特許第6093463号(P6093463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6093463
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   A23L2/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-35766(P2016-35766)
(22)【出願日】2016年2月26日
【審査請求日】2016年2月26日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘明
(72)【発明者】
【氏名】三木 智恵
(72)【発明者】
【氏名】谷 実歩
(72)【発明者】
【氏名】石井 陽子
【審査官】 川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−168936(JP,A)
【文献】 特開2005−015686(JP,A)
【文献】 米国特許第03005715(US,A)
【文献】 特開2013−059286(JP,A)
【文献】 特開2013−000011(JP,A)
【文献】 特開2015−173631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00−2/40
C12C 1/00−13/06
C12G 1/00−3/12
A23L 5/40−5/49
CiNii
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
420nmの吸光度が0.019以下である飲料であって、
果糖ぶどう糖液糖に由来する還元糖と、
アントラニル酸メチルとを含有し、以下の関係式(i)を満足する飲料。

(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2<3.13×10−2
ただし、Aは果糖ぶどう糖液糖に由来する還元糖の含有量(g/L)を表し、44.6≦Aであり、Bはアントラニル酸メチルの含有量(g/L)を表す。
【請求項2】
さらに以下の関係式(ii)を満足する請求項1に記載の飲料。

(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2<2.10×10−2
【請求項3】
44.6≦A≦160および0<B≦0.040の関係をさらに満足する請求項1または2に記載の飲料。
【請求項4】
前記飲料が容器詰飲料である、請求項1からのいずれか1つに記載の飲料。
【請求項5】
果糖ぶどう糖液糖に由来する還元糖とアントラニル酸メチルとを含有する飲料において、以下の関係式(i)を満足するように前記果糖ぶどう糖液糖に由来する還元糖および前記アントラニル酸メチルの含有量を調整することを含む、飲料の褐変を抑制する方法。

(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2<3.13×10−2
ただし、Aは果糖ぶどう糖液糖に由来する還元糖の含有量(g/L)を表し、44.6≦Aであり、Bはアントラニル酸メチルの含有量(g/L)を表す。
【請求項6】
さらに以下の関係式(ii)を満足する請求項に記載の方法。

(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2<2.10×10−2
【請求項7】
44.6≦A≦160および0<B≦0.040の関係をさらに満足する請求項またはに記載の方法。
【請求項8】
前記飲料が容器詰飲料である、請求項5から7のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料に関し、特にアントラニル酸メチルと還元糖とを含有する飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の多様な好みに応えるために香りが付与された飲料が広く販売されており、飲料へ香りを付与するために様々な香料が用いられている。
香料として使用できる化合物の1つとしてアントラニル酸メチルが知られている。当該化合物を添加して飲料を製造することで、例えば消費者がぶどうを想起できる香りを付与することが可能である(特許文献1)。
【0003】
また、広く親しまれている飲料の1種として、果糖ぶどう糖液糖などの糖類を加えて甘味を付与して製造される飲料が知られている。また、当該飲料の中には、例えば香料が加えられ、甘味とともに特定の果物などを想起できる香りが感じられるように調整されたりして製造されるものもある。さらに、このように特定の果物を想起できる香りが付与されている飲料においては、色素等も併せて添加され、外観からもその果物の果肉や果皮等が想起できるように調整することが一般に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−504833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、色素を加えることなく果糖ぶどう糖液糖とアントラニル酸メチルを水に添加して無色透明の飲料の製造を行ったところ、保存後、外観が褐色に変色(褐変)している場合があることに気が付いた。このような褐変は本発明者によってはじめて確認されており、その解決方法については従来技術では何ら示されていない。
【0006】
本発明は、還元糖とアントラニル酸メチルとを含有する飲料において褐変を抑制できる新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
飲料は例えば内部に収容される飲料の色が確認できるPETボトルなどの容器に詰められている状態で販売されている。よって、製造時は無色透明等の飲料であったにも係らず保存後に褐変が生じているような場合、褐変によってその商品価値が損なわれるため、好ましくない。
【0008】
一方、アントラニル酸メチルと還元糖が含まれていたとしても添加される色素等の影響により褐変が確認できない外観の飲料においてはこのような問題は生じない。そのため、飲料に対して色素添加によるマスキングを行うことも、褐変についての対応策の1つとして考えられる。しかしながら、このマスキングを行う方法によっては飲料の外観設計に制限が加わることとなり、例えば無色透明であり、アントラニル酸メチルと還元糖を含有する飲料は当該方法によっては得ることはできない。
【0009】
本発明者は鋭意研究の結果、アントラニル酸メチルと還元糖の含有量について所定の関係を満足するようにすることで飲料が褐変するのを抑えられることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 420nmの吸光度が0.019以下である飲料であって、
還元糖と、
アントラニル酸メチルとを含有し、以下の関係式(i)を満足する飲料。
(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<3.13×10−2
ただし、Aは還元糖の含有量(g/L)を表し、Bはアントラニル酸メチルの含有量(g/L)を表す。
[2] さらに以下の関係式(ii)を満足する[1]に記載の飲料。
(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<2.10×10−2
[3] 0<A≦160および0<B≦0.040の関係をさらに満足する[1]または[2]に記載の飲料。
[4] 果糖ぶどう糖液糖を含む、[1]から[3]のいずれか1つに記載の飲料。
[5] 前記飲料が容器詰飲料である、[1]から[4]のいずれか1つに記載の飲料。
[6] 還元糖とアントラニル酸メチルとを含有する飲料において、以下の関係式(i)を満足するように前記還元糖および前記アントラニル酸メチルの含有量を調整することを含む、飲料の褐変を抑制する方法。
(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<3.13×10−2
ただし、Aは還元糖の含有量(g/L)を表し、Bはアントラニル酸メチルの含有量(g/L)を表す。
[7] さらに以下の関係式(ii)を満足する[6]に記載の方法。
(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<2.10×10−2
[8] 0<A≦160および0<B≦0.040の関係をさらに満足する[6]または[7]に記載の方法。
[9] 前記還元糖が果糖ぶどう糖液糖である、[6]から[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10] 前記飲料が容器詰飲料である、[6]から[9]のいずれか1つに記載の方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、還元糖とアントラニル酸メチルとを含有する飲料において褐変を抑制できる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る飲料はアントラニル酸メチルと還元糖とを含有し、還元糖の含有量をA(g/L)、アントラニル酸メチルの含有量をB(g/L)とするときに以下の関係式(i)を満足する。
(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<3.13×10−2
また、以下の関係式(ii)を満足することが好ましい。
(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<2.10×10−2
【0013】
本実施形態においては上記関係式(i)を満足することで還元糖とアントラニル酸メチルとの反応により飲料が褐変するのを抑えることができ、外観の変化(褐変)の程度がより小さい飲料を得ることが可能である。
なお、飲料中で還元糖とアントラニル酸メチルとが反応し、飲料が褐変する機構については現在のところ必ずしも明確ではないが、還元糖に含まれるアルデヒド基への1級アミンであるアントラニル酸メチルの求核付加反応が進むことにより、褐変が進んでいくと考えられる。
【0014】
本明細書において、還元糖とは、開環して鎖状構造となった際に、アルデヒド基を有するアルドース又はケトン基を有するケトースを構成成分とし、還元性を示す糖をいう。還元糖としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ソルボースなどの単糖類、マルトース、ラクトース、パラチノースなどの二糖類、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖類が挙げられる。本実施形態においては例えばこれらのうち1種または2種以上が本実施形態に係る飲料中に含有されるようにすることができる。また、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖などの還元糖を含む異性化液糖が含有されるように飲料を構成してもよく、これにより上記の還元糖が飲料中に含まれるようにしてもよい。
本実施形態に係る飲料における還元糖の含有量は上記関係式(i)を満足する限り特に限定されないが、褐変をより抑えることができる観点から0<A≦160(g/L)を満足することが好ましい。また、当該Aの範囲に関し、褐変を抑制できるとともに飲料を摂取したときに甘みをより感じることができる観点から、Aの下限値は、ショ糖の甘味度換算で1.71(g/L)以上(例えば、還元糖の割合が75%であり、ショ糖とほぼ同じ甘味度である果糖ぶどう糖液糖に換算すると2.28g/L以上)であることがさらに好ましい。
【0015】
また、アントラニル酸メチルは以下の構造式により表される化合物である。
【0016】
【化1】
【0017】
天然にはぶどう、オレンジ、レモン、ジャスミン等に含まれる成分であり、例えば香料として、添加される対象にぶどう、オレンジ、メロンなどの香りを付与するために用いることができる。
本実施形態に係る飲料におけるアントラニル酸メチルの含有量は上記関係式(i)を満足
する限り特に限定されないが、褐変をより抑えることができる観点から、0<B≦0.040(g/L)を満足することが好ましい。また、褐変を抑制できるとともに本実施形態に係る飲料を飲んだときにぶどうを想起できる香りを有するようにできる観点から、より好ましくは3×10−6≦0.040(g/L)である。
【0018】
本実施形態の飲料においてその製造方法は特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。例えば上述の関係を満足する量の還元糖とアントラニル酸メチルを水に溶解させ、本実施形態の飲料とすることができる。
また、還元糖やアントラニル酸メチル自体を添加して飲料を製造する以外に、これらのうち少なくとも一方を含む組成物、例えば果汁等を添加して飲料を製造するようにしてもよい。また、化合物と果汁等の組成物を併用して飲料を製造するようにすることもできる。
【0019】
なお、飲料中における還元糖は、水に添加する量から算出してもよいし、例えば、カルシウム型陽イオン交換樹脂のカラムを用いた高速液体クロマトグラム分析に基づき含有量を特定することができる。一方、アントラニル酸メチルは、水に添加する量から算出してもよいし、例えば、ヘッドスペース(HSS)法を用いたGC/MS(HSS−GC/MS)による分析に基づき、含有量を特定することができる。HSS−GC/MSの分析条件の一例を以下に示す。

HSS(ヘッドスペースサンプラー):HEWLETT PACKARD HP7694
GC/MS:Agilent 7890B / 5977A MSD
カラム:DB−WAX(0.25mm I.D.×30m×0.25μm)
キャリアガス流量:1.0ml/分
オーブン:40℃(5分)→3℃/分→180℃→20℃/分→230℃
注入温度:230℃
【0020】
本実施形態の飲料は、還元糖、アントラニル酸メチルに加えて本願発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含んでもよく、特に限定されない。具体的な他の成分としては、甘味料、香料、色素成分、果汁、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸等を挙げることができる。
また、本実施形態の飲料は、炭酸ガスが圧入された発泡性の飲料であってもよい。また、アルコールが添加され、アルコール飲料として製造することもできる。
【0021】
また、本実施形態においては飲料を例えば容器に封入し、容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法なども特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、透明又は半透明のビン、プラスチックボトル(例えばPETボトル)の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。
【0022】
以上、本実施形態によれば、還元糖とアントラニル酸メチルを含有する飲料において上記の関係式(i)を満足することで褐変を抑えることができる。このため、外観の変化(褐変)による飲料の商品価値の低下を抑えることができるほか、色素添加によるマスキングを行わなくても飲料の外観の変化を小さくすることができるので、飲料についてより自由度の高い設計が可能となる。
【0023】
例えば、本実施形態によれば、還元糖とアントラニル酸メチルを含有する飲料であって、褐変が抑えられた外観が無色透明などの420nmの吸光度が0.019以下である飲料を提供することができる
本明細書において無色透明とは、透けて見え、特定の色もなく、水と同様の外観である状態をいう。無色透明であると視認できるとき、420nmの吸光度は0.01以下である。また、本実施形態に係る420nmの吸光度が0.019以下である飲料は無色透明であるものに限定されず、例えば、白色である飲料、白色を帯びているが透けて見える飲料などを挙げることができる。
なお、本実施形態において、420nmの吸光度は、例えば、分光光度計を用い、光路長1cmとして測定することができる。
【実施例】
【0024】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
まず、本実施形態に係る関係式(i)を満足するように還元糖とアントラニル酸メチルの含有量を制御することで飲料の褐変を抑えることができる理由について説明する。
【0025】
[実験例1]ヒトの視覚による外観の官能評価
外観について着色度合の異なるサンプルを準備し、ヒトの視覚による外観の官能評価を実施した。
なお、サンプルは以下のようにして準備した。
まず、表1に示す割合で果糖ぶどう糖液糖(HFCS)、アントラニル酸メチルおよびクエン酸を溶解させた後、500ml容PETボトルに充填し、9種の飲料を得た。そして、得られた飲料を60℃、5日間の熱虐待に供し、サンプル1〜9を得た。これらの外観を5名の評価パネルにより評価した。評価は7段階評価とし、コントロールとして用いた水と同様と認識されるものの評点を7、最も濃い褐色と認識されるものの評点を1とした。表1の評点は、評価パネル5名の評点の平均である。
評点が1または2とされるサンプルについては、いずれのパネルもその外観が無色透明から変化したものであると仮定したときに不快に感じると評価したため、評点の平均が3.0未満となるサンプルについては許容できない着色度合とし、評点の平均が3.0以上を褐変が抑えられていると判定した。また、評点が4、5、6または7とされるサンプルについては、いずれのパネルも無色透明かまたは無色透明に近いものと評価したため、評点の平均が4.0以上を褐変がより抑えられていると判定した。
【0026】
また、サンプル1〜9について、異性化液糖の着色度測定に用いられている420nmの吸光度(A420)を特性値として吸光度の測定を行った。
具体的には、分光光度計((株)日立製作所製、U―3990H)を用い、光路長1cm(1cmセル)として、サンプルを希釈することなく測定に供した。また、水をブランクとして用いて測定した。
【0027】
外観の官能評価と吸光度の測定結果を表1に示す。表1から、サンプルのA420が0.029より大きいときに評点の平均が3.0未満となり、サンプルのA420が0.019以下であるときに評点の平均が4.0以上となることが理解できる。
なお、サンプル1〜6については実施例に相当するため、これらを実施例1〜6とした。
【0028】
【表1】
【0029】
[実験例2] アントラニル酸メチル、果糖ぶどう糖液糖量と褐変の関係
表2に示す割合で成分を含有する各種試験液を調製した。得られた試験液を500ml容PETボトルに充填し、60℃、5日間の熱虐待に供した。
虐待後、波長420nmの吸光度(A420)の測定を、実験例1で示した方法に基づき実施した。
各試験液の組成と吸光度(A420)の測定結果を表3〜4に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
実験例1、2の結果に基づく果糖ぶどう糖液糖に由来する飲料の還元糖含有量、飲料のアントラニル酸メチル含有量、および飲料の420nmの吸光度(A420)の関係を表5に示す。表5において、A420が0.019以下の場合は○、0.019より大きく0.029以下の場合は△、0.029より大きい場合は×とした。
【0034】
【表5】
【0035】
実験例1、2に基づく当該表5から、以下の(i)の関係を満足することで評価が○または△となり、飲料の褐変を抑えることができることが理解できる。また、飲料の、褐変をより抑えることができる観点から、評価が○となる、以下の(ii) の式を満足することが好ましい。

(i) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<3.13×10−2
(ii) 1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2
<2.10×10−2

ただし、A(>0)は還元糖の含有量(g/L)を表し、B(>0)はアントラニル酸メチルの含有量(g/L, B>0)を表す。また、A、Bについて0<A≦160および0<B≦0.040の関係を満足することが好ましく、より好ましくは1.71≦A≦160および3×10−6≦B≦0.040である。
【0036】
[実験例3]
表6に示す割合で果糖ぶどう糖液糖(HFCS)およびアントラニル酸メチルを水に溶解させた後、ガスVOLが2.2VOLとなるよう炭酸ガスを圧入し、500ml容PETボトルに封入して実施例7〜16の飲料を作製した。
実施例7〜16の飲料について、実験例2と同様の方法で熱虐待の処理に供した。当該処理後、実験例1と同様の方法で420nmの吸光度(A420)を測定した。
【0037】
【表6】
【0038】
また、実施例7〜16の飲料について熱虐待処理後に実験例1と同様の基準で官能評価を行ったところ、褐変の程度はいずれも許容可能な範囲内(評点の平均が3.0以上)に抑えられていた。
【要約】
【課題】還元糖とアントラニル酸メチルとを含有する飲料において褐変を抑制できる新規な技術を提供する。
【解決手段】 420nmの吸光度が0.019以下である飲料であって、還元糖と、アントラニル酸メチルとを含有し、還元糖の含有量をA(g/L)、アントラニル酸メチルの含有量をB(g/L)とするときに1.4595A×10−4+8.0935B×10−1−1.4974×10−2<3.13×10−2の関係を満足する飲料。
【選択図】 なし