【文献】
Huawei, HiSilicon,Pilot design for DL 4-branch MIMO[online],3GPP TSG-RAN WG1#66b,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66b/Docs/R1-112978.zip>,2011年10月10日,R1-112978
【文献】
InterDigital Communications, LLC,Pilot design for four branch MIMO transmission for HSDPA[online],3GPP TSG-RAN WG1#67,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_67/Docs/R1-114172.zip>,2011年11月14日,R1-114172
【文献】
Huawei, HiSilicon,Initial evaluation results for pilot design[online],3GPP TSG-RAN WG1#67,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_67/Docs/R1-113846.zip>,2011年11月14日,R1-113846
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記復調パイロット信号を前記受信ノード(420)へ送信する工程(760)は、前記データ送信時間に合わせて各復調パイロット信号を送信する工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記送信ノード(410)から送信された前記複数の共通パイロット信号に基づいてフィードバックを前記受信ノード(420)から受信する工程(720)を更に有し、前記フィードバックは前記送信ノード(410)と前記受信ノード(420)との間のチャネルのチャネル状態情報を含み、
前記受信ノード(420)においてデータ復調が改善されるか否かを判定する工程(730)は、前記チャネル状態情報に基づいて前記受信ノード(420)において前記データ復調が前記チャネル状態情報に基づいて改善されるか否かを判定する工程を含み、
前記チャネル状態情報はプレコーディング制御指示とランク指示を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
前記受信ノード(420)において前記データ復調が改善されると判定された場合、前記構成提供器(520)は前記受信ノード(420)へ構成メッセージを送信するように構成され、
前記構成メッセージは前記共通パイロット信号と前記復調パイロット信号を監視するように前記受信ノード(420)に通知し、
前記構成提供器(520)は物理層の上位の通信層と共通制御チャネルのうちの一方か両方を介して前記構成メッセージを送信する、請求項9または10に記載の送信ノード。
前記パイロット送信器(510)から送信された前記複数の共通パイロット信号に基づいてフィードバックを前記受信ノード(420)から受信するように構成されたフィードバック受信器(540)を更に有し、前記フィードバックは前記送信ノード(410)と前記受信ノード(420)との間のチャネルのチャネル状態情報を含み、
前記構成提供器(520)は前記チャネル状態情報に基づいて前記受信ノード(420)において前記データ復調が改善されるか否かを判定するように構成され、
前記チャネル状態情報はプレコーディング制御指示とランク指示を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の送信ノード。
【背景技術】
【0003】
MIMO(多入力多出力)システムは、無線通信システムの性能及び通信容量を改善(enhanced)できる。MIMOは、多重送信アンテナ及び多重受信アンテナを使用してデータの送信及び/又は受信効率を改善するため、多重アンテナシステムとも呼ばれる。MIMO技術は、空間多重化、送信ダイバーシチ及びビームフォーミング等を含む。
【0004】
空間多重化では、独立したシンボルストリームが基地局(例えば、BTS、eNodeB、eNB等)等の送信ノードの異なるアンテナにおいて同一の周波数帯域幅で送信される。これにより、システムの帯域幅を増加することなく高いレートでデータを送信できる。送信ダイバーシチでは、同一のデータが送信アンテナから送信される。送信ノードにおいて時空間符号を使用することで、受信ノード(例えば、UE)における検出されるシンボルの信頼性を、送信ダイバーシチを利用することにより改善できる。ビームフォーミングは、通常は、多重アンテナにおけるチャネル状態に従って重み値を付加することにより信号のSINR(信号対干渉雑音比)を増加するために使用される。重み値は、重みベクトル又は重み行列により表されてもよく、プリコーディングベクトル又はプリコーディング行列とも呼ばれる。
【0005】
3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)LTE(ロング ターム エヴォリューション)、UMTS(ユニバーサル移動通信システム)、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)及びWiMax(Worldwide Interoprability for Microwave Access)システム等の実際の無線システムにおいて、性能を改善させるために、送信ノードと受信ノードとの間のチャネルの知識が使用される。チャネル知識は、受信ノードから送信ノードへのフィードバックを介して、送信ノードで利用できるようになる。MIMO(多入力多出力)送信ノードは、プリコーディングを使用してシステム性能を改善させるために、当該チャネル情報を利用できる。ビームフォーミング利得に加えて、プリコーディングを使用することにより、チャネル行列の状態が悪いという問題が回避される。
【0006】
HSDPA、UMTS及びLTE等の無線システムにおいて、UE(ユーザ装置)に高いデータレートを提供するために、プリコーディング及び/又はビームフォーミング技術を用いる多重アンテナを採用できる。これらのシステムにおいて、基地局は、UEが事前に既知である1つ以上の所定の信号を送信する。これらの既知の信号をパイロット信号(例えば、UMTSにおいて)又は参照信号(例えば、LTEにおいて)と呼ぶ場合がある。例えばLTE Release 10において、復調参照信号(DM−RS)と呼ばれる最大8個のUE別参照信号がチャネル復調のために導入される。これらの参照信号は、OFDM時間−周波数グリッド内の所定の位置に挿入され、UEがダウンリンクチャネルを推定することによりコヒーレントなチャネル復調を実行できるようにする。説明を簡潔にするために、そのような既知の信号をパイロット信号又は単にパイロットと呼ぶ。
【0007】
基地局により送信されるパイロット信号に対する別のMIMO機能は、UEがパイロット信号を検出し、検出されたパイロット信号に基づいて基地局にCSI(チャネル状態情報)推定をフィードバックすることである。CSIは、信号が送信ノードから受信ノードに伝搬する方法を記述する通信リンクの既知のチャネル特性を示し、例えば散乱、フェーディング及び距離に応じる電力減衰の複合的影響を表す。CSI推定に基づいて、基地局はダウンリンク送信を現在のチャネル状態に適応させることができる。これは、マルチアンテナシステムにおける高いデータレートでの信頼性の高い通信にとって重要である。基地局とUEとの間の各MIMOチャネルは、各自のCSI推定を必要とする。
【0008】
実際、例えばFDD(周波数分割多重)システムの場合、完全なCSIを取得するのは困難である場合がある。そのようなシステムにおいて、何らかの種類のCSI知識が受信ノードからのフィードバックを介して送信ノードで使用できる場合がある。これらのシステムを限定的フィードバックシステムと呼ぶ。コードブック利用フィードバック及び量子化チャネルフィードバック等の限定的フィードバックシステムの多くの実現例が存在する。3GPP LTE、HSDPA及びWiMAXは、プリコーディングに対してコードブック利用フィードバックCSIを推奨する。
【0009】
コードブック利用プリコーディングにおいて、事前に定義されたコードブックが送信ノード及び受信ノードの双方において定義される。コードブックのエントリは、グラスマン、Llyodアルゴリズム、DFT行列等の異なる方法を使用して構成可能である。多くの場合、プリコーダ行列は、NR×NTMIMOチャネル行列H(N
Rは受信ノードにおける受信アンテナの数であり、N
Tは送信ノードにおける送信アンテナの数である)の特徴に一致するように選択され、その結果、いわゆるチャネル依存プリコーディングが行われる。これは、一般に閉ループプリコーディングとも呼ばれ、基本的に、送信されるエネルギーの多くをUEに伝達するという意味で強力である信号部分空間に送信エネルギーを集中させようとする。この場合の信号部分空間は、空間、時間、周波数、符号等を含む任意の次元数で定義される信号空間の部分空間である。
【0010】
更に、プリコーダ行列は、チャネルを直交させようとするために更に選択されてもよく、すなわち、UEにおける適切な線形等化の後、レイヤ間干渉が低減される。受信ノードにおいて、異なるコードブックエントリを用いてSINRを取得し、最も高いスペクトル効率(チャネル容量とも呼ぶ)を得られるランク及び/又はプリコーディングインデックスを選択することは一般的である。この場合、ランクは、送信ノードから受信ノードへ同時に送信可能であるデータストリームの数を示す。
【0011】
一般に、閉ループMIMOシステムの性能はコードブックセットの濃度(サイズ)と共に改善する。受信ノードにおいて、RI(ランク情報)及びPCI(プリコーディング制御インデックス)は、TTI(送信時間間隔)又は複数のTTI(例えば、LTEにおいて5TTIであり、HSDPAにおいて1/3TTI)毎に送信ノードに送出される。
【0012】
既存のUMTS、LTE及び他のシステム(例えば、WiMax、802.11(n)等)は、最大で2×2MIMO送信(最大NR=2、最大NT=2)をサポートする。これは、基地局が2つの空間レイヤの各々を推定するか又は特徴付けるために2つのチャネルパイロットを取得する必要があることを意味する。4×4MIMO送信をサポートするためには、基地局は4つの空間レイヤの各々を推定するか又は特徴付けるために4つのチャネルパイロットを取得する必要がある。既存又は従来のLTEシステムと比較して、2つの新規のMIMOチャネルに対するチャネル復調及びCSI推定を実行するために、2つの新規のパイロット信号が定義される必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
限定するためではなく説明する目的で、特定のアーキテクチャ、インタフェース及び技術等の特定の詳細を記載する。しかし、本明細書中で説明される技術がそれらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実現されてもよいことは当業者には明らかだろう。すなわち、本明細書中で明示的に説明又は示されないが、説明される技術の原理を実現する種々の構成を当業者は考案できるだろう。
【0022】
いくつかの例において、不必要な詳細により説明を不明瞭にしないために、周知の装置、回路及び方法の詳細な説明を省略する。原理、態様、実施形態及び例を示す本明細書中の全ての記述は、構造的等価物及び機能的等価物の双方を含むことを意図する。更に、そのような等価物は、現在既知である等価物と、将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同一の機能を実行する開発される何らかの要素との双方を含むことを意図する。
【0023】
従って、例えば本明細書中のブロック図が技術の原理を実現する例示的な回路網の概念図を表すことができることは明らかだろう。同様に、全てのフローチャート、状態遷移図及び疑似コード等は、コンピュータ可読媒体において実質的に表され且つコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かに関わらずそのようなコンピュータ又はプロセッサにより実行されてもよい種々の処理を表すことは明らかだろう。
【0024】
「プロセッサ」又は「制御器」として示されるか又は説明される機能ブロックを含む種々の要素の機能は、専用ハードウェア及び関連するソフトウェアを実行できるハードウェアの利用を通じて提供されてもよい。プロセッサにより提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、あるいはいくつかが共有又は分散されてもよい複数の個別のプロセッサにより提供されてもよい。
【0025】
説明される機能は、ハードウェア回路網(例えば、特殊化した機能を実行するために相互接続されるアナログ及び/又は個別論理ゲート、ASIC、PLA等)を使用して、且つ/あるいは1つ以上のデジタルマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと関連してソフトウェアプログラム及びデータを使用して、1つ以上のノードにおいて実現されてもよいことが当業者には明らかだろう。エアインタフェースを使用して通信するノードは、適切な無線通信回路網を更に有する。更に、技術は、本明細書中で説明する技術をプロセッサに実行させる適切なコンピュータ命令セットを含む固体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等の何らかの形態のコンピュータ可読メモリ内で完全に実現されると更に考えられる。
【0026】
ハードウェアでの実現例は、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、縮小命令セットプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むがそれらに限定されないハードウェア(例えば、デジタル又はアナログ)回路網、並びにそのような機能を実行できる状態機械(適切である場合)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0027】
コンピュータの実現例に関して、コンピュータは、一般に、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上の制御器を備えると理解されるべきであり、用語「コンピュータ」、「プロセッサ」及び「制御器」は交換可能に使用されてもよい。コンピュータ、プロセッサ又は制御器により提供される場合、機能は、単一の専用コンピュータ、プロセッサ又は制御器により提供されてもよく、単一の共有コンピュータ、プロセッサ又は制御器により提供されてもよく、いくつかが共有又は分散されてもよい複数の個別のコンピュータ、プロセッサ又は制御器により提供されてもよい。更に、用語「プロセッサ」又は「制御器」は、上述のハードウェアの例のように、そのような機能を実行し且つ/又はソフトウェアを実行できる他のハードウェアを更に示す。
【0028】
セルは基地局に関連付けられ、基地局は、一般的な意味で、ダウンリンク(DL)で無線信号を送信し且つ/又はアップリンク(UL)で無線信号を受信する何らかのノードを備える。上述のように、基地局の例は、NodeB、eNodeB、eNB、マクロ/ミクロ/ピコ無線基地局、ホームeNodeB、中継器、リピータ、センサ、送信専用無線ノード又は受信専用無線ノードである。基地局は、1つ以上の周波数、搬送周波数又は周波数帯域で動作するか又は少なくとも測定を実行してもよく、搬送波を集約できてもよい。これは、シングル無線アクセス技術(RAT)、マルチRAT、あるいは例えば異なるRATに対して同一の又は異なるベースバンドモジュールを使用するマルチスタンダードノードであってもよい。
【0029】
UEに対して説明するが、「UE」は、ULにおける信号の送信とDLにおける信号の受信及び/又は測定との少なくとも一方を可能にする無線インタフェースを備えるどんな無線装置又はノードも含む限定しない用語であることが当業者には理解されるべきである。一般的な意味におけるUEのいくつかの例は、PDA、ラップトップ、モバイル、センサ、固定中継器、移動中継器、無線ネットワークノード(例えば、LMU又はフェムト基地局、あるいは端末技術を使用する小型基地局)である。本明細書中のUEは、1つ以上の周波数、搬送周波数、成分搬送波又は周波数帯域において動作するか又は少なくとも測定を実行できるUE(一般的な意味で)を含んでもよい。これは、シングルRAT又はマルチRAT又はマルチスタンダードモードで動作する「UE」であってもよい(例えば、デュアルモードUEの一例は、WiFi又はLTEのいずれか一方又はそれらの組み合わせで動作してもよい)。
【0030】
説明される信号伝送は、直接リンク又は論理リンクのいずれを介してもよい(例えば、上位層プロトコルを介し且つ/又は1つ以上のネットワークノードを介してもよい)。例えば調整ノードからの信号伝送は、例えば無線ノードである別のネットワークノードを通過してもよい。
【0031】
限定しない例を説明するために、本明細書中で説明する実施形態は、独立した実施形態として考慮されてもよく、あるいは互いに組み合わされて考慮されてもよい。
【0032】
本文書において、例えばHSDPA、WCDMA、LTE、LTE−Aである3GPP用語は、説明するための例として使用される。尚、本明細書中で説明する技術は、例えばWiMAX、UMB、GSM、cdma2000、1xEVDO、無線LAN、WiFi等である3GPPでない規格に適用可能である。従って、本発明の目的は、3GPP無線ネットワークシステムの集合に限定されず、無線通信システムの多くの分野を含むことができる。また、説明される方法が実行可能である受信ノードの一例として、無線端末(例えば、UE、ラップトップ、PDA、スマートフォン、移動端末等)が使用される。すなわち、説明は一般にダウンリンク送信を中心とする。しかし、本発明は、アップリンク送信に同様に適用可能である。すなわち、本発明は、無線信号を受信する基地局(例えば、RBS、NodeB、eNodeB、eNB等)及び中継局を含むネットワークのどんなノードにも適用可能である。
【0033】
上述のように、多くの既存のシステムは、最大で2×2MIMO送信をサポートする(便宜上、「レガシー」システムと呼ぶ)。4×4MIMO送信をサポートするために(便宜上、「非レガシー」システムと呼ぶ)、2つの新規のパイロット信号、すなわち第3及び第4のパイロット信号が、追加のMIMOチャネルに対するチャネル復調及びCSI推定を実行するために定義される。
【0034】
レガシーUEにとって、第3及び第4のパイロット信号は望ましくない。第1に、第3及び第4のパイロットでエネルギーを使用できるようにすることにより、レガシーUEに対するHS−PDSCHスケジューリングに使用できるエネルギー量が減少する。第2に、第3及び第4のパイロットは、第1及び第2のパイロットしか使用できないレガシーUEに対して干渉を発生させる場合がある。従って、レガシーUE(非4TxUE)に対する性能の影響を最小限にするために、第3及び第4のパイロットの電力を低い値に減少することが望ましい。従って、第1及び第2のパイロットは、相対的に高い電力(例えば、それぞれ−10dB、−13dB)で送信されてもよく、第3及び第4のパイロットは相対的に低い電力(例えば、−22dB)で送信されてもよい。
【0035】
しかし、第3及び第4のパイロットの電力が最小限である場合、4TxUEの復調性能に悪影響が及ぶ場合がある。
図1は、4×4MIMOシステムにおいて、3つの異なるジオメトリ(Geometry)の場合の非レガシーUEに対する第3及び第4のパイロットのパイロット電力の関数として、リンクレベルスループットの一例を示す。20dB等の高いジオメトリは、UEが存在する環境が相対的にクリーンである(C/I(搬送波対干渉比)が高い)ことを示し、0dB等の低いジオメトリは、UEが相対的にノイズの多い環境に存在することを示す。
図1において、第1及び第2のパイロットのパイロット電力はそれぞれ−10dB及び−13dBに保持されていると仮定する。
【0036】
第3及び第4のパイロット電力が減少するにつれて、非レガシーUEの性能が低下することがわかる。低下は、高いジオメトリ(例えば、20dB)において著しい。これは、高いジオメトリでは、大量のパイロット電力エネルギーを必要とするランク3及びランク4の送信であり且つ/又はデータレートが高い可能性が高いためである。それに対して、低いジオメトリ(例えば、0dB)で行われる低いデータレート及び/又はランクの選択(例えば、ランク1及び2)は、少ない量のパイロットエネルギーで復調可能である。従って、4TxUEが高いランクで高いデータレートを復調する場合、高いパイロット電力が望ましい。
【0037】
通常、各パイロット信号は、対応するアンテナポートにおいて送信される。従って、4Tx送信ノードは、第1、第2、第3及び第4のパイロット信号を対応する第1、第2、第3及び第4のアンテナポートにおいて送信できる。本発明の1つの態様において、状況により保証される場合に第3及び/又は第4のアンテナポートから送信されるパイロット電力が増加されることが提案される。例えば第3及び/又は第4のアンテナポートからのパイロット電力は、以下の場合に増加されてもよい。
・UEが非レガシーUEである(すなわち、第3及び/又は第4のアンテナポートから送信されるパイロット信号を使用できる)
・UEが高いレートでデータを復調する(UEが相対的にクリーンな環境に存在する(ジオメトリが高い)場合等)
それに対して、第3及び第4のアンテナポートからのパイロット電力を減少できる場合の例を以下に示す。
【0038】
・UEがレガシーUEである場合
・UEのランクが低い場合(例えば、ランク1又は2)
・UEが低いデータレートにスケジュールされる場合(例えば、音声)
【0039】
1つ以上の態様において、状況により保証される場合に第3及び第4のアンテナポートから送信されるパイロット信号の電力が増加又は減少されることが提案される。1つの態様において、送信ノードは、受信ノードとの通信に関連付けられる1つ以上の条件を判定する。その判定された条件に基づいて、受信ノードは、送信ノードから送信される共通パイロット(又は参照)信号及び復調パイロット(又は参照)信号の一方又は双方を受信するように構成されてもよい。1つの例において、受信ノードは、共通パイロット信号のみを受信するように構成されてもよい。別の例において、受信ノードは、共通パイロット信号及び復調パイロット信号の双方を受信するように構成されてもよい。1つの実施形態において、送信ノードが受信ノードを構成してもよく、別の実施形態において、受信ノードが自身を構成してもよい。
【0040】
共通パイロット信号及び復調パイロット信号の一方又は双方を選択的に監視するように受信ノードを構成することにより、受信ノードにおいて所望の復調性能を達成できると同時に、受信ノードと同一の構成及び/又は機能を有さない場合がある例えばレガシーUEである他の無線ノードに対する干渉を低減できるか又は最小限にできる。
【0041】
有利な適用例は、基地局等の無線ネットワークノードとUEとの間のMIMO通信に対する。1つ以上の条件の限定しない例は、MIMO通信に関連するMIMOランク、UEに関連する信号品質(例えば、ジオメトリ、S(I)NR、パス損失等)及び/又はMIMO通信に関連するデータレートのうちの1つ以上を含む。
【0042】
一実施形態において、UEは、UEが所望のデータ復調及び無線ネットワークノードにフィードバックされるCSI推定を実行できる電力レベルの共通パイロットを使用するように構成されてもよい。別の実施形態において、UEは、データ復調に1つ以上の復調パイロットを使用し且つ無線ネットワークノードにフィードバックされるCSI推定に1つ以上の共通パイロットを使用するように構成されてもよい。
【0043】
更に別の実施形態において、UEは、1つ以上のアンテナで1つ以上の復調パイロットを受信し且つ1つ以上の他のアンテナで共通パイロットを受信するように構成されてもよい。復調パイロット信号は復調に使用されてもよく、共通パイロット信号は、単独で又は復調パイロット信号と組み合わされてCSI推定に使用されてもよい。
【0044】
受信ノード(例えば、ダウンリンクにおけるUE)は、無線ネットワークノードにより種々の方法で構成されてもよい。限定しない例は、無線リソース制御(RRC)信号伝送等の無線送信ノード及び/又はネットワークノードからの適切な既存及び/又は新規の信号伝送、あるいは高速共有制御チャネル(HS−SCCH)オーダ等の制御チャネルのフラグビット等を介することを含む。
【0045】
図2及び
図3は、本発明の1つの態様に係る双方がMIMO対応である基地局200(無線送信ノードの一例)及びUE300(無線受信ノードの一例)の一例を示すブロック図である。基地局200は、MIMOがUE300に対してオン又はオフにされる必要があるかをUE300に直接信号伝送するように構成されてもよく、且つ/あるいは、UE300が当該判定を行えるように構成されてもよい。前者は、基地局200とUE300との間に物理層の信号伝送を導入することにより達成されてもよく、この場合、基地局200は、MIMOに関連する特徴の一部又は全てを有効/無効にするようにUE300を構成する。
【0046】
基地局200は、データ入力210と、データ入力210からデータを受信し且つ異なる送信機260(1)〜260(i)を介して送信可能なデータにデータを処理するように構成された送信(Tx)プロセッサ220とを含んでもよい。送信プロセッサ220は、データ、信号伝送及びパイロットシンボルを複数のストリームに多重分離するように構成されてもよく、これらは、例えば2Tx、4Tx等である特定のMIMOモードに従って複数の送信機260(1)〜260(i)に供給される。基地局200は、UE300からデータを受信するように構成された多くの受信機270(1)〜270(j)を更に含むことができる。受信データは、受信信号のMIMOモードを検出し且つUE300により送出されたフィードバック情報及びトラフィックデータを回復するように構成された受信(Rx)プロセッサ240に転送される。受信プロセッサ240は、何らかの所望の方法で受信データに更なる処理250を実行するように更に構成されてもよく且つ/又は更なる処理250に対してデータを出力できる。制御器230は、プログラムコード及びデータを格納するメモリ280を用いて基地局200内の異なる装置を制御するように構成される。制御器230は、例えば無線ネットワーク制御器(RNC)、UE300又は内部から受信できる1つ以上の条件又はパラメータに基づいて、MIMOモード、並びに1つ以上の判定された条件又はパラメータに最適なUE300に対する所望のパイロット構成を判定するように構成されてもよい。
【0047】
基地局200全体がハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現されるように、基地局200の各構成要素、すなわち、データ入力210、送信プロセッサ220、制御器230、受信プロセッサ240、更なるプロセッサ250、送信機260(1)〜260(i)、受信機270(1)〜270(j)及びメモリ280は、ハードウェア、ソフトウェア(ファームウェアを含む)又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現されてもよい。
【0048】
UE300は、Txプロセッサ320においてデータを処理することにより送信されるデータを提供するように構成されたデータ入力310を含んでもよい。データは、MIMOモードに従って変調及び分割され、複数の送信機360(1)〜360(k)に転送される。UE300は、CQIを含む(場合によっては、ACK/NACK情報等の他の情報を更に含む)フィードバック情報を基地局200に送出する。フィードバックデータは、Txプロセッサ320において処理され、送信機360(1)〜360(k)を使用して送出される。基地局200からのデータは、多くの受信機370(1)〜370(l)において受信され、受信したパイロット信号に基づいてチャネル応答を推定し且つチャネル推定を提供するように構成されたRxプロセッサ340に転送される。Rxプロセッサ340は、受信データのMIMO機能を検出し且つ受信信号の逆スクランブル、逆拡散、復号等の更なる処理350を実行するように更に構成されてもよく、且つ/あるいは、更なる処理に対してデータを出力できる。UE300は、プログラムコード及び/又はデータを格納するメモリ380接続され且つUE300の動作を制御するように構成された制御器330を更に備えてもよい。
【0049】
UE300全体がハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現されるように、UE300の各構成要素、すなわち、データ入力310、Txプロセッサ320、制御器330、Rxプロセッサ340、更なるプロセッサ350、送信機360(1)〜360(k)、受信機370(1)〜370(l)及びメモリ380は、ハードウェア、ソフトウェア(ファームウェアを含む)又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現されてもよい。
【0050】
図4は、本発明の1つの態様に係るマルチアンテナ無線通信システム400の2つのノード、すなわち送信ノード410と受信ノード420との間で交換される一連のメッセージの一例を示す。ダウンリンクにおいて、送信ノード410は基地局(例えば、eNodeB)であってもよく、受信ノード420は無線端末(例えば、UE)であってもよい。本例では、通常の呼設定の間にeNodeBとUEとの間で交換されるメッセージを示す。
【0051】
eNodeB410により共通パイロットチャネル(例えば、P−CPICH、S−CPICH)で送信された信号から、UE420はチャネルを推定し、チャネル品質情報及びプリコーディングチャネル指標を計算する。UE420は、フィードバックチャネルでハイブリッドARQのACK/NAKと共に当該情報をフィードバックとしてeNodeB410に報告する。例えばUE420がRI及び対応するPCIを判定すると、情報はフィードバックチャネル(例えば、HS−DPCCH)を介してeNodeB410に送出される。通常、HS−DPCCHの周期は1つのサブフレーム(2ミリ秒)である。
【0052】
フィードバック情報を受信すると、eNodeB410は、ランク、変調、トランスポートブロックサイズ、及びデータトラフィックに対するPCI、を判定する。当該情報は、ダウンリンク制御チャネル(例えば、HS−SCCH)を介して伝達される。制御チャネルで送信される制御情報はスケジューリング情報を含み、すなわち、UE420は、UE420に対して確保されたダウンリンクリソース(時間、周波数、データトラフィックチャネル(例えばHS−PDSCH)のコードの何らかの組み合わせ)を通知される。UE420へ制御情報を送信した後、eNodeB410はデータトラフィックチャネルでUE420へダウンリンクデータを送信する。
【0053】
本態様において、パイロット信号(又はLTEにおける参照信号)を送信する場合、eNodeB410は常に共通パイロットを送信する。例えばLTEを実現する4×4MIMOにおいて、eNodeB410は、各アンテナから1つずつの4つの共通パイロット信号を送信する。第1及び第2の共通パイロット(例えば、プライマリ共通パイロットとも呼ばれるP−CPICH及び第1のセカンダリ共通パイロットとも呼ばれる第1のS−CPICH)はそれぞれ、第1及び第2のアンテナから相対的に高い電力(例えば、−10dB及び−13dB)で送信される。第1及び第2の共通パイロットは、レガシー受信ノード(例えば、2×2MIMO対応)及び非レガシー受信ノード(例えば、4×4MIMO対応)の双方により識別されてもよい。これらはレガシー受信ノードにより識別されるため、それらをレガシー共通パイロット信号とも呼ぶ。
【0054】
第3及び第4の共通パイロット(例えば、第2及び第3のセカンダリ共通パイロットと呼んでもよい第2及び第3のS−CPICH)は、相対的に低い電力(例えば、−22dB)で第3及び第4のアンテナから送信される。これらの電力の低い共通パイロット信号は、非レガシー受信ノードにより識別されるがレガシー受信ノードにより識別されなくてもよい。従って、そのような信号を非レガシー共通パイロット信号と呼んでもよい。
【0055】
上述のように、非レガシー共通パイロットは、レガシーノードに対して有用でなく、実際は干渉であるため、相対的に低い電力で送信される。従って、レガシー端末がeNodeB410からデータを受信するようにスケジュールされる場合、非レガシー共通パイロットの干渉効果は最小限である必要がある。しかし、
図1に関して説明したように、非レガシーUEがデータを受信するようにスケジュールされる場合、特定の状況において、非レガシー共通パイロットの電力が低いことが実際は不利になる場合がある。
【0056】
しかし、本発明の1つの態様において、この問題は、復調パイロット信号を使用することにより解決される。例えば、
図4のUE420が非レガシー受信ノードであり、例えば4×4MIMO対応であると仮定する。UE420が相対的にクリーンな環境に存在する(例えば、SINRが高い、ジオメトリが高い等)とUE420からのフィードバックが示す場合、eNodeB410は、UE420における復調性能を改善させるために、共通パイロット信号に加えて復調パイロット信号を提供できる。復調パイロット信号を提供する前に、eNodeB410は、復調パイロットがUE420に対してスケジュールされたダウンリンクリソースでデータと共に送信されるという何らかの指示を制御チャネル(例えば、HS−SCCH)におけるダウンリンク制御情報内で提供してもよい。指示は、明示的又は暗示的であってもよい(ランク、プリコーディングインデックス、MCS、トランスポートブロックサイズ等)。復調パイロットは、UE420のデータ復調性能を改善できる。
【0057】
送信される復調パイロット信号の数は、非レガシー共通パイロット信号の数以下である。それらの数は等しいのが好ましい。また、各復調パイロット信号は、非レガシー共通パイロット信号の1つを送信するために使用されるアンテナから送信されるのが好ましい。例えば第1の復調パイロットは、第3の共通パイロット信号を送信するために使用される第3のアンテナから送信されてもよく、第2の復調パイロットは、第4の共通パイロット信号を送信するために使用される第4のアンテナから送信されてもよい。
【0058】
同一のアンテナから復調パイロットを送信することにより、それらのアンテナから送信されるパイロット電力が効果的に増加される。
図1において、ジオメトリの高い(例えば、20dB)非レガシーUE420の場合、第3及び第4のパイロット電力が高いほどスループットが大幅に改善する。これは主に、UE420におけるデータ復調が改善したことによるものである。
【0059】
eNodeB410は、必要に応じて復調パイロットを送信する。例えばレガシーUEにデータを送信する間は復調パイロットが送信される必要はない。また、非レガシーUEの場合であっても、状況により保証されない場合(例えば、UEがノイズの多い環境に存在する場合、送信されるデータの種類が高いスループットを必要としない場合等)、復調パイロットが送信される必要はない。
【0060】
しかし、状況により保証される場合、eNodeB410はUE420に復調パイロットを送信する。一実施形態において、復調パイロットは、UE420を許可するためにデータ送信の間に送信されてもよい。すなわち、UE420は、UE420がデータを受信するようにスケジュールされる時間フレーム中に復調パイロットが存在すると仮定してもよい。例えばHSDPAにおいて、復調パイロットがUE420に対して有効にされる場合、UE420が共有リソースを受信するようにスケジュールされる共有チャネルTTI内に復調パイロットが存在すると仮定してもよい。その代わりに又はそれに加えて、復調パイロットの送信は、UE420が用意できるようにするために、データ送信の直前に開始してもよい。
【0061】
1つの実施形態において、復調パイロットは、特にUE420専用にされてもよい。例えば復調パイロットは、UE420に対して符号化され且つ/又はビームフォーミングされてもよい。
【0062】
しかし、別の実施形態において、復調パイロットは、何らかの特定のUEに対して特に符号化又はビームフォーミングされる必要がない。すなわち、復調パイロットは、eNodeB410に関連するセル(又はセクタ)全体にわたり受信されてもよい。また、復調パイロットは、プリコーディングされる必要がない。更に、プライマリスクランブリングコード等の共通パイロット信号をスクランブルするために使用されるのと同一のスクランブリングコードにより復調パイロットをスクランブルすることができる。
【0063】
尚、復調パイロットがスケジュールされたデータ送信と同時にUE420へ送信される場合、それにより、復調パイロットは効果的にUE420専用にされる。従って、復調パイロット信号が特に符号化又はビームフォーミングされない場合でも、復調パイロットはUE420専用であると見ることができる。
【0064】
尚、用語「レガシー」及び「非レガシー」は相対的な用語であり、2×2MIMO対応装置及び4×4MIMO対応装置のみを意味するように限定されると考えられるべきではない。例えば4×4MIMO対応装置は、8×8MIMO対応装置から見た場合にレガシー装置である。この場合、8×8MIMO対応送信ノードは、8つの共通パイロットを送信してもよく、そのうちの4つが4×4MIMO対応受信ノードにより識別されてもよく、4つが識別されなくてもよい。
【0065】
上述のように、ダウンリンクにおいて、eNodeB410はデータ送信ノードであり、UE420はデータ受信ノードである。尚、アップリンクにおいて、役割は逆転する。すなわち、eNodeBは受信ノードであり、UEは送信ノードである。尚、本発明のいくつか又は全ての態様は、アップリンクにおいて同様に適用可能である。
【0066】
図5は、マルチアンテナ送信が可能な無線ネットワーク400の送信ノード410の一実施形態を示す。図から分かるように、送信ノード410は、パイロット送信器510、構成提供器520、データ送信器530及びフィードバック受信器540を含んでもよい。
図5は、送信ノード410及びそれに含まれる装置の論理ビューを提供する。厳密には、各装置が他の装置から物理的に分離される必要はない。いくつか又は全ての装置が1つの物理モジュールに組み合わされてもよい。その反対に、少なくとも1つの装置が物理的に分離したモジュールに分割されてもよい。
【0067】
また、厳密には、送信ノード410の装置がハードウェアで実現される必要はない。装置は、ハードウェア及びソフトウェアの何らかの組み合わせにより実現可能であると考えられる。例えば
図6に示すように、送信ノード410は、1つ以上のプロセッサ610、1つ以上の記憶装置620、並びに無線インタフェース630及びネットワークインタフェース640の一方又は双方を含んでもよい。プロセッサ610は、送信ノードの装置のうちの1つ以上の装置の動作を実行するためにプログラム命令を実行するように構成されてもよい。命令は、非一時的な記憶媒体又はファームウェア(例えば、ROM、RAM、フラッシュ)に格納されてもよい。尚、プログラム命令は、無線インタフェース630及びネットワークインタフェース640の一方又は双方を介して、一時的な有線及び/又は無線媒体を通じて更に受信されてもよい。無線インタフェース630(例えば、送受信機)は、内部又は外部にある1つ以上のアンテナ635を介して他の無線ネットワークノードとの間で信号を送受信するように構成されてもよい。ネットワークインタフェース640が含まれ、他の無線及び/又はコアネットワークノードと通信するように構成されてもよい。
【0068】
図7は、提案される手法のうちの1つ以上に係る共通パイロット信号及び復調パイロット信号を使用するために送信ノード410により実行される方法の例700を示すフローチャートである。ステップ710において、パイロット送信器510は、複数のアンテナ635から複数の共通パイロット信号を送信する。各共通パイロット信号は、1つのアンテナから送信されるのが好ましい。1つの実施形態において、アンテナは2つ以上の共通パイロット信号を送信するために使用されない。
【0069】
複数の共通パイロット信号は、1つ以上のレガシー共通パイロット信号及び1つ以上の非レガシー共通パイロット信号を含んでもよい。各レガシー共通パイロット信号は、各非レガシー共通パイロット信号より高い電力で送信されるのが好ましい。
【0070】
前述のように、用語「レガシー」及び「非レガシー」は相対的な用語である。これは、送信ノード410が少なくとも2種類の受信ノードに信号を提供してもよい(3種類以上の受信ノードに提供することもできる)ことを示し、これら2種類は、一方の種類(例えば、非レガシー)が送信ノード410により送信された共通パイロット信号のグループ(全ての信号である必要はない)を識別し且つ他方の種類(例えば、レガシー)が同一グループのサブセットのみを識別するという関係である。換言すると、各レガシー共通パイロット信号は、レガシー受信ノード及び非レガシー受信ノードの双方により識別されてもよい。しかし、各非レガシー共通パイロット信号は、非レガシー受信ノードにより識別されるが、レガシー受信ノードにより識別されない。
【0071】
ステップ730において、構成提供器520は、受信ノード420におけるデータ復調を改善できるかを判定する。1つの態様において、フィードバック受信器540は、パイロット送信器510により送信された複数の共通パイロット信号に基づくフィードバックを受信ノード420から受信してもよい。フィードバックは、送信ノード410と受信ノード420との間のチャネルのチャネル状態情報(CSI)を含むのが好ましい。一実施形態において、チャネル状態情報は、プリコーディング制御指示(PMIとも呼ぶ)及び/又はランク指示を含んでもよい。その場合、構成提供器520は、チャネル状態情報に基づいて、受信ノード420におけるデータ復調を改善できるか否かを判定できる。
【0072】
ステップ730において、受信ノード420におけるデータ復調を改善できる(例えば、ジオメトリが高い)と構成提供器520が判定する場合、構成提供器520は、ステップ740へ進み、改善するように受信ノード420を構成できる。それに対して、受信ノード420におけるデータ復調を改善できない(例えば、ジオメトリが低い)か又は改善が不要である(例えば、スケジュールされたデータが高いスループットを必要としない)と構成提供器520が判定する場合、構成提供器520はステップ745へ進み、改善されないように受信ノード420を構成できる。
【0073】
一実施形態において、改善されるように受信ノード420が構成されるか否かに関係なく、ステップ750において、データ送信器530は、受信ノード420に対してスケジュールされたデータ送信時間にデータを送信してもよい。また、ステップ710において、共通パイロット、すなわちレガシー共通パイロット及び非レガシー共通パイロットがパイロット送信器510により送信されてもよい。
【0074】
データ復調を改善できると構成提供器520が判定する場合、ステップ740において、構成提供器520は、受信ノード420がデータ送信器530により送信されるデータを受信するようにスケジュールされる時間に共通パイロット信号及び復調パイロット信号を監視するように受信ノード420に通知するために、構成メッセージを送出できる。1つの態様において、構成提供器520は、例えばRLC、RRC等である物理層の上位の通信層を介して受信ノード420に構成メッセージを送出してもよい。
【0075】
その代わりに又はそれに加えて、構成提供器520は、例えば共有制御チャネルを介してデータ送信時間の前に構成メッセージを送出することにより、共通パイロット信号及び復調パイロット信号を監視するように受信ノード420に警告してもよい。構成メッセージは、データ送信時間の間に送信されるデータのランクを含んでもよい。構成メッセージにおいて示されるランクは、レガシー閾値ランクより大きくてもよい。レガシー閾値ランクは、受信ノード420の機能に依存してもよい。例えば4×4MIMO対応受信ノードの場合、レガシー閾値ランクは2であってもよい。8×8MIMO対応受信ノードの場合、例えば2及び4である2つのレガシー閾値ランクが存在してもよい。
【0076】
受信ノード420が復調パイロット信号及び共通パイロット信号を監視するように警告された後、ステップ760において、パイロット送信器510は受信ノード420へ1つ以上の復調パイロット信号を送信する。1つの態様において、パイロット送信器510は、データ送信時間に一致するように各復調パイロット信号を送信してもよい。パイロット送信器510は、非レガシー共通パイロット信号の1つを送信するのに使用されるのと同一のアンテナから各復調パイロット信号を送信するのが好ましい。非レガシー共通パイロット信号を送信するのに使用される各アンテナが復調パイロット信号の1つを送信するのに使用されるのが更に好ましく、すなわち復調パイロットの数は非レガシーパイロットの数と等しいのが好ましい。
【0077】
特定の例として、レガシー受信ノードは2×2MIMO対応であり、受信ノード420は4×4MIMO対応であると仮定する。その場合、ステップ710でパイロット送信器510により送信される4つの共通パイロット信号、すなわち1つのプライマリ共通パイロット信号及び3つのセカンダリ共通パイロット信号が存在してもよい。第1のアンテナから送信されるプライマリパイロット及び第2のアンテナから送信される第1のセカンダリパイロットは、2×2MIMO対応受信ノード及び4×4MIMO対応ノード420により識別されてもよい。第3のアンテナから送信される第2のセカンダリ共通パイロット及び第4のアンテナから送信される第3のセカンダリ共通パイロットは、4×4MIMO対応ノード420により識別されるが2×2MIMO対応ノードにより識別されなくてもよい。ステップ730において、4×4MIMO対応ノード420に対してデータ復調を改善できると構成提供器520が判定する場合、ステップ760において、パイロット送信器510は第3のアンテナから第1の復調パイロット信号を送信し且つ第4のアンテナから第2の復調パイロット信号を送信してもよい。
【0078】
尚、ステップ720において、受信ノード420から受信するフィードバックは、共通パイロット信号に加えて復調信号に基づいてもよい。
【0079】
当然、ステップ730において、データ復調を改善できないか又は改善する必要がないと構成提供器520が判定する場合、ステップ745において、構成提供器520は、共通パイロット信号のみを監視することを受信ノード420に通知するために、構成メッセージを送出できる。この場合も、そのような通知は、上位層の信号伝送及び/又は制御チャネルを介することができる。別の実施形態において、復調パイロットが送信されるという指示が存在しない場合、受信ノード420はデフォルトで、監視を行わなくてもよい。
【0080】
図8は、マルチアンテナ受信が可能であるように構成された無線ネットワーク400の受信ノード420の一実施形態を示す。図からわかるように、受信ノード420は、パイロット受信器810、構成設定器820、データ受信器830及びフィードバック提供器840を含む。
図8は、受信ノード420及びそれに含まれる装置の論理ビューを提供する。厳密には、各装置が他の装置から物理的に分離される必要はない。いくつか又は全ての装置が1つの物理モジュールに組み合わされてもよい。その反対に、少なくとも1つの装置が物理的に分離したモジュールに分割されてもよい。
【0081】
また、厳密には、受信ノード420の装置がハードウェアで実現される必要はない。装置は、ハードウェア及びソフトウェアの何らかの組み合わせにより実現可能であると考えられる。例えば
図9に示すように、受信ノード420は、1つ以上のプロセッサ910、1つ以上の記憶装置920、並びに無線インタフェース930及びネットワークインタフェース940の一方又は双方を含んでもよい。プロセッサ910は、送信ノードの装置のうちの1つ以上の装置の動作を実行するためにプログラム命令を実行するように構成されてもよい。命令は、非一時的な記憶媒体又はファームウェア(例えば、ROM、RAM、フラッシュ)に格納されてもよい。尚、プログラム命令は、無線インタフェース930及びネットワークインタフェース940の一方又は双方を介して、一時的な有線及び/又は無線媒体を通じて更に受信されてもよい。無線インタフェース930(例えば、送受信機)は、内部又は外部にある1つ以上のアンテナ935を介して他の無線ネットワークノードとの間で信号を送受信するように構成されてもよい。ネットワークインタフェース940が含まれてもよく、他の無線及び/又はコアネットワークノードと通信するように構成されてもよい。
【0082】
図10は、提案される手法のうちの1つ以上に係る共通パイロット信号及び復調パイロット信号を使用するために受信ノード420により実行される方法の例1000を示すフローチャートである。ステップ1010において、パイロット受信器810は、送信ノード410から送信された複数の共通パイロット信号を受信する。共通パイロット信号の特徴は上述したため、簡潔にするため繰り返さない。受信ノード420は非レガシーノード(この場合も、用語は相対的である)であるため、レガシー共通パイロット信号及び非レガシー共通パイロット信号の双方を識別すると仮定できることを示せば十分である。
【0083】
ステップ1020において、フィードバック提供器840は、パイロット受信器810により受信された複数の共通パイロット信号に基づいて、送信ノード410にフィードバックを提供する。
図7に関して上述したように、フィードバックは、プリコーディング制御指示、PMI及び/又はランク指示等の送信ノード410と受信ノード420との間のチャネルのチャネル状態情報を含んでもよい。
【0084】
ステップ1030において、構成設定器820は、データ受信時間の前に送信ノード410から構成メッセージを受信する。構成メッセージは、データ復調パイロット信号が監視されるか否かを示してもよい。一実施形態において、復調パイロット信号が監視される必要があると構成メッセージが示す場合、構成設定器820は、データ復調を改善できると判定してもよい。構成メッセージは、送信ノード410から上位層の信号伝送を介して受信可能である。その代わりに又はそれに加えて、構成設定器820は、共有制御チャネルを介して通知を聴取(listen)てもよい。構成メッセージがデータ受信時間の間に受信されるデータのランクを含み且つランクがレガシー閾値ランクより大きい場合、構成設定器620はデータ復調を改善できると判定してもよい。
【0085】
ステップ1040において、構成設定器820は、構成メッセージに基づいて、受信ノード420でデータ復調を改善できるか否かを判定する。データ復調を改善できると構成設定器820が判定する場合、ステップ1050へ進み、パイロット受信器810は共通パイロット信号及び復調パイロット信号の双方を聴取し且つ受信する。1つの実施形態において、復調信号は、データ受信時間の間に聴取される。それに対して、データ復調を改善できないと構成設定器820が判定する場合、ステップ1055へ進み、パイロット受信器810は共通パイロットのみを聴取する。
【0086】
一実施形態において、復調パイロット信号が受信されるか否かに関係なく、ステップ1060において、データ受信器830は、受信ノード420に対してスケジュールされたデータ受信時間にデータを受信してもよい。
【0087】
復調パイロット信号が受信される場合、すなわちデータ復調を改善できる場合、ステップ1070において、データ受信器830は、共通パイロット信号及び復調パイロット信号の双方に基づいて、受信データを復調する。また、送信ノード410へのフィードバックは、共通パイロット及び復調パイロットの双方に基づいてフィードバック提供器840により提供可能である。
【0088】
しかし、復調パイロット信号が受信されない場合、ステップ1080において、データ受信器830は、共通パイロット信号のみに基づいて受信データを復調する。尚、復調は改善されないと構成設定器820が示す場合、パイロット受信器810は復調パイロット信号を特に聴取しなくてもよい。これにより、例えば電池の電力を節約できる。
【0089】
再び、特定の例として、レガシー受信ノードは2×2MIMO対応であり、受信ノード420は4×4MIMO対応であり、送信ノード410から送信される4つの共通パイロット信号、すなわち1つのプライマリ共通パイロット及び3つのセカンダリ共通パイロットが存在すると仮定する。その場合、複数の共通パイロット信号を受信するステップ1010は、レガシー共通パイロット(プライマリパイロット及び第1のセカンダリパイロット)を聴取することと、非レガシー共通パイロット(第2及び第3のセカンダリパイロット)を更に聴取することとを含んでもよい。更に、1つ以上の復調パイロット信号及び1つ以上の共通パイロット信号を受信するステップ1050は、第1及び第2の復調パイロットを聴取することを含んでもよい。
【0090】
図7に戻ると、受信ノード420におけるデータ復調を改善できるか否かを送信ノード410が判定する他の方法が存在する。
図11及び
図12は、例えば基地局である無線ネットワークノード等の送信ノードにより実行されてもよい手順の限定しない例を示すフローチャートである。
図11では、ステップ1110において、基地局(例えば、構成提供器520)が、信号対雑音比(SNR)、ジオメトリ(平均信号対雑音比(SNR)又はパス損失の他の指標)、信号対干渉雑音比(SINR)、あるいは基地局とUE(受信ノードの一例)との間の通信に関連する他の何らかの適切な信号品質の測定値等のUEに関連する信号品質(SQ)を判定してもよい。特定のUEのSINR/ジオメトリを取得する方法の例は、UEにより報告される変調符号化方式(MCS)又はUEのパイロットチャネルの測定等のセットに基づいてもよい。また、ステップ1110において、基地局はUEに関連するMIMOランク、すなわちMIMO通信に使用できるMIMOアンテナの最大数等のUEのMIMO対応レベルを判定してもよい。
【0091】
その後、ステップ1120において、基地局(例えば、構成提供器520)は、UEのMIMOランクが所定のランクRを上回るか又は判定された信号品質(SQ)が所定の信号品質閾値SQ
Tを上回るかを判定してもよい。そのようなMIMOランク又は信号品質(SQ)がそれぞれランクR又は信号品質閾値SQ
Tを上回る場合、基地局(例えば、構成提供器520)は、MIMOチャネル上で1つ以上の個別パイロットを聴取するようにUEを構成してもよい(ステップ1140)。その後、基地局(例えば、パイロット送信器510)は、個別パイロット信号を送信してもよい(ステップ1160)。そのようなMIMOランク又は信号品質(SQ)がそれぞれランクR又は信号品質閾値SQ
Tを上回らない場合、基地局(例えば、構成提供器520)は、MIMOチャネル上で共通パイロット信号を聴取するようにUEを構成してもよく(ステップ1130)、その後、基地局(例えば、パイロット送信器510)は、共通パイロット信号を送信してもよい(ステップ1150)。
【0092】
図12では、ステップ1210において、基地局(例えば、構成提供器520)は、割り当てられた変調符号化方式(MCS)又は基地局とUEとの間の通信に関連する別の適切なデータレート指標等のUEに関連するデータレートを判定してもよい。また、ステップ1210において、基地局(例えば、構成提供器520)は、UEに関連するMIMOランク、すなわち、UEのMIMO対応レベル及びMIMO通信に使用できるMIMOアンテナの最大数を判定してもよい。
【0093】
その後、ステップ1220において、基地局(例えば、構成提供器520)は、UEのMIMOランクが所定のランクRを上回るか又は判定されたデータレート(DR)が所定のデータレート閾値DRTを上回るかを判定する。そのようなMIMOランク又はデータレート(DR)がそれぞれランクR又はデータレート閾値DRTを上回る場合、基地局(例えば、構成提供器520)は、MIMOチャネル上で個別パイロット信号を聴取するようにUEを構成し(ステップ1240)、その後、基地局(例えば、パイロット送信器510)は、個別パイロット信号を送信する(ステップ1260)。そのようなMIMOランク又はデータレート(DR)がそれぞれランクR又はデータレート閾値DRTを上回らない場合、基地局(例えば、構成提供器520)は、MIMOチャネル上で共通パイロット信号を聴取するようにUEを構成してもよく(ステップ1230)、その後、基地局(例えば、パイロット送信器510)は、共通パイロット信号を送信してもよい(ステップ1250)。
【0094】
UEのパイロット構成はUEにより判定されてもよいが、UEは、無線リソース制御(RRC)信号伝送又はコマンド等の基地局から受信される信号伝送に基づいて構成される可能性が高い。UMTSに基づく信号伝送の限定しない例を
図13に示す。高速共有制御チャネル(HS−SCCH)は、1つ以上の共通パイロット信号を含む信号伝送をUEに搬送するためのダウンリンクチャネルである。共通パイロット信号に基づいて、UEは、例えばCSIである1つ以上の無線チャネル推定を判定し、例えば基地局である無線ネットワークノードに対応するCSIを送出してもよい。UMTSにおいて、無線ネットワークノードはRNCであってもよい。示される例において、CSIは、HARQのACK/NACK又は他のチャネル情報を更に搬送してもよい高速専用物理制御チャネルHS−DPCCHを介して送出される。CSIから、基地局はUEと通信する場合のMIMOモード及びパイロット方式を判定してもよい。本例において、基地局は、HS−SCCHを介してパイロット構成を送出する。通常、HS−SCCHは、送信時間間隔(TTI)でHS−DSCHを受信するようにスケジュールされるUEを信号伝送するために既に使用されている。HS−SCCHは、トランスポートフォーマット情報及びTTIに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ)に関する情報を更に信号伝送する。
【0095】
1つの例において、HS−SCCHを介して送出されるパイロット構成情報は、単純に、1が1つのパイロット方式を意味し且つ0が別のパイロット方式を意味する1ビットフラグであってもよい。例えば3つ以上の方式が存在する場合、他のMIMO関連情報が通信される必要がある場合等には、更に多くのビットが送出されてもよい。1つの限定しない例として、1は、CSI推定及びデータ復調の双方に共通パイロットを使用することを意味してもよく、0は、CSI推定に共通パイロットを使用し且つデータ復調に個別パイロットを使用することを意味してもよい。別の実施形態を破線で示す。この場合、基地局ではなくUEがMIMOモード及びパイロット方式を判定し、HS−PDCCHを介してMIMOモード及びパイロット方式を基地局に通知する。
【0096】
異なるMIMOアンテナにおける共通パイロットの電力レベルの選択的制御に加えて、本技術は、個別パイロットを更に考慮してもよい。
図14は、UEに関連する異なるSNR/ジオメトリに対して個別パイロットを用いて達成可能な利得の例と個別パイロットに割り当てられた基地局の電力の割合とを示すグラフである。図中、共通パイロットはCSI推定に対して使用され、第1のMIMOアンテナにおけるプライマリ共通パイロットに対する電力レベルは−10dBであり、第2、第3及び第4のMIMOアンテナにおけるパイロットに対する電力レベルは−13dBであると仮定する。
【0097】
20dBである最も高いUEのSNR/ジオメトリにおいて、非常に大きい利得が個別パイロットを用いて達成されることがわかる。しかし、10dB及び0dBである低いSNR/ジオメトリにおいて、利得は小さい。更に、個別パイロットの電力の増加に対応して復調性能が改善されるわけではないため、個別パイロットの電力レベルが増加された場合にリンクのスループットが低下する可能性がある。しかし、個別パイロットの電力が増加すると、オーバーヘッド量は増加し且つデータ送信に使用可能な電力は減少する。
【0098】
図15は、第3及び第4のアンテナにおける共通パイロットの電力を−22dBに減少した場合に第3及び第4のMIMOアンテナにおいて個別パイロットを用いる場合に達成可能な利得を示す。これは、達成可能な利得の上限を提供する。最終的に、
図14及び
図15におけるシミュレーションは、共通パイロットのオプションが全てのUEのSNR/ジオメトリに適するわけではないことを示す。
【0099】
図16〜
図18に関連して、種々の異なる実施形態を以下に説明する。
図16は、電力の低い共通パイロットがUEにおける所望の復調に十分なパイロット電力を提供するため、低いSNR/ジオメトリで個別パイロットが不要である一実施形態を示す。UEのSINR/ジオメトリに基づいて、無線ネットワークノードは、例えばRRC信号伝送、HS−SCCHオーダ等を使用して、特定のUEをデータ復調のための共通パイロット及び/又は個別パイロットに対して構成できる。4つの共通パイロット1〜4が生成され、本例ではCPICH1〜4である4つのパイロットチャネルを送信時に形成する4つのMIMOアンテナに提供されてもよい。基地局内の制御器は、4つのパイロット信号のうちの1つ以上が、ユーザ別ビームフォーミングを組み込むパスを介して対応する個別パイロットアンテナを使用して送信されるかを「切り替える」か又は選択できる。
【0100】
図17は、UEのSNRS/ジオメトリが高い(例えば、15〜30dB)場合及び/又は高いMIMOランク(例えば、3以上)がスケジュールされる場合に個別パイロットが使用されてもよい一実施形態を示す。しかし、データレートが低い場合(例えば、符号レートが低く且つ/又はトランスポートブロックサイズが小さいQPSKの場合)、個別パイロットは送信されなくてもよく、UEは復調に共通パイロットを使用すると考えられてもよい。1つの限定しない例として、UEは、HS−SCCH上のMCS指標に基づいて、個別パイロットを使用する必要があるかを判定してもよい。
【0101】
図18は、個別パイロットが基地局のMIMOアンテナ3及び4のみから送信され且つアンテナ1及び2が共通パイロットを送信するためのみに使用される一実施形態を示す。本実施形態は、プライマリパイロット及びセカンダリパイロットがUEによるデータ復調に十分なエネルギーで基地局の第1及び第2のMIMOアンテナを介して送信されているとUEにより検出される状況において有益である。UEによるCSI推定のために、電力の低い共通パイロットがアンテナ3及び4から依然として送信されてもよい。
【0102】
UEは、データ復調のために、アンテナ1及び2からの共通パイロットチャネル推定とアンテナ3及び4からの追加の個別パイロットチャネル推定(電力の低い共通パイロットと共である場合もある)とを組み合わせてもよい。尚、本実施形態における個別パイロットは、
図16及び
図17で示した実施形態と同様の方法でプリコードされ且つ/又はビームフォーミングされなくてもよい。すなわち、個別パイロット信号自体は特にUEを対象とする必要がなく、その場合、個別パイロット信号はセル全体で使用可能であってもよい。しかし、個別パイロット信号がスケジュールされたUEへのデータ送信と同時に送信される場合、それらは上述した復調パイロットである可能性が非常に高い。また、アンテナ1及び2で送信されるエネルギーが再現されないため、そのような個別パイロットはオーバーヘッドの影響を低減する。
【0103】
本技術は、多くの利益を提供する。例えば追加パイロットを必要とすることから生じる例えば4TX MIMOである高いMIMOランクがレガシーUEに及ぼす悪影響を低減できるのと同時に、UEによるデータ復調を成功させるためにUEに電力の高いパイロットを提供できる。
【0104】
本発明の1つ以上の態様に関連する多くの利点が存在する。利点のリストは以下を含むが、当該リストは全ての利点を含むわけではない。
・追加パイロットを必要とすることから生じる例えば4Tx MIMOである高いMIMOランクがレガシーノードに及ぼす悪影響を低減する
・それと同時に、データ復調を成功させるためにMIMOランクの高いノードに電力の高いパイロットを提供する
【0105】
上記の説明は多くの特定を含むが、これらは本発明の範囲を限定するのではなく、現時点で好適な実施形態のうちのいくつかの実施形態の説明を提供するにすぎないと解釈されるべきである。従って、本発明の範囲は他の実施形態を全て含み、従って、範囲は限定されないことが明らかだろう。当業者には既知である上述の好適な実施形態の要素の構造的等価物及び機能的等価物は全て、本明細書に参照として明らかに組み込まれ且つ本発明に含まれることを意図する。更に、装置又は方法は、本発明に含まれるために、本明細書中で説明された全ての問題、あるいは本技術により解決されると考えられる全ての問題を解決する必要がない。