(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093337
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】光源モジュール、および、それを利用したトンネル用照明灯具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20170227BHJP
F21V 29/74 20150101ALI20170227BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20170227BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20170227BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20170227BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20170227BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20170227BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20170227BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20170227BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170227BHJP
【FI】
F21V19/00 450
F21V29/74
F21V29/503
F21S2/00 630
F21V31/00 100
F21V23/00 120
F21V23/00 140
F21V29/70
F21V15/01 510
F21V17/00 200
F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-211268(P2014-211268)
(22)【出願日】2014年10月15日
(65)【公開番号】特開2016-81689(P2016-81689A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2015年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(72)【発明者】
【氏名】齋 藤 理 一
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−107205(JP,A)
【文献】
特開2013−182692(JP,A)
【文献】
特開2014−110153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21V 15/01
F21V 17/00
F21V 23/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21V 29/74
F21V 31/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
COBチップ基板を搭載可能とする搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を規制する一対の規制溝壁、および、搭載チップ基板のスライド可能方向両側縁外がわに夫々設けた被着部を有するマウントベースが設けられ、該マウントベース搭載平面壁に対して、チップ基板表面壁にLED素子および一対の電源接続点が露出するよう実装されたCOBが搭載された上、当該マウントベース各被着部に対して、固着部、枠壁、抑爪およびカバー翼を有する一対のCOBホルダが組み込まれてなり、各枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、各抑爪が同搭載チップ基板表面壁を、マウントベースとの間に挟み込むよう固定し、各カバー翼が搭載チップ基板の電源接続点を絶縁状態に覆うよう組み込まれ、当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとしたことを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
高熱伝導率素材製であって、COB矩形チップ基板裏面壁との間に、放熱グリスを介在し、搭載する搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能な直線溝壁状に対峙し、位置規制する一対の規制溝壁、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々COBホルダ用被着部を有するマウントベースが設けられ、該マウントベース搭載平面壁に対して、矩形チップ基板表面壁中央にLED素子、同表面壁対角寄りに一対の電源接続点を夫々配するよう実装されたCOBが搭載した上、固着部、枠壁、抑爪、回転規制片およびカバー翼を有する一対のCOBホルダが、夫々の回転規制片が同搭載チップ基板表面壁対角寄りの当該マウントベース各規制溝壁に対峙する各側縁に当接し、各々の枠壁固定位置を規制し、双方の枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、双方の抑爪が同搭載チップ基板一方向両側縁付近の表面壁を、夫々同マウントベースとの間に挟み込むよう固定し、双方のカバー翼が搭載チップ基板の一対中近接するがわの電源接続点を夫々絶縁状態に覆うよう組み込まれ、夫々の固着部が当該マウントベース各COBホルダ用被着部に着脱自在に固着され、前記COBホルダ合計2個にて当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとしたことを特徴とする光源モジュール。
【請求項3】
高熱伝導率素材製であって、COB矩形チップ基板裏面壁との間に、放熱グリスが介在し、搭載可能な搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能な直線溝壁状に対峙し、位置規制する一対の規制溝壁、該一対の規制溝壁の互いに異なる各外端に、所定角度をなす案内壁、および、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々COBホルダ用被着部を有したマウントベースを設け、該マウントベース搭載平面壁に対し、矩形チップ基板表面壁中央にLED素子、同表面壁対角寄りに一対の電源接続点が夫々配されるよう実装したCOBが搭載された上、固着部、枠壁、抑爪、回転規制片、姿勢誘導枠およびカバー翼を有した一対のCOBホルダが、夫々の回転規制片が同搭載チップ基板表面壁対角寄りの当該マウントベース各規制溝壁に対峙する各側縁に当接し、各々の枠壁固定位置を規制し、双方の枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、双方の抑爪が同搭載チップ基板一方向両側縁付近の表面壁を、夫々同マウントベースとの間に挟み込むよう固定され、双方の姿勢誘導枠がマウントベース案内壁に当接し、枠壁および回転規制片の姿勢を、規制溝壁に対して位置規制し、双方のカバー翼が搭載チップ基板の一対中近接するがわの電源接続点を夫々絶縁状態に覆うよう組み込まれ、夫々の固着部が当該マウントベース各COBホルダ用被着部に着脱自在に固着され、前記COBホルダ合計2個にて当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとしたことを特徴とする光源モジュール。
【請求項4】
COBホルダの最大肉厚寸法が、対象COBチップ基板の肉厚に、カバー翼の高さを加えた寸法に抑えられたものとした、請求項1ないし3何れか一記載の光源モジュール。
【請求項5】
COBホルダの固着部が、マウントベースCOBホルダ用被着部とした1個の雌ネジ孔に対して着脱自在に螺着可能であって、COBホルダ対応箇所に穿設された貫通孔に装着した1本のネジからなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の光源モジュール。
【請求項6】
マウントベース適所にレンズ装着部が設けられ、該マウントベースに搭載されたCOBLED素子に対し、光軸を一致するよう独立した配光制御レンズが配され、該レンズ装着部に着脱自在組み込まれてなるものとした、請求項1ないし5何れか一記載の光源モジュール。
【請求項7】
一定幅寸法、任意長さ寸法とした矩形底壁、および、該矩形底壁幅両端から、夫々一定深さ寸法に幅端側壁が立ち上げられ、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を何れも一定の概略凵形とした高熱伝導率素材製筐体枠が設けられ、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口を前記幅端側壁と同じ一定深さ寸法とするよう、密閉状閉鎖可能な高熱伝導率素材製長端側板が結合・一体化され、両幅端側壁、両長端側板の矩形枠状に連続する照明用開口に、防水パッキンが介在可能となる密閉用枠部が設けられ、矩形器型灯具筐体とされた上、電源モジュール、調光モジュールおよび光源モジュールなどの光源装置が適所に収容され、該灯具筐体密閉用枠部に防水パッキンを介在し、矩形透明板が着脱自在に装着・密閉化されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一記載の光源モジュールを利用したトンネル用照明灯具。
【請求項8】
一定幅寸法、任意長さ寸法とした矩形底壁、および、該矩形底壁幅両端から、夫々一定深さ寸法に幅端側壁を立ち上げ、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を何れも一定の概略凵形とするよう押出し成型したアルミニウム合金製筐体枠が設けられ、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口を前記幅端側壁と同じ一定深さ寸法とするよう、密閉状閉鎖可能なアルミニウム合金ダイカスト製共通長端側板が、取付け機構を介して結合・一体化され、両幅端側壁、両長端側板の矩形枠状に連続する照明用開口に、防水パッキンを介在可能とする密閉用枠部が設けられ、矩形器型灯具筐体とされた上、電源モジュール、調光モジュールおよび光源モジュールなどの光源装置が適所に収容され、該灯具筐体密閉用枠部に防水パッキンを介在し、矩形透明板が着脱自在に装着・密閉化されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一記載の光源モジュールを利用したトンネル用照明灯具。
【請求項9】
矩形器型灯具筐体が、その内部を少なくとも底壁寄りの深層域と、照明用開口寄りの表層域とに区画可能とした1枚または複数枚の放熱板が、該底壁に平行姿勢とするよう着脱可能に装着され、該深層域がわに電源モジュール、調光モジュールなどが配され、該表層域がわに光源モジュールが配されてなるものとした、請求項7または8何れか一方記載のトンネル用照明灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置技術に関連するものであり、特に、LED(Light Emitting Diode)素子を実装したCOB(chip on board)をマウントベースに搭載可能とする
光源モジュール、および、それを利用したトンネル用照明灯具を製造、提供する分野は勿論のこと、それらの輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
LED照明技術は、照明環境を維持・向上しつつ、照明コスト・消費電力の節減を可能にするものとして、近年、多方面において急速に普及し、その有効性が確認され、省電力化および維持経費の削減を目的とした道路・トンネル用照明などへの導入が広く進められてきているが、特に、トンネル照明は、基本照明、入口部照明、出口部照明、および、特殊構造部照明(分合流部、非常駐車帯、歩道部等)があり、入口部と出口部照明とは、高い野外輝度から基本照明までの境界部、移行部、緩和部の領域を設定し、基本部の10倍程度の設計路面輝度を必要とし、そのために照明灯具もより大きな定格光束が必須となり、こうした要求性能を満たすため、より高輝度のLEDを搭載し、且つLED搭載数を増加するなどし、照明灯具の照明性能を大幅に高めたものとする必要があり、それを実現化するには、灯具筐体内LED配置の自由度や放熱性能をより高める必要から、基本照明用の外、入口部照明用、出口部照明用、および特殊構造部照明用など、用途に応じて寸法の異なる複数種類の筐体を製造しなければならず、夫々個別に金型を準備すると製造コストが嵩み、販売・設置価格やメンテナンスコストの高騰を招く虞があった。
【0003】
さらに、照明灯具の設置場所に応じて、灯具筐体内マウントベースに各COBの配置を個別に位置決めし、充分な耐久性をもって組み込んだものとしなければならないが、COBのチップ基板が、セラミック製の場合には、ネジによる締め付け固定によって破損し易く、こうしたチップ基板の破損を防止するよう、放熱両面粘着テープを用いて固定することもできるが、貼着後の取付け位置の微調整が不可能となり、着脱によるメンテナンス作業が困難になるなどの不都合があり、また、COB・チップ基板の電源接続点に、着脱容易なソケットタイプによるリード線接続をするものとした場合、電源接続点の劣化を防止するためにメッキ処理が不可欠となり、部品価格が高騰し、また、ソケット部分が配光制御レンズに緩衝してしまうという問題を生じる虞があり、このような課題を克服するためハンダ接続によるものとした場合には、ハンダ接続の電源接続点が、チップ基板表面に露出し、何らかの絶縁を施す必要を生じさせてしまうこととなっていた。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記する特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、複数のLEDチップ、該複数のLEDチップを支持する金属基板、該金属基板を複数配置する支持部材からなる光源装置および電源装置を、筐体に取付けたトンネル用照明装置であって、前記支持部材は、断面視凸字形状とした金属板からなり、前記金属基板の裏面に当接するよう接続すると共に、前記支持部材の裏面には、断面視凸字形状とした金属板からなるヒートシンクを熱接触するよう取り付け、該ヒートシンクと前記筐体とを熱接触させて接続したものとし、部品同士の熱接触面積を増加させ、放熱性を高めるようにしたトンネル用LED照明放熱構造のものや、同特許文献1(2)に見られるような、金属素材と樹脂組成物からなり、平均厚みが0.2〜2.0mmであるアルミニウム押出し成型品などの金属素材と、平均厚みが0.5mm〜3mmであり、かつ分散度θが45度以上である樹脂組成物とを、一体化成型して、軽量化、放熱性を有し、安価に製造可能なものとした金属・樹脂組成物複合成型品などが散見される。
【0005】
また、同特許文献1(3)に開示のもののように、LED光源を挟み込むように固定でき、絶縁性を有する下側支持体および上側支持体を備え、下側支持体は、光源配置凹部と上側支持体配置凹部とを有し、上側支持体の内側に、LED光源の電極に電気接続可能にする導電端子を有し、下側支持体の光源配置凹部の、LED光源の背面のエッジに相対する位置に、LED光源の背面のバリを落とし込むバリ避け溝を設け、かつ、光源配置凹部の中、バリ避け溝で囲まれた領域を、LED光源の背面に接触可能な平坦面としたものとなし、絶縁性材料を用いた上側支持体および下側支持体によってLED光源を固定するので、LED光源の基板が金属製であったとしても、LED光源から装置筐体(金属)までの絶縁距離を十分に確保することができ、また、LED光源を直接ねじ固定する必要がないため、ねじを介して筐体に漏電するようなこともなく、さらに、上側支持体の導電端子は、LED光源の表面電極の上側から、絶縁処理がされていないLED光源の基板側面に接触することがないよう押圧、固定するため、LED光源がショートし不具合を起こすことがないという発光装置や、同特許文献1(4)のように、絶縁プレートと、この絶縁プレートに設けた貫通穴と、この貫通穴内に収納した金属プレートと、この金属プレートを覆うように絶縁プレート上に設けた絶縁板と、発光部を有しこの発光部を金属プレート上に配置するように絶縁板上に設けたCOBとからなり、放熱性が良好な優れた発光効率の光源を得ることができると共に、取付面積が小さく十分な絶縁距離を確保できるようにした発光ユニットなどが、既に開発済みとなっている。
【0006】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているようなトンネル用LED照明放熱構造などは、その灯具筐体が、底面全周縁より側壁を一体に立ち上げた矩形器状を成すものとしてあるから、筐体を成型するための金型を、照明性能に応じて異なる筐体寸法毎、個別に準備する必要があり、生産コストを抑制できないという課題を残すものとなっており、特許文献1(2)の金属・樹脂組成物複合成型品などは、直管型LED照明装置の筐体として有用な円柱形のものとしてはあるものの、樹脂組成物をインサート成型するなど、基本的に分解不可能に一体化成型してしまうものとなってしまっていることから、LEDが老朽化や破損してしまった場合には、照明装置それ自体を交換することになってしまうというものであって、メンテナンス性が重視されるトンネル用照明灯具にそのまま利用することは、殆ど不可能と言わざるを得ないものであった。
【0007】
そして、特許文献1(3)のような発光装置などは、COBの各電源接続点にリード線を接触するように配し、固定具によって抑え込むようにして電気的に接続するようにしたものとなっていることから、COBの各電源接続点に鍍金処理を施す必要があり、長期間に及ぶ使用の実績が少なく、信頼性に欠けるという課題を残すものであり、また、特許文献1(4)に示されているもののように、一対のコネクターが、COBの各電源接続点との電気的接続を可能にすると共に、COB・チップ基板を絶縁プレート(マウントベース)に機械的に抑え込み、固定するようにしてはあるものの、こうしたものの場合にも、やはりCOBの各電源接続点に鍍金処理を施す必要があり、長期間に渡る実用実績が無い現在においては、その信頼性に欠けると言わざるを得ないものであった。
【特許文献1】(1)実用新案登録第3177278号公報 (2)特開2013−49258号公報 (3)特開2014−120544号公報 (4)特開2014−138095号公報 (5)特開2012−38532号公報 (6)特開2014−110154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(問題意識)
上述に見るとおり、従前までに提案されてきている各種トンネル用LED照明放熱構造などは、何れもヒートシンクの形状を見直し、放熱面積を拡大したものが多く、照明性能および筐体サイズに応じて個別・複数の灯具筐体用金型を準備しなければならず、製造コストが嵩むという課題が残るものであり、また、アルミニウム押出し成型品などの金属素材に、分散度θが45度以上の樹脂組成物を一体化成型した金属・樹脂組成物複合成型品などは、殆ど分解不可能なものとなってしまい、保守・整備が不可欠なトンネル用のLED照明灯具にそのまま利用することができないという致命的な欠点があり、さらに加えて、従前までのCOBの各電源接続点は、コネクターなどによってリード線を抑え込んで接続するようにしたものとならざるを得ないが、こうした接続は、長期間の利用に際し、接点が劣化して正常な電気的接続が困難になり、照明性能の低下や、故障の原因となり易く、耐久性の低下を招く虞があり、永年、様々な照明装置の開発、製造、提供、設置、および保守・整備に携わり、既に自らにおいて特許文献1(5)および1(6)のようなトンネル照明用灯具を完成、提供し続けてきている中、それらから得られた様々な知見と共に、関係各方面から発信される情報などに基づき、製造コストの削減は勿論のこと、従来のセラメタ(セラミックメタルハイドランプ)灯具に置き換え可能であって、高出力化、小型・軽量化、放熱性向上、生産効率およびメンテナンス効率の向上などといった多くの課題を悉く解決するものとなり、これまで困難とされてきたトンネル入口用LED照明を実用化可能とする構成につき、更なる改善の
必要性を痛感するに至ったものである。
【0009】
(発明の目的)
そこで、この発明は、COBの位置決め組み込み作業性、および着脱を伴ったメンテナンス作業性を高めると共に、電源接続点の絶縁を維持する上、配光制御レンズに干渉しない新たなCOB搭載技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の
光源モジュール、およびそれを利用した新規な構造のトンネル用照明灯具を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のCOBホルダは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、
COBチップ基板を搭載可能とする搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を規制する一対の規制溝壁、および、搭載チップ基板のスライド可能方向両側縁外がわに夫々設けた被着部を有するマウントベースが設けられ、該マウントベース搭載平面壁に対して、チップ基板表面壁にLED素子および一対の電源接続点が露出するよう実装されたCOBが搭載された上、当該マウントベース各被着部に対して、固着部、枠壁、抑爪およびカバー翼を有する一対のCOBホルダが組み込まれてなり、各枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、各抑爪が同搭載チップ基板表面壁を、マウントベースとの間に挟み込むよう固定し、各カバー翼が搭載チップ基板の電源接続点を絶縁状態に覆うよう組み込まれ、当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとした、この発明の基本をなす光源モジュールである。
【0011】
この光源モジュールを、より具体的なものとして示すと、高熱伝導率素材製であって、COB矩形チップ基板裏面壁との間に、放熱グリスを介在し、搭載する搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能な直線溝壁状に対峙し、位置規制する一対の規制溝壁、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々COBホルダ用被着部を有するマウントベースが設けられ、該マウントベース搭載平面壁に対して、矩形チップ基板表面壁中央にLED素子、同表面壁対角寄りに一対の電源接続点を夫々配するよう実装されたCOBが搭載した上、固着部、枠壁、抑爪、回転規制片およびカバー翼を有する一対のCOBホルダが、夫々の回転規制片が同搭載チップ基板表面壁対角寄りの当該マウントベース各規制溝壁に対峙する各側縁に当接し、各々の枠壁固定位置を規制し、双方の枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、双方の抑爪が同搭載チップ基板一方向両側縁付近の表面壁を、夫々同マウントベースとの間に挟み込むよう固定し、双方のカバー翼が搭載チップ基板の一対中近接するがわの電源接続点を夫々絶縁状態に覆うよう組み込まれ、夫々の固着部が当該マウントベース各COBホルダ用被着部に着脱自在に固着され、前記COBホルダ合計2個にて当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとした光源モジュールとなる。
【0012】
さらに、具体的なものとすると、
高熱伝導率素材製であって、COB矩形チップ基板裏面壁との間に、放熱グリスが介在し、搭載可能な搭載平面壁、搭載チップ基板側縁の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能な直線溝壁状に対峙し、位置規制する一対の規制溝壁、該一対の規制溝壁の互いに異なる各外端に、所定角度をなす案内壁、および、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々COBホルダ用被着部を有したマウントベースを設け、該マウントベース搭載平面壁に対し、矩形チップ基板表面壁中央にLED素子、同表面壁対角寄りに一対の電源接続点が夫々配されるよう実装したCOBが搭載された上、固着部、枠壁、抑爪、回転規制片、姿勢誘導枠およびカバー翼を有した一対のCOBホルダが、夫々の回転規制片が同搭載チップ基板表面壁対角寄りの当該マウントベース各規制溝壁に対峙する各側縁に当接し、各々の枠壁固定位置を規制し、双方の枠壁が搭載チップ基板一方向両側縁に各々当接・位置規制し、双方の抑爪が同搭載チップ基板一方向両側縁付近の表面壁を、夫々同マウントベースとの間に挟み込むよう固定され、双方の姿勢誘導枠がマウントベース案内壁に当接し、枠壁および回転規制片の姿勢を、規制溝壁に対して位置規制し、双方のカバー翼が搭載チップ基板の一対中近接するがわの電源接続点を夫々絶縁状態に覆うよう組み込まれ、夫々の固着部が当該マウントベース各COBホルダ用被着部に着脱自在に固着され、前記COBホルダ合計2個にて当該マウントベース所定位置にCOBが位置決め搭載されてなるものとした光源モジュールとなる。
【0013】
(関連する発明2)
上記した光源モジュールに関連し、この発明には、それを利用したトンネル用照明灯具も包含している。
即ち、一定幅寸法、任意長さ寸法とした矩形底壁、および、該矩形底壁幅両端から、夫々一定深さ寸法に幅端側壁
が立ち上げられ、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を何れも一定の概略凵形とした高熱伝導率素材製筐体枠
が設けられ、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口を前記幅端側壁と同じ一定深さ寸法とするよう、密閉状閉鎖可能な高熱伝導率素材製長端側板
が結合・一体化され、両幅端側壁、両長端側板の矩形枠状に連続する照明用開口に、防水パッキン
が介在可能となる密閉用枠部
が設けられ、矩形器型灯具筐体と
された上、電源モジュール、調光モジュールおよび光源モジュールなどの光源装置
が適所に収容され、該灯具筐体密閉用枠部に防水パッキンを介在し、矩形透明板
が着脱自在に装着・密閉化
されてなるものとした、
この発明の光源モジュールを利用したトンネル用照明灯具である。
【0014】
この発明のトンネル用照明灯具を、より具体的なものとして示すと、一定幅寸法、任意長さ寸法とした矩形底壁、および、該矩形底壁幅両端から、夫々一定深さ寸法に幅端側壁を立ち上げ、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を何れも一定の概略凵形とするよう
押出し成型した
アルミニウム合金製筐体枠
が設けられ、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口を前記幅端側壁と同じ一定深さ寸法とするよう、密閉状閉鎖可能な
アルミニウム合金ダイカスト製共通長端側板
が、取付け機構を介して結合・一体化
され、両幅端側壁、両長端側板の矩形枠状に連続する照明用開口に、防水パッキンを介在
可能とする密閉用枠部
が設けられ、矩形器型灯具筐体と
された上、電源モジュール、調光モジュールおよび光源モジュールなどの光源装置
が適所に収容され、該灯具筐体密閉用枠部に防水パッキンを介在し、矩形透明板
が着脱自在に装着・密閉化
されてなるものとした、この発明の光源モジュールを利用したトンネル用照明灯具となる。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり、この発明の
光源モジュールによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、
一対のCOBホルダが、同COBホルダのカバー翼
によって、搭載COBチップ基板に露出する電源接続点を絶縁状態に包囲・被覆するものになることから、短絡を確実に防止できるものとなり、しかもCOBLED素子や配光制御レンズなどに干渉したり、照明光を邪魔したりすることもなく、小型・軽量化することができるものとなり、しかも枠壁、抑爪が、夫々マウントベース搭載平面壁、規制溝壁、および搭載COBチップ基板の側縁や表面壁など対応箇所に接合し、固着部にてマウントベース被着部に固定することによって、該マウントベースの所望位置に、COBをより正確且つ簡便に組み込むことができ、耐久強度を高め、しかも着脱作業も簡単に行えるから、生産効率およびメンテナンス効率を格段に高めたものとすることができる。
【0016】
加えて、回転規制片を設けたものは、マウントベースに組み込んだCOBチップ基板に、該回転規制片を当接することにより、枠壁の姿勢をより強固に規制し、COBチップ基板をより正確な姿勢に強固に規制可能なものとし、さらに、姿勢誘導枠を設けたものとすることにより、マウントベース規制溝壁および案内壁に対する、枠壁、抑爪および回転規制片の各部姿勢を、格段に正確に規制可能なものとしたから、振動や衝撃力などの外力が加わった場合にも、マウントベースに対するCOBチップ基板の取り付け位置を強固に維持するものとなり、従来品に比較して、格段に耐久強度が増し、より耐久寿命を延命化したものとなり、メンテナンスコストを削減し、より経済的な照明灯具の提供に役立つものとなる。
【0017】
COBホルダの最大肉厚寸法を、対象COBチップ基板の肉厚に、カバー翼の高さを加えた寸法に抑えるようにしたものは、COB毎に独立した配光制御レンズを組み込む場合に、COBホルダと配光制御レンズとが干渉するのを避けることができ、LED素子に配光制御レンズをより近接させて設置し、より広角な照明を実現化可能とすることができる上、灯具筐体照明用開口の矩形透明板に、より接近して臨むよう配置することができるという利点が得られる。
【0018】
COBホルダの固着部を、マウントベースCOBホルダ用被着部とした1個の雌ネジ孔に、着脱自在に螺着可能であって、COBホルダ対応箇所に穿設した貫通孔に装着した1本のネジからなるものとすることにより、COBホルダの組み込み作業性を格段に高め、生産性を向上すると共に、脱着によるメンテナンス作業性を改善し、より経済的に生産、および、保守・点検可能なものとすることができる。
【0019】
光源モジュールは、COBホルダを組み込むことにより、大幅な小型化、軽量化を達成することができ、しかも生産性およびメンテナンス作業性を格段に高めて、より経済的に生産および保守することができ、トンネル用照明灯具の灯具筐体内照明用開口矩形透明板に、臨むよう近接配置可能となり、より広角な照明を実現化できるものとなり、しかも光源モジュールの1個単位で、独立した配光制御レンズを組み込んだものとし、トンネル用照明灯具の灯具筐体内に、配置することができるから、設置場所の条件に応じて光源モジュールの配置や個数を自由に設定することができるものとなり、トンネル基本照明用と、入口照明用、出口部照明用、および、特殊構造部照明用(分合流部用、非常駐車帯用、歩道部用等)など、光量が多様に異なる複数種類の照明灯具にも、低コストにて対応することが可能になるという秀でた特徴が得られる。
【0020】
この発明のトンネル用照明灯具によると、前述のCOBホルダ、およびそれを利用した光源モジュールによる効果に加え、照明光量の異なる様々な仕様に合わせ、複数種類の形状・寸法の灯具筐体を製造するのに、複数種類の金型を準備せざるを得ず、生産コストの削減が困難であった従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、灯具筐体の主要部分をなす筐体枠の長さ寸法を、自由に設定可能なものとし、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口に夫々長端側板を結合・一体化したものとすることにより、当該灯具筐体の長さ寸法を個別、且つ自由に設定可能とし、1個の金型によって寸法の異なる複数種の灯具筐体を格段に効率的に生産でき、トンネル基本照明用と、入口照明用、出口部照明用、および、特殊構造部照明用(分合流部用、非常駐車帯用、歩道部用等)など、光量が多様に異なる複数種類の照明灯具を、格段に経済的に生産・提供できるという大きな特徴が得られるものである。
【0021】
さらに、灯具筐体筐体枠を高熱伝導率素材製とし、さらに、押出し成型した金属製のものとし、より具体的には、押出し成型したアルミニウム合金製のものとしたことによって、押出し成型用の金型を1種類のみ準備するだけで、長さ寸法の異なる複数種類の灯具筐体筐体枠を効率的に生産することができ、しかも、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口に、高熱伝導率素材製長端側板、高熱伝導率素材製共通長端側板、金属製共通長端側板、より具体的には、アルミニウム合金ダイカスト製共通長端側板を結合・一体化してなるものとすることにより、生産効率を高め、生産コストを大幅削減できる上、小型・軽量化しながら放熱性を格段に高め、灯具寿命を一段と延命化できるものとなる。
【0022】
該筐体枠の長さ寸法方向両端木口に、夫々長端側板を、取付け機構を介して結合・一体化してなるものは、生産効率および設置後のメンテナンス効率を格段に高めることができ、該灯具筐体の両幅端側壁、両長端側板の矩形枠状に連続する照明用開口に、防水パッキンを介在する如く設けた密閉用枠部に、矩形透明板を着脱自在に装着・密閉化するようしたものとすることにより、効率的に生産可能なものとなって、しかも高い透光性、防水性および耐久性を確保できるという効果を奏するものとなる。
【0023】
灯具筐体内部を底壁寄りの深層域と、照明用開口寄りの表層域とに区画する放熱板を、該底壁に平行姿勢となるようにして着脱可能に装着し、該深層域に電源モジュール、調光モジュールなどを配し、該表層域に光源モジュールを配してなるものは、電源モジュールや調光モジュールなどが発生する熱を、光源モジュールがわに伝えることなく、深層域から灯具筐体外へ効率的に放熱することができ、しかも光源モジュールが発生する熱も表層域から灯具筐体外へ効率的に放熱できるものとなり、当該トンネル用照明灯具の耐久寿命を格段に延命化することができる上、部品の高密度化を達成し、一段と小型化し、且つ、光源モジュールの全体を放熱板毎、脱着可能とし、組立・分解作業性およびメンテナンス作業性を大幅に高めたものとすることができるという大きな効果を発揮することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
光源装置は、外部電力の供給を受け、この発明のトンネル用照明灯具の発光を可能とする機能を担っており、少なくとも、電源モジュール、調光モジュール、光源モジュールを有するものとし、後述する実施例にも示すように、電源モジュール、調光モジュール、ノイズフィルタ、雷サージフィルタ、光源モジュールなどからなるものとするのが望ましい。
【0025】
光源モジュールは、電源モジュール、調光モジュールからの電力供給および制御を受け、照明可能とするよう発光する機能を担い、マウントベースにCOBを搭載してなるものとしなければならず、マウントベースは、光源モジュールを灯具筐体放熱板の所望位置に正確に固定可能とし、且つ効率的に放熱可能とする機能を担っていて、高熱伝導率素材製であって、COB矩形チップ基板裏面壁との間に、放熱グリスを介在し、搭載する搭載平面壁、該搭載平面壁に搭載したチップ基板側縁の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能に位置規制する一対の規制溝壁、および、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々COBホルダ用被着部を有するものとしなければならず、後述する実施例にも示してあるように、一対の規制溝壁の互いに異なる各外端に、夫々所定角度をなす案内壁を設けたものとするのが望ましい。
【0026】
光源装置の電源モジュールは、調光モジュールおよび光源モジュールに供給する電力を制御する機能を担うと共に、調光モジュールは、光源モジュールに供給する電力を制御する機能を担い、光源モジュールは、供給を受けた電力によって発光し、この発明のトンネル用照明灯具灯具筐体外部を照明可能とする機能を担っていて、水銀灯、ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハイドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、HIDランプ(High Intensity Discharge Lamp)、LED(Light Emitting Diode)ランプ、その他のものとすることができ、光源モジュールが、複数個のCOB(chip on board)LED(Light Emitting Diode)を矩形器型灯具筐体内の長さ寸法方向に所定間隔を隔てて一直線上に並べるか、または、後述する実施例にも取り上げてあるように、平行する二本以上の直線上に並べるかの何れか一方の配置とし、各COB・LEDの夫々に独立する配光制御レンズを組み合わせてなるものとすることができる。
【0027】
COB(chip on board)は、マウントベース搭載平面壁の所定位置に、LED素子を着脱自在に固着可能とする機能を担っており、矩形チップ基板表面壁中央にLED素子、同表面壁対角寄りに一対の電源接続点を夫々配するよう実装してなるものとしなければならず、1個のチップ基板に1個または複数個のLED素子を実装したものとすることが可能であり、チップ基板は、LED素子を一体的に支持し、マウントベースへの取り付け、および、放熱による冷却機能を担い、マウントベースへの位置決めを可能とする外郭形状を有するものとしなければならず、後述する実施例にも例示するように、矩形板状のものとするのが望ましく、例えば、アルミニウム合金製やセラミック製のものなどとするのが良い。
【0028】
LED(Light Emitting Diode)素子は、外部から供給する電力を受けて発光する機能を担うもので、軽薄小型化、低消費電力化可能なLEDとすべきであるが、水銀灯、ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハイドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、HIDランプ(High Intensity Discharge Lamp) 、その他のランプ類に置き換えることが可能である。
【0029】
COBの電源接続点は、COBを搭載するようにしたマウントベース搭載平面壁に、導引したリード線をハンダ付け可能とするよう、チップ基板適所にLED素子の端子を露出する機能を担い、チップ基板表面壁のLED素子からできるだけ離れた位置に配するようにしたものとすべきであり、矩形板状のチップ基板を可能な限り小型化し、LED素子の直径を可能な限り大型化することを考慮すると、各電源接続点は、チップ基板の対角近傍位置に配したものとするのが望ましい。
【0030】
マウントベースの搭載平面壁は、COBチップ基板の裏面壁を安定に搭載可能とする上、効率的に熱伝導可能とする機能を担い、チップ基板の裏面壁との接触面積をできるだけ広く確保したものとすべきであり、後述する実施例に示すように、放熱グリスを介在するように搭載したものとするのが良く、規制溝壁は、搭載平面壁に搭載したCOBチップ基板の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能に位置規制する機能を担い、搭載平面壁を底面とする直線溝壁状に対峙した1対からなるものとすべきであり、搭載平面壁を底面とする断面凵字形をなすよう、2本(一対)の凸条または2本(一対)の凸点線状としたものや、断面凹字形をなすよう対峙する一対の段差形としたものなどとすることができる。
【0031】
マウントベースの案内壁は、組み込んだCOBホルダ姿勢誘導枠に当接し、該COBホルダの取り付け位置および取り付け姿勢を規制可能とする機能を担っており、一対の規制溝壁の互いに異なる各外端に、所定角度をなすよう設けたものとしなければならず、後述する実施例のように、搭載平面壁から立ち上げ、各規制溝壁に対し90°の角度をもって設けたものとするのが望ましい。
【0032】
マウントベースのCOBホルダ用被着部は、マウントベースの所望の位置にCOBホルダを正確且つ容易に固定可能とする機能を担っていて、搭載チップ基板のスライド可能な一方向両側縁外がわとなる適所に、夫々設けたものとすべきであり、リベット、バックル金具、クリップ、その他の固定具の装着部とすることができ、着脱性や耐久強度などを考慮すると、後述する実施例に示すように、雌ネジ孔とするのが望ましい。
【0033】
マウントベースのレンズ装着部は、配光制御レンズをCOBおよび各COBホルダに干渉せず、光源モジュールをできるだけコンパクトなものとするよう組み込み可能とする機能を担い、配光制御レンズに設けた脚部などを固着する対象部位であるということができ、配光制御レンズを強度に固定可能なものとしなければならず、後述する実施例にも示してあるとおり、マウントベースに搭載したCOBを跨ぐよう配光制御レンズから延伸した一対の脚部に装着したネジを螺合可能とした雌ネジ孔とすることができる。
【0034】
配光制御レンズは、装着対象のCOBの照明範囲をより広く拡大する機能を担うものであり、装着対象のCOB・LED素子に近接するよう対峙し、より広い照明範囲を得るよう形状設定したものとすべきであり、石英レンズや蛍石レンズなどのガラスレンズ、合成ガラスレンズ、または、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)やポリカーボネートなどの有機ガラスやプラスチックレンズとすることが可能であり、適宜コーティングを施したものとすることができる。
【0035】
COBホルダは、マウントベースの所望位置に対してCOBチップ基板を、正確に位置決めし、着脱自在に固定可能とする機能を担い、少なくとも固着部、枠壁、抑爪およびカバー翼を有し、マウントベースの搭載平面壁に載置状としたCOBチップ基板の外周寄り適所の複数箇所を、確実に固定可能なものとしなければならず、後述する実施例にも示してあるように、回転規制変および姿勢誘導枠を有するものとすることができ、絶縁性を有する合成樹脂素材製であって、配光制御レンズからの戻り光などを効率的に反射できるよう、白色などの高反射率の表面壁としてなるものとするのが良い。
【0036】
COBホルダの固着部は、マウントベース各COBホルダ用被着部に、夫々1個のCOBホルダを独立部品として着脱自在に固着可能とする機能を担っており、簡便に着脱可能且つ確実に固定できるものとしなければならず、リベット、バックル金具、クリップ、その他の固定具の装着部とすることができ、着脱性や耐久強度などを考慮すると、後述する実施例にも示してあるとおり、各COBホルダの適所に穿設した貫通孔、および、該貫通孔に装着し、マウントベースに設けた雌ネジ孔に螺着可能な各1本のネジとすることができる。
【0037】
COBホルダの枠壁は、COBホルダをマウントベースに固着した状態において、搭載チップ基板の規制溝壁に沿って摺動可能な一方向の側縁に当接し、位置規制可能とする機能を担うこととなって、COBホルダの固着部をマウントベース各COBホルダ用被着部に固定した場合において、搭載チップ基板の側縁に当接する寸法・形状のものとすべきであり、搭載チップ基板の側縁に、1点または複数点を接触する柱状部分や凸状部分などからなるものとすることができる外、搭載チップ基板の側縁の一部または全部に渡って接触する壁面をなすものとすることが可能である。
【0038】
COBホルダの抑爪は、搭載チップ基板一方向側縁付近の表面壁を、マウントベースとの間に挟み込むよう固定可能とする機能を担うものであり、枠壁の上がわに配し、搭載チップ基板一方向側縁付近の表面壁の1点または複数点を外がわからマウントベースに向けて抑え込むよう支持可能なものとしなければならず、LED素子の照明光照射範囲に進入せず、配光制御レンズに干渉しない寸法、形状のものとしなければならず、できるだけ薄型のものとするのが望ましいと言える。
【0039】
COBホルダの回転規制片は、搭載チップ基板表面壁対角寄りの当該マウントベース規制溝壁に対峙する側縁の適宜範囲に当接して、枠壁固定位置を規制可能とする機能を担うこととなり、固着部によるマウントベースへの固定によって、チップ基板の対応する側縁に当接し、枠壁および抑爪のチップ基板に当接する姿勢を規制し、正確に位置決め可能なものとすべきであり、後述する実施例にも取り入れているように、枠壁に対して90°の角度をなすものとするのが良い。
【0040】
COBホルダの姿勢誘導枠は、枠壁および回転規制片の姿勢を、規制溝壁に対して位置規制し、マウントベースに対し、COBチップ基板を正確に位置決め可能とする機能を担っており、マウントベース一対の規制溝壁の互いに異なる各外端に、所定角度をなす案内壁を設け、COBホルダ組み込みの際に対峙する案内壁に当接するものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、各規制溝壁の互いに異なる各外端を、各規制溝壁の中央寄りに後退したものとし、各規制溝壁に90°の角度をなす壁面を有するよう、各案内壁を設け、COBホルダの枠壁に平行、且つ回転規制片に90°の角度をなすようにし、各COBホルダをマウントベースに組み込んだ場合に、各案内壁に当接するよう配置してなるものとすべきである。
【0041】
COBホルダのカバー翼は、マウントベースに搭載したチップ基板の一対の電源接続点中、近接するがわを絶縁状態に覆う機能を担い、COBホルダの適所から近接する電源接続点の上部を覆うよう延伸した電気絶縁性素材製・舌片状のものとすべきであり、後述する実施例にも示すとおり、抑爪付近から搭載チップ基板の一対中、近接するがわの電源接続点を絶縁状態に覆うよう設けたものとするのが望ましいと言える。
【0042】
灯具筐体は、この発明のトンネル用照明灯具、外装の主要部分となり、一定幅・一定深さ寸法、ないし、個別に任意の長さ寸法に設定可能であって、所望の収容容積とするよう、長さを変えて製造可能なものとなる機能を担っており、充分な耐久強度を有し、水分などが内部に浸入しないよう密閉可能、且つ内部に収容する光源装置が発する熱を、効率的に外部へ伝達・放熱可能なものとしなければならず、より具体的には、一定幅寸法、任意長さ寸法とした矩形底壁、および、該矩形底壁幅両端から、夫々一定深さ寸法に幅端側壁を立ち上げ、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を、何れも一定の概略凵形とした高熱伝導率素材製筐体枠を設け、該筐体枠の長さ寸法方向両端木口を前記幅端側壁と同じ一定深さ寸法とするよう、密閉状閉鎖可能な高熱伝導率素材製長端側板を結合・一体化し、光源装置を収容可能な矩形器型のものとすべきであり、後述する実施例にも示しているように、金属製筐体枠を押出し成型したアルミニウム合金製のものとするのが望ましい。
【0043】
また、灯具筐体は、少なくとも外表面に、酸化被膜層やメッキ層、硬化被膜層などを設けたものとするのが望ましく、さらに、設置場所や使用条件などに応じて、電気絶縁性を与える樹脂系塗料による焼き付け塗装を施し、必要に応じてフッ素系塗料による重ね塗り塗装を施してなるものなどとすることが可能であり、さらにまた、後述する実施例にも示すとおり、灯具筐体の内部を少なくとも底壁寄りの深層域と、照明用開口寄りの表層域とに区画可能とした1枚または複数枚の放熱板を、該底壁に平行姿勢とするよう着脱可能に装着し、当該深層域がわに電源モジュール、調光モジュールなどを配し、該表層域がわに光源モジュールを配するものとすることができ、放熱板を上下二段以上の複数段配置としたものとすることができ、後述する実施例にも示すように、放熱板を灯具筐体底壁に支持する複数の支持脚板は、具筐体の長さ寸法方向に適宜間隔を隔てて長端側板に平行な姿勢に立設したものとすることが可能な外、具筐体の幅寸法、方向に適宜間隔を隔て、幅端側壁に平行な姿勢に立設したものとすることができ、さらにまた、支持脚板は、支持脚柱や支持脚台など様々な形状のものに置き換えることが可能である。
【0044】
長端側板は、筐体枠長さ寸法方向両端木口を密閉状に閉鎖し、矩形透明板を着脱自在に装着・密閉化可能とするよう、両幅端側壁と共に、矩形枠状に連続する照明用開口の一部となる機能を担うこととなって、筐体枠と略同一の素材からなるものとするのが望ましく、後述する実施例においても取り上げてあるように、アルミニウム合金ダイカスト製であって、長端側板同士が基本的に互換性のある共通のものとするのが望ましく、後述する実施例にも示すように、筐体枠長さ寸法方向両端木口に位置決め・嵌合可能な嵌合形状部分を設けたものとすることができる。
【0045】
取付け機構は、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を、何れも一定の概略凵形とした筐体枠の両端木口に長端側板を密閉状閉鎖可能とするよう組み合せる機能を担うものであって、充分な強度および耐久性をもって結合可能なものとしなければならず、熔接や接着剤などによって強固に一体化したものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、筐体枠の両端木口に複数のネジ孔を穿設し、それらに対応する長端側板に複数の貫通孔を穿設し、両者を複数本のネジやボルトにて結合するようにしたものとすることができ、その場合に、パッキンなどを介在させて防水性を高めたり、高熱伝導率素材製のパッキンを介在させて防水性および伝熱性を高めたりしたものとすることが可能であり、こうしたネジやボルト結合の外、リベットや、バックル機構、締付けバンド、その他、同等の結合機能を有する固定金具、または仮固定金具類を設けたものとすることができ、さらにまた、各長端側板の外周縁に嵌合形状部分を設け、筐体枠の両端木口に覆い被せるように嵌合装着可能なものとすることができる。
【0046】
照明用開口に装着する矩形透明板は、この発明のトンネル用照明灯具灯具筐体内に収容した光源装置が発する照明光を外部に向けて効率的に透過し、外部からの水分や塵埃などの異物浸入を防止し、灯具筐体内を保護する機能を担っており、充分な耐久強度を有し、着脱自在に装着可能なものとしなければならず、ポリカーボネート製や強化ガラス製とするのが望ましく、後述する実施例にも取り上げて有るように、防水パッキンを介在する如く設けた密閉用枠部に、適宜緊締金具類を介して着脱自在に装着・密閉化してなるものとするのが良いと言える。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図面は、この発明の
光源モジュール、および、それを利用したトンネル用照明灯具の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【
図1】
光源モジュールのCOBホルダを示す斜視図である。
【
図2】
光源モジュールのCOBホルダの裏面を示す斜視図である。
【
図3】
光源モジュールのCOBホルダを示す三面図である。
【
図6】
図4中A−A線部分の他の形状を示す断面図である。
【
図8】マウントベースを一部断面化して示す三面図である。
【
図9】COBを搭載する
マウントベースを示す正面図および断面図である。
【
図10】光源モジュールの組み立て状態を示す正面図および断面図である。
【
図12】光源モジュールを示す正面図および断面図である。
【
図13】配光制御レンズの搭載状態を示す正面図および断面図である。
【
図14】一部形状の異なるCOBホルダを示す三面図である。
【
図15】さらに別の一部形状の異なるCOBホルダを示す三面図である。
【実施例1】
【0048】
図1ないし
図3、および
図8ないし
図13に示す事例は、
COB2チップ基板20を搭載可能とする搭載平面壁40、搭載チップ基板20側縁23,23の平行な2辺を規制する一対の規制溝壁41,41、および、搭載チップ基板20のスライド可能方向両側縁23,23外がわに夫々設けた被着部43,43を有するマウントベース4が設けられ、該マウントベース4搭載平面壁40に対して、チップ基板20表面壁21にLED素子24および一対の電源接続点25,25が露出するよう実装されたCOB2が搭載された上、当該マウントベース4各被着部43,43に対して、固着部12、枠壁13、抑爪14およびカバー翼17を有する一対のCOBホルダ1が組み込まれてなり、各枠壁13が搭載チップ基板20一方向両側縁23,23に各々当接・位置規制し、各抑爪14,14が同搭載チップ基板20表面壁21を、マウントベース4との間に挟み込むよう固定し、各カバー翼17,17が搭載チップ基板20の電源接続点25,25を絶縁状態に覆うよう組み込まれ、当該マウントベース4所定位置にCOB2が位置決め搭載されてなるものとした、この発明の
光源モジュールにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0049】
それら各図からも明確に把握できるとおり、
この発明の光源モジュール3に搭載するCOB2は、セラミック製矩形チップ基板20表面壁21中央に、高出力・マルチチップであるLED素子24、同表面壁21対角寄りに一対の電源接続点25,25を夫々配するよう実装したものであり、マウントベース4は、アルミニウム合金製であり、COB2矩形チップ基板20裏面壁22との間に、適量の放熱グリスGを均一に塗布して介在させ、搭載可能とする搭載平面壁40を設け、搭載チップ基板20側縁23,23の平行な2辺を、回転不能、一方向にスライド可能な直線溝壁状に対峙し、位置規制する一対の規制溝壁41,41を設け、該一対の規制溝壁41,41の、互いに異なる各外端であって、しかも夫々搭載COB2各電源接続点25,25に近接するがわとなる箇所に、夫々規制溝壁41,41に対し90°の角度をなす案内壁42,42を設け、さらに、搭載チップ基板20のスライド可能な一方向両側縁23,23外がわとなる適所に、夫々COBホルダ1,1用被着部43.43となる雌ネジ孔43,43を穿設してなるものである。
【0050】
図1ないし
図3および
図10に示すように、一対のCOBホルダ1,1は、互いに同一形状のものとし、固着部11,12、枠壁13、抑爪14、回転規制片15、姿勢誘導枠16およびカバー翼17を設けた耐熱樹脂[ポリオキシメチレン(
Polyoxymethylene,POM)、ポリブチレンテレフタレート
(polybutylene terephthalate,PBT)、フッ素樹脂、またはその他]製且つ白色のものであり、固着部11は、マウントベース4の前記COBホルダ1,1用被着部43,43となる雌ネジ孔43,43の何れか一方に対応する貫通孔12、および、該貫通孔12に装着し、何れか一方の雌ネジ孔43に螺合する1本のネジ11からなり、枠壁13は、COBホルダ1をネジ11にてマウントベース4に固定した場合に、搭載COB2チップ基板20一方向側縁23に当接し、位置規制可能となるチップ基板20に厚みが一致する平面壁からなるものである。
【0051】
COBホルダ1の抑爪14は、枠壁13の直上に配し、搭載COB2チップ基板20一方向側縁23付近の表面壁22を夫々同マウントベース4との間に挟み込み可能な薄板状部分からなり、回転規制片15は、搭載チップ基板20表面壁21何れか一方の電源接続点25近傍となる対角寄りの、当該マウントベース4各規制溝壁41に対峙する各側縁23の案内壁42に臨む範囲に当接するよう、該枠壁13に対して90°の角度を成して延伸し、姿勢誘導枠16は、回転規制片15に90°の角度をなして隣接し、組み込み状態にて、マウントベース4案内壁42に当接するものとなり、カバー翼17は、枠壁13および抑爪14の上部から、搭載チップ基板20の一対中、近接するがわの電源接続点25の表面を覆う面積を確保する舌片状に延伸し、該COBホルダ1の抑爪14を含む全厚み寸法を3mm程度に抑えたものとしてある。
【0052】
図8ないし
図13に示すように、光源モジュール3は、マウントベース4搭載平面壁40と、COB2矩形チップ基板20裏面壁22との間に、適量の放熱グリスGを介在させ、同COB2チップ基板20表面壁21対角寄りに露出する電源接続点25,25が、夫々マウントベース4案内壁42,42に臨み、同搭載COB2のチップ基板20側縁23の平行な2辺が、マウントベース4の規制溝壁41,41間に嵌合状となり、回転不能、且つ一方向にスライド可能な状態に装着すると共に、2本のLED素子24用リード線26,26の各一端を、搭載COB2チップ基板20の各電源接続点25,25にハンダ付けした上、後述するよう、COB2チップ基板20のスライド可能な一方向の両がわに露出する雌ネジ孔(被着部)43,43に、一対のCOBホルダ1,1を装着する。
【0053】
図1ないし
図3、および
図10ないし
図12に示してあるように、一対のCOBホルダ1,1は、双方の枠壁13,13が、搭載チップ基板20一方向両側縁23,23に各々当接し、双方の抑爪14,14が同搭載チップ基板20一方向両側縁23,23付近の表面壁21を、夫々同マウントベース4搭載平面壁40との間に挟み込むよう抑え、夫々の回転規制片15,15が、同搭載チップ基板20表面壁21各電源接続点25,25が有る対角寄りの当該マウントベース4各規制溝壁41,41に対峙する各側縁23,23であって、夫々案内壁42,42に臨む範囲に当接し、双方の姿勢誘導枠16,16がマウントベース4案内壁42,42に当接し、双方のカバー翼17,17が、搭載チップ基板20の一対中、近接するがわの電源接続点25,25を夫々絶縁状態に覆うよう組み合せた上、双方の貫通孔(固着部)12,12を、対応するマウントベース4雌ネジ孔(被着部)43,43に一致させ、各1本のネジ(固着部)11,11を螺着し、緊締したものである。
【0054】
図1ないし
図3に示した、COBホルダ1は、
図14に示すもののように、回転規制片15および姿勢誘導枠16の舌片状外縁部18を平面円弧状に膨出し、補強してなるものとすることができる外、
図15に示すもののように、カバー翼17の背部に補強用肉厚部19を追加してなるものとすることができる。
【0055】
図10ないし
図13に示すように、当該光源モジュール3は、マウントベース4に反射シート45を貼着し、マウントベース4各案内壁42,42よりも外がわ寄りとなる各2箇所、および、それらに対応する反射シート45に穿設したリード線引き出し孔44,44から、各LED素子24用リード線26,26の対応する他端を挿し通し、同マウントベース4裏面壁がわへ導出したものとなし、さらに、同マウントベース4適所にレンズ装着部46,46となるレンズ用ネジ孔46,46を穿設し、該マウントベース4に搭載したCOB2LED素子24に対して、光軸を一致するよう独立した配光制御レンズ5を配し、各レンズ用ネジ孔46,46にレンズ取り付けネジ47,47を螺着し、位置決め・結合したものとしてある。
【0056】
図4ないし
図7に示すように、当該光源モジュール3の複数個を組み込んだトンネル用照明灯具6は、一定幅寸法、任意長さ寸法の矩形底壁70、および、該矩形底壁70幅寸法方向の両端縁全長範囲から、夫々一定高さ寸法であって、該高さ寸法から矩形底壁70の厚さ寸法を差し引いた一定の深さ寸法とするよう、幅端側壁71,71を立ち上げて、長さ寸法方向任意位置を垂直に切断した断面外郭形状を、何れも一定の概略凵形とするよう押出し成型したアルミニウム合金製筐体枠7を設け、該筐体枠7の長さ寸法方向両端木口72,72に、前記幅端側壁71,71と同じ一定深さ寸法とするよう、各両端木口72,72を密閉状閉鎖可能な形状であって、互いに互換性を有する共通部品とした一対のアルミニウム合金ダイカスト製長端側板73,73を組み合わせ、該筐体枠7両端木口72,72に沿って複数穿設したネジ孔、それらネジ孔に対応する長端側板73,73に複数穿設した貫通孔、および、それらに貫通・螺着する複数本のネジからなる取付け機構75を介して結合・一体化し、電源モジュール90,90、調光モジュール91、ノイズフィルタ92および光源モジュール3,3,……などの光源装置9を収容可能な矩形器型灯具筐体60を有するものである。
【0057】
該灯具筐体60の両幅端側壁71,71および両長端側板73,73が矩形枠状に連続してなる照明用開口8に設けた、内向き段差形状の密閉用枠部8に、矩形枠型防水パッキン80を介在し、矩形透明板81を装着するようにし、その四角近傍を緊締金具82,82,……にてネジ結合し、着脱自在に装着・密閉化し、所望寸法(例えば、740×410×128mm)に組み立てたものである。
【0058】
矩形器型灯具筐体60は、その内部を底壁70寄りの深層域63と、照明用開口8寄りの表層域64とに区画するアルミニウム合金製放熱板62を、アルミニウム合金製であって、底壁70幅寸法方向に適宜間隔を隔てて、幅端側壁71,71に倣い平行する板壁状をなし、同底壁70に効率良く伝熱するよう充分な接合面積を確保する如く、着脱自在にネジ結合して立設した複数枚の支持脚板65,65,……に対し搭載・結合し、該底壁70に平行姿勢とするよう支持した上、該底壁70と放熱板62との間の空間である深層域63に、電源モジュール90,90、調光モジュール91、ノイズフィルタ92などを配し、夫々を底壁70内面に、効率良く伝熱するよう、着脱可能に結合し、さらに、該放熱板62と矩形透明板81との間の空間である表層域64に、複数個の前記光源モジュール3,3,……を、矩形器型灯具筐体60内の長さ寸法方向に所定間隔を隔てて平行する3本の直線上に並べる如く配置し、該放熱板62表面に効率良く伝熱するよう着脱可能に実装し、その周囲に反射シート66を貼着したものとしてある。
【0059】
各光源モジュール3,3,……は、図示にはしていないが、長さ寸法L方向に所定間隔を隔てて1列のみ配置したものとすることができる外、矩形器型灯具筐体60内の長さ寸法方向に所定間隔を隔てて平行する2本の直線上に並べる如く配置したものや、千鳥配列にしたもの、円形状の配列としたものなど、必要性能に応じて様々な配置のものとすることが可能である。
【0060】
当該矩形器型灯具筐体60は、その全体にアルマイト処理やメッキ処理などの表面処理を施して耐食性を高めたものとする上、その外表面に電気絶縁性を与える樹脂系塗料による焼き付け塗装を施し、必要に応じてフッ素系塗料による重ね塗り塗装を施した上、設置対象壁面などに灯具筐体60を固定するステンレス鋼製固定脚61,61およびステンレス鋼製緊締金具82,82,……は、ブラスト下地処理を施した上、筐体枠7との間に、図示しないシリコン製パッキンを介在させ、電食対策を施したものとしてある。
【0061】
さらに、
図5ないし
図7に示すように、筐体枠7矩形底壁70の内がわ壁面に、幅寸法方向に適宜間隔を隔てて、長さ寸法方向に長く、幅端側壁71,71に平行となるよう、複数本の補強用凸条部76,76,76を突設したものとし、また、
図5に示すように、筐体枠7両端木口72,72に接合する各長端側板73,73の接合周縁に段差状の嵌合縁74,74を夫々設けるようにしてなり、各嵌合縁74,74を両端木口72,72に外嵌するよう装着した上、取付け機構75の複数のネジにて結合したものとすることが可能であり、さらにまた、光源装置9の調光モジュール91、ノイズフィルタ92、雷サージフィルタ93など、発熱量の少ない部品類を、灯具筐体60長さ寸法方向の中央寄りに適宜間隔を隔てて配置し、発熱量が多く、故障の際に照明機能が完全に停止してしまう虞がある電源モジュール90,90を2分割し、夫々が独立して電源供給できるようにすると共に、両端木口72,72に臨むよう、できるだけ灯具筐体60長さ寸法方向の外がわ寄りに配置・収容してなるものとすることが可能である。
【0062】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の
光源モジュール3は、そのCOBホルダ1が、
図1ないし
図3に示すように、耐熱樹脂ポリオキシメチレン(
Polyoxymethylene,POM)、ポリブチレンテレフタレート
(polybutylene terephthalate,PBT)、フッ素樹脂、またはその他)製且つ白色のものとしてあるから、COB2のセラミック製矩形チップ基板20に過剰な負担を掛けずに、充分な強度を持って緊締・固定することができ、しかも充分な耐久強度を発揮するものとなり、光源モジュール3の耐久寿命を格段に延命化することができる上、白色としたから、配光制御レンズ5からの戻り光を効率的に反射し、COB2の加熱を防止すると共に、照明効率を格段に高めたものとすることができる。
【0063】
加えて、
図8ないし
図10に示すように、当該マウントベース4各規制溝壁41,41に対峙する各案内壁42,42の角度を90度とし、COBホルダ1の枠壁13、回転規制片15および勢誘導枠16の互いに隣り合うもの同士を90度の角度をなすよう配置したものとしたから、高精度に加工し易く、生産効率を高め、より廉価に高精度の部品を製造可能なものとすることができ、格段に高い品質の光源モジュールを、より経済的なものとして提供することができる。
【0064】
マウントベース4搭載のCOB2チップ基板20各電源接続点25,25に、2本のLED素子24用リード線26,26の各一端を、夫々ハンダ付けした上、装着したCOBホルダ1,1の各カバー翼17,17が、各電源接続点25,25を絶縁状態に覆うようにしたから、短絡をより確実に防止できる上、配光制御レンズ5との干渉を回避し、部品同士をより高密度に配置可能とし、格段に軽量・コンパクトな光源モジュールとすることができる。
【0065】
図14や
図15に示すもののように、回転規制片15および姿勢誘導枠16の舌片状外縁部18を平面円弧状に膨出したものや、カバー翼17の背部に補強用肉厚部19を追加してなるCOBホルダ1などは、その補強形状によって一段と耐久強度を高め、マウントベース4に対し、より高精度且つ高強度にCOB2を位置決め・固定し、耐久性および信頼性を格段に高めたものとすることができる。
【0066】
さらに、
図4ないし
図7に示すように、この発明のトンネル用照明灯具6は、灯具筐体60筐体枠7を押出し成型したアルミニウム合金製とし、共通長端側板73,73をアルミニウム合金ダイカスト製としたから、製造の押出し成型加工段階において筐体枠7の長さ寸法を自由に設定することができ、寸法毎に個別の金型を要する従来のダイカスト製一体型灯具筐体に比較して、格段に経済的に、複数種類の仕様・寸法の灯具筐体60を、効率的に生産することができ、しかも長端側板73,73を互換性のある共通部品としたことにより、ダイカスト用の金型を統一し、部品点数を削減して一段と経済的に製造可能なものとし、従前までトンネル入口用など、高出力化、小型・軽量化が不可欠とされ、セラメタ灯具からLED灯具への置き換えが困難とされてきたが、こうした課題を解決し、トンネル入口用のLED灯具を実現化するという効果を奏することができる。
【0067】
また、高出力・マルチチップLED素子24,24,……と、それらLED素子24,24,……に個別に対応する配光制御レンズ5,5,……とを組み合わせた光源モジュール3,3,……を、放熱板62にライン状に配置し、反射シート66を設けたものとすることにより、LED素子24,24,……の設置間隔を従来型灯具と同等に保ちながら、縞の出難い配光(均斉度)と明るさとを達成することができ、大幅な高出力化を達成したものとすることができる。
【0068】
さらに、筐体枠7を押出し成型品としたから、従来品のダイカスト製のものに比較して内外への凹凸が少なく、塵埃や汚れが付着し難く、洗浄し易いという特徴を有し、しかも照明用開口8寄りの表層域64に光源モジュール3,3,……を配したから、矩形透明板81に近接した位置から照明できることとなり、照明効率を多いに高めたものとすることができる。
また、各LED素子24,24,……に、個別の配光制御レンズ5,5,……配するようしてあって、搭載LED素子24,24,……の個数や配置を自由に設定することができ、仕様毎に異なる灯具光量設定を格段に容易なものとして実現可能とするという効果が得られる。
【0069】
そして、灯具筐体60は、表面処理を施し耐食性を高めた上、その外表面に樹脂系塗料による焼き付け塗装を施し、必要に応じてフッ素系塗料による重ね塗り塗装を施した上に、固定脚61,61および緊締金具82,82,……にブラスト下地処理を施し、筐体枠7との間に、図示しないシリコン製パッキンを介在させたものとしたことから、アルミニウム素材の欠点である電食による腐食を、より一層効果的に防止して耐久寿命を大幅に延命化し、非常に経済的な利用を可能なものとすることができる。
【0070】
加えて、
図7に示すように、筐体枠7矩形底壁70に複数本の補強用凸条部76,76,76を設けたものは、押出し成型と同時に補強用凸条部76,76,76を一体化形成することができ、しかもこれら補強用凸条部76,76,76以外の矩形底壁70および幅端側壁71,71を大幅に薄肉化し、強度の向上と軽量化とを達成し得て、非常に経済的に生産可能なものとなり、複数の支持脚板65,65,65を幅端側壁71,71に平行な姿勢とするようにした結果、放熱板62下の深層域63の区画を灯具筐体60の長さ寸法方向に連続するよう広く確保できて、内部の集中的加熱を抑止し、放熱性を大幅に高めたものにすることができるという利点が得られることとなる。
【0071】
一方、
図6に取り上げてあるもののような、各長端側板73,73の接合周縁に嵌合縁74,74を設けてなるものでは、筐体枠7長さ寸法方向両端木口72,72への各長端側板73,73の組み込み密閉性を大幅に強化し、両者間にパッキンなどを装着する必要がなくなって、より経済的に製造およびメンテナンス可能なものとすることができる上、さらに、2分割した電源モジュール90,90を、夫々が独立して電源供給できるようにして組み込むと共に、筐体枠7両端木口72,72に臨むよう配してなるものは、電源モジュール90,90が発生する熱を、各長端側板73,73がわに効率的に伝達し、速やかに外部に放熱できるという効果が得られて、その他の電子部品類への熱影響を最小限度に留めることができるから、何れか一方が故障し、電力供給が途絶えてしまったような場合にも、他方の電源モジュール90が照明機能を維持し続けられるものとなるから、大いに信頼性を高め、しかも経済性に格段に秀でたトンネル用照明灯具6とすることができる
ものとなる。
【0072】
(結 び)
叙述の如く、この発明の光源モジュール、および、それを利用したトンネル用照明灯具は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの光源モジュールへのLED素子搭載技術に比較して大幅に耐久強度を高め、高密度化、軽量且つ低廉化し、冷却性能にも
秀でて遥かに経済的なものとすることができる上に、灯具筐体のサイズおよび光源モジュールの配置など設計の自由度を格段に高め、低廉にてあらゆるトンネル用照明を実現化可能とし、さらに、製造およびメンテナンス作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは、LED照明の採用が困難とされてきていたトンネル入口用灯具として利用可能なものとし、より経済的で安全性に秀でた新たな照明技術の実現化を目指す照明機器業界は固よりのこと、耐久性能の点でも遥かに秀でていて、維持管理が極めて容易な照明技術の提供を希望する道路管理業界および照明管理業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0073】
1 COBホルダ
11 同 ネジ(固着部)
12 同 貫通孔(固着部)
13 同 枠壁
14 同 抑爪
15 同 回転規制片
16 同 姿勢誘導枠
17 同 カバー翼
18 同 舌片状外縁部
19 同 補強用肉厚部
2 COB(chip on board)LED(Light Emitting Diode)
20 同 チップ基板
21 同 表面壁
22 同 裏面壁
23 同 側縁
24 同 LED(Light Emitting Diode)素子
25 同 電源接続点
26 同 リード線
3 光源モジュール
G 放熱グリス
4 マウントベース
40 同 搭載平面壁
41 同 規制溝壁
42 同 案内壁
43 同 雌ネジ孔(被着部)
44 同 リード線引き出し孔
45 同 反射シート
46 同 ネジ孔(レンズ装着部)
47 同 ネジ(レンズ装着部)
5 配光制御レンズ
6 トンネル用照明灯具
60 同 灯具筐体
61 同 固定脚
62 同 放熱板
63 同 深層域
64 同 表層域
65 同 支持脚板
66 同 反射シート
7 筐体枠
70 同 矩形底壁
71 同 幅端側壁
72 同 両端木口
73 同 長端側板
74 同 嵌合縁
75 同 取付け機構
76 同 補強用凸条部
8 照明用開口(密閉用枠部)
80 同 防水パッキン
81 同 矩形透明板
82 同 緊締金具
9 光源装置
90 同 電源モジュール
91 同 調光モジュール
92 同 ノイズフィルタ
93 同 雷サージフィルタ