現化し、一段と自然環境に優しく、しかも災害時など商用電源が途絶えた場合にも、照明および通信を維持することができる。
【0015】
補助電源が、閉成中の主電源からの電力を充電可能としたものは、補助電源の交換頻度を大幅に低減し、長期間に亘ってメンテナンスの必要がなく、しかもブルートゥースモジュールは、極低電力で通信可能なものとすることができるから、より経済的に稼働することができるという秀れた効果が得られる。
【0016】
この発明の情報通信システムによれば、LED照明装置を消灯した場合にも、ブルートゥースモジュールを稼働させることができるから、LED照明装置近傍に接近した移動体通信端末は、LED照明装置の点灯・消灯の何れの状態にあっても、常時、所定情報を受信することができるという、安定性を達成することができ、利用者に信頼感と安心感とを与えることができ、災害時や停電時にも有効に利用することができるという秀でた特徴が得られる。
【0017】
複数の車両を駐車可能な駐車場エリアに、LED照明装置を設置した情報通信システムは、駐車時に移動体通信端末に駐車位置を登録することによって、広大且つ複雑な駐車場に自分の車両を見失った場合でも、迷うことなく円滑に辿り着くことができるものとなり、特に、高速道路のサービスエリア内や、パーキングエリア内などにLED照明装置を設置した情報通信システムは、サービスエリアや、パーキングエリアの施設情報、交通渋滞情報、各種避難情報、土産物の販売情報、レストランのクーポン発行など、様々な外部情報に一段と簡単にアクセスできるものとすることができる。
【0018】
トンネル内適所にLED照明装置を設置した情報通信システムは、トンネルの管理者が保守点検を行う場合に、各LED照明装置の点灯、消灯に拘わらず、メンテナンス情報を移動体通信端末に受信することが可能となり、トンネル内の事故情報を正確且つ迅速に通報し、その通報情報を保存することができる上、トンネル壁面の打音検査機と、移動体通信端末とを連携し、検査結果およびその位置情報を移動体通信端末に保存し、トンネルの保守点検を格段に迅速且つ正確に行えるものとすることができ、また、小型化した打音検査用センサを内蔵したLED照明装置の複数を、トンネル内壁面の全体に分散配置するよう設置し、各LED照明装置が、メンテナンス情報と、打音検査用センサの検出値とを収集し、移動体通信端末に送信可能なものとすることが可能であり、加えて、トンネルを通行する利用者は、トンネル内の交通渋滞、事故、自然災害などに遭遇した場合に、移動体通信端末を介して、速やかに現在位置情報、交通渋滞情報、避難誘導情報などの様々な情報を受信し、より安全に避難・回避行動をとることができるようになる。
【0019】
オフィス内適所に、LED照明装置を設置した情報通信システムは、移動体通信端末を介して、直近の空調設備やブラインド・シャッターなどの自動設備を遠隔操作できるものとすることが可能であり、さらに、LED照明装置に各種センサを設けたものの場合には、移動体通信端末を介して、空調設備やブラインド・シャッターなどの設備を、自動的に調節、オン・オフ操作するよう制御可能なものとし、快適な室内環境をより経済的に実現化することができ、また、LED照明装置を直管蛍光灯型や電球型のものなど、既存の照明設備に、交換組み込み可能な形態のものとすることにより、一段と経済的に、より広く普及するものとなる。
【0020】
劇場内およびホール内の何れか一方適所に、LED照明装置を設置した情報通信システムは、移動体通信端末に、無線LAN( Local Area Network )などを介して、演目やプログラム情報、出演者情報、座席案内情報などの外、アーチストが座席の近くに移動する情報を事前に配信するサービスなどを提供することができる。
【0021】
スポーツ施設内適所に、LED照明装置を設置した情報通信システムは、移動体通信端末に、クラブ情報、プログラム情報、選手情報、座席案内情報などの各種情報を提供可能な外、LED照明装置に赤外線カメラを組合せて、競技エリアの芝生の管理に利用することができる。
【0022】
展覧および観覧施設内の何れか一方適所に、LED照明装置を設置した情報通信システムは、展示品切り換え時の案内情報を効率的に製作することができ、来場者の移動体通信端末に、速やかに提供することが可能となり、イヤホンガイド(登録商標)などのような専用機器類の準備が不用となり、準備作業を省力化し、より経済的な利用を実現化できる。
【0023】
商用施設内適所に、LED照明装置を設置した情報通信システムは、陳列商品の切り換え時の案内情報を効率的に製作することができ、来店者の移動体通信端末に、速やかに提供することが可能となり、無線LANの接続情報と併せて来店者の流れなどビッグデータの取得に活用できるなど、様々な利用が可能になるという大きな効果を奏することになる。
【0024】
LED照明装置を、エリア内に複数基設置し、それら複数基のLED照明装置と移動体通信端末との間の通信を可能とした情報通信システムは、1基のLED照明装置からの距離情報を得るだけでなく、それら複数基のLED照明装置からの距離情報を得ることができるから、移動体通信端末の、より詳細な位置情報を得ることが可能となり、同エリア内に少なくとも3基以上のLED照明装置を設置したものとすることにより、一段と正確な位置情報を得ることができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この発明のLED照明装置は、LED素子を発光させて照明に利用可能とするものであり、1個または複数個のLED素子を組み込んだもの、電球型のもの、直管タイプのもの、曲線管状のもの、パネル状のものなど様々な形状のものとすることができ、また、照明灯具筐体などの照明用外装内に組み込む照明ユニット、照明灯具筐体などの照明用外装を含む照明用の装置類、支柱類に設けるもの、建築物や乗り物の天井、床、壁面、その他の設備などに貼設または埋設するなど安全に設置可能な形態としたものなど、あらゆる外観、形状を呈するものとすることが可能である。
【0026】
LED発光部は、電源制御部が制御する電源調節部を通じ、主電源が供給する電力を受けて発光し、照明可能とする機能を担い、1個のLED素子、または直列接続、並列接続、またはそれらの組合せの何れかとした複数個のLED素子、からなるものの何れか一方とすることができ、表現を変えて示すならば、使用する発光ダイオードは、マルチチップLEDか、またはシングルチップLEDかの何れか一方からなるものとすることが可能である。
【0027】
主電源は、LED照明装置の照明を可能とし、ブルートゥースモジュールの通信を可能とするよう電力供給する機能を担っており、LED照明装置の照明時間帯に亘り、照明に必要な電力を安定供給可能なものとしなければならず、補助電源が充電型バッテリーの場合には、補助電源を充電できる電圧を印加可能なものとすべきであり、商用電源に加えて、化石燃料利用の発電機、または太陽エネルギー、風力、バイオマス、水力、地熱、地中熱、雪氷熱、温度差熱などといった再生可能エネルギー利用の発電機の少なくとも何れか1種からの非商用電源の複数系統を有するものとするのが望ましい。
【0028】
そして、補助電源は、LED照明装置が消灯し、主電源の供給が停止した場合に、ブルートゥースモジュールの通信を可能とする電力を供給し、常時通信可能な状態を維持可能とする機能を担い、乾電池、バッテリーなどとすることができ、後述する実施例に置いても取り上げてあるように、主電源の閉成中に充電可能な充電型バッテリーとするのが望ましい。
【0029】
電源制御部は、電源調節部を制御し、主電源および補助電源からの電力供給を調節開閉制御し、LED発光部の発光制御、およびブルートゥースモジュールへの常時電力供給の確保を可能にする機能を担っていて、所定のプログラムに沿って各LED発光部への電力供給を適宜制御可能なものとすべきであり、ブルートゥースモジュールを介して受信した制御情報に基づき、各LED発光部への電力供給を適宜制御可能なものとすることができ、また、光センサや温度センサなどの各種センサ類を接続し、それら各種センサ類の検出値信号を受信し、それらに基づき各LED発光部への電力供給を適宜制御可能なものとし、さらに、それらの検出値情報を、位置情報(ID)と共にブルートゥースモジュールを介して移動体通信端末に送信可能なものとし、さらにまた、打音検査用センサを接続し、その打音検査値情報を、位置情報(ID)と共にブルートゥースモジュールを介し、移動体通信端末に送信可能なものとすることができる外、赤外線カメラを接続し、その撮像情報を、位置情報(ID)と共にブルートゥースモジュールを介し、移動体通信端末に送信可能なものとすることが可能である。
【0030】
ブルートゥースモジュールは、近距離無線通信( Bluetooth:登録商標 )を可能とする機能を担っており、主電源および補助電源からの電力供給によって常時、通信可能なものとしなければならず、微弱な電力の供給によって安定動作可能なものとすべきであり、例えば、Bluetooth LE( Bluetooth Low Energy )などの拡張仕様のものとすることが可能であって、微弱無線、特定省電力無線、ZigBee(ジグビー)、UWB( Ultra Wide Band )などの通信が可能な通信用モジュールを追加・併設または置き換えることが可能である。
【0031】
所定情報は、当該LED照明装置に関連する位置情報やID情報、および、位置情報やID情報に関連づけた各種情報であると言うことができ、位置情報は、当該LED照明装置自体の位置情報、当該LED照明装置周辺に近づいた移動体通信端末の位置情報、当該LED照明装置から、同LED照明装置周辺に近づいた移動体通信端末までの距離情報などとすることができ、位置情報に関連する各種情報は、例えば、当該LED照明装置自体のメンテナンス情報、照明制御・動作情報、各種センサ検出値情報、センサに基づく周辺気象情報、室内環境情報、各種検査値情報、各種観測値情報、小型赤外線カメラなどによる撮像情報、ネットワーク環境より得られる当該LED照明装置の設置エリアに関連する各種エリア情報、気象情報、防災情報、避難情報、物品情報(陳列商品、展示品などの説明情報)サービス情報、クーポン発行、無線LAN接続情報などの他、屋内外における現在または時間毎の移動体通信端末位置情報、複雑・広大なパーキングエリア内などの入庫時における車両駐車位置情報など、様々な関連情報を提供可能なものとすることができる。
【0032】
移動体通信端末は、携帯移動可能であって、当該LED照明装置との近距離無線通信(Bluetooth:登録商標)が可能となり、取得した情報を様々な形に出力可能とする機能を担い、必要に応じて各種アプリケーションをインストール可能なパソコン機能を有するものとすべきであり、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを有するものとするのが良く、携帯電話機能、各種インターネット接続機能などを有するものとするのが望ましく、より具体的には、現在既に広く普及しているブルートゥースモジュールを搭載したスマートフォンやタブレット型端末などといった携帯型端末とすることができ、さらに、微弱無線、特定省電力無線、ZigBee(ジグビー)、UWB( Ultra Wide Band )などの通信が可能な、その他の通信用モジュールを追加、またはブルートゥースモジュールに置き換えたものとすることが可能である。
【0033】
情報通信システムの移動体通信端末が、自由に行き交うエリアは、移動体通信端末を携帯した人や、搭載した物品、乗り物などが行き交い、一時的に留まるような空間内や敷地内、建物内などであり、表現を変えると、移動体通信端末が自由に行き交う不動産内、動産内ということができ、例えば、トンネル内、高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、自走式立体駐車場、オフィス内、展覧施設内、観覧施設内、商用施設内、船舶内、車両内、列車内などとすることが可能である。
【0034】
情報通信システムのエリア内に設置する、この発明のLED照明装置は、少なくとも1基設置しなければならず、さらに、複数基設置し、それら複数基のLED照明装置と移動体通信端末との間の通信を可能とし、移動体通信端末の詳細位置の特定を可能としたものとすることが可能であり、より正確な位置情報を得ようとする場合には、後述する実施例に示すように、少なくとも3基以上を設置したものとするのが望ましい。
【0035】
情報通信システムのサーバーは、当該LED照明装置から所定情報を取得した移動体通信端末が、ネットワーク環境を介して接続し、情報通信を行う対象になるという機能を担い、各LED照明装置が出力する所定情報に関連するコンテンツなどの様々な情報を通信可能に蓄積し、および、各LED照明装置が出力する所定情報に関連する情報に繋がるURL( Uniform Resource Locator )情報やキーワード検索情報を演算処理または蓄積可能とするなどし、移動体通信端末に、各種情報を送信可能なものとすべきであり、利便性やメンテナンス作業性などを考慮した上で、各LED照明装置外の遠隔適所に設置し、ネットワーク環境である、例えばインターネットに接続し、または、パブリッククラウドおよびプライベートクラウドの少なくとも何れか一方に接続し得るようにしたものとするのが望ましい。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面は、この発明のLED照明装置、およびそれを利用した情報通信システムの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
図1】情報通信システムを示す概念図である。
図2】高速道路のサービスエリアに複数設置したLED照明装置を示す斜視図である。
図3】トンネル内に複数設置したLED照明装置を示す斜視図である。
【実施例1】
【0037】
図1に示す事例は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュール6および補助電源4を内蔵し、照明の点灯・消灯に係わらず、微弱電波による所定情報を送信できるLED照明装置1を、移動体通信端末8が、自由に行き交うエリア7内に設置し、各LED照明装置1外の遠隔適所に在って、各LED照明装置1の夫々の所定情報に関連する情報を個別提供可能としたサーバー71をネットワーク環境70に接続し、当該エリア7内にて所定情報を受信した移動体通信端末8が、該サーバー71と情報通信可能なものとした、この発明のLED照明装置を利用した情報通信システムにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0038】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のLED照明装置1は、複数個のLED素子を有するLED発光部2に、電源調節部50を介して、商用電源30、および非商用電源31であるソーラーパネル31からの電力の2系統からなる主電源3を接続し、該電源調節部50に、LED発光部2への電力供給を調節開閉制御可能な電源制御部( PMIC:Power management integrated circuit )5を接続し、該電源制御部5は、所定情報である位置情報( ID:identification )を、スマートフォン、タブレット型端末などの移動体通信端末8との間に双方向通信可能なブルートゥースモジュール6、および、主電源3が開成する間に亘り、閉成可能なブルートゥースモジュール6用の補助電源4としての充電型バッテリー4を設けたものである。
【0039】
この発明のLED照明装置1を利用してなる情報通信システムは、ブルートゥースモジュール6搭載の移動体通信端末8が、自由に行き交うエリア7内適所に、当該LED照明装置1を互いの無線通・信到達範囲内に3基以上配するよう、複数基が略均衡配置となるよう設置し、該LED照明装置1外の遠隔適所に在って、該LED照明装置1が発信する位置情報(ID)に関連するコンテンツ情報72を個別提供可能としたサーバー71を、当該エリア7内にて該位置情報(ID)を受信した移動体通信端末8が、インターネットを介して通信可能なパブリッククラウドおよびプライベートクラウド70の少なくとも何れか一方に接続してなるものである。
【0040】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる、この発明のLED照明装置1を利用した情報通信システムは、図1に示すように、当該エリア7内にて、LED照明装置1が発信する位置情報(ID)を受信したスマートフォン、タブレット型端末などの移動体通信端末8が、その位置情報(ID)に基づき、パブリッククラウドおよびプライベートクラウド70の少なくとも何れか一方に接続し、サーバー71に蓄積してある該位置情報(ID)に関連するコンテンツ情報72にアクセスすることが可能となり、多様な情報を自動的に提供することができる。
【0041】
例えば、直近の3基以上のLED照明装置1,1,……と通信を行った移動体通信端末8が、予め取得した位置特定用のアプリケーションを利用することにより、各LED照明装置1,1,……が発する電波の強度差から、三角測量的に位置を特定し、格段に正確且つ詳細な位置情報を取得可能となる。
【0042】
加えて、電源制御部5が、制御プログラムに従って電源調節部50を操作し、主電源3を開成し、LED発光部2を消灯した場合には、同電源制御部5が、充電型バッテリー(補助電源)4を閉成し、ブルートゥースモジュール6に電力を供給可能とし、LED発光部2消灯中を含む常時には、ブルートゥースモジュール6が通信機能を維持するものとなり、利用時間の制限をなくすることができ、さらに、充電型バッテリー4は、電源制御部5が、制御プログラムに従い電源調節部50を操作し、主電源3を閉成し、LED発光部2を点灯しているときに、主電源3から充電するから、バッテリー交換作業を大幅に削減することができる。
【実施例2】
【0043】
図2に示してある事例は、高速道路のサービスエリア7内の複数適所に、LED照明装置1,1,……を設置し、各LED照明装置1,1,……から遠隔地となる建築物の一室内にサーバー(図1中に示す71)を設け、該サーバー(71)は、各LED照明装置1,1,……の位置情報(ID)に関連する地図情報、交通渋滞情報、観光情報、お土産情報、サービスエリア情報、レストランのクーポン発行の外、駐車位置を登録すると車両位置の案内情報を提供するコンテンツを提供可能なものとして、当該サービスエリア7内にて位置情報(ID)を受信した移動体通信端末(図1中に示す8)が、通信可能なネットワーク環境であるインターネット上のパブリッククラウドおよびプライベートクラウド(図1中に示す70)の少なくとも何れか一方に接続してなる、この発明のLED照明装置1を利用した情報通信システムである。
【0044】
(実施例2の作用・効果)
高速道路のサービスエリア7に、この発明のLED照明装置1を利用した情報通信システムを設置すると、遠方から訪れた人々が、当該サービスエリア7内に車両を停車させるだけで、手元の移動体通信端末(8)に停車位置の地図情報、行き先の交通渋滞情報、観光情報、お土産情報、サービスエリア情報、レストランのクーポン発行の外、駐車位置を登録しておけば、広い駐車場の何処に自分の車両を停車させたか簡単に知ることができて、特に旅先などでの利便性を格段に高めるものとなる。
【実施例3】
【0045】
図3に示してある事例は、トンネル7内壁面に沿って、複数台のLED照明装置1,1,……設置し、該トンネル7外の遠隔地に建造した建築物内の一室にサーバー(図1中に示す71)を設け、該サーバー(71)は、各LED照明装置1,1,……の位置情報(ID)に関連する地図情報、事故・災害時の避難誘導情報などを蓄積し、当該トンネル7内にて位置情報(ID)を受信した移動体通信端末(図1中に示す8)が、通信可能なネットワーク環境であるインターネット上のパブリッククラウドおよびプライベートクラウド(図1中に示す70)の少なくとも何れか一方に接続してなるようにした、この発明のLED照明装置1を利用した情報通信システムである。
【0046】
加えて、小型化した図示しない打音検査用センサを電源制御部5に接続したLED照明装置1,1,……の複数を、トンネル7内壁面の全体に分散配置するよう設置し、各LED照明装置1,1,……が、各々のLED発光部2メンテナンス情報と、打音検査用センサの検出値とを収集し、位置情報(ID)と共に、移動体通信端末に送信可能なものとすることが可能である。
【0047】
(実施例3の作用・効果)
トンネル7内を走行中の車両が交通事故や自然災害などに遭遇し、徒歩による避難を余儀無くされた場合などに、移動体通信端末(8)を利用し、LED照明装置1の位置情報(ID)を受信し、その位置情報(ID)に基づき、インターネット上のパブリッククラウドおよびプライベートクラウド(70)、および、当該サーバー(71)にアクセスし、現在地点の地図情報および事故・災害時の避難誘導情報などを速やかに取得し、より安全に避難することが可能となり、避難移動中にも、接近したLED照明装置1からの位置情報(ID)を受信し、現在位置を正確に把握することが可能である。
【0048】
また、トンネル7内壁の打音検査を行う際に、トンネル7壁面の打音検査機と、移動体通信端末8とを連携し、打音検査機の検査結果を、各LED照明装置1,1,……の位置情報(ID)と共に、移動体通信端末8に保存し、トンネル7の保守点検を格段に迅速且つ正確に行えるものとすることができ、さらに、小型化した図示しない打音検査用センサを電源制御部5に接続したLED照明装置1,1,……を採用することにより、従前まで、大型の打音検査機を導入するなど、トンネル7内の一車線を長時間塞ぐかたちで打音検査を行わなければならなかったが、打音検査機の導入を不要とし、打音検査の作業効率を大幅に高め、所要時間を大幅に短縮することができるものとなる。
【0049】
(結 び)
叙述した如く、この発明のLED照明装置、およびそれを利用した情報通信システムは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのLED照明技術に比較し、照明装置としての信頼性は勿論のこと、点灯中および消灯中にも常時情報通信可能なものとし、利便性を大幅に高めた上、消費電力を格段に抑えて、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる、メンテナンス作業性を大幅に改善し得るものとなることから、照明の電力消費量を削減することができ、今後、さらに発展して行く移動体通信端末の近距離無線通信技術を利用したO2O( Online to Offline )マーケティングを、より有効なものとして行きたいと考える通信機器業界、および、そうした通信技術を搭載した照明装置を広く提供したい照明機器業界はもとより、そうした照明装置を経済的に設置したいと希望する、道路、トンネル、ビル、駐車場、スポーツ施設、商業施設、美術館、博物館などの管理者および管理業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0050】
1 LED照明装置
2 LED発光部
3 主電源
30 同 照明用電力(商用電源)
31 同 ソーラーパネル(非商用電源)
4 充電型バッテリー(ブルートゥースモジュール用補助電源)
5 電源制御部
50 同 電源調節部
6 ブルートゥースモジュール
7 移動体通信端末が自由に行き交うエリア
70 同 ネットワーク環境
71 同 サーバー
72 同 コンテンツ情報
8 スマートフォン、タブレット型端末(移動体通信端末)
P 利用者
図1
図2
図3