(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の伸縮性粘着テープの実施の形態について、図面を用いつつ具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は、伸縮性粘着テープの実施形態1を示す平面図及び断面図である。
図1(a)に平面図で、
図1(b)に
図1(a)のA−A線で切断した断面図で示す伸縮性粘着テープ1は、身体の屈曲部や皮膚の伸縮に追従することができるように伸縮可能な布よりなる基材2を備えている。基材2は、スポーツ用粘着テープに用いられている材料の繊維を含む。例えば、ポリエステル、綿、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、ポリウレタン、ナイロン等の有機繊維の1種又は2種以上を用いることができる。これらの繊維の太さや、繊維を用いた織布又は編布の撚り、編み方についてはスポーツ用粘着テープに用いられているものを用いればよい。
【0012】
基材2の裏面には、
図1(b)の断面図に示すように粘着剤層3が基材2の全面にわたって形成されている。粘着剤層3を構成する粘着剤の材料、粘着力は、スポーツ用粘着テープに用いられている材料を用いることができる。例えば、天然ゴム、合成ゴム、アクリル等の樹脂を用いることができる。粘着力が強すぎると皮膚に刺激を与えて、かぶれる恐れがあり、粘着力が弱すぎると伸縮性粘着テープとしての効果に乏しい。粘着剤は、基材2に部分的に形成してもよいが形成工程が煩雑になる。
【0013】
また、粘着剤層3から見て基材2とは反対側の面に、使用前に粘着剤層3を保護するとともに使用時に分離して粘着剤層3を人体の皮膚に対して露出させるセパレータ4、例えば剥離紙が、粘着剤層3に密着して設けられている。
【0014】
図1に示した伸縮性粘着テープ1は、長尺なセパレータ4の長手方向に沿って長尺な基材2を有している。伸縮性粘着テープ1の長さは特に限定されず、所定の長さを有するものとすることができるし、長尺な伸縮性粘着テープ1をロール状に巻いた形状とすることもできる。基材2の長さは基材2の長手方向のサイズをいう。基材2の幅は基材2の短手方向のサイズをいう。
【0015】
基材2の側縁に、線状の切れ目2aが複数個で形成されている。切れ目2aは、図示した例では基材2の幅方向端部から幅方向中央部に向けて延びている。もっとも、切れ目2aが延びる方向は、側縁から直交する方向に限られず、側縁に対して90度以外の所定の角度を有していてもよい。切れ目2aは線状である。したがって、使用前で伸縮性粘着テープ1がセパレータ4を有しているときに、切れ目2aはV字状や半円状の切欠きを有していない。
【0016】
切れ目2aの長さは、基材2の幅や伸縮性粘着テープ1が人体に貼り付けられる位置や伸縮性粘着テープ1が期待される機能等に応じて適宜に定めることができる。複数の切れ目2aは、それぞれの長さが統一されていなくてもよい。また、図示した例では、切れ目2aが基材2の両側縁に形成されているが、一方の側縁における切れ目2aの長さと、他方の側縁における切れ目2aの長さとが異なっていてもよい。一つの側縁において、隣り合う切れ目2aの間隔は、図示したように一定間隔でもよいし、不定間隔でもよい。伸縮性粘着テープの用途、機能に応じた適切な間隔にすることができる。また、
図1に示した例では、一方の側縁における切れ目2aの延長線上に、他方の側縁における切れ目2aが位置しているが、延長線上に位置してなくてもよい。例えば、両側縁で切れ目を千鳥位置にすることもできる。
【0017】
切れ目2aの形成方法の一例を、
図2に模式図で示す切断装置を用いて説明すると、
図2に示すように、直線刃6を有する切断装置5を用いて、伸縮性粘着テープ1を当該切断装置5に導いて連続的又は断続的に移動させつつ、直線刃6を伸縮性粘着テープ1の表面に対して垂直方向に往復運動させることにより、伸縮性粘着テープ1の基材2に、所定の間隔を空けて所定長さを有する線状の切れ目2aを形成することができる。
【0018】
図1(a)、(b)に示した伸縮性粘着テープ1は、
図1(b)に示すように基材2に切れ目2aが形成され、粘着剤層3にも切れ目が形成されているが、セパレータ4には切れ目を有しない。このような構造を有する伸縮性粘着テープ1を製造するには、一例として
図2に示した直線刃6を有する切断装置5を用いる場合に、直線刃6の往復運動の範囲を調整するとよい。具体的に、直線刃6は、切れ目2aとのと、当該直線刃6を、伸縮性粘着テープ1の移動方向に対して垂直方向かつ、基材2の表面に対して垂直方向に往復運動させて切れ目を入れる際に、当該直線刃6の刃先が、基材2の表面から厚さ方向に移動し、更に粘着剤層3を厚さ方向に通過して少なくとも粘着剤層3の厚さの全部にわたって移動するが、セパレータ4の厚さの全部を通過しないように、直線刃6の往復運動の範囲を調整することにより製造することができる。セパレータ4に切れ目を有しないとは、直線刃6の刃先による圧痕がセパレータ4の表面に存在しない場合に限られない。直線刃6の刃先がセパレータ4の表面から厚さ方向に部分的に達したためにセパレータ4の表面から厚さ方向に圧痕が生じているものの、直線刃6の刃先がセパレータ4の厚さのすべてを通過しなかったためにセパレータ4の一方の表面から他方の表面までに達する切れ目が形成されていない場合を含む。また、伸縮性粘着テープ1の変形例においては、基材2に切れ目2aが形成されているものの、粘着剤層3に切れ目が形成されておらず、伸縮性粘着テープ1の使用時に基材2の切れ目2aに追随して粘着剤層3に切れ目が形成される場合も含まれる。
【0019】
図1(a)、(b)に示した伸縮性粘着テープ1は、基材2に切れ目2aが形成され、粘着剤層3にも切れ目が形成されているが、セパレータ4には切れ目を有しない例である。これに対して、以下に述べる伸縮性粘着テープ1の変形例では、セパレータ4にも切れ目を有している。
図1(c)は、変形例の伸縮性粘着テープ1の断面図であり、
図1(a)のA−A線で切断した断面を示している。
図1(c)に示した伸縮性粘着テープ1は、基材2、粘着剤層3及びセパレータ4に切れ目を有している。
図1(c)のような構造を有する伸縮性粘着テープ1を製造するには、一例として
図2に示した直線刃6を有する切断装置5を用いる場合に、直線刃6の往復運動の範囲を調整するとよい。具体的に、直線刃6は、切れ目2aとのと、当該直線刃6を、伸縮性粘着テープ1の移動方向に対して垂直方向かつ、基材2の表面に対して垂直方向に往復運動させて切れ目を入れる際に、当該直線刃6の刃先が、基材2の表面から厚さ方向に移動し、更に粘着剤層3及びセパレータ4の厚さ方向に通過してセパレータ4の厚さの全部にわたって移動するように、直線刃6の往復運動の範囲を調整することにより製造することができる。
【0020】
図1(a)及び(b)に示された本実施形態の伸縮性粘着テープ1や、
図1(c)に示された本実施形態の伸縮性粘着テープ1は、肘や膝などの人体の屈曲部などに、伸縮性粘着テープ1を長手方向に引っ張りながら湾曲させて貼り付けると、テープが有する伸縮性により基材2の線状の切れ目2aが開口するので、テープの内周側では皺にならず、外周側では張力が生じず、湾曲形状に追随してテープを密着させることができる。貼り付けの際に引っ張らない場合でも、テープの内周側では切れ目2aが重なり合うので皺にならず、テープの外周側では切れ目2aが開口するので張力が生じず、湾曲形状に追随してテープを密着させることができるので、テープが引きつるのを防止することができる。
【0021】
更に、切れ目2aは平面図で直線状であり、既存の切断装置の直線刃により容易に切れ目を形成することができるのでテープを製造するコストが低い。また、切れ目を形成しても切りくずが発生しないので廃棄処理が不要で、環境に優しい方法でテープを製造することができる。
【0022】
また、伸縮性粘着テープ1はロール状に巻いた長尺なものとすることができ、使用時に長尺な伸縮性粘着テープ1から任意の長さで伸縮性粘着テープ1を切断することで、任意の長さの伸縮性粘着テープ1を得ることができる。したがって、適切な長さの伸縮性粘着テープ1とすることができる。
【0023】
(実施形態2)
伸縮性粘着テープの実施形態2を、
図3を用いて説明する。
図3(a)に平面図に示す伸縮性粘着テープ11は、伸縮可能な布よりなる基材12を備えている。この基材12の裏面には、
図3(b)に示す
図3(a)のB−B線で切断した断面図から分かるように粘着剤層3が基材12の全面にわたって形成されている。また、粘着剤層3から見て基材12とは反対側の面に、使用前に粘着剤層3を保護するとともに使用時に分離して粘着剤層3を人体の皮膚に対して露出させるセパレータ4、例えば剥離紙が、粘着剤層3に密着して設けられている。
【0024】
図3に示した本実施形態の伸縮性粘着テープ11と、
図1に示した実施形態1の伸縮性粘着テープ1との相違点は、
図3の伸縮性粘着テープ11の基材12が所定の長さを有し、長尺なセパレータ4上で間隔をあけて複数個が配置されている点である。
図3においては、一例として基材12を長尺なセパレータ4の長手方向に沿って3個を有している。これに対し、
図1に示した伸縮性粘着テープ1は、基材2がセパレータ4と同様に長尺なものである。
図1に示した伸縮性粘着テープ1と、
図3に示した伸縮性粘着テープ11とは、それ以外の構造は同じであり、図面中で同一の部材については同一の符号を付しているので、以下の伸縮性粘着テープ11の説明において、既に伸縮性粘着テープ1の説明で述べた、重複する記載を省略する。
【0025】
基材12の側縁に、線状の切れ目2aが複数個で形成されている。切れ目2aは、先に述べた実施形態1の伸縮性粘着テープ1の基材2の切れ目2aと同様とすることができる。切れ目2aの形成方法も、先に述べた実施形態1の伸縮性粘着テープ1の基材2の切れ目2aと同様とすることができる。
【0026】
隣り合う基材12間の隙間は、
図2に示したのと類似の切断装置を使用して、切れ目2aを形成するための直線刃とは別の刃を用いて、その刃を伸縮性粘着テープ11の表面に対し垂直方向に往復運動させることにより、伸縮性粘着テープ11の基材12を、所定箇所で当該テープの幅方向にわたって切断し、隣り合う基材12間の余材となる部分を取り除くことで形成することができる。
【0027】
図3に示した伸縮性粘着テープ11は、基材12に切れ目2aが形成され、粘着剤層3にも切れ目2aが形成されているが、セパレータ4には切れ目を有しない構造とすることができるし、基材12、粘着剤層3及びセパレータ4に切れ目2aを有する構造とすることもできる。
図3に示した伸縮性粘着テープ11は、
図1に示した伸縮性粘着テープ1同様に、肘や膝などの人体の屈曲部などに、伸縮性粘着テープ11を湾曲させて貼り付けても、テープに皺や引きつりが生じず、密着させることができ、更に、低コストで製造することができ、かつ、切れ目を形成時に切りくずが発生しないので廃棄処理が不要で、環境に優しい方法でテープを製造することができる。
【0028】
また、伸縮性粘着テープ11は、基材12が所定の長さを有しているので、基材12の長さが異なる複数の伸縮性粘着テープ11を用意することにより、ユーザはテープを貼る場所、目的、用途に応じた長さを有する伸縮性粘着テープを選択するだけで、長さの調整のためのテープの切断作業をすることなく貼り付けることができる。
【0029】
(実施形態3)
伸縮性粘着テープの実施形態3を、
図4を用いて説明する。
図4(a)に平面図に示す伸縮性粘着テープ21は、伸縮可能な布よりなる基材22を備えている。この基材22の裏面には、
図4(b)の断面図に示すように粘着剤層3が基材22の全面にわたって形成されている。また、粘着剤層3から見て基材22とは反対側の面に、使用前に粘着剤層3を保護するとともに使用時に分離して粘着剤層3を人体の皮膚に対して露出させるセパレータ24、例えば剥離紙が、粘着剤層3に密着して設けられている。
【0030】
図4に示した本実施形態の伸縮性粘着テープ21と、
図3に示した実施形態2の伸縮性粘着テープ11との相違点は、
図4の伸縮性粘着テープ21の基材22が、隣り合う基材22間に隙間がほとんどない点と、セパレータ24は、基材22の幅よりも大きな幅を有している点と、セパレータ24は、隣り合う基材22間の位置に、テープ幅方向に全幅にわたってミシン目24aが形成されている点である。それ以外の構造は同じであり、図面中で同一の部材については同一の符号を付しているので、以下の伸縮性粘着テープ21の説明において、既に伸縮性粘着テープ1及び伸縮性粘着テープ11の説明で述べた、重複する記載を省略する。
【0031】
基材22の側縁に、線状の切れ目2aが複数個で形成されている。切れ目2aは、先に述べた実施形態1、2の伸縮性粘着テープ1の基材2、12の切れ目2aと同様とすることができる。切れ目2aの形成方法も、先に述べた実施形態1、2の伸縮性粘着テープ1の基材2、12の切れ目2aと同様とすることができる。
【0032】
図4に示されるように、隣り合う基材22間に隙間は必ずしも必要ない。隣り合う基材22間は、両者を切断装置5の直線刃6で分離した切断線が形成されているものでもよい。隙間が小さいほど廃棄部分が少なくなり、コストや環境の観点から有利である。
また、直線刃の形状を工夫することにより、を分離する切断線と、セパレータ24に形成するミシン目とを一度に形成することができる。隣り合う基材22を分離する切断する工程とセパレータ24にミシン目を形成する工程とは別途に行ってもよいが、工夫された直線刃により両工程を一度に行うことが、作業効率が高いので好ましい。なお、隣り合う基材22間に、切断線の代わりにミシン目を形成してもよく、この場合、セパレータ24に形成するミシン目24aと同じ工程で一度に形成することができる。
【0033】
図4に示した伸縮性粘着テープ21は、実施形態1、2の伸縮性粘着テープ1、11と同様に、肘や膝などの人体の屈曲部などに、伸縮性粘着テープ21を湾曲させて貼り付けても、テープに皺や引きつりが生じず、密着させることができ、更に、低コストで製造することができ、かつ、切れ目を形成時に切りくずが発生しないので廃棄処理が不要で、環境に優しい方法でテープを製造することができる。
【0034】
また、伸縮性粘着テープ21は、基材22が所定の長さを有しているので、実施形態2の伸縮性粘着テープ11と同様に基材22の長さが異なる複数の伸縮性粘着テープ21を用意することにより、ユーザはテープを貼る場所、目的、用途に応じた長さを有する伸縮性粘着テープを選択するだけで、長さの調整のためのテープの切断作業をすることなく貼り付けることができる。
【0035】
更に、伸縮性粘着テープ21は、セパレータ24が、基材22よりも広い幅を有しているので、テープの使用時にセパレータ24から粘着剤層3を有する基材22を、一層容易に剥がすことができる。
【0036】
また更に、伸縮性粘着テープ21は、セパレータ24に、ミシン目24aが形成されているので、使用前に個々の伸縮性粘着テープを適宜に分離することができ、携帯性等の向上により使用用途の幅が広がる。なお、ミシン目24は、
図4に示した本実施形態の伸縮性粘着テープ21のセパレータ24に限られず、例えば、
図3に示した実施形態2の伸縮性粘着テープ11のセパレータ4に形成してもよい。
【0037】
(実施形態4)
伸縮性粘着テープの実施形態4を、
図5の平面図を用いて説明する。
図5に示す伸縮性粘着テープ31は、伸縮可能な布よりなる基材32を備えている。図面に直接には表れていないが、この基材32の裏面には、粘着剤層3が基材32の全面にわたって形成されている。また、粘着剤層3から見て基材32とは反対側の面に、使用前に粘着剤層3を保護するとともに使用時に分離して粘着剤層3を人体の皮膚に対して露出させるセパレータ4、例えば剥離紙が、粘着剤層3に密着して設けられている。
【0038】
基材32の側縁に、線状の切れ目2aが複数個で形成されている。切れ目2aは、先に述べた実施形態1の伸縮性粘着テープ1の基材2の切れ目2aと同様とすることができる。切れ目2aの形成方法も、先に述べた実施形態1の伸縮性粘着テープ1の基材2の切れ目2aと同様とすることができる。
【0039】
個々の切れ目2aの幅方向中央部側の端部に、円形の開口2bを有している。開口2bは打ち抜き加工等により形成することができる。開口2bの大きさは適宜定めることができる。また、開口2bの平面形状は真円に限定されない。
【0040】
図5に示した伸縮性粘着テープ31は、上述した実施形態の伸縮性粘着テープの効果を有するばかりでなく、開口2bを有していることから、使用時において切れ目2aの端部から裂け目がテープの幅方向中央部に向けて伝播することを抑制することができる。
【0041】
(実施形態5)
伸縮性粘着テープの実施形態5を、
図6の背面図を用いて説明する。
図6に示す伸縮性粘着テープ41は、図示されたセパレータ44に特徴を有している。
図6に示す背面から見てセパレータ44の裏面には、図面に直接には表れていないが、粘着剤層3が形成され、この粘着剤層3から見てセパレータ44とは反対側の面に伸縮可能な布よりなる基材12を備えている。粘着剤層3及び基材12は、
図3に示した実施形態2の伸縮性粘着テープ11の粘着剤層3及び基材12と同様の構成とすることができる。つまり、基材12は切れ目2aを有している。
図6では
図1〜5に示したのと同一部材には同一符号を付しており、以下の説明では重複する説明を省略する。
【0042】
本実施形態の伸縮性粘着テープ41のセパレータ44は、伸縮性粘着テープ41を使用の際にユーザが基材12に、鋏等で切れ目を入れるときのガイド線44aが描かれている。ガイド線は、例えば印刷により形成することができる。ガイド線44aは、テープを貼り付ける部位や運動の種類、使用目的に応じて描くことができる。
【0043】
例えば
図6(a)の例では、基材12の短手方向中央部から長手方向に延びるガイド線44aが、長手方向の一端から長手方向中央部まで直線状に一個形成されている。
図6(b)の例では、基材12の短手方向中央部から長手方向に延びるガイド線44aが、長手方向両端部と、中央部とで直線状に合計三個形成されている。
図6(c)の例では、基材12の長手方向に延びるガイド線44aが、長手方向の一端部で、短手方向を四分するように直線状に合計三個形成されている。
【0044】
ユーザがガイド線44aに従って切れ目を入れた場合、伸縮性粘着テープ41は、
図7に示すような平面形状を有する。
図7(a)は
図6(a)に対応する図面であり、伸縮性粘着テープ41はY字形状を有する。
図7(b)は
図6(b)に対応する図面であり、伸縮性粘着テープ41はX字形状を有する。
図7(c)は
図6(c)に対応する図面であり、伸縮性粘着テープ41は熊手形状を有する。
【0045】
各部位に対応するテーピングは、形状が異なり専門的な知識が必要であるが、本実施形態の伸縮性粘着テープ41は、セパレータ44の裏面に、専門家が指示するテーピング形状に対応するガイド線が描かれていることで、ユーザは容易に所定平面形状のテープとすることができる。伸縮性粘着テープ41自体は
図7に示すような切れ目を有しておらず、その切れ目を形成する加工をすることがないので、容易に低コストで製造することができる。
【0046】
図8に、種々のガイド線44aを有する伸縮性粘着テープ41の例を示す。なお
図8(a)〜(f)は、セパレータ44の裏面、すなわち粘着剤層3と対向する面とは反対側の面について、基材12に相当する領域のみを斜視図で示している。
【0047】
図8(a)は
図6(a)の実線のガイド線44aの代わりに破線のガイド線44bに変更したものである。同図から理解されるように、実線のガイド線44aに限られず、破線のガイド線44bでもよいし、また、一点鎖線や二点鎖線のガイド線等でもよい。
図8(b)は
図8(a)のテープ長手方向に延びるガイド線44bに加えて、当該ガイド線44bに一端が接しテープ短手方向に延びるガイド線44cを描いたものである。ガイド線44cは、ガイド線44bにより基材12が部分的に分割されて細長い平面形状を有する部分における側縁に相当する位置に、ユーザが切れ目を入れるためのガイド線である。ユーザがガイド線44bのみならずガイド線44cに切れ目を入れることにより、基材12が分割される部分は、人体に湾曲させて貼り付けたときに内周側で皺が抑制され、外周側で引きつりが抑制され、テープを密着させることができる。ガイド線44cは、セパレータ44の幅方向端部から幅方向中央部に向けて延びるように描くこともできる。
【0048】
図8(c)は
図6(b)の実線のガイド線44aの代わりに破線のガイド線44bに変更したものである。
図8(d)は
図8(c)のテープ長手方向に延びるガイド線44bに加えて、当該ガイド線44bに一端が接しテープ短手方向に延びるガイド線44cを描いたものである。ガイド線44cは、ガイド線44bにより基材12が部分的に分割された部分における側縁に相当する位置に、ユーザが切れ目を入れるためのガイド線である。ユーザがガイド線44bのみならずガイド線44cに切れ目を入れることの効果は、
図8(b)の説明で既に述べたのと同様である。
【0049】
図8(e)は
図6(c)の実線のガイド線44aの代わりに破線のガイド線44bに変更したものである。
図8(f)は
図8(e)のテープ長手方向に延びるガイド線44bに加えて、当該ガイド線44bに一端が接しテープ短手方向に延びるガイド線44cを描いたものである。ガイド線44cは、ガイド線44bにより基材12が部分的に分割された部分における側縁に相当する位置に、ユーザが切れ目を入れるためのガイド線である。ユーザがガイド線44bのみならずガイド線44cに切れ目を入れることの効果は、
図8(b)の説明で既に述べたのと同様である。
【0050】
図9に、他のガイド線44d〜44fを有する伸縮性粘着テープ41の例を示す。なお
図9(a)〜(c)は、セパレータ44の裏面、すなわち粘着剤層3と対向する面とは反対側の面について、基材12に相当する領域のみを斜視図で示している。
【0051】
図9(a)はテープの長手方向中央部に六角形をなす破線のガイド線44dと、当該六角形の頂点から放射状に延びる破線のガイド線44eと、当該ガイド線44d、44eに一端が接するガイド線44fを描いたものである。
図9(b)は
図9(a)のガイド線44d、44e、44fに加えて、基材12の短手方向中央部から長手方向に延びる破線のガイド線44bが、長手方向の一端から長手方向中央部に向けて直線状に合計二個形成され、当該ガイド線44bに一端が接するガイド線44cが描かれている。
図9(c)は
図8(a)のテープ長手方向に延びるガイド線44d、44e、44fに加えて、基材12の長手方向に延びる破線のガイド線44bが、長手方向の両端部で、短手方向を三分するように直線状に形成され、当該ガイド線44bに一端が接するガイド線44cが描かれている。
図9(a)〜(c)において六角形をなす破線のガイド線44dは、テープの幅方向中央部に穴を形成するためのガイド線である。
【0052】
(実施形態6)
伸縮性粘着テープの実施形態6を、
図10を用いて説明する。
図10は、伸縮性粘着テープ51を基材52側から見た斜視図である。
図10に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮可能な布よりなる基材52を備えている。図面には図示を省略しているが、この基材52の裏面には、粘着剤層が基材52の全面にわたって形成されている。また、粘着剤層から見て基材52とは反対側の面に、使用前に粘着剤層を保護するとともに使用時に分離して粘着剤層を人体の皮膚に対して露出させるセパレータ、例えば剥離紙(図示省略)が、粘着剤層に密着して設けられている。粘着剤層及びセパレータは、以前の実施形態で既に説明した粘着剤層及びセパレータと同様とすることができ、以下の説明では重複する説明を省略する。
【0053】
図10に示す伸縮性粘着テープ51は、基材52の側縁に、線状の切れ目が複数個で形成されている。切れ目は、
図1〜5に示した切れ目2aと同様とすることができ、
図10においては図示を省略している。
【0054】
基材52の表面上に伸縮調整材7が、選択的に形成されている。伸縮調整材7は、具体的には硬質樹脂であり、
図10(a)に示した例では、伸縮調整材7は条状であり、伸縮性粘着テープ51の長手方向に沿って波形に形成されている。
【0055】
伸縮調整材7は、硬質樹脂、具体的にはアクリル樹脂を用いることができる。アクリル樹脂等の硬質樹脂は、印刷によって基材52の表面に選択的に形成することができる。印刷は、伸縮調整材7を基材52の表面に選択的に形成する方法として、作業工程が容易であり、また、印刷パターンの変更により基材52の伸縮を容易に調整することができるので好ましい方法である。
【0056】
図10(a)に示した伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7が長手方向に沿って波形に形成されている。伸縮性粘着テープ51の長手方向の伸びが大きく規制され、短手方向の伸びは、それほど規制されない。このようにして伸縮調整材7は基材52の伸びを調整することにより伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整することができる。具体的に、伸縮調整材7による基材52の伸縮の調整の結果として伸縮性粘着テープ51の伸びが筋肉と同じくらいの伸びを有していることが好ましい。
【0057】
また、
図10(a)に示した伸縮性粘着テープ51は、伸縮性粘着テープ51の長手方向において、波形の伸縮調整材7が直線状に伸びようとする過程で、伸縮調整材7の弾性変形による伸びが生じる。この伸縮調整材7の弾性変形による伸びは、基材52自体の伸びとは異なる。このようにしての伸縮調整材7は、伸縮調整材7の基材52上でのパターニングにより伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整することができる。すなわち、本実施形態は、伸縮調整材7のデザインそのものが機能を有する粘着テープを提供することができる。また、伸縮調整材7により伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整しているので、粘着剤の選択的な形成により伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整する必要がない。
【0058】
上述した伸縮調整材7により伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整する本実施形態の伸縮性粘着テープ51を身体に貼付することにより、機序は必ずしも明確ではないが、皮膚を持ち上げ、また皮膚に刺激を与えることができ、よってリンパ液の流れや血液の流れが良くなるものと考えられる。
【0059】
伸縮調整材7の基材52上でのパターニング、換言すればデザインは、
図10(a)に示したものに限られない。例えば、
図10(b)〜(h)に示すパターニングとすることができる。
【0060】
図10(b)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、伸縮性粘着テープ51の長手方向に沿った条状の波形であり、隣り合う波形が逆位相になるものである。
図10(c)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、伸縮性粘着テープ51の長手方向に直線状に伸びる複数の条状である。
【0061】
図10(d)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、伸縮性粘着テープ51の長手方向の端部近傍に設けられた、長手方向に直線状に伸びる複数の太い条状である。伸縮調整材7を伸縮性粘着テープ51の長手方向の端部近傍のみに設けることにより、伸縮性粘着テープの長手方向中央部と端部とで伸びを異ならせることができる。
図10(e)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、線条により格子状に形成されたものである。格子は正四角形のものに限られず菱形であってもよい。菱形である場合には、伸縮調整材7を伸縮性粘着テープ51の長手方向と短手方向とで伸びが異なるので、かかる菱形の形状の伸びを調整することができる。
【0062】
図10(f)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、線条により亀甲状に形成されたものである。
図10(g)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、六角形により伸縮性粘着テープ51の長手方向に複数個配列されたものである。
図10(h)に示す伸縮性粘着テープ51は、伸縮調整材7のパターニングが、六角形により伸縮性粘着テープ51の長手方向中央部近傍に複数個配列されたものである。
【0063】
伸縮性粘着テープの平面形状は
図10(a)〜(h)に示した形状に限られず、テープを貼る場所、目的、用途に応じた形状とすることができる。
【0064】
伸縮調整材7は、着色することができる。着色することにより、意匠性に優れた伸縮性粘着テープ51とすることができる。着色は単色に限られない。複数色でもよいし、グラデーションにより色が徐々に変化するものであってもよい。
【0065】
伸縮調整材7は、延性の異なる複数の樹脂により構成することできる。例えば一つの樹脂を硬質で伸びが小さいアクリル樹脂として、もう一つの樹脂を、アクリル樹脂よりも伸びが大きい、例えばシリコーン樹脂とすることができる。このような構成の伸縮調整材7は、樹脂ごとに印刷を繰り返することにより基材52上に形成することができる。
【0066】
伸縮調整材7を、延性の異なる複数の樹脂により構成することにより、これらの樹脂の伸びの相違によっても伸縮性粘着テープ51の伸縮を調整することができる。延性の異なる複数の樹脂を用いる場合、3種以上の樹脂を用いてもよい。
【0067】
以上、本発明の伸縮性粘着テープの実施形態を、図面を用いて説明したが、本発明の伸縮性粘着テープは、図面及び明細書に記載されているものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能であるは言うまでもない。
【解決手段】伸縮性粘着テープ1は、伸縮可能な布からなる基材2と、該基材2の一方の面に形成された粘着剤層3と、該粘着剤層3から見て前記基材2とは反対側の面に形成されたセパレータ4と、を備え、前記基材2の側縁に、線状の切れ目2aを複数有する。