特許第6093433号(P6093433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6093433容量タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に電極を共有するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093433
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】容量タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に電極を共有するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170227BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   G06F3/041 580
   G06F3/041 512
   G06F3/044 120
   G06F3/041 595
【請求項の数】28
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-500504(P2015-500504)
(86)(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公表番号】特表2015-510214(P2015-510214A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】US2013030391
(87)【国際公開番号】WO2013138282
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年3月9日
(31)【優先権主張番号】61/609,538
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/792,823
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ツェ
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/005977(WO,A2)
【文献】 特表2004−530993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0050180(US,A1)
【文献】 特開2011−003178(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/055534(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/047945(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0174321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
容量タッチコントローラと、
ジェスチャ検出デバイスと、
少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極を有する容量センサであって、前記少なくとも1つの第1の電極は、AC信号を前記第1の電極に供給するための制御可能発生器と連結されている、容量センサと、
前記少なくとも1つの第2の電極、前記タッチコントローラの入力、および前記ジェスチャ検出デバイスの入力間の構成可能な連結器であって、前記連結器は、前記システムが、前記制御可能発生器がオフにされる第1の構成モードにおいて、前記タッチコントローラによって、前記第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、前記制御可能発生器がオンにされる第2の構成モードにおいて、前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成されることができる、連結器と
を備える、システム。
【請求項2】
前記連結器は、前記第2の電極を前記タッチコントローラまたは前記ジェスチャ検出デバイスのいずれかに接続するために動作可能な切替配列を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記切替配列は、マルチプレクサを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記切替配列は、単極双投スイッチを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記タッチコントローラの入力と接地との間に接続されたレジスタをさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記レジスタと連結された電流源をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ジェスチャ検出デバイスの入力とDC電圧との間に接続されたレジスタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記連結器は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力および前記ジェスチャ検出デバイスの入力と連結され、前記タッチコントローラの入力は、前記連結器が前記第2の構成モードで動作するように構成されるとき、高インピーダンスモードに切り替えられるように動作可能であり、前記制御可能発生器は、前記第2の構成モードにおいて、前記AC信号を前記第1の電極に供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2の電極は、前記ジェスチャ検出デバイスの入力に接続され、前記連結器は、単極単投スイッチを備え、前記単極単投スイッチは、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、前記第2の電極を前記タッチコントローラに接続するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力に接続され、前記連結器は、単極単投スイッチを備え、前記単極単投スイッチは、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスに接続するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
容量センサデバイスの一方の電極と連結されるように構成された、容量タッチコントローラおよび非タッチジェスチャ検出デバイスを備えるシステム内でタッチおよび非タッチジェスチャ検出を行なうための方法であって、前記容量センサデバイスの別の電極は、AC信号を前記別の電極に供給するための制御可能発生器と連結され、
前記方法は、前記容量センサの前記一方の電極と前記タッチコントローラの入力または前記ジェスチャ検出デバイスの入力との間の連結器を構成することを含み、前記連結器は、前記システムが、前記制御可能発生器がオフにされる第1の構成モードにおいて、前記タッチコントローラによって、第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、第2の構成モードにおいて、前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成され、前記制御可能発生器は、前記第2の構成モードにある場合、前記AC信号を前記別の電極に供給するようにオンにされる、方法。
【請求項20】
前記連結器は、前記第2の電極と前記タッチコントローラおよび前記ジェスチャ検出デバイスの入力との間に切替配列を備え、
前記方法は、前記第1の構成モードの間、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスの入力から分断し、前記第2の電極を前記タッチコントローラと連結することと、前記第2の構成モードの間、前記第2の電極を前記タッチコントローラの入力から分断し、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスと連結することとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力および前記ジェスチャ検出デバイスの入力と連結され、
前記方法は、前記第2の構成モードの間、前記タッチコントローラの入力を高インピーダンスモードに切り替えることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続をさらに備え、
前記方法は、前記同期接続を用いて、前記ジェスチャ検出デバイスおよび前記タッチコントローラによる個別の検出プロセスの終了を相互に信号伝達するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ジェスチャ検出デバイスをマスタとして、前記タッチコントローラをスレーブデバイスとして構成することと、前記タッチコントローラによって判定されたデータを前記ジェスチャ検出デバイスに送ることとをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記タッチコントローラおよび/または前記ジェスチャ検出デバイスによって判定された全データを上位プロセッサに通信することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の電極は、前記ジェスチャ検出デバイスの入力に接続され、
前記方法は、前記第1の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、前記第2の電極を前記タッチコントローラに接続することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力に接続され、
前記方法は、前記第2の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスに接続することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2012年3月12日に出願された米国仮出願第61/609,538号の利益を主張する。上記文献は、その全体として本明細書において援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、容量タッチ技術に関し、特に、容量タッチコントローラと電極を共有するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
容量センサは、多くの場合、タッチ感知システムにおいて使用される。そのようなシステムでは、ユーザは、本システムの個別の検出回路によって、そのようなタッチの感知を可能にする、動作パネルをタッチすることが要求される。より高度なシステムは、タッチを要求しないが、動作パネルの上方の面積内で行なわれるジェスチャを感知し得る。例えば、種々のシステムが存在し、例えば、100kHzの範囲内の信号を使用して、電場を発生させ、複数の検出電極が、そのような電場の外乱を測定し、センサの上方の3次元面積内において、例えば、手または物体によって行なわれるジェスチャの判定を可能にするように設計される。両システムが組み合わせられ、ヒューマンインターフェースデバイスを形成することができる場合、非常に有利である。しかしながら、センサに関して、両システムは、概して、非互換性であり、したがって、従来のシステムでは、別個のセンサが、組み合わせられたタッチおよびジェスチャ検出システムのために必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
システムは、タッチコントローラと、ジェスチャ検出デバイスと、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の電極を有する容量センサであって、少なくとも1つの第1の電極は、AC信号を該第1の電極に供給するための制御可能発生器と連結される、容量センサと、少なくとも1つの第2の電極、タッチコントローラの入力、およびジェスチャ検出デバイスの入力間の構成可能な連結器であって、連結器は、本システムが、第1の構成モードでは、タッチコントローラによって、該第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、第2の構成モードでは、ジェスチャ検出デバイスによって、該第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成されることができる、連結器とを備えてもよい。
【0005】
さらなる実施形態によると、連結器は、第2の電極をタッチコントローラまたはジェスチャ検出デバイスのいずれかに接続するために動作可能な切替配列を備えてもよい。さらなる実施形態によると、切替配列は、マルチプレクサを備えてもよい。さらなる実施形態によると、切替配列は、単極双投スイッチ(SPDT)を備えてもよい。さらなる実施形態によると、本システムはさらに、タッチコントローラの入力と接地との間に接続されたレジスタを備えてもよい。さらなる実施形態によると、本システムはさらに、レジスタと連結される電流源を備えてもよい。さらなる実施形態によると、本システムはさらに、ジェスチャ検出デバイスの入力とDC電圧との間に接続されたレジスタを備えてもよい。さらなる実施形態によると、本システムはさらに、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続を備えてもよい。さらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラからジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成される、第1の同期ラインと、ジェスチャ検出デバイスからタッチコントローラに状態を信号伝達するように構成される、第2の同期ラインとを備えてもよい。さらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備えてもよい。さらなる実施形態によると、双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースであることができる。さらなる実施形態によると、第2の電極は、タッチコントローラの入力およびジェスチャ検出デバイスの入力と連結されることができ、タッチコントローラの入力は、連結器が第2の構成モードで動作するように構成されるとき、高インピーダンスモードに切り替えられるように動作可能であり、制御可能発生器は、第2の構成モードでは、AC信号を第1の電極に供給する。さらなる実施形態によると、本システムはさらに、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続を備えてもよい。さらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラからジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成される、第1の同期ラインと、ジェスチャ検出デバイスからタッチコントローラに状態を信号伝達するように構成される、第2の同期ラインとを備えてもよい。さらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備えてもよい。さらなる実施形態によると、双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースであることができる。さらなる実施形態によると、第2の電極は、ジェスチャ検出デバイスの入力に接続されることができ、連結器は、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、第2の電極をタッチコントローラに接続するように動作可能である、単極単投スイッチを備えてもよい。さらなる実施形態によると、第2の電極は、タッチコントローラの入力に接続されることができ、連結器は、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、かつ第2の電極をジェスチャ検出デバイスに接続するように動作可能である、単極単投スイッチを備える。
【0006】
別の実施形態によると、容量センサデバイスの一方の電極と連結されるように構成される、タッチコントローラおよび非タッチジェスチャ検出デバイスを備える、本システム内でタッチおよび非タッチジェスチャ検出を行なうための方法であり、容量センサデバイスの別の電極は、AC信号を該別の電極に供給するための制御可能発生器と連結され、本方法は、該容量センサの一方の電極とタッチコントローラの入力またはジェスチャ検出デバイスの入力との間の連結器を構成することであって、連結器は、システムが、第1の構成モードでは、タッチコントローラによって、該第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、第2の構成モードでは、ジェスチャ検出デバイスによって、該第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成され、制御可能発生器は、該第2の構成モードにある場合、AC信号を該別の電極に供給する、ことを含んでもよい。
【0007】
本方法のさらなる実施形態によると、連結器は、該第2の電極と該タッチコントローラおよび該ジェスチャ検出デバイスの入力との間に切替配列を備えてもよく、本方法はさらに、該第1の構成モードの間、第2の電極をジェスチャ検出デバイスの入力から分断し、第2の電極をタッチコントローラと連結することと、該第2の構成モードの間、第2の電極をタッチコントローラの入力から分断し、第2の電極をジェスチャ検出デバイスと連結することとを含んでもよい。本方法のさらなる実施形態によると、第2の電極は、タッチコントローラの入力およびジェスチャ検出デバイスの入力と連結され、本方法はさらに、該第2の構成モードの間、タッチコントローラの入力を高インピーダンスモードに切り替えることを含んでもよい。本方法のさらなる実施形態によると、本方法はさらに、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続を備えてもよく、本方法はさらに、同期接続を用いて、該ジェスチャ検出デバイスおよび該タッチコントローラによる個別の検出プロセスの終了を相互に信号伝達するステップを含む。本方法のさらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラからジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成される、第1の同期ラインと、ジェスチャ検出デバイスからタッチコントローラに状態を信号伝達するように構成される、第2の同期ラインとを備えてもよい。本方法のさらなる実施形態によると、同期接続は、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備えてもよい。本方法のさらなる実施形態によると、本方法はさらに、ジェスチャ検出デバイスをマスタとして、タッチコントローラをスレーブデバイスとして構成することと、タッチコントローラによって判定されたデータをジェスチャ検出デバイスに通信することとを含んでもよい。本方法のさらなる実施形態によると、本方法はさらに、該ジェスチャ検出デバイスによって、タッチコントローラおよびジェスチャ検出デバイスによって判定された全データを上位プロセッサに通信することを含んでもよい。本方法のさらなる実施形態によると、第2の電極は、ジェスチャ検出デバイスの入力に接続され、本方法はさらに、第1の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、第2の電極をタッチコントローラに接続することを含んでもよい。本方法のさらなる実施形態によると、第2の電極は、タッチコントローラの入力に接続されることができ、本方法はさらに、該第2の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、第2の電極をジェスチャ検出デバイスに接続することを含んでもよい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
タッチコントローラと、
ジェスチャ検出デバイスと、
少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の電極を有する容量センサであって、前記少なくとも1つの第1の電極は、AC信号を前記第1の電極に供給するための制御可能発生器と連結されている、容量センサと、
前記少なくとも1つの第2の電極、前記タッチコントローラの入力、および前記ジェスチャ検出デバイスの入力間の構成可能な連結器であって、前記連結器は、前記システムが、第1の構成モードにおいて、前記タッチコントローラによって、前記第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、第2の構成モードにおいて、前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成されることができる、連結器と
を備える、システム。
(項目2)
前記連結器は、前記第2の電極を前記タッチコントローラまたは前記ジェスチャ検出デバイスのいずれかに接続するために動作可能な切替配列を備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記切替配列は、マルチプレクサを備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記切替配列は、単極双投スイッチ(SPDT)を備える、項目2に記載のシステム。
(項目5)
前記タッチコントローラの入力と接地との間に接続されたレジスタをさらに備える、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記レジスタと連結された電流源をさらに備える、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記ジェスチャ検出デバイスの入力と直流(DC)電圧との間に接続されたレジスタをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースである、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力および前記ジェスチャ検出デバイスの入力と連結され、前記タッチコントローラの入力は、前記連結器が前記第2の構成モードで動作するように構成されるとき、高インピーダンスモードに切り替えられるように動作可能であり、前記制御可能発生器は、前記第2の構成モードにおいて、前記AC信号を前記第1の電極に供給する、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続をさらに備える、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、項目13に記載のシステム。
(項目16)
前記双方向性通信インターフェースは、ICインターフェースである、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記第2の電極は、前記ジェスチャ検出デバイスの入力に接続され、前記連結器は、単極単投スイッチを備え、前記単極単投スイッチは、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、前記第2の電極を前記タッチコントローラに接続するように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目18)
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力に接続され、前記連結器は、単極単投スイッチを備え、前記単極単投スイッチは、低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量を有し、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスに接続するように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目19)
容量センサデバイスの一方の電極と連結されるように構成された、タッチコントローラおよび非タッチジェスチャ検出デバイスを備えるシステム内でタッチおよび非タッチジェスチャ検出を行なうための方法であって、前記容量センサデバイスの別の電極は、AC信号を前記別の電極に供給するための制御可能発生器と連結され、
前記方法は、前記容量センサの前記一方の電極と前記タッチコントローラの入力または前記ジェスチャ検出デバイスの入力との間の連結器を構成することを含み、前記連結器は、前記システムが、第1の構成モードにおいて、前記タッチコントローラによって、第2の電極から受信された信号からタッチ検出を行ない、第2の構成モードにおいて、前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記第2の電極から受信された信号からジェスチャ検出を行なうことを可能にするように構成され、前記制御可能発生器は、前記第2の構成モードにある場合、前記AC信号を前記別の電極に供給する、方法。
(項目20)
前記連結器は、前記第2の電極と前記タッチコントローラおよび前記ジェスチャ検出デバイスの入力との間に切替配列を備え、
前記方法は、前記第1の構成モードの間、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスの入力から分断し、前記第2の電極を前記タッチコントローラと連結することと、前記第2の構成モードの間、前記第2の電極を前記タッチコントローラの入力から分断し、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスと連結することとをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力および前記ジェスチャ検出デバイスの入力と連結され、
前記方法は、前記第2の構成モードの間、前記タッチコントローラの入力を高インピーダンスモードに切り替えることをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に同期接続をさらに備え、
前記方法は、前記同期接続を用いて、前記ジェスチャ検出デバイスおよび前記タッチコントローラによる個別の検出プロセスの終了を相互に信号伝達するステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記同期接続は、前記タッチコントローラから前記ジェスチャ検出デバイスに状態を信号伝達するように構成された第1の同期ラインと、前記ジェスチャ検出デバイスから前記タッチコントローラに状態を信号伝達するように構成された第2の同期ラインとを備える、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記同期接続は、前記タッチコントローラと前記ジェスチャ検出デバイスとの間に双方向性通信インターフェースを備える、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記ジェスチャ検出デバイスをマスタとして、前記タッチコントローラをスレーブデバイスとして構成することと、前記タッチコントローラによって判定されたデータを前記ジェスチャ検出デバイスに通信することとをさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記ジェスチャ検出デバイスによって、前記タッチコントローラおよび前記ジェスチャ検出デバイスによって判定された全データを上位プロセッサに通信することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記第2の電極は、前記ジェスチャ検出デバイスの入力に接続され、
前記方法は、前記第1の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、前記第2の電極を前記タッチコントローラに接続することをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目28)
前記第2の電極は、前記タッチコントローラの入力に接続され、
前記方法は、前記第2の構成モードの間、単極単投スイッチを使用して、前記第2の電極を前記ジェスチャ検出デバイスに接続することをさらに含む、項目19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、SPDTを使用することによって、電極を共有するシステムの第1の実施形態を示す。
図2図2は、バイパスレジスタを使用することによって、性能を改善する実施形態を示す。
図3図3は、付加的電流源を使用することによって、性能を改善する実施形態を示す。
図4図4は、電極を直接共有する、実施形態を示す。
図5図5は、電極が、SPSTをタッチコントローラ側に印加することによって共有される、実施形態を示す。
図6図6は、電極が、SPSTをジェスチャコントローラ側に印加することによって共有される、実施形態を示す。
図7図7は、タイミング図を示す。
図8図8は、同期が、2つの同期ラインを用いて行なわれる、実施形態を示す。
図9図9は、ある実施形態による、作業プロセスの流れ図を示す。
図10図10は、同期のためにICを使用する、別の実施形態を示す。
図11図11は、マスタ側の作業プロセスの別の流れ図を示す。
図12図12は、マスタのIC割込ルーチンを示す。
図13図13は、スレーブ側の作業プロセスの別の流れ図を示す。
図14図14は、スレーブのIC割込ルーチンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
種々の実施形態によると、ジェスチャ検出と容量タッチコントローラとの間で電極を共有するための2つの主要概念および2つの変形例が、提供され得る。SPDT(単極双投)マルチプレクサが実装される第1の概念はまた、概して、2つ以上のデバイス間で信号を共有するための他の場合にも印加される。別の概念およびその変形例は、ジェスチャ検出システムに関して規定される。それらは、任意の付加的デバイスを伴わずに、すなわち、SPST(単極単投)スイッチのみが実装される。種々の実施形態によると、ジェスチャ検出のための電極は、低コスト解決策を使用することによって、容量タッチコントローラと共有されることができ、また、整定時間および信号強度の観点から、良好な性能を提供する。種々の実施形態によると、ジェスチャ検出システムは、時分割多重化モードにおいて、タッチコントローラと協働する。これは、ジェスチャ検出およびタッチ検出が、異なるタイムスロットにおいて行なわれることを意味する。
【0010】
以下の実施形態は、タッチコントローラとジェスチャ検出デバイスとの間の単一電極の共有を論じるが、他の実施形態によると、複数の電極が、同様に、デバイス間で共有されることができる。タッチコントローラおよびジェスチャ検出デバイスはそれぞれ、集積回路デバイス内に実装されることができる、またはマイクロコントローラデバイス内の周辺機器を構成してもよい。さらに、ある実施形態によると、タッチコントローラおよびジェスチャ検出デバイスは、マイクロコントローラ内の周辺機器として実装されてもよい。
【0011】
ある実施形態によると、タッチコントローラは、タッチされると、例えば、手の指によって、改変される電極の静電容量を測定してもよい。この目的を達成するために、例えば、充電時間測定ユニットが、使用されてもよい。代替として、電極によって形成されるキャパシタが、タッチコントローラ内の発振器周波数を変動させてもよい。電極をタッチセンサとして使用するタッチコントローラの他の実施形態も、印加されてもよい。
【0012】
ジェスチャ検出デバイスは、物理的寸法あたり少なくとも1つの受信電極を備える。3次元(3D)ジェスチャ検出の場合、最小数の3つの電極が、要求される。同時に、タッチコントローラは、電極のアレイを解釈してもよい。本書では、これらの電極は、概して、図1に電極120を伴って示される、第2の電極と称される一方、第1の電極は、AC信号を供給する制御可能発生器によって駆動される。
【0013】
容量電極は、単に、例えば、インジウムスズ酸化物等の透明層をパターン化することにより、印刷回路基板の銅層をパターン化することによって、例えば、金属層によって形成される、金属プレートであることができる。そのような電極は、用途に応じて、長方形、正方形、または任意の他の好適な形状の形態であってもよい。容量電極は、外部、例えば、個別のデバイスの筐体表面上、または内部、例えば、筐体、ディスプレイ等の内側表面上にあることができる。
【0014】
以下の図に示される電極を共有するための第1の概念では、信号発生器110が、交流電場信号を容量センサ120の第1の電極に提供する。容量センサ120は、2つの電極を有するように、全図に示され、ジェスチャ検出センサとして動作するとき、一方の電極は、送信機として作用し、一方の電極は、受信機として作用する。ジェスチャ検出のために使用され得る容量センサ120は、2つ以上の受信機電極を有してもよく、また、2つ以上の送信機電極を有することもできることを理解されたい。全図に示される容量センサの記号は、キャパシタを表すが、ジェスチャ検出システムの電極は、示されるように、相互に対向して配列される必要はない。むしろ、ほとんどの用途では、これらの電極は、同一の平面または平行平面に配列される。他の実施形態によると、それらは、ある角度で配列されてもよい。交流電場は、送信機電極と受信機電極との間に発生され、相互に対するその配列は、ジェスチャが検出され得る、3次元空間を画定する。例えば、100kHz信号が、発生器110によって発生され、例えば、1つ以上の受信電極と同一平面に配列される、第1の電極にフィードされてもよい。電極は、相互から適切な距離に配列され、電極間の距離に応じて、電極平面から垂直(例えば、最大15cm)および水平に延在する検出場を画定してもよい。故に、比較的に大きな3次元検出空間が、単一送信機電極と、例えば、送信機電極を囲繞し得る、3つの関連付けられた受信電極とによって生成されることができる。
【0015】
タッチ感知の場合、単一電極のみ、特定の場所に必要とされてもよく、複数の電極は、タッチ電極が配列される検出表面上の2次元タッチを検出するために、使用されることができる、例えば、マトリクスに配列される。したがって、タッチ用途の場合、発生器110と連結される第1の電極は、基本的に、要求されず、タッチ検出モードの間、発生器は、オフにされてもよく、1つ以上の第2の電極のみ、アクティブである。
【0016】
単一の第2の電極のみを示す、図1に示されるように、アナログマルチプレクサ130(SPDT)が印加され、タッチコントローラ150とジェスチャ検出デバイス140との間のセンサ120の第2の電極からの受信信号経路を切り替える。STR.Iという名称の構造およびSTR.IIという名称の構造は、それぞれ、ジェスチャ検出システムおよびタッチ検出システムを表す。したがって、点線によって示されるように、タッチ検出の場合、第2の電極のみ、使用される。2つのチャネル間の信号外乱を低減させるために、超低オフアイソレーションおよび超低クロストーキングを伴う、マルチプレクサ130が、選定される。さらに、スイッチオン静電容量は、増幅係数および増幅器によって追加されるさらなる雑音を判定する、大信号強度の受信信号を得るために、小さくある必要がある。マルチプレクサ130のスイッチオフチャネルは、キャパシタのように挙動するため、タッチコントローラ側のピンの電位変化は、ジェスチャ検出デバイス140の信号強度に大きな影響を及ぼす。タッチコントローラ側では、ピンは、固定電位に接続される、または高インピーダンスに設定される、またはさらに、タッチコントローラピンの低状態が、一定の低レベル信号として証明され得、ジェスチャ検出デバイス140の信号強度の低減を有意に生じさせないとき、低状態に設定されるべきである。また、対応するピンを高インピーダンスに設定することが推奨される。しかしながら、小電圧変化は、これらのピン上に、高インピーダンスの状態を伴って現れるであろう(これはは、主に、内部静電容量変化および漏れ電流によって生じる)。ジェスチャ検出デバイス140信号に及ぼす高インピーダンスの影響が、容認不可能である場合、本種類の影響は、図2に示されるSTR.IIIのようなバイパスレジスタ210を使用することによってさらに低減され得る。ある場合には、図3に示されるように、レジスタ310、320、340およびキャパシタ330を伴うSTR.IVのような構造は、ジェスチャ検出信号に及ぼすタッチコントローラピンの高インピーダンス状態の影響を低下させるために実装されることができる。このように、ジェスチャ検出信号性能もまた、改良され得る。しかしながら、本電流源構造は、タッチ検出の間の電極上の充電時間および放電時間を変化させることによって、タッチ検出の性能に影響を及ぼし得る。しかし、その影響は、レジスタ310が、10MΩ等の巨大な値とともに構成可能であるため、非常にわずかであるはずである。
【0017】
第1の実装に基づいて、ジェスチャ検出システムの入力構造を利用する、新しい概念が、提供され得る。図4に示されるように、タッチコントローラ150のピンは、直接、ジェスチャ検出システム140のアナログ入力に接続され、タッチ信号のための高インピーダンスとして作用する。タッチコントローラ150は、ジェスチャ検出の間、これらのピンを高インピーダンスに設定する必要があり、タッチ検出のために、それらを駆動させる必要がある。これらのピンは、ジェスチャコントローラ140内のR1のような大型レジスタを介して、VCC/2に内部接続されるため、タッチコントローラ150は、タッチ検出を正確にパラメータ化するために、本外部電流源の影響を考慮する必要がある。本最も単純な構造に基づいて、2つの変形例が存在する。
【0018】
タッチコントローラ150が、そのピンを高インピーダンス(HighZ)に設定することができない、または高インピーダンス構成が、長整定時間を生じさせる場合、スイッチ(SPST)510は、図5に示されるように、タッチコントローラ150の外乱を回避するために、タッチコントローラ側に置かれることができる。ジェスチャ検出システム入力の電気特性のため、タッチコントローラ150が、これらのピンを適切に駆動させることができない場合、ジェスチャ検出システム140の入力信号ピンは、図6に示されるように、ジェスチャ検出システム側に定置されたスイッチ(SPST)610を使用して、タッチ検出のために絶縁されることができる。両場合において、スイッチの低オフアイソレーション値および低スイッチオン静電容量が、より優れた信号強度を得て、タッチコントローラの影響を低減させるために要求される。さらに、構造STR.IIIおよび構造STR.IVもまた、SPSTスイッチ510と併用され、図5に示される構成におけるジェスチャ検出システム信号に及ぼす高インピーダンス状態の影響を低減させることができる。加えて、図5に示される解決策では、タッチコントローラのピンは、ジェスチャ検出システム140が、十分な信号強度を保ち、また、信号レベルも十分に一定である場合、低状態に設定されることができる。
【0019】
以下、種々の実施形態による、ハードウェア解決策の利点について論じる。
1) 大信号強度および短整定時間の観点における信号性能。
【0020】
マルチプレクサまたはSPST−スイッチのスイッチオン静電容量は、通常、そのスイッチオフ静電容量の2倍の大きさである。したがって、図1−3および6におけるジェスチャ検出デバイス140の信号強度は、他の構成よりも低減される。
【0021】
理想的場合では、良好な信号性能は、短整定時間、大信号強度、および整定時間後の安定信号曲線を有することが予期され得る。いくつかの最悪の場合には、ジェスチャ検出デバイス信号への高インピーダンス状態の外乱が回避される構成が、使用される必要がある。したがって、信号性能は、さらに分析される必要がある。以下の実施例では、これに関連する「整定時間」は、タッチコントローラピンに現れる極端に遅い電位変化の時間を含有しないことに留意されたい。
【0022】
例えば、図7に示されるように、3つのジェスチャ検出信号が、実証される。曲線710は、これらの曲線の最良性能を示す。曲線720は、整定時間後、若干、上昇する一方、曲線730は、わずかに下降する。これらの2つの曲線は、以下の2つの条件下では、依然として、容認可能であり得る。
【0023】
条件1:整定時間後の変化は、タッチコントローラ150のピンにおける不可避の電位変化および状態を変化させるためのスイッチデバイスによって生じる。
【0024】
条件2:整定時間後の変化は、1分あたり60ディジット等、非常にわずかであるべきである。実際、ジェスチャ検出デバイス140は、約80msに相当するわずかな作業時間スロットのみを有する。本種類の性能は、信号が、全体的時間スロットにいかなる有意な変化も伴わない、平滑曲線を有する場合、良好であると見なされる。一方、反復時間スロット毎に、曲線は、値および曲線傾向に同じ性能を示すべきである。
【0025】
2) ハードウェアコストもまた、決定のための重要な要因である。例えば、図4に示されるような最も単純な構造を用いた解決策が、最初に検討されてもよい。その後では、SPST−スイッチは、アナログマルチプレクサに勝る価格優位性を有することになる。
【0026】
種々の実施形態によると、ジェスチャ検出デバイス140の入力が、直接、タッチコントローラ150に接続される構成が、提供されることができる。本構成では、図8に示されるように、発生器110およびジェスチャ検出デバイス140は、ジェスチャ検出のためのみにアクティブである。タッチ検出の場合、タッチコントローラ150は、そのピンを種々の信号レベルに駆動させ、電極120上の静電容量変化を測定する。本構成の長所は、タッチコントローラピンに浮動状態およびわずかな電位変化をもたらす、タッチコントローラ150の高インピーダンス状態(HIGHZ)が、ジェスチャ検出に無視可能な影響のみ有することである。同時に、ジェスチャ検出デバイス140の入力構造は、高インピーダンスを示し、同様に、タッチ検出にほとんど影響を及ぼさない。さらに、ジェスチャ検出デバイス入力の電流源もまた、高インピーダンス状態によって生じる電位変化の影響を低減させることができる。ジェスチャ検出デバイス140の入力構造からのレジスタR1は、巨大な値を有するため、本電流源は、タッチ検出のためのタッチピンにおける充電プロセスおよび放電プロセスに非常に若干のみ影響し得る。したがって、その影響もまた、無視可能である。このように、両検出プロセスは、時分割多重化モードにおいて、非常に良好に行なわれることができる。タッチコントローラ150とジェスチャ検出デバイス140との間に時分割多重化モードを実装するために、両コントローラ140、150の作業状態を同期させるためのいくつかの方法がある。
【0027】
例えば、図8は、2つの同期ライン810、820を使用することによって、同期を伴う構成を示す。ジェスチャ検出デバイス140は、ライン820と連結されたGest_syncという名称のピンを駆動させ、その作業状態をタッチコントローラ150に示すことができる一方、タッチコントローラは、ライン810と連結されたピンTP_syncを使用して、その状態をジェスチャ検出デバイス140に示す。これらのピンにおける高状態は、対応する検出プロセスが完了したことを意味する。これらのピンの本高状態は、ファームウェアに割込を生じさせ、直ちに、作業フローを変化させるであろう。各コントローラ140および150は、図8に示されるように、上位プロセッサまたはシステムと連結するために、並列または直列インターフェース等の別個のインターフェースを有してもよい。図9は、ジェスチャ検出デバイス140ファームウェアおよびタッチコントローラ150ファームウェアの作業プロセスを示す。同期ライン810、820の割込ルーチンは、図9には含まれないことに留意されたい。
【0028】
ジェスチャ検出デバイス140の場合、ルーチンは、ステップ910から開始し、その後、‘0’へのライン820の状態設定が続く。ステップ920では、ジェスチャ検出プロセスが行なわれ、その後、ステップ925が続き、状態ライン820が、‘1’に設定される。ループ930は、タッチコントローラ状態ライン810が‘1’に設定されるのを待機する。
【0029】
タッチコントローラ150の場合、ルーチンは、ステップ940から開始し、その後、‘0’へのタッチ状態ライン810の設定が続く。ルーチンは、状態ライン820が‘1’に設定されるまで、ステップ960で待機する。該当する場合、状態ライン810は、ステップ970において、‘0’に設定され、その後、ステップ980において、タッチ検出プロセスが続く。タッチ検出を行なった後、状態ライン810は、ステップ990において、‘1’に設定され、ルーチンは、ステップ960に戻る。
【0030】
本方法と同様に、さらに別の実施形態によると、通信インターフェース1010が、両側間の作業プロセスを同期するために使用され得る。図10に示されるように、ICインターフェース1010は、タッチ検出のための開始コマンドを送信し、タッチコントローラ150からのタッチ結果を読み取ることに関与する。このように、ジェスチャ検出デバイス140は、マスタとして作用する一方、タッチコントローラ150は、スレーブとしての役割を果たす。しかしながら、本割当はまた、他の実施形態では、逆にされ得る。さらに、他の実施形態によると、RS232、SPI、任意のタイプの単一ワイヤ直列通信インターフェース等の他の通信インターフェースも、使用されることができる。加えて、図10は、ジェスチャ検出デバイス140内の別の通信インターフェース、例えば、上位プロセッサまたはシステムへの接続のための並列または直列インターフェースを示す。そのような配列では、ジェスチャ検出デバイス140は、マスタであり、全データをタッチコントローラ150から収集するという事実から、タッチコントローラは、付加的インターフェースを具備する必要がない。さらに別の実施形態によると、前述のように、ICインターフェースはまた、付加的インターフェースの代わりに、上位プロセッサまたはシステムと通信するために使用され得る。
【0031】
タッチ検出が完了後、状態ライン810は、‘1’に設定され、割込を生じさせることによって、ジェスチャ検出デバイス140に、タッチデータの読取を開始させるであろう。図11−14は、それぞれ、マスタおよびスレーブの主要作業プロセスを説明する。再び、同期ラインTP_syncのための割込ルーチンは、含まれないことに留意されたい。本構成では、タッチ検出結果およびジェスチャ検出結果は、通信インターフェース1010を通して、他のプロセッサに伝送されることができる。さらに、ジェスチャ検出デバイス140は、x−、y−、およびz−方向における検出を行なうことができる。したがって、ジェスチャ検出のためのタイムスロットの長さもまた、z−方向における位置に関して構成可能である。
【0032】
図11は、図10に示される実施形態による、ジェスチャ検出デバイス140のための例示的ルーチンを示す。ルーチンは、ステップ1110から開始し、その後、ステップ1120が続き、ジェスチャ検出プロセスが、行なわれる。以下のステップ1130は、検出された物体のZ−位置が、第1の閾値Z_highより小さいかどうかチェックする。該当しない場合、タイマが、ステップ1140において開始され、その後、ループ1150が続き、タイマが切れるかどうかチェックする。該当する場合、ルーチンは、ステップ1120に戻る。
【0033】
ステップ1130におけるZ−位置チェックが、検出された位置が閾値Z_highより小さいことを判定する場合、ステップ1160において、Z−位置が、第2の閾値Z_lowより低いかどうかチェックされるであろう。該当しない場合、ルーチンは、ステップ1120に戻る。そうでなければ、ルーチンは、ステップ1170において、ICインターフェース1010を介して、タッチコントローラへの制御データ、および随意に、他のデバイスへのデータの書込を開始する。タッチコントローラ140のための制御データは、タッチ検出プロセスを開始するためのコマンドを含んでもよい。以下のステップ1180では、ルーチンは、状態ライン810が‘1’に設定されるまで待機する。該当する場合、ルーチンは、ICインターフェース1010を介して、タッチコントローラ150からのデータの読取を開始し、ステップ1120に戻る。
【0034】
図12は、マスタ、例えば、ジェスチャ検出デバイス140のための例示的関連付けられたIC割込ルーチンを示す。ルーチンは、ステップ1210から開始し、その後、ステップ1220において、読取を開始するかどうかの決定が続く。開始する場合、ルーチンは、ステップ1230に分岐し、タッチコントローラ150からのタッチ結果が、ICインターフェース1010を介して読み取られ、その後、ステップ1250において、割込の終了が続く。読取が、ステップ1220において、行なわれないと判断される場合、開始コマンドは、ステップ1240において、ICインターフェース1010を介して、タッチコントローラ150に送信され、その後、ステップ1250において、割込の終了が続く。
【0035】
図13は、図10のシステム内のタッチコントローラ150のための例示的ルーチンを示す。ルーチンは、ステップ1310から開始し、その後、ステップ1320が続き、状態ライン810が‘0’に設定される。次いで、ステップ1330では、ルーチンは、開始コマンドが受信されるまで、例えば、関連付けられたフラグtouch_startが‘1’に設定されるまで待機する。該当する場合、ルーチンは、ステップ1340に分岐し、状態ライン810およびtouch_startフラグは、‘0’に設定される。次いで、タッチ検出プロセスが、ステップ1350において行なわれる。以下のステップ1360では、状態ライン810は、‘1’に設定され、ルーチンは、ステップ1330に戻る。
【0036】
スレーブ、例えば、タッチコントローラ150のための関連付けられた割込ルーチンは、図14に示される。ルーチンは、ステップ1410から開始し、その後、読取コマンドがステップ1420において行なわれるべきかどうかの判定が続く。行なわれるべき場合、ルーチンは、ステップ1430に分岐し、タッチ結果が、ICインターフェース1010を通して送信され、その後、ステップ1450において、割込の終了が続く。ステップ1420における判定が、‘いいえ’である場合、ルーチンは、ステップ1440に分岐し、touch_startフラグは、‘1’に設定され、その後、ステップ1450において、割込の終了が続く。
図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14