特許第6093357号(P6093357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6093357浮上マニュピュレーターロボットを用いた製造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093357
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】浮上マニュピュレーターロボットを用いた製造
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20170227BHJP
   B25J 7/00 20060101ALN20170227BHJP
【FI】
   B25J5/00 Z
   !B25J7/00
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-523091(P2014-523091)
(86)(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公表番号】特表2014-527470(P2014-527470A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】US2012048682
(87)【国際公開番号】WO2013016683
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/512,106
(32)【優先日】2011年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501228071
【氏名又は名称】エスアールアイ インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】SRI International
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ペルライン, ロナルド, イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン−フォイ, アンジェ
(72)【発明者】
【氏名】マッコイ, ブライアン, ケー.
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−526523(JP,A)
【文献】 特開2002−342947(JP,A)
【文献】 特開2007−290243(JP,A)
【文献】 特開平01−256651(JP,A)
【文献】 米国特許第04864797(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0106314(US,A1)
【文献】 米国特許第05820716(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 5/00−19/00
G01B 7/30
G01D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反磁性浮上マニュピュレーターを用いて構造体を構築する方法であって、
第1のマニュピュレーターに取り付けられた第1のエンドエフェクターを用いて、基板の第1の表面上の第1の場所に、第1の接着剤を付着させる工程と、
第2のエンドエフェクターを用いて、物品をピックアップする工程と、
前記第2のエンドエフェクターを用いて、前記物品を前記基板の前記第1の表面へ移動させる工程と、
前記第2のエンドエフェクターを用いて、前記基板の前記第1の表面上の前記第1の接着剤上に、前記物品を配置する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物品は、電子部品および構築材料の1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のエンドエフェクターを用いて、前記物品をピックアップする工程は、ロッド、ファイバー、梁、プレートまたは隅肉を、前記第2のエンドエフェクターを用いてピックアップする工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のエンドエフェクターは、前記第1のマニュピュレーターの第1の側面に取り付けられており、前記第2のエンドエフェクターは、前記第1のマニュピュレーターの第2の側面に取り付けられている請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のエンドエフェクターは、前記物品を前記基板の前記第1の表面へ移動させ、さらに、前記基板の前記第1の表面上に前記物品を配置する前に、前記物品が前記第1の接着剤の貯留部内に挿入できるよう、前記物品をピックアップするための位置に配置される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のマニュピュレーターの前記第2のエンドエフェクターが前記物品を所定位置に保持している間に、前記第1の接着剤を硬化させる工程をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のエンドエフェクターを用いて、記物品をピックアップする工程は、液体を用いて前記第2のエンドエフェクターの端部を濡らす工程と、前記物品をピックアップするため、前記液体の表面張力を利用する工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の接着剤を前記基板の前記第1の表面に付着させる工程は、前記基板の前記第1の表面上の他の物品上に前記第1の接着剤を付着させる工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第3のエンドエフェクターを用いて、前記基板の前記第1の表面上に第2の接着剤を付着させる工程をさらに含み、
前記第3のエンドエフェクターおよび前記第2のエンドエフェクターは、第2のマニュピュレーターに取り付けられており、
前記第3のエンドエフェクターは、前記第2のエンドエフェクターが取り付けられている前記第2のマニュピュレーターの側面とは異なる前記第2のマニュピュレーターの側面に取り付けられている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
記物品が前記第2の接着剤上に配置された後に、前記第2の接着剤を硬化する工程をさらに含み、
前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤よりも素早く硬化可能である請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記付着させる工程、前記ピックアップする工程、前記移動させる工程、および前記配置する工程は、継手を形成するために、カーボンファイバーロッドに隣接する場所における他の物品に対して繰り返される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
両端部を有する反磁性浮上マニュピュレーターであって、
少なくとも2つの側面と、上面と、底面とを有する少なくとも1つの磁石と、
前記磁石の第1の側面に取り付けられ、基板上に接着剤を付着させるために用いられる第1のエンドエフェクターと、
前記磁石の第2の側面に取り付けられ、物品をピックアップするために用いられる第2のエンドエフェクターと、を含むことを特徴とする反磁性浮上マニュピュレーター。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
磁石浮上(magnet levitation)は、多くの応用可能性を有している。ペルライン(Pelrine)による米国特許第5,099,216号“磁気浮上装置(Magnetically Levitated Apparatus)”は、磁気的に浮上しているロボットマニピュレーターについて議論している。このマニュピュレーターは、永久磁石のような磁気的に活性な部品を備えている。該部品上には、電磁石(electromagnets)によって発生する場(field)によって、磁力が付与されている。また、この議論は、ロボットマニュピュレーターのモーションの安定性およびダンピング(制動)にも及んでおり、該マニュピュレーターは、6つの自由度を有して、動くことができる。
【0002】
ペルラインによる米国特許第5,396,136号“磁場浮上(Magnetic Field Levitation)”は、磁石アレイを有する磁性部材と、反磁性(diamagnetic)または磁性部材よりも透磁率(permeability)の低いその他の材料を用いることを議論している。この反磁性材料は、磁性部材が、外部の磁力によって浮上され、移動されることが可能な領域を規定するベースとして機能する。いくつかの実施形態では、反磁性材料は、磁性部材を完全には浮上させず、移動面上における磁性部材の実効的な荷重(load)を低減させる揚力(lift force)を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのアプローチは、一般的に、磁気ロボットに作用する磁場を提供するための電磁石アレイを利用する。この電磁石アレイは、電磁石によって発生した場によってロボットを制御することができる領域を規定する。これらアレイは、ロボットをかなり正確に制御することができるが、このようなアレイにおいても、ロボットに作用させる外力を提供するために、電磁石が必要である。他のアプローチとして、米国特許第6,858,184号“マイクロラボラトリーデバイスおよび方法(Microlaboratory Devices and Methods)”は、基板上の駆動素子アレイと協働する付勢素子(biasing element)を内部に有する基板を用いることを議論している。この駆動素子は、基板と駆動素子との間の空間内で、磁性素子を移動させることができる。
【0004】
他のアプローチでは、磁気ロボットを浮上させる場は、回路基板内に層状に形成された導電配線(conductive trace)を通過する電流から生じてもよい。このようなアプローチは、米国特許出願第12/960,424号および米国特許出願第13/270,151において議論されており、これら米国特許出願の内容全体は、参照されることにより、本出願の開示に組み込まれる。これらのアプローチは、構造上、並びにマニュピュレーターの使用およびマニュピュレーターの動きにおける、より高い自由度を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、導電配線を形成するため導電性液体を付着させる浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図2図2は、導電配線を形成するため導電性液体を付着させる浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0006】
図3図3は、プランジャーと、貯留部とを有する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図4図4は、プランジャーと、貯留部とを有する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0007】
図5図5は、乾燥材料を扱うためのエンドエフェクターの実施形態を示す。
図6図6は、乾燥材料を扱うためのエンドエフェクターの実施形態を示す。
【0008】
図7図7は、粉末を溶融させるための浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図8図8は、粉末を溶融させるための浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0009】
図9図9は、アーク切断浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0010】
図10図10は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図11図11は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図12図12は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図13図13は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図14図14は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図15図15は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図16図16は、重ね継手を構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0011】
図17図17は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図18図18は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図19図19は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図20図20は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図21図21は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図22図22は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図23図23は、表面に対して垂直なロッドを構築する浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0012】
図24図24は、対象物をピックアップするために用いられる浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図25図25は、対象物をピックアップするために用いられる浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
図26図26は、対象物をピックアップするために用いられる浮上マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0013】
図27図27は、弾道モーションの実施形態を示す。
図28図28は、弾道モーションの実施形態を示す。
図29図29は、弾道モーションの実施形態を示す。
図30図30は、弾道モーションの実施形態を示す。
【0014】
図31図31は、協働性のマニュピュレーターの実施形態を示す。
図32図32は、協働性のマニュピュレーターの実施形態を示す。
図33図33は、協働性のマニュピュレーターの実施形態を示す。
【0015】
図34図34は、計量マニュピュレーターの実施形態を示す。
【0016】
図35図35は、浮上マニュピュレーターの軌道を測定するための光学測定システムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
米国特許出願第12/960,424号および米国特許出願第13/270,151は、反磁性浮上マニュピュレーター(diamagneticaly levitated manipulator)について言及している。このようなマニュピュレーターは、マイクロからミリメートルスケールで製造された場合、マイクロロボット(micro-robot)と称され、物体を回路基板上で移動させるために用いることができる。この機能は、反磁性浮上マニュピュレーターを用いた自動マイクロファクトリーを可能とする。しかしながら、必ずしもサイズをそのように小さくしなければならないわけではない点に留意すべきである。これは、単に、これらのマニュピュレーターが比類なく有用である1つの分野にすぎない。このマニュピュレーターは、より小さくまたはより大きく製造されていても、有用である。これが、本明細書中において、これらデバイスを、マイクロロボットというよりもむしろ、通常、マニュピュレーターと称す理由である。同様に、反磁性材料は、磁性部材が浮上可能な領域を規定するベースとして機能する。いくつかの実施形態では、反磁性材料は、磁性部材を完全には浮上させず、移動面上における磁性部材の実効的な荷重を低減させる揚力を提供する。ここでの議論のため、マニュピュレーターは、「部分的に(partially)」浮上しているものも考慮され、用語「浮上マニュピュレーター(levitated manipulator)」は、マニュピュレーターが表面との接触を維持している実施形態を含むものとして使用される。
【0018】
上述の米国特許出願第12/960,424号および米国特許出願第13/270,151号に開示されているように、浮上マニュピュレーターは、導電配線を通過する電流によって発生する磁場に応答して移動する。さらなる改良によって、良好な開ループ再現性(open-loop repeatability)を有するマニュピュレーターが創作されている。従来のロボットおよび他の可動性機械は、通常、摩擦、表面粘着、継手(接合部)における機械公差(mechanical tolerance)およびヒステリシスのために、乏しい開ループ再現性しか有していない。浮上は、摩擦および表面粘着を除去することができ、さらに、マニュピュレーターは単一かつ硬質の物体である。さらに、ゼロヒステリシスを有する反磁性材料の使用により、強磁性(ferromagnetic)材料のヒステリシスに悩まされることがなくなる。165ナノメートルrmsノイズを示す巨視(macroscopic)モーションを用いない制御データを用いた試験では、巨視モーションを用いた反磁性浮上マニュピュレーターの位置再現性が200ナノメートルrmsであることが測定された。
【0019】
これらマニュピュレーターの正確な移動能力は、自動化された浮上製造環境において、多くの製造および他のタスクを可能とする。マニュピュレーターによって扱われる材料は、液体または乾燥材料を含んでいてもよい。マニュピュレーターは、マニュピュレーターのボディーに取り付けられたツールまたはエンドエフェクターを有している。実施形態において示されるように、マニュピュレーターのボディーは磁石アレイに取り付けられたユニットから構成されていてもよいし、マニュピュレーターのボディーは磁石アレイから構成されていてもよい。用語「アレイ(array)」は、ここでは、単一のユニットおよびユニットのアレイを含むものとして使用される。しかしながら、ボディーが存在する場合、磁石のアレイは、ボディーの周囲に分配された複数の磁石から構成されていてもよい。
【0020】
図1は、液体浸漬先端部(liquid dip tip end)エンドエフェクターを有するマニュピュレーターの1例を示す。浸漬先端(dip tip)は、液滴をピックアップするシンプルな濡れ先端(wetting tip)であってもよいし、より多くの量の液体、またはより制御された量の液体を保持するブラシ、ループ、またはコイルのような複雑な構造体であってもよい。マニュピュレーター10は、反磁性層をその表面または内部に有する回路基板20上に位置している。任意の方法で液体を保持可能な浸漬先端または他のエンドエフェクター12は、液体貯留部14上のアクセスポート16内に挿入される。特定の実施形態では、貯留部内部の液体は、ある種の導電性液体またはペーストから構成されている。他の実施形態では、液体またはペーストは、硬化または乾燥したときに、導電性となってもよい。マニュピュレーターは、特定の量の液体をピックアップし、その後、ピックアップした液体を18のような回路基板に移送する。
【0021】
この実施例における回路基板は、その上部にマニュピュレーターが位置している基板に対して垂直となっていることに留意すべきである。しかしながら、基板は、マニュピュレーターに対してフラット(平坦)となっていてもよい。付着(deposition)プロセスは、先端上の液滴を接触させ、基板に「はり付ける(stick)」ために、マニュピュレーターを傾ける工程を含んでいてもよい。マニュピュレーターの傾きは、詳述される。マニュピュレーターの移動経路について考慮さえすれば、所定の場所に液体を付着させる多くの異なる移動技術を採用することができる。液体を繰り返し付着させることによって、マニュピュレーターは、導電回路配線を形成することができる。この技術は、他の多くの種類の液体および応用に用いることができ、導電配線を構築するための導電性液体は、1例にすぎない。この分注工程(dispensing)は、接着剤、保護コーティング、インク、2つの反応物が共に運ばれる2段階プロセス等を含んでいてもよい。
【0022】
図2は、導電性液体を基板18上に付着させるための位置に配置されたマニュピュレーター10を示す。上述のように、マニュピュレーターの移動を正確に制御することにより、基板上に、22のような導電配線を形成するよう、液滴を付着させることができる。
【0023】
マニュピュレーターは、製造プロセスの複雑さに関して、限定されない。また、2つの付着された導電配線を、間に設けられた絶縁層を用いて、電気的に絶縁するために、導電性液体系材料と併せて絶縁性液体系材料を付着させてもよい。また、3次元構造体を構築するため、付着された液体が一度硬化または乾燥した後に、繰り返し付着されてもよい。
【0024】
図1および図2の実施形態は、比較的シンプルな液体分注システムを開示する。図3および図4は、複数の磁石アレイを用いて、それらを同時かつ別々に制御する複雑な実施形態の1例を示す。図3は、注射器(syringe)タイプの分注器30を示す。この注射器は、プランジャー(plunger)34に取り付けられた第1の磁石アレイ32を有している。第2の磁石アレイ36は、貯留部38に取り付けられている。
【0025】
最初に、2つの磁石アレイは、典型的には、注射器構造を所定の場所に位置させるため、同時に動く。貯留部は、システムのニーズに応じて、分注用液体を収納、または、吸引された液体を受け取ることができる。なお、貯留部は、貯留部の端部に取り付けられ、液体をピックアップ可能とする直線状またはわずかにフックしている(かぎ状となっている)小さなパイプまたは針を有していてもよい。注射器が所望の場所に位置させられると、磁石アレイは、プランジャーを貯留部の液体分注先端部40に向かう方向(分注工程)、または液体分注先端部40から遠ざかる方向(吸引工程)に移動させるよう、互いに別々に移動させられる。図4は、貯留部38の液体分注先端部に向かって移動し、液体40の液滴を貯留部から排出させるプランジャー34を示している。
【0026】
議論は、マニュピュレーターが液体を扱うシンプルな方法および複雑な方法に焦点を当てる。また、マニュピュレーターは、乾燥材料を扱うこともできる。エンドエフェクターの適応性(flexibility)に関し、利点が存在する。例えば、図5は、物品(article)のグループから、1つの物品を分離(singulate)ために用いられるエンドエフェクターを示す。この特定の実施形態では、物品は、一般的な所定の場所56内にランダムに位置するビーズである。マニュピュレーターは、それ自身が磁石から形成されるボディーと、マニュピュレーターのボディーによって互いに固定された2つの磁石アレイ50または任意の数のマグネットアレイとから構成することができる。本実施形態のエンドエフェクターは、フック52から構成される。マニュピュレーターは、物品(本実施形態ではビーズ)のグループ内に移動し、ビーズ54のような1つ以上の物品を取り出す。フックは、1つの物品だけを1度に取り出すことを可能とする寸法で形成されたビーズを分離するフックのような複数の形態の内1つをとり得る。システムは、取り出される特定のビーズの正確な場所を知る必要はない。すなわち、フックは、マニュピュレーターによって、一般的な所定の場所56内へ挿入され、単一のビーズが掃出(sweeping)モーションを用いて取り出される。本システムのいくつかの実施形態は、マニュピュレーターが単一のビーズまたは部分を首尾よく取り出せたか否かを確認するための光学センサーのようなセンサーを採用している。代替的に、フックは、製造のニーズに応じて、物品のペア、3つの組等を取り出すことを可能としてもよい。
【0027】
図6は、乾燥材料マニュピュレーターの他の実施形態を示す。この実施例では、マニュピュレーター60は、押出し(pushing)またはほうき(bloom)端部62を有する。マニュピュレーターは、表面を掃除(clean)、または材料を既知の場所内に堆積するように用いることができる。この特定の実施形態では、マニュピュレーターは、粉末デブリ(debris)64を、回路基板の側面へ押出す。デブリは、他の製造プロセスにおいて発生したものであってもよいし、混在物等であってもよい。液体の扱いと同様に、マニュピュレーターは、より複雑な材料取扱いタスクを実行できる。
【0028】
図7および図8は、製造プロセスにおいて用いられる、粉末を収集し、その後溶融する実施形態を示す。図7は、溶融プロセスにおいて用いられるマニュピュレーター70を示す。ここでのマニュピュレーターは、熱的絶縁体を間に有する2つの磁石アレイ72および74から構成されていてもよい。本実施形態では、熱的絶縁体76は、エンドエフェクター78をその端部において形成するタングステンまたは他の金属ワイヤーを覆うガラス管から構成されている。ワイヤーは、炎または熱源からの熱に対処するため、熱的絶縁体(本実施形態ではガラス管)に取り付けられている。
【0029】
動作において、エンドエフェクターは、粉末80の貯留部内へ操作される。ある程度の量の粉末が、本実施形態ではスコップのように構成されたエンドエフェクター78内に保持される。その後、図8に示すように、マニュピュレーターは、スコップを炎82の近くへ持っていくよう移動する。本実施形態における炎は、粉末の貯留部と並置されているが、マニュピュレーターが移動可能な任意の場所に位置することができる。炎82の代わりに、ヒーター、もしくは抵抗加熱器または誘導加熱器のような電熱部品のような他の熱源が用いることができる。溶融された粉末は、その後、異なる製造プロセスにおいて用いることができる。ここでの材料は溶融された粉末であるが、溶融可能な任意のタイプの材料から構成されていてもよい。
【0030】
また、マニュピュレーターは、他のタイプの製造技術にも用いることができる。図9は、パターン回路基板をアーク(電弧)切断によって製造する実施例を示す。マニュピュレーター90は、グラファイトのような反磁性材料98上に位置している。代替的な実施形態では、反磁性材料98は、図9には図示しないが従来技術において既知の他の導電体によって覆われていてもよい。マニュピュレーターは、延伸アーム92を有する。回路基板96は、回路基板を製造することができる金または銅のようなある種の導電性材料から構成されている。回路基板用の材料に限らず、放電加工に耐えうる任意の材料が使用可能なことに留意すべきである。
【0031】
2つの導電性表面間の電気的差分(electrical differential)を制御することによって、延伸アーム92の先端と回路基板96との間にアーク(電弧)を形成することができる。マニュピュレーターは、差分を発生させるパワーをマニュピュレーターに提供するため、材料98との接触を維持してもよい。パワーをマニュピュレーターに提供する他の手段が可能であり、そのような手段もここの本実施形態の範囲内に含まれる。マニュピュレーターを動かすことによって、導電性基板96の選択的な部分が除去される。選択的に回路基板を除去することによって、電気回路を形成する導電配線を残すことができる。他の実施形態は、他のプロセスと併せて、アーク切断マニュピュレーター90を用いる。例えば、上述したような液体付着プロセスは、従来のEDMにおいて一般的に用いられる薬品を減少させる油または他の液体を付着させるために用いることができる。
【0032】
アーク切断は、除去製造法(subtractive manufacturing)のカテゴリーに分類され、材料を除去することによって物品が得られる。また、マニュピュレーターは、導電配線等を形成する液体のピックおよび配置と同じような、付加製造法(additive manufacturing)を実行することもできる。また、マニュピュレーターは、構築材料(building material)または物品の外側において構造体を構築することもできる。図10から図15は、カーボンファイバーロッドからの重ね継手(lap joint or lapped joint)を構築するプロセスの実施形態を示す。重ね継手は以下に詳述されるが、任意の性質の継手(joint)が製造されてもよい。カーボンファイバーロッドの使用は1例を提供するにすぎず、構築物品は、ロッド、ファイバー、プレート、隅肉(フィレット)、梁(beam)等であってもよい。電子部品等のような他のタイプの材料が代用可能なように、他の種類の構築材料を、このプロセスまたは同様のプロセス内において、容易に代用することができる。ロッドおよびプレートレット(platelet)のような高アスペクト比(縦横比)材料または物品は、構築材料として特に好都合である。何故ならば、そのような材料または物品は、シンプルな重ね継手を用いた基材の全抗張力(full tensile strength)近くに到達する構築を可能とするからである。所与のサイズの重ね継手用に、より高いアスペクト比の材料は、継手のサイズを、非接合領域に比べて、相対的に小さくすることができる。重ね継手の長さが固定されているのであれば、強度重量比(strength-to-weight ratio)のようなパラメーターは、一般的に、アスペクト比が増加するにつれて、基材のパラメーターに近づいていく。
【0033】
図10では、製作「作業所(floor)」または表面は、反磁性表面112上にマニュピュレーター100を有している。この特定のマニュピュレーターは、浸漬先端(dip tip)102を有している。また、製作作業所は、水貯留部104と、UV接着剤貯留部106と、エポキシ樹脂貯留部108とを有している。これら貯留部は、110のようなアクセスポートを介して、浸漬先端によってアクセスされる。移動表面112の隣は、構築表面114である。図から見て取れるように、継手118のように、既に、複数の重ね継手が116のようなカーボンファイバーロッドの外側に構築されている。この実施例では、マニュピュレーター100は、エポキシ接着剤をその先端102に担持させるために、エポキシ樹脂貯留部108へ移動する。
【0034】
図11では、マニュピュレーターは構築表面へ移動し、116のような既に存在しているカーボンファイバーロッドに隣接する場所内において、エポキシ樹脂を基板114に塗る。エポキシ樹脂は、接触により、浸漬先端から構築表面に移送される。このプロセスは、特定の量のエポキシ樹脂を構築表面に移送するため、必要に応じて、複数回繰り返されてもよい。
【0035】
図12では、第2のマニュピュレーター120が作業を開始する。マニュピュレーター120は、2つのエンドエフェクター、すなわち、浸漬先端または他の液体移送デバイス122と、フォーク状のピックアップエンドエフェクター124とを有する。液体移送端部は、貯留部106からUV硬化接着剤を担持する。UV接着剤は、エポキシ樹脂よりも素早く硬化してもよく、エポキシ樹脂が硬化している間に、カーボンファイバーロッドを所定位置に取り付ける。これにより、ロッドを所定位置に素早く保持する機能を提供するだけでなく、エポキシ樹脂のより強力な接着を持たせる機能を提供することができる。
【0036】
図13では、浸漬先端は、接触により、UV接着剤を構築表面114に移送する。このプロセスは、所望の量のUV接着剤を構築表面に分注するため、必要に応じて繰り返される。図14では、マニュピュレーター120は、ピックアップエンドエフェクター124を貯留部へ向けて差し出すために、回転する。浸漬先端を有する第2のマニュピュレーターは、必ずしも必要ではないが、エポキシ樹脂をエンドエフェクターから取り除くための洗浄ステーションを必要としてもよいことに留意すべきである。先端124は、水または他の液体貯留部104内へ挿入される。
【0037】
図15では、エンドエフェクター124は、水貯留部内に浸漬し、少量の水をエンドエフェクター124の表面上にピックアップした後、スタック(積み重ね)からカーボンファイバーロッドをピックアップする。エンドエフェクター124上の水または他の液体からの表面張力は、フォーク状のエンドエフェクター124上において、カーボンファイバーロッドを「把持(grab)」および保持する。制御された方法においてカーボンファイバーロッドをより良く把持するため、親水性(濡れ性)材料の小さな平坦なまたは成形されたパッドを、フォーク状のエンドエフェクター124の端部上において用いることができる。図16では、フォーク状のエンドエフェクターは、カーボンファイバーロッド130を、UV接着剤およびエポキシ樹脂に接触するよう、所定位置に置く。ロッドは、UV接着剤がUV光の照射によって硬化するので、所定位置に保持される。図16は、所定位置に保持されているものの、UV硬化によって保持されていないロッドを示す。エンドエフェクターは、マニュピュレーターがその「位置」の場所から離れるよう動いたときに、ロッドを離すことができる。なぜならば、UV接着剤がフォーク状のエンドエフェクター124上の少量の水よりも大きな表面粘着力を有しているからである。または、UV接着剤がUV光源(図示せず)によって硬化され、さらに、マニュピュレーター120が離れる際に、凝固したUV接着剤がロッドを所定位置に堅固に保持しているからである。
【0038】
構築表面からのより長い延伸部を製造するため、同様のプロセスは、構築表面に対して垂直に傾いたロッドを用いることができる。図17は、カーボンファイバー延伸部を有する構築表面156を示す。マニュピュレーター150は、エポキシ樹脂またはUV接着剤のような接着剤を、貯留部154からピックアップ可能な浸漬先端または他の液体移送デバイス152を有している。図18は、構築表面156上に接着剤を付着させる浸漬先端を示す。このプロセスは、所望の量の接着剤を構築表面に移送するために、必要に応じて複数回繰り返される。
【0039】
図19では、管状のピックアップエンドエフェクター162を有する他のマニュピュレーター160が、カーボンファイバーロッド164をピックアップするために、自身を位置合わせしている。ピックアップエンドエフェクター162は、フレアー状に広がった端部を有し、カーボンファイバーロッド164をすくい上げ、所望の位置(場所)にカーボンファイバーロッド164を搬送するガラス管のようなチューブ(管)から構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、ピックアップエンドエフェクター162は、チューブがモーション中に落下するのを防止するため、上方にわずかに傾けられていてもよい。同じマニュピュレーターが、異なる側面に取り付けられているエンドエフェクターと共に、双方の動作に使用可能なことは留意すべきである。図20では、エンドエフェクターが、すくい上げモーションを用い、端部と端部を合わせて(end-on)、ロッド164をピックアップしている。ロッドは、ロッド先端をピックアップエンドエフェクター162の高さにおいて保持するため、わずかに上昇され、傾けられた図示しない供給台(feed platform)上に最初に載置される。他の実施形態では、供給台は、すくい上げモーション中にロッドが後方に動くことを防止するための逆転防止部材(backstop)を有している。図21は、貯留部154から接着剤を担持しているロッド164の端部を示す。図19から図23に示された実施形態では、貯留部の開口はスロットであり、マニュピュレーター160は、ロッドを貯留部から引き抜く際にロッドが落下するのを防止するため、チューブの側面に接触して保持するよう、横向きモーション(sideways motion)で動く。
【0040】
図22は、所定位置にあるロッドが、事前にマニュピュレーターが接着剤を付着した場所166において、構築表面に接触している様子を示す。接着剤は、急速乾燥UV接着剤(quicker drying UV adhesive)、または長い硬化時間を有するものの、一般的により強力な接着のエポキシ樹脂であってもよい。図23は、別のロッドを基板に接触しているロッド上にマウントするよう追加することによって、延伸部がさらに長くなっている様子を示す。ロッドまたは他の構築物品は、ピックアップされ、さらに、図15から図18に示されたように構築表面に対して平行に配置され、図19から図22に示されたように構築表面に対して垂直に配置され、または構築表面に対して特定の角度で配置することを含むこれらの間の任意の方向に配置される。
【0041】
議論は、ピックアップエンドエフェクターの異なるタイプについて言及している。マニュピュレーターの他の実施形態は、複数の自由度(degree of freedom)で動く性能を有している。図24は、そのピッチ(間隔幅)が変化するマニュピュレーターを示している。ピッチは、傾きおよび持ち上げの動きを規定する。マニュピュレーター200は、エンドエフェクターの一部として、202のようなアームおよびバー(棒)204とを有する。バー204は、低いレベルのパワーの時に、マニュピュレーターを傾けるように、重さを有していてもよい。高いレベルのパワーは、バーの(下方への)牽引力(drag of bar)に打ち勝ち、マニュピュレーターがより容易に動くことを可能とするが、低いレベルのパワーは、バーの重量がマニュピュレーターを下方に勾配させることを可能とする。図24では、バー204の重量によって、低レベルのパワーにおいて、傾きが発生しているが、他の実施形態において、アーム202の重量によって、低レベルのパワーにおいて、傾きが発生してもよい。
【0042】
例えば、図25では、高いレベルのパワーが、マニュピュレーターを所定の位置内まで移動させ、その後、パワーのレベルが減少することによって、マニュピュレーターを傾け、さらに、低いレベルのパワーで、マニュピュレーターが前方へ移動させられる。これにより、208のようなフックをロッド206の下側を通るよう位置させることができる。図26では、高いレベルのパワーが供給され、マニュピュレーターが水平になり、さらに、フック208内にロッド206をピックアップする。これは、マニュピュレーターが複数の自由度で移動可能であることを実証するものである。
【0043】
また、導電配線を介したマニュピュレーターの制御は、他のタイプの移動(動き)も可能とする。図27は、2つの制御ゾーンを有する回路基板を示す。基板240は、典型的には、既知かつ確立された製造プロセスによって製造された回路基板から構成される。本実施形態では、制御ゾーンは、配線の円形状セット242と、第1の制御ゾーンと、配線のグリッド状セット244と、第2の制御ゾーンとから構成されている。いくつかの実施例では、マニュピュレーターは、制御用の如何なる介在配線(intervening trace)も用いず、1つの制御ゾーンから他の制御ゾーンへ移行する必要があってもよい。マニュピュレーターは、弾道(ballistic)モーションを介して、これを達成する。
【0044】
図28では、マニュピュレーター250は、下方に回路基板240が配置されている第1の表面上にある。第1の表面は、第1の制御ゾーン246に対応する。所望のシステムの目標は、マニュピュレーターを、図27の回路基板の矩形部上方に配置された第2の制御ゾーン248へ移動させることである。マニュピュレーター250を極めて早いスピードで移動させるため、第1の制御ゾーンの下部の配線が駆動される。正確な時間において、第1の制御ゾーン内の配線がオフされ、図29に示すように、第1の制御ゾーンからマニュピュレーターを退出させる。図30では、マニュピュレーター250は、第2のゾーン248内に横断するのに十分な速度を有している。その後、制御ゾーン248は、マニュピュレーターの操作を引き継ぐ。この方法では、マニュピュレーターは制御ゾーン間(本実施例では、右側のグラファイトと、左側の銅に覆われたグラファイトとの間の材料の境界)を横断する。
【0045】
マニュピュレーターのこれらのタイプの適応性およびスケールについて、制限はほとんどない。図31から図33は、協働性のマニュピュレーターの他の実施例を示す。2つのマニュピュレーターを用いたカーボンロッド構築の実施例と同様に、マニュピュレーターは、異なるタスクを実行または異なる材料を使用するのみでなくそれ以上の実質的な協働をすることができる。図31では、回路基板は、傾斜台(ramp)262を有する第1のマニュピュレーター260を有している。第2のマニュピュレーター264は、浸漬先端エンドエフェクター266を有している。これらは単に例示であり、これにより限定されず、また、限定を暗示するものでもないことを留意すべきである。
【0046】
第1のマニュピュレーター260は、他のマニュピュレーター264が傾斜台262を使用可能とするよう、傾斜台262を位置させる。図32は、傾斜台262上の第2のマニュピュレーター264を示す。これにより、第2のマニュピュレーターのエンドエフェクターが、取りうる他の状態よりも、空中において高い位置に持ち上げられる。その後、第1のマニュピュレーターは移動し、図33に示すように、第2のマニュピュレーター2を移送する。特定の実施形態によっては、第2のマニュピュレーターは、第1のマニュピュレーターの加重を減少させるために第1のマヒュピュレーターと共に移動するよう、プリント回路基板配線(printed circuit board traces)によって駆動される。もしくは、第2のマニュピュレーターは、非駆動荷重(undriven load)として移送されてもよい。
【0047】
また、マニュピュレーターは、他のタスクを達成してもよい。浮上マニュピュレーターを用いて、再現性があり、正確なモーションが可能なので、マニュピュレーターは測定および感知(センシング)機能を提供してもよい。例えば、図34は、秤皿(weighing pan:ウェーイングパン)282を有する浮上マニュピュレーター280を示す。秤辺(counterbalance)284は、平衡を提供し、さらに、測定光学ビームを遮るために、他端部に位置している。質量(mass)が秤辺内に載置されているとき、浮上マニュピュレーター280は、加重されていないマニュピュレーターと比較して、わずかに傾いており、さらに、わずかな距離を通過するマニュピュレーターの軌道が測定可能であり、加重されていないマニュピュレーターの軌道との比較によって、質量を測定することができる。10マイクログラムと同程度に小さい質量を計量するためのマニュピュレーターの機能を持たせることが見積もれる。さらに、追加的な利益は、マニュピュレーターは正確な測定を行うために停止する必要がないことにある。
【0048】
軌道を測定することは、複数の方法によって達成することができる。図35は、測定システム290の上面図を示す。測定システム290内では、IR放射部294は、光検出器296に向かって、光のビームを射出する。マニュピュレーター298またはマニュピュレーター284上の秤辺上の羽根(フィン)が、光のビームを部分的に遮断したとき、マニュピュレーターの位置および軌道が、光センサー292によって測定される。1つの実施形態では、秤辺284の上面がおおよそ光学ビームの中点または中間の高さの領域を通過し、ビームを通過する(横切る)秤辺284の上面の高さが測定される。秤辺284の上面の高さは、秤皿282内の重さに依存するマニュピュレーター298の傾きに依存するので、重さが測定される。これは、測定システムの1つの可能性にすぎず、多くの他のシステムが可能である。
【0049】
この方法では、反磁性浮上マニュピュレーターは、多くの異なる動きのモードによってタスクを扱う多くの異なる材料を実行させている。ここでの反磁性浮上マニュピュレーターは、マイクロまたはミリメートルスケール上の全てを含む全てのマイクロマニュピュレーターであって、特定のサイズに限定されず、また、そのような限定を暗示するものではない。これらのデバイスのスケールは、数およびサイズの双方の意である。
【0050】
上記開示された他の特徴および機能、もしくは、それらの代替手段が、多くの異なるシステムや応用において、適切に組み合わせ可能なことは十分に理解されるであろう。また、現在予測していないまたは予期せぬ様々な代替手段、変更、バリエーション、またはこれらの改良が、以降、当該技術分野において知識を有するものによって為されるであろうが、それらも同様に、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内である。
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